記憶しておきたい新聞記事見出し2014〜2016
|
不登校対策法案 漂う差別的なまなざし(2016/11/18東京新聞) 不登校の子どもの学びの保障はもちろん、大切だ。では、なぜ不登校に陥るのか。学校の側に問題はないのか。根源によくよく目を凝らしたい。子どもだけの責任に帰すかのような法律では危うい。文部科学省のまとめでは、昨年度に年間三十日以上休んだ不登校の小中学生は十二万六千人。うち七万二千人、全体の57%は九十日以上休んでいた。授業があるのは年間二百日ほどだから、事態の深刻さが分かる。・・・学校に通っている子と切り離して対策を練ることに、どれほどの意味があるのか。かえって、社会の分断や亀裂に通じないか心配だ。不登校の子を受け入れてきたフリースクールの中には、学校外の学びが公認され、公教育参入へ向けた一歩になると評価する声もある。もっとも、教育行政の単なる下請けになって、自由が失われては元も子もない。不登校やいじめ、暴力の現状をみれば、横並び圧力や競争主義を強める学校のあり方を省みる姿勢こそが、本当は求められている。 「9条改憲」明言は自民だけ 改憲派、与党内も主張に隔たり(2016/11/18東京新聞) 衆院憲法審査会は十七日、約一年五カ月ぶりに実質的な審議を行った。十六日の参院憲法審と合わせ、改憲に前向きな勢力が改憲発議可能な議席を確保した両院で、本格的に憲法論議が動きだした。二日間の審議で自民党議員は、自衛隊の存在を憲法に位置づけるよう訴えたが、九条改憲に明確に言及した政党はほかの改憲勢力にもなく、特に公明党との主張の違いが鮮明になった。 ・・・自民党は憲法審の再開に当たり、議論を円滑に進めるため「平和主義を損なう」と野党から批判される改憲草案を、事実上封印。この二日間も、草案に盛り込まれた「国防軍」創設などに言及した議員はいなかったが、九条改憲自体は改憲を目指す項目から排除しない姿勢を鮮明にした。しかし、公明党や、野党で改憲に前向きな日本維新の会、日本のこころを大切にする党は九条改憲に具体的に言及しなかった。会派としては参院の無所属クラブがほかに言及しただけ。 http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201611/CK2016111802000123.html 「石炭依存」の日本に化石賞(2016/11/18京都新聞) パリ協定に矛盾と環境保護団体/【マラケシュ(モロッコ)共同】世界の環境保護団体で組織する「気候行動ネットワーク」は17日、地球温暖化対策の前進を妨げている国に贈る「化石賞」に日本を選んだ。温暖化対策の新枠組み「パリ協定」を批准しながら、温室効果ガスである二酸化炭素(CO2)の排出の多い石炭に依存し、石炭火力発電技術を海外輸出する矛盾した行動が理由。 普天間爆音判決 なぜ飛行停止できない(2016/11/18京都新聞) 沖縄住民の犠牲を黙認するようなものだ。普天間爆音訴訟の判決で、那覇地裁沖縄支部は住民への損害賠償を国に命じたものの、爆音をもたらす米軍機の飛行停止は認めなかった。これでは爆音による住民の苦痛をなくすことにはならない。政治的な解決が見通せないなか、住民救済に向け踏み込んだ司法判断がほしかった。残念である。普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)周辺に暮らす原告住民約3400人が求めているのは、静穏な普通の生活だ。車のクラクション音を間近に聞くような爆音にさらされているのに、司法はどれだけ深刻な現状をくみ取ったか。・・・ 日米安保の重要性は言うまでもないが、住民に苦痛を強いる構造を続けていいはずがない。判決後に原告団は「永遠に被害を甘受せよというに等しい判決」「なぜ国民の権利のとりでとなる司法が、解決する努力を続けないのか」と訴えた。重く受け止めなければいけない。差別発言が問題のトランプ次期米大統領だが、沖縄からは注視されている。米軍基地について日米両政府の従来の考えを持ち合わせておらず、根本から議論し直すかもしれないからだ。その際にも、耳を傾けるべきは基地に苦しめられている住民たちの声である。 温暖化で農民1億人が貧困(2016/11/18京都新聞) 国連機関、支援呼び掛け/【マラケシュ(モロッコ)共同】地球温暖化による干ばつの増加などで、発展途上国の小規模農家を中心に、極度の貧困に陥る人が2030年までに1億2千万人増えるとの報告書を、国連食糧農業機関(FAO)が18日までにまとめた。特にサハラ砂漠以南のアフリカと南・東南アジアが深刻。FAOは農業生産が不安定になって「世界の食料安全保障にも影響する」と指摘。農業による温室効果ガス排出の抑制や、農家の対応能力を高めるための支援策を各国に呼び掛けた。 廃炉・賠償、国民の負担増 原発費用さらに8.3兆円、経産省議論(2016/11/18朝日新聞) 東京電力福島第一原発の事故などで新たに発生する廃炉や賠償費を賄うため、「追加請求書」が広く国民に回ってきそうだ。経済産業省の会議が、電気代に含まれる送電線の使用料に上乗せする案を議論している。どういうお金を、だれに負ってもらおうとしているのか。・・・東電はこれまで、福島事故の廃炉に2兆円、賠償や除染に9兆円かかるとしてきた。上限なく賠償などにあたることにはなっているが、従来の業界の備えが不十分だったため、費用は東電に加えて全国から電気代の一部として集めたり、東電の利益の一部を充てたりする仕組みができた。だが、廃炉作業や賠償が進み、それでは足りないことが見えてきた。経産省の内部資料によると、いまの段階で廃炉費で4兆円、賠償費で3兆円が追加で必要になりそうだ。・・・ ■<視点>利用者にツケ、尽きぬ疑問 また国民が、原発の追加負担を支払うことになりそうだ。それも、決め方や中身が見えにくい「託送料金」の制度を通じてだという。経産省は、この手法を安易に使おうとしていないだろうか。そもそも5年前の福島第一原発事故後、賠償費を賄うために北海道や九州を含めた利用者の日々の電気代に負担金が上乗せされた。一般家庭で月々60円前後を払っているとの試算もある。これすら多くは認識していないかもしれない。今回、廃炉費の増大などでまた追加負担が必要だとして有識者会議での議論が進められている。しかし、その額はきちんと明示されていない。経産省は託送料金への上乗せこそ正しい手法だとするが、後にもっと費用が膨らんだら、自動的に上積みされないか。疑問は尽きない。国や大手電力は、原発普及期からずっと「発電コストは圧倒的に安い」と言い続けてきた。だが、福島事故は隠れた巨大コストを現実にしている。それを、いまになって利用者にツケ回しさせてほしいと頼んでいると言える。 トランプ流、政治に通用? 当初穏やか→対立すると態度急変(2016/11/18朝日新聞) (社説)憲法審査会 まず立憲主義を語れ(2016/11/18朝日新聞) http://digital.asahi.com/articles/DA3S12663475.html (声)君たちに原発を残したくない(2016/11/18朝日新聞)主婦 太田澄子(福島県 61) 「地球環境のため原発やはり必要」(11日)を読んだ。北海道に住む中学生の君は、5年8カ月前の東日本大震災をどのように体験したのだろうか。私は東京に住んでいたが、首都圏も大混乱だった。今は縁あって福島県に住んでいる。東京電力福島第一原発から50キロ以上離れているが、人々にはなお不安な気持ちがある。そして、「あの時」の自分の行動が正しかったか、特に幼い子どもを持つ親たちは悩んでいる。福島県では、今も8万人以上が故郷に帰れないでいる。私は、あの事故のことだけで原発に反対しているのではない。原発から出る使用済み核燃料の問題が全く解決されていないことも理由だ。福島県の原発がある地域は過疎地で、これといった産業がなかったから立地先として選ばれた。今後、使用済み核燃料の行き場が見つからなければ、広大な北海道に処分場ができる可能性もゼロではない。どうかもっと原発について勉強して、その危険性を知って欲しい。私は君たちの世代に原発を残したくない。原子力に頼らずとも、地球環境を守ることは必ずできると信じている。 http://digital.asahi.com/articles/DA3S12663481.html 『潮流』 ガリレオの問い掛け(2016年11月17日ヒロシマ平和メディアセンター) ヒロシマ平和メディアセンター編集部長・宮崎智三 振り返れば、被爆者に関する誤った知識は原爆投下1カ月後には流されていた。「死ぬべき者は死に、原爆放射能のため苦しんでいる者は皆無だ」。マンハッタン計画に関わった米軍人の言葉である。被害を矮小(わいしょう)化する思惑さえ感じてしまう。実際は、放射線は生き残った被爆者を苦しめ続けた。10年ほどして発生のピークが来る白血病や、数十年もしてリスクが上昇するがんなどだ。ただ、そんな広島と長崎の知見でも、わずかしか放射線を浴びていない場合の健康リスクはよく分かっていない。それを追った3月からの連載「グレーゾーン 低線量被曝(ひばく)の影響」が今月上旬で終わった。解明への課題はまだ多く、今後もフォローする必要性をあらためて感じている。ガリレオ自身が著書「天文対話」につづった言葉を思い出す。どうして君は他人の報告を信じるばかりで自分の目で観察したり見たりしなかったのですか―。科学者だけではない。歴史を記録し、現場を歩いて真実を掘り起こすべき私たちにも向けられた問い掛けとして、かみしめたい。 国境に分断され「王国」を宣言した先住少数民族(2016.11.16ナショナルジオグラフィックス) 両陛下、満蒙引き揚げ者らと懇談(2016/11/17京都新聞) 政活費、前払い9割超 使い切り助長の恐れ 148議会調査(2016/11/17朝日新聞) 鶴保氏発言 沖縄担当相の資質欠く(2016/11/17京都新聞) 鶴保庸介沖縄北方担当相が問題発言を重ねている。沖縄県の米軍北部訓練場の工事反対派を大阪府警機動隊員が「土人」となじった暴言を巡り、鶴保氏は「差別だと断じることは到底できない」などと繰り返し、沖縄や野党から批判が強まっている。この暴言を直ちに差別と判断できないとは沖縄を所管する閣僚としての資質を疑わざるを得ない。沖縄への配慮を欠き、許し難い。・・・ところが鶴保氏は8日の参院内閣委員会で人権問題に当たるかどうかを「第三者が一方的に決めつけるのは非常に危険だ」と発言。「現在は差別用語とされるものも、過去に流布していた例はたくさんある」と強調した。改めて説明を求められた10日の同委理事懇談会でも同様の持論を繰り返し、謝罪や発言撤回はしなかった。鶴保氏の発言に民進党の蓮舫代表は「担当相がこんな考え方で沖縄と向き合うことができるのか」と厳しく批判。共産党なども辞任を求めている。与党である公明党の井上義久幹事長でさえ苦言を呈した。当然と言えよう。任命権者である安倍晋三首相の責任は重い。・・・環太平洋連携協定(TPP)承認案を巡る山本有二農相の再三の国会軽視発言も目に余った。さらに度重なる鶴保氏の問題発言を黙認し続けるのは、「安倍1強」のおごり以外の何物でもない。 南スーダンで「PKO帰れ」デモも(2016/11/17web東奥) ディランさん「先約ある」 来月ノーベル賞授賞式を欠席(2016/11/17東京新聞) 【ロンドン=小嶋麻友美】スウェーデン・アカデミーは十六日、ノーベル文学賞の受賞者に決まった米シンガー・ソングライターのボブ・ディランさん(75)がスウェーデンのストックホルムで十二月十日に開かれる授賞式を欠席すると明らかにした。ディランさんから手紙が届いたという。アカデミーによると、ディランさんは授賞式に出席できない理由を「先約があるため」と説明。アカデミー側は「ディラン氏は授賞は大変光栄で、できれば直接受け取りたかったと強調した」と発表している。健康上の理由などで授賞式を欠席した例は過去にもあり、アカデミーは「それでも賞は彼らのものであり、ディラン氏のものだ」と指摘し、ディランさんが後日、記念講演を行うことに期待をにじませた。ノーベル財団の規定では、受賞者は式典前か、式典後六カ月以内に業績に関連した記念講演をする義務がある。 普天間爆音訴訟、国に賠償命令 24億円超、「被害漫然と放置」(2016/11/17東京新聞) 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)周辺の住民ら約3400人が米軍機の騒音で健康を害したとして、騒音差し止めや約100億円の損害賠償などを国に求めた第2次普天間爆音訴訟の判決で、那覇地裁沖縄支部(藤倉徹也裁判長)は17日、「違法な被害が漫然と放置されている」として、住民ら3395人に対して約24億5800万円を賠償するよう国に命じた。飛行禁止に当たる騒音差し止めなどの請求はいずれも退けた。住民側は飛行差し止めが認められなかった点を不服として控訴する方針。 美浜3号機の運転延長認可(2016/11/16共同通信) 老朽原発2例目、原則骨抜き/原子力規制委員会は16日、定例会合を開き、運転開始から40年を迎える関西電力美浜原発3号機(福井県)の運転延長を認可した。老朽原発の運転延長は関電高浜1、2号機(同)に続き2例目。東京電力福島第1原発事故を教訓に原発の運転期間を「原則40年」と定めたルールは骨抜きにされ、運転延長が定着しつつある。関電は今後、約1650億円を投じて、全長約千キロの電気ケーブルを防火シートで包んだり、重大事故時の拠点となる「緊急時対策所」を設置したりする安全対策工事を行う予定。完了は2020年春ごろとしており、再稼働はそれ以降になる見通し。 <社説>国頭住民虐殺 さらなる証言の発掘を(2016/11/17琉球新報) 「静かな夜を返して」原告は住民3400人余 14年続く普天間爆音訴訟の経緯(2016/11/17沖縄タイムス) <社説>「駆け付け警護」付与 国のカタチ破壊する暴挙 自衛隊撤退を検討すべきだ(2016年11月16日琉球新報) 政権要職に右派参謀役 トランプ氏、首席戦略官にバノン氏 「首席補佐官と対等」(2016/11/15朝日新聞) 既存メディア、問われる役割 トランプ氏という「怪物」を生み出し、その本人に「既得権層」と敵視された(2016/11/15朝日新聞) http://digital.asahi.com/articles/DA3S12657889.html (WEBRONZA)侮蔑語が世界的に広がっている(2016/11/15朝日新聞) http://digital.asahi.com/articles/DA3S12657774.html (THE HUFFINGTON POST)トランプ氏当選、早くから予言(2016/11/15朝日新聞) (声)選手ファースト、理解できぬ(2016/11/15朝日新聞)会社役員 吹田恭子(京都府 68) 東京五輪・パラリンピックの競技会場について、競技団体やアスリートから発言が相次いでいる。残念ながら彼らには納税者、震災被災者、生活困難者が見えていないようだ。莫大(ばくだい)な借金、破綻(はたん)しようかという年金制度を尻目に、自ら「アスリートファースト(選手第一)」と言える彼らの神経が理解できない。競技後のインタビューで口にする「応援してくださったみなさんに感謝します」という言葉は、単に学習させられた決まり文句なのだ。本心からならば、何倍にも膨れ上がる開催費用について「国民、都民の税金を使っていただいて申し訳ない」という一言があるべきだ。ささやかに暮らし、納税している私たちのことなど念頭にない。競技団体に至っては、巨額の建設費などに群がる企業との癒着も想像してしまう。すばらしい競技場でなければ結果が出せない人は真のアスリートではない。どんな条件でも死力を尽くす覚悟なしにあれこれ言う人たちに税金は使ってほしくない。負の遺産が増えるばかりだ。 日印原子力協定 被爆国への信頼なくす(2016/11/15東京新聞) 「土人」発言擁護 沖縄相の資格を疑う(2016/11/15東京新聞) トランプ・ショック、ドイツの反応(じゅん / 2016年11月13日みどりの1kWh) http://midori1kwh.de/2016/11/13/8664 |
ニュージーランド地震で2人死亡 南島で道路寸断、家屋倒壊(2016/11/14東京新聞) ブルガリア、野党勝利へ(2016/11/14京都新聞) 大統領選、首相は辞任表明【ウィーン共同】ブルガリアで13日、大統領選の決選投票が実施され、出口調査によると、ロシア寄りの野党で左派の社会党候補、ラデフ前空軍司令官(53)が得票率約58%で勝利する見通しとなった。ブルガリア通信が伝えた。ボリソフ首相は与党候補の敗北を認め、辞任する意向を表明した。 トランプ氏、首席補佐官にプリーバス氏 党主流派との連携役(2016.11.14 MonCNN) 【島人の目】アメリカはどこへ行く(2016/11/14琉球新報) 多くの国民はトランプ氏の政策に懸念を示し、「大統領としての資質があるか」と問う声も上がる。だが、数々の「暴言」が全て実現できるわけではないことを理解し、ここまで来た以上は慌てずに見守る必要がある。このようなことが起こるのもアメリカならではの表れと私は楽観視している。なにせ、どうしようもない失政には弾劾(インピーチメント)という手段が残されているのだ。 <社説>基地から黒色粒子 調査、対策は国の責任だ(2016/11/14琉球新報) イラク軍、モスル近郊の古代遺跡を奪還(2016/11/14CNN) 米巨大メディア誕生に暗雲 トランプ氏、批判報道受け敵視(2016/11/13東京新聞) 【ニューヨーク=東條仁史】共和党のドナルド・トランプ氏(70)が米大統領選に勝利したことで、米通信大手AT&Tによるメディア・娯楽大手タイム・ワーナーの買収に暗雲が漂ってきた。ワーナーはニュース専門放送局CNNを傘下に抱えており、自らのセクハラ疑惑などを伝えたメディアを敵視するトランプ氏が、巨大メディアグループの誕生に反対しているためだ。「一つの企業に権力が集中しすぎる。私が大統領になれば阻止する」。両社が買収を発表した十月二十二日の当日、トランプ氏は、すぐさまかみついた。・・・今回の買収の成否は通信、メディアだけでなく、さまざまな業界の企業が注目する。競争力強化を狙う巨大企業の再編が、国境を越えて加速しているためだ。トランプ氏自身も経営者として企業買収を経験したが、米企業が買収されるようなケースにはどう反応するのか。「米国第一」の保護主義を掲げるトランプ氏の方針が今後、巨大企業の経営戦略に影響を与える場面も出てきそうだ。 |
(トランプショック どう考える:3)深い分断、きしむ民主主義(2016年11月13日朝日新聞) 開票翌日、電話すると「当然の結果」と話した。「生活水準が落ち、余命が短くなる。自由貿易による競争激化で不平等が募っているからだ。そう思う人が増えている白人層は有権者の4分の3。で、その人たちが自由貿易と移民を問題にした候補に票を投じた」むしろ「奇妙なのは、みんなが驚いていること」という。「問題は、なぜ指導層やメディア、学者には、そんな社会の現実が見えないのかという点だ」・・・指導層が現実を理解していれば、人々に寄り添いつつ、もっと理性的な候補を出せたかもしれない。しかし、できないまま差別感情をあおって支持を集める人物に選挙を乗っ取られた。深刻な分断を放置した社会では民主主義はきしむ。 気になる世論調査がある。米大統領選をテーマに新潟県立大学が9月、日本の首都圏で500人を対象に実施した。もし可能なら「どちらの候補に投票しますか」という問いに、6割強が「クリントン」と答え「トランプ」は1割弱。だが、15歳から29歳までの男性では、支持はどちらも4割弱で拮抗(きっこう)した。同大学の猪口孝学長は「将来への不安が立ちこめているのだろう」と見る。「これを『新常態』として直視しなければ」民主主義を揺さぶる社会の分断。日本では、それが認識されているだろうか。 (社説)玄海再稼働 「地元」を広くとらえよ(2016年11月13日朝日新聞) (声)差別に鈍感、鶴保氏は罷免に(2016年11月13日朝日新聞)無職 高村広昭(神奈川県 74) 沖縄県の米軍ヘリパッド建設工事の反対派に大阪府警の機動隊員が「土人」と発言した問題で、鶴保庸介・沖縄北方担当相は「差別であるとは個人的に断定できない」と述べた。金田勝年法相が土人を差別用語と認め、機動隊員が処分を受けているのにだ。歴史的背景を知らないのだろう。日本政府は1899年に「北海道旧土人保護法」を制定し、アイヌ民族を「旧土人」と呼んで差別した。その98年後、国はこの法律を廃止し、日本人以外の民族を初めて法的に位置づけたアイヌ文化振興法を成立させた。それなのに鶴保氏は「人権問題であるかどうかの問題について、第三者が一方的に決めつけるのは非常に危険なこと」などと主張している。また、鶴保氏は米軍普天間飛行場の移設計画をめぐる国と県の訴訟についても「早く片付けてほしい」と沖縄県民の感情を逆なでする発言をしている。こんな人物が沖縄や北海道を担当する大臣でいることは不適切だ。辞任する様子はないようだが、それならば安倍晋三首相は罷免(ひめん)するべきである。 (書評)『ヒトラーと物理学者たち 科学が国家に仕えるとき』 フィリップ・ボール〈著〉(2016年11月13日朝日新聞) 戦争における科学者の社会的責任は何か? この古くて新しい課題を、ヒトラー政権下でドイツの物理学者たちがどのように活動したかを題材として、綿密かつ明快に解き明かす。著者は、科学雑誌『ネイチャー』の編集者をしていた人。科学界全般に対する広い視野と、今日的状況との関連を明確に意識していて、それが多くの類書にはない活(い)き活きしたリズムを生み出している。・・・ 当時のドイツの物理学者たちが大勢登場するが、中心人物はマックス・プランク、ピーター・デバイ、ヴェルナー・ハイゼンベルクの3名のノーベル賞受賞者だ。彼らは立場や考えは違えど、それぞれに何らかの形でナチ政権の民族差別的科学技術政策を後押しする結果となった。プランクは良心的に法と秩序を重んじたがゆえに、デバイは個人的な生活関心事を最優先したがゆえに、ハイゼンベルクはドイツの物理学を世界一にしようと野望をいだいたがゆえに。 戦後、彼らを含むドイツ人物理学者10名が一所に軟禁されていた時の会話が、盗聴記録されていた。その分析は、本書の圧巻である。ハイゼンベルクやヴァイツゼッカー(後のドイツ大統領の兄)らの傲慢(ごうまん)さや自己正当化が際だっていて、読んでいて気分が悪くなるほどだ。しかし、同じ立場に置かれたとき、彼らとは違って権力に真っ向から反対できる人が何人いるだろうか。ぼくは全然自信がない。軍事研究と平時研究の境目は曖昧(あいまい)だ。研究内容や資金源によって一線が引けるものではない。だからこそ、研究者たちの政治観や国家観、社会観、人間観、そういったものが大切なのだと改めて思い知らされる。評・佐倉統(東京大学教授・科学技術社会論) 時代の風/長時間労働の悲劇=増田寛也・元総務相(2016年11/13毎日新聞) ニュースサイトで読む: http://mainichi.jp/articles/20161113/ddm/002/070/156000c#csidx77c3a7387fc3505add8cb4dd2a4a860 週のはじめに考える さよなら「価格競争」経営(2016年11月13日東京新聞) オバマ政権がTPP断念 日本、急ぐ理由失う(2016年11月13日東京新聞) オバマ米政権は環太平洋連携協定(TPP)の議会承認取得を断念した。ホワイトハウス高官が十一日、表明した。来年一月に就任するトランプ次期大統領はTPPからの脱退を明言しており、現状での協定発効は絶望的になった。安倍政権が、参院で審議中のTPP承認案と関連法案の採決を急ぐ理由はなくなった。・・・ 一方、安倍政権は十日に承認案を衆院通過させた。オバマ氏の在任中に米議会がTPPを承認するわずかな可能性を後押しする狙いだったが、思惑が外れた。安倍晋三首相は今国会での承認を目指す方針を崩さず、トランプ氏の説得に乗り出すとみられる。これに関し、民進党の蓮舫代表は十二日、青森市内で記者団に「なぜ、こんなに急ぐのか。誰のために国会を動かして審議するのか」と批判した。 憲法審査会 「改憲ありき」は通らぬ(2016年11月13日京都新聞) 参院憲法審査会は16日、衆院憲法審査会は17日から審議を再開する。自民党は憲法改正に向け、具体的な項目を絞りたい考えだが、改憲が必要となるような政治状況が今の日本にあるとは思えない。「改憲ありき」の性急な議論にならないよう求める。・・・在任中の改憲を目指す安倍晋三首相は今国会の所信表明演説で、改憲案を国民に提示するのは「国会議員の責任」として両院の憲法審査会で議論を深めるよう呼び掛けた。あたかも改憲を進めるのが当然のような口ぶりだったが、国民が首相の前のめり姿勢に警戒感を抱いているのは、首相の下での改憲に55%が反対し、賛成の42%を上回った共同通信の世論調査からも明らかだろう。12年に自民党がまとめた改憲草案は、天皇を元首化し、9条改正で自衛隊を国防軍と明記するなど国民主権や平和主義の面で問題が多い。加えて国民の義務を増やし、非常時の緊急事態条項など基本的人権を制限する内容も含まれる。総じて時代に逆行するような復古調の内容だ。・・・自民党内には現憲法が米国から押しつけられたとみる「押しつけ憲法論」が根強くあり、改憲志向の背景となっている。だが戦争の惨禍を経験した反省から日本人は、国民主権、平和主義、基本的人権の尊重を理念とする現憲法を受け入れ、血肉としてきた70年の重みがある。憲法を論じることは大事だが「お試し改憲」といった改憲を自己目的化する議論は、憲法への冒涜(ぼうとく)に等しい。安保法でみられたような憲法軽視がまかり通る憲法審にしてはならない。 ムーア監督、トランプ氏の大統領就任抵抗を呼びかけ(2016年11月13日琉球新報) トランプ氏を「人種差別主義者」などと批判してきたムーア氏は、トランプ氏が住む高層ビル「トランプタワー」の前で携帯電話を使ってライブ中継。「我々の仕事はトランプ氏を大統領に就任させないことだ」と述べた。大統領選挙人に対し12月19日の正式投票でトランプ氏に投票しないよう呼びかける、という。また来年1月20日の就任式は首都ワシントンをデモ隊が埋め尽くすだろう、と話した。米大統領選は、州ごとに獲得した選挙人の合計が過半数の270人以上となった候補が勝者となる。しかし、今回は選挙人数で負けたクリントン氏が総得票数ではトランプ氏を上回ったため、選挙制度そのものに対する批判が高まっている。中西部ミシガン州出身で白人労働者階級の心理を知り尽くすムーア氏は、今年7月にトランプ氏の勝利を予測していた。選挙後の11日にはMSNBCテレビで、トランプ氏は弾劾されるか辞任するだろうと述べている。ムーア氏は12日、トランプタワー内に入り、トランプ氏に面会を求めたが止められ、「トランプさん、私はここにいる。話をしたい」と書いたメモを残して立ち去った。 <社説>再アセス要求 工事は到底許されない(2016年11月13日琉球新報) 高額紙幣を突然廃止 市民生活影響、自殺者も(2016年11月12日琉球新報) http://ryukyushimpo.jp/mainichi/entry-393000.html 日印原子力協定 「非核」の原則に反する(2016/11/12京都新聞) トランプのアメリカ(下) 辺野古移設、再考の時(2016/11/12東京新聞) 朴政権の退陣求め数十万人集会 ソウル都心、野党も足並み(2016/11/12東京新聞) 被爆国「核なき世界」に逆行(2016/11/12東京新聞) 福島第一の汚染水放出の影響検討 経産省(2016/11/12朝日新聞) http://digital.asahi.com/articles/DA3S12654723.html (社説)日印原発協定 被爆国の立場忘れたか(2016/11/12朝日新聞) 被爆者「再び核の被害生む」 福島「帰還めど立たぬのに」 日印原子力協定(2016/11/12朝日新聞) ・・・東京・永田町の首相官邸前では11日夜、毎週金曜日にある市民団体の反原発デモがあり、「原発売るな」などと協定締結を批判する横断幕やプラカードが目立った。主催者によると、いつもの4倍程度の参加者が集まったという。インドは2008年以降、米国やフランス、ロシアなどと原子力協定を締結。米ロ仏の原子力企業などと連携して原発の立地や建設計画が各地で進む一方、住民の反対運動も活発化している。「一部の民間企業の利益のために政府間の取引がなされ、現地の住民が苦しめられることがあっていいのか」。市民団体「戦略ODAと原発輸出に反対する市民アクション」(コアネット)の三ツ林安治事務局長(61)はこう語る。福島第一原発事故では、自主避難も含めて約8万5千人が避難している。原発がある大熊町からいわき市に避難した男性(76)は「いまだに故郷に帰れず、東電や国の『絶対安全』という言葉を信じた悔しさは忘れられない。海外の人たちに同じ思いをして欲しくない。廃炉も帰還もめどをつけられないのに、危険な原発を輸出しようとする考えは理解できない」と語った。 http://digital.asahi.com/articles/DA3S12654690.html |
グリーンコープが売電 来年から「原発フリー目指す」(2016/11/11大分合同新聞) 国内最大のサンゴ礁、半分以上が死滅 97%が白化(2016/11/11沖縄タイムス) |