記憶しておきたい新聞記事見出し2014〜2016
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TPP法案、採決強行 自・公・維で可決 衆院特別委(2016/11/05朝日新聞) (時時刻刻)失言2度のち採決強行 衆院TPP特別委(2016/11/05朝日新聞) 麻生政権以来、7年ぶりの国会担当として審議をつぶさに観察して驚いたのが、政治家の言葉の乱雑さだ。巨大与党を率いる首相自身が「参院選において街頭演説等で私は必ず必ず、平和安全法制について話をした」「我が党は結党以来、強行採決をしようと考えたことはない」などと、根拠の乏しい主張を重ねた。山本農水相の「強行採決」発言はそんな空気のなかで飛び出した。法案を審査してもらう立場の担当閣僚が採決強行の可能性を示唆するとは国会を軽視するものだ。昔ならば「即日辞任」級の問題発言である。山本氏は神妙な顔で謝ったが、この問題発言を公衆の面前でちゃかし、再び問題発言を繰り返した。 パリ協定発効 「大転換」がはじまった(2016/11/05東京新聞) (時時刻刻)脱炭素、挑む世界 パリ協定きょう発効(2016/11/04朝日新聞) ■企業躍起、再エネに30兆円 産業界は脱炭素社会を見越し、動き出している。UNEPによると、15年の再生可能エネルギーへの投資は過去最高の2859億ドル(約30兆円)に上った。国際エネルギー機関(IEA)は、今後5年間の再生可能エネルギーの増加予測を13%上乗せした。マイクロソフトやイケアは、事業活動のすべてを再生可能エネルギーで賄う計画を進める。株主らが化石燃料企業に情報開示や排出削減を迫る動きも広がる。主要国の金融当局でつくる金融安定理事会(FSB)は、温暖化に伴う運用リスクの情報開示を検討する。 (憲法を考える)押しつけって何?:1 64年 調査会、評価踏み込まず(2016/11/04朝日新聞) 「連合国の国際世論に従ってポツダム宣言を受諾し、戦争を終わらせた以上、新憲法を作る以外に選択肢はなかった」。日本政治外交史が専門の三谷太一郎・東大名誉教授は話す。宣言の起草にあたったのは、日本の政治や経済を熟知していた知日派外交官ら。念頭にあったのは大正デモクラシー期の日本のリーダーたちの姿だ。「軍国主義を徹底的に取り除くことで、抑圧されていた日本の民主主義の伝統を取り戻そうという狙いだった」ポツダム宣言と新憲法が取り戻そうとした日本の民主主義の伝統を、国民は歓迎して受け入れた。三谷氏は問いかける。「押しつけを理由に憲法を作り変えようとする人たちは、日本の非軍事化と民主主義の伝統以外の何を取り戻そうというのだろう」「押しつけ論」を聞くたび、法制局長官として憲法制定に関わった故・入江俊郎氏の次女、堀口香代子さん(79)は疑問に思う。「父をはじめ、戦後日本の土台を作ろうと頑張った人々の苦労や努力が忘れられてはいませんか」 http://digital.asahi.com/articles/DA3S12641661.html (社説)アベノミクス 誇大広告はもうやめよ(2016/11/04朝日新聞) http://digital.asahi.com/articles/DA3S12641605.html (社説余滴)女性の政治参加を拒むもの 沢村亙(2016/11/04朝日新聞) (声)若い世代 大人の助言、時間経て分かる(2016/11/04朝日新聞)中学生 綛村慧一(和歌山県 14) 最近の若者は大人の注意や助言を聞かないらしい。僕は14歳だから最近の若者だろうか。僕は小学校卒業の時、母から手紙をもらい、泣いてしまった。仕事が忙しくて何もしてあげられなかったとあった。違った。母は僕のやりたいことをさせてくれた。好きなことが出来なかったのは僕ではなく母だ。僕は甘えてばかりで言うことを聞かなかった。空手も面倒くさがり、塾も休んだ。言われた約束も守らなかった。手紙には、気をつけた方がいいこと、大事にした方が良いものも書かれてあった。若者が大人の注意や助言を聞かないのはもったいない。大切なことは大切なほど見えにくい。大人の言うことは、時間が経たないと分からない。でも分かると心に残る。それが、これからを良くするのだ。 http://digital.asahi.com/articles/DA3S12641600.html リニア難関着工 村の不安を忘れるな(2016/11/04東京新聞) パリ協定発効 地球の歴史の転換点に(2016/11/04京都新聞) 地球温暖化対策の新枠組み「パリ協定」が4日に発効する。73カ国と欧州連合(EU)が批准し、昨年12月の国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)で採択されてから、10カ月という短期間で発効要件を満たした。海面上昇や異常気象の増加など地球規模で迫り来る温暖化の影響を、国際協力で最小限にとどめる試みだ。全ての国が自主的な削減目標を掲げ、温室効果ガスの排出を今世紀後半に実質的にゼロにすることを目指す歴史的な取り組みがいよいよ動きだす。再生可能エネルギーの拡大などで「脱炭素社会」への転換点としたい。・・・日本は批准が遅れて発効に貢献できず、ルールづくりにも参加できない見通しだ。世界第5位の排出国の責任を果たしたとは言えまい。しかも日本の削減目標は不十分で、石炭火力発電所の新増設など世界の動きにも逆行する。今後、大幅に見直す必要がある。「脱炭素社会」は生活や産業を大きく変えるだろう。すでに、化石燃料を扱う企業への投資が敬遠される一方、環境問題に取り組む企業への投資規模は拡大している。地球の未来のため、各国が責任ある行動を起こしたい。 天風録 「アトムとピース」(2016/11/04ヒロシマメディアセンター) その野球部はかつて、看板の強打から「アトム打線」と呼ばれた。甲子園にも3度出た、福島県双葉町の県立双葉高校。鉄腕アトムにちなんだ異名ではない。あの東京電力福島第1原発のお膝元だったからだ▲甲子園に初出場の1973年夏、初戦の相手はくしくも被爆地の県立広島商業高校だった。佃正樹投手を擁し、12対0で双葉高を退けた広商は余勢を駆って優勝する。だが「アトム」を上回る代名詞は授かっていない▲3・11以来、双葉町は全町避難を強いられている。野球部員も散り散りとなり、この5年間は公式戦に出ていない。それどころか本年度限りで母校そのものの休校が決まり、あす避難先で記念式典がある▲核の被災地福島を追った写真家、中筋純さんがこの春、広島市内で開いた作品展を思い出す。人影なき商店街に「本のことならブックスアトム」「旅のことならアトム観光」と看板があった。あの日までは、むしろ誇らしい3文字だったに違いない▲やはり片仮名3文字の「ピース」はさて、どうだろう。原発こそ原子力の「平和」利用―とのうたい文句がいまだに大手を振っている。すねに傷を持つのは、アトムもピースも変わらぬようだ。 「上関」反対集会 来年は1万人を 実行委が方針確認 山口(2016/11/04ヒロシマメディアセンター) <米軍ヘリパッド>ダンプ60台が進入 座り込み抗議を排除(2016/11/04沖縄タイムス) 差別発言の機動隊員は私を殴り蹴った 「土人」と言われた芥川賞作家の寄稿(2016/11/04沖縄タイムス) 高江には現在、東京警視庁、千葉県警、神奈川県警、愛知県警、大阪府警、福岡県警から500人と言われる機動隊が派遣されている。沖縄県警の機動隊を含めて、沖縄島北部の限られた地域にこれだけの機動隊が集中し、長期にわたって市民弾圧に乗り出している。こういう事例が過去にあっただろうか。・・・南の島に住む、遅れた「土人」たちは、理性的に物事を判断することができない。だから政府がやる正しいことに反対しているのであり、こういう輩は力で抑え込んで当たり前だ。あるいは、反対する連中は中国(シナ)から金をもらってやっている工作員であり、暴力をふるって叩きのめしてもかまわない。そうやって自らの暴力を正当化している。・・・かつて就職・進学で沖縄からヤマトゥにわたった若者たちが、沖縄に対する差別と偏見に悩み、苦しんだという話が数多くあった。1980年代後半から沖縄の音楽、芸能がもてはやされ、観光業が伸びていくのと合わせて「沖縄ブーム」が生まれた。沖縄への理解が進み、差別・偏見も改善されたように見えた。 しかし、「明るく、楽しく、優しい沖縄」イメージがもてはやされる一方で「基地の島・沖縄」という実態は負のイメージとして隠蔽(いんぺい)され、米軍基地の負担は変わらないばかりか、自衛隊の強化が進められた。しょせん「沖縄ブーム」はヤマトゥに都合のいいものでしかなかった。そういう二重構造は差別意識にも反映している。ウチナンチューがヤマトゥの望むように行動すれば評価されるが、意に反して自己主張すればはねつけられ、言うことを聞かなければ力ずくで抑え込まれる。高江や辺野古はそれが露骨に現れる場所だ。だから隠れていた差別意識も噴き出す。そもそもヘリパッド建設強行自体が差別そのものなのだ。(作家)
目取真 俊(めどるま しゅん) <社説>憲法公布70年 9条改正の必要はない 「いつか来た道」阻止しよう(2016/11/04琉球新報) (社説)憲法公布70年 何を読み取り、どう生かす(2016/11/03朝日新聞) ■地域の民意を未来へ 辺野古に新たな基地ができれば、地元名護市や沖縄県の自治権は大きく制約される。「地方公共団体の組織及び運営に関する事項は、地方自治の本旨に基(もとづ)いて、法律でこれを定める」とする憲法92条に沿えば、辺野古基地設置法のような法律をつくる必要がある。さらに憲法95条は「一の地方公共団体のみに適用される特別法」は、住民投票で過半数の同意を得なければ制定できないと定める。国がそうした法律をつくる場合は、名護市はもちろん沖縄県の住民投票も必要だ。それが木村さんの指摘である。こうした考え方を県は国との裁判で主張し、国会でも議論になった。だが首相は「すでにある法令にのっとって粛々と進めている」と、新たな立法も住民投票も必要ないとの考えだ。それでも、木村さんは言う。「憲法は、辺野古基地のようなものを造る時には自治権の制限について地元自治体の納得をえながら進めなさい、と規定していると読める。そういう手続きを踏んでゆけば、今のような国と県のボタンの掛け違いは起きなかったのではないですか」
作者の柏木ハルコさんは、取材を進めるほどに、憲法25条の文言が何を意味するのかを考えさせられたという。それはどのくらいの生活なのか……。「題名の言葉の意味を、読者にも一緒に考えてもらえたら」主人公と同様に、生活保護という制度も、前に進み、押し戻される経過をたどってきた。困窮者を政府が選別して救済する性格をもつ生活保護法(旧法)は1950年に改正され、憲法25条を具体化した生活保護法(新法)が生まれた。国家に国民の生活保障の義務がある。最も先進的な民主主義の理念が新法に反映され、一定の基準に満たない人は誰でも生活保護を利用できるようになったはずだった。だが、右肩上がりの経済成長に陰りがみえるにつれ「自助」が強調されるようになる。窓口を訪れた人に申請をさせない「水際作戦」が問題化した。「生活保護バッシング」が広がり、制度を利用しづらい空気が社会を覆う。子どもの貧困、非正規雇用の増加、格差の拡大……。すべての人が人間らしく生きられる社会という憲法がめざす地点に、現実はたどり着けずにいる。・・・ ■問われる幸福追求権 福島県南相馬市が今年5月、憲法全文を収めた冊子2万部あまりを全戸配布した。同市では、福島第一原発事故によって、住民の多くが慣れない避難生活で体調を崩し、命を落とした。災害関連死者は全国最多の487人にのぼる。「憲法の保障するはずの『健康で文化的な生活を営む権利』が剥奪(はくだつ)された瞬間があった」と桜井勝延市長は振り返る。同市南部に出された避難指示は7月に解除されたが、1万4千人いた住民のうち戻ってきたのは約1100人に過ぎない。桜井市長は言う。「憲法がいう、国民が幸福を追求する権利とはどういうものか。もう一度、憲法を読み、みんなで冷静に考えようということです」憲法13条は、すべての国民が「個人として尊重される」とうたい、その「生命、自由及び幸福追求に対する権利」を最大限尊重するよう国に求める。未曽有の原発事故が、その意義を問い直している。 http://digital.asahi.com/articles/DA3S12639772.html (声)9条を守ってこそ平和保てる(2016/11/03朝日新聞)無職 長南幸男(山形県 75) 「抑止力保持が現実的 改憲必要」(9月25日)という投稿があった。投稿者は、世界には外交の意義を認めない国もあり、武力を背景に相手国を屈服させるのが国益と考えて武力行使も辞さない例があると述べている。そのうえで、外交努力と相まって、軍事力の保持や同盟国との信頼関係の維持、役割分担による抑止力を持つことが現実的であると主張している。しかし、世界各地でのテロ、北朝鮮の核ミサイル開発が続いているのを見ると、どんなに強大な軍事力を保持し、制裁圧力を加えても、制止・抑止できていないのが現実である。強固な軍事力と同盟国を保持すれば、平和や安全が保たれるということの方が、むしろ幻想なのではないか。改憲して自衛隊を戦力とし、交戦権も認めれば、かえって他国の軍備増強を促す結果になるだろう。突発的な軍事衝突の危険性も高まる。それよりも、憲法9条を守って不戦に徹し、軍事力の行使を控えるようにしてこそ、相手を外交協議に引き込めるというものだ。それが現実的、平和的な対応ではないのか。 (声)東京五輪に最後まで反対したい(2016/11/03朝日新聞)会社員 黒川太郎(神奈川県 51) フリーアナウンサーの久米宏さんが、2020年東京五輪について「最後の一人になっても反対します」と話している。「福島の人はまだ、10万人規模が自宅に帰れない」と語られているように、五輪よりも東日本大震災の復興の方が優先するという考えなのだ。既に準備が進められている中、勇気あるご意見だと思う。私も、被災者の方々に勇気を与えるという開催理由には強い違和感を覚えてきた。確かに五輪で励まされる方もおられよう。しかし、被災者の方々が心から望まれるのは、何よりも一日も早く元の生活に戻ることではないのか。そのために日本政府は全力を尽くすべきだと思う。最近になってまた、ボート・カヌーなど五輪会場の変更問題が持ち上がり、「復興五輪」という言葉が聞かれるようになった。宮城へ会場を変更する案などが出たが、それまでは被災者の方々は完全に蚊帳の外に置かれていたように思う。私は「いまさら反対してもしようがない」と思っていたが、久米さんと同じように、東京五輪に最後まで反対する気持ちを持ち続けたい。 http://digital.asahi.com/articles/DA3S12639778.html (憲法を考える)語り、歩んだ70年 小山内美江子さん、大澤聡さん(2016/11/03朝日新聞) 敗戦を経て、社会が根底から問い直されていた70年前のきょう、日本国憲法が公布された。一人ひとりを「お国のため」の存在ではなく主役と位置づけ、戦争放棄を掲げたメッセージは、人々にどう映り、語られてきたか。憲法と社会の接点を見つめてきた2人に聞いた。 ■自由な生活守る闘いの武器 小山内美江子さん(脚本家) 安心しましたね。「戦争を放棄する」という憲法ができたんですから。これで人を殺したり殺されたりしなくていいんだと、ただただ、うれしく、涙が出ました。公布のときは16歳でした。実は女学校で憲法の全文をお勉強した覚えはないんです。学校の外でも大人たちは自分や子どもたちが食べていくことで精いっぱい。いま思えば、自分たちに都合のいい部分に心から喜んでいたのかもしれません。なにより戦争はしないし、結婚は2人の意思だけで決められる、と。「お国の決まり」が変わったことは、分かりました。お上じゃなく、自分で自分のことを考えなきゃいけないんだ、と。学校の先生はどうしていいか困ったと思います。急に社会で活躍する女性をつくれって言われて。そういうなかで部活動が始まり、私は演劇部に入りました。子どもの頃によく歌舞伎を見ていて、演出志望でした。憲法ができた年は「勧進帳」。楽しかった。 戦前は女の人がやりたいことをあきらめていた小説が多くて、戦争のない今の時代ならよかったのに、これが平和なのだ、と思いました。演劇部の活動から映画監督になりたいと思ったけれど、まだ男社会で、女性の進出は無理でした。それでスクリプター(記録係)になり、その後、脚本家として仕事をするようになりました。振り返って、私は憲法にそぐわないものは書いてこなかったつもりです。なかには、戦争体験をもとにしたものもあります。終戦前、横浜・鶴見で空襲に遭いました。一家で必死に逃げながら、焼夷(しょうい)弾を消しに行こうとする弟を、「死ぬよ! ダメ」と引き戻して。ふと気づくと、前の方で女の人が「かわいそうに」と泣きながら走っている。背中で赤ちゃんが亡くなっていました。図らずもお母さんの弾よけになってしまった。お母さんのあの泣き声は、今でも忘れられません。 この体験を30年後、「加奈子」というドラマに盛り込みました。その中で、戦争が終わり、赤ちゃんの祖父は「誰が始めた戦争だ! もっと早く終わればこんなに多くの人が死なないで済んだんだ」と怒り狂います。物語の終わりは、1947年5月、憲法が施行されるときです。花火屋だった加奈子は、無事復員した職人たちと盛大に花火を打ち上げる。二度と戦争がないように、と多くの死者の願いも込めたナレーションを入れました。地味なドラマでしたけど、自分では代表作だと思っています。「3年B組金八先生」のシリーズでは、憲法の条文を教え子たち30人が読みつなぐという場面を書きました。82年のフォークランド紛争で戦死者に16歳の少年兵がいたと聞いて、黙っていられませんでした。日本には憲法があるから、戦争で死ななくて済む。私自身が16歳のときから信じていることを言いたかったんです。 スタッフは放送後に抗議の電話がくることも覚悟していたようなのですが、実際には「よかった」というものが多かった。でも、今はメディアの自己規制で書けないでしょうね。実生活で、丸刈りを強いる校則に対抗するのに憲法を持ち出したこともあります。中学入学で丸刈りの強制に悩む息子に「憲法には表現の自由というものがある。校則とケンカしたら、絶対に憲法が勝つ」と言いました。庶民は憲法の存在を、暮らしの断面を通して感じるのだと思います。小さな組織のしきたりや慣習が強くて、何かをできなかったり強いられたりする。それはおかしいと感じたとき、憲法によって闘う。憲法そのものが大事だから守るために闘うんじゃありません。丸刈りになりたくないから、生活を守りたいから、憲法を尊重してきたのだと思います。(聞き手・村上研志) おさないみえこ 1930年生まれ。「3年B組金八先生」「翔(と)ぶが如(ごと)く」などの作品を手がける。カンボジアなどで支援活動する「JHP・学校をつくる会」代表理事。 ■改正論議の中、視線を未来へ 大澤聡さん(近畿大学准教授) 戦後の憲法論議で、文芸批評家たちが一定の存在感を発揮し、波紋を呼んできました。「当用憲法論」の福田恆存、「一九四六年憲法」の江藤淳、「九条の会」の呼びかけ人に名を連ねた加藤周一といった人物たちです。それにしても、なぜ憲法学者ではなく、文芸批評家だったのでしょうか。・・・ 憲法で「戦争」を語る世代の言葉は、「戦争は二度とごめんだ」という強烈な記憶に支えられています。かたや、「戦後」を語る後続世代は、憲法を「誇りに思うので変えない」「恥ずかしいので変える」の二分法で捉えがちです。二つの世代の議論の位相はずいぶん異なっている。すれ違いもさまざまな場面で発生します。 憲法公布70年 感激を忘れぬために(2016/11/03東京新聞) ◆戦争犠牲者を忘れるな ◆流血と無血二つの道
◆世に良い政府はない 憲法公布70年 守り、守られる関係こそ(2016/11/03京都新聞) http://www.kyoto-np.co.jp/info/syasetsu/ |
仏、難民キャンプ解体完了 パリにテント急増(2016/11/02朝日新聞) (地球24時)メルケル氏抜き党大会 ドイツ(2016/11/02朝日新聞) http://digital.asahi.com/articles/DA3S12637936.html (社説)あす憲法公布70年 未完の目標に歩み続ける(2016/11/02朝日新聞) プライバシー、報道の自由、一票の価値、働く場での男女平等、知る権利……。社会に定着したこうした考えも、憲法という土台のうえに、70年の年月をかけて培われたものだ。「憲法はつねに未完でありつづけるが、だからこそ、世代を超えていきいきと生きていく社会を作るために、憲法は必要なのだ」。奥平さんの言葉だ。・・・草案を支える人たちの根底に流れる考えを示す話がある。案の発表後、自民党議員らの政策集団・創生日本の会合で、元法相が国民主権、基本的人権、平和主義の3原則を挙げ、「これをなくさなければ本当の自主憲法にならない」と発言した。のちに金銭トラブルで離党する若手議員は、3原則が「日本精神を破壊する」とブログに書いた。創生日本の会長は安倍首相その人である。 憲法に指一本触れてはならない、というのではない。だが、長い時間をかけて積みあげた憲法の根本原理を壊そうとする動きに対し、いまを生きる主権者は異を唱え、先人たちの歩みを次代に引き継ぐ務めを負う。憲法12条には、こうある。「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない」 http://digital.asahi.com/articles/DA3S12637877.html (声)連合は「脱原発」世論と向き合え(2016/11/02朝日新聞)無職 松尾光章(宮城県 77) 民進党の蓮舫代表が東京電力福島第一原発を視察、原発ゼロに向けた工程表を示すと明言した。しかし原発再稼働推進の電力総連を傘下に置く支持母体の連合会長は「再稼働できるものはすべきだ」として反発しているという。連合は、「働く者」「生活者」の暮らしや雇用を守るのではなかったのか。原発事故で、福島県ではなお約8万6千人が避難生活を強いられている。小児がんの発症など、健康被害におびえる人も少なくない。汚染水処理や廃炉に向けての作業で、連日何人もの労働者が被曝(ひばく)している。この現実にどう向き合うのか。国民には原発再稼働への不安が大きい。本紙の調査でも、原発の運転再開に「反対」が57%で「賛成」の29%を上回った。こうした世論にどう応えるのか。高速増殖炉「もんじゅ」の廃炉は必至で再処理工場稼働も見通しが立たず、核燃料サイクルは事実上破綻(はたん)している。電力総連は現実を直視し、企業側に脱原発と再生可能エネルギーへの転換を促すべきだ。連合がそれを支え、労働組合の社会的責任を果たせるのか、正念場を迎えている。 http://digital.asahi.com/articles/DA3S12637880.html?ref=pcviewpage 連載「グレーゾーン 低線量被曝の影響」(2016/11/02ヒロシマ平和メディアセンター) 時代の正体 主観に傾倒する政権の暴走 客観的な裏付けなく(2016/11/02 18:36 神奈川新聞) 福島原発、送電鉄塔の点検に不備(2016/11/02共同通信) http://this.kiji.is/166401224578516468?c=39546741839462401 汚染水設備で3トン漏えい(2016/11/01共同通信) 物価目標先送り 政府は日銀頼みやめよ(2016/11/02東京新聞) TPP衆院委採決を延期 農相「冗談」発言 野党が辞任要求(2016/11/02東京新聞) 五輪会場見直し 欠かせぬ議論の透明化(2016/11/02東京新聞) |
どアホノミクスへ「最後の通告」 アベクロの天敵 同志社大大学院教授・浜矩子が直言(2016年10月14日サンデー毎日) 浜 成長が経済にとって間違いなく必要な場面は、私は二つしかないと思います。一つは、これから全てが始まろうとする時。大急ぎで経済規模を大きくしないと人々が飢え死にし、生存権を守れません。もう一つは、それまでの全てを失った時。日本の戦後間もない焼け跡状態のようなケースで、一刻も早く経済規模を拡大して人々の所得を増やさないと、せっかく平和になったのに餓死してしまう。この二つを除けば、常に間断なく経済の規模を大きくする理由はありません。むしろ、やればやるほど環境への負荷がかかり、無理やり規模を大きくしようとすれば人の選別・差別も厳しくなって不幸になる。・・・ 10、20代男子が安倍政権を支持する理由 浜 すごくシンプルで、ポイントは分配です。日本は有り余る富と豊かさを手に入れているのに、子どもの6人に1人がおなかいっぱいご飯を食べられません。このような問題こそ、成熟経済大国が焦点を当てるべきテーマです。こんなに豊かな国で、相対的貧困率も子どもの貧困率も16%。いかに分かち合いが下手かを、この数字が明確に物語っています。豊かさの中の貧困問題を放置していると経済社会の基盤がぼろぼろと崩れ、経済活動自体が行き詰まると思います。社会的にも不穏になり、安倍晋三や(米大統領候補の)ドナルド・トランプのような人が強さを掲げると、追い詰められた人々がふと引き寄せられてしまう。非常にまずい状況です。・・・浜 世論調査では明らかにそうです。日本では「1対99」ではなくて「84対16」。貧困率は16%で、つらい方の側が少ない。米国ではもはや「豊かさの中の貧困」ではなく、「貧困の中の豊かさ」という状況になり、いわば革命の機が熟している。つまり、虐げられていると感じている者が多数を占めてくると、体制変革を求める求心力が強まりやすくなるわけです。 日本はそこまで行っていません。立場的に弱者の人は数がまだ相対的に少なくて弱い。大きなうねりを引き起こすことができない状況だと思う。相対的に少数である弱者の中で、心理的に一番追い詰められているのは10代、20代の男子だと思います。その世代が一番、安倍政権の支持率が高い。10代、20代の男子は先行きに希望が持てず、どうしたらいいのか分からない。非常に不安感が強いし、知的に脆弱(ぜいじゃく)です。女子は幼い時から差別に出合ったり、理不尽さに向き合わなければならない。その分、知的踏ん張りが利きやすくなっている。ところが若い男子たちは「強い日本を取り戻す」「あの時の日本人にできたことが今の日本人にできないわけがない」という主張にサーッと引き寄せられてしまう。・・・ 「うそ」を糊塗(こと)する日銀の姑息(こそく)な新政策 浜 私は「ダメージコントロール付き出口封じ」と名前を変えたいんですね。それが本質だと思うからです。「ダメージコントロール」の部分は、二つの側面があります。一つは、『最後の通告』にも書きましたが、日銀の国債保有残高が日本のGDP(国内総生産)より大きくなる「2018年問題」への対応。今回、日銀は年80兆円ずつ国債を買い続ける義務を外しました。これにより、18年問題という実に異様な事態を避けようとしているのだと思います。二つ目は、10年物国債の利回りを0%に誘導することで、長期金利がマイナス領域に入ることを防ごうとしている。これはマイナス金利政策で、銀行経営が圧迫され、生損保や年金基金が運用できない状態に陥ったことへの対策です。・・・今回の発表まで、日銀は「物価上昇率2%に達するまで金融緩和を続ける」と言ってきた。つまり、そこに達すれば金融緩和を終了しないといけない。ところが終了したら国債は一気に暴落する。だから終了できない。しかしながら、終了しなければ、「日銀の金融緩和政策はもともと(金融政策の禁じ手とされる)財政ファイナンスなのだ」と、完璧にバレてしまう。「(財政ファイナンスではないと)うそをついていたではないか!」と批判され、日銀の面目は失墜し、国債は大暴落する。この矛盾をどう解消するつもりなのか、ずっと気になっていました。今回、こんな姑息な格好でその答えが出たわけです。「安定的に2%を超えた」と何をもって判断するのですか。「今月は超えたが、来月は超えなさそうだ」などとごまかせる。そういう形で出口を封じたわけです。・・・ 全てご都合主義の「大日本帝国」的発想 浜 もちろんそうです。グローバル時代は多様性と包摂性が出合う場でないとうまく機能しません。多様な者同士が腕を大きく広げて抱擁し合うのがグローバル時代の本当の姿だと思うのです。それができず、それぞれの殻に閉じこもり、異分子は排除となれば人類は滅亡してもしようがないんじゃないかと思う。国境に鉄条網を張るとか壁を築くのは、時代に逆行することで非人道的です。 ところで、ここにきて、“アホノミクス”も「外国人労働者の受け入れ拡大」を謳(うた)い出しましたね。これは曲者(くせもの)。やはりああいう形で言い出すかと思う。要するに、ひたすら大日本帝国がよりよく機能するための労働力、人材という名の道具を取りそろえようと。そこには「多様な道具があった方がいい」という発想があって、女性活躍推進もそう。あくまでも、その中で「移民ウエルカム」と言い出しているのだと見ています。結局、いろんな条件を付けて「日本に役に立つ者は入れるが、そうでない者はいらない」となるでしょう。全てがご都合主義であり、本質的に発想が邪です。ベーシックインカムと同じで、動機が不純だから、その制度が本来求める姿とかけ離れたものになる。これぞ、“どアホノミクス”ですね。
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TPP法案、4日衆院通過 今国会の成立、濃厚 政府・与党方針(2016/11/01朝日新聞) ジョン・レノンの女王宛ての手紙発見、勲章返却の理由記す(016.10.30 Sun /CNN) 筆洗/日本を思うがままにあやつる黒幕はなぜか、鎌倉に住んでいる。(2016/11/01東京新聞) (デジタル版から)日本の男女格差さらに(2016/11/01朝日新聞) 日本の男女格差が144カ国中111位となったニュースが広くシェアされました。ダボス会議で知られる世界経済フォーラムが10月26日付で発表。経済と政治の両分野で厳しい評価となり、前年の101位から、さらに順位を下げ、主要7カ国(G7)の中では最下位でした。ツイッターなどでは今なお様々な意見が出ています。 南スーダン、不信連鎖 7月の残虐行為、政府軍に疑い PKOへも怒り「市民守らぬ」(2016/11/01朝日新聞) 南スーダンの首都ジュバで7月に政府軍と反政府勢力の大規模な戦闘が起きた際、政府軍の兵士が、無関係な市民や援助関係者に残虐行為を行った疑いが浮上している。朝日新聞記者が10月27〜29日に現地で取材すると、市民の怒りは、国連平和維持活動(PKO)を展開する部隊にも向けられていた。「帰れ」。ジュバ近郊の国連施設から約1キロ離れたタレインホテル。入り口を警備していた政府の治安部隊員は記者に怒鳴った。外国の援助関係者らが使っていたこのホテルで7月11日、政府軍兵士が滞在者らに残虐行為を行った疑いが指摘されている。・・・ 市民を守れなかったとして、人々の怒りはPKO部隊に向けられている。アムネスティの報告書は、PKO隊員は国連施設の前で、女性が政府軍兵士にレイプされるのを目撃しながら助けなかったと指摘。国連の市民保護エリアでも、戦闘時、PKOに加わる中国とネパールの部隊が持ち場を離れた、としている。飲食店経営者(41)は「戦闘が起きても市民を守れないPKO部隊はいる意味がない」と話した。 http://digital.asahi.com/articles/DA3S12636178.html 避難10万人の恐れ イタリア地震(2016/11/01朝日新聞) イタリア中部を連続して襲った大地震で、防災当局は10月31日、支援している避難者の数が1万5千人に上ると発表した。伊メディアによると、政府は避難者の数が最大で10万人に達する恐れがあるとみており、避難先の確保などの対策を急いでいる。伊中部では8月24日にマグニチュード(M)6・2の地震が中部アマトリーチェなどを襲い、298人が死亡。10月26日にもM5・5とM6・1の地震がビッソ近郊で起きた。さらに30日には、ここ36年で最大のM6・6の地震がノルチャ周辺を襲った。現地では強い余震が続いており、前の地震で崩れた建物がさらに崩壊するなど、被害が拡大している。 (声)核兵器禁止、日本は先頭に立て(2016/11/01朝日新聞)無職 百瀬隆(長野県 68) 核兵器を法的に禁止する「核兵器禁止条約」について、来年から交渉を始めるとの決議が、国連総会第1委員会で採択されました。123カ国の賛成多数でした。生物兵器や化学兵器、対人地雷などを禁止する条約はありますが、核兵器そのものを禁止する条約はありませんでした。この条約は、核兵器の違法性を明確にする取り組みなのです。今回、核保有国の米国や英国、ロシア、フランスは反対。中国やインドは棄権し、対応が分かれました。こうした中、唯一の被爆国・日本は米国などに同調し、反対に回りました。信じられないことです。安倍内閣は、米国の圧力に屈したとしか思えません。日本は広島・長崎の原爆の悲劇、米国の水爆実験による第五福竜丸の悲劇を体験しました。原水爆禁止を求める署名運動が広がり、初の原水爆禁止世界大会につながりました。本来、原水爆禁止運動の長い歴史を持つ日本こそ、率先して核兵器禁止に取り組むべきです。日本原水爆被害者団体協議会は「被爆者の願いを踏みにじった」として日本政府の対応に強く抗議しています。被爆者の声を無視し、日本の原水爆禁止運動に水を差したのです。 http://digital.asahi.com/articles/DA3S12636106.html TPP承認案 採決の強行に反対する(2016/11/01京都新聞) http://www.kyoto-np.co.jp/info/syasetsu/ 小池氏政治塾 自民党にどう向き合う(2016/11/01京都新聞) 電力会社の責任回避?(あきこ / 2016年10月30日みどりの1kWh) 福島第一原発をめぐっては東電と政府が2013年、廃炉に2兆円、被災者への賠償と除染に9兆円の計11兆円との見通しを示したが、大幅に超えるとの見方が強まっている。会合で経産省は13年度から15年度までの3年間で廃炉費用は年平均800億円かかったと説明。今後、溶け落ちた燃料を取り出すなど、世界でも前例のない作業に取り組むと「年数千億円程度の資金確保が必要になる可能性がある」とし、廃炉費用は現状の数倍に膨らむとの見通しを示した。ただ現状で2兆円を見込む総額がどれぐらいに膨らむかは明らかにせず、「具体的な費用は年末から年明けをめどに提示する」とした。(後略) 高江ヘリパッド 連日、機動隊が排除、ダンプ砂利搬入(2016/11/01琉球新報) 「挑発する余裕ない」 市民ら、安冨氏論評に違和感(2016/10/31琉球新報) |