<社説>イラク戦争検証 日本は誤り認めるべきだ(2016/07/09琉球新報)
無責任極まりない。安倍政権は、イラク戦争で米英の武力行使を支持した判断を「妥当」とする立場を維持するという。参戦国の多くが「判断を誤った」と結論付ける中で、国際世論と歴史の事実に背を向ける欺瞞(ぎまん)に満ちた態度だ。・・・英国の独立調査委員会は6日、英国の参戦は失敗だったと結論付ける最終報告書を発表した。これに対し日本は、世耕弘成官房副長官が同日の記者会見で、米英の武力行使を支持した小泉政権の判断を「今日でも妥当性を失うものではない」とする強弁を重ねた。イラク戦争を主導した米英は、独立調査委員会で厳密な検証を行ったが、日本政府は第三者機関の調査も行わないまま「大量破壊兵器が存在しないと証明する情報はなかった」と、おざなりの釈明を続けているのである。このような無責任な態度が国際社会に受け入れられるだろうか。イラク戦争は多くの犠牲をもたらしたが、それだけではない。戦争の混乱が、国際社会をテロの脅威にさらす過激派組織「イスラム国」(IS)が台頭する遠因になったと言われている。・・・日本はイラク開戦支持の検証を誠実に進め、誤りは誤りと認めることでイラクほかイスラム諸国の不信感を解くべきだ。そして日本がテロの対象にならぬよう、米国支持一辺倒の姿勢を改めるべきだ。
http://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-313281.html
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中ロ反発 高まる緊張 在韓米軍、迎撃ミサイル配備(2016/07/09東京新聞)
【北京=城内康伸】米国と韓国は八日、米軍の地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD=サード)」を在韓米軍に配備すると発表した。中国とロシアは、北朝鮮の核・ミサイルへの脅威を口実にした米国による北東アジアにおけるミサイル防衛(MD)の拠点作りと受け止め、ミサイル配備の強化など対抗措置に動くことが懸念される。北朝鮮の核問題をめぐる協調で、関係国の足並みが乱れる可能性も出てきた。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/201607/CK2016070902000147.html
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元組員の「威迫」 まず裁判員を守らねば(2016/07/09東京新聞)
暴力団元組員らが裁判員を「威迫」したとして起訴された。暴力団幹部の殺人未遂事件の裁判だった。安全確保が徹底されないと、市民の参加で成り立つ制度の根幹が揺らいでしまう。元組員らの裁判員への声かけは、五月に福岡地裁小倉支部で起きた。公判が終わったあと、複数の裁判員が同支部の近くで、二人組の男に「あんたらの顔を覚えとるけんね」「よろしくね」などと声をかけられた。「ある程度刑は決まっとるやろ」などの言葉もあったようだ。二人組にはどうやら待ち伏せされたらしい。顔を覚えているという言葉には普通の人ならずとも恐れを覚える。そもそも特定危険指定暴力団「工藤会」系組幹部が知人男性を日本刀で刺して殺害しようとした事件の裁判だった。報復を心配しても不思議でない。実際に声かけの発覚後、六人の裁判員のうち四人が辞任をして、裁判所が判決期日を取り消すという異常事態になった。・・・ 身辺の保護という制度の根幹をなす深刻な問題が浮かび上がった。裁判員が特定できない対策は不可欠であるし、そのような環境整備がなされないと市民は安心して裁判員を引き受けられない。再発防止を徹底してほしい。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016070902000168.html
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筆洗/あすは、参院選の投票日。(2016/07/09東京新聞)
あすは、参院選の投票日。公職選挙法が改められ、選挙権が十八歳まで広げられて初の国政選挙だ。実はこのたびの公選法改正で、もう一つ大切な変更があったことをご存じだろうか▼これまで投票所に一緒に連れて行けるのは、目が離せない幼児ら「やむを得ない事情がある者」に限られていた。それが改められ、十八歳未満の子どもは共に投票所に入ることができるようになったのだ▼この小さな変化には、大きな意味がある。さいたま市の高校生を対象にした調査によると、「親と政治の話をしたことがある」「親はテレビのニュース番組をよく見ていた」という生徒のうち、「投票に行く」と答えた生徒は四割弱にすぎない▼だがその一方で、「親と一緒に投票所に行ったことがある」生徒の六割近くが、「投票に行く」と答えた。小さいころ一緒に投票所に足を運んだ。ただそれだけの経験が思わぬ効果を上げるのだ・・・静かな投票所で、未来の有権者たちが見つめる中、鉛筆を走らせ、票を投じる。そんな情景が、国民の無関心にあぐらをかき続けるこの国の政治を大きく変えていくに違いない。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2016070902000170.html
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(天声人語)米国の差別と銃(2016/07/09朝日新聞)
そろそろ将来の職業を考えないといけないよ。米国のある学校で、先生からそう言われた少年は「弁護士になりたい」と答えた。先生は驚いた顔をして、それは現実的な目標ではないと説き始めた。少年が、黒人だったからだ▼白人である先生は言った。「きみはきみのなれるものについて考える必要がある……大工になることを考えたらどうかね」。少年は後にマルコムXを名乗り、黒人解放運動の活動家になる。・・・差別と銃。一連の事件は米国の二つの病を映し出す。人種差別を禁じた公民権法ができて50年余、まだ変われないのか。何人が銃で命を落とせば、規制は動き出すのか。岩盤の厚さに慄然(りつぜん)とする。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12450259.html
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(離脱の衝撃)英保守党首選、女性2氏決選へ メイ氏・レッドサム氏(2016/07/09朝日新聞)
辞任を表明した英国のキャメロン首相の後任を選ぶ与党・保守党の党首選の決選投票は、テリーザ・メイ内相(59)とエネルギー担当閣外相(副大臣に相当)のアンドレア・レッドサム氏(53)の女性2人による争いになった。勝者が新しい首相になり、国民投票で離脱を決めた欧州連合(EU)との交渉も担うことになるが、両氏の経歴や主張は好対照だ。・・・議員歴約20年のメイ氏は影の閣僚を歴任し、キャメロン内閣では主要ポストの内相を6年にわたり務めてきた。ただ弱点もある。担当する移民問題で、政権が公約した移民の年間純増数を「10万人未満」にする目標を達成できず、国民の不満を募らせた。国民投票では残留を支持し、英国に有利な離脱条件をEUにのませられるか、党員の間に疑問も残る。金融業界から6年前に政界入りしたレッドサム氏は閣僚経験もなく、政治経験の乏しさが弱みだが、国民投票では離脱派の論客として存在感を示した。「新首相は心から離脱を信じる人がなるべきだ」と訴える。人気の高いボリス・ジョンソン前ロンドン市長(52)も支持を表明している。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12450248.html
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(社説)参院選 あす投票 有権者の「知る義務」(2016/07/09朝日新聞)
自民、公明など「改憲4党」の議席が非改選を含め、3分の2に迫る勢い――。参院選終盤の情勢を報じる新聞各紙の記事はほぼ一致している。「3分の2」が衆院に続き参院でも実現すれば、70年前に公布された現憲法のもとで初めてだ。憲法改正の国会発議が、いよいよ現実味を帯びてくる。・・・よく言われる「知る権利」ではない。「義務」である。憲法学者の樋口陽一さんの言葉だ。「主権者として公のことがらの基本を動かし、未来への責任を果たすため、国民には問題の所在を『知る義務』がある」東日本大震災で、原発の安全神話にだまされていたことを知ったのをきっかけに、そう確信したという。では、参院選で有権者は「知る義務」を果たせただろうか。少なくとも憲法改正については簡単ではなかったはずだ。なにしろ、安倍首相自身が語らない。連日の街頭演説では触れていない。公示前後の党首討論会で問われると、「条文をどう変えるかを決めるのは選挙ではなく、国民投票だ」とかわす。さらなる党首討論会を野党から求められても応じない。先の国会で「参院選でしっかり訴えていく」と意欲を示していたのは何だったのか。・・・たとえば、自民党の改憲草案が、いかに権力への縛りを緩めて、国民を縛る内容か。個人の権利より、どれだけ「公の秩序」を重視しているか。首相は「(草案が)無傷でいくとはおそらく自民党の誰も考えていない」という。だとしても、草案には自民党がめざす国や社会の姿が描かれている。それを支持するのか、しないのか。あすの一票の確かな判断材料になる。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12450169.html
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(声)「政治」は大きな買い物なのです(2016/07/09朝日新聞)パート 合津昌子(静岡県 49)
「人生で大きな買い物は」と問われたら、多くの人は家や車を思い浮かべるでしょう。しかし、生涯に支払う金額を考えると、たいていの家庭で比重が大きいのは、税金と健康保険、雇用保険、介護保険、年金などの各種保険料。政治に委託するお金です。サラリーマンなら毎月の給与明細をよく見て下さい。税金と保険料を合算したら、住宅ローン返済額を上回る方も多いのではないでしょうか。その上、固定資産税や自動車税、消費税、ガソリン税なども払っているのです。18歳の高校生もお小遣いで何か買えば、8%は税金です。一生のうちにあなたが国へ払う、いや払わされる金額は膨大です。こんな大きな「買い物」なのに、見返りにどんなサービスを受けられるのか、どんな商品を手に入れられるのか、自分の選択を示さなくてよいのでしょうか。家や車を買う時、吟味しない人などいないはずです。確かにたった一票です。でも、何百万票は一人一票の積み重ね。低投票率は、偏った政策や政治の暴走を生む原因になります。自分が払う代価にふさわしい政治を求めて、意思を示しましょう。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12450176.html?ref=pcviewpage
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「凍土壁閉じること課題」 福島第1原発・内田俊志所長に聞く(2016/07/08福島民友)
東京電力福島第1原発所長に就任した内田俊志氏(54)は7日、第1原発で福島民友新聞社のインタビューに応じ、汚染水対策として地盤の凍結に挑んでいる凍土遮水壁について「壁を閉じることが喫緊の課題だ」とした上で「完全にはふさがっていないが、コンクリートを注入して地下水の流れを抑えるという補助的な対策を打っており、効果を期待している」と語った。・・・―作業員の被ばく線量低減と労働環境の改善にどのように取り組む。「問題は1〜3号機の原子炉建屋内だ。放射線量が相当高いレベルであり、溶け落ちた核燃料(デブリ)の調査に際しても、ロボットの投入口を除染しないと近寄れない。建屋内の線量をいかに下げるかが課題で対策を検討していきたい」
http://www.minyu-net.com/news/news/FM20160708-090488.php
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参院選 子の貧困 支援策の具体化急げ(2016/07/08朝日新聞)
「制服が買えない」「給食がない夏休みはおなかがすいて、やせる」。そんな声が子どもたちから聞こえてくる。子どもの貧困への対策は待ったなしだ。支援の具体的な制度設計を急ぐべきである。子どもの貧困率は1980年代から増加傾向にあり、2012年段階で16・3%を記録。6人に1人が「貧困」とされる。最も貧しい層の子と標準的な層の子の格差は、国連児童基金(ユニセフ)によると、日本が41カ国中8番目に大きかった。貧困が広がるだけでなく、格差の度合いも大きい現実が浮かび上がる。格差社会の問題が、弱い立場の子どもたちにしわ寄せされているのだ。・・・ところが政府が一昨年発表した「子どもの貧困対策大綱」では、貧困率の改善などの数値目標が盛り込まれなかった。昨年末は、ひとり親世帯への支援が目玉の政策パッケージをまとめたが、児童扶養手当の支給が高校卒業で打ち切られるなど、まだまだ不十分だ。いま求められるのは実態を把握し、幼い時から大人になるまで切れ目なく支援することだ。・・・子どもの貧困は、国家財政の点でも見過ごせない課題だ。対策を取らなければ、13年に15歳だった1学年だけでも生涯所得が計2・9兆円減り、国の負担が1・1兆円増す。そんな推計を日本財団が発表した。子どもの可能性をつぶす国に未来はない。社会全体で問題に取り組む覚悟が必要である。
http://www.asahi.com/paper/editorial2.html?iref=comtop_shasetsu_02
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「全米国人が懸念すべきだ」 オバマ氏、黒人射殺事件受け(2016/07/08朝日新聞)
ミネソタ州とルイジアナ州で黒人男性が警官に射殺される事件が相次いだことを受け、オバマ大統領は8日、訪問先のポーランドで、「すべての米国人が懸念すべきだ」と記者団に語り、人種差別が事件の背景にあることを指摘した。・・・ オバマ氏は「多くの市民が肌の色の違いによって、同じに扱われていないと感じてしまう。つらいことだ」と述べた。「自分の家族の誰かに起きたら、どういう気持ちになるか考えてほしい」とも問いかけた。・・・ワシントン・ポスト紙の集計によると、今年に入ってから米国内で警察の発砲によって亡くなった人は508人になる。死者のうち黒人は123人と約24%で、米国内の人口に占める割合(約12%)の倍近いという。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12449670.html
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<社説>参院選 アベノミクス 成否しっかり見極めたい(2016/07/08琉球新報)
安倍政権が経済政策「アベノミクス」を打ち出して約3年半が経過した。安倍晋三首相は「アベノミクスを加速するのか、後戻りするのか。これが参院選の最大の争点」とする。経済の浮沈は暮らしや社会保障など国民生活に直結する。アベノミクスの成否をしっかり見極め、投票したい。・・・安倍政権は「雇用は110万人増えた」と胸を張る。全国の就業者数は12年の6270万人から15年には6376万人と確かに106万人増えた。一方で、正規従業員は36万人減り、非正規従業員は167万人増えている。雇用の質は明らかに低下しており、雇用が改善したとは言い難い。共同通信社が13年に実施した世論調査では、アベノミクスを評価する声が7割を超えたが、ことし5月下旬の調査では否定的な声が6割超に上った。安倍首相は「今やめれば停滞した時代に逆戻りだ」と訴える。だがアベノミクスが効果を発揮したなら、税率10%への消費税増税を2度も先送りする必要などないはずだ。「アベノミクスは道半ば」との安倍首相の訴えは「失敗」を「道半ば」と取り繕っていると言えないか。
http://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-312569.html
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米ダラス警官銃撃で3容疑者拘束(2016/07/08共同通信)
【ニューヨーク共同】米南部テキサス州ダラスで、警官らが射殺された銃撃事件で、地元警察は8日、女1人を含む容疑者計3人を拘束したと発表した。ダラス中心部の車庫では別の容疑者が立てこもり、警察との銃撃戦を継続。「もっと警官を殺す。至るところに爆発物を仕掛けた」と現場の警官に話している。事件は、警官による黒人射殺に抗議するデモの最中に発生。地元警察は8日、死亡した警官らは5人になったと発表した。
http://this.kiji.is/124066431884410882?c=39546741839462401
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英国で最終報告 イラク戦「支持」検証を(2016/07/08東京新聞)
多くの犠牲者を出したイラク戦争。米国に追随して参戦した英国の独立調査委員会が最終報告書を提出した。戦争を支持した日本政府も、その判断が正しかったのかを検証し、公開する必要がある。イラク戦争は二〇〇三年三月二十日に始まった。当時のブッシュ米大統領は生物・化学などの大量破壊兵器を開発・保有するイラクの脅威から米国や国際社会を守ることを大義に掲げたが、大量破壊兵器は結局発見されず、戦争は国際社会に深い傷痕を残す。 非政府組織(NGO)「イラク・ボディー・カウント」によると開戦から一一年十二月、米軍のイラク撤収までの死者は約十六万二千人に上り、約八割が民間人、約四千人は子どもだった。・・・しかし、当時の小泉政権が米英両軍の武力行使を支持し、復興支援名目で自衛隊をイラクに派遣した日本では独立委員会による調査・検証はいまだ行われていない。民主党政権下の一二年、外務省がイラク戦争に関する日本の対応を報告書にまとめたが、公表は要旨だけで、全文は非公開だ。しかも、調査対象は外務省内の文書や職員だけで、大統領や首相も聴取対象にして報告書も公開している海外に比べて、とても検証と呼べる代物ではない。政策判断の誤りを繰り返さないためには第三者の独立委員会が調査・検証を行い、後世に教訓として残すのは当然の責務だ。安倍政権が安全保障関連法の成立を強行し、自衛隊を海外に随時派遣できる状況なら、なおさらである。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016070802000140.html
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(社説)イラク戦争 日本も検証すべきだ(2016/07/08朝日新聞)
イラク戦争への参加は正しかったのか。英国の判断を7年間検証してきた独立調査委員会が下した結論は明快だった。「平和的な方策を尽くす前に侵攻した」と、過ちを認めた。フセイン政権による大量破壊兵器の保有を示す確かな情報はなかったのに、武力行使という重大な決定に踏み切ったのだ。英国が「米国の戦争」に巻き込まれる過程も調べられた。開戦8カ月前にブレア首相はブッシュ大統領に「何があっても行動を共にする」と約束。強固な同盟国も米国をいさめるどころか追従した現実に慄然(りつぜん)とする。国民の求めに応じて政府が設けた独立調査委が、政治家や官僚の抵抗に屈さず、過ちを暴いた努力は評価されるべきだ。・・・開戦直後、当時の小泉純一郎首相は大量破壊兵器の拡散を防ぐのが戦争の目的だとして、武力行使への支持を表明した。国際社会の合意を得られなかった米英を明確に支えたのだ。大量破壊兵器はなかった。何を根拠に「大義なき戦争」を支持し、自衛隊を派遣したのか。戦争そのものが国際法に抵触しないか検討を尽くしたのか。日本国民はいまなお納得できる説明を受けていない。外務省が4年前に公表した省内対応の検証でも「米英支持」の是非については対象外とされた。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12448160.html
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(声)日本代表に国歌押しつけないで(2016/07/08朝日新聞)主婦 百田敦子(東京都 44)
「国歌歌えぬ選手 日本代表ではない」(4日朝刊)を読みました。壮行会の「国歌独唱」で一緒に歌わなかった選手たちに対し、東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長がそのように述べたそうです。「国歌をちゃんと歌え」という押しつけは、「国のためにメダルを」という意識の表れのように感じます。選ばれた選手たちに対して、国のために勝とうとかメダルを取ろうとか言うのは、もうやめてもいいのではないでしょうか。何のためにがんばるのか、それはそれぞれ違っていいと思います。うちの子どもたちもテニスやサッカーをやっています。暑い日も寒い日も、時には雨の日も。なぜ練習するのかといえば、ただ楽しいから。日本代表のみなさんには五輪・パラリンピックという大きな舞台を楽しんでほしいと思います。日本代表に選ばれた選手たちは、私には想像もできないほどの努力をしてきたのだと思います。その選手たちを否定するような発言は、五輪・パラリンピック組織委員会の会長にふさわしいのでしょうか。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12448164.html?ref=pcviewpage
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子どもの貧困、訴え切実 全国最悪、届かぬ支援 参院選・沖縄選挙区(2016/07/08朝日新聞)
米軍属による女性殺害事件が起き、基地負担の軽減を求める声が高まる。そんな参院選沖縄選挙区(改選数1)で、候補者が「子どもの貧困」の訴えにも力を込めている。全国的にみても深刻な状況に、政治に向けられる思いは切実だ。・・・ 2014年、厚生労働省は18歳未満の子どもの6人に1人が「貧困」の状態にあると発表した。沖縄県が今年公表した県内の割合は3割近くに達した。貧困問題に詳しい山形大の戸室健作准教授の研究によると、沖縄の子どもの貧困率は全国で最も高い。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12448293.html
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宇都宮氏、出馬へ 元日弁連会長 都知事選(2016/07/08朝日新聞)
東京都知事選の告示日が1週間後に迫った7日、宇都宮健児・元日本弁護士連合会会長(69)が無所属で立候補する意向を固めたことがわかった。参院選の投開票翌日の11日に正式に記者会見を開いて表明する。宇都宮氏は朝日新聞の取材に、「野党4党の枠組みも視野に入れていたが、待っていては間に合わない。市民連合の支援を得て、さらに支援を広げたい」と語った。都民の暮らしに重点を置き、税金の無駄遣いをなくすことや福祉の充実を訴えるという。宇都宮氏は、2014年の都知事選で、共産、社民両党の推薦を得て、当選した舛添要一前知事に次ぐ約98万票を獲得した。同年の選挙では細川護熙元首相も立候補していた。猪瀬直樹元知事が当選した12年都知事選にも立候補し、次点だった。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12448288.html?ref=pcviewpage
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イラク参戦「最後の手段でなかった」 英調査委、ブレア政権を批判(2016/07/07朝日新聞)
英ブレア政権が2003年にイラク戦争に参戦した経緯や侵攻後の占領政策を検証した独立調査委員会(チルコット委員会)が6日、報告書を公表した。参戦の決断を「(フセイン政権の)武装解除の平和的な方策を尽くす前に侵攻に参加した。軍事行動は当時、最後の手段ではなかった」と断じた。開戦から13年を経て戦争を検証した報告書は、自国政府の判断や評価の過ちを厳しく指摘する内容となった。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12446267.html
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(声)沖縄の怒りに向き合いたい(2016/07/07朝日新聞)大学名誉教授 胡口靖夫(東京都 75)
「沖縄の叫びを受け止めたい」(6月30日)を読みました。元米海兵隊員による殺人容疑事件に抗議する沖縄県民大会に参加した、東京の大学生の投稿です。炎天下、私も大会に参加して、沖縄の女子大生の肺腑(はいふ)をえぐるようなスピーチを聞きました。本土の人たちも事件の加害者だという言葉は、沖縄の若者の本当の気持ちだと思いました。大会では冒頭、参加者が黙祷(もくとう)をささげました。私は、幼い女の子を連れた若い母親が涙を拭う姿に強い印象を受けました。わき上がる怒りを、そこに見ました。私は帰京後、知人たちに「とても感動した」と話しました。ところが、中には「基地のない沖縄は、いずれ中国に占領されるだろう」と平然と言う人もいました。投稿者の大学生の言う通り、「このままでは沖縄と本土の溝は深まるばかり」だと思います。沖縄には以前から、本土からの独立論があります。私は大会で、独立へ向けて研究と実践活動をする会のチラシを受け取りました。独立論がそこまで具体化するほど沖縄の怒りは高まっています。本土は基地問題に真剣に向き合うべきだと改めて痛感しています。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12446145.html
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TPP 先を急がず議論尽くせ(2016/07/07京都新聞)
環太平洋連携協定(TPP)を巡る議論が深まらない。日米など12カ国は昨年10月の大筋合意を経て今年2月に署名したものの、肝心の内容や交渉過程の情報開示が不十分だからだ。先の通常国会では、政府が交渉過程の文書を黒塗りで開示したことなどから、野党が反発して空転、協定承認案と関連法案は継続審議となった。政府、与党は参院選後の秋の臨時国会で可決を目指すが、TPPは国民生活や産業の行方に大きな影響を与える問題である。メリット、デメリットの十分な検証もなく、国民の理解を置き去りにして進めてよいはずがない。・・・一方、民進党は、国会決議で求めたコメや牛・豚肉など農業重要5項目の関税が維持されていないなどとして「今回の合意には反対」の立場だ。ならば、その先に農業の将来像をどう描くのかも丁寧に説明すべきだろう。TPPの発効には、経済規模の大きい日米の批准が不可欠だが、米国の2人の大統領候補がこぞって再交渉や脱退を主張し、不透明感が漂っている。日本も急がず、議論を尽くすことが何より大事だ。正負両面を冷静に見つめ、国民の理解を深める論戦を参院選に望みたい。
http://www.kyoto-np.co.jp/info/syasetsu/20160707_2.html
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米軍属の扱い 再発防止策と言えるか(2016/07/06京都新聞)
むごい犠牲を繰り返さない対策とこれが言えるのだろうか。日米両政府は、沖縄県での女性暴行殺害事件を受け、日米地位協定で米側に優先的に裁判権が認められている米軍属の対象を明確化することで合意したと発表した。実質的な範囲縮小になるという。だが、沖縄県民が強く求めている地位協定の抜本改定には踏み込まず、軍属を含む米軍関係者の「特権」は何ら変わらない。過去にも重大事件が起きるたび日米は「運用改善」を打ち出してきたが、今回の合意も実効性は不透明で、後を絶たない犯罪の防止に「ほど遠い」の声が上がるのも当然だろう。・・・「日米同盟の強化」を進める安倍晋三首相は、地位協定にみられるように国の主権を一部放棄して「従属的」関係を受け入れても仕方ないと考えているのだろうか。沖縄で先月開かれた県民大会では、集中する基地の危険と負担を放置する政府、本土に対して「第二の加害者だ」と激しい怒りが噴出した。京都を含めて他の米軍施設の立地先の問題でもある。矛盾を押し付けたままの幕引きは許されない。
http://www.kyoto-np.co.jp/info/syasetsu/20160706_4.html
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給付型奨学金 未来へ引き継ぐバトン(2016/07/07東京新聞)
参院選では与野党を問わず、大学生らへの返還不要の給付型奨学金の創設を唱えている。公教育への投資で潤うのは未来である。それが議論の出発点になる。日本学生支援機構が担う国の奨学金制度には、卒業後に返還せねばならない貸与型しかない。将来の収入見通しも立たないうちから多額の借金を強いられる、ローンの仕組みが深刻な問題を招く。・・・ 高等教育の恩恵にあずかる子のために、責任者である親が学費を賄うのは当たり前とする受益者負担論。貧しい家庭に生まれた子は、進学できなくても仕方ないとみる自己責任論。まずはこうした排他的な意識を払拭(ふっしょく)したい。・・・ 元来、教育の目的は、平和や自由、民主主義、人権尊重を基調とする社会の発展のはずだ。憲法がすべての人に等しく学ぶ権利を保障し、国際人権規約が公教育の無償化を求めるゆえんだろう。奨学金論議で問われているのは、目先の損得勘定ではなく、未来へのバトンの渡し方である。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016070702000150.html
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除染の苦闘置き去り「避難解除は無責任」(2016/07/07河北新報)
東京電力福島第1原発事故後の避難指示解除が来年3月末に迫る福島県飯舘村で、帰還を志す農業菅野啓一さん(61)が自力で居久根の除染に取り組んでいる。居久根の放射線量は依然高く、「生活再建を妨げる環境を住民の手で取り除くしかない」と重機を操る。無人の被災地の苦闘を、参院選(10日投開票)の候補者が目にすることはない。放射性廃棄物を詰めた黒いフレコンバッグの山が、集落中央の水田に広がっていく。同村比曽地区で環境省が造成中の約30ヘクタールの仮々置き場の光景。・・・第3種放射線取扱主任者の資格を自ら取った菅野さんは言う。「汚染土の袋も置き去りの避難指示解除は無責任。参院選の候補者は被災地に来て、現状を見てから復興を訴えてほしい」
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201607/20160706_61008.html
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汚染水漏れ原因は「廃液タンクに泡」 東海第二原発事故で原電が中間発表(2016/07/06東京新聞)
東海村の日本原子力発電(原電)東海第二原発で高濃度の放射性物質に汚染された廃液が漏れた事故で、原因を調査していた原電は五日、貯蔵タンク内の廃液から泡が発生し、タンクから気体を抜く配管から外へ漏れたと発表した。
六月二日の事故から一カ月以上がたち中間発表した。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/ibaraki/list/201607/CK2016070602000157.html
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15年の独新築住宅の5割が再生可能エネルギー暖房採用(2016/07/03ドイツニュースダイジェスト)
(フランクフルト 7月1日 時事)ドイツ連邦統計局が6月29日発表したところによると、2015年に完工した新築住宅の61.5%(約10万6000棟)に再生可能エネルギーを一部もしくは全面的に利用した暖房設備が採用された。暖房の大半を再生可能エネルギーで賄う住宅は38.0%で、ガス(51.5%)に続いて2位を占めた。プラントから複数のビルに温水や冷水を送る地域熱供給や石油、電力などその他エネルギー源で大半を賄う暖房は10.5%だった。また、再生可能エネルギーを主とした住宅のうち63.9%は屋内の空気や水などから熱を得る環境熱方式で、18.6%は地熱利用だった。環境熱、地熱、ガスを主とする暖房の50%以上では、これらエネルギー源のみが利用された。
http://www.newsdigest.de/newsde/news/news/7895-2016-07-03.html
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