週のはじめに考える 真実見極める目を(2018/02/25東京新聞)
アウシュビッツ収容所解放から七十三年。老いた生存者らは排外主義の復活を憂えている。真実を見極めデマに惑わされまい。今、必要な教訓でしょう。ナチスがポーランド南部に設置しユダヤ人らを虐殺した収容所がソ連軍によって解放されてから、先月二十七日で七十三年がたちました。区切りのいい節目の年ではないが、跡地の博物館やドイツでは、ホロコースト(ユダヤ人大虐殺)の犠牲者に対する追悼行事が開かれました。国際軍事法廷ニュルンベルク裁判などでナチスの犯罪が裁かれ、アウシュビッツは悪の象徴として世界中に知られていますが、その存在は、すんなりと受け入れられてきたわけではありません。・・・ガス室は証拠隠滅を図るナチスによって破壊され遺体は焼却され、ホロコーストの真実の解明には困難も多くありました。・・・メルケル独首相はアウシュビッツ解放記念日の声明で「反ユダヤ主義、外国人への反感や憎悪は今再び、日常茶飯事となっている」と警告しました。殺到する難民や欧州で相次いだテロにドイツの寛容も揺らいでいます。流れに乗り、「ドイツのための選択肢」が連邦議会(下院)で第三党に躍進しました。ベルリンのホロコースト慰霊碑を「恥」と評した幹部を除名しなかった極右的政党が広く受け入れられたことは、ドイツ社会の変質さえ予感させます。・・・ 今、世界が必要とするのは、もっともらしい主張の虚偽を見抜くこと−アウシュビッツから学ぶべき教訓はまだまだ多いのです。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2018022502000138.html
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大谷が実戦デビュー オープン戦、先発で2失点(2018/02/25東京新聞)
【テンピ(米アリゾナ州)共同】米大リーグは24日、各地でオープン戦が行われ、投打の「二刀流」で注目されるエンゼルスの大谷がホームのアリゾナ州テンピで行われたブルワーズ戦に先発登板して実戦デビューを果たし、1回1/3を2安打2失点(自責点1)、2三振1四球だった。2―1の二回にソロ本塁打を浴び、勝敗は付かなかった。
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2018022501001097.html?ref=rank
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「土に返る」電池、開発 有害物質ゼロ NTT「IoT」拡大に備え(2018/02/25朝日新聞)
有害物質やレアメタルを使わず、自然の中に放置しても環境に悪影響を与えない電池をNTTが開発した。微生物によって分解されるプラスチックで覆われており、やがて土に混ざっていくという。様々なものにセンサーを埋め込む「IoT」が広がる中で、使用後のセンサーを回収できない場合に備えた技術だ。開発中の電池は1辺が約2センチの正三角形。電圧は1・1ボルトで、LEDを約24時間点灯できる。組み合わせて使うセンサーや通信チップも有害物質を除いたものを開発中で、完成すれば大量のセンサーを火山の周りにまいて温度や振動を調べたり、川に流して流れを調べたりできる。
https://digital.asahi.com/articles/DA3S13375847.html
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(社説)米国の銃規制 若者の声を受け止めよ(2018/02/25朝日新聞)
「本当に私たちを守る気があるなら、とっくに銃規制が強まっていたはずだ」米国フロリダ州の高校で17人が犠牲になった銃乱射事件を機に、多くの高校生ら若者が全米で怒りの声を上げている。トランプ大統領と議会は今度こそ、重い腰を上げねばならない。若者らの悲痛な叫びを受け止め、実効性のある規制に向けて行動を起こすべきである。だがトランプ氏の対応は相変わらず鈍い。事件が起きた高校の生徒らと面会しても、言及したのは小手先の対策だった。・・・めざすべきは、銃が当たり前に存在する社会から脱却することだ。教員に応戦のための武装を推奨するような国は、とても正常とはいえない。
https://digital.asahi.com/articles/DA3S13375811.html
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(声)米軍基地は国民全体の問題(2018/02/25朝日新聞)高校非常勤講師 阿久澤眞一(群馬県 64)
「名護市の未来は市民が決める」(16日)を拝読しました。市長選への県外からの応援に違和感を覚えたとか。確かに、市のことは市民が決めるべきです。ただ、米軍基地についてはどうなんでしょうか。沖縄県では知事選、衆院選で、米軍飛行場の名護市辺野古への移設に反対の民意が示されました。しかし国は工事を進めています。国防は国民全体で考えるべきこと。県外にも民意の無視を看過できない国民がいます。沖縄への米軍基地集中を当然とは思えない国民も少なくないはずです。原発の再稼働でも、民意は立地自治体だけに問われています。しかし、福島第一原発のような事故が起これば、国民全体で長年負担せねばならない被害が出るのですから、国民全体で考えるべきでしょう。市のことは市民が決めるといっても、問題によると思います。国民全体の問題なのに国が一部の意見しか問わないのなら、他市、他県の選挙であっても応援したくなるのは自然なことではないでしょうか。
https://digital.asahi.com/articles/DA3S13375815.html?ref=pcviewpage
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(声)原爆の非道さ、韓国の友にも(2018/02/25朝日新聞)主婦 服部府美子(茨城県 57)
「原爆の現実知った米国の友人」(18日)を読み、20年ほど前を思い出しました。子供の友達に韓国のお子さんがいてお母さんとも交流がありました。彼女の一言が衝撃でした。「核兵器はいいものですよね。戦争を終わらせたから」終戦で日本統治から解放された国の人には、遠い空の原爆炸裂(さくれつ)はそう映ったかもしれません。でも、核兵器が人類共通の脅威ということは分かって欲しい。私は広島平和記念資料館からハングル版の冊子を取り寄せ、渡しました。「これが広島で起こったこと。お子さんがこんな目に遭ったらと想像してみて」と。数日後、彼女は言いました。「核兵器があんなに非道なものとは知らなかった。韓国の友人にも冊子を見せて、核兵器は無くさねばならないと伝えます」「原爆の現実」は、核を持たない国にも伝えなければ、と思います。
https://digital.asahi.com/articles/DA3S13375816.html?ref=pcviewpage
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(売れてる本)『大人の科学マガジン 小さな活版印刷機』 大人の科学マガジン編集部〈編〉(2018/02/25朝日新聞)
凹凸のある、味わい深い名刺をいただくことも多くなった。この組み立て式の卓上活版印刷機が付録についたムックも、大変話題になっている。活版印刷の歴史や今の状況を冊子で知り、こちらも人気の「活版印刷三日月堂」書き下ろし短編を読み、実際に自分の手で印刷機を組み立てて遊ぶことができる。過不足なく好奇心を満たしてくれる良い構成。わたしもSNSで刊行を知り、本屋さんに走った。活版印刷は、木や金属で作った活字を組み、それにインクを塗って紙に押しつけて印刷する。現在はフィルムに文字を写す写真植字、デジタル製版にすっかり取って代わられた往事の技術のはずだが、今また人気を集めている。・・・以前、活版印刷所で見せて貰(もら)った手キン(手フート印刷機)のひ孫のような、可愛らしい印刷機が出来上がった。何を刷ろうかワクワク考え、やはり最初は自分の名前にチャレンジすることに。活字台にゴムの活字を並べ、水で濃度を調整しつつインキを馴染(なじ)ませ、紙をセットして、ぐっと押し込む。おお、できた! 凹凸を伴った文字が紙の上に整列している様にうっとり。
https://digital.asahi.com/articles/DA3S13375851.html
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ソマリアでテロ、45人死亡(2018/02/25朝日新聞)
首都中心部、連続爆発/【ナイロビ共同】ソマリアの首都モガディシオ中心部で23日、爆弾テロが2件相次ぎ、政府当局者は24日、45人が死亡し36人が負傷したと明らかにした。ロイター通信が報じた。犠牲者はさらに増える恐れもある。国際テロ組織アルカイダ系の過激派アルシャバーブが犯行声明を出した。
http://www.kyoto-np.co.jp/international/article/20180224000126
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「消えた町」画集 7年ぶり復刊へ 映画「この世界」 広島描写で参考(18年2月23日ヒロシマ平和メディアセンター)
広島市の市民団体、ヒロシマ・フィールドワーク実行委員会は4月、原爆で壊滅した広島の街並みの鉛筆画集「消えた町 記憶をたどり」を7年ぶりに復刊する。アニメ映画「この世界の片隅に」で旧中島地区(現平和記念公園、中区)の街を描く参考にされ、映画ファンから復刊要望が相次いだため。予約を受け付けている。 鉛筆画は現在の中区大手町で育った森冨茂雄さん(88)=西区=が記憶を基に制作した43枚。県産業奨励館(現原爆ドーム)や大正屋呉服店(現レストハウス)の付近、本通り商店街などを店の看板や街灯まで緻密に描いている。
http://www.hiroshimapeacemedia.jp/?p=81046
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天風録 『反戦の俳人』(18年2月23日ヒロシマ平和メディアセンター)
98歳で逝った俳人の金子兜太さんは十数年前から「立禅(りつぜん)」を朝の日課にしていた。立ったまま目をつぶり死んだ人の名前を小声で唱える。恩師や友人ら全部で130人ほど。すーっとし、やがて一人一人の顔が浮かんでくると著書にある▲懐かしい再会ばかりではない。強烈な記憶とともに、名前を思い出せない顔が他にも現れる。海軍主計中尉として赴いた南洋トラック島で戦死した部下たちだ。食糧が尽き、次々に餓死していくのを助けられなかった▲<水脈(みお)の果て炎天の墓碑を置きて去る>。奇跡的に生き残り引き揚げ船から島を見ながら詠んだ。非業の死を遂げた仲間に報い、戦後を生き抜いていく決意がにじむ。平和と自由を追い求める句作の原点だ
http://www.hiroshimapeacemedia.jp/?p=81051
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韓国禁輸で勝訴 規制解除への追い風に(2018/02/24京都新聞)
東京電力福島第1原発事故を理由に韓国が福島産などの水産物輸入を禁止している問題で、日本の訴えが認められた。世界貿易機関(WTO)の紛争処理小委員会はきのう、禁輸は「不当な差別」と認め、是正を勧告した。全ての日本産食品への追加検査要求も解除を勧め、日本の勝訴となった。東北の震災復興のためにも一刻も早い解決が求められる。WTOの判定を歓迎したい。韓国は2011年の事故後、青森、岩手、宮城、福島、茨城、栃木、群馬、千葉の8県で水揚げ・加工された一部水産物の輸入を禁止した。その後、汚染水漏れを理由に禁輸対象を全水産物に広げ、規制を強化。韓国への水産物輸出額は大きく落ち込んでいる。・・・ 国際社会が微量でも放射性物質に敏感なのは当然であり、日本は食品の安全性を冷静に判断できる情報を積極的に粘り強く提供する必要がある。さらに東京五輪招致に際し汚染水漏れが注目されたのを受け、安倍晋三首相が「状況はコントロールされている」と公言したが、万全とは言い難い。「国際公約」を守れないことが不信を招いていることも肝に銘じたい。
http://www.kyoto-np.co.jp/info/syasetsu/
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102歳の自殺 原発事故のもつ罪深さ(2018/02/24東京新聞)
福島第一原発事故による強制避難を前に百二歳の男性が自殺した。福島地裁が東京電力に対し遺族への賠償を命じたのは、事故との因果関係を認めたからだ。原発事故の罪深さをあらためて思う。福島県飯舘村。農家で生まれた男性は長男で、尋常小学校を出たあと、父母とともに農地を開拓した。牛馬を飼い、田畑を耕した。葉タバコや養蚕も…。次男の妻は共同通信に対し、「年を重ねてからは老人会で温泉に出掛け、地域の祭りでは太鼓をたたいて楽しんでいた」と答えている。九十九歳の白寿を祝う宴には、村中から百人近くも集まったともいう。そのとき、「大好きだった相撲甚句を力強く披露した」とも次男の妻は語り、忘れられない姿となったという。二〇一一年。原発事故が起こり、飯舘村が避難区域となると知ったのは四月十一日である。「やっぱりここにいたいべ」男性はこうつぶやいたという。両手で頭を抱えるようなそぶりで下を向いた姿を見ている。二時間もテレビの前で座り込んでいた。次男の妻は「避難指示はじいちゃんにとって、『死ね』と言われるのと同じだった」と受け止めている。確かにそうだろう。・・・原発事故での自殺をめぐる訴訟で東電への賠償命令はこれで三件目になる。一方、東日本大震災や原発事故の関連自殺者は厚生労働省調べで一七年までに、福島県は九十九人。岩手県や宮城県のほぼ倍だ。政府は原発再稼働の政策を進める。だが、原発事故という取り返しのつかない罪をこの判決は、われわれに思い出させる。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2018022402000168.html
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オプラさん、米大統領選に不出馬 黒人の人気女性司会者(2018/02/24東京新聞)
【ロサンゼルス共同】2020年の次期米大統領選に出馬するかどうかに注目が集まっている黒人の人気女性司会者オプラ・ウィンフリーさん(64)が22日、深夜のトーク番組で「絶対に出馬しない」と強調した。1月末の米誌インタビューでも「関心がない」と否定していた。ウィンフリーさんは司会者とのやりとりで、カメラに向かって不出馬を明言。スタジオの観客から落胆の声が上がった。
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2018022401001273.html
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米大使館、5月にエルサレム移転 パレスチナ反発(2018/02/24東京新聞)
【ワシントン共同】米国務省は23日、在イスラエル大使館をイスラエル建国70周年に当たる5月に、現在のテルアビブからエルサレムに移転すると発表した。昨年12月のトランプ大統領によるイスラエルの首都認定に伴う措置。これまでは来年末までに移転する方針を示していたが大幅に前倒しする。エルサレムを将来の独立国家の首都と位置付けるパレスチナ自治政府は「受け入れられない」と猛反発。一方、イスラエルは「これ以上ない贈り物だ」と歓迎した。
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2018022301002429.html
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データの異常値次々 首相の答弁にも影響した可能性(2018/02/24東京新聞)
裁量労働制を巡る不適切なデータ問題を巡り、厚生労働省調査のデータから次々と見つかった労働時間の異常な数値は、一般労働者の労働時間を長く、裁量労働制で働く人を短く見せる傾向がはっきりしている。この数値が含まれていたために、安倍晋三首相が撤回した「裁量労働制の労働時間が一般労働者より短いデータもある」との国会答弁にもつながった可能性が高い。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201802/CK2018022402000149.html?ref=rank
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逃れる、生きるため ベネズエラ経済危機(2018/02/24朝日新聞)
「押さないで。小さな子どもがいるの」南米ベネズエラとコロンビアにかかる国境の橋。老若男女で押し合いへし合いの中、男の子の手を引いた女性が悲痛な声を上げた。ベネズエラ側の町サンアントニオからは毎日、カバンや段ボールを抱えた人々があふれ出す。世界最大の原油埋蔵量があり、かつて「南米で最も豊か」と言われたベネズエラはいま、深刻な食料不足やハイパーインフレ、政治的混乱に耐えかね、国外へ逃れる人が絶えない。
「食事は1日に1回。病院には薬もない。もう限界だった」。夫や息子と一緒に来たジュスレイ・ガリドさん(26)はトランク一つを手に国境を越えた。「家も車も手放した。これまでの人生が荷物一つだけになった」と涙を浮かべた。・・・ベネズエラはかつて、格差はあるものの、国民の生活は安定していた。しかし、1999年に発足した反米左派のチャベス前政権は格差是正を掲げて急速に社会主義的な政策を進めた。企業や農場を接収して国有化し、食品や生活必需品を非常に安く統制したため、国内産業は廃れた。
https://digital.asahi.com/articles/DA3S13374161.html
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(ひと)安田陽さん 基幹送電線の利用率を調べた京都大特任教授(2018/02/24朝日新聞)
大手電力会社が「『空き容量ゼロ』なので自然エネルギーをつなげない」とする基幹送電線の利用率は全国平均で約2割。膨大な公表データを分析し、議論の口火を切った。「同じデータを基にみんなで議論し、解決の糸口を探ることが大切」と意義を強調する。大学入学後、研究テーマは電気機器、半導体、応用数学、高電圧へと変わり、専門がいまの風力発電にたどり着いたのは30歳を過ぎてから。当時の上司に「好きなことをやっていい」と言われ、高校時代から関心があった自然エネを選んだ。・・・エネルギー戦略研究所の研究部長を兼ねる。この20年で世界は大きく変わり、自然エネが爆発的に普及した。出遅れた日本では、必要な情報さえ十分には公開されていない。「的確な情報を知って意思決定するのと、知らずにするのではリスクが違う。日本は目隠しで走っている状態です」
https://digital.asahi.com/articles/DA3S13374160.html
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