記憶しておきたい新聞記事見出し2014〜2016 |
<社説>知事権限封じ検討 愚策やめて辺野古断念せよ(2016/12/30琉球新報) 空中給油 来月再開 オスプレイ訓練 海兵隊、本紙への回答修正(2016/12/30琉球新報) 衝撃の発言が象徴する沖縄の1年… 読者が選ぶ「沖縄版流行語大賞2016」(2016/12/30沖縄タイムス) ジュゴンの影響調査求める、沖縄(2016/12/28京都新聞) 辺野古工事再開 強硬姿勢は解決妨げる(2016/12/28京都新聞) 未来への伝言 95歳の筆 富山妙子さん特別展示 埼玉・原爆の図丸木美術館(2016/12/28ヒロシマ平和メディアセンター) (社説)靖国参拝 「真珠湾」は何だったか(2016/12/28朝日新聞) そこに政治家が参拝することに、割り切れない思いをもつ遺族もいる。中国、韓国、さらには欧米など国際社会にも、日本がかつての戦争責任から目を背けようとしているとの疑いを広げかねない。 まして稲田氏は自衛隊を指揮監督する立場の防衛相である。・・・首相が昨年4月の米議会演説で「先の大戦に対する痛切な反省」や「アジア諸国民に苦しみを与えた事実」に触れ、今回、真珠湾を訪問したのは、そうした経緯を踏まえ、日本の首相としての歴史認識に変わりがないことを示すためだったはずだ。首相が重用し続けている稲田氏の言動は、個人の行為にとどまらず、政権の意思と受け止められかねない。首相のこれまでの積み重ねを傷つけ、その真意に再び疑念を広げるだろう。稲田氏の参拝は、首相を支持する右派へのメッセージと見ることもできる。首相の真珠湾での演説も、旧日本軍が悲惨な被害をもたらしたアジア太平洋地域への視線は希薄だった。 (社説余滴)「土人」と「田舎のプロレス」 坪井ゆづる(2016/12/28朝日新聞) なぜ、差別ではないのか。 「土人」には「その土地に生まれ住む人」だけでなく、「未開の土着人。軽侮の意を含んで使われた」(広辞苑)という意味がある。「ボケ」をつければ、相手をさげすんでいるのは明らかだ。「大臣という立場」の使い方も解せない。カッとなった若い機動隊員とは違う。国民に選ばれた政治家、しかも閣僚ならばこそ、差別だと認めるべき立場ではないのか。・・・いま、世の中では「正規VS.非正規」や世代間の格差が露見し、不平や不満が鬱積(うっせき)している。そのトゲトゲしさが融和よりも相手を撃破する政治手法への支持を広げてゆく。だから言葉もささくれ立つ。こんな時代こそ、人権や差別に敏感でありたい。とくに政治家には、そうあってほしい。 http://digital.asahi.com/articles/DA3S12728847.html?ref=pcviewpage (声)この1年:上 ショックだった「土人」発言(2016/12/28朝日新聞)高校生 張明希(千葉県 16) 今年、一番ショックだったのは沖縄住民への機動隊員の「土人」発言だった。朝鮮学校への差別を思い出したからだ。小学6年生のころ、朝鮮学校は高校無償化から外された。母とデモに参加した。プラカードを掲げ歩き始めるとすぐに「朝鮮人を皆殺しにしてやる」「日本から出て行け」と声が聞こえた。涙をこらえながら歩くことしかできなかった。「土人」と呼ばれた沖縄の人も、あの日の私のように悲しく、恐ろしく、やるせない気持ちでいっぱいだったろう。実際にヘイトスピーチが行われているのに、関心を持たない人がいる。私たちのデモの時も見て見ぬふりをする人がいた。いわれなき差別発言が続き、在日外国人への差別が根強く残る。多くの国や民族が集う東京五輪は、沖縄の人や在日外国人が心から歓迎する大会になるだろうか。ヘイトスピーチがない社会が一日も早く訪れることを願う。 (声)この1年:上 むのさんの精神は残り続ける(2016/12/28朝日新聞)無職 伊藤泰介(山梨県 73) むのたけじさんが今年、101歳の生涯を閉じた。最後まで、ジャーナリストの気概を貫かれた。訃報(ふほう)記事を読みつつ、時が過ぎ去る寂しさとともに、遠い記憶がよみがえった。ベトナム戦争があった1960年代から70年代。学生だった私は、むのさんの「踏まれ石の返書」という本を、変わった書名に引かれて読んだ。人々が問題を共有して議論することの大切さを学んだ。平和と戦争をめぐり、学生仲間と青臭い議論をたたかわせた。青春の思い出である。むのさんの出発点は敗戦だった。新聞人として戦争責任を取ると朝日新聞社を退社した。故郷の秋田県で新聞「たいまつ」を創刊。こんな新聞記者がいたのだと驚き、感銘した。ジャーナリストとしての気迫を見た。むのさんは現実と結びつけて理想を語り続けた。言葉にはあいまいさがなく、八方美人的な妥協もない。重い現実に踏まれている石でも返すべき言葉を持つという精神は、私の導きの糸となった。警鐘の声は、もう聞くことができない。だが、むのさんの言葉と精神は、複雑な時代に「返書」として残り続ける。 デビー・レイノルズさん死去 映画「雨に唄えば」 フィッシャーさん母(2016/12/28朝日新聞) 根津甚八さん死去 「さらば愛しき大地」 69歳(2016/12/28朝日新聞) |
(ザ・コラム)残された言葉 日本人は変わったのか 駒野剛(2016/12/29朝日新聞) 今年のクリスマスの翌日。東京都千代田区の上智大学構内にある小聖堂で、2年前亡くなった神父の追悼ミサが捧げられた。37年前の同じ季節。新宿駅周辺には聖歌も流れていただろう。足早に通り過ぎる人々へ声をかける学生たちとともに、その神父の姿があった。カトリックの修道会イエズス会に属したヨゼフ・ピタウ氏である。・・・1960〜70年代、インドシナは米ソ対立の代理戦争の場と化す。大量の武器弾薬が使われ、戦闘員の死者は米軍約6万人、敵対した南ベトナム解放民族戦線約98万人。これに多数の民衆の犠牲が加わった。米軍が撤退した73年3月以降も戦闘は続く。78年12月にはベトナムが隣国カンボジアに侵攻、カンボジア国内も親ベトナム派と反対派とで内戦を繰り広げた。 戦争の泥沼化により、「ボートピープル」と呼ばれた難民の日本上陸も増え、75年の126人から、79年に1165人となり、以降4年連続で千人台を記録する。街頭募金は、まさにこの時期のことだった。大学として難民救援活動を進める、と評議会で決定。学生、教職員のボランティアを10人ずつ交代で、17次にわたり、タイ東部サケーオの難民キャンプに派遣した。・・・学内が一致して支援に積極的だったわけではない。「学生に事故でもあったらどう責任を取るつもりか」と異論もあった。 ピタウ氏はひるまなかった。「学生たちは、何かを与えると同時に多くのものを与えられるに違いない」と信じたからだ。・・・ 04年3月、22年余にして願いはかなう。だが、「ふるさと」は何かが違っていた。「年に3万人を超える自殺者、その中には少年少女も含まれている」「『助けて』の一言が言えないばかりに1人苦しみ、最悪の場合は自ら命を絶つ人が少なくないと耳にする…どうして誰も、手を差し伸べないのか」。記した文面には怒りすら漂う。・・・22年余で日本人はバブル経済と崩壊を経験し、今は長引く経済停滞下にある。金と生活に追われるあまり、私たちは共に生きることの大切さを、置き忘れたのではないか。「一人ひとりが互いを大切にして初めて『人間』という概念が成り立つ。どうか、この日本語にこめられた深い意味を再認識して下さい」。重い言葉が残った。 (社説)真珠湾訪問 「戦後」は終わらない(2016/12/29朝日新聞) 旧日本軍による奇襲から75年。米ハワイの真珠湾を訪問中の安倍首相がオバマ大統領と演説し、かつての敵味方による「和解の力」を訴えた。・・・真珠湾攻撃から半世紀の1991年、当時の渡辺美智雄副総理・外相は「我が国の過去の行為に対し深く反省します」とする談話を発表した。安倍首相自身も昨年4月、米議会での演説で「先の大戦に対する痛切な反省」や「アジア諸国民に苦しみを与えた事実」に言及した。だが、未来志向は、過去を乗り越える不断の努力のうえに成り立つ。日米の首脳がともに世界に語りかける絶好の機会に、先の戦争をどう総括するか、日本のリーダーとして発信しなかったことは残念でならない。アジアへの視線も希薄だ。 太平洋戦争は日米だけの戦争だったわけではない。米英などとの開戦は、満州事変以来の10年に及ぶ中国への侵略や、その行き詰まりを打開するための東南アジアへの武力進出から生まれた。アジアの人々にも悲惨な犠牲を強いたことを忘れてはならない。・・・ 演説で首相は日米同盟を「希望の同盟」と自賛したが、沖縄には触れなかった。日米の「和解」は強調するのに、過重な基地負担にあえぐ沖縄との和解には背を向ける。そんな首相の姿勢は、納得できるものではない。首相は、今回の演説で戦後を終わらせたかったのだろう。だが逆に印象に残ったのは、過去を語らず、沖縄の声を聞かず、「美しい未来」を強調しようとする首相の姿である。 筆洗(2016/12/29東京新聞) フォークランド紛争の勝利に英国が沸いていた一九八二年の夏、カンタベリー大主教のロバート・ランシー氏が戦争終結への感謝の礼拝で語った言葉は、サッチャー首相を激怒させたと伝えられる▼勝利を祝し、愛国心の尊さをうたい上げる。首相らは、そういう言葉を期待していた。だが、第二次大戦を将校として戦い、戦争の現実を目に焼き付けた大主教は、国民に「殺されたアルゼンチンの若い兵士のために祈ろう」と語り掛けた▼「悲しみをともにすることが、戦い合った者を再び結び付ける力となるはずです。苦悩を分かち合うことが、和解への橋を架けてくれることでしょう」。それは「和解」のための祈りの言葉だった▼日米開戦から七十五年。米大統領と真珠湾を訪れた安倍首相は「耳を澄まして心を研ぎ澄ますと、風と波の音とともに兵士たちの声が聞こえてきます」と語り、開戦の場となった美しい入り江を「和解の象徴」としようと語った▼そんな言葉を、沖縄の人々はどう受け止めたろうか。辺野古の美しい入り江を埋め立てて新基地とする工事がおととい、再開された。耳を澄まして沖縄の声を聞こうとせぬ政府の姿勢に、翁長雄志知事は「沖縄県民を日本国民として見ていない」とまで言っている▼あの戦争から今なお続く沖縄の苦悩を分かち合う。首相には、自ら架けるべき「和解への橋」がある。 首相、真珠湾で慰霊 和解の力、アジアにこそ(2016/12/29東京新聞) ◆謝罪、反省の言葉なく 稲田防衛相が靖国神社参拝 就任後初、中韓から批判や懸念(2016/12/29東京新聞) 社説 辺野古工事再開 なぜ沖縄に寄り添わぬ(2016/12/29ヒロシマ平和メディアセンター) 選挙などを通じて示されてきた沖縄の民意は、憲法が保障する民主主義や地方自治の結晶である。問答無用の政府に「銃剣とブルドーザー」で軍用地を接収した米軍統治下と重ねる人もいよう。政府は司法判断を錦の御旗と誇るのではなく、法廷闘争の泥沼に至ったことを謙虚に反省すべきではないか。首相らが口にしてきた「沖縄県民に寄り添う」との誓いが守られているか自問してほしい。 ・・・辺野古だけではない。大阪府警の機動隊員による「土人」発言もそうだ。北部訓練場のヘリコプター離着陸帯(ヘリパッド)建設現場付近で抗議活動をする人をなじった。これを責めるどころか、鶴保庸介沖縄北方担当相は「差別とは断定できない」とはぐらかした。感覚のまひが政府に広がっているとしたら由々しきことだろう。今月になって垂直離着陸輸送機オスプレイの「墜落」事故も象徴的だ。地元の懸念が現実のものになっただけでなく日米地位協定で日本側の警察司法権が制限された。政府は不時着だと矮小(わいしょう)化する米軍の肩を持ち、事故から1週間足らずで飛行再開を容認した。県民ならずとも到底、受け入れられない。 首相の真珠湾慰霊 国内から注文「これで和解成立でない」(2016/12/28東京新聞) 日米開戦の地となったハワイ・真珠湾で二十八日に演説した安倍晋三首相は「和解の力」と日米の結束を繰り返した。演説を聞いた国内の戦争被害者や在日米軍基地が集中する沖縄出身者からは「言葉よりも行動を」「まずアジアへの謝罪を」という厳しい声が上がった。 「安倍首相は日米関係を希望の同盟と強調したが、沖縄にとっては絶望の同盟になりつつある。沖縄が置き去りにされていると実感した」。沖縄在住や出身の学生らでつくる「SEALDs(シールズ)琉球」の中心メンバーだった国際基督教大四年、元山仁士郎さん(25)=東京都杉並区=はそう受け止めた。首相は「(日米は)共通の価値のもと信頼を育てた」と語った。元山さんは「日米が共通して持っているはずの民主主義や地方自治の価値観をないがしろにして、沖縄に米軍基地の負担が押し付けられているのに」と違和感を覚えた。・・・ 大空襲を生き延び、戦争被害を語り継いでいる早乙女さんは、当時の米軍パイロットからも話を聴いた。「彼らにとって、十万人もの命が失われた東京大空襲は『リメンバー・パールハーバー』だった」といい、「安倍首相の演説は真珠湾攻撃のつけが国民に回ってきたことに、言及はなかった」と残念がった。さらに「真珠湾攻撃以前に日本は中国や朝鮮半島を侵略し、マレー半島に上陸した。本来、アジア太平洋諸国への謝罪をまずすべきではないのか」と疑問を投げ掛けた。 <社説>辺野古工事再開 法治国家否定する暴挙だ 政府の虚勢に民意揺るがず(2016/12/28琉球新報) 新基地建設に反対する県民の願いが年の瀬に踏みにじられた。年内工事再開の事実を突き付け、建設阻止を諦めさせる狙いが政府にあるならば大きな誤りだ。沖縄防衛局は米軍普天間飛行場返還に伴う名護市辺野古への新基地建設に向け、工事を約10カ月ぶりに再開した。キャンプ・シュワブ内に保管しているフロート(浮具)を海上に設置する作業を進めた。多くの県民はこの暴挙を政府の虚勢だと受け止めているはずだ。新基地建設ノーの強固な意思は、政府の強行策によって揺らぐことはない。むしろ県民の怒りの火に油を注ぐ結果を招くものだ。 菅義偉官房長官との会談で翁長雄志知事は「事前協議を含め、話し合いを続けてほしい」と要請した。菅官房長官は「工事再開に向けて必要な準備を行っている。わが国は法治国家で、確定判決の趣旨に従って工事を進める」と拒否した。まさしく問答無用であり、およそ民主国家が取るべき態度ではない。ここに安倍政権の専横が露骨に表れている。翁長知事が「強硬的にならざるを得ない」と対抗措置を示唆したのも当然だ。菅官房長官は「法治国家」を説き、工事再開の根拠に最高裁判決を挙げた。しかし、沖縄を相手に法治国家を逸脱する行為を重ねてきたのは、ほかならぬ政府の方だ。海上保安官による過剰警備に象徴されるように、選挙などで幾度も示された新基地拒否の民意と、それに基づく建設反対運動を政府は力ずくで抑え付けた。沖縄の自己決定権を否定するものであり、法の下の平等、言論の自由を規定する憲法の精神にも背くものだ。 社説[辺野古工事再開]法的権限サヤに収めよ(2016/12/28沖縄タイムス) 民意が踏みにじられ、軽んじられ、国策が強行される。住民運動を力で排除し、公金をばらまき、地域をずたずたに分断して。 新基地建設を巡り、翁長雄志知事が「辺野古沿岸部の埋め立て承認取り消し処分」を取り下げたことを受け、政府は27日、埋め立てに向けた工事を再開した。・・・政府・自民党の圧力で、自民党国会議員5人が「県外移設」の公約をかなぐり捨て、仲井真氏が県民への事前説明もほとんどないまま埋め立てを承認したのは、3年前のちょうどこの時期だ。すべての混乱の原因はここにある。・・・県が15年に実施した県民意識調査で、米軍基地が沖縄に集中する現状を約7割の人たちが「差別的だと思う」と回答した。私たちが「差別」という重い言葉で本土の人たちに問うのは、基地負担の不均衡の解消である。自分たちが受け入れられないものを未来にわたって沖縄に押し付けようというのは公平・公正・正義に反する。沖縄と本土との埋めがたい溝が、沖縄に基地を集中させる見返りに金をばらまくという「補償型政治」によってもたらされていることも忘れてはならない。米軍再編交付金は、米軍再編への協力度合いに応じて支払われるという究極の「アメとムチ」政策である。・・・戦後、これだけ基地を押し付けておきながら、なぜこれから先も沖縄だけが負担を強いられなければならないのか。どう考えても理不尽である。沖縄の人々が望んでいるのは、憲法で保障された普通の生活だ。基地の過重負担を解消してほしいというのは、決して過大な要求ではない。 http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/77704 石垣島北部で謎の発光体 円盤状に「鳥肌」 天灯との指摘も(2016/12/28沖縄タイムス) 一方で画像を見た石垣島天文台の宮地竹史所長は「色や高さなどからクルーズ船やホテルなどで最近よく飛ばされる天灯に非常に似ている」と印象を語った。石垣島地方気象台によると同日午後7時ごろの天候は曇りで、8時ごろには晴れ間もあった。発光体を観測したという記録はない。 http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/64556 超巨大火山に噴火の兆候、イタリア(2016/12/28ナショナルジオグラフィックス) |