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<POINT NEWS171>2016/07/13・・・(ヒューマニズムの視点で捉えよう、判断しよう)

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sankaku171sankaku
2016/07/13sankaku07/18

日々のニュースは数えきれないほどあります。その1つ1つが今の社会の要素であり現実です。ここに拾い上げたニュースはごくごく一部でしかありませんが、忘れてはいけない出来事も多くあります。未来のその時を考えるための「記憶のために」少しでも記録したいと思います。


 

(世界発2016)嫌われた名「アドルフ」 負の記憶、独国民に残る爪痕(2016/07/18朝日新聞)
 戦後のドイツでは、ナチスの独裁者アドルフ・ヒトラー(1889〜1945)と同じ「ヒトラー」姓を持つ多くの人が名前を変えた。「アドルフ」というファーストネームは忌避されてきたという。戦後70年余りを経た今も独国民の心に残る爪痕が見える。・・・昨年11月、ドイツで「名前」という題名の舞台が話題になった。生まれてくる子どもに「アドルフ」と名付けようとする主人公に友人らが猛反対するドタバタ劇。仏人脚本家による同じ舞台や映画がフランスで成功していた。ハンブルクの劇場は今年2月の千秋楽まで連日満員の成功を収めた。マイケ・ハルテン監督(54)は言う。「ドイツ社会のタブーに挑んだのが、かえって新鮮だったのかもしれない。でも、アドルフが人気の名前に復活することはまずないでしょう。劇中のせりふを借りれば、アドルフはアドルフ(ヒトラー)に抹殺されたのです」・・・ドイツ人の名前を長年研究してきた言語学者ユルゲン・ウードルフ氏によれば、ヒトラー姓は独南部バイエルン地方やオーストリアに伝わる「地下水脈」「泉」などを表す方言が語源だという。ヒトラー総統と血縁関係でない人々も、戦後は偏見や迫害を恐れて多くが改姓したと言われる。ロマーノさんはなぜ改姓しなかったのか。「私自身が悪いわけではないのに、名前を変えるのは納得できなかった」。だが死後、墓石に名前は刻まないつもりという。「ネオナチに悪用されたくありませんから」
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12466410.html

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国新首相  EU交渉へ内政安定を(2016/07/18京都新聞)
 前途多難な離脱交渉のかじ取りは、英国史上2人目の女性首相に任されることになった。欧州連合(EU)離脱の国民投票を受けて辞任したキャメロン英首相の後任に、同じ保守党のテリーザ・メイ氏が就いた。注目の閣僚人事では、新設のEU離脱担当相に党の重鎮で離脱派のデービス下院議員を、外相には離脱派を率いたジョンソン前ロンドン市長を起用。内政担当の要職には残留派を充て、両派のバランスをとった形だ。・・・離脱後も貿易・金融面の恩恵を引き続き得るには、人とモノの「移動の自由」というEU原則の受け入れが条件になる。英国は事前に時間をかけて交渉戦略を練る構えだが、EUは早期にテーブルに着くよう圧力を強めている。今後、EUとの関係がさらにこじれ、互いに将来の展望が描けないまま時間が過ぎれば、国民の不満が再び高まりかねない。移民問題をめぐり極右勢力が台頭することも懸念される。双方とも柔軟な姿勢で交渉に臨んでほしい。英EU関係の行方は世界経済に大きく影響する。日本を含む各国が注視していることを忘れないでもらいたい。
http://www.kyoto-np.co.jp/info/syasetsu/20160718.html

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(コラムニストの眼)英のEU離脱 新たな欧州、育む契機に トーマス・フリードマン(2016/07/18朝日新聞)
英国が欧州連合(EU)からの離脱を決めた。民主主義や多元主義、自由経済を守ってきた欧州の盟主が、一握りのひねくれた政治家によって大きく揺さぶられた。彼らは移民問題への不安をあおり、非常に複雑な話を「EUに残るか去るか」という二元論にすり替えた。そして離脱を勝ち取ったものの、今になって無策ぶりを露呈している。・・・まさに、多元主義を育む国こそが、21世紀の繁栄を手にする国なのだ。そのような国こそが、政治的に安定し、有能な人材を引きつける。科学技術が人々を強く結びつけ、新しいアイデアが次々と生み出される時代において、未来をつかむのは「壁」をつくる人間でなく、「網」を広げる人間だ。「分断」でなく、「融合」を図る人間である。第2次大戦後、EUは平和と繁栄、民主主義、自由を守るために生まれたということを忘れてはならない。オックスフォード大の経済学者はこう指摘している。「EUは人類の金字塔とも言える。崩れていく様を座視するのではなく、英国離脱の衝撃を、新しい欧州を再構築する契機としなければならない」

http://digital.asahi.com/articles/DA3S12466406.html

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海の日に考える 消えざるものはどこへ(2016/07/18東京新聞)
七つの海を合わせると、海の面積は三億六千万平方キロ余。地球の表面の70%が海に覆われていることになります。深さの平均は三千八百メートルほどだそうです。すると、海水の総量は、約十三億七千万立方キロ。なじみ深いリットルに換算すると、十三垓(がい)七千京(垓は京の一万倍)という想像を絶する数字になってしまいます。だからでしょうか。私たちは、ともすれば海を宇宙と同じような無限の存在とみなしがちです。でも、母なる海はすべてを包み込んでくれるのでしょうか。量子力学の祖、シュレディンガーが水の分子についてこんな説明をしています。−いま仮に、コップ一杯の水の分子にすべて目印をつけることができたとします。次にこのコップの中の水を海に注ぎ、海を十分にかきまわして、この目印のついた分子が七つの海にくまなく一様にゆきわたるようにしたとします。もし、そこで海の中のお好みの場所から水をコップ一杯汲(く)んだとすると、その中には目印をつけた分子が約一〇〇個みつかるはずです。・・・米ジョージア大が昨年、科学誌サイエンスに発表した推計では、海に面した百九十二の国・地域から海洋に流出するプラスチックごみは、年間四百八十万〜千二百七十万トン。海洋ごみの約70%を占めているプラスチックごみは、やがて太陽の熱や紫外線、波の力などで細かく砕けていきます。・・・ 問題は、もちろん、身近なところでも起きています。東京農工大の高田秀重教授らの調査では、東京湾で捕れたカタクチイワシの八割近くの内臓からマイクロプラスチックが検出されています。・・・母なる海が浄化も消化もできずにいるプラスチックごみは、大量消費社会の暗部を象徴的に告発しているように見えます。プラスチックのリサイクル率は14%と低く、毎年少なくとも八百万トン分が海に流出している−。ダボス会議で知られる世界経済フォーラムが今年初め、こんな報告書を発表しました。その上で、こう警告しています。−このままなら、世界の海に漂うプラスチックは二〇五〇年までに重量換算で魚の総量を超す。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016071802000142.html

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(声)語りつぐ戦争 孤立するパラオで百たたきの刑(2016/07/18朝日新聞)無職 片山光男(岡山県 95)

 1944(昭和19)年11月。海軍主計兵の私は、南洋のパラオ本島の東側にある電波探知隊に配属されていた。島は連日、米軍の攻撃にさらされていた。近くのペリリュー島の飛行場が占領され、昼夜の別なく、容赦ない空襲が続く。時に艦砲射撃。制空権も制海権も奪われ、いつ敵が上陸するかわからない。いつでも自決できるよう手榴弾(しゅりゅうだん)が配られていた。追い詰められる中、理不尽な制裁が横行した。私も標的にされた。貴重な米を腐らせたので、1週間、百たたきの刑に処すという。米の管理は上等兵曹の役で、私は保管場所さえ知らなかった。だが、上官に反論など許されないのが軍隊だ。両脚を広げ、両手を高く上げて尻を突き出す。上等兵曹が、バットでも振るように棍棒(こんぼう)を尻に見舞う。しびれるような激痛。目がくらみ倒れると、引き起こされて、また。新兵時代の制裁は手加減されていたと知る。山が崩れ、岩に挟まれ身動きできなくなったところに次々と岩が降ってくるようだった。これで最期と覚悟した。気がつくと、衛生兵に手当てされていた。尻から血が噴き出し、痛みで身動きできない。かゆも、のどを通らない。そのまま3日間眠り続けた。極限状態になれば、誰でもおかしくなる。そうとしか思えない。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12466364.html?ref=pcviewpage

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(声)語りつぐ戦争 首に銃弾、戦場は命の争奪戦(2016/07/18朝日新聞)無職 足立藤四郎(兵庫県 95)

 44年6月、中国の衡陽(湖南省)で闇夜の中、田を匍匐(ほふく)前進していた。敵方は撃ちまくってくる。「後ろに連絡、静かにせよ」と小声で次から次へ伝えていく。横にいた弾薬手は返事がない。頭を撃たれたのか即死である。後方でも戦死者が出ているようだ。至る所に地雷が敷設してあり、敵はむちゃくちゃに撃ってくる。いつもは鉄帽は重いのでかぶらないが、今度だけは全員かぶっていた。土手を乗り越え向こう側に一気に滑り降りる瞬間、野球のバットで殴られたような衝撃を受け、意識がなくなり田の中に落ちた。しばらくして意識は戻ったが、首を持ち上げることができない。衛生兵を呼んだ。「首が立たぬし両肩がしびれて力が入らぬ」というと、衛生兵は泥だらけの手で私の首をなで、「ここに穴が開いている。ここも。3カ所もやられとるのー」。後方の収容所に運ばれたが、出血が止まらない。両手であごを支えなければ首を立てることもできない。人間の頭とはこんなに重いものかと思った。撃たれた瞬間、実家の位牌(いはい)が倒れた感じがし、自分は死ぬが母はどう思うだろうと脳裏をかすめた。戦争とは勝っても負けても、しょせん双方の生命の争奪戦である。

http://digital.asahi.com/articles/DA3S12466365.html?ref=pcviewpage

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「いろんな総理がいたけど、安倍さんは最悪」村山元首相(2016/07/18朝日新聞)
いろんな総理大臣がおりましたけども、この安倍(晋三)さんというのは最悪の総理大臣です。本音を隠して都合のいいことばかり言い、国民をだまして選挙に勝とうと。こんな魂胆を持っている総理は初めてです。私はもうあまり先が長くないかもしれませんけどね、今のような政権が続く限りは死んでも死にきれない気持ちなんですよ。戦後70年間、朝鮮戦争、ベトナム戦争、湾岸戦争があった。日本の自衛隊を使いたかったんですよ。だけど、厳然と憲法9条があるから日本は自衛隊は使えなかった。だから日本は平和を守り、経済は発展してきたんですよ。それを憲法の解釈を勝手に変えて、自衛隊がどんどん海外に出て戦争ができるような国にしようっていうんですから。こんな本音はこれから先も言いませんよ。現に隠してしまっているでしょ。だけども、(選挙が)終わったらやりますよ。必ず。(大分市での街頭演説で)
http://digital.asahi.com/articles/ASJ797509J79UTFK014.html?iref=recob

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女性差別解消、実結ばぬ勧告 国連委、5回目公表 前進望む声(2016/07/18朝日新聞)
国連女子差別撤廃委員会(CEDAW)が今年3月、日本政府に女性差別解消のための政策を実施するよう求める勧告を出した。日本が女子差別撤廃条約を批准したのは1985年。以来、勧告は5回目だが、なかなか取り組みは進まない。なぜなのか。・・・欧米などではセクハラは法律で禁止され、米国では会社は原則として過失の有無を問わず責任を負う。日本ではなぜ実施しないのか。厚生労働省雇用均等政策課の担当者は「セクハラは社員間で起きるが、均等法は事業主が守る義務を定めるもので、事業主を相手に社員間のセクハラを禁止することはできない。事業主に防止措置を求める現行法に実効性があると考える」と説明する。これに対し、WWNによると、CEDAWの質疑で委員から日本政府代表に「セクハラ禁止がそんなに大変なのか」との質問も出たという。越堂静子・WWN代表は「セクハラが法律で禁止されれば多くの被害者の権利が守られ、精神的にも救済される」と主張する。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12466383.html

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(今こそヴォルテール)寛容は「多様性への評価」(2016/07/18朝日新聞)
 フランス王政下の不寛容な時代に、狂信に対抗しうる「人間の理性の力」を説いた。新聞社が襲撃されたシャルリー・エブド事件後のフランスで、ヴォルテールが再読されている。昨年から相次いで、新装版が出版された。・・・ヴォルテールが『寛容論』を書いたのは18世紀の中ごろ。新旧キリスト教の対立を原因とする悲惨な冤罪(えんざい)事件に衝撃を受け、思想や信条の違いを乗り越える普遍的な価値を説いた。理性の力こそが狂信に対抗しうるとする強い信念は、後のフランス革命にもつながる。・・・ヴォルテールが挑んだのが、この価値転換だ。著書にこうある。「不寛容を権利とするのは不条理であり、野蛮である。それは猛獣、虎の権利だ。いや、もっと恐ろしい。われわれ人間はほんのわずかの文章のために、たがいに相手を抹殺してきた」もし日本人が中国人を憎み、中国人がタイ人を憎悪し、タイ人がインド人を迫害したら……人はどうなるか? 激しい筆致でヴォルテールは問うた。「そこで重要なのは、ヴォルテールが『寛容の敵』には寛容でなかったこと」。不寛容に立ち向かう不寛容については、やむを得ない対抗原理として認めたと、福島さんは強調する。そして、もう一つの大切なこと。「ヴォルテールは決して、ムハンマドを冒涜(ぼうとく)はしなかった」
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12466482.html

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(声)自民党の憲法改正草案を読もう(2016/07/17朝日新聞)主婦 関根智子(埼玉県 73)

 参院選の結果、憲法改正に前向きな勢力が衆参両院で3分の2に達し、いよいよ改憲が現実味を帯びてきました。私は、自民党の憲法改正草案を読んでみました。まず前文の主語が「日本国民」から「日本国」に変わります。天皇は「元首」になります。日本国民には、国旗及び国歌の尊重義務が課されます。第2章は現行憲法の「戦争の放棄」から「安全保障」に変わります。「国防軍」という項目が設けられます。第3章「国民の権利及び義務」では基本的人権が制限されます。第9章では緊急事態条項が設けられ、緊急事態の宣言が発せられたら、国民は国など公の機関の指示に従わなければならなくなります。この草案はたたき台で、安倍晋三首相も述べている通り、この通りの文言に改憲されるわけではないのでしょう。でも、私は具体的な内容を知り、「まさか」「ここまでやるのか」と驚くと同時に、自民党の狙いや目指すところがよくわかりました。みんなで自民党の憲法改正草案を読みましょう。知識をつけて、問題意識を持ちながら憲法改正の是非を考えていきましょう。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12464748.html

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<社説>辺野古工事再開へ 法律をも踏みにじるのか(2016/07/16琉球新報)
 沖縄の民意だけでなく、国は法律までをも踏みにじるのだろうか。米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に伴う新基地建設で、国は米軍キャンプ・シュワブ内の陸上部分の工事を再開する意向を示している。参院選沖縄選挙区でも、新基地建設反対の圧倒的民意が示されたばかりである。その重みを一顧だにしない国の姿勢は到底容認できない。・・・安倍晋三首相は和解成立を受けて「延々と訴訟合戦を繰り広げれば膠着(こうちゃく)状態となり、普天間が固定化されかねない」などと述べ「裁判所の勧告を受け入れ、県と和解する決断をした」と表明していた。国の決断は4カ月で変わる程度の軽いものだったと言わざるを得ない。工事再開は民主主義を否定し、法治国家をも否定する行為である。国はそのことを深く自覚すべきだ。
http://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-317648.html

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<社説>防犯要員を警備に 県民の安全より弾圧優先か(2016/07/17琉球新報)
 防衛省は米軍属女性暴行殺人事件を機に、沖縄に派遣した防犯パトロールの職員を基地建設の抗議行動の警備要員に充てる計画を進めている。派遣先は米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古への新基地建設の現場と米軍北部訓練場の一部返還に伴うヘリパッド建設現場だ。県民の安全を守るために派遣されたはずの職員が基地建設に抗議する住民を鎮圧する任務を担う。これを茶番と言わずして何と言おう。・・・ 防犯パトロールというより、抗議行動封じ込めの警備が主眼であるとしか思えない。これでは「沖縄・地域住民弾圧隊」ではないか。県民を愚弄(ぐろう)するにもほどがある。
http://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-318099.html

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関東地方で震度4/M5・0、津波の心配なし印刷用画面を開く(2016/07/17京都新聞)
 17日午後1時24分ごろ、茨城県や栃木県、埼玉県、千葉県、神奈川県などで震度4の地震があった。気象庁によると、震源地は茨城県南部で、震源の深さは約40キロ。地震の規模はマグニチュード(M)5・0と推定される。津波の心配はない。
http://www.kyoto-np.co.jp/top/article/20160717000044

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仏トラック暴走  テロ対策に新たな課題(2016/07/16京都新聞)
やまぬ蛮行に、国際社会は立ちすくむしかないのだろうか。フランス南部の有名保養地ニースで花火見物の群衆に大型トラックが突っ込み、80人以上が死亡した。負傷者も多数に上り、オランド大統領は無差別に人々を狙ったテロとの見方を示した。この日はフランス革命記念日で、夏季休暇(バカンス)に入ったばかりの人々が各地でイベントを楽しんでいた。昨年1月に週刊紙本社で起きた銃撃テロ、11月に劇場などで130人が死亡したパリ同時多発テロに続く3度目の惨事に、フランス国民が受けた衝撃の大きさは計り知れない。・・・「自国育ち」「単独型」テロを防ぐには、若者が過激思想に引き込まれないようにすることが欠かせない。貧困や格差を解消し、異なる宗教、文化への正しい理解を広げることに、国際社会が結束して取り組むことも重要だ。停滞するシリア和平を進め、ISなどの活動を封じ込めることが急務なのは言うまでもない。
http://www.kyoto-np.co.jp/info/syasetsu/20160716_4.html

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トルコ・クーデター失敗 イスラム民主主義よ(2016/07/17東京新聞)
 トルコで起きたクーデターはむろん非難されるべきだが、独裁を強める政権への抵抗だったのかもしれない。イスラム民主主義の模範国が危ういのか。エルドアン現大統領は少し前までは、トルコを穏健なイスラムの民主主義国へ導いたとして欧米から称賛されてきた。アラブの独裁また強権国家には模範であるとされたが、この数年の間、批判する有力新聞を政府管理下に置いたり、政権人事を側近や身内で固めてもいる。・・・イスタンブールの財閥や、利得ばかりを欲しがる政治家に対する貧しき庶民の反抗であり、反抗を連帯させたのは清廉を何より尊ぶイスラムという宗教だった。イスタンブールのカリスマ市長だったエルドアン氏は、モスクのミナレット(尖塔(せんとう))を銃剣にたとえる危険な詩を朗読したとして、宗教的憎悪をあおる罪で刑を受けていたが、それももちろん人気に変わった。政教分離をたてに長く宗教的熱情を抑圧され、選挙で勝ってもつぶされてきたイスラム勢力が、国民の支持を得て、国を安定させ、欧米諸国にトルコはイスラム民主主義のモデル国とまで言わせたのだった。・・・米国や欧州は、エルドアン政権の独裁をいさめる真剣な忠告をしたことがあっただろうか。真の友好国に語るのは内政干渉ではなく助言にちがいない。中東の混乱をしずめるように語りかけるのは、日本を含む世界の仕事であり、支援はまだまだ必要なのである。トルコにはイスラムの民主国家としてぜひ再び模範を示してほしい。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016071702000144.html

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木星周回軌道から初の写真届く、探査機ジュノー(2016/07/15ナショナルジオグラフィックス)
ガリレオ衛星は、木星の衛星のなかでも特に大きいイオ、エウロパ、ガニメデ、カリストの4つで、1610年にガリレオ・ガリレイによって発見された。軌道半径が最も大きいカリストは今回は撮影できなかったが、活火山のあるイオ、太陽系最大の衛星ガニメデ、海のあるエウロパの姿が捉えられた。エウロパは地球外生命体が生息している可能性が高く、NASAの外惑星ミッションの次のターゲットになっている。
http://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/16/071500265/

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(3分の2 これからの民主主義:4)政治に言葉を求めよう(2016/07/16朝日新聞)
絶好調のNHKの連続テレビ小説「とと姉ちゃん」に、いよいよ花森安治(やすじ)をモデルにした人物が登場してきた。「暮しの手帖」のカリスマ編集長だった花森は平易な言葉で語りかける思想家でもあった。「ぼくらの暮しを、まもってくれるものは、だれもいないのです。ぼくらの暮しは、けっきょく、ぼくらがまもるより外(ほか)にないのです。考えたら、あたりまえのことでした……」武器や夜警で守るのではむろんない。よりましな政治を選び取ることで。よくない政治には異議を申し立てることで。語録に収められた短文からはそんな含意が読み取れる。昨年来、安保法(案)に反対して国会議事堂を囲んだ人にも、同じような気づきがあったはずだ。「勝手に決めるな」と叫び、「民主主義って何だ」とコールした。何度か足を運んだが、呼号は、反論をさげすみ、言葉を尽くそうとしない安倍政権への怒りのように響いていた。対立する主張のいずれに理があるかを、国民の前で言葉で競う。それが近代民主政治なら、安倍政治はあるべき姿からはずいぶん遠い。はぐらかし。根拠を欠く断言。口だけで実行の伴わない「丁寧な説明」。質問への悪態――。国会の内で外で、思い浮かぶだけでも十指では足りない。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12462804.html

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(わたしの紙面批評)参院選報道 首相に改憲の本音語らせよ 中島京子さん(2016/07/16朝日新聞)
首相が憲法を語らなかった理由について7月11日の紙面ではゼネラルエディターの中村史郎氏が「改憲を唱えれば逆に警戒感を招き、野党に攻撃材料を与える」からだと、「首相の胸の内」を想像し、「有権者に対してフェアな姿勢ではない」と批判している。繰り返すが、いくら批判しても、相手は反省もしなければ態度も変えない。だから、メディアがすべきなのは、どうにかして首相(もちろんほかの党首も)を紙面に引きずり出し、嫌がる質問を突き付け、答えないなら答えない姿勢を読者の目に晒(さら)すことだったのではないか。あるいは、首相が改憲を争点にできない理由を、もっと具体的にあぶり出すことではないだろうか。その意味で、長谷部恭男・早稲田大教授と杉田敦・法政大教授の対談「参院選を前に見つめ直す」(6月18日)で、長谷部氏が指摘した「そもそも、自民党の改憲論の基本的な精神は、『ここをこう変える』ではなく、『憲法なんかなくてもいい』というものなので、国政選挙で信を問うのに適さない」という発言は、首相が改憲を語らない理由として最も本質をついていた。・・・ 投開票日の5日ほど前だったろうか、高知新聞にこんな記事が載った。「改憲への『3分の2』 高知で83%意味知らず」。高知の人だけが知らないとは、私には思えない。取材に答えて74歳の男性が言ったという。「えっ憲法改正のことって? そんな大事なことは新聞が大見出しで書かなきゃだめでしょ。全然知らなかった」私の思いはこれに尽きる。朝日新聞のコアな定期購読者が隅から隅まで読めばわかる、という紙面ではなく、普段は新聞を読まない人も、キオスクでびっくりして買ってしまうような1面を作ってほしい。それが、戦後初めて憲法が変わろうとしている時代の、大新聞の責任ではないだろうか。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12462743.html

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(声)三反園氏に託す原発停止の願い(2016/07/16朝日新聞)無職 諏訪原満弓(鹿児島県 57)

 鹿児島県知事選で、「原発のない社会」の実現を訴えた三反園訓さんが選ばれました。「九州電力川内原発を停止して、点検するよう九州電力に申し入れる」と公約を掲げていました。熊本地震の後、今まで以上に原発に不安を感じた県民の意思の表れだと思います。選挙は、原発をいったん停止し、その安全性を確認して欲しいと願う県民が多いことを示したのではないでしょうか。川内原発のある薩摩川内市の市長は2014年、重大事故時の避難に、九州新幹線を使う案を示しました。しかし熊本地震では新幹線がとまり、いかに非現実的か目の当たりにしました。大地震による事故の際、道路や橋が寸断されたり、渋滞が発生したりして、安全に避難できないのではないかなど、多くの不安が残ります。三反園さんにまずは、市町村と連携して、住民が安全に避難できる態勢づくりを改めて進めることを、お願いしたいと思います。三反園さんには、原発に大きな不安を感じている県民の盾となって欲しい。そして私たちを守って欲しい。大いに期待しています。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12462744.html

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(声)ダウン症の娘が教えてくれた(2016/07/16朝日新聞)児童指導員 小林久美子(東京都 53)

 高校2年生の娘が職場実習を無事終えました。実習先は、バスで10分ほどのお寿司(すし)屋さん。ダウン症の娘を温かく見守り、接してくださったようです。娘が生まれた時、「この子の将来は」と悩みでいっぱいでした。でも「娘のために、決して諦めることだけはしない」と自分に言い聞かせました。娘の小さな成功を喜び、「次はこんなこともできるかもしれない」と私の中の小さな夢も膨らんでいきました。小学3年生になると、歩いて25分ほどの学校まで一人で通い始めました。暗くなっても帰宅せず、先生や地域の方々に捜していただいたこともありました。高校生になるとバス通学が始まりましたが、乗り方や学校までの道は1度教えると覚えてくれました。今回の実習でも初日から「一人で行けるから」と言って、さっさと家を出ました。ここまで成長した娘を頼もしく思う半面、なぜか寂しさも感じました。私と娘はいつ芽が出るかわからない種をひたすらまき続けてきました。それが今、努力は実を結ぶのだと娘が身をもって教えてくれているような気がします。

http://digital.asahi.com/articles/DA3S12462748.html

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(耕論)瀬戸際のリベラル(2016/07/16朝日新聞)
「食える生活」訴え、再起を 五野井郁夫さん(高千穂大学教授)

 安倍政権はいずれ終わります。どこかの国のような独裁政権にはなれないし、半永久政権にもなれない。時間が経てば若い世代が勝つ。なので、自民の後継者たちにとってやりやすい足場を作らせないことが、これからの野党の側、リベラルの側がすべきことです。

 野党共闘は一定の成果をあげました。否定的に見る人もいますが、過去に争っていた同士がすぐにうまくはいかない。私が見る限り、各地の選挙区で10代から30代の市民が共闘を働きかけたのも大きい。長い目で見るべきです。今回の参院選を含め、最近の国政選挙で自民が連勝しているのは、低投票率に加えて「経済や生活を良くしてくれそう」だから。その点で「野党よりは良さそう」と投票した人は多いでしょう。だけど、人びとの暮らしが現状、楽になっているわけではありません。目に見えて食べられない人たちが出てきている。国連児童基金の報告によると、日本の子どもの貧困格差は先進41カ国で34位と深刻です。幼い子がティッシュペーパーに塩をかけて口にしている、などという痛ましい記事もありました。生活苦から無理心中を選ぶ事件も多発しています。

・・・今回負けたからといって、これで終わりではありません。もし改憲されたら? 変えられたら、変え直せばいい。自民の改憲草案では改正の発議要件が緩和されています。なのに、腹をくくれないのが今までのリベラルの弱さです。最近、まっすぐな心の若者たちが出てきた。早ければ数年後、遅くとも20年後には、この国の政治に大きな影響を及ぼすでしょう。希望の芽は育っているので、私は未来に悲観はしていません。

http://digital.asahi.com/articles/DA3S12462723.html

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奈良少年刑務所、保存へ(2016/07/16朝日新聞)
明治時代に建てられ、現存する最古の刑務所の奈良少年刑務所(奈良市)について、法務省が今年度で受刑者の収容を停止する一方、建物は保存する方針であることが分かった。閉鎖後は民間の管理者を公募して委託することや、文化財の指定を受けて後世に残すことも検討するという。ジャズピアニスト・山下洋輔さんの祖父で建築家の山下啓次郎氏(故人)が設計。1908(明治41)年に「奈良監獄」として建てられた。重厚なれんが造りで、同時期にできた千葉、長崎、金沢、鹿児島と並ぶ「明治の五大監獄」のうち、建築当時の姿をそのまま残すのは奈良だけだった。放射状に並ぶ受刑者の収容棟や、アーチ形の正門などが特徴的だ。

http://digital.asahi.com/articles/DA3S12462839.html

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公転周期700年、太陽系の新たな「準惑星」を発見(2016/07/15ナショナルジオグラフィックス)
海王星より外側の「ミニ冥王星」、次の地球最接近は2096年/冥王星より外側にある、氷でできた天体が集まるカイパーベルトと呼ばれる領域で、横幅700キロ弱の準惑星を新たに発見したと、天文学者らの研究チーム「太陽系外縁部起源探査(OSSOS)」が発表した。7月10日に国際天文学連合(IAU)で「2015 RR245」と仮に命名されたこの星は、現在認定されている5つの準惑星、冥王星、エリス、ハウメア、マケマケ、ケレスよりも小さい。正確な大きさはまだ明らかになっていないものの、米カリフォルニア工科大学の天文学者マイク・ブラウン氏が立ち上げたデータベースによれば、太陽系外縁部で正式名称が付いていない天体の大きさでは10位以内に入るという。・・・幅が数百キロはある太陽系の天体が、これまで見落とされていたのは驚きかもしれない。だが、2015 RR245のような物体を見つけるには細心の注意が必要だ。・・・少なくとも1億年もの間、2015 RR245は700年という非常に長い時間をかけて大きな楕円軌道を公転し続けている。太陽との距離は最大で180億キロメートル以上になる。この天体が次に地球に最接近するのは2096年だ。このとき、太陽までの距離は地球と太陽の距離の約34倍となり、海王星の軌道のすぐ外側まで近づいてくる。
http://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/16/071400264/

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メイ英首相 すべては分断克服から(2016/07/15東京新聞)
 欧州連合(EU)離脱を決めた英国の新首相にメイ前内相(59)が就任、EUとの交渉を担う。分断された国をまとめ、保守党を再結束させ、未来図を描き直したい。離脱でダメージが大きかったのは、EUより、むしろ英国だ。残る加盟二十七カ国での結束を急ぐEUは英国に、離脱に向けたすみやかな交渉開始を要求。EU単一市場への参加を望むなら、域内移動の自由を受け入れるように求めて、いいとこ取りを許さない。・・・就任後の演説では「保守党の正式名称は保守統一主義者党。私にとっては統一主義者こそが重要」と強調。「特権を持つ少数者ではなく、全ての人が恩恵を受けられる」ようにすることを優先課題に挙げた。まず、国民投票で露呈した社会の格差と分断解消に取り組んでほしい。EUとの厳しい交渉の底力ともなる。ジョンソン氏の外相起用など早速、思い切った布陣を取った。英国では故サッチャー氏以来、約二十六年ぶりの女性首相。ドイツのメルケル首相らに続く女性政治指導者でもある。寛容さや、しがらみにとらわれない柔軟な発想に期待したい。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016071502000132.html

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都知事選告示 試される選ぶ側の眼力(2016/07/15東京新聞)
舛添要一氏の辞職に伴う東京都知事選がきのう告示された。人気投票に流されることなく、今度こそ、都政のかじ取りを委ねられる本物のリーダーを選ばねばならない。試されるのは都民の眼力だ。首都の顔選びは、この五年余りで四度目となる。石原慎太郎氏をはじめ、任期途中での降板が三代も続いたからだ。知事の任期は本来四年。異常極まりない事態に終止符を打たねばならない。猪瀬直樹氏と舛添氏は、政治とカネの問題で信頼を失い、都政を混乱させた。あらためていう。真剣、誠実、清廉潔白はリーダーの必須条件である。・・・首都の顔にふさわしい資質や能力を、候補者が持ち合わせているかどうかは、公党の折り紙付きかどうかや知名度とは無関係だ。歴代知事から学んだ教訓である。スウェーデンの国家予算に匹敵する十三兆円規模の予算。十六万六千人に上る職員。千三百六十万人の都民の命と暮らしを守るために、それらを切り盛りする責任の重大さは並大抵ではない。東京には大きく生活都市、経済都市、国際都市の三つの顔があろう。優先順位をどうつけるのか。高齢者の介護や医療の仕組みを見直さねばならない。約二十年後、都民の三人に一人は六十五歳以上になる。保育所に入れない待機児童の解消や、貧困と格差の是正も待ったなしである。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016071502000133.html

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電力の出力調整に10億ユーロ(こちゃん / 2016年7月10日みどりの1kWh)
ドイツでは、再生可能電力の急テンポな増加に伴い、 送電網運営会社が従来型の発電所に出力の調整を要請するか、あるいは、太陽光発電装置や風力発電装置を送電網から切り離す頻度が増えている。送電網の混雑を避け周波数の安定を保つことが目的だ。そのためにかかった費用は、昨年一年間に約10億ユーロ(約1130億円)に達した。ドイツでは再生可能エネルギー優先法(略称:再生可能エネルギー法、EEG)が存在するので、太陽光や風力で発電された電力は全額買い上げられ、優先的に送電網に送り込まれる。このため、これらの再生可能エネルギーが予想以上に多くなった場合には、従来型の火力発電設備などを運営する電力会社は、送電網の混雑を回避するために送電網運営会社から、発電所の運転計画を変更して、出力の調整をするように要請される。発電所は要請に従って出力を調整したり、場合によっては運転を停止したり、再起動したりしなくてはならない。また、その作業が迅速に行われなかったりその規模が十分でなかったりする場合には、太陽光発電装置や風力発電装置が送電網から切り離される。

http://midori1kwh.de/2016/07/10/8348

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<社説>天皇生前退位意向 皇位継承で国民的論議を(2016/07/15琉球新報)
天皇陛下が、皇太子さまに皇位を譲る生前退位の意向を示していることが分かった。今春、「天皇である以上は公務を全うする。そうでなければ天皇としてふさわしくない」という考えを身近な関係者に伝えていた。宮内庁が検討する大幅な公務削減策を拒んだ上で、十分な活動ができなければ皇位を譲るという意向を示したものだ。1989年の即位時、天皇陛下は「日本国憲法を守り、これに従って責務を果たすことを誓う」との決意を表明した。その後も「象徴としての地位と活動は一体不離」と述べ、公務を全うしてきた。生前退位の意向も、憲法に規定された象徴天皇制の趣旨を重んじるという姿勢から発したものであろう。国民の多くはそのことを重く受け止め、尊重するはずだ。皇室典範には天皇の退位に関する規定はない。生前退位を行うためには皇室典範を改正する必要がある。ここで留意したいのは「開かれた皇室」という理念を踏まえた国民的な論議である。・・・改憲の動きの中で、平和憲法を尊重する天皇陛下の発言が注目されてきた。今回の生前退位の意向と今後予想される皇室典範改正についても、憲法と平和の理念を踏まえた論議を重ねたい。
http://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-316929.html

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宇都宮氏が出馬取りやめ 都知事選は3氏が中心に(2016/07/14東京新聞)
 東京都知事選は十四日、告示される。野党系の市民団体の支援を受ける元日弁連会長の宇都宮健児氏(69)が十三日夜、野党勢力の分裂を避けるため、立候補を取りやめる意向を表明した。これによって、ジャーナリストの鳥越俊太郎氏(76)に民進、共産、社民、生活の四党と市民団体などの野党勢力が結集する構図が固まった。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201607/CK2016071402000128.html

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天皇「生前退位」 お気持ちを尊重したい(2016/07/14東京新聞)
 天皇陛下が「生前退位」の意向を示されていることが明らかになった。憲法にいう象徴としての務めを十分果たせる者が天皇の位にあるべきだとの考えなのだという。そのお気持ちを尊重したい。日本国憲法は第一条で「天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であって、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基づく」と定める。天皇陛下は一九八九(平成元)年の即位にあたっての記者会見で「憲法に定められた天皇の在り方を念頭に置き、天皇の務めを果たしていきたい」と述べるなど、憲法と天皇との関係について繰り返し表明されてきた。八十二歳と高齢となった今も、憲法に定められた外国大使らの接受などの国事行為をはじめ、戦没者慰霊の旅や、大規模災害の被災地訪問など、皇后陛下とともに多くの公務をこなされている。●●●天皇陛下の負担軽減には憲法に基づき、天皇の名で国事行為を行う「摂政」を置く方法もあるが、天皇陛下が摂政ではなく、生前退位の意向を示されたのは、国事行為や公務は、天皇自らが行うべきだとの強い気持ちと推察する。憲法を誠実に守られる気持ちを真摯(しんし)に受け止めたい。天皇陛下は皇位を数年内に皇太子殿下に継承することを望まれている、という。生前退位は明治以降はなく、約二百年前、江戸時代後期の光格天皇が最後だという。憲法は皇位について「国会の議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承する」と定めているが、生前退位は、皇室典範に規定はなく、典範改正が必要になる。国会での落ち着いた環境での慎重な議論が必要となろう。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016071402000146.html

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(時時刻刻)陛下82歳、公務も変化 体調考慮、一部引き継ぐ 生前退位、皇室典範に規定なし(2016/07/14朝日新聞)
生前に天皇の位を譲る「生前退位」の意向を天皇陛下が示した。宮内庁が負担軽減を進めるなか、自身の葬儀のあり方についても言及してきた天皇陛下。長い間前例のない手順に、関係者の間には驚きが広がった。皇室典範改正の議論が改めて浮上する可能性もある。・・・ 原武史・放送大学教授(日本政治思想史)の話 生前退位は年齢的な理由だけではなく、どうすれば憲法に見合った天皇制がつくれるかを模索した天皇の集大成のようなご決断ではないか。皇居や御用邸を一部開放するなど、天皇が前例にないことを次々に行ってきたのは、権力が集中した明治以降の天皇家の残滓(ざんし)を消し去り、現代にふさわしい皇室のあり方を模索、実践しようとした天皇のお考えの表れだろう。また、生前の退位で、次の代の天皇制を一歩ひいたところから見守りたいとのお考えもあるのかもしれない。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12458904.html

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拡大するロボット兵器(2016/07/13東京新聞)
 米テキサス州で起きた警官五人射殺事件では、銃を乱射し投降しない黒人の男に、警察が爆発物を装着したロボットを接近させ、爆破させて容疑者を殺した。米国ではこれまで不審物捜査や爆発物処理などにロボットを投入してきたが、ついに「殺人兵器」として使われる時代になってしまった。戦場では既に、ロボット兵器が多数投入されている。代表例がドローンと呼ばれる米軍の無人機。パイロットは基地内の作戦室で、無人機から送られてくる映像を見ながら、武装組織の基地やテロリストが乗った車列を見つけミサイルで爆破する。人間が遠隔操作し敵と向き合うことはない。自国兵士の身の安全が保証されるから、ドローンは今後、他国軍にも広がるだろう。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2016071302000137.html

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9条改正に反対、道内は66%(2016/07/14北海道新聞)
北海道新聞社の参院選結果に関する全道世論調査で、憲法9条の改正について反対派が66%を占め、賛成派の32%を大きく上回った。・・・支持政党別で見ると、賛成派は自民党支持層の66%、公明党支持層の49%だったのに対し、反対派は民進党支持層の95%、共産党支持層の98%を占めた。
http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/politics/2016sanin/1-0292961.html

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(声)3分の2与えた国民の責任重い(2016/07/14朝日新聞)主婦 山田一子(神奈川県 51)

 参院選の結果、自民、公明など4党に非改選無所属を含めた改憲勢力が、憲法改正を発議するのに必要な3分の2の議席を確保した。安倍晋三首相が参院選の結果を受けて、改憲すること自体について国民におおむね理解が得られたと思っているとしたら、勘違いも甚だしい。憲法改正と言うからには、具体的にどの条文をどのように、いかなる目的で改正するかという中身が大事だ。その中身抜きに憲法改正を議論することはできない。だが安倍首相は、参院選でその点をまったく語らなかった。一方で安倍首相は「この選挙で憲法の是非は問われていない。憲法改正を国民に問うのは国民投票だ」とも述べた。これは、まことに正しい。今後、国会の憲法審査会で議論が進められていくことになると思うが、改憲に前向きな勢力に3分の2の議席を与えたのは、ほかならぬ私たち国民だ。憲法改正が発議されることになれば、その改正は本当に国民を守るためなのか、権力の暴走を許すおそれは1ミリもないのか、よくよく目を凝らさなければならない。将来世代に対して、私たちは極めて重大な責任を負った。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12458870.html

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参院選の演説、通り過ぎる人々は 高橋源一郎さん(2016/07/13朝日新聞)
わたしは、長い間、どんな選挙でも投票に行かなかった。なぜだったのだろう。そもそも政治家というものを信じていなかったのかもしれない。あるいは、政治にまつわる一切にうんざりしていたのかもしれない。しかし、当時のわたしに、その理由を訊(たず)ねても、はっきりした答えは返ってこないように思う。・・・選挙になると、わたしは、いつも「棄権する人たち」のことを考える。彼らは、多くの場合、どの政党よりも多い、最大多数派だ。彼らにも、あの頃のわたしと同じように、はっきりとした、棄権の理由はないのかもしれない。いや、「熱心な支持者」に見えて実は無関心な彼と、同じ気持ちを共有していたのかもしれない。

 いまや、すっかり「いい子」になったわたしは、必ず投票にいくし、その理由も説明できる。だが、行かなかった頃の自分の気持ちは忘れないようにしている。・・・ わたしは、秋葉原駅頭で、安倍首相の選挙戦最後の演説を聴いた。そこで、首相は、テレビや新聞で、繰り返している同じことばを、また繰り返していた。20代のわたしは、この演説を横目にしながら、黙って、通りすぎただろう。それは、彼の考えを支持しないからではなく、そこに、いつも聞かされている「政治のことば」しかないからだ。彼が、自分の支持者に向かってしかしゃべろうとしていないからだ。彼の演説では、最初から、通りすがりのわたしは除外されている。・・・嵐が来て、海の表面がどんなに荒れ狂おうと、少し潜れば、暗い静寂が広がっているように、社会の深層には、どんな政治的なことばも受けつけず、身の回りの小さな日常しか信じない人たちがいる。彼らは、政治家の演説する姿を見ても黙って通りすぎるだろう。すべての政治のことばの究極の願いは、彼らに届くことばを創り出すことなのだが。「いい子」になったわたしの中に、通りすぎる「彼ら」、黙って棄権する「彼ら」は、いまも生きている。そして、世界や社会について「立派な」発言をするわたしを静かに見つめているのである。

http://digital.asahi.com/articles/DA3S12456909.html

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(3分の2 これからの民主主義:2)憲法、自民草案撤回から(2016/07/13朝日新聞)
改憲勢力が衆参で3分の2に達したのを受け、ほぼ休眠状態だった衆参両院の憲法審査会は動き始める。改憲論を引っ張るのは安倍晋三首相だが、まっとうな議論のためには解消しておくべき矛盾がある。公明党の山口那津男代表は、参院選前の日本外国特派員協会での会見で「首相といえども、政府の側から憲法改正の内容の発議、あるいは意見を出すことはできない」と語った。永田町では「憲法論議に首相は口を出すなと早々に釘を刺した」と受け止められた。なぜか。2000年に衆参両院に憲法調査会がおかれてから、55年体制下では考えられなかった憲法をめぐる与野党の議論が少しずつ積み上げられてきた。だが、それを壊してきたのは安倍首相その人だからだ。・・・ 自民党草案の本質は権力を縛る縄を自らほどき、逆に主権者である国民を縛ろうという点にある。これを阻止しようとすれば「現憲法が対案だ」(枝野幸男・民進党幹事長)との声が出るのも無理もない。前近代的とも言える草案が穏健な憲法論議を妨げ、議論についていけない空白域が国民の間に広がる。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12457073.html

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<社説>ヘリパッド資材搬入 知事は「反対」表明を 建設工事の再開を許すな(2016/07/13琉球新報)
米軍、政府は東村高江に近い、米軍北部訓練場内のヘリパッド建設計画を中止すべきだ。オスプレイが飛来するヘリパッドの建設は、住民の生活環境だけでなく、世界自然遺産の候補地にも挙がる本島北部やんばる地区の貴重な動植物の生息環境、生態系をも破壊する。沖縄防衛局は参院選投開票翌日の早朝、ヘリパッド工事再開へと資材搬入を強行した。ヘリパッド建設反対は、参院選で示された圧倒的な辺野古新基地計画反対の民意と同根だ。翁長知事は民意を踏みにじるヘリパッド建設への反対を明確に打ち出してもらたい。・・・ 主力実戦部隊の中核である歩兵の大半がグアムに移るというのに、輸送ヘリ部隊が使う辺野古新基地建設に日米政府は固執し続けている。日米政府は辺野古新基地計画を根本から見直すべきだ。同時に北部訓練場内でのヘリパッド移設も見直して当然だ。海兵隊員の多くがグアムに移転し訓練縮小が見通される中で、従来のヘリパッド数を維持するのは理に合わない。思考停止を脱するべきだ。

http://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-315649.html

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経済対策指示 エジソンの言にならえ(2016/07/13/東京新聞)
参院選を受け、安倍晋三首相が大型の経済対策を担当相に指示した。経済の現状は政権担当前よりも悪化しており、効果がみえないアベノミクスをこれまで以上にふかそうという考え方は危うい。発明王エジソンはあまたの「失敗」を繰り返したが、そのたびにこう言ったという。「私は失敗したのではない。うまくいかない方法を見つけたという意味で、成功したのだ」と。アベノミクスは参院選で失敗か成功かが論争となり、首相は「成功しているが道半ばだ」と言った。しかし、異次元の金融緩和でも「二年で2%」の物価上昇は達成できず、三年過ぎてもデフレから脱却できないままではアベノミクスの失敗は明白である。・・・異次元の金融緩和は限界論がささやかれ、三年間続いた円安・株高の流れは今年に入って逆回転し、アベノミクス開始時の水準近くに戻った。そこで今度は財政政策を最大限にふかす構えである。早くも事業規模で十兆円超の大型対策が取りざたされている。中身より規模が先にありきという旧来の自民党的発想が問題だ。円高で企業収益は悪化し税収が期待できないのに財源はどうするのか。・・・「失敗は成功の母」ととらえたエジソンだから成功を収めた。首相もアベノミクスの「失敗」から学ぶべきだ。選挙戦で約束した子育て支援など分配政策への積極投資を必ず実行する。アベノミクスを加速し、傷口をさらに広げることなど許される状況にはない。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016071302000136.html

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高浜原発、差し止め維持 大津地裁、関電の異議退ける(2016/07/13朝日新聞)
関西電力高浜原発3、4号機(福井県)の運転を差し止めた大津地裁の仮処分決定について、同地裁(山本善彦裁判長)は12日、関電が取り消しを求めて申し立てた保全異議を退けた。決定の効力は維持され、関電は2基を動かせない状態が続く。関電は大阪高裁へ保全抗告する方針。同じ山本裁判長による3月の決定は、関電が安全性の説明を尽くしておらず、東京電力福島第一原発事故を踏まえた新規制基準の合理性や地震・津波対策、避難計画に疑問が残ると指摘。滋賀県民29人の訴えを認め、稼働中の原発を停止させる初の判断をした。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12456957.html

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(離脱の衝撃)メイ氏交渉、「移民」難題 英、きょう首相就任(2016/07/13朝日新聞)
デービッド・キャメロン英首相(49)の後任として与党・保守党の党首に選ばれたテリーザ・メイ内相(59)が13日、新首相に就任する。欧州連合(EU)からの離脱を選んだ6月の国民投票で二分された国論をまとめるとともに、難航が必至とみられるEUとの離脱交渉を担う。・・・それでも英メディアによると、EU側には、離脱派に比べれば「現実主義者だ」として、メイ氏を歓迎する意見があるという。内相として、テロ対策や難民問題でEUと協議を重ねてきたからだ。早期の離脱通知を求める声も強まっている。メルケル独首相は11日、「新首相のなすべきことは、離脱後にEUとどんな関係を築きたいか明確にすることだ」と述べた。

http://digital.asahi.com/articles/DA3S12456970.html

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原発と新知事 日本中が見守っている(2016/07/13東京新聞)
 今国内で唯一原発が稼働する鹿児島県で、脱原発を掲げる新知事が誕生する。三反園訓さん(58)。「原発のない社会をつくる」という言葉の通り、鹿児島を“脱原発立県”のお手本にしてほしい。「安全性が確保されていない原発は動かせない」。初当選した三反園氏の主張は明快だ。・・・ 三反園氏は「ドイツを参考に、鹿児島を自然エネルギー県に変身させ、雇用を生み出す」と語っている。脱原発による雇用喪失の不安を抱える立地地域とよく話し合い、情報を広く共有しながら、具体化を進めてもらいたい。日本で唯一原発が稼働中の鹿児島県を、日本で初めて脱原発へとスムーズに移行したモデル県にしてほしい。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016071302000135.html

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シールズ関西8月15日解散 若き主張届けた(2016/07/13京都新聞)
安全保障関連法への反対活動を街頭で続けてきた学生団体「シールズ関西」が、8月15日で解散する。従来の運動団体と一線を画し、ラップ調の「コール」といった新しいデモのスタイルを通して、発足した昨年は若者の政治参加を象徴する存在になったが、参院選を終え、活動に終止符を打つ。シールズ関西は昨年5月、立命館大出身の神戸大大学院生塩田潤さん(25)ら関西の学生有志で結成した。正式名は「自由と民主主義のための学生緊急行動」。東京や沖縄でも仲間が同時期にシールズを立ち上げた。多くの憲法学者が「違憲」と指摘する中で安全保障関連法案成立を急ぐ安倍政権を批判。ツイッターなどソーシャルメディアを駆使して活動日時を発信し、京滋の街頭でも廃案を求めてきた。「民主主義って何だ?」「これだ!」といったコールや、メンバーが名乗って自分の意見を訴える「スピーチ」といった街頭活動で、若者らに共感を広げた。・・・首都圏のシールズも参院選後に解散すると表明している。塩田さんは「参院選の結果も含めて今の政治や社会に悲観も楽観もしていない。シールズは終わるが、一人一人が個人でできることを考え、行動していきたい」と話している。
http://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20160713000016

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(社説)経済対策 また「金額ありき」か(2016/07/13朝日新聞)
参院選の勝利を受け、安倍首相が経済対策とその柱となる補正予算案の検討を指示した。キーワードは「未来への投資」だという。保育や介護の受け皿整備、保育士や介護福祉士への支援、無利子、さらには給付型奨学金の検討……。首相があげた項目は、いずれも待ったなしの課題だろう。しかし、今回の対策の主眼は別のところにある。「アベノミクスのエンジンを最大にふかす」「内需を下支えすることができる、総合的かつ大胆な対策」。首相が繰り返す言葉からも、景気対策のための財政出動であることは明らかだ。政府・与党では「総額10兆円超」が相場になっている。金額ありきの旧来型である。・・・ 今回の経済対策でとりわけ疑問を禁じ得ないのは、官民あげての土木・建設事業でおカネを流し込もうとしている点だ。海外からのクルーズ船受け入れのための港湾整備や農林水産物の輸出基地建設、防災対策などが挙がるが、事業規模が大きいのは財政投融資(財投)を使ったリニア新幹線や整備新幹線の建設前倒しだ。・・・アベノミクスの危うさは財政規律への意識の乏しさにある。消費増税の再延期に続き、今度は歳出で大盤振る舞いなのか。再考を求める。

http://digital.asahi.com/articles/DA3S12456918.html

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関電の異議却下  安全性を立証してこそ(2016/07/13京都新聞)
大津地裁(山本善彦裁判長)は関西電力の異議を退け、高浜原発の運転再開を認めなかった。これまでの地裁の判断からみて予想された結論ではある。それでも、電力各社が相次いで原発再稼働に向けて動きだす中、原子力規制委の新規制基準に合格して運転していた原発を、安全性を理由に司法が停止させ、不服申し立てにも応じなかった意味は大きい。・・・ 大津地裁の一連の判断に通底するのは、たとえ原発が効率性・経済性で優れているとしても、福島のような過酷事故の災禍とは引き換えにならない−という考えだ。新規制基準や関電の安全対策にも疑問を投げかけた。・・・今年の電力各社の株主総会では原発頼みの経営に疑問の声が相次いだ。京都市や大阪市は再生可能エネルギーの導入促進と脱原発を株主提案したが否決された。原油や天然ガスの価格が下がり、電力各社の収支は改善している。4月からは電力の小売りが全面自由化され、電力の「地産地消」も進んでいくだろう。今こそ原発に依存しない経営体質に転換するチャンスではないか。現代社会に不可欠な電力を安定供給する責務を電力会社は負っている。ならば、目先の経済性だけでなく、潜在的な巨大リスクをもっと意識すべきだろう。
http://www.kyoto-np.co.jp/info/syasetsu/20160713_4.html

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(声)野党共闘は希望をもたらした(2016/07/13朝日新聞)主婦 清水芳枝(神奈川県 65)

 今回の参院選は、日本の政治に大きな変化をもたらしたと思います。改憲勢力が3分の2を取ったことではありません。野党が全国32の1人区で独自に戦わず、統一候補を立てた「野党共闘」が一定の成果を収めたことです。それぞれの党の政策に違いはあっても、平和憲法が壊されるという危機感で一致し、力を合わせた意義は大きいと思います。何より、この野党共闘が多くの国民の声に後押しされて成立したことは、評価されるべきです。安倍政権の憲法を無視した安保関連法制の強行採決に反対し、憲法学者、若者、ママさんなど多くの市民が声をあげました。政権の暴走を止めてほしいというその声が政治家たちを動かし、野党の選挙戦術を変えたのです。市民の声が政治家を動かし、野党を選挙で大同団結させる実例を作ったことは、国民にとって大きな希望です。主権は国民にあり、少なくない主権者が声をあげれば、政治家は無視できないという実例になったのです。今回を出発点として野党各党がさらに連帯を深め、重要な局面では団結して国民の声を政治に反映させてくれることを期待します。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12456922.html?ref=pcviewpage

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「戦後70年体制」の行方/(1)ジャーナリズム史 根津朝彦(2016/07/13京都新聞)


 批判の鋭さ弱く

 大半の新聞は特定秘密保護法や原発再稼働の行方に疑問を投げかけてきた。しかし、全体的に批判の鋭さは弱く、読者に届いていない。政権が自民党であろうが、民主党であろうが、強大な政治権力を握る与党を監視する批判は厳しくて当然である。新聞で重要なのは、読者に訴えかける見出しである。安倍首相が集団的自衛権の行使容認を表明した時、『東京新聞』は一面トップで「「戦地に国民」へ道」という刺激的な見出しを掲げていた。しかし、他の多くの新聞でもそうした言及は文中にあっても、目を引くものではなかった。・・・

方向性を相対化

 時の政治権力への批判を鈍らすよりも、批判精神を発揮した言論の方が歴史的に評価されることは、宮武外骨や桐生悠々を例に出せば明らかである。現実は複雑で多様である。その豊かな世界を捉えるためには、現状追認とは異なる視点、つまり現実を抉(えぐ)り出す批判を示すことで、権力者が導きたい方向性を相対化できる判断基準をもつことが大切である。・・・論壇は、ジャーナリスト、研究者、編集者、学生、市民ら広範な読者のネットワークがあって成立する。それが総合雑誌という形をとることはもはや考えにくいが、学生の街の京都にはその可能性がある。自由な感性をもつ若い読者層とジャーナリズムの連携を模索できるからである。最近では首都圏で、特定秘密保護法に反対する学生有志の会(SASPL・サスプル)の運動に注目が集まったが、いつの時代も新しい世代に社会の希望の芽が存在する。・・・ 

若者層が回路を

 一方、私が勤務する大学では特にそうであるが、大学で社会問題に触れるような立て看板やビラを目にすることは非常に少ない。学生には新聞も縁遠く、そのような日常が「当たり前」となっている環境で、学生に政治に関心をもつことや、投票に行くことを期待する方が難しい。それだけに大学の存在意義もまた問われているのだ。ジャーナリズムは公共財であり、それを支えていくのは市民である。若い世代がジャーナリズムの役割を認識し、読者となって社会的に支える回路をつくっていく必要性は痛感している。これまでも読者・有権者の卵たる学生を応援していく報道は見られるが、その重要性は再確認しておきたい。同調圧力が強い日本社会において、まず独立した個人たることを求められるジャーナリストが、空気を読み過ぎることは自殺行為である。いかなる政権下においても、自己検閲を警戒し、豊かな言論を社会に根づかせてほしい。そのためにも優れた報道に対する読者のエールが不可欠である。
http://www.kyoto-np.co.jp/info/seiji/minni/

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