候補者数、遠い「男女均等」 女性割合、最高の17.7%でも 衆院選(2017/10/12朝日新聞)
最多の332人を公認した自民党だが、女性はわずか25人(8%)。男性が大半を占める前職がそのまま公認される例が多いためだ。党関係者は「立候補できる選挙区がない。ベテラン男性議員が引退したところに、女性を押し込むしかない」と解説するが、新顔44人のうち女性は2人だけ。今回引退したベテランの高村正彦副総裁や保岡興治・党憲法改正推進本部長の後継はいずれも長男だった。・・・実は、「男女均等」にするよう政党に求める法案は、6月に閉幕した通常国会で成立しかけていた。自民、公明、日本維新の会が出した「均等」とする法案と、民進、共産などの「同数」とする法案の2本を同時に取り下げ、「均等」法案を全会一致で成立させるよう各党が合意していた。ところが、加計(かけ)学園問題などをめぐる与野党対立で継続審議となった末、臨時国会冒頭の衆院解散で2本とも廃案になってしまった。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S13175710.html
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(商品ファイル)立体図形を描ける関数電卓 カシオ計算機(2017/10/12朝日新聞)
カシオ計算機は、立体図形を簡単に描けるカラーグラフ関数電卓「fx−CG50」を20日に発売する。3Dグラフ(立体図形)を描けるほか、描いた立体を回転させたり、断面図や表面の座標を確認したりできる。立体図形の理解を深めるのに役立つという。店頭想定価格は税別2万5千円前後。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S13175797.html
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(社説)衆院選 安倍首相 説明になっていない(2017/10/12朝日新聞)
安倍政権の5年が問われる衆院選である。安全保障関連法やアベノミクス、原発政策など大事な政策論議の前にまず、指摘しておかねばならないことがある。森友学園・加計学園をめぐる首相の説明責任のあり方だ。首相やその妻に近い人が優遇されたのではないか。行政は公平・公正に運営されているか。一連の問題は、政権の姿勢を問う重要な争点である。党首討論やインタビューで「森友・加計隠し解散だ」と批判されるたびに、首相はほぼ同じ言い回しで切り返す。首相の友人が理事長の加計学園の獣医学部新設問題では「一番大切なのは私が指示したかどうか」「国会審議のなかで私から指示や依頼を受けたと言った方は1人もいない」という。首相自身の指示がなければ問題ないと言いたいのだろう。・・・だが、それでは説明になっていない。首相に近い人物が指示したり、官僚が忖度(そんたく)したりした可能性を否定できないからだ。実際に、「総理のご意向」「官邸の最高レベルが言っている」と記された文書が文部科学省に残っている。・・・首相が国民に繰り返し約束した「丁寧な説明」はまだない。首相はどのように説明責任を果たすのか。それは、選挙戦の大きな争点である。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S13175627.html
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(私の視点)ナチスの加害学ぶ独 悲劇繰り返さないために サンドラ・ヘフェリン(2017/10/12朝日新聞)
来日して20年の私が驚くこと。それは、日本にはナチスを称賛したり、部分的にではあっても「ヒトラーの何々がよかった」「ナチス時代はここがよかった」と褒めたりする人がいることだ。昨年、女性アイドルグループがナチスの軍服に似た衣装を着ていたことが問題になった。その後も著名な医師がSNSで「ナチス政権下のドイツ医学の発展は目覚ましいものだった」「南京もアウシュビッツも捏造(ねつぞう)だと思う」と発言した。麻生太郎副総理兼財務相の過去数回にわたる「ナチス発言」を覚えている人も多いだろう。「アウシュビッツは捏造」発言は、いわば「広島、長崎の原爆は捏造」と同じぐらい被害者や関係者が負う傷は深いと考えてほしい。ドイツでは、これらの発言や行動は刑法の民衆扇動罪で禁止されている。ヒトラーやナチス・ドイツを礼賛、賛美する言動はもちろん、ナチス式の敬礼やシンボルマークを見せることも禁止されている。
日本の中学・高校にあたるギムナジウムでは、負の部分、加害者としてのドイツについてじっくり学ぶ。ダッハウ強制収容所に行ったり、映画「シンドラーのリスト」を見に行ったり。ごく普通のドイツ市民が、ナチス政権下、隣人のユダヤ人に汚い言葉を投げかけたり、正義の名のもとに彼らをナチスに密告したり、しまいには「そうされてしかるべきだ」と思い込む様子が描かれた小説「あのころはフリードリヒがいた」も読む。メディアでも定期的に特集が組まれ、ナチス・ドイツの犯罪が取り上げられている。なぜ加害者としての話を今も伝えるのか。それは、悲劇を繰り返さないため。これに尽きる。日本では学校やメディアで戦争について取りあげる際、被害の部分に焦点を絞ることが多く、加害者としての日本について語られることは多くない。加害について深く考えないことが、軽々しくナチスを面白がったり称賛したりすることにつながっていると感じる。・・・一歩間違えば戦争へと進みかねないのが人間だ。そのことを普段の生活の中で自覚することが平和へつながるのではないだろうか。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S13175643.html
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ICAN平和賞受け、被団協訴え強化(2017/10/12朝日新聞)
日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)が11日、東京都内で全国都道府県代表者会議を開いた。ICANがノーベル平和賞を受賞することをうけ、核兵器の非人道性の訴えを強化していくことを確認した。代表委員の田中熙巳(てるみ)さん(85)は受賞について「ICANと被爆者である私たちが背中を押し合った結果だ」と話した。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S13175738.html
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エネルギー政策 「原発」の先を議論せよ(2017/10/12京都新聞)
原発に関する各政党の考え方があらためて注目されている。各党が示した衆院選の公約では、自民党が原発を基幹電源と位置づける一方、野党の多くは「原発ゼロ」「再稼働中止」などを訴えており、主張は割れている。各種の世論調査結果が示すように、原発には国民の不安感が根強い。安全性の担保や、事故時の避難方法が確立されていない中で、再稼働が粛々と進められている。批判の声が多いのも当然だ。ただ、原発を論じるうえでは、これまでに発生した高レベル放射性物質(核のごみ)の処理や、今後のエネルギー戦略をどうするかという重い課題は避けられない。・・・再稼働が進めば核のごみも増える。すでに待ったなしの状況にある以上、核のごみのさらなる増加は食い止めたい。処分地の議論を公正でオープンに進められるか。政治の力が試されている。
海外では、ドイツや台湾が原発からの撤退を決めている。太陽光や風力などの再生可能エネルギーを大幅に拡大させる考えだ。
日本の発電電力量に占める再生可能エネルギー(水力含む=2014年)の割合は12・2%。これに対しスペインは35・7%、ドイツは31・8%と大きく水をあけられている。日本政府は2030年に22〜24%に引き上げる方針だが、再稼働はもとより古い原発の運転延長を前提としており、幅広い合意を得られるかは疑問だ。・・・国際エネルギー機関は、再生可能エネルギーによる世界の発電容量が増加し、22年には16年比で4割増となる見通しを示した。太陽光発電の設置コスト低下を背景に、中国が大きく伸ばすという。一方、日本では電力会社による太陽光発電の買い取り価格引き下げで発電ペースが鈍っている。原発再稼働にこだわり、電源構成の見直しにも踏み込まずにいる間、日本は再生可能エネルギー開拓で世界の動きから遅れてしまった。骨太のエネルギー戦略の構築へ議論を急がなくてはならない。
http://www.kyoto-np.co.jp/info/syasetsu/
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日本、核禁止条約に触れず 国連へ提出の廃絶決議案(2017/10/12東京新聞)
【ニューヨーク共同】ニューヨークの国連本部で開かれている国連総会第1委員会(軍縮)で日本が毎年提案している核兵器廃絶決議案が、7月に採択され9月に署名が始まった核兵器禁止条約に一切言及していないことが11日、分かった。日本政府が同日までに配布した決議案を共同通信が入手した。広島と長崎の被爆者の多くも条約を「歴史的」と歓迎しており、日本政府と被爆者の立場の大きな隔たりが改めて鮮明になった。
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2017101201001190.html
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貧困断ち切る「寺子屋食堂」を 元予備校先生、川崎で開設へ(2017/10/12東京新聞)
大手予備校を定年退職した男性が、生活が苦しい家庭の子どもに無償で勉強を教え、食事も提供する「寺子屋食堂」を十二月に川崎市多摩区で開設する。子どもの貧困対策として広がる「子ども食堂」と、学習サポートの場を兼ねており、男性は「貧困の連鎖を断ち切る助けになれば」と意欲的だ。・・・食堂は、夜間開放される市施設二カ所を活用。それぞれ週二日、午後五時〜同九時に開く。竹岸さんや知人の退職教員、学生ボランティアらが、小学四年〜高校三年の学習を個別指導する。食事は近くのファミリーレストランから配達される弁当を提供する。・・・食費など年間約四百五十万円と見込まれる経費は、寄付や市からの補助金のほか、竹岸さんの私財でまかなう。インターネットで資金を募るクラウドファンディングも行い、当初計画した七十五万円は八月に達成。現在は、オープン後の運営に携わるボランティアスタッフを募っている。
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2017101290135638.html
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神戸製鋼改ざん ものづくりは大丈夫か(2017/10/12東京新聞)
日産の無資格検査に続き神戸製鋼所でもアルミ製品などのデータ改ざんが明らかになった。品質軽視は重大なトラブルはもちろん、ものづくりの土台を揺るがしかねない。徹底した検証を求めたい。目に余る−という言葉を使わざるを得ないほど、日本の有力製造業で不正が続いている。・・・ 心配なのは日本の製造業の競争力の源である「高品質のものづくり」が揺らぎ、劣化し始めているのではないかという点だ。相次いで起きる不正や不祥事は日本の製造業が立たされている重要な局面、分かれ目を浮き彫りにしているのではないか。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2017101202000139.html
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カタルーニャ 対話を重ねて道探れ(2017/10/12東京新聞)
カタルーニャはガウディの建築で有名なバルセロナを州都とし、スペインの国内総生産(GDP)の約二割を占める豊かな州だ。
独立への思いは歴史に根差す。かつての独立王国だが、スペインに統一された。一九三〇年代の内戦で共和国政府を支持したため、その後のフランコ独裁政権下では独自言語のカタルーニャ語使用を禁じられるなど弾圧された。中央政府への不信感は根強い。・・・二〇〇八年のリーマン・ショック後の経済危機で、「税金が他の貧しい地域のために使われている」との不満も強まった。民族として国が持てないクルド人、ミャンマーで迫害される少数民族ロヒンギャなどとは違い、豊かな地域ならではの思いも強い。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2017101202000138.html
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「日本 戦争する国に」65% 被団協意識調査 被爆者懸念浮き彫り(2017/10/12ヒロシマ平和メディアセンター)
日本被団協は11日、全国の被爆者を対象に2015年に実施した意識調査の結果を公表した。気に掛かることとして「戦争する国になるのでは」「自分の健康」と答えた人が共に6割を超え、被爆者が抱える危機意識が浮かび上がった。「心にかかっていること」(複数回答)の質問に「日本がまた戦争する国になるのではないか」を選んだ人が65%と最も多かった。続いて「自分の健康」が64%、「子や孫の健康」は55%。「また核兵器が使われるのではないか」との回答も54%と半数を超えた。「政府に求めたいこと」(同)の問いには「憲法9条厳守」が最多の77%。「核兵器廃絶」(72%)、「被爆の実相を調査し世界に広める」(68%)が続いた。
http://www.hiroshimapeacemedia.jp/?p=77249
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『 潮流』 オバマ氏への手紙(2017/10/12ヒロシマ平和メディアセンター)
2008年11月、オバマ氏が大統領選で初当選を決めたとき、朝刊に挟み込む体裁の定期連載「ひろしま国」の編集長をしていた。10代の記者が平和に関する取材、執筆をする表裏2ページの「新聞」だった。すぐに広島訪問を呼び掛ける手紙を書こうというキャンペーン「おいでよオバマさんプロジェクト」を展開した。被爆者や子どもに手紙を寄せてもらい、オバマ氏が通ったハワイのプナホウ学園の生徒をはじめ多くのボランティアに英訳を依頼。翌夏、335通をホワイトハウスに届けた。結局、訪問が実現したのは昨年5月。7年かかった。もちろんこのキャンペーンだけがオバマ氏の心を動かしたとは思っていない。原爆を投下した国の現職大統領として、核超大国のリーダーとして、投下の決断がどんな非人道的な結果をもたらすのかを五感で知ってもらいたいと願った人々の、いろんな形でのメッセージが届いたのだと思う。しかし、あれから1年5カ月―。オバマ氏はどこで何をしているんだろう。被爆地で見聞きした経験は、核兵器廃絶へ向けた行動につながっているのか。一向に見えてこない。先週の金曜、ことしのノーベル平和賞がICAN(アイキャン)に贈られることが決まった。国際非政府組織(NGO)「核兵器廃絶国際キャンペーン」だ。その報道に触れ、やはり同賞を受けた「先輩」として、彼は道義的責任をどう感じただろうか。今、あえて言いたい。たった52分だったとはいえ、平和記念公園に立ったあなたに。YES YOU CAN―。
http://www.hiroshimapeacemedia.jp/?p=77252
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「恐ろしい状況に大変違和感」 翁長知事が高江米軍ヘリ炎上の現場を視察(2017/10/12琉球新報)
米軍普天間飛行場所属のCH53Eヘリが11日に東村高江で不時着し炎上した事故で、翁長雄志知事は12日正午すぎ、事故の現場付近を視察した。視察後、翁長知事は記者団に「のどかな農村地帯の中で、異様な形でヘリコプターが横たわっていた。日常の世界が一転し恐ろしい状況になることに大変違和感があった」と振り返った。
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-592492.html
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<衆院選>公示第一声 原発なぜ語らないのか(2017/10/11東京新聞)
衆院選がきのう公示され、各党の党首が第一声を上げた。自民党の安倍晋三総裁(首相)は福島市で演説したが、原発事故に全く触れなかった。不誠実ではないか。・・・安倍氏は第一声で、福島の復興推進を強調した。しかし、語らなかった重要なことがある。東京電力福島第一原発事故である。安倍氏は一二年衆院選と一三年参院選の公示日第一声では、安全神話に寄り掛かって原発政策を長年推進してきた自民党の責任を認め、深刻な反省を表明してきた。しかし、一四年衆院選と一六年参院選の第一声では、原発に言及することはなくなった。反省はその場しのぎだったのだろうか。原発は今回の衆院選でも大きな争点だ。自民党は政権公約で、原発を重要な基幹電源と位置付け再稼働の推進を明記している。にもかかわらず、安倍氏が福島で語らなかったのは、争点隠しと批判されても仕方があるまい。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2017101102000133.html
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翁長氏「基地造らせぬ」 辺野古差し止め訴訟 地裁初弁論 岩礁破砕「違法」(2017/10/11東京新聞)
米軍普天間(ふてんま)飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)の名護市辺野古(へのこ)移設を巡り、県が国を相手取って工事差し止めを求めた訴訟の第一回口頭弁論が十日、那覇地裁(森鍵一裁判長)で開かれた。翁長雄志(おながたけし)知事は法廷で「県民は誇りと尊厳を持って新基地反対の声を出し続けている。多くの県民の負託を受けた知事として辺野古に造ることは絶対に許さない」と意見陳述した。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201710/CK2017101102000119.html
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モスル帰還 わずか3割 イラク、ISから解放3カ月(2017/10/11東京新聞)
過激派組織「イスラム国」(IS)のイラクでの最大拠点だった北部モスルが解放されて九日で三カ月。戦渦から逃れた国内避難民約百万人のうち、帰還できたのは三割にとどまる。生活再建が急務となる中で、肝心の治安維持の担い手は、イラク軍に代わって宗派も異なる大小さまざまな民兵組織が入り交じる複雑な状況。住民の不安が増している。・・・住民らによると、イラク軍が奪還作戦を終えて転戦すると、街にはイスラム教シーア派の民兵「人民動員隊」やスンニ派の地元部族の民兵、イラク内務省の治安部隊などが統制なく散らばり、危うい均衡が続く。ISの残党が市民に紛れ込んでいる可能性も高く、「夜になると、誘拐や殺人が横行している」とラークさんは語る。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/201710/CK2017101102000123.html
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対北朝鮮政策 冷静な視点での論戦を(2017/10/11京都新聞)
弾道ミサイルの発射を繰り返す北朝鮮の脅威を訴え、政権の安定性を重視する自民、公明の与党。どう野党がただすかが焦点だ。
「対話の試みは無に帰した」と断じ、北朝鮮への圧力を「最大限に高める」ために国民の信を問う−。それが安倍晋三首相(自民党総裁)の言う衆院解散の理由だ。・・・拉致問題を含めて、北朝鮮をめぐる課題の解決は日本単独ではできない。重要なのは日米韓の連携、中国、ロシアの協力である。票目当ての主張や、無責任な極論は有権者に見透かされよう。
http://www.kyoto-np.co.jp/info/syasetsu/20171011_3.html
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<お知らせ>パリ・グラフィック展(2017/10/11朝日新聞)
アムステルダムのファン・ゴッホ美術館と三菱一号館美術館が所蔵する、19世紀末のリトグラフやポスター、油彩、挿絵本などを展覧します。ロートレックを中心に、ピエール・ボナール、モーリス・ドニ、ヴァロットンらの計約140点で、世紀末パリにおける版画の多様な広がりを紹介します。写真はロートレックの「ディヴァン・ジャポネ」(1893年、三菱一号館美術館)。
◇18日[水]〜18年1月8日[月][祝]、東京・丸の内の三菱一号館美術館。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S13174096.html
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(社説)衆院選 安倍政権への審判 民意こそ、政治を動かす(2017/10/11朝日新聞)
発端は、安倍首相による唐突な臨時国会冒頭解散だった。選挙準備が整わない野党の隙をつくとともに、森友学園・加計学園問題の追及の場を消し去る。憲法53条に基づく野党の臨時国会召集要求を無視した「自己都合解散」である。・・・この5年、安倍政権が見せつけたものは何か。経済を前面に立てて選挙を戦い、選挙後は「安倍カラー」の政策を押し通す政治手法だ。景気と雇用の安定を背景に選挙に大勝する一方で、圧倒的な数の力で特定秘密保護法、安保法、「共謀罪」法など国論を二分する法律を次々と成立させてきた。ことし前半の通常国会では、数の力を振り回す政権の体質がむき出しになった。加計学園に絡む「総理のご意向」文書、財務省と森友学園の交渉記録……。国会で存在を追及されても「記憶がない」「記録がない」で押し切る。政権にとって不都合な証言者には容赦なく人格攻撃を加える。国会最終盤には「共謀罪」法案の委員会審議を打ち切って採決を強行する挙に出た。1強のおごりの極みである。・・・ そんな1強政治を前にして、一票をどう行使すべきか。考え込む人も多いかもしれない。自分の一票があってもなくても政治は変わらない。政党の離合集散にはうんざりだ。だから選挙には行かない――。
しかしそれは、政治の現状をよしとする白紙委任に等しい。
・・・
■無関心が政権支える
1強政治は、どれほどの「民意」に支えられているのか。首相は政権に復帰した2012年の衆院選をはじめ、国政選挙に4連勝中だ。最近の国政選挙は低投票率が続く。前回14年の衆院選の投票率は戦後最低の52・66%で、自民党の小選挙区での得票率は48・1%だ。つまり、有権者の4分の1程度の支持でしかない。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S13173900.html
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