(日曜に想う)「E=MC2」刻むパンドラの箱 編集委員・福島申(2016/05/22朝日新聞) 12歳から14歳ほどの少女たちだ。髪も焼け、口は裂け、目の飛び出た死骸となって折り重なっていた――翌日に付近を探し歩いた家族の証言が残る。材木町と呼ばれたその辺りには他校の生徒も多数動員されていた。「あたかも煮干魚(いりこ)を乾かしたように、誰とも分からない無数の死体が散乱していた」との目撃談がある。直截(ちょくせつ)な表現に、悲しみと非人道への怒りが、きりきりと湧く。そこは今、平和記念公園になり、原爆資料館が立つ。27日には原爆を落とした国の現職大統領が、71年をへて初めてやって来る。思惑含みの政治ショーではなく、無差別に消された幾多の命に「核廃絶」で報いる道程の、揺るがぬ足がかりとする決意は日米の政府にあるか――。・・・そしてそのことは、先の戦争での責任に日本が真摯(しんし)に向き合うことと一対である。被爆した詩人、故・栗原貞子さんの一節を思い出す。「〈ヒロシマ〉というとき/〈ああヒロシマ〉と/やさしくこたえてくれるだろうか/〈ヒロシマ〉といえば〈パール・ハーバー〉/〈ヒロシマ〉といえば〈南京虐殺〉……」 * 両手を合わせて女生徒の碑に向き合うと、等式が刻まれた手箱は、かのパンドラの箱にも思えてくる。アインシュタインはのちに、原爆製造を当時のルーズベルト米大統領に促す手紙に署名したことを「人生で大きな間違いを犯した」と悔いた。人間があけてしまった箱は人間が封じるほかはない。歴史的訪問を歓迎し、核廃絶へ、山を動かす意志を新たにしたい5月である。 http://digital.asahi.com/articles/DA3S12370130.html 岡田代表「過去の首相答弁の改ざん、クーデターみたい」(2016/05/21朝日新聞) http://digital.asahi.com/articles/ASJ5P5Q0DJ5PUTFK00C.html?iref=com_alist_8_06 「原発延長で変革遅れる」 ドイツ環境相、日本に助言(2016/05/21朝日新聞) http://digital.asahi.com/articles/DA3S12368289.html (社説)元米兵逮捕 基地を減らすしかない(2016/05/21朝日新聞) http://digital.asahi.com/articles/DA3S12368175.html (声)原爆投下は人道に対する罪(2016/05/21朝日新聞)大学名誉教授 森下忠(神奈川県 92) 米国では国民の約6割が「原爆投下は戦争を早期に終結させ、多数の戦死者が出るのを防ぐための正当な行為であった」と考えているそうである。しかしこれは、当時の戦局を理解せず、原爆が多数の民間人に対して広範囲な悲劇的惨禍をもたらした事実を正確に認識しない者の見解である。日本の敗戦は、1945年6月、沖縄戦が終了した段階ですでに明らかだった。多くの都市は空襲で壊滅的状況に陥り、国民は食べる物にも事欠いていた。米軍が空爆を続ければ、本土決戦をするまでもなく、敗戦は近かった。原爆を投下する必要性は存在しなかった。それなのに原爆という大量殺戮(さつりく)兵器を投下するということは、国際法のルールによって許される限界を超える非人道的な戦闘行為であった。広島平和記念資料館(原爆資料館)を訪れた人は、胸をえぐられる衝撃を受けるであろう。だが、資料館で知ることができるのは現実に生起した惨禍の一部にすぎない。原爆は直接の被害者のみならず、救援に赴いて放射能を浴びた者、体内被曝(ひばく)した者などにも、悲劇的な症状を長く生じさせるに至った。 (声)日本の戦争責任も考えたい(2016/05/21朝日新聞)農業手伝い 小松惠一(茨城県 63) オバマ米大統領の広島訪問については「核なき世界」を実現する第一歩として受け止めたい。米国内では訪問を批判する声もあるという。そんな状況の下でも広島訪問を決断したオバマ氏を歓迎したい。日本では、広島の原爆の日の8月6日、長崎の原爆の日の8月9日は特別な日だ。同じように、米国ではハワイ時間で12月7日の真珠湾攻撃の日が「リメンバー・パールハーバー」として特別な日なのだと、米国在住中に感じた。オバマ氏の広島訪問の次は、日本の指導者が真珠湾の犠牲者に花を手向ける番ではないだろうか。更にはアジア諸国に対し、日本人全体で過去の戦争責任を改めて考えたいものだ。日本にとっての8月15日の終戦記念日は、アジア諸国にとっては日本からの解放記念日であることを忘れてはならない。長い年月が帳消しにしてくれるわけではない。日本の指導者がアジアの国々を訪問し、先の大戦への痛切な反省を改めて伝えて欲しい。そのうえで、戦争のない安全で平和な世界の実現を呼びかけるのだ。日本から「過ちは繰り返しませぬから」と発信しよう。 沖縄「限度超えた」 全国で抗議活動 元米兵逮捕(2016/05/21朝日新聞) もんじゅの行方 展望なき核燃は断念を(2016/05/21京都新聞) 米軍事件、沖縄に集中 横須賀基地ある神奈川でも(2016/05/21東京新聞) 安保法廃止署名、市民団体が野党議員に提出 1200万筆集める(2016/05/20東京新聞) 安全保障関連法の廃止を求めて署名を集めている市民団体のメンバーらは十九日、署名千二百万筆が集まったとして、東京・永田町の衆議院第一議員会館でこのうちの約百七十万筆を野党議員に預けた。残る署名も、逐次両院に提出する。署名集めは六月末まで続け、二千万筆を目指す。市民団体のメンバーらは夕方、国会前で安保法廃止を求めて声を上げた。 「首相の言い間違い」 「立法府の長」発言を官房副長官が陳謝(2016/05/20東京新聞) 萩生田光一官房副長官は十九日の自民党国会対策委員会の会合で、安倍晋三首相が国会で「私は立法府の長」などと答弁したことに対し「首相の言い間違いについては申し訳なかった」と陳謝した。首相は十六日の衆院予算委員会で、民進党の山尾志桜里政調会長が保育士給与問題の積極的な審議を求めた際に「私は『立法府』の長だ。国会は国権の最高機関として誇りを持ち、『行政府』とは別の権威としてどう審議していくか各党各会派で議論している」と述べた。十七日の参院予算委でも、民進党の福山哲郎幹事長代理の質問に対し「『立法府』の私としては答えようがない」と答弁。立法府の長にあたるのは衆参両院の議長で、いずれも首相は「行政府」とするべき部分を言い間違えた。 オバマ大統領 言及へ 「広島と長崎は核の犠牲の象徴」(2016/05/20東京新聞) 残業100時間超が10人以上 ブラック企業の社名公表(2016/05/20朝日新聞) 沖縄女性不明、元米兵逮捕 遺体遺棄容疑 殺害示唆の供述(2016/05/20朝日新聞) (時時刻刻)怒る沖縄、辺野古へ波及 元米兵を逮捕 県議・参院選控え一斉批判(2016/05/20朝日新聞) 沖縄での米軍関係者による主な事件 1995年9月 海兵隊員ら3人が沖縄本島で小学生の女児に暴行したとして起訴 2003年6月 海兵隊員が金武町での女性への強姦(ごうかん)致傷容疑で逮捕 05年7月 沖縄本島で空軍兵が小学生の女児への強制わいせつ容疑で逮捕 07年1月 陸軍兵が沖縄市で女性を殴り、強盗致傷容疑で逮捕 11年11月 軍属が沖縄市での自動車運転過失致死罪で在宅起訴 12年8月 海兵隊員が那覇市での女性への強制わいせつ致傷容疑で逮捕 10月 海軍兵2人が沖縄本島での女性への集団強姦致傷容疑で逮捕 16年3月 海軍兵が那覇市での女性に対する準強姦容疑で逮捕
(憲法を考える)自民改憲草案・自由:中 「ほどほど」では、自由でない(2016/05/20朝日新聞)
自民党の憲法改正草案の「自由」に対するスタンスを追うと、そんな印象を持つ。「この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果」だと明記した現行憲法97条は、削除。表現の自由を定めた21条には「公益」や「公の秩序」を害することを目的にしてはならないとの文言が追加され、「自由」は念入りに制限を掛けられる。だが、「ほどほどの自由」しか許されない社会とは、どんなものなのだろう?・・・憲法学者の山元一・慶大教授は言う。「公の秩序と個人の自由を対立させ、『公』に『自由』を服属させた途端、権利としての自由の価値は根幹から破壊される。もはやそれは、自由とは言えません」 <社説>制約なきオスプレイ どこの国の役所なのか(2016/05/19琉球新報) 1億活躍プラン 実行、実現への道筋は?(2016/05/19東京新聞) (オバマ米大統領 広島へ)私は考える:3 非人道性、議論の橋渡しを ペーター・マウラーさん(2016/05/19朝日新聞) (声)首相は改憲の内容を示すべきだ(2016/05/19朝日新聞)団体職員 山田英樹(神奈川県 51) 憲法に関する世論調査(3日朝刊)で、改憲不要が昨年の48%から55%に、9条改正反対が昨年の63%から68%に増えた。安全保障関連法は賛成が34%、反対は53%だった。これは、安倍政権が集団的自衛権の行使を憲法の解釈変更で可能とし、違憲の疑いが強い安保法を成立させたことについて、国民の理解が得られていないことを示しているのだろう。安倍政権が改憲の意欲を示せば示すほど、国民が警戒感を募らせていることの表れだ。安倍晋三首相は改憲に強い意欲をみせながら、具体的な内容をはっきり示していない。だが今年の参院選は、改憲を目指す勢力が改憲の発議に必要な3分の2の議席を得るかどうかという重大な意味をもつ。改憲したいというなら、何をどのように変えるのか、早くはっきり国民に示し、それを最大の争点として堂々と信を問うべきだ。国民受けがよくないからとあいまいにして、経済が第一などと訴えて、多数議席を得てから好き勝手なことをしてはいけない。民進党など野党の多くは安保法廃止を訴えるようだが、憲法をどうするのか、安全保障をどうするのか。与党に対抗し得る具体的方向性を示してほしい。 http://digital.asahi.com/articles/DA3S12364115.html 1億総活躍 プランに希望見えるか(2016/05/19京都新聞) http://www.kyoto-np.co.jp/info/syasetsu/20160519_3.html 熊本地震/震度1以上1500回に(毎日新聞2016年5月19日) マゾンで「沸騰する川」を発見(2016.03.16ナショナルジオグラフィックス) 1つ目の仮説は火山活動に関係しているというもの、2つ目は火山とは無関係の自然現象だという仮説です。そして3つ目の仮説は、この川は自然の産物ではなく、油田の事故が原因というもので、私はその可能性を本気で恐れていました。この川はペルー・アマゾンで最も古い現役の油田から2〜3キロしか離れていません。石油や天然ガスではなく温水しか出なかった採掘地が放棄された可能性もありましたし、石油や天然ガスの採掘で地熱系が破壊された可能性も考えられました。その最悪の例が、インドネシアのジャワ島で起きた泥火山の噴出事故です。4万人以上が移住を余儀なくされ、現在も噴出が続いています。 |
海のプラごみ 国際連携で拡散を防げ(2016/05/18京都新聞) 軍学共同研究 技術立国に逆行する(2016/05/18東京新聞) 情報流出、管理部局が能力不足(2016/05/18共同通信) オバマ氏広島訪問で隠されるもの(2016/05/18東京新聞) 牧太郎の青い空白い雲/571 地鳴りに怯え「地震ムラは詐欺集団!」と叫ぶ人々(2016/05/毎日新聞) 1995年、全く予想もしなかった阪神・淡路大震災。約6000人死んだ。次は東日本大震災。東海ではなかった。熊本地震を引き起こした布田川(ふたがわ)断層帯は……。「偉い学者先生」が「ほぼ0%から0・9%の確率」と判定した「地震が起こらない場所」だった。・・・予知学者に対する「不信感」は今、日本中にはびこっている。「地震ムラ」は年間250億〜350億円の「地震予知予算」を貰(もら)いながら「使い道」がなくて、年度末、予算消化に苦労している、と文科省官僚から聞かされたことがある。予算の使い道を徹底、調査すれば「ムラ」の正体が分かる?「詐欺師」呼ばわりはしたくないが……あまりに無責任ではないだろうか? まき・たろう (オバマ米大統領 広島へ)私は考える:2 反省示し謝罪求めては 成田龍一さん(2016/05/18朝日新聞) 占領から独立を遂げた1952年、広島の平和記念公園に慰霊碑が建立されたとき、「過ちは繰返(くりかえ)しませぬから」という碑文をめぐって論争が起きました。「過ち」の主語はだれなのか。原爆を落とした米国なのか、戦争を起こした日本なのか。結局、明示されぬまま、主語は「人類」という解釈で決着しました。占領・冷戦のもと封印されたこうしたタブーを、日本は戦後71年のいまも抱えています。原爆は、もう一つの「歴史認識問題」なのです。あの戦争をめぐり、日本は南京事件や慰安婦など、アジアに対する戦争責任を問われてきました。一方の原爆は、米国に代表される連合国側の戦争犯罪を提起しています。なのに、今回のオバマ米大統領の広島訪問に対し、日本では日米関係の強化や核廃絶へのステップといった「未来志向」の意味づけばかりが強調され、深い歴史的な問い掛けがかき消されてしまっています。「謝罪ではなく追悼」と主張する米国をおもんばかるように、日本国内の反応も「来て感じてくれるだけでいい」と遠慮がちです。 加害者である米国の大統領が、ヒロシマで何を語るのか。世界中が注視しています。オバマ氏自身、プラハ演説で「核を使用した唯一の保有国としての道義的責任」に言及しているわけですから、日本が謝罪を働きかけるチャンスのはずです。実現できなくても、そこに対話が生まれます。 ただし、相手に謝罪を求める以上、当然、あなたはどうなんですか、と反問されるでしょう。原爆投下は戦争の最後の局面で起きたことです。そこに至るまでに、日本は何をしたのか。原爆という被害と、アジアへの加害と、二つの歴史認識問題は切り離せない関係にあります。日本が反省を示してこそ、米国に反省を促し、世界の国々から共感を得られるのです。・・・今回の広島訪問で見えてくるのは、米国への従属です。だからこそ、オバマ氏に原爆投下の謝罪を求めることは、日本が米国と対等に付き合い、同時にアジアへの加害と向き合い、戦争について平場で議論するきっかけになり得るのです。せっかくの好機を、逃しつつあるように映ります。(聞き手・西本秀) 再生エネ、選ばれて伸びる 電力自由化、先行のドイツ(2016/05/18朝日新聞) LBはドイツで電力自由化が始まった1998年に創業。自前の発電所は持たず、国内約20カ所の水力発電所と提携して電気を調達する。これらの電気は送電網で石炭火力や原発の電気と混ざるが、「再生エネの電気にお金を払って応援する」という考え方だ。当初8件だった契約者は、今では全国65万件に膨らんだ。・・・ドイツには1千もの電力会社があり、大手を含めて多くが「再生エネ」の料金プランを作っている。さらに、電力会社に頼らず、エネルギーの「自給自足」を選択した人たちもいる。・・・ 4月以降、ソフトバンクや生協が再生エネの固定価格買い取り制度(FIT)を活用したプランをつくり、再生エネを選ぶ選択肢はできた。ただ、電気の供給力に占める再生エネの割合は60%ほど。実際には、どの発電所からつくられた電気なのかを明らかにしない事業者が多く、契約先選びは「安さ」が基準になりがちだ。大手電力から乗り換えた契約者は5月6日時点で84万5千件。全体の1%強にとどまる。 ドイツのシンクタンク、アゴラ・エネルギーベンデのディミトリ・ペシア氏は「再生エネは導入費はかさむが、燃料を使わないので発電するほど競争力が高まる。ドイツでできるのだから日本も伸ばせるはずだ」と話す。 辺野古「変更できる」 米議員、比国の例挙げ知事に言及(2016年5月18日琉球新報) 「沖縄、まるで植民地」 金平茂紀さん、国の対応批判(2016年5月17日琉球新報) |
元組幹部「密売組織は安泰」 清原被告の入手先沈黙続く(2016/05/17朝日新聞) (社説)ふるさと納税 富裕層の節税策なのか(2016/05/17朝日新聞) http://digital.asahi.com/articles/DA3S12360430.html 学生が不当労働と戦う本 早大がブラックバイト対策(2016/05/17東京新聞) (WEBRONZA)奨学金問題、社会全体で考えよう(2016/05/17朝日新聞) http://digital.asahi.com/articles/DA3S12360432.html (声)政治活動に「届け出」いらない(2016/05/17朝日新聞)介護福祉士 熊田響(東京都 38) 高校生の政治活動の届け出義務化に関する「どう思いますか」(11日)を読んだ。「届け出もできないような政治活動は、いかがなものか」という意見に疑問を感じた。届け出て許される政治活動しかできないと読めるからだ。私は10代から20代の頃、紛争後の国を見たりイラク反戦運動をしたりした。留学したネパールでは、警官隊と衝突したり暴徒化したりする学生中心の運動に遭遇した。その後、国は民主化された。学校や政府に「届け出」などできない政治活動が存在するのだ。そもそも国民の政治活動は届け出の要、不要や年齢で区切られるようなものではない。時代や政治情勢によっては、日本でだって、いろんな世代の国民が様々な手段で抗(あらが)わなければならないことが起こりうる。世界を見れば、そんな状況がたくさんある。同調圧力が強い日本で育つ10代に政治活動の届け出を義務づければ、萎縮するのは当然だろう。民主社会において政治活動は、萎縮する必要も、萎縮させる必要もない。 http://digital.asahi.com/articles/DA3S12360436.html?ref=pcviewpage 翁長知事 辺野古阻止に理解求める 米上下両院議員と面会(2016/05/17東京新聞) (憲法を考える)知らなかった立憲主義 田村理さん、高橋朝子さん(2016/05/17朝日新聞) そうだそうだと思ったら、その時点で間違っています。憲法を守る義務があるのは政治家や公務員であり、一般の国民ではありません。この記述は、立憲主義とは相いれないものです。・・・立憲主義は、先進民主主義諸国ではほぼ共通の概念です。それなのに最近、主に改憲派と言われる人たちの間から「欧州で生まれたもので、日本には合わない」などという反発も強まってきました。その感覚が私にはよくわかりません。欧州だってまだ「個人」などという概念が確立していなかった時代に、「個人」を作り出し、立憲主義を作り出してきました。なぜなら、それが人びとに必要なものだからです。同様の必要性が日本にもあるなら、世界のどこで生まれたものであれ、私たちにとって必要なはずです。日本に立憲主義なんてもう必要ない、それぐらい公権力は立派で勝手なことはしないというのなら、それはそれでおめでたいことです。でも現状を見ていると、とてもそうはいかない。むしろ、ますます必要になっています。 <社説>基地引き取り論 運動の広がりに期待する(2016/05/17琉球新報) ドイツで生きた無駄(2016/05/16東京新聞) 70年目の憲法 第5部 私のメッセージ <5> 広島大教授・横藤田誠さん譲れない「個人の尊重」(2016/05/17ヒロシマ平和メディアセンター) 私は生後7カ月でポリオ(小児まひ)に感染し、両足に障害があります。中学まで養護学校(現特別支援学校)で学び、高校は普通学校へ行きました。級友が健常者の環境は初めて。いじめられはしませんでしたが「みんなと違う自分」を意識し、劣等感を抱いていました。そんな時、授業で憲法の13条を読み、衝撃を受けました。13条は「すべて国民は、個人として尊重される」とし、生命や自由、幸福追求の権利についても最大限の尊重を約束している。 ・・・憲法は国民ではなく、権力者を縛るもの。こうして人権を守っていくのが立憲主義です。権力側が改憲を主張する際、主権者である国民は「人権保障はどうなるか」と警戒する必要があります。しかし、講義を受けるまで、多くの学生は立憲主義の意味を知らない。だから私は一番初めに教えます。人権が侵されていたとしても、国家に対峙(たいじ)できる強い個人ばかりではありません。私には、幼少期を共にした重度障害のある仲間がいます。そういう人たちの苦悩や希望に思いをはせ、憲法が保障する人権の意味を研究し、社会に発信していきます。(久保友美恵) |