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辺野古問題「沖縄県民の抗議重要」 オリバー・ストーン氏強調(2016/08/15琉球新報) <社説>終戦71年 平和への構想力磨き直そう(2016/08/15琉球新報)戦後71年の終戦記念日を迎えた。 平和憲法の下で戦後を歩んできた日本が、再び戦争に向かいかねない暗雲が濃くなりつつある。同盟国と見なす他国の戦争に自衛隊が出動し、その国を守る集団的自衛権の行使を可能にした安全保障関連法が施行されて迎える節目の日となった。憲法改正を目指す勢力が衆参両院で3分の2を占める政治状況が覆い被さり、非戦を誓う平和憲法が岐路に立っている。沖縄では、安倍政権による強権的な軍事施策が影を落とし、平和な島の未来像の実現が見通せない状況にある。・・・国民よりも国益を優先して守る軍隊の本質と、めまぐるしく変わる国際情勢を冷静に分析し、「平和国家」の真価を発揮する構想力を磨き直すことが欠かせない。・・・機動隊投入に見られるむき出しの権力を行使し、強固な反対の民意を無視して安倍政権が推し進める辺野古新基地の建設と、先島への自衛隊配備は、軍事に偏重する陣形を築くことになり、いたずらに中国との緊張を高めかねない。 終戦の日に 冷静に過去見つめる勇気を(2016/08/15京都新聞) 初の東京五輪は幻に 結局、紀元二千六百年の40年に予定された東京五輪は幻となる。日中戦争の泥沼化で総動員体制が進み、国内に「五輪どころではない」という空気が強まる一方、日本に批判的な諸外国の間にボイコットの兆しが広がったためだ。誘致から2年後、政府は開催返上を閣議決定した。京都日日は2面で小さく伝え、1面トップは「長期聖戦の遂行に」と勇ましい見出しの陸軍定期異動だった。「人間の尊厳の保持に重きを置く平和な社会を奨励する」というオリンピック憲章の精神は、戦争や独裁政治、国威発揚とは相いれない。天孫降臨伝説の高千穂で聖火ならぬ「神火」の採火を大真面目に検討するような当時の日本には五輪開催の資格などなかった。戦争に突き進んだ日本は「幻の東京五輪」から5年後、敗戦を迎えた。その日から71年。国内外を見渡すと、信頼・友好・希望…といった言葉より、疑心・対立・不安…と暗い言葉が思い浮かぶ。・・・ 憲法に魂入れる努力 右へ傾斜する世論を背景に選挙で圧勝を重ねる安倍政権は、特定秘密保護法や集団的自衛権行使に道を開く安全保障関連法を次々に成立させた。次のターゲットは「戦後レジーム(体制)」の根幹である憲法の改正だろう。憲法が公布された46年11月3日付の京都新聞は、1面に天皇皇后両陛下の写真とともに社説を掲げた。「敗戦によって謙虚な心構えを取り戻すことの出来たわれわれは、真実の希求かつ世界平和を提唱する機会に恵まれた」と反省を込めて新憲法をたたえ、国民の「必死の努力」によって憲法に「魂を入れ」ようと訴えている。・・・待望の東京五輪は戦後75年の節目の年にあたる。憲章の理念に沿い、平和で幸せな大会にと願う。 終戦71年、不戦新たに 平和岐路、記憶継承に危機感(2016/08/15東京新聞) 終戦の日 戦争は今も続いている(2016/08/15東京新聞)
二つのことに注目したい。
◆実際の戦争のむごさ シールズきょう解散 諏訪原さん「活動の種、祖父がまいてくれた」(2016/08/15東京新聞) 『潮流』 「平和」を捉え直す(2016/08/13ヒロシマ平和メディアセンター) ドイツで風力発電が急増(こちゃん / 2016年8月14日みどりの1kWh) 80年前のベルリン・オリンピック(あきこ / 2016年8月14日みどりの1kWh) ナチス政権が諸外国に対して、ドイツ国内での反ユダヤ政策や反対勢力に対する弾圧を隠すために、いかに周到にオリンピックを準備したかがヒルメス氏の記者会見で明らかになった。記者会見に参加した数日後、私はベルリンのオリンピック・スタジアムと当時のオリンピック選手村に行ってみた。広大な敷地にある選手村では、練習用のフィールド、体育館、プール、宿泊棟などいくつかの建物が残っていた。金メダル4つを獲得したアメリカの黒人選手ジェシー・オーエンスの部屋は、当時のように復元されている。オリンピック・タジアムを見下ろすように立っている鐘楼の1階と2階部分には、ベルリン・オリンピック開催以前から現在に至るまでのドイツのスポーツと政治の歴史がパネル展で示されていて、ヒルメス氏の記者会見での話と重ねて見ると興味深い。 ・・・ベルリン・オリンピックがナチス政権のプロパガンダとして大成功したことは疑いない。80年前にベルリンで実践されたオリンピックの政治利用は、その後のオリンピックの歴史においても繰り返されてきた。「ナチスの手口を学んだらどうか」と言った政治家が閣僚の席を占める安倍政権が準備を進める2020年の東京オリンピックは、果たして政治利用されることはないのだろうか。福島原発事故の処理がどこまでどのように進んでいるのか、汚染水の問題はどうなっているのか、放射性廃棄物の処分がどうなっているのかなどなど、様々な問題は未解決のままである。“復興”という名目のもとにオリンピックが利用されるのではないだろうか。政府とオリンピック委員会が華々しくオリンピックの効果や成果を喧伝するその裏で、着々と「原発事故はなかったことにしよう。日本のエネルギー政策の中心である原発の再稼働を進めよう」という事態が生じるのではないだろうか。1936年のベルリン・オリンピックの光と影を見て、このような疑念が涌いてくる。 (18歳をあるく)戦争って何、演じて考えた(2016/08/14朝日新聞) 核のボタンに手を置いた。このまま力を加えれば、どうなるか。「人間を見もせずに、殺すということなのかな」8月初旬、都内の高校3年の平田純也さん(18)はSF劇「ヒカリの王国ZERO」の稽古に励んでいた。舞台は、戦火に見舞われた架空の惑星だ。平和を願って奔走するが、核で応戦するか否かの選択を迫られる大役に挑む。平田さんにとって「戦争」と向き合うきっかけになったのは昨年、演劇人による朗読劇「明日、戦場に行く」の舞台だった。東日本大震災で人命救助に尽力した自衛隊を志す中学3年の少年を演じた。安保法制をめぐる論議が高まる中、少年の将来を案じ、揺れる家族を描いた作品だ。・・・仲村さんは18歳の時、塚本晋也監督の「野火」(2015年公開)にエキストラとして参加。第2次大戦中、フィリピン・レイテ島で飢えに苦しみ、死線をさまよう日本兵の悲劇を描いた大岡昇平の小説が原作だ。砲撃で吹き飛ばされた自分の腕を傷ついた兵士と奪い合う様を演じた仲村さんは言う。「まるでホラー。人間が人間でなくなっていく。これが戦争なんだ」米空軍嘉手納基地を抱える沖縄市で生まれ育った。学校では沖縄戦の体験者を招いた講演など平和教育が盛んだった。今の基地問題の根っこに先の戦争があると意識するようになった。 大学進学のため上京して初めて迎えた沖縄戦の「慰霊の日」、ふるさとの悲劇がほとんど話題に上らない本土の現実に違和感をおぼえた。思いが募り、一気に映画の脚本を書き上げた。沖縄で生きる多くの若者にとって、米軍基地も美しい海と同じように日常の延長線上にある。年配者から基地問題に「無関心」と見られることもあるが、「賛成」「反対」では割り切れない葛藤を抱える。そうした若者の姿を通じ、戦争がもたらした傷の深さを、県外や同じ世代の人々に伝えたいと思った。 「戦争体験者から直接話を聞ける最後の世代として、やるべきことがあるはずだ」。仲村さんは今、そう感じている。 http://digital.asahi.com/articles/DA3S12511234.html (声)語りつぐ戦争 人類史上、極悪極まる愚挙(2016/08/14朝日新聞)無職 松本隆(福岡県 81) あの光が一瞬にして幾万の命を奪い 街を焼き尽くし あの爆発音が百雷の如(ごと)く耳をつんざき あの爆風が一瞬にして形ある万物を壊し 人を生き埋めにし あの放射線が一瞬にして幾万人の体を蝕(むしば)み やがて死に追いやる青い空は一瞬にして暗黒と化し 黒い雨が人を襲い 人々は一瞬にして灰と化し 死肉と化し 平和な街は一瞬にして阿鼻叫喚(あびきょうかん)の地獄と化し そして死んだ。すべてが一瞬の出来事! その果てに鬼気に包まれたB29が南へ飛び去る。 それを操るのは人間 中では無機質な雄叫(おたけび)か それとも凍りつく沈黙か見渡す限りの焼け野原 屍(しかばね)が物に見えてくる私がそこにいた。 助かった命もつかの間の灯火となり 幾年経ても消えない差別と偏見 年を重ねてなお増す病魔・癌(がん)の恐怖 あの一瞬が人類破滅への扉を開けた その扉を開けたのは一握りの人間 その扉を閉めるのは同じ人間 いったい誰 平和を創(つく)り育み 守り続けるのは世界の人間 その平和を一瞬にして壊すのは一握りの人間 ああ なんという不条理 二度と出会ってはいけない破滅の悪魔 二度と繰り返してはいけない広島・長崎の惨禍 二度と許してはいけない人類史上極悪極まる愚挙 ■命ある限り「原爆」語り続ける 松本隆さんに聞く 1945(昭和20)年8月9日、10歳の時に長崎で被爆しました。爆心地から3・5キロほど離れた自宅の近くでした。あれから71年。多くの被爆者が亡くなりました。風化も言われる中で、私なりに何か伝えられないか。思いついたのが「詩」です。生涯初めての詩作でした。すさまじい音と光と爆風。おびただしい死者。平和な街が一瞬にして地獄と化していく様子。詩の形を借りて、一部なりとも伝えたかった。詩の最後にある「極悪極まる愚挙」という言葉は、自然に出てきました。死者の魂に突き動かされたとしか思えません。投下の数日後、爆心地近くの親類の家を訪ねました。道には遺体が散乱していました。それが物にしか見えなかった。あまりの悲惨さに気が変にならないように、精神を自分で麻痺(まひ)させていたのかもしれません。人の心をそんなふうにしてしまうのが、原爆のおぞましさなのです。今も長崎市内にたたずむと、死者が話しかけてくる気がします。今、私は「福岡市原爆被害者の会」に入り、語り部として小・中学校で話をしています。気力と体力を振り絞り、被爆体験を語ります。私に残された時間は少ないかもしれません。でも、命ある限り「原爆」を語り続けたいと思っています。 (ひもとく これからの君へ)歴史に学ぶ 次の戦争を起こさない責任 赤川次郎(2016/08/14朝日新聞) 広島生まれの女優、綾瀬はるかが、自分の祖母をはじめ、広島、長崎から沖縄など各地で、すでに高齢となった戦争体験者の話を聞いた、『綾瀬はるか「戦争」を聞く』の中で、最も印象的なのは、婚約者が真珠湾攻撃に参加、撃墜されて死んだという八十六歳の女性である。取材班に同行して二〇一〇年、ハワイを訪れたこの女性は、まるでたった今恋人を殺されたかのように、米兵への憎しみをあらわにして綾瀬を当惑させる。まるで七〇年前で時間が止まったままのように。しかし、戦死した米兵のことを聞き、婚約者が墜落した場所に案内される内、「憎しみ」は「悲しみ」へ、そして「感謝」へと変わっていく。七〇年という時を、一日で生きる女性の姿は感動的であり、同時に体験を歴史に変えるにはどんなに年月が必要かを語っている。・・・ 「もういい加減、戦争責任の話はやめてほしい」と、うんざりした顔をする人は少なくない。確かに、今青春を迎えている人々にとって、遠い戦争の「責任」と言われても戸惑うばかりだろう。しかし、私たちは常に「次の戦争を起こさない責任」を負っているのだ。そのためには、かつて戦争がどのようにして起こり、人々はなぜそれを止められなかったのか、学ばなければならない。 日中戦争から太平洋戦争へ、様々な大国の利害が絡み合う中、日本がどのように戦争への道をたどったか、加藤陽子氏が中高生に講義した記録である『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』は、歴史家としての冷静な視点の貫かれた本である。いま、中高生がこの本を読んで理解するのは容易でないと思うが、戦争とはそれほど複雑な顔を持っているのだということでもある。残念なことに、第二次世界大戦にかかわった国の中で、日本は今も侵略や虐殺の事実を認めようとしない人々が国の中枢部に多くいる「特殊な国」である。その特殊さはこの本に挙げられた、「捕虜の扱い」に見られる。ドイツ軍の捕虜になった米兵の死亡率が1・2%なのに、日本軍の捕虜になった米兵では37・3%に上る。自国の兵士をも使い捨てた国は敵国の兵士を人間扱いしなかった。その象徴的な事件が、「九大医学部生体解剖事件」である。捕虜の米兵を生きたまま解剖した(当然兵士は死んだ)この事件は、「戦争が医師をも狂わせた」出来事として知られる(『九州大学生体解剖事件』熊野以素著、岩波書店・2052円)。 しかし、罪は戦争にあった、と本当に言えるのだろうか、と私は疑問に思う。あの東日本大震災での福島原発事故。放射能被害に対し、「心配ない」「大したことはない」と言い続け、被曝(ひばく)した子供たちへの影響まで、平然と否定する医師を見ていると、戦時下でなくても、医の倫理が失われることはあると思わないわけにいかない。・・・ 反戦も反原発も、「人間への愛」に根ざしたものでなければ、国家という大きな力に勝てない。ロマン・ロランの『ピエールとリュース』をここに挙げたのは、第一次大戦下で、一組の恋人たちが戦火に押し潰されていく悲劇の中に、戦争の非人間性への真実の怒りがあるからである。愛する人を死なせたくない。その思いは文学や芸術の中からこそ生まれる。非戦の決意の土台を、若い日々に固めておくことが大切なのである。 http://digital.asahi.com/articles/DA3S12511070.html SEALDsが残したものは 「訴えたい」動いた若者ら あす解散(2016/08/14朝日新聞) だが、デモがある国会前までは電車を乗り継いで片道約4時間。東京でのデモに何度か参加したが、頻繁には行けない。「東京の動きにぶら下がるだけでなく、地元でやろう」と思い立った。宇都宮市で1月、改憲反対を訴えるデモを初めて実施。グループは今夏の参院選後に解散したが、「訴えたいことがあれば、また行動すればいい。シールズに出会い、そう思えるようになった」と話す。「戦争させない・9条壊すな! 総がかり行動実行委員会」の高田健さん(71)も、その一人だ。昨夏からデモなどでシールズと連携。参院選ではシールズなどと一緒に野党共闘を呼びかけ、全32の1人区で4野党の統一候補が実現した。高田さんは「シールズがなくても共闘はできた気がする」と話しつつ、こう言う。「彼らのおかげで野党支持者の幅が広がったのは間違いない」・・・ (ひと)セルジオ・マシャードさん スラムの「希望」を活写するブラジルの映画監督(2016/08/12朝日新聞) (声)若い世代 伝えるべきこと声で伝えたい(2016/08/12朝日新聞)専門学校生 吉田里咲(神奈川県 19) アルバイト先のコンビニで、バイト仲間の男子高校生が社員に怒られた。理由は遅刻だが、社員は遅れたことではなく、「社会に出たら連絡が大切。LINE(ライン)のメッセージでなく、電話をしなさい」と怒っていた。考えてみれば、私も電話だと少し緊張してしまいがちで、慣れているLINEやメッセージアプリを使う。そのような人は多いのではないか。おわびをする時、何かのお願いをする時は会って直接話すべきだ。それができない時は、メールやメッセージを一方的に送るのではなく、電話をして自分の声で伝えるべきだと思う。声には、自分の気持ちや感情を乗せることができるからだ。離れていても簡単に連絡がとれてしまう時代。だからこそ、相手に自分の思いを直接届けることを大切にしていきたい。 戦争の悲劇や戦友への思い、いま遺す 旧制園部中の5人が冊子(2016/08/12京都新聞) 再稼働、住民ら抗議「海汚すな」(2016/08/12京都新聞) 伊方、不安置き去り再稼働 周辺自治体に広がる懸念・反対(2016/08/12東京新聞) |
(ザ・コラム)核廃絶、日本から 「原爆6000発分」を放棄せよ 駒野剛(2016/08/11朝日新聞) 235は天然ウランに0・7%ある。100%近くに精製すると原爆が造れる。 プルトニウムは自然界に存在せず、原子炉で生まれる人工物だ。原発で燃やされる核燃料は約4%がウラン235、約96%がウラン238。この238が原子炉で中性子を浴びるとプルトニウムに変わるのだ。 原子力発電では、ウラン燃料全体の5%ほどが使用され、残りは「再利用」できるウランかプルトニウムとして残る。プルトニウムはウランのように濃縮の手間をかけずに、核爆弾を造れる。・・・日本はプルトニウムを約48トン保有している。8キロで原爆一つを造れる、とされるから約6千発分に相当する。米ロなど核武装国を除けば、世界有数の核保有国である。・・・核兵器の保有国に対し、「各国の備蓄から国際的な原子力機関に対して、それぞれ供出を行い、今後も継続する。そうした国際機関は、国連の支援の下で設立されることが望ましい」と求めたのだ。唯一の被爆国であると同時に、プルトニウム保有大国であり、核兵器の開発の潜在能力も持つ日本こそが、推進できる提案ではないか。広島でのオバマ演説の具体化に、日本こそがまず一歩、踏み出すのだ。 (声)靖国参拝は「心の問題」ではない(2016/08/11朝日新聞)非常勤地方公務員 荒川和成(千葉県 64) 稲田朋美防衛相は、靖国神社参拝について「心の問題」と述べた。だが閣僚の靖国神社参拝は、本当に「心の問題」なのか。二つ指摘したい。一つは靖国神社そのものについてだ。靖国神社は戦前に国家神道、軍国主義の中心的存在となり、国民の戦意高揚を図った。戦後はA級戦犯がまつられた。政府には、再び間違った戦争に国民を巻き込んではならないという義務がある。その義務を果たす姿勢を示すためにも、閣僚の靖国参拝はあってはならない。もう一つは、稲田氏の靖国参拝が国内外に誤ったメッセージを発信する恐れがあることだ。靖国神社の境内の遊就館では、先の大戦を美化する展示をしている。「東京裁判で歪(ゆが)められた歴史の真実に迫る」などとうたうドキュメント映画も上映している。稲田氏は以前、東京裁判検証の考えを示しており、参拝すれば東京裁判は不当との立場だと多くの人に受け止められるだろう。閣僚の参拝は、東京裁判を受け入れて国際社会に復帰した戦後日本の出発点の否定にもつながる。閣僚の靖国参拝は、決して個人の心の問題ではない。 http://digital.asahi.com/articles/DA3S12506546.html (福岡伸一の動的平衡:37)蝶の飛行メカニズム(2016/08/11朝日新聞) シールズ琉球、活動継続 辺野古、高江緊迫受け(2016/08/11琉球新報) 鹿児島・川内原発、再稼働1年(2016/08/11共同通信) (社説)被爆の体験 記憶を枯らさぬ伝承を(2016/08/10朝日新聞) 「黒こげの少年」世界へ 長崎「原爆の日」(2016/08/10朝日新聞) http://digital.asahi.com/articles/DA3S12504860.html <社説>被爆から71年 「核なき世界」へ踏みだそう(2016/08/10琉球新報) 筆洗/公開中の映画『奇跡の教室 受け継ぐ者たちへ』(2016/08/10東京新聞) 当時のきな臭さ今も 戦争の時代を描く 佐江衆一さん(小説家)(2016/08/09東京新聞) |
陛下のお気持ち 生前退位の国民的な議論を(2016/08/09京都新聞) トルコ・クーデター未遂 ― ドイツに暮らすトルコ人の心境をめぐって(あや / 2016年8月7日みどりの1kWh) http://midori1kwh.de/2016/08/07/8434 パキスタンで爆発70人死亡 南西部の病院、自爆テロか(2016/08/09東京新聞) (象徴天皇のこれから:1)「象徴」とは、追求の末 8年ほど前、陛下「先のこと」言及(2016/08/09朝日新聞) http://digital.asahi.com/articles/DA3S12503078.html (WEBRONZA)ますます混迷、米社会の対立(2016/08/09朝日新聞) http://digital.asahi.com/articles/DA3S12502965.html (声)原爆の悲惨さ、もっと訴えねば(2016/08/09朝日新聞)無職 山脇佳朗(長崎県 82) 長崎原爆の日の8月9日が近づくと、私たち被爆者は市内の小中学校で体験を話す。今年もたくさんの感想文が届いた。「話して良かった」という思いが胸に広がった。感想文の中に「オバマ米大統領の広島訪問は、良かったと思いますか」という質問がいくつかあった。大統領の広島演説の全文を改めて読んだ。冒頭の言葉はこうだった。「71年前、明るく、雲一つない晴れ渡った朝、死が空から降り、世界が変わってしまいました」最初に読んだときと同様に、あぜんとした。冗談じゃない。これでは、広島に雨か雪でも降ったといわんばかりではないか。「あの朝、1発の原爆が投下され、それまで見たこともない悲劇が起きました」と言うべきなのだ。 もちろん、現職大統領が広島を訪問することや原爆投下について発言することについて、米国内で強い反発があったことはよく知っている。しかし、原爆死没者慰霊碑に黙祷(もくとう)し、被爆者を前にしての発言にしては、あまりに空疎だ。被爆した私たちは、原爆がいかに悲惨な結果をもたらしたかを、もっと強く訴えねばならぬ。その思いを新たにした。 http://digital.asahi.com/articles/DA3S12502967.html?ref=pcviewpage (声)長崎の夜空彩る花火に平和思う(2016/08/09朝日新聞)無職 向井靖雄(長崎県 82) 長崎市で「ながさきみなとまつり」があり、2夜にわたって計約1万5千発の花火が大勢の観客を魅了した。会場から約4キロ離れたところには原爆の落下地点があるが、観衆のどれだけの人がそのことに思いをはせただろうか。次々に打ち上げられる花火を見上げながら、「平和な時代になったものだなあ」と、ひとり感慨にふけった。戦時中は、花火ではなく高射機関砲の曳光(えいこう)弾が夜空を切り裂き、幼かった私は震えながらそれを見ていたものだった。戦後71年。戦争で亡くなった多くの人の墓標の上に、なんとか平和な日本が築きあげられてきた。だから、今の平和な日々はかけがえのないものだ。現代に生きる者は、何としてもこの平和を守り続ける義務と責任がある。戦争で生き残った人間として、日々、その思いを強くしている。夜空を彩る華麗な花火に歓声をあげるひとときは、貴重な至福の時間だ。しかしそれは、平和な時代でなければ体験できない瞬間なのだ。そのことをかみしめ、平和の大切さを改めて思い知らされたのは、私一人ではなかったと信じたい。 http://digital.asahi.com/articles/DA3S12502968.html?ref=pcviewpage |
(にっぽんの負担)公平を求めて 「お金ない」治療を断念(2016/08/08朝日新聞) だが、実際には保険料が払えないために正規の保険証を持っていない人や、保険に入っていても窓口負担が払えず受診していない人が、少なからずいる。受診の回数を減らしたり、高額な治療を断ったりする人もいる。・・・ 収入や資産が少ない人々にも最低限の生活を保障するのが生活保護だ。だが、生保を受けられる世帯のうち、実際に保護を受けている割合(捕捉率)は1〜3割程度とされる。貧困問題に詳しい都留文科大学の後藤道夫名誉教授の推計では、世帯収入は保護の基準以下なのに実際は保護を受けていない人は国内で2千万人前後に上る。後藤氏は「多くの人々が福祉制度のすき間にいる。病気にかかった場合、受診をためらう人がたくさんいるはずだ」と指摘する。 http://digital.asahi.com/articles/DA3S12501823.html (特派員メモ バージニア)銃社会の現実(2016/08/08朝日新聞) (声)世界を分断する動きに敏感に(2016/08/08朝日新聞)中学校教員 池上禎一(福島県 60) サウジアラビアの日本人学校で派遣教員として勤務したことがある。その3年間は、私の世界観を大きく変えた。当初、1日5回の祈りを呼びかける声が、不謹慎ながら焼き芋売りに聞こえていた。だが、やがて「アッラーフ アクバル(神は偉大なり)」という声が夜明けとともに流れると、何とも言えない厳粛な気分になった。テロ事件に絡んで、「アッラーフ アクバル」という言葉を聞くと、悲しくなる。1日5回のお祈りを欠かさず行い、自らを戒め、「世界が平和であれ」と祈る人たちの姿こそが真のイスラムだ。ガソリンスタンドで私の日本製の車を見て「日本車は一番!」とにこやかに親指を立てる人たち。家族を愛し、子供を国の宝と愛する人たち。私が出会ったのは敬虔(けいけん)なイスラム教徒ばかりだった。様々な紛争の原因が宗教対立だけとは言えない。しかし、それをあおるかのようなポピュリズムとナショナリズムの台頭が気にかかる。国内外を問わず、世界の人々を分断しようとする動きに敏感にならねばならないと思う。 沖縄予算と米軍基地の「リンク論」は全国の納税者を愚弄するものだ(2016/08/08沖縄タイムス) それでも今回、政府が「基地と沖縄振興のリンク」を公然と認めたことに沖縄で衝撃と反発が広がっているのは、沖縄振興制度の論拠の一つである「基地の過重負担」という沖縄の社会的事情は沖縄振興によって維持されている、という度し難い現実を政府の側が開き直って認めたと捉えられているからだ。・・・ これまでは「リンク」が明らかであっても、予算増額に対しては沖縄側も文句の言いようはなかった。しかし政府が今後、沖縄振興予算の計上に当たって一層露骨に「辺野古」をはじめとする基地政策への諾否という政治的要素を加味し、容赦なく予算カットや特別措置の廃止に踏み切れば事情は一変する。政策誘導のための「賄賂的要素」の強かったアメが、強権的なムチとしての本性を露わにすれば、沖振法の目的や趣旨と相対することへの説明にとどまらず、抜本的な制度改正を求める声が県民の間に高まるのは必至だ。 警察の隠し撮り 市民監視は許されない(2016/08/08京都新聞) 相模原事件 共生への歩み止めるな(2016/08/08東京新聞) ドイツのテロ 移民難民が悪ではない(2016/08/08東京新聞) (声)原爆の投下に正当性などない(2016/08/07朝日新聞)無職 坂田博(福岡県 83) 71年前の夏、広島と長崎の市民の日常は、原爆の投下によって一瞬のうちに灼熱(しゃくねつ)と爆風の生き地獄に変わった。20万人を超す人々が、その年のうちに命を奪われた。オバマ米大統領は広島を訪れ、犠牲者の霊に哀悼の意を表した。だが謝罪の言葉はなかった。米国民の多数が原爆投下は正当だったと考えていることが背景にある。私は「広島に新型爆弾が落とされた」との新聞を見て、被害の甚大さと無残さに驚いた世代だ。警告もなく、一般市民を大量殺害した原爆投下の非正当性と残虐性に、米国民が無知なことに驚く。当時、日本には軍事的な抗戦能力はもはや無かった。原爆投下がなくても、さほどの時間を要せず、降伏したのは間違いない。当時の米国大統領の冷酷無比の決定を、厳しく非難したい。戦後、日本は同盟国となった米国に、原爆投下への謝罪をきちんと訴えてこなかった。原爆投下は正当な手段という米国民の認識が定着するのは、戦争体験世代として耐えられない。唯一の被爆国として、原爆投下の非正当性を米国を含む国際世論に訴えていくべきだ。 http://digital.asahi.com/articles/DA3S12500407.html (声)ばらまきより教育費の無償化を(2016/08/07朝日新聞)無職 根本勇(千葉県 79) 安倍政権は経済対策として、低所得者に1万5千円を配るという。これで日本経済が活性化するとは思えない。低所得者の多くは、わずかな一時金よりも仕事を求めている。途上国援助でよく使われる言葉だが「おなかがすいている時に、サカナを与えるだけでは救いにはならない。同時にサカナの釣り方を教えることが大切」なのだ。対策には、リニア建設前倒しや港湾整備など「仕事を増やす対策」も入れたようだが、それで増えるのは経済効果が薄い一時的な建設関係の仕事ばかりだ。ばらまきや旧態依然たる公共事業よりも時代に合った雇用の創出に投資すべきだ。さらには思い切って教育費を無償化したらどうか。家庭の娯楽などへの支出が増え、経済効果は確実にあると思う。 http://digital.asahi.com/articles/DA3S12500410.html 核の罪深さ、伝える 広島「奇跡の生還者」、夫が遺志継ぐ(2016/08/07朝日新聞) 沖縄ヘイトを考える(上) /差別主義者のはけ口に 勢い増す地域分断の動き(2016/08/03沖縄タイムス) 彼だけじゃない。私が取材した多くの者が、この「奪われた感」を訴えた。外国人に土地を奪われ、福祉も奪われ、正しい歴史認識も奪われ、治安を乱され、揚げ句に領土も奪われ、そのうえメディアや行政をコントロールされている−つまり、世の中に存在する納得しがたい不可解なもの、いわばブラックボックスを紐解(ひもと)くカギとして、在日コリアンなど外国籍住民の存在が都合よく利用されているだけだ。・・・彼ら彼女らに憎悪を植え付けるのは、ネットで流布される怪しげな情報だけではない。執拗(しつよう)に近隣国の脅威を煽(あお)るメディアがあり、特定の民族を貶(おとし)める書籍が流通する。テレビのバラエティー番組で、ヘイトデモに理解を示す“識者”もいた。憎悪の種が社会にばらまかれる。そして人々は差別を“学んで”いく。無自覚のうちにヘイトスピーチを自らの中に取り込んでいく。 憎悪と不寛容の空気は、さらに新たな「敵」を生み出していった。国への補償を求める公害病患者や、震災被害で家を失い、仮設住宅で暮らす人々、生活保護受給者などに、「反日」「売国奴」といったレッテルが貼られる。私はこの数年間、そうした現場ばかりを見てきた。そればかりではない。差別主義者、排外主義者にとって、沖縄もまた「敵」として認知されるようになった。・・・沖縄の人間を小ばかにしたように打ち振られる日章旗を見ながら、沖縄もまた、差別と排他の気分に満ちた醜悪な攻撃にさらされている現実に愕然(がくぜん)とした。「戦後70年近くにして沖縄がたどり着いた地平がこれなのか」デモ参加者の1人は悔しさをにじませた表情で話した。外国籍住民へのヘイトスピーチと沖縄バッシングは地続きだった。実は、銀座の沿道から罵声を飛ばしていた者たちの一部は、その前年、辺野古にも出向いている。新基地建設反対派のテントに踏み込み、「日本から出ていけ」「ふざけんじゃねえよ」などと拡声器を使って悪罵の限りを叩きつけた。しかもこれを「愛国運動」などと称しているのだから呆(あき)れるばかりだ。地域を破壊し、分断し、人々の心を傷つけているだけじゃないか。このような“沖縄ヘイト”は、いま、社会の中でさらに勢いを増している。 http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/55260 沖縄ヘイトを考える(下) /偏見生むデマ次々と 事件被害者も攻撃対象に(2016/08/03沖縄タイムス) |