KIJI LISTpoint NEWS LIST
<POINT NEWS205>2017/01/11・・・(ヒューマニズムの視点で捉えよう、判断しよう)


sankaku205sankaku
2017/01/11sankaku01/13
日々のニュースは数えきれないほどあります。忘れてはいけない出来事も多くあります。今この時が未来のその時につながります。

手結ぶ日比、米中のはざま 首脳会談、南シナ海・経済駆け引き(2017/01/13朝日新聞)

「フィリピンの発展のため、国造りを力強く支えていきます」。5年間で1兆円の官民支援を打ち出した安倍首相は、会談後の共同会見で胸を張った。・・・南シナ海問題についてドゥテルテ氏は12日の会見で「海洋国のフィリピンと日本は領海の安全保障を確保する共有の関心事を抱えている」と述べ、平和的解決に向けて日本との協力を強化することを確認した。ただ、日本を歓待する背景について現地では「日本は欧米諸国からそっぽを向かれ、孤立するフィリピンを世界とつなぎとめる役割を果たしてくれるありがたい存在だから」(安保アナリストのリチャード・ヘイダリアン氏)との見方もある。相次ぐ暴言や、麻薬取り締まりで多数の死者が出ていることに国際社会から批判を浴びているためだ。・・・首相は今回、各国首脳とアジア太平洋地域における米国の存在感の重要性を確認し、今月下旬にも行うトランプ氏との日米首脳会談で「地域の声」として伝える考えだ。日本政府関係者は「今回の外遊の陰の主役はトランプ氏だ」と話す。ただ、トランプ氏の対アジア政策は現段階ではっきりせず、各国とも様子見の姿勢だ。今回の訪問で首相の狙い通りの成果が得られるか見通せない面もある。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12744629.html

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(社説)除染に税金 納得できる説明を(2017/01/13朝日新聞)

福島第一原発事故で放射線量が特に高くなった帰還困難区域について、政府が除染費用を税金でまかなう方針を決めた。この区域以外でこれまで進めてきた除染には、費用を東京電力に請求する仕組みがあるが、その例外とする。なぜ国民に直接、負担を求めるのか。政府の説明はわかりにくい。納得できる理由や総額の見通しを示し、国民の理解を得る責任がある。・・・ 政府は、除染や建物解体の関連費用として約300億円を新年度予算案に計上した。復興拠点の規模は固まっておらず、総額は不明だが、数千億円になるとみられている。

 税金投入の理屈はこうだ。

 帰還困難区域は将来も居住を制限する地域として設定し、東電もそれを前提に住民に損害賠償してきた。しかし地元の要望を踏まえ、復興拠点を設けることにした。新たなまちづくりとして除染とインフラ整備を一体で行うので、費用は東電に請求しない――。だが、除染と賠償、インフラ整備を並行して進めるのは、帰還困難区域以外でも同じだ。環境政策の大原則は「汚染者負担」である。新方針に対し、原則をなし崩しにする東電の負担軽減策ではないか、という批判が出たのも当然だろう。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12744583.html

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(声)教育費が防衛費と同規模とは…(2017/01/13朝日新聞)高校教員 篠原睦美(茨城県 60)

 新年度の国の当初予算案で、防衛費は5年連続の増で5・1兆円となった。横ばいだった教育・科学振興費の5・3兆円余と、同規模だ。「平和主義」を掲げてきた日本に、こんな日が来るとは思わなかった。日本は、教育への公的支出が国内総生産(GDP)に占める割合が、先進国の中で最低水準のままだ。日本の子どもの6人に1人が貧困状態にあると言われる。憲法26条は等しく教育を受ける権利を保障しているが、所得格差によって絵に描いた餅になっている。返済の必要がない給付型奨学金が新年度予算案に盛り込まれたが、その額は70億円に過ぎない。一方で、1機100億円近いオスプレイを4機も購入するという。政府はアベノミクスによる景気対策や外交・防衛に比べて、教育に冷た過ぎる。子どもや若者を支援しない国は文化国家とは言えない。大学卒業と同時に数百万円の負債を背負って就職せざるを得ない若者たちは、なかなか結婚にも踏み切れないだろう。「なんとも情けない」とため息をついている場合ではない。

http://digital.asahi.com/articles/DA3S12744585.html

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辺野古反対派リーダーの勾留3カ月「不当」 作家ら会見(2017/01/13朝日新聞)
沖縄の基地反対運動のリーダーらが不当に逮捕・長期勾留されているとして、ルポライターの鎌田慧さんら文化人グループが12日、東京都内で記者会見し、早期釈放を訴えた。リーダーの勾留は約3カ月に及ぶとして「反対運動をつぶすためのものだ」と主張。賛同した約1万6千筆の署名を近く那覇地裁に提出し、勾留をやめるよう求める。・・・会見で鎌田さんは「長期勾留で微罪を大きな罪に見せようとしている」と指摘。評論家の佐高信さんや作家の落合恵子さんら4人も呼びかけ人に名を連ねた。県警は「法と証拠に基づいて適切に対処したもので、『基地反対運動を阻害する』などの意図はありません」とコメントした。

http://digital.asahi.com/articles/DA3S12744682.html

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マルハナバチの1種が絶滅危惧種に、米国で初(2017.01.12ナショナルジオグラフィックス)
初めて、マルハナバチの1種が絶滅危惧種となった。米国魚類野生生物局は10日、かつては広く見られたラスティーパッチド・バンブルビー(Bombus affinis)が「現在、絶滅の崖っ縁をふらつきながらさまよっている」と、同局のウェブサイトで発表した。それによると、このハチは過去20年で個体数が87%減少したという。 ほんの数カ月前には、米国で初めてハチが絶滅危惧種入りしたというニュースがあったばかりだ。2016年9月、ハワイのメンハナバチ7種(Hylaeus属)が、絶滅危惧種法(ESA)に基づく保護の対象となった。・・・ラスティーパッチド・バンブルビーを絶滅危惧種に指定したという発表の中で、魚類野生生物局は、このハチの減少を止めるために個人にできる対策を列挙している。在来種の花を植える、殺虫剤の使用をやめるか制限する、そして「自然のままの土地を保つ、夏が終わっても庭の植物や草を刈らずに残しておき、越冬するハチに生息地を提供する」などだ。
http://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/17/011200009/

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米軍部隊、ポーランド配備 民主化後初、ロシアは反発(2017/01/13琉球新報)
【ベルリン共同】ポーランド通信によると、ウクライナ危機を受けてロシアに対する抑止力強化のために配備が決まった米軍部隊の一部がポーランドに到着し、駐留地の同国西部ジャガンで12日、歓迎式典が開かれた。AP通信などによると、米軍部隊のポーランドでの本格的な駐留は1989年の民主化後初めて。部隊は最終的に兵士約3500人、戦車87両の規模になる見通し。ロシアはペスコフ大統領報道官が「私たちの安全に対する脅威」と反発している。
http://ryukyushimpo.jp/kyodo/entry-426561.html

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待ちわびた市民続々 一部鳥類は見学できず(2017/01/13琉球新報)
1カ月ぶりでにぎわいが戻ってきた−−。13日に動物園エリアの営業を再開した東山動植物園(名古屋市千種区)には開園前から多くの親子連れらが詰め掛け、ゴリラやゾウ、キリンなどの人気動物を見て歓声を上げた。あちこちでスマートフォンで園内を撮影する姿が見られた一方、鳥インフルエンザの影響で一部の鳥類が見学できないことを残念がる声も漏れた。・・・ただ、多くの来園者を見て、黒辺雅実動物園長は思わず涙を流したという。「鳥インフルエンザ対策はまだ道半ば。自然に近い状態で、どうやって鳥類を展示していくのかも今後の課題だ」と気を引き締めていた。
http://ryukyushimpo.jp/mainichi/entry-426671.html

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GDPかさ上げ 数字より実体が大事だ(2017/01/13東京新聞)
政府が国内総生産(GDP)の算出方法を国連基準に合わせて見直す結果、一気に三十兆円強も増える。目標の「名目GDP六百兆円」に近づくというが、無論、国民の豊かさが増すわけではない。国連が二〇〇八年に決めた基準に従って企業の研究開発費などを新たに算入するほか、最新の統計を反映するなどの見直しを決めた。これにより一五年度の名目GDP確報値は五百三十二兆円と、旧基準の五百兆円を大幅に上回る。新基準に改定するなら旧基準の六百兆円目標も引き上げるのが筋ではないか。もっとも、六百兆円のままだとしても、政府のいう二〇年ごろに達成するには名目成長率2・5%を続けなくてはならず、ほぼ不可能な数字である。そもそもGDP自体、必ずしも国民の豊かさを表してはいない。公共事業で道路を掘って埋めても、環境汚染や公害をまき散らす開発でも、GDPはプラスに加算されるのである。国民の豊かさや幸福につながるものではないのに「名目GDP六百兆円」の目標に、どれだけの意味があるのか。国民の生活水準により近いのは「一人当たりのGDP」だが、日本はG7(先進七カ国)の中ではイタリアと最下位を争い、世界で二十五位に入らない。・・・ 歴代政権にとってGDPの数字は、財政出動の理由付けなど都合良く利用できる道具ともなった。「六百兆円の達成」も、いつの間にか何か政策の口実に利用されるかもしれない。
 大事なのは、そんな数字の達成などではない。長時間労働の根絶や正規、非正規に分断された格差の是正など国民の幸福度に直結する政策を地道に実行していくことだ。それが成長率を高め、国民をより豊かにするはずなのである。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2017011302000135.html

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<社説>台湾原発全廃へ 日本も国民の安全重視を(2017/01/13琉球新報)
台湾の立法院が2025年までに、3原発6基の原子炉を事実上、全て廃炉にすることを盛り込んだ電気事業法の改正案を可決した。総統令を経て発効する。「フクシマの教訓」を生かせば、脱原発は当然である。国民の安全を重視した対応を歓迎したい。台湾では福島第1原発事故直後の11年4月に1万人規模の脱原発デモが起き、13年3月のデモには各地で計22万人が参加した。台湾世論は明確に脱原発を望んできた。 蔡英文総統は昨年1月の総統選で、25年までの脱原発を公約に掲げて当選した。世論を重視する姿勢が支持を受けたと言えよう。対照的に安倍政権は教訓から何ら学んでいない。脱原発を求める世論も一顧だにしない。原発の安全神話は完全に崩壊したにもかかわらず、原発輸出を成長戦略の要と位置付け、官民一体となって海外に売り込んでいる。


 だが、昨年11月には日本などの受注が決まっていたベトナムの原発建設計画が白紙撤回された。これに続く台湾の脱原発への転換を、安倍政権は重く受け止める必要がある。インドやトルコなど他の海外案件も、政情不安などのリスクを抱えている。危険さ故に新増設が見通せない日本国内に代わって、輸出で原発産業の維持を図る安倍政権の成長戦略は日本への信頼を低下させかねない。・・・想定外の災害は防ぎようがない。福島の過酷な状況を再び生じさせることは国内に限らず、海外でも許されない。安倍政権は原発輸出を見直すべきである。加えて台湾のように国民の安全を重視し、原発再稼働を推し進める政策を破棄し、脱原発へと転換すべきだ。日本に求められていることは「フクシマの教訓」を踏まえ、再生エネルギー技術に磨きをかけ、世界の脱原発をリードする役割を果たすことである。
http://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-426399.html

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野党の選挙共闘 小異残して大同に付け(2017/01/13東京新聞)
 年内にも想定される衆院解散・総選挙。「安倍一強」の政治状況に野党はどう臨むべきか。政権批判の民意集約には、野党候補の絞り込みが必要だ。小異を残しつつも、大同に付かねばならない。・・・しかし、安倍政権の下での国会は、惨憺(さんたん)たる状況だ。昨年の臨時国会では年金支給額を抑制する法律の採決を、議論を打ち切って強行した。現行の刑法が賭博として禁じるカジノを合法化する法律の審議も強引に進め、会期を延長してまで成立させた。さかのぼれば、多くの専門家らが憲法違反と指摘した「集団的自衛権の行使」を認める安全保障関連法の成立も強行した。今月二十日に召集予定の通常国会では、問題点が多く、過去三度廃案になった「共謀罪」を盛り込んだ法案の成立も目指す。反対意見に耳を傾けない国会運営がまかり通るのは、与党が衆参両院で圧倒的多数を占めているからだ。状況を変えるには、野党が選挙で議席を増やすしかない。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2017011302000136.html

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トランプ氏会見  不都合な疑問に答えよ(2017/01/13京都新聞)
米国の大統領にふさわしいか不安になる。20日の就任式を間近に控え、ようやく開いたドナルド・トランプ氏の記者会見。きのう未明のテレビ中継を見ると、詰めかけたメディアの質問に答えをそらし、質問を受け付けないなど、一方的な発言が目立った。米国民だけでなく、影響が及ぶ世界に、説明責任を果たそうという姿勢がまるで見えない。残念というより、困惑が膨らむばかりだ。記者からは、大統領選へのサイバー攻撃疑惑について質問が相次ぎ、初めてトランプ氏は「ロシアがやったと思う」と述べ、米情報機関の分析を認めた。しかし、そのほかは自画自賛ともいえる「トランプ節」の繰り返し。メキシコなど国外に生産拠点を移す企業に「重い関税を課す」と強調し、「最大の雇用創出者になる」と豪語してみせた。日本も中国、メキシコと並んで貿易不均衡で米国の富を損なっていると名指しされたが、根拠を示すことはなく、相変わらずの放言といっていい。・・・早朝から矢継ぎ早に発信し、フォロワーは約2千万人に上る。新聞やテレビなど既成メディアもフォローしなければ、次期大統領の情報を得られないのは異常だ。ツイッターは、オバマ大統領など多くの政治家が利用する重要な発信ツールだが、同時に記者会見で不都合な質問にも答えなければいけない責務がある。しかし、トランプ氏は大統領選で批判的な報道が気にくわないからと記者会見をやめ、この半年間、拒み続けてきた。第三者によるチェックで発言の7割が事実と異なると指摘され、会見で真偽を問いただすのは当然ではないか。
http://www.kyoto-np.co.jp/info/syasetsu/

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米空軍、うるま津堅沖で通知なく降下訓練 「伊江島集約」を無視(2017/01/13琉球新報)
【うるま】米空軍は12日午前11時すぎ、うるま市の津堅島訓練場水域で、沖縄県や市へ通知なくパラシュート降下訓練を実施した。落下物には兵士以外に黒い物資のような物も見られた。訓練水域周辺では民間の漁船などが航行する姿も確認された。県やうるま市は従来、日米特別行動委員会(SACO)の最終報告に基づいて海域での訓練を伊江島に集約するよう求めてきたが、地元の要請は再び無視された。
http://ryukyushimpo.jp/news/entry-426430.html

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<社説>ヘイト番組放送 沖縄への偏見拡大恐れる(2017/01/13琉球新報)

 沖縄に対する許し難い誹謗(ひぼう)中傷だ。公共の電波を使った沖縄に対するヘイトスピーチ(憎悪表現)と断ずるしかない。なぜこのような番組を制作し、放送したのか明確に説明すべきだ。東京のローカル局・東京メトロポリタンテレビジョン(東京MX)が、米軍北部訓練場のヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)建設に反対する市民をテロリストに例えるような内容の番組を放送した。住環境や自然環境の破壊を懸念する地域住民や東村高江で抗議行動を続けてきた市民、県民をおとしめる重大な人権侵害だ。見過ごすわけにはいかない。・・・番組自体はネット上で流布しているデマの寄せ集めだ。このような番組で、国民の間に沖縄への偏見や無理解が広がることを何よりも恐れる。ヘリパッドや辺野古新基地の建設に反対する市民、県民は豊かな自然と住みよい生活環境を求めているだけだ。
http://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-426400.html

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反基地リーダー釈放求め国会集会 「政治弾圧だ」(2017/01/12東京新聞)
 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設に反対するグループのリーダーが昨年10月に逮捕され、勾留が続いていることを巡り、作家の落合恵子さんや評論家の佐高信さんらが12日、国会内で釈放を求める集会を開いた。300人以上が参加し「政治弾圧をやめよ」などと主張した。勾留が続いているのは、沖縄平和運動センターの山城博治議長(64)。昨年10月、米軍北部訓練場のヘリコプター離着陸帯建設現場で有刺鉄線を切った疑いで、沖縄県警が逮捕した。その後も、辺野古の米軍基地ゲート前にブロックを積んで移設作業を妨げた疑いなどで、2度再逮捕された。
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2017011201001283.html?ref=rank

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米大使館のエルサレム移転、5月にも発表か 国際社会は警告(2017/01/12CNN)
ワシントン(CNN) 米国のトランプ次期政権が欧州やアラブ諸国の同盟国に対し在イスラエルの米大使館をテルアビブからエルサレムに移転する計画を説明していることが12日までにわかった。これら同盟国は移転はパレスチナ和平交渉問題に重大な悪影響を及ぼすと強く警告、パレスチナ自治政府やアラブ諸国の反発も高まっているという。
http://www.cnn.co.jp/world/35094909.html

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オバマ大統領の8年 希望の種は残した(2017/01/12東京新聞)
「変革(チェンジ)」の期待を背負って登場したオバマ米大統領。高い理想を追い求めた八年間だった。希望の種を残して、オバマ時代が幕を閉じる。オバマ政権は重い課題を背負わされての船出だった。ブッシュ前政権が始めたアフガニスタン、イラクの二つの戦争の後始末と、一九三〇年代の大恐慌以来の金融危機からの経済再生である。単独行動主義で国際問題に過剰介入した揚げ句、国力を消耗させたブッシュ外交を否定することからオバマ外交は始まった。・・・ 欧州が主導したリビア空爆の側面支援や、過激派組織「イスラム国」(IS)掃討は別にして、新たな対外戦争を進んで始めなかったことは、評価されていい。
 ブッシュ(父)政権の湾岸戦争、クリントン政権のユーゴ空爆、ブッシュ(息子)政権の二つの戦争と、最近の歴代政権が力の行使をためらわなかったのとは、異なる。アフガン、イラク両戦争に疲弊し、米国民に厭戦(えんせん)気分が強かったことが大きいが、オバマ氏自身も武力行使に慎重姿勢を貫いた。・・・米国が重んじる価値観をないがしろにするトランプ氏が念頭にあったのだろう。オバマ氏は十日のお別れ演説で「米国が若さや、活力、多様性、寛容さ、それに危機対処の無限の能力を持っている限り、未来はわれわれのものだ」と訴えた。最後は「大統領として最後のお願いは、あなた自身に変革の力があると信じることだ」と呼び掛け、選挙スローガンだった「Yes We Can(われわれはできる)」で締めくくった。現実の壁にはね返されながらも、少しでも前に進もうとしたオバマ氏。米国はその精神を失わないでほしい。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2017011202000134.html

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オバマ政権8年  未完の「チェンジ」継ぐのは(2017/01/12京都新聞)
オバマ米大統領が退任を前に、米国民に向けて最後の演説を行った。締めくくりの言葉は、かつて自らが勝利した大統領選を象徴するスローガン「イエス・ウィー・キャン(私たちはできる)」だった。就任した2009年、米国は出口の見えない対テロ戦争、ウォール街発の金融危機と大不況のただ中であえいでいた。閉塞(へいそく)感が世界を巻き込みつつあった時、人々が一筋の光と感じたのが「チェンジ(変革)」というオバマ氏の言葉だった。・・・オバマ氏自身もそれを強く意識したはずだ。ただ、在任期間を振り返れば、高く掲げた理想と現実の隔たりは大きく、そのはざまで揺れ続けた2期8年だったと言えよう。・・・イラク、アフガニスタンでの対テロ戦争を終わらせるという公約はついに果たせなかった。シリア内戦への武力介入、中国による南シナ海の軍事拠点化への対応では後手に回り、「弱腰」との批判を浴びた。ブッシュ前政権の単独行動主義からの脱却を図り、対話による国際秩序の維持を目指したオバマ外交は、逆に他国に強気に振る舞う余地を与えたようにもみえる。それを抑える手練手管に欠けていた。・・・きのうの米国民への「お別れ演説」は、自身のレガシー(政治的遺産)を擁護するとともに、トランプ次期政権への注文もにじませるものだった。

 「民主主義の維持には、相違を超えて結束することが重要だ」「移民の子どもたちを大切にしなければ、私たちの子どもたちの未来も損なう」−。トランプ氏の排他主義的な主張を念頭に置いた発言だろう。「米国が民主主義などの価値観を堅持する限り、国際社会でのロシアや中国の影響力は、米国に及ばない」とも述べた。・・・オバマ氏が掲げた理想の多くは、壁にぶつかった。だが、対話重視の協調外交や、リベラルな立場での社会の再生はもう限界だと決めつけるのは早計だ。確かな理念のないところに、秩序や平和は生まれまい。現実を理想に、少しでも近づける。そのためには何が必要で、どのように行動すべきなのか。米国で、世界のあちこちで、オバマ氏の8年に学び、未完の「変革」を継ぐ人材が出てくることを期待したい。
http://www.kyoto-np.co.jp/info/syasetsu/

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(いちからわかる!)男女格差を示す指数、日本は悪いんだって?(2017/01/12朝日新聞)
「ジェンダーギャップ指数(しすう)」のことだね。経済、政治、教育、健康の4分野14項目(こうもく)で男女格差を数値(すうち)にし、平均を出す。国際団体「世界経済フォーラム」が毎年発表している。昨秋発表された2016年版で日本は144カ国中111位。15年の145カ国中101位から下がった。・・・特に経済が100点満点で56・9点、政治も10・3点と低い。男女の所得(しょとく)の差が大きいことや、管理職や国会議員に女性が少ないことが主に影響(えいきょう)している。経済や政治で何かを決める立場には、まだ女性が少ないんだ。・・・そもそも人口の半分は女性。例えば、議会はみんなの意見を政策に採(と)り入れるための場だから、よりさまざまな意見が反映できたらいいよね。女性議員が多い国ほど借金が少なく、教育予算が増えると指摘(してき)する専門家もいるんだ。

http://digital.asahi.com/articles/DA3S12742858.html

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新興国、止まらぬ通貨安 メキシコ・ペソ、トルコ・リラ、最安値 トランプ氏発言背景(2017/01/12朝日新聞)
メキシコやトルコといった新興国の通貨が、ドルに対して下落を続けている。保護主義的な主張を掲げたトランプ氏が米次期大統領に決まり、資金流出が続いているためだ。テロ事件などの政情不安も背景にある。一方、東南アジアなどでは持ち直しの動きもあり国ごとに濃淡も出始めた。・・・急落の背景にあるのは「米国第一主義」を掲げるトランプ米次期大統領の言動だ。トランプ氏は大統領選前から「国境に壁をつくる」と主張。当選後も、生産拠点を米国からメキシコに移す企業などに対し、ツイッターで批判した。
http://www.asahi.com/shimen/20170112/index_tokyo_list.html

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(興流インド)15兆ルピー無効、足りぬ現金 織工に給与払えず・野菜売値暴落(2017/01/12朝日新聞)
インドでは所得税を払う人が人口の約2%にすぎない。多くの庶民は課税対象になりにくい現金取引の世界で暮らす。「ならば現金を無効にしてしまえ」とモディ首相が昨年、強硬策に打って出た。成長の足を引っ張る「地下経済」の根絶を狙う巨額の「廃貨作戦」が、大混乱を招いている。ニューデリーから大河ヤムナを渡った対岸のガンディナガルは、繊維関係を中心に町工場や問屋がひしめく。農村部からの出稼ぎ者は約50万人。昨年11月8日、モディ首相が突然、高額紙幣の廃止(廃貨)を宣言すると様子が一変した。・・・廃貨宣言後、政府は新札を供給し始めたが、銀行口座からの引き出し額に上限を設けた。1週間に普通預金なら2万4千ルピー(約4万1千円)、当座預金は5万ルピー(約8万6千円)だ。大量注文する布地や売り上げは銀行決済だが、ボタンや糸、発電用の軽油、社員が飲む紅茶を買うのは、税務当局の目が届かない現金取引だった。「1日に5万ルピーないと工場は回らない」とシンガルさんは訴える。・・・モディ氏の廃貨宣言は巨大な非公式部門に流通する現金を「ブラックマネー」と位置づけ、一気に公式部門に組み入れる試みだ。無効化された旧札は総額15兆ルピー(約26兆円)。先月31日、テレビ演説でモディ氏は、ヒンドゥー教の宗教用語を用いて「歴史的な浄化の儀式が進行中だ」と強調した。

・・・ ■「一晩で解消しよう」ばかげている ノーベル経済学賞、アマルティア・セン氏

 インド人でノーベル経済学賞を受賞したアマルティア・セン米ハーバード大教授に尋ねた。

 ――廃貨宣言の評価は?

 経済全体に打撃を与え、貧しい人ほど職を失い、ささやかな商売が難しくなっている。キャッシュレス化が正しいとしても、誰かにしわ寄せが行くことなく、何年もかけて実現されるべきことだ。

 ――そもそも政府や中央銀行は勝手に貨幣を廃止していいのでしょうか。

 資本主義が成り立っているのは、本来価値のない紙切れに支払いの約束が伴っているからだ。中央銀行はその約束を破った。裁判沙汰になって当然だ。誤算はブラックマネー対策とキャッシュレス化という二つの目的が矛盾をはらんでいる点にある。ブラックマネーを逃さないためには急ぐ必要があるが、キャッシュレス化には時間を要する。ブラックマネーの大半は貴金属や外国預金として蓄えられ、現金として存在するのは6〜7%に過ぎないという推計がある。今回どんなにうまくやっても、根絶できない。

 ――非公式部門の解消は望ましいことでは?

 非公式部門は日本や米国にもまだ残っている。それをなくすのが理想だとしても、「ならば一晩でやってしまおう」というのはばかげている。非公式部門は経済の進歩の結果として解消されるもので、人々を脅してなくせるものではない。

 <インドの廃貨宣言> 昨年11月8日夜、モディ首相がテレビ演説し、不正蓄財や偽造紙幣を根絶するため、最高額紙幣だった1千ルピー(約1700円)と500ルピー(約860円)の紙幣を翌9日午前0時で無効にすると宣言した。無効になったのは現金全体の86%の約15兆ルピー(約26兆円)で、国内総生産(GDP)の約12%を占める。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12742752.html

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(争論)大学と軍事研究 大西隆さん、池内了さん(2017/01/12朝日新聞)

現実直視し戦争避ける研究を 日本学術会議会長・大西隆さん
 日本学術会議は1950年と67年に、戦争を目的とした科学の研究を行わない声明を発表しました。半世紀たち、第2次世界大戦の反省を共有しつつもそれだけから現代を判断する議論には疑問を持つ若手の研究者が増えていると感じます。声明の意味を新しい環境の中でとらえなおす必要があると考え、検討委の設置を提案しました。私自身は現行憲法を支持し、声明を堅持するべきだと主張しています。自衛とは自ら戦争をしかけず、戦争の機会を作らないことであり、そのための研究は声明と矛盾しないと考えます。もっとも、多くの国際紛争は自衛の名のもとに始まっており、自衛権の行使には制限が必要です。切迫して代替手段がないときに限り、過剰でない範囲で認められるとされ、加えて国際条約による制限があり、自衛のための技術研究も同じ制限を受けます。核兵器や毒ガスのように攻撃的性質を持つ技術の研究は初めから除外すべきです。

防衛と攻撃の技術は表裏一体 名古屋大学名誉教授・池内了さん
日本学術会議は、軍事研究とはいかなる関係も持たないとの立場をとるべきです。自国の防衛のための軍事技術だからよいという意見は、単純すぎます。防衛技術は、攻撃の技術とセットだからです。今や世界的に無人機やロボットで人を殺傷する兵器開発が進んでいます。防衛省が公募制度で提示した昆虫や小鳥サイズの小型飛行体の研究は、そこに化学兵器を積んで飛ばせばどうなるかすぐに想像できます。光の反射を抑える人工素材の研究もステルス戦闘機の機体に応用できるでしょう。大学は従来通り、民生技術に限るべきだと思います。技術は民生と軍事のどちらにも使える「デュアルユース」だから線引きできないという主張がありますが、私は以下の3点から明確に区別できると考えます。(1)資金源、(2)資金提供の目的、(3)研究成果の公開性です。

 特に3点目の研究成果の公開性について、私は、完全な公開が保障されていないのではないかと防衛省に尋ねてきました。昨年12月、防衛省は公募要領に「研究成果の公表を制限することはない」と明記すると表明しました。なぜ、「公開は完全に自由とする」と書かないのでしょうか。防衛省が関与する余地を残しているのです。・・・軍事研究は、憲法23条で保障されている学問の自由を脅かす懸念があるのです。戦前・戦中の科学者たちが、科学の発展や国を守るためと信じて、倫理の道を踏み外しました。自分の研究が平和を破壊する方向に使われていないか、常に問いかけることが必要です。少しでも研究活動に干渉したり、発表を阻害したりするものがあれば拒否するという節操を持つべきです。

 科学者は本心では戦争のための道具はつくりたくないんだと、私は信じています。問題はお金です。文科省の「選択と集中」政策のもと、政府が重視する研究分野に資金が集中し、それ以外は貧困状態です。防衛省の資金に飛びつきたくなる研究者もでてくるでしょう。「研究者版経済的徴兵制」と呼ぶべきこの状況に問題の根幹があるのです。

 いけうちさとる 1944年生まれ。専門は宇宙物理学、科学社会論。著書に「科学の考え方・学び方」、「科学者と戦争」など。

http://digital.asahi.com/articles/DA3S12742703.html?iref=recob

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(社説)出版差し止め 表現の自由の理解欠く(2017/01/12朝日新聞)
憲法が定める表現の自由や、市民の「知る権利」の重要性をどう認識しているのだろうか。大いに疑問のある判断だ。改憲運動などにとり組み、国政にも影響力をもつ日本会議の沿革や活動を書いた「日本会議の研究」について、東京地裁が出版差し止めを命じる仮処分決定をした。文中で言及した男性の名誉を傷つけたとの理由だ。本の販売を許さない措置は、著者や出版社に損害を与え、萎縮を招くだけではない。人々はその本に書かれている内容を知ることができなくなり、それをもとに考えを深めたり議論したりする機会を失ってしまう。民主的な社会を築いていくうえで、極めて大切な表現の自由を損なう行いであり、差し止めには十分に慎重であるべきだ。司法も「一定の要件を満たしたときに限って、例外的に許される」との立場で臨んできた。

はたして、この本は「例外」にあたるケースなのか。

・・・「日本会議の研究」は、この教団がかつて展開した機関誌の部数拡大運動を紹介。所属する若者らは消費者金融から借金をして機関誌を買い、取りたてに苦しめられたとし、「結果、自殺者も出たという。しかし、そんなことは男性(実名)には馬耳東風であった」と書いた。地裁は「この部分は真実でない可能性が高く、販売を続けると、男性は重大かつ著しく回復困難な損害を被る」と述べ、差し止めの結論を導き出した。

 一足飛びの判断に驚く。

 十分な取材をせずに他人の名誉を傷つけたとすれば、書かれた側の救済はむろん必要だ。賠償金の支払いや謝罪広告の掲載などの方法も用意されている。今回、それを越えて、一冊の本を社会から閉めだすことまでしなければならない事情は何なのか。表現の自由や知る権利との関係をどう考えたのか。だが地裁の決定理由に、こうした肝心な点についての検討はなく、問題ある記載があれば差し止めという、粗っぽい筋立てになっている。説得力に欠け、憲法価値に対する無理解・無頓着を疑わざるを得ない。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12742715.html

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(声)人権侵害の懸念拭えぬ「共謀罪」(2017/01/12朝日新聞)無職 中村良夫(北海道 80)

 政府は、犯罪を謀議した段階で処罰できる「共謀罪」について、構成要件を変え、法案の名称も今風の「テロ等準備罪法案」として、20日召集の通常国会に提出する構えだ。「謀議」とは、計画し、相談することだ。法案では適用対象を「組織的犯罪集団」に限定し、資金集めや現場の下見などを想定した準備行為も要件とするという。だが、該当するか否かは捜査機関が判断するため、歯止めにならないとの指摘もある。一般市民が道端で友人たちと実行性がないような立ち話をしても、捜査官次第で「ちょっと署まで来い」となりかねない。政府は3年後の東京五輪・パラリンピックを控えてテロ対策の必要性を強調する。だが、対象犯罪は676にも及び、恐喝や偽証も含まれる。共謀罪法案が過去3回、廃案となったのは、対象犯罪が不当に広すぎ、人権侵害の危険性が大きいからだ。それなのに今度の法案でも、その懸念は拭えていない。そもそも、準備段階で犯罪行為を把握するには、盗聴も必要になる。この国は、殺伐とした暗い監視社会に様変わりするだろう。政府案のままでは、「共謀罪」の新設にとても賛成できない。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12742719.html?ref=pcviewpage

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筆洗/ジョン・ササル氏は戦後長らく、英国南西部の貧しい村で地域医療に打ち込んだ医師だ。(2017/01/11東京新聞)
ジョン・ササル氏は戦後長らく、英国南西部の貧しい村で地域医療に打ち込んだ医師だ。村に住み、患者一人一人の暮らしぶりまで知った上で、病と向き合った▼先日、九十歳で逝った英国の作家ジョン・バージャーさんは、ササル医師の姿を活写した名著『果報者ササル』(みすず書房)で、その医療の本質を描いている。<彼がいい医者だと見なされるのは、患者の心の底に秘められた、口に出されることのない、友愛を感じとりたいという期待に応えているからである>▼しかし、そんな期待に応え、全人格的に患者と向き合い続ければ、医師はとてつもない喪失感とも向き合わねばならない。だからササル医師は、こんな覚悟で日々を送っていたという▼「死のことを考えさせられるとき−それは毎日のことだが−わたしはいつも自分の死のことを考える。そうすると、もっと懸命に働こうという気になるんだ」▼この方も、そういう覚悟で患者さんと向き合っていたのだろう。福島県広野町で地域医療の柱であり続けた高野病院の院長・高野英男さんが昨年末、八十一歳で亡くなった。原発事故後も患者一人一人に寄り添い、被災地に踏み留(とど)まって医療を支え続けた大黒柱の死である▼院長の逝去で、高野病院は存続の危機にあるという。これは、一病院の問題ではない。被災地を国全体で支え続ける覚悟の問題だろう。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2017011102000141.html

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原発被災地の医療 病院長の死が問うもの(2017/01/11東京新聞)
福島県広野町の高野英男・高野病院長(81)が昨年末、亡くなった。老医師の死は、避難指示解除や地域医療など、被災地が抱える問題を明るみに出した。高野院長は昨年十二月三十日、火事で亡くなった。病院は福島第一原発から南に約二十二キロ。二〇一一年三月の原発事故後、院長は患者は避難に耐えられないと判断し、患者やスタッフと共に病院にとどまった。おかげで震災関連死を出すことはなかった。三十キロ圏内で唯一、診療活動を継続している病院となった。院長の死は、八十一歳の老医師の活躍で隠されていた不都合な真実を明らかにした。そのうちの三点について書いていきたい。・・・

(1)年間の放射線量が二〇ミリシーベルト以下(2)インフラの整備、医療・介護などがおおむね復旧(3)県、市町村、住民との十分な協議−を挙げている。住民の間では特に医療環境と商業施設の充実を望む声が強い。だが、医療の実情は、おおむね復旧とは言い難い。福島県が昨年九月に公表した医療復興計画によると、双葉郡内の八町村では原発事故前の一一年三月一日現在で、六つの病院が診療活動をし、常勤医は三十九人いた。それが一昨年十二月には、病院は高野病院だけ、常勤医は高野院長一人だけになった。

・・・二つ目は少子高齢化、人口減の地域での医療についてだ。
 原発から三十キロ圏内を中心に、原発事故後、国や自治体が住民に避難指示を出した。双葉郡の場合、ほぼ全員が避難した。患者がいなくなれば、病院の経営も成り立たず、医療も崩壊する。・・・この問題は被災地に限らない。過疎地でも高齢者を支えないと、医療機関の整っている都市部へ移動する。政府は医療や社会福祉の支出削減を目指しているが、地方の医療が壊れれば、過疎を加速させる可能性がある。・・・

三つ目は、原発事故に病院は耐えられないということだ。

 院長は町が出した全町避難の指示に従わなかった。その方が寝たきりの患者らにはよかった。政府は再稼働に際し、原発から五キロ以遠は屋内退避とした。教訓を生かしたように見える。しかし本当の教訓は「とどまることは無理」である。スタッフの中には、子どもを連れて避難しなければならない人もいた。医薬品だけでなく、入院患者の食事、シーツの交換なども必要だが、継続できたのは善意や幸運が重なったことも大きかった。事故が起きれば、医療は継続できない。医療がなければ、人は住めないということである。・・・原発事故からもうすぐ六年。関心が薄れ、遠い出来事のように感じている人が少なくない。院長の死は「原発事故は終わっていない」と訴えているようだ。「被災地の現状は、明日の日本の姿」と警告している。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2017011102000143.html

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バマ大統領が最後の演説 「民主主義は重要」訴え(2017/01/11東京新聞)
【ワシントン=石川智規】オバマ米大統領は十日夜(日本時間十一日午前)、地元の中西部イリノイ州シカゴで退任前の「お別れ演説」を行い「民主主義がしっかりと機能したときのみ多様性と開放性を持ち、私たちの国がより強くなれる」と訴え、人種の平等や民主主義の重要性を訴えた。・・・さらに「大統領として最後のお願いは、自分自身を信じること。イエス・ウィー・キャン(私たちはできる)」と呼び掛けた。また、トランプ次期大統領が「米国第一」を掲げ、移民排斥などの差別的な主張を続けることに賛否が交錯し、社会の分断が続いている。オバマ氏は「互いに事実を認め合わない限り、民主主義は機能しない」と融和の必要性を説いた。さらに、トランプ氏が就任する二十日を控え「円滑に政権移行することを約束する」と述べた。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/201701/CK2017011102000258.html

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共謀罪  人権脅かす懸念拭えぬ(2017/01/11京都新聞)
強権と乱用の懸念が拭えない。政府は、「共謀罪」の新設を柱とする組織犯罪処罰法改正案を20日召集の通常国会に提出する方針を明らかにした。共謀罪は、犯罪を実行に移す前に計画に加わっただけで処罰する。捜査機関の拡大解釈による人権侵害の恐れが問題となり、国会で3回廃案になった経緯がある。政府は2020年の東京五輪・パラリンピックに備えたテロ対策のためと強調するが、聞こえてくる中身は従来の危うさが消えないままだ。またぞろ土壇場になって与党の「数の力」で押し通すのでなく、速やかに全容を国民に説明すべきであり、国会で徹底的に問題点を洗い出す必要がある。

 共謀罪が特異なのは、対象となる犯罪が広いことだ。政府が法案の下敷きとする国連の国際組織犯罪防止条約は、懲役・禁錮4年以上の犯罪としており、国内では計676に及ぶ。殺人や窃盗、詐欺のほか業務上過失致死など組織犯罪と関連が薄いものも含まれる。懸案の絞り込みは与党内でも議論できておらず、とりあえず網をかぶせるというのでは乱暴すぎる。・・・安倍政権は、特定秘密保護法をはじめ政府の裁量や捜査機関の権限を広げる法整備を相次ぎ進めてきた。電話やメールの傍受も法改正で比較的軽微な犯罪にまで拡大している。今回も五輪開催やテロ対策を前面に掲げれば、国民の批判が高まりにくいという計算を感じざるを得ない。現在でも殺人など一部犯罪を準備段階で処罰する規定があり、既存法を駆使すれば条約に対応でき、他国の例をみても締結は可能という指摘もある。 多様化するテロは法整備だけで防げるものでない。情報収集や捜査手法面の連携や力量の向上こそ急ぐべきだろう。
http://www.kyoto-np.co.jp/info/syasetsu/

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精神疾患の治療  「隔離処遇」反省忘れず(2017/01/11京都新聞)
厚生労働省は、統合失調症などで長期入院する患者を2020年度末までに全国で最大で3万9千人減らす目標を決めた。確かに、日本の精神科入院患者数は国際的に高い水準にある。患者を病院に閉じ込めて、地域や社会とかかわることを避けてきたことも一因にあり、過去の処遇政策への反省なしに問題解決はない。厚労省は04年に示した精神医療の改革ビジョンで10年間に約7万床の削減目標を掲げたが、実際に減少したのは1万8千床にとどまった。お題目だけで患者を退院させても、結局は退院と再入院を繰り返すことになる。厚労省によると、精神疾患を持つ人は全国で400万人近くいる。このうち精神科に入院している患者は28万9千人で、減少傾向にあるが、近年は仕事でさまざまなストレスを訴える患者が増えている。・・・日々の患者の相談に乗る福祉専門職の確保のほか、訪問医療を引き受ける医師、看護師が欠かせない。自治体や保健所、ホームに欠かせない専門分野の人材確保には時間も、費用もかかる。この点で、必要な財源確保こそがその前提となる。精神科医療の大転換には、相当の困難とコスト負担が必要になる。
http://www.kyoto-np.co.jp/info/syasetsu/20170111_2.html

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火星から見た地球と月の写真をNASAが公開(2017/01/11ナショナルジオグラフィックス)
火星から撮った地球と月の写真を、NASAが公開した。地球から約2億500万キロ離れた火星の周回軌道で、NASAの探査機マーズ・リコネサンス・オービターがHiRISEと呼ばれる高解像度カメラで撮影したものだ。・・・写真は、地球と月の両方が見えるように、明るさを調整してある。HiRISEは赤外線と赤、青緑の3つの波長をとらえており、写真中、地球の真ん中の赤っぽく見える部分はオーストラリアで、その上に見えるのはアジアだ。・・・地球と月を一緒にとらえた写真は、これまでも数多くの探査機によって撮影されてきた。月面や国際宇宙ステーションにいる宇宙飛行士は、星の後ろから地球や月が姿を現す「地球の出」や月の出を撮影した。
http://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/17/011000006/

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飲酒後にラーメン食べたくなる理由判明 英でマウス実験(2017/01/11朝日新聞)
お酒を飲んだ後、ついラーメンやアイスクリームが食べたくなるのは、アルコールが食欲にかかわる脳の神経細胞を活性化させるためらしい。英フランシス・クリック研究所のグループがマウス実験で突き止め、11日、英科学誌ネイチャーコミュニケーションズ(電子版)に発表する。・・・グループはマウスにアルコールを与えると、食べる量が約1〜2割増えることを確認。アルコールを与えた時のマウスの脳を調べたところ、ふだんは飢えによって食欲が増す時に働く神経細胞が活性化していることがわかった。人為的にこの神経細胞の活動を抑えると、アルコールを与えても食べる量は増えなかった。この神経細胞はマウスと人で共通だという。お酒を飲むと過食しやすいと、しっかりと自覚しておく必要がありそうだ。(瀬川茂子)
http://digital.asahi.com/articles/ASK174CM0K17ULBJ001.html?iref=comtop_8_02

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不正受給、4割戻らず 計23億円 国の雇用助成金、13〜15年度(2017/01/11朝日新聞)
経営難の企業が雇用を維持するため、国が休業手当の一部を助成する「雇用調整助成金」=キーワード=制度で、2013〜15年度に約54億3千万円の不正な受給が発覚し、このうち4割を超える約23億8千万円が返還されていないことが厚生労働省のまとめでわかった。同省は不正受給した企業に返還を求めており、応じない場合は刑事告訴したケースもある。・・・同省によると、15年度までの3年間にこの助成金を受給したのは全国の21万6762社で、計約657億円。不正受給が発覚したのは379社で計約54億3千万円にのぼった。企業は受給の際、従業員の出勤簿などを労働局に提出して審査を受ける。しかし、休業させたと偽ったり、社員の訓練をしたと申告しながら社員を働かせていたりする手口が後を絶たないという。

<雇用調整助成金> 景気変動の影響で売り上げが減った企業が、雇用を維持するために従業員を休業させた際に国から支給される助成金。直近3カ月の売上高や生産量などの月平均が前年同期と比べ10%以上減ったことなどが要件で、従業員1人につき1日7775円が上限(昨年8月1日現在)。教育訓練をした場合はさらに1200円が加算される。財源は事業者が納める雇用保険料。制度は1981年に始まった。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12740881.html

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(ひと)アレクサンドル・ポノマリョフさん 「南極ビエンナーレ」を企画するロシアの現代美術家(2017/01/11朝日新聞)
 今春、南極で初めて開かれる国際芸術祭「南極ビエンナーレ」のコミッショナーを務める。各国のアーティストや科学者、思想家ら約100人が船で南極に接岸し、約2週間にわたりパフォーマンスや仮設展示を行う。作品は持ち帰って世界各地を巡回する。・・・「芸術には世界を俯瞰(ふかん)する力がある。誰の土地でもない南極こそ、人類と地球の行く末に思いをはせる舞台にふさわしい」と6年前から準備を開始。世界を飛び回り、企業などの支援を得た。・・・禅や仏教に関心を寄せ、俳句にも親しむ。昨秋の瀬戸内国際芸術祭では、松尾芭蕉らの句から着想を得た小船の作品を地元住民と制作した。「俳句にある、自らをひらいて自然と一体になる感覚にひかれる」。自らも、時に歌うように詠む詩人でもある。

http://digital.asahi.com/articles/DA3S12740870.html

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(2017私の想い:4)年をとっても働ける幸せ 佐藤愛子さん(2017/01/11朝日新聞)
■ベストセラー「九十歳。何がめでたい」の著者・佐藤愛子さん(93)

 《年金不安、老老介護、独居老人……。人口の4人に1人が65歳以上の高齢者となった日本で「高齢化」は深刻な問題をはらむ。ところが、65歳などはるかに超えて、ベストセラーを出した元気な作家がいる。佐藤愛子さん、93歳。高齢化社会とどう向き合うべきか。・・・《佐藤さんは20代で同人誌から出発し、45歳で直木賞を受賞。現在に至るまで、数多くの小説やエッセーを手がけ、書くことを通して世の中と向き合ってきた。》

 ――今はどんな時代でしょうか。

 今の時代は、損得だけが一番の価値観になってしまいましたね。おおざっぱに言うと、やっぱり経済の活性化ということばっかり政治家が目指してるんじゃないですか。科学文明はこれ以上進歩する必要はなくて、便利・合理性を追求するのはもう打ち止めにしたほうがいい。これ以上進歩すると、人間は退化するような気がします。何でも思うままにことが進むと、もっともっとと欲望が膨らむ一方で、思い通りにならないと文句が出てくる。いったい我々は何を目指して生きているのか、それを考えることも忘れて、便利、快適、物質的満足ばかり追いかけているような気がするけれど、心配じゃないですか?――政治も損得ばかりを重視しすぎていますか。あの、今度のカジノのねえ。あれで私、ちょっとねえ、なんでももうかりさえすりゃいいってもんじゃないぜっていう。あれはもう、最悪ですよ。

 ――もうかればいいんだというような考えになっていると。

 もうかってなんぼのもんじゃいっていうね。増刷になったって担当の方が喜ばしげに電話をかけてくると、一緒にうれしそうにしなければいけないようで、なんだかつらいというか、申し訳ないというか。それほどうれしくないものをね。でも、たくさんの方が読んでくださるのはありがたいと思うんですけどねえ。書くことは私にとって、生きる支えだったんです。書くこと自体が大切だから、あとは売れようと、けなされようと、一喜一憂しません。有名作家になりたいとも、小説でもうけようとも思わず、好きなように生きてきただけなんでしてね。

さとう・あいこ 1923年、大阪市生まれ。父は作家の佐藤紅緑(こうろく)、詩人のサトウハチローは異母兄。69年、「戦いすんで日が暮れて」で直木賞。ベストセラーとなった「九十歳。何がめでたい」の他にも、「老い力」や「我が老後」など、自らの老いを軽妙に語りながらときに鋭く社会を批評するエッセーで知られる。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12740852.html

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(声)高齢者の定義変更は何のためか(2017/01/11朝日新聞)契約社員 寺田曉弘(東京都 62)

 心身ともに健康で自立した生活を送れる期間を健康寿命という。健康寿命と平均寿命の差が、日常生活に制限のある「不健康な期間」だ。日本では、男性が約9年、女性は約12年とされる。日本老年学会などが、高齢者の定義を65歳以上から75歳以上にするべきだと提言した。定義を変えても不健康な期間が変わるわけではない。認知症患者の増加傾向や、相次ぐ高齢者の自動車事故の報道を見ると、高齢者の身体能力や知的機能が若返っているという理由付けも怪しく思える。一体、何のための提言なのだろう。その背景には国が医療や介護の予算の削減や、年金の支給年齢引き上げの口実にしようという意図があるように思え、心配だ。そうなれば、高齢者はもっと不健康な生活を強いられることになるだろう。多少具合が悪くても、経済的理由で病院に行かない人が増えるだろうし、介護施設も利用しづらくなるだろう。専門家には、高齢者の定義変更より、不健康な期間を短くして健康寿命を延ばすための具体策を提言してほしい。それは医療や介護の予算削減にもつながるのだから、政府が音頭をとるべきだ。

http://digital.asahi.com/articles/DA3S12740830.html

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(社説)オスプレイ 問われる国会の役割(2017/01/11朝日新聞)
詳しい事故原因も分からないまま、日本政府は米軍オスプレイの空中給油訓練の再開を受け入れた。その姿勢に、強い疑問を禁じえない。・・・米軍は機体の構造に問題はなかったと説明しているが、ならばなぜホースとプロペラが接触したのか、事故原因を特定する調査結果は出ていない。それなのに、米軍は事故のわずか6日後に飛行を再開した。1カ月もたたない今月6日には空中給油の訓練に踏み切り、日本政府もこれを認めた。残念なのは、性急な再開に反対する県民の訴えには耳を貸さず、米軍の要求を優先する日本政府の対応である。・・・オスプレイは米軍岩国基地(山口県)にも飛来し、近く陸上自衛隊木更津駐屯地(千葉県)での定期整備も始まる。米軍横田基地(東京都)への配備や、自衛隊機の佐賀空港への配備計画も進んでいる。沖縄だけの問題ではない。政府と米軍に任せてもおけない。課題にどう向き合うか、国会の役割が問われている。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12740837.html?ref=pcviewpage

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