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(社説)予算概算要求 危機感の乏しさを憂う(2016/08/31朝日新聞) 「施策の優先順位を洗い直し、無駄を徹底して排除しつつ、予算の中身を大胆に重点化する」来年度予算編成の出発点となる各省庁からの概算要求について、政府が今月初めに決めた基本方針の一節である。言葉は力強い。だが現実はといえば、決意表明はどこへやら、未曽有の財政難への危機感の乏しさに驚くばかりだ。きょう締め切られる概算要求の総額は、3年連続で100兆円を超える。・・・ そうした中で目を引くのが、内閣府が所管する沖縄振興予算だ。要求額は今年度当初より140億円少ない3210億円。米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設計画をめぐって対立する翁長雄志知事を牽制(けんせい)したのでは、ともささやかれる。菅官房長官はそうした見方を否定したうえで「予算については、効果的な政策を実現するために必要に応じて歳出の見直し、不断の努力をするのは当然。沖縄振興予算も例外ではない」と強調した。ならば、問いたい。そうした「不断の努力」をすべての省庁がすべての予算について尽くしたのか、と。 http://digital.asahi.com/articles/DA3S12535686.html (声)自民党総裁の任期延長論は笑止(2016/08/31朝日新聞) 自民党の党則では「総裁任期は連続2期6年まで」と規定されており、安倍首相の党総裁任期は残り2年もある。それなのに、今の時期に延長論を唱えるなど笑止と言わざるを得ない。そもそも自民党は、安倍政権の政策について国民に胸を張れるのだろうか。経済最優先というが消費の低迷は続き、28兆円規模という経済対策も効果を疑問視する声が相次いでいる。「地方創生」「女性活躍」「1億総活躍」などの看板政策も成果をあげているか疑問だ。内外に難問山積の今日、党総裁任期延長など議論している場合だろうか。 http://digital.asahi.com/articles/DA3S12535689.html (声)違憲の疑い消えぬ駆けつけ警護(2016/08/31朝日新聞)無職 岡田進二(岐阜県 58) 安保関連法制で自衛隊の新たな任務となった「駆けつけ警護」の訓練が始まります。南スーダンの国連平和維持活動(PKO)へ派遣される部隊が対象です。治安の悪い国での「警護」の任務が、憲法違反にならないか危惧します。駆けつけ警護は、自衛隊自体が攻撃されていなくても、国連やNGOの職員らが武装集団に襲われた際、その現場に駆けつけ、救助するというもの。当然、武器を使用することがありえます。これまでPKOの任務は、停戦監視やインフラ整備が中心でした。紛争後の混乱した国で、できるだけ早期に住民が平穏な日常生活を取り戻せるようにと、自衛隊は派遣されてきたのでしょう。ですが駆けつけ警護の任務が加われば、活動内容は他国の軍隊とほとんど変わらなくなるのではないでしょうか。小銃などで撃ち合う交戦が十分ありえるからです。特に南スーダンでは大統領派と前副大統領派が争い、和平合意が危機的状況にあるそうです。「警護」のため、一方と交戦すれば、紛争当事者になりかねません。こうした任務は、憲法9条が禁止する海外での武力行使そのものではないでしょうか。 http://digital.asahi.com/articles/DA3S12535690.html?ref=pcviewpage 「永さんがいない世の中、つまらない」 1100人がお別れ(2016/08/31朝日新聞) もんじゅ見直し 廃炉を決めるしかない(2016/08/31京都新聞) http://www.kyoto-np.co.jp/info/syasetsu/ <社説>外国人の子の教育 多言語で「育つ権利」確保を(2016/08/31琉球新報) 今、憲法を考える(3) 明治の論争が試される(2016/08/31東京新聞) ブルキニ騒動 人権大国らしからず(2016/08/31東京新聞) 天風録 「『帰ってきたヒトラー』」(2016/08/31ヒロシマ平和メディアセンター) いま、あの独裁者が現れたら…。そんな設定のドイツ映画「帰ってきたヒトラー」が、広島県内でも封切りされた。どっきりカメラ風に街に出る場面も挟まれ、喜劇と実写とが半々という虚実ない交ぜである▲認知症のお年寄り役がナチスによるユダヤ人大虐殺を思い出し、憤然としてなじる場面もあれば、ものまね芸人と勘違いした若者たちは握手を喜ぶ。ネット上に動画が拡散し、歯に衣(きぬ)着せぬ「彼」は人気者に。民主主義のもろさをあぶり出していく▲ネットで学習した「彼」は、現代ドイツの右派政党も気に入らない。唯一、緑の党に太鼓判を押す。節を曲げぬ自然保護の主張が「守れ、祖国を」と聞こえるらしい。ただ、「反原発は間違いだ。核兵器に利用できるのだから」と難じる▲途端に、客席が凍りついた。日本を疑う海外の目線に通じているからだろう。54基もの原発を回し、原爆数千発を造れるほどのプルトニウムを抱えている▲軍事転用の疑惑を抑えてきた高速増殖炉「もんじゅ」は20年以上、ろくに動かない。いまさら廃炉が国の選択肢とはあきれる。核燃料サイクルによるプルトニウム増産はもはや見果てぬ夢だろう。亡き者には墓場が似合う。 「勝訴より強い」 歓迎の声 上関原発工事 損害賠償訴訟が和解(2016/08/31ヒロシマ平和メディアセンター) 今、憲法を考える(2) 過去幾多の試練に堪へ(2016/08/30東京新聞) 「共謀罪」法案 乱用の恐れなお消えぬ(2016/08/30京都新聞) http://www.kyoto-np.co.jp/info/syasetsu/ (声)命の重みを本気で伝えよう(2016/08/30朝日新聞)主婦 ヴェッツェル吉田優子(神奈川県 36) 埼玉県の河川敷で16歳の少年が遺体で見つかり、少年5人が殺人容疑で逮捕された。またかと思わずにいられない。川崎市の河川敷で中学1年生が殺害されるなど、近年、未成年間の殺人・傷害致死事件が度々起こっている。命がこれほど軽んじられる世の中になってしまったのか。信じがたい思いがする。「人の命を絶つ」ということの意味を、少年たちは理解していたのだろうか。命の尊さを、命の重みを、誰も教えてあげなかったのだろうか。まず家庭で、命の大切さを教えなければならない。親になった以上、与えた命の大切さ、生きているだけで素晴らしいということをわが子に伝え続ける義務がある。学校でも、もっと教えて欲しい。人の命を粗末にしない。ないがしろにしない。このこと以上に、子どもたちに教えるべきことがあるとは思えない。残虐な事件ではあるが、目をそらすことなく、今回の事件を学校でも取り上げ、二度とこのようなことが起きないよう、教訓にしてほしい。学校は子どもが友達と交流する小さな社会。だからこそ、本気で伝えて欲しい。自分の命も、友達の命も、すべての命が同じように尊いのだということを。 http://digital.asahi.com/articles/DA3S12534092.html (声)川内原発、九電は一時停止を(2016/08/30朝日新聞)無職 山手巌(長崎県 78) 鹿児島県の三反園訓(みたぞのさとし)知事が九州電力に、川内原発の一時停止を申し入れた。就任後、周辺を視察し、住民の声を聴くなど現状把握を進めており、その上で選挙の公約を実行した形だ。知事の申し入れでは、機器の点検の重点項目をあげたほか、周辺の活断層の調査や、住民の避難計画への支援強化などを求めている。知事には稼働中の原発を止める具体的な権限はないとはいえ、県民の不安にこたえるのは当然のことだろう。これに対し九電は、一時停止に応じず、稼働中の2基が10月と12月に迎える定期検査まで稼働させるとの見方が有力だ。しかし私は、川内原発をめぐる九電の姿勢に不信感を持っている。熊本地震後も、「設備を点検し、機能が保たれているか確認した。結果として安全に運転されている」などとするばかりで、地震から新しい知見を引き出し、情報公開に努めるといった姿勢が見えないからだ。九電は運転をすぐに停止し、住民の立場に立って、申し入れで指摘されているような点を改めて点検し、情報を公開すべきだ。住民の安全・安心を守り、命を守る。それが公益企業としてとるべき対応ではないか。 94光年のかなたに高度な文明? 「非常に強い信号」を観測(2016/08/30CNN) (ひと)満田康弘さん 元陸軍通訳の「和解の旅」を記録映画にしたテレビ記者(2016/08/29朝日新聞) http://digital.asahi.com/articles/DA3S12532910.html セリフに字幕、情景を音声で 田端に全国初のバリアフリー映画館(2016/08/29東京新聞) (社説)福島の凍土壁 本当に破綻でないのか(2016/08/29朝日新聞) (声)国歌斉唱、思想の自由侵すな(2016/08/29朝日新聞)牧師 大高伊作(千葉県 32) 耕論「スポーツと国歌」(23日)を読み、国歌を歌わない五輪選手に苦言を呈した森喜朗氏を擁護する意見に違和感を持ちました。なぜなら、私はクリスチャンであり、天皇を賛美する歌詞の君が代を歌えません。聖書に記されている神以外を賛美することはできないのです。日本を愛していないわけではありません。大災害の時など、人と人が助け合う素晴らしい国だと思っています。だが、愛国心を国歌斉唱により強制するのは誤りです。国旗国歌法制定の際、政府は「強制はしない」と言いましたが学校現場では守られていません。クリスチャンを含む教師たちが卒業式などで起立斉唱を拒み、戦っています。処分をちらつかせてまで国歌を歌わせる意味があるのでしょうか。どうか人の心を、思想信条の自由を力によって侵すことだけはやめていただきたいのです。 http://digital.asahi.com/articles/DA3S12532832.html?ref=pcviewpage ジュノーが木星に最接近(2016/08/29京都新聞) 原発停止要請 住民の不安受け止めよ(2016/08/29京都新聞) 共生社会の教育 地域で一緒に、実現を(2016/08/29京都新聞) ベルリンで世界の平和を祈る(じゅん / 2016年8月28日みどりの1kWh) 相対性原理を発見したユダヤ系ドイツ人の物理学者アインシュタインが、当時のアメリカのルーズベルト大統領に原爆の開発を進めるよう出した手紙、ナチスドイツが先に原爆の開発に成功することを恐れての手紙だったが、後年アインシュタイン自身、そういう手紙を出したことを後悔したこと、開発に携わったアメリカのチームに属した学者たちは、最初はナチスドイツが原爆を悪用することを恐れたが、のちにはアメリカ政府の悪用を恐れるようになったことなどを博士は話した。ハウバー博士の講演の前半は、広島に原爆を投下したエノラ・ゲイ号のパイロットの言葉で終わる。原爆投下後広島の街を見下ろした。それは燃えたぎる黒い油の入った巨大な鍋のようだった。この燃えたぎる油の黒い大きな鍋の中には、大勢の人間がいた。即死した人は少なくとも7万人、原爆の後遺症でのちに亡くなる人の数は、正確には決してわからない。爆心地から1キロ以内にいた人は86%が即死、地上は摂氏1000度以上、ガラスや鉄も溶けアスファルトは燃え、巨大な火の玉が毎時250キロの速さで動いたという。 http://midori1kwh.de/2016/08/28/8499 <社説>「共謀罪」提出へ 民主主義崩す「悪法」だ(2016/08/29琉球新報) 太陽系から最も近い地球型惑星発見、過酷な環境(2016/08ナショナルジオグラフィックス) 2000年から2014年にかけて散発的に行われた観測から、プロキシマの周りを約11日の周期で公転する惑星の存在が示唆されていたが、その信号は不明瞭で、惑星があると断定するには至らなかった。・・・ HARPSは毎晩プロキシマの動きを測定し、科学者たちはそのデータが1つずつ入ってくるのを辛抱強く待った。すでに知られているのと同じ11日周期の信号は、すぐに見つかった。しかし、英クイーン・メアリー大学のギエム・アングラーダ-エスクデ氏は、20日ほど観測を続けた後に、ようやく自分たちが惑星を発見した可能性があると認めた。彼はさらに10日観測を行ってから、この発見について報告する論文を書きはじめた。観測データは、プロキシマbの質量が地球の1.3倍、公転周期は11.2日で、主星からの光は弱いが、表面に液体の水が存在できる程度の距離にあることを示している。 |
メルケル首相、EU内で積極外交 難民やテロ対策で結束図る(2016/08/28東京新聞) (社説)民進党代表選 20年後の日本を示せ(2016/08/28東京新聞) 確かに現状は極めて厳しい。 7月の参院選も自民、公明両党に大勝を許した。共産党などとの野党共闘で、3年前の前回選挙より議席を増やしたとはいえ、前途は険しい。・・・ アベノミクスは3年半たっても首相自身が「道半ば」と認めている。原発依存への回帰は明らかだ。憲法違反と批判された安全保障法制を強引に成立させた。そんななか、所得格差の拡大や中間層が細ることへの懸念が広がる。・・・「自立した個人が共生する社会」「コンクリートから人へ」「新しい公共」。旧民主党以来、この党が掲げてきた理念は一定の共感を得てきた。だが、3年余の政権運営の失敗で見放された。人々が安心できる未来図を説得力をもって示せれば、いま一度、国民の信を取り戻せるかもしれない。 (声)私立小中通学への補助金に疑問(2016/08/28東京新聞)団体職員 佐野明人(静岡県 62) 文科省は、私立小中学校に通う子どもがいる年収590万円未満の世帯に年間10万〜14万円を補助する方針を決めた。様々な理由で私立小中学校を選択せざるを得ない家庭があることは理解する。しかし、原則無料の公立小中学校が全国津々浦々にある中で、私立への通学に補助金を出すことは、いま国が優先して取り組むべきことだろうか。私立小中学校は都会に偏っている。そこに私立の授業料を補助すれば、都市と地方の教育環境格差を助長する恐れがある。しかも、授業料を補助すると、学校は授業料を上げやすくなり、結局、学校に税金が吸い取られかねない。公立のいじめが原因で私立に通う子どももいると言うが、いじめは全国共通の問題。文科省は学区外への柔軟な通学や、いじめが起きない環境整備など、公立義務教育のいじめ対策にこそ優先して取り組むべきだ。所得格差の広がりで、貧困で給食費も払えない家庭や、学力があっても高等教育を受けられない子どもも増えている。安易な家庭への金銭給付より、そうしたより深刻な問題への対策を講じるのが、国の施策の王道ではないか。 週のはじめに考える 演説を残した大統領(2016/08/28東京新聞) イタリア地震、発生「72時間」(2016/08/27京都新聞) 沖縄振興予算 基地問題につなげるな(2016/08/27京都新聞) 三反園知事 真価は秋に試される(2016/08/27東京新聞) <社説>沖縄平和賞 難民生まない社会実現を(2016/08/27琉球新報) |
(街頭政治 SEALDsが残したもの:8)異論許さぬ空気と戦った(2016/08/26朝日新聞) (声)若い世代 沖縄戦、同世代の悲劇に驚く(2016/08/26朝日新聞)中学生 新谷弥咲(福岡県 13) 朝日新聞の教育特集「知る沖縄戦」にある「ひめゆり学徒隊」の方の体験談を読みました。元学徒の島袋淑子さんが戦争で大勢の友達を失ったことや、手当てをしなければならない兵隊さんが日に日に増えていったことが書かれていました。自分よりたった2歳上の人が殺されたり、自分のやりたいこともできずに死んでしまったりした沖縄戦。今ではとても考えられない日本があったことを知って、とてもおどろきました。戦争は罪もない人の命をうばっていく。二度と繰り返してはいけないと改めて思いました。また自分の命を粗末に扱ってはいけないことも知りました。私に今できることは、小さなことで人とけんかをしたり、自殺をしたりしないことです。この二つを忘れずに、これからも生きていこうと思います。 自衛隊新任務 国会での議論は十分か(2016/08/26東京新聞) 虐待10万件超 幼い心を傷つけるな(2016/08/26東京新聞) 全国の児童相談所が二〇一五年度に対応した児童虐待の件数は初めて十万件を突破し、過去最多を更新した。痛ましい虐待死は後をたたない。子どもを守るため、あらゆる手だてを講じてほしい。「産まなきゃよかった」「俺の子じゃない」「帰ってくるな」「出てけ」「殺すぞ」−。赤や青色のインクで書かれた言葉の数々に息苦しくなった。親など「大人に言われて嫌だった言葉」を書き込んだボード。東京都内で開催されていた企画「私たちは『買われた』展」の作品の一つだ。「援助交際」や「JKビジネス」に足を踏み入れた女子中高生らが自らの体験や思いを伝える企画だが、これに至るまでの背景には家族による虐待や貧困などがある。リストカットを繰り返すなど、心の傷に苦しむ女性も多いという。 児童虐待件数は二十五年連続で増えている。特に言葉や態度で子どもを傷つける「心理的虐待」が急増し、全体の五割弱を占める。・・・虐待で亡くなった子どもは一三年度までの十年間で五百人を超える。事態は深刻であり、迅速な対応は待ったなしだ。 沖縄振興140億円減 辺野古対立が影響か 来年度概算要求(2016/08/26東京新聞) 内閣府が二〇一七年度予算案の概算要求段階で沖縄振興予算を前年度当初よりも減額したのは、辺野古沖での米軍新基地建設に反対する翁長知事を安倍政権がけん制したと受け取れる。振興予算は終戦から二十七年間、沖縄県が米軍の施政下にあり復興や経済成長が遅れたことや、本土から遠く離れた事情をくんで米軍基地問題とは直接結び付けないとして、長年計上してきた。安倍政権も一三年度以降、「三千億円台確保」を維持してきた。だが、予算の推移をみると、県側の基地問題への協力姿勢が予算額に反映する傾向が見える。仲井真弘多(なかいま・ひろかず)前知事が一三年十二月に新基地建設に必要な公有水面の埋め立てを承認した時の一四年度当初では、概算要求を上回る額が計上された。仲井真氏が知事選を控えた一五年度概算要求は三千七百九十四億円に達した。だが、翁長氏の知事就任直後の一五年度当初は概算要求より四百五十四億と大幅に減少し、前年度当初よりも減った。一六年度は概算要求で前年度要求から大幅に減った。 駆け付け警護 立ち止まって再考せよ(2016/08/26京都新聞) マヤを支配した蛇の王国(2016/ナショナルジオグラフィックス) 動き出す安保法 駆けつけ警護、訓練開始へ 南スーダンPKO(2016/08/25朝日新聞) (あすを探る 憲法・社会)生前退位、明確な基準必要 木村草太(2016/08/25朝日新聞) 憲法は、国民に対し、表現の自由(21条)や職業選択の自由(22条)など、様々な人権を保障している。しかし、天皇には、職業選択の自由もなければ、自由な表現活動や宗教活動もできない。憲法学説には、天皇は憲法上の権利を持たない特殊な身分だと説明する見解と、天皇も憲法上の権利を保有するが、象徴の地位にあるため権利行使が制限されると説明する見解がある。いずれにせよ、天皇が行使できる権利はほぼないとの結論に違いはない。人権保障の理念からすれば、天皇の地位に伴う人権制約の負担は、できる限り少なくすべきだろう。憲法学者や法思想史学者の中には、以前から、生前退位を認め、天皇の地位に就く人の人権回復への道を開く必要があるとの主張があった。もっとも、生前退位の制度が、政治利用されることは絶対に防がなくてはならない。そのためには、生前退位のための明確な基準や厳格な手続きを設ける工夫が必要になるだろう。・・・今回の天皇陛下のお言葉を聞いて、国民統合の象徴として、「人々の傍らに立ち、その声に耳を傾け、思いに寄り添うこと」を大切にしてきたという高い倫理観に、尊敬の念を覚えた。しかし同時に、不安も感じた。国民の側から、後代の天皇にそうした高い倫理観を期待するようなことになれば、天皇にとってあまりにも過大な負担となる。象徴天皇を維持したいのであれば、政治家は天皇の政治利用をしない、国民も過度な期待を押し付けない、そうした慎みが不可欠だろう。 「報道の自由、機動隊が侵害」沖縄2紙抗議 ヘリパッド移設工事の取材(2016/08/25朝日新聞) 『論』 8月15日の「儀式」 時流に抗するとりでを(2016/08/25ヒロシマ平和メディアセンター) |