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20182019


<POINT NEWS176>2016/08/16・・・(ヒューマニズムの視点で捉えよう、判断しよう)

sankaku176sankaku
2016/08/16sankaku08/24

 


増え続ける宅配便 届ける力、早く細かく37億個(2016/08/24朝日新聞)
国内の宅配便数が爆発的に増えている。昨年度は37億個を超え、過去最高を更新。直近の5年間でも5億個以上増えた。押し上げているのはネット通販の普及だ。早く、ストレスなく――。商品を受け取るためのサービスも進化が続く。ただ、支える物流の現場ではドライバー不足が深刻化する。その最前線をみた。・・・

しわ寄せ、ドライバーに

 「国内物流の生命線はトラックだ」(国交省幹部)。日本の貨物輸送は、多くをトラックが担っている。ネット通販の商品が、早く正確に届けられるのも、トラック輸送の充実によるところが大きい。ただ足もとでは、ドライバー不足が深刻化している。国交省などは15年9月、全国1252の運送事業者を対象に実態調査を実施。68・8%の事業者が「(ドライバーが)不足している」と答えた。対応について、38・0%が「休日出勤」、24・5%が「早出残業」と回答した。ドライバーに、過酷なしわ寄せがきているのが実情だ。

http://digital.asahi.com/articles/DA3S12525389.html

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自民の総裁任期  延長におごりが透ける(2016/08/24京都新聞)
 安倍晋三首相の自民党総裁としての任期の延長論が党内で浮上している。総裁任期は2018年9月までだが、長期政権を視野に入れ、「連続2期(6年)まで」と多選を禁じた党則を改正する議論が活発化しそうだ。かつて自民の長期政権が続いた時代には総裁任期が首相の「独断専行」に歯止めをかける効果があった。「安倍1強」とされる党内状況を踏まえれば、任期延長は慎重に議論すべきではなかろうか。・・・2006年発足の第1次安倍政権以降、民主党の野田佳彦政権まで6首相が毎年交代した。政治の安定性を欠き、国際的な発言力が低下するなど弊害が目立った。揺れ動く国際情勢に対応するには長期政権による強いリーダーを求める意見があるのも確かだ。しかし共同通信社の世論調査では安倍首相の総裁任期延長は「しない方がいい」が52・5%で、「した方がいい」の37・8%を上回り、必ずしも肯定的に受け止められていない。「安倍1強」体制の継続に国民の警戒感が表れたとも言え、総裁任期の拙速な延長は民意との乖離(かいり)を招くことになる。
http://www.kyoto-np.co.jp/info/syasetsu/

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筆洗/「秋は、根強い曲者(くせもの)である」と書いたのは太宰治である。(2016/08/24東京新聞)
太宰によれば、<秋ハ夏ト同時ニヤッテ来ル>のであるが、人は夏の炎熱にだまされて、それを見破ることができない。「秋は、ずるい悪魔だ。夏のうちに全部、身支度をととのえて、せせら笑ってしゃがんでいる」▼リオ五輪一色の夏だったせいもあるが、閉幕と同時に夏のしまい支度や忍びこんでいた秋に気づく方もいるだろう。子どもたちも夏休みの「閉幕」が迫っていることにあわてふためき、山積みの宿題を前に「秋は、ずるい悪魔だ」と怒っているか・・・宿題よりも深刻な問題がこの時期にもう一つある。九月一日である。夏休みの期間と関係があろうが、内閣府によると、その日は一年のうちで子どもの自殺が最も多い日という▼秋が夏の間に忍びこむように子どもの心にも抱えきれぬ悲しみが侵入し、それが子どもを連れていってしまう。何としても食い止めたい▼目を凝らす。耳を澄ます。声を掛ける。手で触る。どんな兆候も見逃すまい。これは重い重い大人の夏の宿題である。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2016082402000136.html

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<社説>着陸帯抗議で負傷者 全ての責任は政府にある(2016/08/24琉球新報)
米軍北部訓練場のヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)に対する阻止行動で、機動隊の強制排除により2人の負傷者が出た。過度の警察活動に自制を求めるとともに、改めて政府の責任を指摘したい。住民、市民との激しい対立を生んだ原因者は政府だ。反対の声を無視し工事を強行したことが負傷者を出す事態を招いた。緊迫を深める局面を放置し、なお住民との対話を拒んだまま新たな負傷者、重大事故を招くことがあれば、全ての責任は政府にあることを指摘しておく。・・・先日は本紙記者が現場から排除、拘束される事態もあった。報道の自由、知る権利の侵害、基地建設に反対する市民の表現の自由の侵害と、憲法違反を疑われる事態が続いている。県民の反対を無視し、あくまで建設を強行する政府の下請け機関の立場に、警察は自らをおとしめてはいないか。「個人の権利と自由を保護し、公共の安全と秩序を維持」(警察法第1条)することが民主警察の在るべき姿だ。基地建設の「国策」防護に偏り、「個人の権利と自由の保護」を忘れては国民、県民の信頼は得られない。
http://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-343115.html

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行方不明のNASA探査機、2年ぶりに通信復旧(2016.08.24 Wed posted at 11:03 JST)
(CNN) 米航空宇宙局(NASA)は、消息が分からなくなっていた太陽探査機「ステレオB」との通信がほぼ2年ぶりに復旧したと発表した。ステレオBはもう1基の探査機「ステレオA」と連動して太陽の探査を行っていたが、2014年10月、タイマーのテスト中に通信が途絶えた。テストは太陽が探査機と地球の通信を遮る位置にあるときに行われた。その後もNASAはステレオBを探し続け、巨大無線アンテナの「ディープ・スペース・ネットワーク」を使ってようやく発見。21日に再び通信を確立することに成功した。今後も観察を続けて探査機の状態を調査する。一方、ステレオAはこの間も正常に作動し続けていた。ステレオAとBは2006年10月に打ち上げられ、地球の軌道の前後に配置されて、太陽から地球へのエネルギーや物質の流れを観測している。
http://www.cnn.co.jp/fringe/35087925.html?tag=top;topStories

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むのさん逝く ジャーナリズムを貫く(2016/08/23東京新聞)
百一歳のジャーナリスト、むのたけじさんが亡くなった。新聞記者として戦争取材にかかわった自責の念を戦後の原点とした。戦争を憎み、平和を求める。発言や行動には反骨精神が貫かれていた。「戦争を絶滅する」。人間を幸せにしない。肯定できる要素は何一つない戦争。人類がどうやったら争いなく暮らせるのか。それがむのさんが生涯かけて考え続けたことであり、願いだった。・・・憲法改正に警鐘を鳴らし、安全保障関連法案に反対を唱えたむのさん。百歳を迎えても人々は、むのさんの発言を求めた。公の場での最後の発言は五月三日、東京で開かれた憲法集会だ。車いすで現れたむのさんは白い髪を風になびかせ、張りのある大きな声で語った。「戦争は人間をけだものにする。ぶざまな戦争をやって残ったのが憲法九条。九条こそが人類に希望をもたらす。憲法のおかげで、戦後七十一年間、日本人は一人も戦死せず、相手も戦死させなかった」戦後生まれが人口の八割を超え、戦争体験の継承もまた切実な課題だ。むのさんは言った。三百六十五日、日々の営みの中で考えよう。どうしたら戦争をなくせるか、平和を実現できるか。「戦争は始まったら止められない。大切なのは、七十億分の一が変わること。一人一人の力だ」。戦後の暗闇を照らした「たいまつ」の精神を私たちは受け継いでいきたい。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016082302000131.html

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ブレグジットは、エネルギー政策上イギリスの自殺行為?(じゅん / 2016年8月21日みどりの1kWh)
イギリスのEU 離脱が、同国の原発新設計画に影を投げかけている。キャメロン前首相が力を入れてきたイギリス南西部、サマセット州のヒンクリーポイント原発に原子炉2基を新設する計画(ヒンクリーポントC計画)を、メイ新政権が再検討する姿勢を示したためだ。ヒンクリーポイントC計画は、フランス電力公社(EDF)が主導してフランス製新型原子炉を新設する計画だが、同原子炉に技術的欠陥があることが判明したなどで計画が遅れ、費用も当初の予定より大幅に上回り、建設費総額は180億ポンド、約2兆4100億円に上る見込みといわれる。イギリスのキャメロン前政権は、原発で発電した電力を現行の2倍もの電力価格で35年の長きにわたって買い取ることを保証するなど、前例のないほどの財政優遇措置を発表して、この計画に全面支援を約束していた。さらには膨大な額の資金の不足を補うため、中国の広核集団(CGN)などが参加することになり、習近平国家主席が昨年10月イギリスを訪問してキャメロン首相との間で建設費の33.5 %を出資することなどで合意していた。

・・・イギリスの現在のエネルギー政策は、持続可能でもなければ、財政的に可能でもなく、何よりも極めて危険である。イギリス政府はこれまで、真に持続可能なエネルギーへの転換を目指す努力を怠ってきた。その犠牲としてイギリス国民は高いエネルギー代を払わなければならない。これまではEUもそのために助成金の形で高い代償を支払うことになっていた。しかしそれも、今は終わりだ。EUの助成金なしでは、それでなくても、高くつきすぎる原発新設計画は、支払い不能に陥るだろう。新設原発に35年間もギャランティーを与え、高い電気代で消費者に重い負担を要求するような前政権独特の政策に対する疑問は、これまで以上に強くなるだろう。既にイギリスの信用状態のランクは引き下げられている。原発新設費用の大部分を負担するフランスの原子力公社EDFの財政状態はひどく悪化している。何れにしても原発新設計画は、経済的に割の合わないものであり、今後は一段と高くつき、イギリス国民の首を締めることになる。・・・一方、再生可能エネルギーの増加を伝えるニュースも相次いでいる。今年1月から3月までのイギリスの再生可能エネルギーの発電比率は前年同期に比べ2.3%伸び、25.1%となったこと、その半分が風力発電によることがこのほど判明した。再生可能エネルギー供給量拡大に向けた取り組みが確実に効果を現しはじめたと受け止められているが、特に、スコットランドでは8月7日、風力発電による発電量が全電力需要量を超えたことが明らかになっている。スコットランドは2030年までに、全エネルギー需要の半分を再生可能エネルギーでまかなうことを計画しているという。そのスコットランドがEU残留を望み、英連邦離脱も視野に入れていることは、周知の事実だ。

http://midori1kwh.de/2016/08/21/8483

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蓮舫氏、代表選で格差是正を前面 リベラル系は支持伝達(2015/08/23琉球新報)
9月の民進党代表選への立候補を表明した蓮舫代表代行は23日、東京都内の日本外国特派員協会で記者会見し、貧困対策など格差是正を前面に掲げて支持を訴える意向を表明した。これに先立ち、執行部派で約20人のリベラル系グループを率いる赤松広隆前衆院副議長は代表選で蓮舫氏を支持する方針を正式に伝えた。
http://ryukyushimpo.jp/kyodo/entry-342926.html

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排水の放射性物質濃度上昇(2016/08/23共同通信)
福島原発、降雨で汚染土砂流入か/東京電力は23日、福島第1原発の1〜4号機建屋の西側を通る「K排水路」で、流れ込んだ雨水から、ベータ線を出す放射性物質を1リットル当たり2300ベクレル検出したと発表した。21日の分析では230ベクレルだった。台風に伴う降雨により、建屋周辺の汚染土砂が流れ込み、濃度が上昇したとみられる。東電によると、K排水路は第1原発構内の雨水などを集めて港湾内に排出している。検出は22日午後9時半ごろで、同日午後11時40分ごろの分析では、740ベクレルまで下がっていた。東電は、排水路の水から3000ベクレル以上の放射性物質検出で、排水停止する運用基準を定めている。
http://this.kiji.is/140664810103178741?c=39546741839462401

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福島第1原発、汚染地下水あふれる恐れ 台風9号の降雨影響(2016/08/23福島民友)
東京電力は22日、台風9号による降雨の影響で、福島第1原発の護岸に設置された井戸から汚染地下水が地上にあふれ、港湾内に流出する恐れがあると発表した。地下水があふれ出ないよう、東電は護岸に設置された五つの井戸「地下水ドレン」などから、断続的に地下水をくみ上げている。東電によると、22日午後4時50分現在、海抜約4メートルの護岸地上に対し、観測用井戸で測定された地下水位は約3メートル50で余裕は約50センチしかなかった。・・・地下水ドレンからくみ上げられた地下水は一時、中継タンクに保管される。東電が12日に採取した中継タンクA内の放射性物質濃度は、セシウム134が不検出、セシウム137が1リットル当たり9.9ベクレル、ストロンチウム90などベータ線を出す放射性物質が同4700ベクレル、トリチウム(三重水素)が同3334ベクレルだった。
http://www.minyu-net.com/news/news/FM20160823-102935.php

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(社説)戦後71年の夏に 亡き人の声に耳をすます(2016/08/21朝日新聞)

 広島と長崎の原爆忌。そして終戦の日。お盆も重なり、8月は、いまはこの世にいない人への思いが深まる。敗戦から71年の夏。放送で、活字で、体験を踏まえて、反戦と平和を語り続けた人たちの訃報(ふほう)が続く。亡き人たちの声に耳をすませてみる。この夏もラジオから、評論家、秋山ちえ子さんが読む「かわいそうなぞう」が流れた。戦争中、動物園のゾウが殺された実話をもとにした童話だ。秋山さんは40年以上、終戦の日に合わせて、朗読を続けてきた。ご本人は4月に99歳で世を去ったが、思いは引き継がれた。秋山さんがラジオに関わり始めたのは戦前。結婚して中国に渡り、戦後、再びマイクの前に戻った。連合国軍総司令部(GHQ)の民間情報教育局の指導の下、女性を啓発するNHKの番組で、暮らしの話題や時事問題などを伝えた。その後は1957年から2005年まで、TBSラジオで番組を持った。

もし戦争中日本にいたら「お国のために戦ってくださいというような放送をしていたのではないか」と語っていた。番組の事前録音を好まないのは「生放送にしておかないと、戦争が始まりそうな時に『反対しましょう』と言えないから」だった。放送が国策の宣伝に使われた時代、そしてGHQの検閲を肌で知る人の冷徹な見方である。

「焼け跡闇市派」を自称した作家の野坂昭如さんは、昨年12月に85歳で亡くなった。14歳で神戸大空襲を体験。栄養失調で妹を失った体験を踏まえた小説「火垂(ほた)るの墓」は、過酷な体験を世代を超えて伝えている。「戦争でひどい目に遭うのは年寄りや子供など力の弱い者」と、03年に病に倒れた後も反戦を訴え続けた。亡くなる直前も、ラジオ番組に寄せた手紙で警鐘を鳴らした。〈(日本は)たった1日で平和国家に生まれ変わったのだから、同じく、たった1日で、その平和とやらを守るという名目で、軍事国家、つまり、戦争をする事にだってなりかねない〉この手紙を受け取った永六輔さんも先月、83歳で逝った。作詞、文筆など多彩に活躍したが、旅に暮らし、各地の人々の営みをラジオにのせるのをライフワークにした。・・・ 

今の安倍政権はテレビに神経をとがらせる。政府と違う見方を伝えたニュースを首相が「偏っている」と非難し、政権はことさら「政治的公正」を言い立てる。先月の参院選では報道時間が大幅に減った。自民党の部会は、学校で中立を逸脱している事例を募った。その例に当初は「子供たちを戦場に送るなと主張する先生」を挙げていた。憲法で言論・表現の自由が保障されているのに、ものを言いにくい空気がよどむ。同調圧力が高まり、忖度(そんたく)が人々の口を重くする。疑問を抑えて集団に合わせることを拒み、「個」を貫いた巨泉さんの姿勢が、いまの世に問いかけるものは大きい。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12521352.html

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脱原発テントを強制撤去(2016/08/21共同通信)
東京地裁は21日未明、脱原発を訴える市民が国への抗議の拠点として東京・霞が関の経済産業省敷地内に設置していたテントを強制撤去した。立ち退きを命じた昨年10月の東京高裁判決が、今年7月に最高裁が市民側の上告を退けて確定したことを受け、国が強制執行を申し立てていた。午前3時半すぎ、暗闇の中で東京地裁の執行官が強制執行に着手してテントを次々と解体し、トラックに積み込んでいった。テントは東京電力福島第1原発事故をきっかけに、2011年9月以降、50平方メートル分の敷地に計3張りが設置されていた。1張り目の設置から、1800日超が経過していた。
http://this.kiji.is/139846745016649213?c=39546741839462401

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吉永小百合さん「海兵隊を東京に持ってきたら・・・」(2016/08/21沖縄タイムス)
 女優の吉永小百合さん(71)が9日発売の週刊誌「女性自身」(23、30日合併号)で、東村高江周辺のヘリパッド建設に住民らが反対していることに触れ「そんなに必要なら海兵隊を東京に持ってきたらどうかと思うくらい、申し訳ない気持ちがある」と心境を吐露した。「新しい戦前」の到来をテーマにした東京大学名誉教授の姜尚中さん(65)との緊急対談で明かした。吉永さんが高江のヘリパッド建設問題に言及するのは初めて。吉永さんは政府に「言葉では言い表せないほどつらい経験をしてきた沖縄の人たちに、もっと人間らしい対応をしてほしいと思う」と要望。一方で「なかなかそういう思いは、政治に反映されない。どういう形で政治をチェックし、参加していけばいいか思い悩んでしまう」とも述べ、複雑な思いをのぞかせた。姜さんが「今こうして話している間も、高江集落で建設反対の住民に、政府の荒っぽい弾圧がある」と触れたことに応じた。2人は対談で、安保関連法案や改憲の動きに触れ、日本が「新しい戦前」に向かいつつある危機感を共有。吉永さんは「人と人が手を携え、思っていることを声に出していくこと。戦後71年、ここからが大事。戦後が80年、100年と続くように」と語り、憲法9条を守る大切さを訴えた。
http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/58457

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機動隊が記者排除し閉じ込め 東村高江 弁護士「報道の自由侵害」(2016/08/21琉球新報)
朝から抗議行動をしていた市民ら約50人は、東村高江のN1地区ゲート前から南下し、工事車両の搬入を止めようと県道70号の高江橋の上に座り込んだ。午前10時25分、南側から約30人の機動隊員が近づき、座り込む人たちの腕や体をつかんで強制的に排除した。排除される際、本紙記者は機動隊員に腕章を示した上で「琉球新報だ」と訴えたが、解放されず、その後、閉じ込められた。現場にいた小口幸人弁護士は「記者排除は大問題だ。国家権力が、強制力を持って市民を排除する場から記者を排除して、報道させないのは、報道の自由の根幹部分の侵害だ。絶対に許してはいけない行為だ」とした。・・・強く抗議する普久原均琉球新報編集局長の話 本紙記者は琉球新報の腕章を身に着け、住民の抗議行動を記録するための正当な取材をしていた。現場には県民に伝えるべきことがあった。警察の妨害によって、その手段が奪われたことは大問題だ。警察官が記者を強制的に排除し、行動を制限した行為は報道の自由を侵害するもので、強く抗議する。
http://ryukyushimpo.jp/movie/entry-340617.html

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(声)匿名での書き込みは卑劣な行為(2016/08/21朝日新聞)無職 牛島芳一(神奈川県 69)

 「おかしい」。いつもそう思う。インターネット上での匿名での発信だ。相模原市の障害者施設で起きた殺傷事件に関連して、容疑者の言動に賛同する匿名の書き込みを読んだ時、この思いがさらに強い怒りを伴って高まった。自己主張がしたいなら、正々堂々と氏名を明らかにすべきだ。そして自分の言葉に責任を持つべきだ。自分は名乗らずに意見を主張したり、人を中傷したりすることは、卑劣で恥ずべき行為だ。言論の自由に値しないし、むしろ、それを脅かす行為だ。古代中国の思想書「荘子」を思う。かめで田に水を入れる老人に、孔子の弟子の子貢が、つるべ井戸が便利だと勧める。老人は「機械は便利だが、そのうち機械を頼りにする心が生まれ、人間は素朴さを失い、精神の制御が不安定になる」と答えた。IT機器は便利だが、精神の制御が不安定になる人間が増えているのではないか。ゆえに匿名での情報発信が横行しているのではないか。ネットでの匿名は人心を荒廃させ、犯罪にもつながりかねない。法的規制も含め、ネット上での実名発信を強く強く求める。

http://digital.asahi.com/articles/DA3S12521356.html

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(声)ネット世界の無法状態に警鐘(2016/08/21朝日新聞)大学名誉教授 胡口靖夫(東京都 75)

 「植村氏長女を中傷 賠償命令」(4日朝刊)を読んだ。私は思わず、内心で「とても画期的な判決だ」と快哉(かいさい)を叫んだ。元朝日新聞記者の植村隆氏の長女が、ツイッターで氏名や写真、自身への中傷を投稿されて精神的苦痛を受けたとして、投稿した関東在住の40代の男性に対して170万円の損害賠償を求めた訴訟。裁判長は、男性に全額を支払うよう命じた。判決は、植村氏が朝日新聞記者時代の慰安婦報道をめぐってバッシングを受けている中で「高校生だった長女の恐怖と不安は耐えがたいものだった」と指摘した。私もかつてネット上で、拙著への中傷を匿名で受けた経験がある。持って行き場のない怒りと、気味の悪さを感じた。今回の判決は、ネット世界の無法状態に対して大きな警鐘を鳴らしたことは間違いない。この流れが強まることを期待する。提訴した長女の大いなる勇気をたたえるとともに、人格を傷つける卑劣な行為は許さないという裁判長の英断に、心から敬意を表したい。

http://digital.asahi.com/articles/DA3S12521355.html?ref=pcviewpage

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むのたけじさん死去 101歳のジャーナリスト(2016/08/21朝日新聞)
「戦争絶滅」を訴え続けたジャーナリストむのたけじ(本名・武野武治)さんが21日、老衰のため、さいたま市の次男宅で死去した。101歳だった。葬儀は未定。 朝日新聞記者時代に終戦を迎え、「負け戦を勝ち戦のように報じて国民を裏切ったけじめをつける」と終戦の日に退社。ふるさとの秋田県に戻り、横手市で週刊新聞「たいまつ」を創刊。1978年に780号で休刊してからは、著作や講演活動を通じて平和への信念を貫き通した。・・・100歳になった昨年は戦後70年で「歴史の引き継ぎのタイムリミット」といい、講演で各地を飛び回った。今年5月3日に東京都江東区の東京臨海広域防災公園で行われた「憲法集会」でのスピーチで「日本国憲法があったおかげで戦後71年間、日本人は1人も戦死せず、相手も戦死させなかった」と語ったのが、公の場での最後の訴えとなった。

http://digital.asahi.com/articles/ASJ8P2DW1J8PUJUB001.html?iref=com_alist_8_02

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甘利氏の責任  国民への説明を尽くせ(2016/08/20京都新聞)
甘利明前経済再生担当相らの現金授受問題に関連し、あっせん利得処罰法違反容疑で告発された甘利氏の元秘書2人について、東京地検特捜部は再び不起訴処分(嫌疑不十分)とした。5月に出した最初の不起訴処分を東京第4検察審査会が「不当」と議決したのを受け再捜査していた。議決が「起訴相当」ではなかったため検審は再審査に進まず、すでに不起訴が確定している甘利氏も含め一連の捜査は終結する。釈然としない結果である。元秘書は、都市再生機構(UR)と道路工事をめぐる補償交渉を進めていた千葉県の建設会社の担当者から陳情を受け、UR職員と10回以上面会。その後、補償金は上積みされ、約2億2千万円で決着し、元秘書は会社側から500万円を受け取った。共同通信の取材に会社側は「補償交渉を有利に進めるため口利きしてもらった謝礼や経費だった」と説明、ほかにも計800万円を元秘書らに提供したと証言した。有力政治家の威光を背景にした口利きの構図は明らかであり、検審が「現金受領は補償交渉の謝礼とみるのが普通で、不起訴は納得できない」と再捜査を求めたのは当然だろう。・・・ 捜査終結で3人の刑事責任が問われる可能性はなくなったが、甘利氏には、政治とカネをめぐる不信を招いた責任と現金授受の経緯などについて国民への説明義務がある。今年1月の閣僚辞任表明以降、病気療養を理由に国会を欠席し、閉会に合わせるように政治活動を再開した。だが、弁護士による調査結果を公表するとした約束はいまだに果たされていない。甘利氏の事務所は再び不起訴となったのを受け、「元秘書らが法に触れるようなことはしていないと信じていたので安堵(あんど)した」とのコメントを出したが、法に触れなければ済む話ではあるまい。国民に納得のいく説明がない限り、幕引きにはできない。
http://www.kyoto-np.co.jp/info/syasetsu/20160820_4.html

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<福島第1>遮水壁 規制委「効果見られず」(2016/08/19河北新報)
 原子力規制委員会は18日、東京電力福島第1原発の廃炉作業に関する検討会合を開いた。東電が汚染水の発生抑制策として3月末から運用している凍土遮水壁について、規制委側から「効果が見られない」などと厳しい指摘が相次ぎ、効果を主張する東電側が釈明に追われた。・・・7月の流入量は1日当たり約170トンで、凍結前の3月に比べて減ったのは20トンほど。遮水壁を通過してしまい、井戸からくみ上げられる地下水の量も当初の想定を上回っている。
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201608/20160819_63011.html

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社説 シールズ解散 若者の問い どう生かす(2016/08/19ヒロシマ平和メディアセンター)
 安全保障関連法や憲法改正に反対する学生たちで昨年5月に結成され、活動を続けてきた若者グループ「SEALDs(シールズ)」が今月15日で解散した。国会前での斬新なスタイルによるアピール活動などが耳目を集めてきた。解散翌日の記者会見で、メンバーの一人はこう語っていた。政治参加が当たり前の文化をつくりたかった、と。今こそ政治に関心を持って声を上げる真の主権者になるべきだという意味だろう。無名の若者たちが投じた一石はやはり重い。  一つの社会現象となったのは柔軟な感性を生かした行動のスタイルゆえではないか。

国会前では打楽器のリズムに乗せて、「民主主義って何だ」「勝手に決めるな」と声をからした。さらに会員制交流サイト(SNS)の情報発信で緩やかに連帯する手法も斬新だった。昔ながらのデモ行進などとは違う参加しやすさから幅広い世代が連なり、その輪には中高年や幼子を連れた女性らの姿が見られたのも印象的だった。・・・「若者が政治的にイエス、ノーを言うことがこんなにも大変なのかと感じた」という解散の弁も聞かれた。考えを異にする側からの強い批判のほか、露骨な妨害もあったようだ。わが国の政治土壌の貧しさを思う。未来を担う世代を巻き込んでこその政治である。憲法改正の是非をはじめ、国民的議論が欠かせない問題がこれから山積している。賛否どちらであっても一人一人が自分の考えを持ち、その民意を政治の側ができる限りくみ取ることが求められる。若者たちの1年余りの問いかけを政治の現場に生かしたい。
http://www.hiroshimapeacemedia.jp/?p=63784

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(核といのちを考える)核先制不使用、険しき道 オバマ氏、「核なき世界」へ前進探る(2016/08/19朝日新聞)

大統領就任直後の2009年4月に「核兵器のない世界」を提唱したオバマ氏は、この理想に近づけるため布石を打ってきた。10年に発表した米核戦略の見直し(NPR)では、核不拡散条約(NPT)を順守する非核国には核攻撃も、核攻撃すると脅すこともしないと初めて示した。・・・ ホワイトハウス当局者は、核抑止力が弱まるとの懸念が出ていることについて、「(先制不使用宣言によって)核兵器が減るわけではなく、象徴的な意味が強い」とも説明する。質量共に圧倒的な核兵器能力を持つ米国は、核先制不使用を宣言しても抑止力は弱まらないとの見方だ。・・・ 先制不使用には、核軍縮を促す効果があるとされる。すべての核保有国が核の先制不使用を採用すれば、一斉に核兵器削減に踏み切っても安全保障上のバランスは崩れないとの考え方に立っている。また非核保有国は核兵器による威嚇や核攻撃を恐れなくて済み、国家間の信頼関係も増すとされる。一方で中国は、1964年に最初の核実験に成功して以来、先制不使用を宣言しているものの、米国などからは疑問視されている。なぜなら核の先制不使用を宣言しても、本当に守るのか、外部からの検証が不可能だからだ。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12518337.html

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(街頭政治 SEALDsが残したもの:2)「普通の人」学生・母親が声 安保法異議、地方にも波及(2016/08/19朝日新聞)

「普通の人」

 SEALDs(シールズ)の前身となるSASPL(サスプル)(特定秘密保護法に反対する学生有志の会)を立ち上げた奥田愛基(あき)(24)が、当時から使うキーワードだ。「俺たちみたいな普通の学生が少しの勇気を持って声を上げれば、社会は動く」。奥田はデモ活動を始めた頃から、こう繰り返してきた。・・・奥田たちは二つの約束事を決めた。一つは「逮捕されないこと」。内ゲバや暴力につながった1970年代の安保闘争の学生デモを反面教師にした。もう一つは「カルチャーと融合させること」。若者が参加したいと思うようなデモにするため、カフェやクラブで流れる音楽を選んだ。デモを告知する宣伝印刷物「フライヤー」も、奥田は「ヨーロッパのファッション雑誌に載っていても恥ずかしくないようなものを作ろう」とデザインにこだわった。・・・安保関連法案の参院審議が大詰めを迎えた9月、東海地方に新たなシールズが生まれた。前後して東北や関西、沖縄でも発足。さらに、子育て世代の母親らが「安保関連法案に反対するママの会」を新たに立ち上げるなど、安保法制に反対するデモの輪が全国に広がった。

 奥田は9月15日、国会の中央公聴会に公述人として呼ばれた。居眠りしていた自民党議員らに起きるよう促し、こう訴えた。「今やデモなんてものは珍しいものではありません。路上に出た人々が、この社会の空気を変えていったのです」
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12518340.html

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児童虐待最多  相談所の増員が急務だ(2016/08/19京都新聞)
全国の児童相談所が2015年度に対応した児童虐待の件数が、前年度比16%増の10万3260件(速報値)で過去最多を更新し、初めて10万件を突破した。京都は2105件、滋賀は951件でいずれも高い水準だった。集計を始めた1990年度に1101件だった虐待件数が、25年連続で増加し、約100倍にも達する驚くべき状況だが、社会的関心の高まりで、児童虐待が家庭内の問題と見過ごされず、掘り起こされた結果だと考えたい。子どもたちの心と体、命を守る対策に最優先で取り組みたい。虐待内容では、暴言などによる「心理的虐待」が年々増え、47・2%と半分近くを占めた。厚生労働省によると、子どもの前で配偶者らに暴力をふるう「面前DV」を心理的虐待と捉えて警察が通告する事案が増えたという。・・・しかし、この15年間をみると、虐待件数は5・8倍にもなっているが、児童福祉司の人員増は2・2倍に過ぎない。13年度に虐待で死亡した児童36人の事案に関わった職員は、平均で年間109件もの事案を担当していたといい、負担が重すぎるのは明らかだ。
http://www.kyoto-np.co.jp/info/syasetsu/20160819.html

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米大統領選と世界 「自由」を後退させるな(2016/08/19東京新聞)
十一月の米大統領選は、米国主導の戦後秩序が揺らぐさなかの選挙だ。自由で開かれた世界であり続けるために、指導力のあるリーダーを期待する。拡散するテロや難民問題、くすぶる債務危機、それにロシアのウクライナへの軍事介入。欧州には難題が次々と降りかかる。そこに英国の欧州連合(EU)離脱が重なり、動揺は収まらない。・・・EU離脱を決めた英国の国民投票では、グローバル化の恩恵にあずかれない「取り残された人々」の強い怒りが噴き出した。反移民感情をあおる排他的なポピュリズムも高まり、社会の分断を深める極端な主張が支持を集めた。この現象は世界的潮流になっている。代表格はトランプ氏だ。・・・米国の非政府組織(NGO)「フリーダムハウス」がまとめた二〇一六年版年次報告書は、世界が享受する「自由」の度合いは十年連続で後退したと警告した。・・・報告書は米国について、ダイナミックで移民や少数派にも開かれた民主体制ではあるものの、富裕層や特定の利益集団の不当な干渉に遭っているとし、自由度は低下したと判定した。欧州全般については、自由、連帯、人権尊重という基本理念が、難民危機というかつてない圧力にさらされている、と強い危機感を示した。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016081902000140.html

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(声)若い世代「平和と戦争」 映画「原爆の子」に衝撃受けた(2016/08/19朝日新聞)小学生 豊田美緒(東京都 11)

 8月6日に「原爆の子」という映画を見ました。焼け野原になった街、皮膚が体からつららのように溶け落ちている人、家族ですら誰だか分からないほど変わり果ててしまった人に、今までにない衝撃を受けました。私は平和と戦争は正反対の位置にある言葉だと思っていました。でも、戦争が終わって平和な時代になっても、戦争で受けた傷や悲しみが大勢の人を苦しめていることに気付きました。出演していた奈良岡朋子さんが、舞台で話してくれました。「思い出したくないけれども、戦争体験者は戦争の悲惨さを語り伝えるべきだ」と。上映中に何度も、もう見たくないと思いました。でも、目をそむけてはならないと思います。二度と戦争を繰り返さないために。

http://digital.asahi.com/articles/DA3S12518302.html

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(声)若い世代「平和と戦争」 71年前の誓い引き継いでいく(2016/08/19朝日新聞)高校生 千葉愛子(東京都 17)

 8月6日午前8時15分、黙祷(もくとう)。1分間の沈黙の中で、自分がいま、確かに生きていることを感じる。71年前、いまの私たちと同じように太陽を感じ、泣いたり笑ったりを繰り返す当たり前の日常を、一瞬にして奪った原子爆弾。戦争は人を殺し合う。戦争で笑顔になる人なんていない。戦争がないから平和? 戦争があるから平和じゃない? そういうことじゃなくて、戦争をしない、絶対に許さないというのが大切だと思う。71年前、終戦の空に誓った平和。その意味と重みを、今を生きる私たちが引き継いでいきたい。私は、憲法9条をみんなで守っていくことが平和をつくる第一歩だと考える。

http://digital.asahi.com/articles/DA3S12518303.html

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(声)若い世代「平和と戦争」 自分の主張語るため戦争を学ぶ(2016/08/19朝日新聞)中学生 千田健太郎(神奈川県 15)

 71年前に広島と長崎で民間人に向けて核が投下されたことは知っているが、「戦争」と真剣に相対したことはないような気がする。考えたところで簡単に結論が出るような話ではないというのもあるが、周りの視線や空気が気になる。戦争について語ることがタブーになっているように感じるのだ。自分の主張を展開している友人を見ると、本当はいいことのはずなのに、私は逆に「危ないやつ」と思ってしまうことがある。それでも最近、映画や本などで少しずつ太平洋戦争について調べている。我が国の安全保障環境は厳しくなるだろう。その時に、周りの目を気にせず堂々と自分の主張を語れるようになりたいからだ。

http://digital.asahi.com/articles/DA3S12518304.html

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(声)若い世代「平和と戦争」 あやまちから学んで平和望もう(2016/08/19朝日新聞)小学生 本山志帆(福岡県 10)

 日本にせんそうがなくなってから71年。広島にげんしばくだんがおとされてから同じく71年。しかし、世界にはまだ、せんそうはのこっています。これからは、あらそうことのない平和な世界を作らなければいけません。そのためには、一人一人が世界の平和を望まなければいけません。一人でも世界の平和を望めないなら、ぜったいにみんなが幸せにくらせる世界を作れないと思います。日本でせんそうがあった時、世界の平和を望んだ人はたくさんいたはずです。でも、日本はせんそうに勝つことのほうが大事で、あやまちをおかしたのです。わたしたちは、せんそうでおかしたあやまちから平和な世界を作ることを学び、生きていかなければなりません。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12518305.html

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(街頭政治 SEALDsが残したもの:1)デモ、自分たちのやり方で 秘密法反対、集った若者(2016/08/18朝日新聞)
奥田は、13年12月に安倍政権が採決を強行して成立させた特定秘密保護法の問題点を熱く語った。「強権的な国会運営を傍観するしかないのか。民主主義には別の形もある。デモをリバイバルしよう」諏訪原は春からの就職活動で頭がいっぱいだった。デモで社会が変えられると思わないし、むしろデモをする人を警戒していた。一方、奥田の言葉を聞きながら生徒会長だった高校時代を思い出していた。学校は校則で髪が耳にかかることを禁じた。校則を守ることは大事だが、髪の長さを細かく制限するのはルールの趣旨を拡大解釈していると学校に反感をもった。何が秘密の情報なのかさえ秘密という特定秘密保護法は、時の政府の都合で秘密の領域を自由に拡大できる「悪法」ではないか。・・・ 「完全にオリジナルなデモをやりたい」。奥田が呼びかけると、当時独協大生だった山本雅昭(27)は答えた。「世界一かっこいいデモをやろう」奥田をはじめ、街頭政治のうねりを起こす中心メンバーがそろった。シールズの前身、SASPL(サスプル)(特定秘密保護法に反対する学生有志の会=Students Against Secret Protection Law)が生まれた瞬間だった。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12516770.html

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電力需要 猛暑の夏も乗り切れる(2016/08/18東京新聞)
猛暑、五輪、高校野球、熱中症にも気をつけて…。何かと“熱い”が電気は足りている。政府や電力大手は誰のため、何のため、住民の不安に目を背けるかのように、原発再稼働を急ぐのか。「猛暑でも節電要請は来ておらん。なぜそんなに、急ぐのか」四国電力伊方原発再稼働の三日前、松山市内の飲食店で耳にした。隣席の客のつぶやきだ。多くの市民の実感なのだろう。・・・福島原発の被災者への賠償額は、すでに六兆円を超えている。廃炉費用も東電が当初準備した二兆円では足りそうもなく、国による追加支援が要請されている。原発再稼働に向けて電力十一社が見込む安全対策費は、少なく見ても三兆円を大きく超える。原発依存を続ける方が、潜在的な経営リスクははるかに高いと言えないか。再稼働した伊方3号機はプルサーマル発電の原発だ。使用済み核燃料を再処理してプルトニウムを抽出し、燃料として再利用する。核兵器の主材料にもなるプルトニウムを減らしたいのは分かる。だとすれば、莫大(ばくだい)な費用をつぎ込んでプルトニウムを取り出す再処理事業そのものを、まず放棄すべきではないか。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016081802000136.html

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(ザ・コラム)伊方原発再稼働 声をあげる、その先に 上田俊英(2016/08/18朝日新聞)
 朝のうちから夏の日差しが照りつけていた。11日、愛媛県伊方町。穏やかな瀬戸内の海が眼前に広がる四国電力伊方原発のゲート前に、斉間淳子さん(72)はいた。3号機の再稼働反対を訴えるためだ。伊方の隣の八幡浜市で生まれ育ち、夫で地域紙を発行する満さん(2006年死去)と原発反対運動を続けてきた。兄が四電にいて運動と距離を置いた時期もあったが、1981年に伊方沖で魚の大量死が発生。県の調査グループは放射能の影響を否定したものの、淳子さんは恐怖を感じた。「海に浮いている魚を見て、わが子のように思ったんよ。どこかで必ず事故が起こる。そうなったら、子どもや孫が帰るところがなくなってしまう」。11年3月11日、不安は福島で現実になる。東京電力福島第一原発事故からほどなく、淳子さんは東日本大震災の「月命日」の毎月11日に、ゲート前で座り込むようになった。「反対の声をあげんといかん。そうすれば四電もむちゃくちゃを、ようせんようになる」という思いからだ。・・・「原発は決して伊方を豊かにはしなかった。道路や建物は立派になったが、人々の心は傷つき、人間の信頼は失われた」それは、まさにいまの福島の被災地の姿だ。第一原発周辺の広大な避難指示区域。人々は分断され、心は傷ついたままだ。

http://digital.asahi.com/articles/DA3S12516729.html

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(声)映像で伝わる父の平和への願い(2016/08/18朝日新聞)主婦 岩波美伸(長野県 53)

 86歳で昨年5月急逝した父は傷痍(しょうい)軍人だった。少年志願兵として海軍に入り、南方沖で船は沈没、シンガポールで捕虜となった。戦地で受けた傷が元で肺を患い、11年間の入院の末、片肺だけで呼吸する身体障害者に。会社を勤め上げた後、社会福祉活動に力を注いだ。入院した前日もボランティアに出ていた。そんな父の姿は、7年前に取材を受け、東京にある国の施設「しょうけい館(戦傷病者史料館)」の映像資料に収録されている。半生を語る父の映像を、告別式で流してもらった。隣にいた戦友の死、自分の戦傷、失った肺のX線写真、戦後の療養……。戦地を生き残った戦傷病者の責務として福祉に向かった父。「ケンカなんかしていたら福祉はできない」と締めくくる父の証言に「生きているうちに話を聴きたかった」と会葬者から口々に言われた。20代半ばの葬儀屋さんは「初めて戦争を身近に感じた」と目を赤くし話してくれた。私の胸にこみ上げるものがあった。父が残していった、伝えたかった「平和」への願いを、私たちは引き継いでいかなければいけない。そう父の遺影に誓った。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12516733.html

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核の先制不使用  被爆国として支持、当然(2016/08/18京都新聞)
オバマ米大統領が検討する核兵器の先制不使用政策について、安倍晋三首相がハリス米太平洋軍司令官に「北朝鮮に対する抑止力が弱体化する」として反対する意向を直接伝達した、と米紙ワシントン・ポストが報じた。米紙の報道のように安倍首相が意向を伝達したのなら、残念きわまりない。日本は唯一の戦争被爆国として、核兵器の廃絶を国際世論に訴え続けてきた。原爆の惨禍を体験した人たちが「被爆地の思いに反する」と憤りの声を上げたのは当然だ。安倍首相はオバマ氏の核廃絶に向けた取り組みの実現を援助すべきである。・・・被爆国でありながら、日米同盟の下、米国の核抑止力「核の傘」にすがる矛盾が透けて見える。国連の核軍縮作業部会でも核兵器禁止の議論で、日本の消極的な姿勢が目立つ。被爆国がこうした態度を取るのでは核廃絶は望めない。核先制不使用には、米政権内でも意見は一致していないようだ。米軍は反対を明確にし、主要閣僚や同盟国にも消極的な意見が広がっていると米国で報道される。
http://www.kyoto-np.co.jp/info/syasetsu/

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シールズ解散  若者の政治参加さらに(2016/08/18京都新聞)
安全保障関連法への反対などを訴えてきた若者グループ「SEALDs(シールズ)」が、約1年半の活動を終えて解散した。
 学生らの緊急行動との位置付けだったため、今夏の参院選を区切りに解散すると以前から表明していた。これからは個人として政治に関わる中で、必要に応じて集まり、声を上げていくという。勉強やサークル活動をするのと同じように、路上で民主主義を訴える。肩肘張らず、できる範囲で。それが憲法12条の求める、自由と権利を守る「国民の不断の努力」だ−。そんな彼らのスタイルは、ラップ調の掛け声やスマートフォンを駆使した情報発信とともに、既存の運動体にない新鮮味をもって社会に受け止められた。安保法の審議中、毎週金曜の国会前は政治に無関心とされてきた若者だけでなく、デモとは無縁だった子育て中の女性や中高年層を含む何万もの人で埋まった。誰もが政治に声を上げていい、と人々にあらためて気付かせたことがシールズの功績だろう。関西や東北、沖縄などでもグループが生まれた。選挙で選んだ代表に「お任せ」になりがちな代議制を補完する動きとも言えるだろう。・・・目を転じれば、台湾では対中国貿易自由化に反発する若者たちが立法院を占拠した「ヒマワリ学生運動」(2014年)、香港では行政長官選挙の民主化を求める学生の「雨傘運動」(同)があった。米国でも、反・既成政治を掲げた大統領候補のサンダース氏を若い世代が中心になって後押しした。こうした路上からの抗議の背景にあるのは、世界的に広がる格差や不平等だ。若者が当たり前に政治を語れる環境づくりとともに、深刻化する社会経済のゆがみをただすことが重要だ。

http://www.kyoto-np.co.jp/info/syasetsu/20160818_2.html

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社説 核先制不使用と日本 「後押し」責務のはずだ(2016/08/17ヒロシマ平和メディアセンター)
米紙ワシントン・ポストの報道が本当ならゆゆしき問題だ。オバマ米大統領が核政策見直しの一環で検討していた核兵器の「先制不使用」政策を巡り、安倍晋三首相が来日した米太平洋軍司令官に反対する意向を直接伝えていた、という。「北朝鮮に対する抑止力が弱体化する」というのが理由らしい。敵から核兵器による攻撃を受けない限りは核は使わない―。核超大国の思い切った政策変更は廃絶への重要な一歩になるのは間違いない。核保有国で曲がりなりにも宣言しているのは、今は中国だけである。仮に全てが同じことを表明すれば、理屈の上では核が使われる可能性はゼロに等しくなる。

 なのに核兵器の惨禍を知る被爆国の指導者がこうした言動をしていいのだろうか。広島、長崎の両市長が米国の先制不使用を後押しするよう首相らに求める要請書を出しているだけに、あまりの落差が際立つ。核廃絶を待ち望む被爆者の思いに反しているのは言うまでもない。・・・核兵器廃絶を掲げる一方、日米同盟の下で「核の傘」に入ることを望み、核抑止力への依存を公言する。日本政府の矛盾した姿勢である。大詰めを迎えた国連の核軍縮作業部会でも、核兵器禁止の法的枠組みを巡る議論で一貫して消極的だ。被爆国がこうした態度では、廃絶への道はおぼつかないことを今こそ肝に銘じるべきだ。日本政府が核抑止力に固執する大義名分とする北朝鮮の脅威も冷静に見極める必要がある。国連決議に違反する核実験や無謀なミサイル実験を繰り返し、日本列島はおろか米本土まで射程に入れつつあるのは確かだ。中国の軍備増強や海洋進出も併せて考えれば、アジアの安全保障環境はさらに厳しさを増す。
http://www.hiroshimapeacemedia.jp/?p=63584

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(街頭政治 SEALDsが残したもの)市民が争点作る、種まいた(201608/17朝日新聞)
中心メンバーの奥田愛基(あき)さん(24)は16日、東京都内で開いた最後の記者会見でこう訴えた。「これまでの政治や社会運動は、伝える能力がものすごく取り残されていた。受け取る側を考えながら伝える想像力が今の政治には欠けている」シールズは昨年の憲法記念日に結成された。特定秘密保護法に反対する学生団体「SASPL(サスプル)」のメンバーが中心となり、安保関連法や憲法改正に反対する運動へと発展させた。正式名称は「自由と民主主義のための学生緊急行動」(Students Emergency Action for Liberal Democracy−s)とした。・・・ 一方で、活動には限界もあった。奥田さんはこの日、「政治的な活動を担おうとする人がまだ少ない。若者が政治的にイエス、ノーと言うことがこんなに大変なのかと感じる」と吐露した。女性メンバーの一人も「自分の名前がネット上でネガティブな言葉に彩られて残っていくと思うと、将来が怖い」と話した。・・・ シールズのメンバーは自らを「腐葉土」にたとえ、自分たちに続く市民の動きに期待をかける。奥田さんは言う。「香港だって台湾だって、実際に政治を動かすまで数年かかっている。日本の動きは始まったばかりだ」
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12515150.html

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(社説)シールズ解散 個人の連帯これからも(201608/17朝日新聞)
 安倍政権が成立させた安全保障関連法への反対や立憲主義の擁護などを訴えてきた学生団体「SEALDs(シールズ)」が15日に解散した。「自由と民主主義のための学生緊急行動」との日本語名の通り、昨年5月以来の緊急行動は終わり、参院選後には解散すると宣言していた。国会前での集会に代表されるシールズの活動は、選挙による代表制民主主義に限られない民意の表し方を、わかりやすく、スマートに示した。反発も受けたが、若者だけでなく、より上の世代の政治参加も後押ししたのは間違いない。・・・ 7月の参院選では、安保法に反対する学者やママの会などの有志とともに結成した市民連合を通じて野党共闘を働きかけ、32の1人区すべてで統一候補を擁立する原動力となった。改憲勢力の伸長は許したものの、11の1人区で野党に勝利をもたらしたことは特筆される。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12515086.html

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(声)戦時の校長祝辞「死ね」に慄然(201608/17朝日新聞)作家 早乙女勝元(東京都 84)

 関西のある町の、市民団体による平和集会に招かれた。会場には戦時資料類が並べられていて、手にすることができた。1点は「修了記念」と印刷された卒業アルバムで、昭和18年3月、京都市本能国民学校(小学校)のもの。冒頭には校長先生の祝辞が出ていて、「征(ゆ)け、戦へ、死ね」とある。この時期の戦局は急な下り坂だったが、学校長ともあろう者が、記念アルバムで「死ね」とは、非常識を通り越して、異常である。その異常が異常と感じられないところまで、戦争は人間的な感性と教育のありようをゆがめていたことに慄然(りつぜん)とした。東京の下町育ちの私は翌年の卒業だが、「一日も早く軍人になって神風を呼べ」と教えられた。「神風」を待つのではなく特攻隊員になれということだ。時の権力が戦争のために真っ先に狙うのは教育の管理統制ではないのか。私のいた6年2組は男子ばかり63人だったが、級友宅の多くが空襲で罹災(りさい)し、消息不明の者もいる。昨年のクラス会の参加者はたったの4人だった。右の祝辞のコピーは「東京大空襲・戦災資料センター」(東京都江東区北砂)に展示してある。

http://digital.asahi.com/articles/DA3S12515089.html

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大学と軍事研究  戦争協力の反省忘れず(201608/17京都新聞)
 日本学術会議が「戦争を目的とする科学研究には絶対従わない」と決意表明したのは、終戦から5年後の1950年である。科学者の戦争協力を「強く反省」し、「平和的復興」への貢献を誓って学術会議が発足した翌年。67年にも繰り返し表明している。その学術会議が今年6月、「安全保障と学術」について検討委員会を設け議論を始めた。防衛省が大学などに「安全保障」に利用する技術研究を公募し、資金を出すようになったからだ。安全保障の名目だが、軍事利用につながりかねない研究に、大学や科学者はどう向き合うべきか。学術会議はこれまでの決意からかじを切るのか。議論の行方が気がかりだ。戦前・戦中の反省を踏まえた議論であってほしい。防衛省の公募は昨年に始まり、本年度は大学5件、公的研究機関2件、企業3件の計10件が採用された。応募は44件、このうち23件が大学・大学共同利用機関だ。大学の研究費は減り続けている。国が支出する国立大の運営費交付金は、この10年間で1194億円、1割ほど減少した。私立大への補助金も削減されている。腰を据えた研究が難しくなっているのが現状だ。喉から手が出る研究費とあって、米軍からの資金提供の受け入れも静かに広がっているという。ノーベル物理学賞の益川敏英京都産業大教授は「一度研究費をもらってしまうと、抵抗力がなくなる」と危機感を示している。・・・ 安倍政権は武器輸出禁止に代わって防衛装備移転三原則を決定、海外に武器を売り込むのに熱心だ。防衛省は民生技術を取り入れて軍事転用を図ろうとしている。研究公募は大学との連携というより「軍事研究の下請け」ではないのかと疑う声が出るのも当然だ。
http://www.kyoto-np.co.jp/info/syasetsu/

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道徳教育 心を評価できるのか(201608/17東京新聞)
 思いやりや規範意識の土台となる道徳性は、成長ぶりを把握しうるものなのか。文部科学省の専門家会議が打ち出した道徳科の評価のあり方には疑問が残る。先生の好みに左右されてはたまらない。これまで教科外の活動とされてきた小中学校の道徳の時間は、二〇一八年度から順次、正式の教科に格上げされる。先生は検定教科書を用いて授業を行い、子どもの成長を評価せねばならない。・・・子どもを比べず、成長過程を数値ではなしに記述で表し、入試の合否判定には使わないというたがをはめた。それ自体が心のありようの品定めの難しさを物語る。では、どうやって変化を知るのか。発言や感想文、また仲間の話を聞き、考える姿を追跡して、問題を多様な視点から捉えたり、自分事として理解したりできるようになったかを見取るという。ならば、先生は学級の一人ひとりと分け隔てなく信頼関係を築くことが前提となる。子どもが場の空気を読み、先生の顔色をうかがうようでは、真の評価はおぼつかない。多忙な先生が親身かつ丁寧にこなせるのか。いじめ問題に立ち戻れば、子どもの道徳性の欠如にばかり原因を求める近視眼的な風潮は、背景に横たわる深刻な事態を覆い隠しがちだ。競争一辺倒の学校や経済格差が広がる家庭、結びつきの薄い地域、拝金主義が漂う社会…。こうした不道徳な環境の改善こそが先決であり、政治の重要な責務でもある。それを棚に上げて、子どもの内面に介入するのは筋違いだ。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016081702000143.html

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(声)平和と戦争:下 「戦後世代」であり続けたい(2016/08/16朝日新聞)大学生 武田啓亮(千葉県 24)

 私は、当然のことながら「戦後生まれ」である。親や大学の先生、周囲の方たちもほとんどが戦後生まれだ。これほど素晴らしいことはない。世代を越えて平和が続いてきた証しだからだ。もちろん、「日本だけ平和ならいいのか」「国際的な安全保障にかかわるべきだ」との声もある。けれども世界の紛争やテロは、先進国が主導する「安全保障」が招いた面がある。紛争などを軍事力で押さえつけようとする方法は、新しい火種を生むだけではないだろうか。紛争もテロも、その背景には貧困問題があるという。それならば、世界の平和に日本が貢献するためには、これまでやってきた「経済支援で貧困を減らす道」こそが、遠回りなようで一番の近道だと思う。国内の「戦前生まれ」の人たちは、どんどん少なくなっていく。広島で生まれた私の祖母も、4年前に他界した。国内では戦争体験を語り継ぐ人が減り、世界では混沌(こんとん)とした情勢が続く中で、私たちがこれからも「戦後生まれ」であり続けるにはどうすればいいのか。日々問いかけながら生きていきたい。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12513474.html

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(声)平和と戦争:下 憲法9条を世界へ輸出しよう(2016/08/16朝日新聞)経営コンサルタント 齊藤紀夫(愛知県 70)

 NGO代表として、1994年晩秋から2001年春まで、旧ユーゴスラビアの難民キャンプにいる子どもたちへの救援物資を、年に2回、直接届けていました。初訪問の際に「日本は平和維持のための軍隊を、なぜ紛争地に派遣しないのか」と何度も聞かれました。そこで、2回目以降の訪問では日本国憲法の英訳を持参し、戦争放棄と戦力の不保持を定めていることを説明しました。昨日までの隣人同士が民族の違いなどで殺し合いをしていた国だけに、「素晴らしい憲法を持つ日本へ移住したい」といった反応が返ってきました。人間の歴史、テロや紛争が多発する今日の世界を勘案すると、武力では何も解決できず、武力が武力を呼ぶことは明白ではないでしょうか。犠牲者はいつも、子どもをはじめ弱い立場の人々です。日本は集団的自衛権の行使容認や憲法解釈の見直しより、憲法9条と同じ趣旨の決議が国連でなされるよう働きかけるべきです。さらに全ての国連加盟国に、9条の趣旨を憲法に採り入れるよう呼びかけるのです。「何を非現実的な」と一笑に付すのではなく、沈思黙考してみてください。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12513476.html

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GDPゼロ成長 いつまで道半ばなのか(2016/08/16東京新聞)
三年続くアベノミクスはあらためて効果が乏しいことを裏付けた形だ。四〜六月期の実質国内総生産(GDP、速報値)は横ばいだった。「道半ば」でなく、誤った道を進んでいると気づくべきだ。一〇〇分の一秒を争うオリンピックの記録かと錯覚しかねない。GDPの伸び率(前期比)は物価変動の影響を除いた実質で0・048%。通常なら0・0%だが、わずかでもプラス成長を強調したいがためかと勘繰りたくもなる。・・・何より富める者をますます富ませれば問題解決するといった政策が決定的に間違っている。消費の中核を担う中間層を没落させ、格差拡大を助長するアベノミクスでは、人口減と少子高齢化に直面する日本経済を立て直すことは到底できまい。日銀は金融政策を総括的に検証し、現実離れした目標や限界のみえる政策を見直す。政府がなすべきはアベノミクスをこれ以上ふかすのではなく、誤った道を引き返す勇気を持つことである。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016081602000145.html

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