記憶しておきたい新聞記事見出し2014〜2016
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<社説>米軍つり下げ訓練 県民の命軽んじる暴挙だ 全面廃止に向け協議始めよ(2016/12/10琉球新報) 県や沖縄防衛局の抗議を無視して危険な訓練を強行し「今後も継続する」と明言する無神経さに強い憤りを覚える。県民を顧みない米海兵隊の横暴を断じて許すわけにはいかない。米海兵隊は宜野座村城原区の集落などの上空で、6日から3日連続でMV22オスプレイによるつり下げ訓練を実施した。訓練は昼から夜間にかけ断続的に行われた。事態を重視した中嶋浩一郎沖縄防衛局長は6日深夜、米海兵隊に強く抗議した。にもかかわらず米海兵隊はその後も訓練を強行した。県民の生命を軽んじる許しがたい暴挙だ。・・・県民はこれまでもつり下げ訓練に怒りの声を上げてきた。日米両政府は県民を傷付け、命を奪った米軍絡みの事件・事故を振り返り、訓練中止を求める悲痛な訴えを深刻に受け止めるべきだ。米統治下の1965年、読谷村での米軍パラシュート降下訓練でトレーラーが落下し、少女が犠牲となった。半世紀を経た今日でも、痛ましい惨事を県民は忘れることはできない。つり下げ訓練のたびに県民は少女の犠牲を思い起こし、抗議の声を上げてきた。この惨事の前にもパラシュート降下訓練で車両が落下する事故が起きており、村は訓練中止を求めていた。米軍は村の要請を無視して訓練を続けた結果、少女の貴い命が失われたのだ。 押され続けた対米交渉 発効執着 オバマ政権配慮色濃く(2016/12/10東京新聞) 「不当弾圧許さない」 緊急県民集会 500人超がデモ行進(2016/12/09琉球新報) パイロット死亡と米海兵隊 高知沖の戦闘攻撃機墜落(2016/12/09琉球新報) 与党税制大綱 どこが「改正」なのか(2016/12/09東京新聞) 三反園知事 声なき声が泣いている(2016/12/09東京新聞) [大弦小弦]「この怪物は倒れはしたが…(2016/12/08沖縄タイムス) ▼記事は「よってこの怪物の牙と骨を徹底的に抜き取り、解体しなければならない」と続く。「怪物」とは、太平洋戦争で敗戦国となった日本のことである ▼国力で圧倒的に劣る小国日本が戦いを挑んだことが、理解不能だったのだろう。その「怪物」が米国に牙をむいた41年12月8日の真珠湾攻撃からきょうで75年になる ▼開戦前、当時の近衛内閣は日米の国力比較を緻密に行い、「日本必敗」との結論を出した。だが、責任論を恐れ、内閣と軍部のリーダーや昭和天皇さえ「開戦中止」を口にできなかった ▼作家の司馬遼太郎さんは「一人のヒトラーも出ずに、大勢でこんなばかな40年を持った国があるだろうか」と、自著「この国のかたち」に書いている。日露戦争から太平洋戦争敗戦までの約40年間を振り返り、狂信的なリーダーが出なかった日本がなぜ破滅への道を突き進んだのか、という問いかけである ▼戦後71年。牙と骨を抜かれた「怪物」は、過度な対米依存体質が染みついたかに見える。その一方で、平和国家の鎧(よろい)を脱ぎ、「戦争のできる国」に変質しつつある。司馬さんの重い問いかけの意味を考える。(稲嶺幸弘) http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/74759 メルケル氏が切った啖呵(2016/12/07東京新聞) 福島第一処理費21.5兆円 13年想定から倍増 経産省試算(2016/12/09朝日新聞) http://digital.asahi.com/articles/DA3S12697961.html 長谷川穂積が現役引退表明 ボクシング世界3階級王者(2016/12/09朝日新聞) http://digital.asahi.com/articles/ASJD76TSHJD7PTQP00C.html?iref=com_alist_8_01 (社説)厚木基地判決 住民の人権の視点欠く(2016/12/09朝日新聞) (声)私は80歳のお笑いオペラ歌手(2016/12/09朝日新聞)歌手 加藤一夫(埼玉県 80) 60歳で思い立って声楽を始め、「お笑いオペラ歌手」として年に数十回のステージを務めている。「私は61歳の若手お笑い芸人」(11月17日)を読み、私からすれば十分若手の方の奮闘に、負けられないと思いを新たにした。東京下町生まれ。浅草で榎本健一らの芸に触れ、憧れて育った。ただ吃音(きつおん)に悩み、人前で話すような仕事は向いていないと、内勤中心の特許事務所に就職。独立して技術翻訳家になり、企業の海外特許取得などに携わってきた。リタイア後、趣味のカラオケで歌ううち、浅草オペラへの憧れがよみがえった。声楽家に師事して発声から始め、幾つかの曲を原語で歌えるようになった。福祉施設の慰問や大道芸イベントで、オペラの曲や懐メロなどを披露している。トークも漫談を参考に工夫し、物まねや時事風刺で笑いをとる。口べたな昔の自分からは考えられない変化だ。芸名は「サンタルチア加藤」。昨年は旅先のローマで、ディナーショーに客席から飛び入り参加し、「オーソレミオ」を歌唱して満場の拍手をいただいた。何かを始めるのに遅すぎることはない。そう感じつつ歌っている。 http://digital.asahi.com/articles/DA3S12697808.html?ref=pcviewpage 党首討論 充実させる策が必要だ(2016/12/08京都新聞) TPP国会決議違反「明白」 事前協議時の交渉官が指摘(2016/12/08東京新聞) 開戦75年に考える 悲劇の記憶が蘇る(2016/12/08東京新聞) スマトラ島地震、94人死亡 死者増える恐れ インドネシア(2016/12/08朝日新聞) (耕論)社会の底が抜けた 出口真紀子さん、西村秀樹さん、鴻上尚史さん(2016/12/08朝日新聞) 「土人」発言とそれを擁護する政治家たち。米大統領になろうという人の発言。許されない差別表現が居場所を見いだしている。日本で、米国で。社会の底が抜けてしまったのか。・・・権力にある側が差別を抑えるどころか、むしろ助長している。それは日本も同じです。沖縄で米軍ヘリパッド建設に抗議する人たちに向けられた「土人」という罵声を、現職の沖縄北方相が「差別とは断定できない」と擁護したのも、その表れです。 日米で共通しているのは、差別の対象にならない人々、マジョリティー(多数派)の多くは危機感を抱いていないことです。マジョリティーは労することなく得た優位性を持っていて、心理学では「特権」と呼びます。土人発言問題では、本土の人々が沖縄ではなくたまたま本土に生まれたということが特権です。特権集団は、自分には特権があるという認識が欠けていて、社会的抑圧の現実を否定するか見ないようにしがちです。・・・日米を見渡すと、このような状況に至った要因に、人権教育の欠如があると思います。米国では、黒人奴隷の歴史や太平洋戦争中に日系人を収容所に入れた事実などを学校でどこまで教えるか、州により一様ではありません。それがトランプ氏を支持した州としなかった州の分断にも関係していると感じます。日本でもかつては、部落差別をなくすための同和教育などがそれなりに行われていましたが、今は十分とはいえません。現政権は人権教育には関心がなく、自民党は基本的人権を大幅に制限する改憲草案を持っています。 権力でなく弱者向く不満 西村秀樹さん(近畿大学人権問題研究所客員教授) 大阪府警の機動隊員が、沖縄の米軍基地に反対する人たちに「土人」などとの暴言をはき、松井一郎・大阪府知事や鶴保庸介・沖縄北方相が、それを擁護するかのような発言をしました。そのうえ政府は「土人」が差別用語にあたるかどうか「一義的に述べることは困難」とする答弁書を閣議決定しました。一連の動きに驚くばかりです。・・・こうした発言に対して市民社会が上げる声は、かつてより弱くなりました。労働組合や人権団体の力の低下も影響を及ぼしています。「松井知事、よく言ってくれた」という書き込みまであります。経済的な格差や貧困などの不満が、権力の側ではなく、マイノリティーに向けられているのではないでしょうか。・・・ 社会の底が抜けないよう、手を打つ必要があります。日本は人種差別撤廃条約を1995年に批准しましたが、関連する国内法が整備されていません。政府から独立性を持つ人権擁護機関をつくれば、被害の救済により有効に対応できるでしょう。新聞やテレビなどの既存メディアは、もっと感覚を磨き、差別を許さないという姿勢を明確に打ち出すべきです。ネットからの攻撃を恐れて首をすくめているようにみえて仕方ありません。 (声)12・8、敗戦地獄が始まった(2016/12/08朝日新聞)無職 大和田敏男(東京都 90) 1941年12月8日の朝。自宅で家族と朝食中に、ラジオから「アメリカ・イギリス軍と戦闘状態に入れり」という臨時ニュースが、繰り返し流れた。私は15歳で、旧制商業学校3年生だった。その日登校すると、約50人いる教室は「ついにアメリカと戦争が始まった」と大騒ぎだった「中国との戦争で日本軍は消耗しているのに大丈夫なのか」「海軍は無傷だから自信があるのだろう」。2年生の時から、旧日本軍が使用していた三八式歩兵銃を使うことを想定した軍事教練を毎週のように受けていた。戦争には敏感だった。校庭で校長先生から「ABCD包囲網など恐れることはない」という勇ましい訓示があった。当時は言論統制下にあり、何も言えなかったが、物量など国力の差は歴然としていることは15歳なりに分かっていた。不安は拭えず、重苦しい1日だったことを覚えている。あの日以降、日本は敗戦地獄へと転落した。12・8は勝ち目のない戦争が始まった日だ。年月の経過とともに、戦争は風化していく。しかし、赤紙1枚で召集された兵士たちが大陸で、南の島で餓死した。遺骨も見つからずに、異国の地で今も眠っているのだ。 (声)開戦75年、不戦の思い新たに(2016/12/08朝日新聞)無職 渡部茂光(福岡県 76) 作家の早乙女勝元氏は、東京大空襲をはじめ、戦争関連の著作や記録保存活動でも知られる。私は今、早乙女氏が編集にかかわった「忘れないあのこと、戦争」を再読している。42人の過酷な戦争体験記を編んだこの本からは、戦争が人々に残した傷痕の深さを教えられる。悲劇を追憶、追体験することで、人は平和への誓いを新たにする。ただ、こうした体験を若い人たちはどう読むだろうか。悲痛な思いを受け継ぎ、次代に引き継いでくれるだろうか。不安になる。太平洋戦争開戦から8日で75年が経つ。この間の歳月は国民や為政者の思考を次第に変えていった。不戦の思いが薄れ、平和憲法も一部から疎まれている。違憲の疑いの濃い安保関連法制を制定するなど、戦後生まれの政治家の間では、「戦争ができる国」に向かう身勝手な芽が伸びつつある。新しい芽が伸び、古い葉が落ちるのは自然の摂理だ。だが、その新しい芽が良い芽とは限らない。戦争をわずかでも知る「古い葉」は、戦争の悲劇を新しい芽に引き継げたと実感できるまで、むざむざ散るわけにはいかない。そんな思いで本を読み返している。
カジノ法案 それが「美しい日本」か(2016/12/08東京新聞) 4度目の出馬を決めたメルケル首相(じゅん / 2016年11月27日みどりの1kWh) ・・・メルケル首相を待ち受ける未来には、多くのクエスチョンマークがつけられている。アメリカの新大統の時代がどうなるか誰も知らないが、多くの人は予感している。世界中いたる所でナショナリズムが台頭し、ヨーロッパやアメリカが不安定になりそうに見える。このような状況下で4期目の立候補をする用意がないと宣言したとしたら、それは彼女自身の義務感に反するものだったろう。彼女は政府の首班としての知識や経験、堅実さと連帯感を体現している。この点に関しては彼女の敵対者も認めている。メルケル首相はこの2−3年、「やめる正しい時期を見つけるのは非常に難しい」と繰り返し言っていた。ノーマルな時代であれば、メルケル首相は3期目が終わった段階で、「ありがとう!これで終わりにします」となったはずだが、今の時代はノーマルではない。 メルケル首相について以前は「彼女を過少評価する人は、すでに負けている」と言われたが、今彼女を過大評価する人、彼女に多大の期待を寄せる人、多くの義務を負わせる人は、すでに負けを意味することになるのだろうか? 少なくともライバル政党の社会民主党 (SPD) にとっては、その点に希望が持てる。今や選挙戦は始まった。 http://midori1kwh.de/2016/11/27/8700 |
税収に穴、赤字国債1.9兆円 円高、アベノミクス直撃(2016/12/07朝日新聞) (社説)原発費用負担 筋通らぬ新電力懐柔策(2016/12/07朝日新聞) http://digital.asahi.com/articles/DA3S12694095.html (声)「真珠湾」を忘れてはならない(2016/12/07朝日新聞)会社員 佐々木泉(東京都 52) 安倍晋三首相が、米国ハワイの真珠湾を年末に訪問する。首相は周辺に「これで『戦後』が完全に終わったと示したい。次の首相から、『真珠湾』は歴史の一コマにした方がいい」と語ったという。この言葉に違和感を持つ。「戦後」を終わらせていいのか。私は真珠湾攻撃の追悼施設「アリゾナ記念館」を21年前と15年前に訪ねた。2回目の訪問後、大陸への出征経験があり、94歳の今も健在の伯父に真珠湾の話をした。「どんな所だった?」と身を乗り出して尋ねてきた。多くの若者を戦地に送った先の大戦。日米開戦の場となった真珠湾のことを、ずっと知りたかったのだろう。伯父の「戦後」は終わっていなかったのだ。私は今も日本の「戦後」は終わっていないと思う。例えば、いまだに外地に戦没者のご遺骨がたくさん残されている。「リメンバー・パールハーバー」(真珠湾を忘れるな)は、米国人が真珠湾奇襲攻撃を非難する言葉だ。日本人は、この言葉を「真珠湾を忘れない」の意味をこめて語り継ぐべきではないか。無謀な戦争へ突き進んだ過去を忘れないために。次世代に歴史の教訓をつないでいくために。 防衛費の膨張 「聖域」化は看過できぬ(2016/12/06京都新聞) 19世紀に消えた北極探検船テラー号ついに発見(2016ナショナルジオグラフィックス) ョア・ヘブンというイヌイットの集落が、カナダ北極圏史上最大ともいえる歴史的発見を祝っている。この村のイヌイットのハンターによる情報から、168年前に行方がわからなくなっていた英国フランクリン探検隊の船、H.M.S.テラー号が発見されたのだ。実際に発見したのは、カナダ北極圏の科学研究活動を支援する北極研究財団(Arctic Research Foundation)という非営利団体の探検家たちだ。・・・ 確かなことは、テラー号の保存状態は良好ということだ。遠隔操作可能な無人潜水機(ROV)を使ってデッキやガラスの船窓をのぞいてみたところ、テーブルや缶詰の食料、ワインボトル、船鐘などが確認できた。かつて船長がそばで指揮を執った舵は、海藻などに覆われていた。 世界最大級、49個の巨大陥没穴群を中国で発見(2016ナショナルジオグラフィックス) 社説[配偶者控除]これでは活躍できない(2016/12/05沖縄タイムス) 第1原発で注水、冷却「一時停止」 設備の脆弱性...浮き彫り(2016/12/06福島民友) <福島第1>冷却系トラブル相次ぐ(2016/12/06河北新報) |
分断、不満、渦巻く欧州 イタリア首相が辞意(2016/12/06朝日新聞) ・・・ オーストリア大統領選での右翼・自由党の候補の敗退に、常々「既得権層」の象徴として批判を浴びるEU側からは喜びの声が上がった。「ポピュリズムは必然ではなく、抵抗できないものでもない」(EUのモスコビシ欧州委員)。だが既得権層やエリート層への反発が政治を突き動かしているのは、欧州だけの傾向でもなければ、右翼にも限らない。左派にも連なる世界的な潮流だ。米国の大統領選では、民主党のサンダース氏が、高い学費と就職難に苦しむ若年層の支持を集めた。党の候補者争いで敗れはしたが、クリントン氏を「(膨らむ選挙資金は)ウォール街からの多額のカネだ」と徹底的に批判した。 パティ・スミス、ディランを歌う ノーベル賞授賞式で「はげしい雨が降る」(2016/12/06朝日新聞) http://digital.asahi.com/articles/DA3S12692416.html (THE HUFFINGTON POST)誤った「人権」理解、弱者抑圧に(2016/12/06朝日新聞) (社説)カジノ法案 「数の力」を振り回すな(2016/12/06朝日新聞) http://digital.asahi.com/articles/DA3S12692304.html (声)国立大研究費と五輪予算に落差(2016/12/06朝日新聞)無職 二見允久(神奈川県 78) 国立の高知大では、教員1人あたりの自由な研究費が年額11万3千円程度という。全国的に「任期つき」教員も増えているようだ。これでは一般の派遣社員とあまり変わらない。私は定年退職後、ライフワークと趣味を兼ね、古いカメラの資料集めをして一冊の本にまとめる作業を続けている。文献を見つけて取り寄せたり、図書館に出かけて調べたりする。こうしたことに年間6万円ほどかかる。もちろん年金の中から捻出するのだが、それと5万円しか違わないというのはいかがなものか。一方、最近の報道で目立つ五輪の話題では、施設整備などに何百億円、さらに2兆円という金額がいとも簡単に語られる。どう考えても、予算が偏り過ぎているのではないだろうか。確かに世紀のスポーツの祭典には輝きがあるかも知れないが、このままでは基礎的学問など他の分野で世界から立ち遅れるような気がしてならない。 http://digital.asahi.com/articles/DA3S12692312.html |
移民保護派ベレン氏「極右」破る オーストリア大統領選(2016/12/05東京新聞) 全農改革 だれのための農協か(2016/12/05東京新聞) 福島第一3号機、原子炉冷却一時止まる 東電が原因調査(2016/12/05朝日新聞) 放射性廃棄物のドラム缶、雑然 中身不明の容器も 東海再処理施設、現状は(2016/12/05朝日新聞) 原子力機構は11月30日、廃止が完了するまでに70年かかり、当面10年間に約2170億円かかるとの工程を規制委に報告した。だが、作業は簡単には進みそうにない。高放射性固体廃棄物貯蔵庫のプール底のドラム缶について、原子力機構は「取り出しを考慮していなかった」。今後、装置を開発して、水中でワイヤを切りながら一つずつ持ち上げる方針だ。施設そのものも汚染されている。使用済み燃料を粉々にした施設の内部の放射線量は毎時200ミリシーベルト。担当者は「遠隔操作で機器を解体するのか、人が入れるまで除染するのか検討中」と語った。
【沖縄北部・米軍密輸対応訓練】 米都合の機能強化(2016/12/05琉球新報) もんじゅ後継 反省なき延命許されぬ(2016/12/05京都新聞) 政府が、廃炉を前提に見直しを進める高速増殖炉もんじゅ(福井県敦賀市)の後継となる実証炉の建設を目標に、来年から工程表づくりに取り組む方針を示した。1兆円を超える巨額の国費を投じながら、トラブルや事故が相次ぎ、20年余りでわずか250日しか運転できなかったもんじゅの反省や検証もなく、開発ありきで突き進むとはあきれる。国民の同意が得られるはずがない。政府が目指すのは、原子炉の開発4段階のうち3段階目の実証炉という。日本の高速炉開発は、実験炉「常陽」(茨城県)から始まり、もんじゅはその次のステップの原型炉で、発電性能を試験する役割を担っていた。それが失敗したにもかかわらず、さらに次の段階の実証炉の設計開発に着手できる技術があると結論付けた。あまりにも納得しがたい判断だ。・・・日本が保有するプルトニウムは核兵器数千発分にも相当する48トンにも達しており、国際社会の批判をかわしたいとの思惑もあろう。しかし、見通しのない開発を進めれば、むしろ疑念を広げるばかりだ。もんじゅ廃炉とともに核燃サイクルを断念して、使用済み核燃料の処理方法や原発政策の見直しに取り組まねばならない。 広がる「軍学共同」、背景に研究費削減 滋賀のケースに警鐘も(2016/12/05京都新聞) (社説)企業団体献金 「禁止」の約束はどこへ(2016/12/04朝日新聞) 安倍政権は、経団連が重視してきた法人税の実効税率の引き下げや原発再稼働をすすめている。その経団連は2年前、実質的に安倍政権のために会員企業への献金の呼びかけを5年ぶりに再開した。製薬会社と業界団体が昨年、自民党に約1億4千万円支出したのは、国による薬価引き下げへの危機感の表れだと見られている。こうした動きは「政策をカネで買う」行為と批判されても仕方あるまい。政党や政治家が業界に資金や集票を頼ったことで起きた過去の癒着、政治腐敗の教訓はどこへやらだ。「政治には金がかかる」という政治家の言い分も、「政治献金は社会貢献だ」という経団連の主張も説得力を欠く。 (科学の扉)ナノマシンに挑む 10億分の1メートルの世界、部品続々(2016/12/04朝日新聞) 水の光分解をする人工光合成の研究をしていたフランスのジャンピエール・ソバージュ氏(現ストラスブール大名誉教授)は83年、銅イオンを鋳型にして、効率よくカテナンを作る方法を発表した。この研究を推し進めたのが、スコットランドで生まれ育ったフレイザー・ストッダート氏(現米ノースウェスタン大教授)だ。五つの分子の輪をつないで「オリンピアダン」と名付けるなど知恵の輪のような分子の合成を次々と成功した。中でも、リングに軸を通した分子「ロタキサン」の合成は大きなブレークスルーとなった。 http://digital.asahi.com/articles/DA3S12690081.html |