週のはじめに考える 民意を正しく映すには(2017/10/22東京新聞)
衆院選はきょうが投票日。民意は選挙結果に正しく反映されるのか。安倍晋三首相による突然の解散で民主主義の根幹にかかわる問題も見えてきました。厳粛な気持ちできょうの投票日を迎えました。十二日間の選挙戦を終えた衆院選。国政を誰に委ねるのか。棄権や浅慮の「お任せ民主主義」でなく、私たち有権者が熟慮の意思を示すことこそ、日本の政治を正しい方向に導きます。・・・任期を一年以上残す段階で解散する以上、国民の大方が納得する「大義」が必要です。首相は「国難突破解散」と名付けますが、消費税増税分の使途変更と北朝鮮対応への政権基盤強化を理由に挙げるだけでは説得力を欠きます。「森友」「加計」両学園をめぐる問題の追及を逃れるためと、指摘されても仕方がありません。政権の座に長く就いている人たちは、解散は「首相の専権事項」であり、いつでも可能だと考えているのでしょう。根拠とするのは内閣の助言と承認による天皇の国事行為を定めた憲法七条です。
「七条解散」は慣例化しているとはいえ、野党の選挙準備が整わないうちの解散は、不公平であるばかりか、有権者から公約や政策を十分、吟味する時間的な余裕を奪います。突然の解散による準備不足で生煮えの公約や政策を眼前に並べられてはたまりません。民意を正しく政治に反映するには、十分な判断材料と時間的な余裕を確保するのは当然です。日本が長年、政治改革の手本としてきた英国では二〇一一年、下院議員の任期を五年とする「議会任期固定法」が制定されました。解散には下院の三分の二以上の賛成を必要とし、首相の恣意(しい)的な解散を封印するのが狙いです。・・・ 衆院への小選挙区制導入から二十年以上。その間、政権交代が二回実現しましたが、眼前に今あるのは、国民の反対を押し切って安全保障関連法や「共謀罪」法の成立を強行する「安倍一強」の姿です。民意が極端に切り捨てられ、国会での議論が軽視された結果でもあります。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2017102202000150.html
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未完成で渡された戦闘機(2017/10/22東京新聞)
来年三月、青森県の三沢基地に配備される航空自衛隊のF35戦闘機が未完成となっており、機関砲は撃てず、赤外線ミサイルも搭載できないことが防衛装備庁への取材でわかった。当面、領空侵犯に対処する緊急発進の任務に就けないことになる。F35はレーダーに映りにくいステルス性が特徴。防衛省はロッキード・マーチン社で製造した四機をすでに米国で受領し、三菱重工業で三十八機を組み立てる。問題は、受領した四機を調べた際、日米で交わした引合受諾書と異なるソフトウエアが搭載されていたことから判明した。F35をめぐっては、二〇一一年にあった機種選定の段階から奇妙だった。候補になった三機種のうち、未完成だったのはF35だけ。実際に飛ばして性能を比べれば、F35が脱落するおそれがあった。F35が欲しい防衛省は飛行審査を排除してカタログ上の性能だけで機種決定した。その後、開発国の米国でF35をめぐり数々の問題点が浮上した。「戦闘機の護衛が必要な戦闘機」の評まで飛び出す始末だ。先月、日本の会計検査院は国内企業が生産するはずのF35のエンジンとレーダーについて、米企業との契約さえ終わっておらず、未着手と指摘した。目標だった国内企業参画も掛け声倒れ。政府のいう「公平・公正」は防衛分野でも怪しい。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2017101802000143.html
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ブラックバスカレー開発 滋賀の大学生、駆除に一役(2017/10/22京都新聞)
長浜バイオ大(滋賀県長浜市田村町)の学生サークルが琵琶湖の外来魚ブラックバスを使ったカレーを作った。独特の臭みをなくし、淡泊な白身の味わいを生かすよう、スパイスの組み合わせを工夫したという。21、22両日にある大学祭「命洸(めいこう)祭」で100食を販売する。学生33人でつくる琵琶湖研究部が、外来魚の駆除に役立てようと、バイオサイエンス学部アニマルバイオサイエンス学科の野村慎太郎教授(63)の指導の下、同市曽根町のインド・ネパール料理店の協力で開発した。・・・部長のバイオサイエンス学科2年亀田森羅さん(21)は「ブラックバスのおいしさに気付いてもらい、食べることで外来魚の駆除につながれば」と話している。
http://www.kyoto-np.co.jp/education/article/20171016000099
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きょう投票 一人一人の意思を示そう(2017/10/22京都新聞)
列島に台風21号が近づく中、衆院選は投開票日を迎えた。悪天候を避けて期日前投票をした人も多いようだ。これから行く人は、空模様に十分留意して出かけてほしい。風雨の強まらないうちに、できるだけ多くの人に投票所に足を運んでもらいたい。5年近くに及ぶ安倍政権に審判を下す重要な機会である。憲法、とりわけ9条改正が争点として明確であることにおいて、特筆すべき選挙ともいえる。「森友・加計学園疑惑隠し」と指摘される唐突な解散、野党第1党の民進党の分裂、二つの新党の登場−。異例続きの展開に、「票欲しさ」の醜い政治の側面を見た思いの有権者も多いだろう。社会保障改革や財政健全化、地方創生などについて政策論争が深まらなかったのは、急な選挙で与野党とも公約の練り上げが足りなかったことが大きい。・・・この5年で目立ってきた、安倍政権の「おごり」「緩み」についても審判を下すときだ。そもそも、常道とは言いがたい今回の首相の「解散権」行使が、厚みを欠いた政策論争、「選びにくい」選挙状況を招いた点は指摘しておかねばなるまい。政治、政策に何を最も望むかは、人それぞれだ。ただ、どんな考えや不満をもっていても、票を投じなければ白紙委任と同じである。
http://www.kyoto-np.co.jp/info/syasetsu/
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仏原子力安全機関、南仏の原発に稼働停止命令(じゅん / 2017年10月22日みどりの1kWh)
フランス南部、アヴィニョンの北約40キロのところにあるトリカスタン原子力発電所は、これまでもさまざまな事故を起こしてきたことで知られる。9月末、フランスの原子力規制官庁である原子力安全機関(ASN)が、トリカスタン原発の4基の原子炉すべてに稼動停止を命じたことが、最近になって明らかになった。稼動停止命令は、福島原発事故のような大事故が起こる可能性があるという理由からだった。・・・トリカスタン原発は、ローヌ川に近いドンゼール・モンドラゴン運河の西岸に隣接して作られており、冷却水はこの運河から取り込まれている。ASNは、地震や暴風雨などの影響で運河の水が原子炉施設に大量に流れ込み、その結果冷却装置が機能しなくなり、福島第一原発事故のような大事故が起こる危険がある。その対策が十分ではないとして、4基全部の一時的な稼働停止を命じたのだ。グリンピース・フランスの活動家たちは、何年も前から「トリカスタン原発とフェッセンハイム原発でフクシマのような大変な事故が起こる危険がある」と警鐘を鳴らし、抗議行動を続けてきた。しかし、これまで、原発を運営するフランス電力(EDF)は事故の起こる可能性を過小評価し、安全性を監督する立場にあるASNも厳しい態度をとらないと批判されてきた。・・・原発は大量の冷却水を必要とするため、基本的に海や川、湖のそばに建設される。地震と津波、暴風雨による洪水や堤防決壊などによる大量の水が、想定外の危険をもたらすことが、福島原発事故以来、誰の目にも明らかになった。・・・1999年のブレイエ原発の例からも、嵐や豪雨による洪水が原発にとっていかに大きな危険を意味するかがわかるが、世界的な気候温暖化の影響により、そうした危険はますます高まっている。
http://midori1kwh.de/2017/10/22/9396
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「なぞの実力派通訳」から北朝鮮北米局長に 世界が注目(2017/10/22朝日新聞)
モスクワで21日まで開かれた国際会議で、北朝鮮外務省の崔善姫(チェソンヒ)北米局長に注目が集まった。かつて「上司より偉い通訳」と呼ばれたほどの実力者。崔氏には、国際社会による制裁圧力を打ち破る期待がかけられているようだ。崔氏は2000年代初めから、6者協議や米朝協議などで「なぞの実力派通訳」として鳴らした。「6者協議首席代表を務めた金桂寛(キムゲグァン)氏の発言を勝手に意訳していた」「上司の李根(リグン)米州局長(当時)がエコノミーなのに、崔氏はビジネス席に搭乗した」など、様々な逸話に彩られた人物だ。・・・北朝鮮は10月の朝鮮労働党中央委員会総会で、李容浩(リヨンホ)外相を党政治局員に抜擢(ばってき)するなど、外交を重視したシフトを組んでいる。実力派の崔氏が活躍すれば、北朝鮮で軍や党よりも軽視されてきた外務省の地位が更に上がりそうだ。(モスクワ=牧野愛博)
http://digital.asahi.com/articles/ASKBQ1PFWKBQUHBI002.html?iref=comtop_8_02
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期日前投票、最多1564万人 衆院選、20日時点(2017/10/22朝日新聞)
務省は21日、衆院選の期日前投票(小選挙区)について、公示翌日の11日から20日までの10日間の中間状況を発表した。投票者は1564万5349人で、有権者(9日現在)の14・71%にあたる。投票者、割合ともに衆院選で期日前投票が導入された2005年以降で最も高くなった。21日を足し合わせると、過去最多だった昨年の参院選を上回る見通しだ。 今回の衆院選での開始10日間の状況は、前回の14年衆院選と比べて投票者は約546万人増(54%増)、割合は4・94ポイント増だった。すべての都道府県で投票者が増えた。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S13192023.html
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カタルーニャ、自治権停止へ スペイン政権閣議決定(2017/10/22朝日新聞)
ペインのラホイ政権は21日の臨時閣議で、独立を目指して憲法違反を重ねているとして、北東部カタルーニャ自治州政府の権限を奪う「自治権の停止」に踏み切ると決めた。月内にも上院が承認する見通し。中央政府の権限で州議会を解散し、6カ月以内に議会選を実施するという。州の政治体制を一新する狙いだ。この措置の発動で、州の行政はプッチダモン州首相らから、中央政府の指揮下に移る。州議会の権限も制限し、新しい州首相を選べなくする。「状況を正常化し、州議会選挙をする」という。州側が独自に議会の解散に踏み切るといった対応をとらない限り、上院が月内にも承認する見通しだが、独立派の反発は必至だ。州側が一方的な独立に動けば、中央政府との全面対立になる恐れもある。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S13191936.html
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ソマリア、戦争状態宣言へ 爆発、過激派犯行と断定(2017/10/22朝日新聞)
東アフリカ・ソマリアの首都モガディシオで14日に発生した爆発事件を受け、アブドラヒ大統領はイスラム過激派シャバブによる犯行と断定し、近く「戦争状態」を宣言する見通しだ。地元政府によると、20日夜までに判明した死者数は358人に上り、56人の行方が分かっていない。・・・ソマリアは内戦が始まった1991年以降、政府が崩壊し、複数の武装勢力による対立が続いた。イスラム国家の樹立や外国勢力の排除を目指すシャバブは国際テロ組織アルカイダから支援を受けるなどして、一時はモガディシオなど中南部を中心に実効支配。アフリカ連合軍などの掃討作戦によって2011年に首都から撤退した後も、国内外のホテルや商業施設などへの襲撃を繰り返している。今回の事件でシャバブによる犯行声明は出ていないが、掃討作戦を強める米軍や地元政府などへの対抗措置の可能性がある。AP通信によると、トランプ米政権は今年になって、ソマリアに展開する米軍の活動強化を承認。シャバブの拠点に対し、1月から無人機(ドローン)による空爆を約20回、実施してきた。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S13192030.html
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国際世論、軟化狙う 核兵器「米だけが標的」 北朝鮮局長(2017/10/22朝日新聞)
北朝鮮外務省の崔善姫(チェソンヒ)北米局長が20日、モスクワで開かれた国際会議で「米国以外は核兵器のターゲットではない」と語った。核保有に向けて国際社会の理解を求める発言だが、核保有国としての地位を手に入れることへの執念も示した。政府関係者や専門家が核問題を話し合う「モスクワ不拡散会議2017」に出席した崔氏は、日韓両国の高官らが見守るなか、歴代米政権による北朝鮮敵視政策を列挙。核開発は自衛の手段だと強調する一方、核不拡散の取り決めを順守する考えも示した。・・・ただ、北朝鮮が核と弾道ミサイル開発を断念したわけではない。21日、崔氏は記者団に「(米国が)認めようが認めまいが、我々が核を保有すれば済む話だ」と語った。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S13192027.html
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(社説)衆院選 きょう投票 棄権なんてしてられない(2017/10/22朝日新聞)
さて、誰に、どんな思いを託そうか。思案の雨の朝である。訳のわからぬ理屈で首相が衆院を解散したと思ったら、あれよあれよという間に野党第1党も自ら散り散りになった。打算と駆け引きの果て、置き去りにされたのは、理念と丁寧な説明、そして国民である。一連の騒ぎにはほとほと愛想が尽きた。投票に行く気になれない。そんな声もしきりだ。だが今回の一票は、時代を画する重みを持つ。3年前の衆院選の投票率は52・66%と戦後最低を記録した。多くの人が投票し、さまざまな意思が反映された代表者を通じて、国を運営してゆく。それが近代民主主義の姿だ。ところが大勢の人がそこに集うほど、一人ひとりの声は相対的に小さくなり、政治に参加している実感や責任感は薄まる。
制度が抱えるジレンマ、と言っていい。しかし「しょせん選挙なんて」というニヒリズムが広がれば、堅固に見えた社会の土台も崩れる。・・・朝日新聞の社説は、選挙の最大の争点は安倍1強政治の評価だと主張してきた。ためしに、首相の政権運営が評価されて、あと4年、21年までこの政治が続く姿を想像してみよう。・・・政権は原発を基幹電源と位置づけ、再稼働を進める。たまり続ける「核のごみ」を処理し、未来に負担をかけない道筋が、4年後には描けているか。そして憲法。例によって街頭演説などでほとんど触れない首相だが、今回、自民党は「自衛隊の明記」をはじめ、具体的な改憲項目を公約に盛りこんだ。選挙が終われば、国民との約束を果たすとして改憲への動きを加速させるだろう。有権者にその覚悟と準備はあるか。・・・有権者にできるのは、政治家が世の中のルールと己の欲望のどちらに従っているかを判断することだ――。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S13191866.html
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(書評)『言葉に命を ダーリの辞典ができるまで』 ポルドミンスキイ〈著〉(2017/10/22朝日新聞)
大衆にわかる構造で20万語編纂/「人騒がせな人――正直だが気性が激しく、不正に抗(あらが)う人、不正を擁護する者を不安にする人のことも指す」たったひとりで20万語収録、全4巻の『現用大ロシア語詳解辞典』などを著したロシアの辞書編纂(へんさん)者ウラジーミル・ダーリ。彼の辞書にはこのような記述がある。1801年に生まれ、およそ半世紀にわたり辞書を編纂し続け晩年に14回校正し世に出した知の巨人。大辞典の編纂は、ドイツではグリム兄弟によるドイツ語辞典、日本でも大槻文彦による大著『言海』、イギリスにはオックスフォード英語辞典が有名だが、ダーリはロシアという広大な大地で実際に農民が生活する場所に赴いては言葉を収集し、20万語という規模の大辞典を19世紀に手掛けた。そしてこのことは、日本語の書物ではなかなか伝えてくれるものがなかったが、今回伝記という形で読むことができることになり、辞書愛好家としては歓喜の出来事である。20万語という数は、大槻文彦の『言海』が4万語収録で出版まで16年かかっていることを考えるとあまりに膨大で想像がつかない。少し前の広辞苑とおなじだ。しかも単なるアルファベット順ではなく、言葉を「語群」(語根がおなじグループ)で整理したというのだ。日本語の感覚で言えば、「走る」という語群を作り、その項目に「小走り」「ひた走る」「口走る」など、「こ」「ひ」「く」からはじまる語も「走る」という語のグループとしてまとめて紹介する、といったイメージ。今風にいえば、情報に階層性があり、広がりがある。こうして言葉に命が宿る。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S13191990.html
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核兵器禁止条約 解せぬ日本の冷淡さ(2017/10/21東京新聞)
今年のノーベル平和賞をきっかけに、国連で採択された核兵器禁止条約への関心が高まっているが、残念にも日本政府の冷淡な対応が目立つ。この条約に反対する米国への配慮なのか。今年のノーベル平和賞が、核禁止条約制定に貢献した国際NGO「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)に授与されると決まったことに対し、日本政府の反応は冷たかった。外務省報道官が談話を出したものの二日遅れだった。しかも「日本政府のアプローチとは異なるが、核廃絶というゴールは共有している」という素っ気なさ。・・・日本政府は、核廃絶について「核兵器国と非核兵器国の橋渡しを行う」と表明している。しかし核禁止条約には早々と「署名も批准もしない」「現実的に核兵器のない世界を目指す」(別所浩郎国連大使)と明言した。ゴールは同じでも他の取り組みは認めない、無視する。唯一の戦争被爆国のこんな姿勢は、とても理解できないし、情けない。核禁止条約には構想の段階から「非現実的」「核保有国が参加しないのでは実効性がない」との批判があったのは事実だ。しかし被爆者の声が、核兵器の悲惨さを伝え、賛同国を広げてきた。日本政府の姿勢は、そういう被爆者の努力への「裏切り」になる。日本政府にとって米国の「核の傘」の下にいることが現実だろうが、本当に北朝鮮の核の脅威に有効に働いているのだろうか。圧倒的に数の多い非核保有国は「核の全面禁止を」という声を高めている。この方が、よほど現実を反映している。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2017102102000181.html
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低い投票率、民意と隔たり 批判の棄権、結果左右せず 衆院選(2017/10/21朝日新聞)
明日投開票される衆院選では投票率も注目される。前回は戦後最低を更新。ほぼ半数の人が投票しないという事態となった。小選挙区制のもと、第1党は全有権者の3分の1以下の得票率でも、圧倒的な議席数を占める傾向がある。低投票率はそうした選挙結果の乖離(かいり)に拍車をかけている。・・・ただ、批判のための棄権が選挙結果に影響を与えることはない。田中愛治・早稲田大教授(投票行動論)は「棄権は非常に危険な発想だ。国民の過半数が参加せず、ごく少数の支持で多くの議席を占めた政党が政権を取るようでは不健全だ」と懸念を示す。「自分の投票した候補の政党が政権与党となれば、政権運営に力を与えることができる。投票した候補や政党が野党となっても、明確な批判票があることが分かれば、勝った側も強引な政権運営はできなくなる」と投票することの意味を強調する。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S13190051.html
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(社説)衆院選 政治の言葉 空疎さ嘆くだけでなく(2017/10/21朝日新聞)
はっと立ち止まり、目を開かされる。心に響き、考えを深めるきっかけを与えられる――。今回の衆院選で、言葉との、そんな幸せな出会いを経験した人はどれだけいるだろうか。この国の政治の言葉は、総じてひどくやせ細ってしまった。 首相の「こんな人たち」、官房長官の「怪文書みたい」をはじめとする政権中枢の暴言、ごまかし、対話の拒絶は、深い不信を招いた。そして唐突に選挙になり、ワンフレーズのキャッチコピーが街にあふれる。例えば自民党。「国難突破」をうたい、公約で「守り抜く」をくり返す。結党以来ほぼ政権の座にありながら、「国難」を招いた責任をどう考えるのか。だが幹事長は批判する聴衆を「黙っておれ」と一喝した。・・・世の中を覆う空気も無縁ではない。短い文言でやり取りを済ませ、「いいね!」の数を競うのが、ネット社会のひとつの側面だ。細部を切り詰め、結論を急がせる。空疎な言葉と対話の欠如を、政治の責任だけに帰すわけにはいくまい。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S13190004.html
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(声)選挙権は「特権」、ぜひ行使を(2017/10/21朝日新聞)ペン字講師 原田由樹(千葉県 49)
在日韓国人である私は、複雑な思いを抱きながら、2004年に帰化した。この国で外国人として暮らすには、いろいろ不便なことが多いためだ。特に私のように、日本で生まれ日本の教育、環境下で育った者にとっては。帰化すると言った時の、亡き父の寂しそうな顔は今でもはっきり覚えている。言いたいことはたくさんあっただろうが、結局反対はしなかった。そして選挙。それまでは夫の名前しか記載されていなかった投票所入場券に、私の名前も書かれるようになった。初めての選挙参加には胸を躍らせた。ようやく自分の一票を投じられるのだ、と。選挙のたびに、投票率の低さを悲しく思う。この国には、選挙に行きたくても選挙権がない人たちがいる。「持っている」人ほどありがたさを知らずにいる。たかが選挙権と、権利がある人たちは思うのかもしれない。しかし、これは「特権」なのだ。今回、歴史が動くかもしれない大切な選挙だと思います。そして、本当に一票で変わることはあるのです。権利のない人からすればうらやましくもある大事な選挙権。ぜひ行使してほしいと願っています。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S13190008.html
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政治、子どもと考えよう 神戸・ドイツ 衆院選(2017/10/21朝日新聞)
洋大学非常勤講師の林大介さん(41)は、9月に総選挙が行われたドイツの取り組みを視察した。100万人を超える子どもが実際の投票にならった「模擬選挙」を実施。日々の生活でも政治参加の機会がある。ベルリンでは公園の再開発計画に保育園児が参加する様子を見学。公園の主な利用者である園児たちが、まち針のようなポールを持って公園を歩き、「好きな場所」「嫌いな場所」に差す。自治体の担当者が理由を聞き取り、計画に反映させるという。「幼いころから意見を言う仕組みがあり、民主主義について考える機会がある。当事者意識が芽生え、『誰かがやってくれる』とはならない」・・・ドイツが主権者教育に力を入れるのは、ナチス時代の反省からだ。政府に政治教育の専門機関があり、学校や地域での模擬選挙を支援している。模擬選挙は実際に選挙に出ている政党を選ぶ。今回の総選挙では18歳未満の約120万人が投票し、選挙期間中に結果も公表した。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S13190027.html
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米兵のポイ捨てたばこやガム 緑の水たまり、残骸も散乱したまま 東村高江のヘリ炎上現場(2017/10/21琉球新報)
【東】東村高江の民間地に米軍大型輸送ヘリコプターCH53Eが不時着・炎上した事故で、現場周辺には21日午前、事故機の小さな残骸が散乱したままになっていることが分かった。さらに米兵が捨てたとみられるたばこの吸い殻やガムなども残されていた。米軍は機体を回収し、20日午後6時33分に現場の外周、内周規制線を解除した。・・・現場を訪れた地権者の西銘晃さん(64)は「こんなことは初めて。急なことで判断が付かない」とぼうぜんとした様子で話した。その上で「緑の液体や残骸は本当に大丈夫なのか。早く原状回復してほしい」と話した。内周規制線内で米軍がテントを設置していた場所の付近ではたばこの吸い殻やペットボトル、吐き捨てたガムなどが数多く確認された。たばこを吸わない晃さんは「これはマナーの問題。あまり良い気持ちはしない」と話した。
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-597481.html
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アフガン爆発、ISが犯行声明 死者72人に(2017/10/21琉球新報)
【イスラマバード共同】ロイター通信によると、アフガニスタンの首都カブールのイスラム教シーア派モスク(礼拝所)で20日に起きた自爆テロとみられる爆発で、過激派組織「イスラム国」(IS)が21日、犯行声明を出した。中西部ゴール州のスンニ派モスクで起きた同様の爆発も含め、死者は計72人に達した。
https://ryukyushimpo.jp/kyodo/entry-597335.html
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<社説>憲法改正 平和の「砦」崩していいか(2017/10/21琉球新報)
憲法9条は日本の平和を守る「砦(とりで)」である。その普遍的価値を未来へつなぐのか、それとも崩すのか。どちらが日本にとっていいのかを、真剣に考えることが国民に求められている。弾道ミサイル発射や核実験を繰り返す北朝鮮の不穏な動きを引き合いに、安倍晋三首相は衆院選を「国難突破」と位置付ける。争点の一つは、憲法改正である。
憲法改正を巡っては、平和主義の根幹である9条が対立軸となる。9条が形骸化すれば、日本の国の形は大きく変容する。日本の将来がかかった重要な選挙であることを強く認識したい。想起してほしい。2014年12月の衆院選では、改憲勢力が3分の2以上の議席を占めたことで、安倍政権が勢いづいた。その結果、憲法に反する法律が一気につくられたのである。安倍政権は14年7月、集団的自衛権行使を容認する憲法解釈変更を閣議決定し、国民から大きな反発を招いた。それでも5カ月後の衆院選で自民党は圧勝した。15年9月に安全保障政策を大転換する安保関連法が成立し、16年3月に施行され、集団的自衛権の行使が可能になった。・・・選挙は一つの政策だけを評価して投票するものではない。だが、最高法規である憲法の改正は国民生活に大きく影響する。そのことを有権者一人一人が深く認識する必要がある。
https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-597173.html
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<金口木舌>自分に打ち勝つ勇気の持ち主(2017/10/21琉球新報)
1991年9月、プロ8戦目の世界挑戦でTKO勝ちした辰吉丈一郎選手。具志堅用高さんが持つ当時の世界タイトル奪取の国内最短記録(9戦目)を驚異的な強さで塗り替えた
▼その後は網膜剥離の既往症なども影響し、敗戦も繰り返しながら99年に引退した。だが2002年12月、3年4カ月ぶりに元世界王者との戦いに臨み勝利した
▼「常識を超える一戦」と称された辰吉選手の復帰戦を県関係選手を取材した大阪府立体育会館で見た。ボクサー特有の殺気漂うボクシングで、見る者の心を揺さぶった▼ボクシングは人生の一部としたのは金城真吉さん。興南高校や沖縄尚学高校の監督として、具志堅さんら世界王者や多くの高校全国王者を育てた。那覇市内のジムなどで、14年まで約45年間、指導に徹した
▼金城さんは「人に勝つ前に自分に勝て」「練習で泣いて試合で笑え」を選手に教え込んだ。練習では厳しいがその半面、試合後の監督の笑顔が、さらなるやる気を起こさせてくれると、選手たちは口をそろえた
▼練習では妥協しない。その教えを受け継いだ具志堅さんのまな弟子比嘉大吾選手が5月、世界王座に就いた。県出身では四半世紀ぶりの正規王者だ。具志堅さんは技術力に加え、闘い抜く気持ちを勝利の条件に挙げる。KO勝ちを課し自らを鼓舞する王者。師が認める勇気の持ち主があす22日、挑戦者を迎え撃つ。
https://ryukyushimpo.jp/column/entry-597174.html
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世界初、浮く洋上風力発電所が営業開始、英国(2017/10/21ナショナルジオグラフィックス)
英国のスコットランドといえば、風光明媚なハイランド地方とタータンチェックのキルトを着た人々を思い浮かべるかもしれない。だが、もうひとつ名物が加わった。浮体式洋上風力発電による海上発電所が世界ではじめて営業を開始したのだ。ピーターヘッドという町から約25キロ沖の北海の洋上に、大型の風車が浮かび、発電を行っている。・・・再生可能エネルギーの推進派は、「ハイウインド・プロジェクト」とも呼ばれるこの取り組みが、同じ技術を導入できる他の地域のモデルになればと期待を寄せている。・・・イザクセン氏によると、この浮体式洋上風力発電の構想は、2001年にエネルギー技術者たちが考えだしたものだ。2009年に1基のプロトタイプができ、2015年には、スコットランド政府が公式にスタトイル社に資金を提供し、現在北海に浮いている5基の風車の建設に着手した。・・・には、再生可能エネルギー指令という政策があり、2020年までに国の電力の30%を再生可能エネルギーでまかなわなければならない。スコットランド自治政府の報告書によると、すでに消費電力の半分以上は、再生可能エネルギーに由来するものになっている。
http://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/17/102000404/
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日本は主権国家といえるのか? 米軍に「占領」されたヘリ墜落現場(2017/10/21沖縄タイムス)
沖縄県東村高江で起きた海兵隊CH53大型輸送ヘリの不時着、炎上事故から見えてきたのは主権のひ弱さだった。周辺住民の不安をよそに同型機が住宅地上空を飛び、日本政府の自粛要請を米軍は無視した。沖縄県警は「航空危険行為処罰法」違反の疑いで現場検証を再三申し入れているが米軍は聞く耳を持たない。・・・2005年4月に日米合同委員会で合意した。きっかけは04年8月に起きた沖縄国際大学でのヘリ墜落・炎上事故。普天間飛行場のフェンスを飛び越えて大学構内に押し寄せた海兵隊員が現場を占拠し、日本政府関係者の立ち入りを一切拒絶した。その対応が行き過ぎだと批判を集め、事故現場の保全・管理、情報交換など日米双方の役割分担をガイドラインで取り決めた。・・・ガイドラインによると、消火、救出などの初期対応が終了した後、現場は事故機を囲う内周規制線、周辺立ち入りを規制する外周規制線が設置される。事故機は米側が保全し、内周の管理は日米共同で行うこととした。立ち入りや交通規制を実施する外周規制は地元警察が担当する。内周規制の中に入るためには日米双方の責任者が合意すると定められており、日本側の立ち入り要請を米側は一方的に拒否することが可能な立て付けになっている。まさに沖国大の事故で批判された現場の米軍占領をルール化したような格好だ。
http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/158899
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