<伊勢志摩サミット>「リーマン級」に批判相次ぐ(2016/05/28毎日新聞)
27日閉幕した主要7カ国(G7)首脳会議(伊勢志摩サミット)で、安倍晋三首相が「世界経済はリーマン・ショック前に似ている」との景気認識をもとに財政政策などの強化を呼びかけたことに対し、批判的な論調で報じる海外メディアが相次いだ。・・・ 英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は「世界経済が着実に成長する中、安倍氏が説得力のない(リーマン・ショックが起きた)2008年との比較を持ち出したのは、安倍氏の増税延期計画を意味している」と指摘した。・・・仏ルモンド紙は「安倍氏は『深刻なリスク』の存在を訴え、悲観主義で驚かせた」と報じた。首相が、リーマン・ショックのような事態が起こらない限り消費税増税に踏み切ると繰り返し述べてきたことを説明し、「自国経済への不安を国民に訴える手段にG7を利用した」との専門家の分析を紹介した。
http://mainichi.jp/articles/20160529/k00/00m/020/023000c
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核なき世界へ「勇気を」 オバマ米大統領、広島演説 被爆者と言葉交わす(2016/05/28朝日新聞)
オバマ米大統領は27日夕、米国の現職大統領として初めて被爆地・広島を訪れた。平和記念資料館(原爆資料館)を視察し、原爆死没者慰霊碑で献花した。演説で、戦争の悲惨さを強調し、「恐怖の論理にとらわれず、核兵器なき世界を追求する勇気を持たなければならない」と述べ、「核なき世界」を主導していく決意を改めて示した。オバマ氏は献花後、慰霊碑前に招待した被爆者らを前に演説し、広島訪問の理由を「閃光(せんこう)と炎の壁が都市を破壊し、人類が自らを破滅させる手段を手にした。私たちは、そう遠くない過去に解き放たれた恐ろしい力に思いをめぐらすために来た」と語った。原爆により、日本人のみならず、朝鮮人や米国人捕虜も犠牲となったと指摘。過去の戦争を振り返り、「罪なき人たちが犠牲になってきた」と語り、戦争の悲惨さを訴えて、「外交を通じて紛争を回避し、すでに始まった紛争の終結に尽力しなければならない」と述べた。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12380496.html
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(座標軸)核廃絶へ行動、日米の責任 論説主幹・根本清樹(2016/05/28朝日新聞)
「過ちは繰返(くりかえ)しませぬから」と平和を誓うのは誰なのか。それは「全世界の人々でなくてはならない」。原爆死没者慰霊碑に刻まれた言葉の主語について、広島市のホームページは明快に説明している。では、オバマ大統領がその碑の前に立ったことの意味は何か。世界で唯一、核兵器を使い、今なお核大国であり続ける国の最高指導者が、誓いの主語の列に並ぶ意志を示したということである。全人類とともに。碑に献花し、瞑目(めいもく)し、被爆者の代表と語り合い、抱き寄せる。一連の行動は、原爆投下を正当化する声がなお根強い米国のトップとして思い切った決断だっただろう。政治的な遺産づくりの側面があるとしても、強いメッセージを世界に発したことは間違いない。・・・ 遠い目標を美しい言葉で語るのはたやすい。これから求められるのは具体的な行動である。例えば、核の法的禁止をめぐる国連での議論に米国は背を向け、その「核の傘」の下にある日本も不賛同だ。理想と現実の矛盾に身を任せるままでいいのか。強い意志で硬い岩盤をくりぬいていく責任が両国の政治にはある。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12380451.html
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(声)「核なき世界」次の大統領にも(2016/05/28朝日新聞)漫画家 西山進(福岡県 88)
私は1945年8月9日、17歳の時に長崎で被爆しました。翌日、爆心地近くの三菱兵器製作所へ救援に入りましたが、そこで見た地獄の光景は、71年後の今も、はっきり脳裏に焼き付いています。戦後は原爆症に悩まされ、苦しい毎日でした。原爆医療法ができたのは1957年。被爆者は12年間、放置されたのです。日本を占領した米軍は原爆傷害調査委員会(ABCC)をつくり、被爆者を半ば強制的に拘束して、放射線が人体に与える影響などを調べました。被爆者は受忍の中で生かされたといっても過言ではありません。それは今も続いています。あれから71年。オバマ米大統領が広島を訪問しました。被爆地で大統領が自身の目で見て認識したこと、核兵器が人類と共存できない兵器であること、そして「核なき世界」を、次の大統領に必ずバトンタッチしてください。被爆者は「再び自分たちのような悲惨を、どの国の人にも味わわせてはならない」と訴えているのです。「核なき世界」の実現こそが何よりの供養であり、謝罪であり、原爆を投下した国の指導者の責務だと考えます。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12380374.html
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(声)守られてさえいない地位協定(2016/05/28朝日新聞)弁護士 大倉忠夫(神奈川県 84)
在日米軍のさまざまな特権を認める日米地位協定は、事件が起きると抜本改定を求める声が上がる。沖縄県の米軍属の男による死体遺棄容疑事件を受け、その声は今回も高まっている。地位協定の見直しは当然必要だと考えるが、現在の協定すらきちんと守られていないのが深刻な問題だ。その問題は、米軍に対して主張できる権利すら主張しない日本政府の姿勢にある。一例を挙げる。日本各地で起こっている米軍機による爆音被害の訴訟では、地位協定の取り決めで日本政府が被告になる。判決が出れば賠償額の最大75%が米側の負担とされる。何で全額じゃないのか、という議論もあるが、この分担さえ米側から拒否されているという。地位協定は日本の裁判所の確定判決を「両当事国に対し拘束力を有する最終的のもの」と規定している。しかし、米軍の準機関紙「星条旗新聞」によれば、日本の防衛省側は同紙に対し「米国が支払いに同意する場合のみ適用される」と答えたそうだ。米側に対する日本政府の姿勢こそが問題だと思う。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12380375.html
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なぜヨーロッパは日本人より働かないのに経済が成り立つのか?(2016/05/10まぐまぐニュース)
・・・スペインに引っ越した当時、もっとも驚いたことは、朝出社すると皆でカフェに行って朝食をとることや、「午後一」が16:30であること、そして最低夏休みが一ヶ月と、労働時間が驚くほど短いことでした。その理由は明らかで、誰もが「働くために生まれてきたのではないから」と言い切ります。一方、日本人に尋ねると「経済が成り立つわけがない」、「鵜呑みにしてはいけない」と答えます。しかし、ご存知のようにスペインは国家として成立しており、その上一人当たりの生産性は日本より高く、今年の成長率は日本よりも高いのです。さて、この違いはどこにあるのでしょうか?僕の答えは、スペインでは(というより、世界のほとんどの国では)、個人が個人の幸せを追及しているのに対し、日本は個人より和を大切にし、個を犠牲にしているからだと思います。その和を重んじるために、責任転嫁や必要以上の会議や人間関係に時間を使い、結果生産性が削がれます。最近も異常に高額なスタジアム建設費やスポーツイベント開催費が取り上げられましたが、和を結ぶ接着剤(実はコンクリのこと)に、多くが使われていることも顕著です。その和を維持することを、自著に何度も書いたように「日本式システム」と僕は呼んでいます。日本は生産性の向上より、日本式システムに刃向かう人を根絶することが目標ですので、経済は二の次=「経済は成り立たない」のです。それゆえ、永遠に増税となるでしょう、消費税だけでなく。
http://www.mag2.com/p/news/186795?l=ewb0686e10
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広島が思い起こさせる、戦争は罪なき市民に苦しみ オバマ米大統領、単独書面インタビュー(2016/05/27朝日新聞)
米国のバラク・オバマ大統領は26日、朝日新聞の単独書面インタビューに応じた。オバマ氏は、1945年の原爆投下以来初めて、現職の米大統領として広島を27日に訪問することについて「広島が思い起こさせるのは、戦争は罪なき市民に、途方もない苦しみと喪失をもたらすということだ」と述べ、被爆地から世界に対して、戦争の悲惨さと「核なき世界」を訴えることを明らかにした。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12378675.html
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世界経済のリスク強調 アベノミクス批判回避 増税延期へ(2016/05/27朝日新聞)
安倍晋三首相は消費増税を再び延期する方向にかじを切った。主要7カ国(G7)首脳会議(伊勢志摩サミット)で、世界経済が直面するリスクを強調し、政権の経済政策「アベノミクス」が失敗したとの批判をかわしたい考えだ。7月の参院選を前に増税延期を表明し、選挙での逆風を抑える狙いもある。・・・
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12378601.html
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懐かしのケータイ、一堂に 630機種、KDDIがHPで(2016/05/27朝日新聞)
KDDIは、前身の日本移動通信がサービスを始めた1988年から現在まで約30年間の携帯電話約630機種を集めたホームページ「auケータイ図鑑」を26日公開した。経営統合したDDIセルラーグループやツーカーグループの機種も網羅した。過去の機種を一覧できるサービスは携帯大手では初めてという。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12378632.html
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(社説)日米と沖縄 切実な声をなぜ伝えぬ(2016/05/27朝日新聞)
「厳正な対処」を強く求める安倍首相。「日本の捜査に全面的に協力する」と約束するオバマ米大統領――。沖縄県で起きた米軍属による死体遺棄容疑事件から6日。県民の不信が渦巻くなかでの日米首脳会談は、抗議と遺憾の言葉のやりとりとなった。だがそれで、米軍が絡む凶悪犯罪がなくなるだろうか。県民が背負わされてきた過重な基地負担が解消されるだろうか。残念ながら、そうは思えない。・・・ 地位協定は米軍にさまざまな特権を与え、米側は改定には否定的だ。だからといって改定を口にしようとしない首相の姿勢は、及び腰に過ぎないか。もう一つの問題は、首相が首脳会談で、米軍普天間飛行場の移設について「辺野古移設が唯一の解決策であるとの立場は変わらない」と伝えたことだ。耳を疑うのは、その首相が共同記者会見で「米軍再編にあたっても、沖縄の皆さんの気持ちに真に寄り添うことができなければ、前に進めていくことはできない」と語ったことだ。・・・ 首相が県民の気持ちに「寄り添う」思いは多としたい。ならば、首相が大統領に伝えるべきは、普天間の県外・国外移設を求める県民の切実な声と、辺野古移設の断念ではないか。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12378503.html
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<社説>日米首脳会談 事件防ぐ意思感じられない(2016/05/27琉球新報)
元海兵隊員の米軍属による女性遺棄事件の責任の一端は、米軍の最高司令官であるオバマ大統領、基地を提供する安倍晋三首相にもある。その認識が両首脳には決定的に欠けている。一体何のために今回の事件を日米首脳会談で話し合ったのか。県民を失望させる結果になったことを両首脳は重く受け止めるべきだ。オバマ氏は「お悔やみと遺憾の意を表明する」と述べたが、謝罪はしなかった。謝罪する立場にないと考えているならば、問題である。・・・事件が後を絶たない背景には日米地位協定の存在がある。「事件を起こしても守られる」との米軍人・軍属の特権意識を取り除くことが必要だ。だが、両首脳とも「運用の改善」にとどめ、県民要求を一蹴した。協定を抜本改正しないとあっては、凶悪事件の発生を根絶する意思を感じることはできない。全在沖米軍基地の撤去でしか、県民を守る手だてはない。そのことを首脳会談は証明した。
http://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-286770.html
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4000人、基地なき島訴え 嘉手納ゲート県民集会(2016/05/26琉球新報)
米軍属女性死体遺棄事件に抗議する「元米兵による残虐な蛮行糾弾! 犠牲者を追悼し米軍の撤退を求める緊急県民集会」(辺野古新基地を造らせないオール沖縄会議主催)が25日、北谷町の米空軍嘉手納基地第1ゲート(通称・砂辺ゲート)前で開かれた。平日の日中にもかかわらず約4千人(主催者発表)が参加し、沖縄からの基地撤去などを訴えた。 集会の冒頭、犠牲者の冥福を祈って参加者全員で黙とうをささげた。参加者は(1)米軍基地の大幅な整理縮小(2)日米地位協定の抜本的な改定(3)普天間飛行場の閉鎖・撤去(4)オスプレイの配備の撤回(5)辺野古新基地建設断念−を日米両政府へ求める抗議決議を拍手で採択した。
http://ryukyushimpo.jp/movie/entry-286139.html
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伊勢志摩サミット 「持続可能」の決意示せ(2016/05/26東京新聞)
議論すべき課題は山積している。主要国というのなら、未来の地球への責任を果たす強い決意を示してほしい。伊勢志摩サミットの二日間が始まる。・・・ 「持続可能な発展」という概念が初めて示されたのは、ノルウェーの女性首相ブルントラント氏が委員長を務めた国連「開発と環境に関する世界委員会」が一九八七年に発表した報告書。当時、大きな課題と考えられたのは人口爆発であり、環境汚染であった。今は、広がる一方の貧富の格差であり、地球温暖化であろう。例えば、先進国が主導してきた経済のグローバル化は幸せな人を増やしたのだろうか、幸せになれない人を増やしたのだろうか。貧困は不満の温床である。貧困を解消するには、富が偏在してしまう今の仕組みを改めねばなるまい。そうすれば、手探りのテロ対策にも光が見えてくるだろうし、難民問題もなくなるはずだ。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016052602000143.html
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被爆の実相 見つめて 広島訪問のオバマ氏へ核廃絶期待(2016/05/26東京新聞)
原爆の悲劇を伝え続ける人たちは、オバマ米大統領の広島訪問に何を期待するか。画家の丸木位里(いり)、俊(とし)夫妻(ともに故人)が描いた「原爆の図」を米国に紹介したプロデューサー早川与志子さん(69)、漫画「はだしのゲン」の作者中沢啓治さん(故人)の妻ミサヨさん(73)、まだ大統領候補だったオバマ氏に核廃絶を直訴した米マサチューセッツ州の福祉団体職員エリン・プレイシーさん(32)に聞いた。
◆「原爆の図」米巡回を企画 早川与志子さん(69)
原爆投下から七十年の昨年、原爆投下直後の惨状を描いた「原爆の図」の米国での展示を企画した早川さんは「原爆がどういう兵器であるのか、自分の目で見て、認識する機会にしてほしい」と求める。・・・
◆「はだしのゲン」作者の妻 中沢ミサヨさん(73)
「まさか米大統領が広島に来るとは思わなかった。とても喜ばしく歓迎しています」とミサヨさんは興奮気味に話す。オバマ氏には、原爆ドームや広島平和記念資料館に行き、被爆者の話も聞いてほしいと思う。「被害の実態を知れば、核の恐ろしさへの理解を深め、核廃絶への思いをより強めてくれるのではないか」と期待する。・・・
◆米大統領就任前 直接訴え エリン・プレイシーさん(32)
「あなたが大統領になったら、核兵器廃絶を進めてくれますか」。〇七年、まだ米大統領候補者だったオバマ氏に、こう直訴したプレイシーさんは「広島で被爆者の話を聞き『ノーモア・ヒバクシャ』の思いを感じてほしい」と願う。プレイシーさんは大学時代、授業で反戦平和活動に興味を持ち、〇七年八月には広島と長崎を訪れ、被爆者の話を聞いた。「とても強烈で、目を開かされた体験だった」。核兵器をこの世からなくすべきだと強く思った。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201605/CK2016052602000259.html
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刑事司法改革 新たな冤罪を生まぬか(2016/05/26京都新聞)
冤罪の防止が目的のはずなのに新たな温床にならないか。そんな懸念が拭えない改革である。戦後の刑事司法制度の大転換となる改正刑事訴訟法などが成立した。警察と検察に取り調べの録音・録画(可視化)を義務付ける一方で、容疑者や被告が捜査に協力する見返りに起訴を見送ったり処分を軽くしたりする司法取引の導入を認めた。警察が電話やメールをひそかに受信する通信傍受の対象犯罪も広がる。・・・ 無実の人を巻き込まないためには、取引の合意に至る全過程の録音・録画を義務付け、その適否を事後検証ができる仕組みなどが欠かせないとの指摘が法律専門家から出ている。通信傍受の対象犯罪の拡大にも危険性はつきまとう。しかも今度は通信事業者の立ち会いを省き、捜査機関の施設内で傍受できる。捜査機関だけで完結すれば乱用につながりかねない。
http://www.kyoto-np.co.jp/info/syasetsu/20160526_3.html
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陸自実弾発射、隊員2人負傷 安全網機能せず(2016/05/26北海道新聞)
十勝管内鹿追町の陸上自衛隊然別演習場で23日、空包を使うべき訓練で実弾が発射され、隊員2人が負傷するという「前代未聞の事故」(陸自幹部)が起きた。本来の訓練の流れを追うと、実弾の使用をチェックする三つの「関門」があった。今回はなぜ実弾がそれらをすり抜け、隊員の手に渡り、発射されたのか。訓練の流れを検証した。・・・ 実弾であろうと空包であろうと、隊員は1発ずつ数を確認しながら小銃の弾倉に装填(そうてん)する。このため、弾を込める時点では区別が付く可能性が高い。陸自関係者は「その場にいた隊員が一人も気付かないとは考えにくい」と首をひねる。今回の事故は23日午後3時半ごろ、敵役の2人が、物資輸送している車列に対して小銃を発砲。車列側の7人が車外に出て、応戦する場面で発生した。この間に全9人で計79発の実弾が発射された。
http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/society/society/1-0274458.html
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(憲法を考える)自民改憲草案・義務:上 権利に条件、「国家の従業員」か(2016/05/25朝日新聞)
自民党憲法改正草案と現行憲法を比べると格段に増えているものがある。個人に課される「義務」の数だ。現憲法が定める国民の義務は「勤労」「納税」「子女に普通教育を受けさせる」の三つ。伊藤真弁護士はこう解説する。「憲法は国民の権利を守るための法なので、本来、義務を入れる必要は全くない。それでも主権者たる国民が国を維持し、次の世代に引き継いでいくために、主権者の責任として、この三つを義務としているのです」だが草案を見ると、「国民は、○○しなければならない」との条文が新たに置かれたほか、もっと直接的に「住民は、その属する地方自治体の役務の提供を等しく受ける権利を有し、その負担を公平に分担する義務を負う」(草案92条2)などとする条文も新設された。・・・ 工業製品の性能を意味する「スペック」という言葉で、人権を表現する感覚。人権を認めて欲しければ、まず義務を果たせ――。草案に感じる息苦しさの正体は、義務の数の多さではない。いつの間にか、義務を果たすことが、権利を行使することの条件にすり替えられてしまっていることにこそある。・・・ 自民党の改憲草案のもとでは、国民は「国家の経営者」ではなく「国家の従業員」に成り下がってしまうのではないか。そんな疑問を携えて、長野県の人口5千人の村に出かけた。日の丸に一礼しない村長に、会ってみたいと思った。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12374683.html
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被爆者に会い、核廃絶の努力見て オリバー・ストーン監督ら、オバマ氏宛て公開書簡送る(2016/05/25朝日新聞)
オバマ米大統領の広島訪問を前に、映画監督のオリバー・ストーン氏ら米国のリベラル派の有識者ら74人が23日、オバマ氏に被爆者との面会を求める公開書簡を送った。マサチューセッツ工科大学のノーム・チョムスキー名誉教授やアメリカン大学のピーター・カズニック教授らが名を連ねている。書簡では、被爆者との面会を切望。「私たちの多くは広島と長崎に行ったことがある。被爆者に会い、体験談を聞くことは私たちの世界的平和、軍縮活動に比類ない影響をもたらした」とした。さらに、「被爆者の苦しみを知ること。被爆者が、自らの悲惨な体験を二度と他の人間が味わうことがないようにと核廃絶に向けてきた努力を見ること。それは、誰もが核廃絶への決意を強くする貴重なものだ」と意義を強調した。オバマ氏が「核兵器なき世界」を訴えた2009年のプラハ演説や、イランとの核合意について「意義深い」と評価。「いまだ地球上では1万5千発以上の核兵器が人々を脅かしている」とし、「(オバマ氏が)大胆な行動を取れると信じている」と期待を寄せた。また原爆投下の謝罪に加えて、その判断の是非にも言及するよう促した。「アイゼンハワー大統領やマッカーサー元帥らさえ『戦争を終わらせるために必要ではなかった』と言っている」と主張している。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12374763.html
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<社説>基地土壌汚染 沖縄の安全は二の次か(2016年5月25日琉球新報)
キャンプ瑞慶覧・西普天間住宅地区の跡地の土壌から最大で基準値の21倍を超える鉛が検出されていた。基準値以上のヒ素も見つかり、発がん性が指摘されるジクロロメタンすらあった。基地の跡地に土壌汚染が見つかるのは、もはや定例行事だ。隠されているのが当たり前、汚染がなかったら奇跡と言っていいほどである。返還地を政府が徹底的に調べ、汚染を完全に除去すべきなのは言うまでもない。問題は、返還後になって見つかるという例が繰り返されることにある。・・・ドイツの米軍基地では、ドイツの自治体は予告なしで立ち入りできる。日本では米軍基地内は治外法権だが、ドイツではドイツ国内法順守の義務がある。環境汚染もドイツでは米国が浄化の義務を負う。韓国でも汚染があれば自治体は米軍と共同調査を実施できる。米本国並みどころか、他国並みの対策さえ日本では何一つ実行できない。日米地位協定で「排他的管理権」を米軍に認め、事実上の治外法権をつくり出しているからだ。翁長雄志知事は安倍晋三首相との面談で「日米地位協定の下では日本国の独立は神話だ」と述べた。その実例の、これも一つである。政府は直ちに地位協定の抜本的改定を求めるべきだ。米国も、本国と同様の対策を実施しなければ差別主義者と呼ばれても仕方ない。
http://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-285449.html
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沖縄、4千人抗議集会 容疑者勤務の米軍基地前(2016/05/25東京新聞)
日米首脳会談開催の25日、沖縄県では女性会社員遺体遺棄事件に抗議する集会が開かれた。容疑者の軍属が働いていた米軍嘉手納基地(北谷町など)ゲート前には、主催者発表で約4千人が集まり、被害者を悼み、米軍基地負担の軽減を訴えた。黙とう後、米軍普天間飛行場の移設先、名護市の稲嶺進市長がマイクを握り「彼女は希望に満ちた人生が待っていたはずだった」と沈痛な面持ちで訴えた。稲嶺氏は、在日米軍専用施設の約74%が沖縄県に集中する状況を変えなければ米軍関連の事件はなくならないと強調。「県民の怒りを結集し、世界中に訴え続けることが必要だ」と呼び掛けた。
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2016052501001578.html
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<社説>知事・首相会談 沖縄に犠牲強いるのは誰か(2016/05/24琉球新報)
その冷淡ぶりに寒々しい思いを禁じ得ない。うるま市の女性会社員遺体遺棄事件を受け、翁長雄志知事は安倍晋三首相との会談でオバマ大統領と直接話す機会を与えてほしいと要請した。だが首相はこれに答えず、会談後に菅義偉官房長官は「外交は中央政府間で協議すべきだ」と要望を一蹴した。1995年の事件の際、県内の日米地位協定改定要求の高まりに対し、当時の河野洋平外相は「議論が走り過ぎ」と、交渉すらあっさり拒否した。菅氏の発言は、あの時の冷淡さをまざまざと思い起こさせる。菅氏の言う「中央政府間の協議」では沖縄に犠牲を強要するだけだったから、大統領との面会を要望したのである。即座の却下は、その犠牲の構図を変えるつもりがないと言うに等しい。沖縄に犠牲を強いるのは誰か。米国との意見交換を仲介し、沖縄の民意が実現するよう動くべきはずなのに、仲介どころか積極的に阻んでいる日本政府ではないか。会談では、首相に対する発言としては極めて異例の、厳しい文言が並んだ。翁長知事はこう述べた。「安倍内閣は『できることは全てやる』と枕ことばのように言うが、『できないことは全てやらない』という意味にしか聞こえない」「基地問題に関して『県民に寄り添う』とも言うが、そばにいたとは一度も感じられない」しかしこの、かつて例のない発言が何の違和感もなく、言って当然の言葉に聞こえる。それが県民大多数の感覚だろう。
http://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-284753.html
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火星を周回する宇宙ステーションの計画を発表(2016.05.24ナショナルジオグラフィックス)
世界有数の航空宇宙関連会社である米ロッキード・マーチン社は5月18日、2028年までに人間を火星に送り込むという計画を発表した。同社が提案するのは、火星の地表に人間を降り立たせることではなく、国際宇宙ステーション(ISS)のような有人宇宙船を火星の軌道に投入することだ。NASA(米航空宇宙局)は現在、火星の有人探査に向けて、実現可能で費用対効果の高い火星ミッションのアイデアを募っている。ロッキード社の計画は、米国ワシントンD.C.で開かれた「Humans 2 Mars Summit」で発表された。・・・ 計画では、オリオンはまず地球低軌道よりも高い高度をめざす。2018年には無人の月ミッションを行い、2021年にはアポロ8号のような有人の月フライバイを行う。2025年には、月程度の距離のミッションを複数回行う。ミッションは回を追うごとに難しくしていき、最後に火星有人飛行の予行演習を行う。
http://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/16/a/052300028/
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翁長・安倍会談 「基地ある故」直視せよ(2016/05/24東京新聞)
退役後とはいえ元米海兵隊員であり、米軍基地内で働く軍属である。沖縄県に在日米軍施設が集中する故の犯罪であることを直視しなければ、いくら米側に綱紀粛正を要請しても、再発は防げまい。これまでにも増して、翁長雄志沖縄県知事は憤りと悲しみに震えていたに違いない。・・・さらに直視すべきは、沖縄県に在日米軍専用施設の約74%が集中し、県民に過重な基地負担を強いている実態である。普天間飛行場(宜野湾市)返還のためとはいえ、名護市辺野古への「県内」移設では、県民の負担は抜本的には軽減されない。さらに、今回の事件を受けて沖縄県側から「基地がある故の犯罪だ」との指摘が相次ぎ、沖縄県内にあるすべての米軍施設の撤去を求める動きも広がっている。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016052402000136.html
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大人のひきこもり(2016/05/24毎日新聞)
サバイバル術 無理心中事件が頻発 80代「親」の年金で暮らす50代無職の「子」…支援策は?「大人のひきこもり」といわれる人たちが、全国で急増している。これまで「いない」とされてきた「ひきこもる女性」の存在も、地域で顕在化するようになった。最近では、そんな親子が高齢化するに伴って、家庭内で煮詰まった末の悲劇も続いている。・・・“パンドラの箱”を開けると、年老いた親の家に働き盛りの中年世代の子どもが親の年金などの収入を頼りに同居する世帯があちこちに姿を現す―。・・・長年、同居していた中高年の子どもが親元から自立しようとして不動産屋で部屋を探しても、「無職」を理由になかなかアパートを借りられない。真面目な親子ほど、生活保護などの福祉に頼ることに対し「社会には迷惑をかけられないから」といった後ろめたさや抵抗感もある。
ひきこもり相談の問い合わせ先
◆KHJ全国ひきこもり家族会連合会
電話…03―5944―5250 FAX…03―5944―5290
◆ひきこもり地域支援センター
各都道府県及び指定都市に設置
◆生活困窮者自立支援相談
http://mainichi.jp/sunday/articles/20160523/org/00m/040/011000d
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ヘイトスピーチ対策法成立 街頭などで差別的言動解消へ(毎日新聞2016年5月24日)
特定の人種や民族に対して差別的言動を街頭などで繰り返すヘイトスピーチの対策法は、24日午後の衆院本会議で与野党の賛成多数で可決され、成立した。公布日から施行される。同法はヘイトスピーチを「差別的意識を助長する目的で、危害を加えると告知したり著しく侮蔑したりするなど地域社会から排除することを扇動する不当な差別的言動」などと定義し、国と地方自治体に解消に向けた取り組みを求めている。
http://mainichi.jp/articles/20160524/k00/00e/040/207000c
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「緑の党」元党首が辛勝 右翼候補、敗北 オーストリア大統領選(2016/05/24朝日新聞)
オーストリアの大統領選で23日、欧州連合(EU)との協調を訴えたリベラル派で「緑の党」元党首のアレクサンダー・ファンダーベレン氏(72)が当選を決めた。反移民政策を掲げる右翼・自由党のノルベルト・ホファー氏(45)は敗れたが、歴史的な接戦に持ち込んだことで、欧州各国の右翼・統合懐疑派を勢いづかせそうだ。・・・大連立を組む中道左派・社会民主党、保守の国民党は第1回投票で敗退。オーストリアで2大政党以外から大統領が誕生するのは第2次世界大戦後初めてだ。ファンダーベレン氏は経済学者。2008年まで緑の党首を務めた。難民問題ではホファー氏が制限を訴えたのに対し、各国との協力で受け入れを続けるべきだと主張した。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12372869.html
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(WEBRONZA)ロンドン市長は複数のカオを持つ(2016/05/24朝日新聞)
5日に行われたロンドン市長選で、労働党下院議員のサディク・カーン氏(45)が初当選しました。「ロンドン新市長は複数のアイデンティティーを持つ」(19日)の中で、ジャーナリストの小林恭子さんは、「なぜ富豪一家の御曹司でなく、バス運転手の息子が選ばれたか」を読み解いていきます。「初のイスラム教徒(ムスリム)の市長」と報じられたカーン氏ですが、選挙戦で「ムスリム」という要素が注目されたのは対立候補がイスラム教を嫌うような発言を繰り返したから。逆にそれが「移民人口が高いロンドンでは『この人には任せられない』という嫌気感」につながっていったと小林さんは分析します。一方のカーン氏は「複数のアイデンティティー」を持っていると述べたそうです。私はロンドン市民で、欧州人で、英国人で、イスラム教徒で、アジア系市民で、パキスタン系市民で、父親で、夫である……。課題山積のロンドンのかじ取りを、複眼的な視点を持つ人物に任せた点に、ロンドン市民の政治的成熟を感じるのは私だけでしょうか?(編集長 松本一弥)
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12372780.html
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(声)ロンドンのように多様性尊重を(2016/05/24朝日新聞)大学院生 西脇宏理(北海道 22)
ロンドン市長に、イスラム教徒の方が初めて選ばれました。ロンドンでは宗教よりも人間性や政策を重視できる社会、多様性を尊重する社会になっているからだと考えます。日本でも、多文化共生や相互理解がもっと必要ではないでしょうか。私が通う大学院には、日本人がほとんどいません。多くは留学生です。彼らの国籍や出自、宗教などによるイメージが先行しがちですが、そんな枠に当てはめて考えると、固定観念に支配されがちです。留学生たち、一人一人を理解しようと思ったとき、留学生を個人として認めて接することが大事だと感じています。そうやってコミュニケーションを重ねていくうちに、違いがあって当然と思うようになりました。今後、国際化の流れのなかで、外国人労働者や難民など日本で暮らす外国人はますます増えていくでしょう。外国人だからと邪険にしないで、相手を理解しようと努めれば、個人の尊重や宗教観の理解につながると考えます。日本も相互理解が深まって、いずれはロンドンのように多様性を尊重する社会になればと願っています。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12372783.html
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(声)基本的人権の尊重は普遍的価値(2016/05/24朝日新聞)中学校講師 中野圭介(東京都 43)
私は、憲法の全103条の中で一番の要は97条だと考える。「日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であつて、これらの権利は、過去幾多の試錬(しれん)に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである」この条文は、基本的人権の保障を人類普遍の価値としているのだ。だが自民党の憲法改正草案では、この97条を削除。草案11条で国民の基本的人権に触れているが、「人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果」など「出自」に触れる文言はない。一方で、公益や秩序を重んじ、国民の権利を制約する色合いが強い。これでは、人権保障は権力側の恣意(しい)や都合で後退させられ、形骸化する恐れがある。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12372784.html
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米国世論、根強い投下正当化 若い世代には意識の変化も オバマ大統領、広島訪問へ(2016/05/24朝日新聞)
「戦争を終わらせるための正しい行動だった」。広島と長崎への原爆投下をめぐり、米国では戦後一貫してこうした意見が多数を占めてきた。戦後すぐと比べると近年は「正当化論」の割合は下がっているが、今なお半数以上を占める。・・・
疑問呈した開発者
米国内では、原爆の使用に否定的な論も戦後直後からあった。原爆を開発した「マンハッタン計画」の責任者の一人だった物理学者のロバート・オッペンハイマー氏は46年、「実質的に敗北していた敵に対して原爆を使用した」と書き、必要性に疑問を提示。投下した当時のトルーマン大統領との面会でも「私の手には血がついている」と述べたとされる。同じ46年には、広島への原爆投下による被害を詳細にルポした「ヒロシマ」がニューヨーカー誌に掲載され、米世論にも大きな影響を与えた。・・・米国の核政策は1942年、原爆製造の「マンハッタン計画」への着手で本格化した。翌43年、ニューメキシコ州の砂漠地帯に開発を統括するロスアラモス研究所が発足。当初は、ナチス・ドイツが原爆を持つことへの危惧が背景にあったが、実際にはドイツは開発を断念していた。
ドイツが無条件降伏した約2カ月後の45年7月に最初の原爆実験に成功。その9日後、日本への原爆投下命令が出され、8月に広島、長崎へ投下された。・・・ 世界にある核兵器の数は冷戦下の86年にピークを迎え、約7万発になった。米ソは長距離ミサイルに核弾頭を載せ、互いの首都などを標的にしており、核戦争が起きれば両国が壊滅的なダメージを受ける「相互確証破壊」という論理で、かろうじて均衡が保たれる状態が続いた。だが、冷戦終結で米ソの対抗手段としての核兵器の意味が薄れ、大量の保有は不要に。米ソは91年に第1次戦略兵器削減条約(START1)に署名し、双方が抑止力として持つ「戦略核」を6千発以下にすることにした。・・・ 東西冷戦のなか、水素爆弾や核弾頭を運搬するミサイルの開発も進んだ。敵の攻撃意思を押さえ込む「抑止」の論理で核兵器は次々に製造され、開発のための相次ぐ核実験で世界は放射線に汚染されていく。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12372773.html
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ATM1400台、一斉引き出し 全国で14億円 カード偽造か(2016/05/24朝日新聞)
全国17都府県のコンビニの現金自動出入機(ATM)約1400台で今月15日、偽造とみられるクレジットカードが一斉に使われ、3時間ほどの間に約14億4千万円が引き出されていたことがわかった。取引記録から、使われたカードは、南アフリカの銀行が発行したクレジットカード約1600枚の情報と一致したといい、警察当局が捜査を進めている。・・・短時間のうちに全国で行われたことから、100人以上が関与したとみて防犯カメラの映像の解析を急ぐとともに、国際刑事警察機構(ICPO)を通じて南アフリカ当局と連携し、情報流出や偽造の経緯についても解明を進める方針だ。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12372908.html
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右派とリベラルが僅差 オーストリア大統領選(2016年5月23日琉球新報)
【ウィーン共同】オーストリア大統領選の決選投票は22日、郵送票を除いて開票が終了、内務省が結果を発表した。難民の受け入れ厳格化を訴える右派、自由党のホーファー国民議会(下院)第3議長(45)が51・9%を得票、難民らの受け入れに寛容なリベラル政党「緑の党」前党首のファン・デア・ベレン氏(72)は48・1%を得た。
http://ryukyushimpo.jp/kyodo/entry-284106.html
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<社説>全基地撤去要求 日米政府は真剣に向き合え(2016/05/22琉球新報)
米軍属女性死体遺棄事件の謝罪に訪れた在沖米四軍調整官に対して、安慶田光男副知事は「沖縄の基地全体について県民は反対する可能性が懸念される。事件に対する県民の気持ちは無視できない。注視していく」と述べ、県民の意思表示によっては全ての在沖米軍基地撤去を求める考えを示した。米軍人・軍属による事件が起きるたび、日米両政府は何度も綱紀粛正と再発防止を誓ってきた。しかし事件は起き続けている。今年3月にも観光客の女性が海軍兵に性的暴行を受ける事件が起きた。この時、謝罪に訪れた四軍調整官は「良き隣人であるため、良き市民であるため、できる限りのことをさせていただく」と述べ、再発防止を約束していた。それにもかかわらず再び犠牲者が出た。・・・オバマ米大統領の広島訪問前に事件が起きたことに触れ、政府関係者が「本当に最悪のタイミング」と発言したことが一部で報じられた。事件そのものではなく、時期が最悪だとの認識だ。別の時期なら事件が起きてもよいのか。犠牲者の無念さに一片の思いも寄せられない冷酷な人間の発想だ。これ以上、言葉だけの再発防止策など聞きたくない。全基地撤去を求める声に、日米両政府は真剣に向き合うべきだ。
http://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-283584.html
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チェルノブイリ 重い教訓を生かせるか(2016/05/22京都新聞)
旧ソ連のウクライナで起きたチェルノブイリ原発事故から今年で30年。まき散らされた大量の放射性物質で広大な地域が今も居住できず、多くの人が健康被害で苦しんでいる。世界、とりわけ東京電力福島第1原発事故を経験した日本が、事故からくみとるべき教訓は多い。原発の過酷事故の現実から目をそらさず、エネルギーと暮らしの関係を問い直す機会にしなければならない。チェルノブイリ原発事故は1986年4月26日に発生。4号機が試験運転中に爆発し、消火などに当たった数十人が急性放射線障害で死亡、約33万人が移住させられた。周辺地域では甲状腺がんなどの増加も報告されており、国際機関は事故が原因のがんなどによる死者数を4千〜9千人と推定している。・・・米スリーマイルアイランド原発事故から、チェルノブイリ、福島と三つの過酷事故を経て、私たちが肝に銘じなければならないのは「想定外の事故は起き得る」ということだ。発生リスクが低くても重大な結果を引き起こす。その教訓を日本の政府や電力会社が生かしているとは言い難い。事故の詳細な原因が不明のまま、復旧もままならないのに再稼働を進め、避難計画もおざなりにすませている姿勢に顕著だ。事故が起きることを前提にすれば、被害を最小限に抑える減災の努力が欠かせないが、それさえも不十分なまま見切り発車しているのが現状だろう。安全神話の復活を危惧するばかりだ。
http://www.kyoto-np.co.jp/info/syasetsu/
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エネルギー転換、成功の鍵はフレキシビリティー(こちゃん / 2016年5月22日みどりの1kWh)
複数の調査の分析に当たったのはスイスの有力コンサルタント会社プログノス。AEEの委託で、ここ数年間にドイツの著名な研究機関が発表した電力のフレキシブルな利用とその可能性に関する25の調査の結果をまとめ分析した。2015年にドイツで発電された再生可能電力は196TWhで、ドイツの総発電量の約30%に達した。調整がうまくいかなかったために、多量の電力が輸出されたり、あるいは発電装置が一時的に電力網から切り離されたりしたこともあり、電力が100%効率的に利用されたとは言えない。そのため、世間にはこの事実を無駄遣いと批判する声もある。しかし自然電力がドイツの電力総需要を上回ったことは一度もない。そして将来的に発電量が電力需要を上回る場合には、それを現在は化石燃料に頼っている熱需要、つまり暖房や給湯、あるいは工業用の熱として、また電気自動車などの交通分野でも活用し、エネルギー転換を進めることができる。・・・どのフレキシビリティーの可能性がいつ必要になるかは、電力網の構築や蓄電装置価格の展開、その他の可能性との相互関係に左右される。このまとめでは、大型の蓄電装置が必要になり、水素も本格的に車の燃料となるのは2030年以後だろうとしている。それ以前には、より安い可能性で余剰電力が経済的に利用できるからだ。しかし長期的には全ての可能性を駆使することが必要で、それらは2030年頃までには経済的に利用できるようになっているだろうという。
http://midori1kwh.de/2016/05/22/8181
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