大震災5年 「人の復興」を正面に据えよ(2016/03/11京都新聞)
東日本大震災の発生から丸5年を迎えた。死亡と行方不明は1万8千人以上に上り、いまも続く震災関連死を合わせた犠牲者は2万1千人を超えて増えている。被災地の復興はまだら模様だ。政府は、5年間で総事業費26兆円の「集中復興期間」を3月で終え、2016年度から被災地の自立に力点を置く「復興・創生期間」に移る。だが、どれだけの被災者が5年を前向きに節目と実感できただろう。交通などインフラ復旧や新たなまちづくりも進むが、被害が大きかった岩手、宮城、福島の3県では、いまだ県内外で避難生活を送る人が約17万4千人に上る。将来のめどが立たないまま、長期化に伴う健康不安や地元帰還への諦めが広がり、復興が困難さを増している面もある。 仮設に5万7千人生活の基盤である住宅整備の遅れが目立つ。家を失った人々のために応急的に建てられた仮設住宅に現在も3県で約5万7千人が暮らし、発生から5年で入居者がゼロになった阪神大震災との違いが際立っている。・・・ 巨費を投じてきた防潮堤や高台造成など建設事業は、今後ピークを過ぎて被災地の働き口や関連需要が細ることも懸念される。住民が帰還、定住し、町の再生を進めるには安定した生計が不可欠だ。生活関連の事業再開や地場の農林水産業、観光の新展開の支援などソフト事業の強化が重要だろう。
http://www.kyoto-np.co.jp/info/syasetsu/
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なお遠い日常 東日本大震災5年 避難生活17万人超(2016/03/11朝日新聞)
警察庁は10日、震災の死者が全国で1万5894人、行方不明者は2561人と発表した。震災後の体調悪化や自殺による震災関連死は3407人(復興庁まとめ、昨年9月末時点)。岩手、宮城、福島3県のプレハブ仮設住宅に独り暮らしで、誰にもみとられず亡くなった「孤独死」は202人(警察庁まとめ、昨年末時点)に上った。・・・ 東京電力福島第一原発事故による避難指示区域からの避難者は、約7万人に及ぶ。田村市と川内村の一部、楢葉町で避難指示が解除されたが、対象だった地区に帰還したのは田村市で69%、川内村で20%、楢葉町で6%にとどまる。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12251754.html
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(社説)震災から5年 心は一つ、じゃない世界で(2016/03/11朝日新聞)
戦後最大の国難といわれた東日本大震災と福島第一原発の事故が起きた「3・11」から、5年がたつ。宮城県や岩手県の海沿いでは工事の音が鳴り響く。だが、暮らしの再建はこれからだ。福島県をはじめ、約17万人が避難先での生活を強いられている。震災と原発事故は、今もなお続いている。被災地から離れた全国で、その現実感を保つ人はどれだけいるだろう。・・・住み慣れた土地を離れる住宅移転。生活の場である海と陸とを隔てる防潮堤。「忘れたい」と「忘れまい」が同居する震災遺構。それぞれの問題をめぐり地元の意見は割れてきた。人間と地域の和が壊れる。その痛みがもっとも深刻なのは、福島県だ。放射線の影響をめぐり、住民の価値観や判断は揺れた。線量による区域割りで東京電力からの賠償額が違ったことも絡み、家族や地域は切り刻まれた。・・・ 住む場所も考える問題も違う人間同士が「つながる」ためには、「互いにわからない」ことから出発し、対話を重ねていくしかない。「伝えたい気持ちは、伝わらない経験があって初めて生まれる。その点で、震災と助け合いと分断とを経験した被災地の子どもたちには、復興を担い、世の中を切りひらく潜在的な力がある」と平田氏は言う。被災地からの発信を一人ひとりが受け止め、返していくことから、もう一度始めたい。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12251678.html
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辺野古 市民ら警察対応に反発 「沖縄を返せ」歌い抗議(2016/03/11琉球新報)
【辺野古問題取材班】米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古への新基地建設に反対する市民らは11日午前、米軍キャンプ・シュワブのゲート前で抗議行動を展開した。市民らを送迎する車両の運転手が警察に免許証を見せるように言われたことから小競り合いが発生し、市民ら約50人が抗議の声を上げた。沖縄平和運動センターの山城博治議長によると、免許証を見せるように言われた女性は「車を動かせと言うなら動かす。免許証は見せない」と警察の対応に反発。これを発端に市民らがゲート前に座り込んだ。ゲート前から退くよう求める警察と市民の間で小競り合いになった。市民らは「沖縄を返せ」を歌うなどして抗議した。山城議長は「政府の弾圧に負けることなく行動しよう」と訴えた。
http://ryukyushimpo.jp/news/entry-236821.html
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<社説>東日本大震災5年 復興に全力尽くせ 政府は優先順位誤るな(2016/03/11琉球新報)
街をのみ込んだ大津波の傷痕は今も被災地に残されたままだ。多くの被災者が仮設住宅で不自由な生活を送っている。住み慣れた土地を離れ、県外避難を余儀なくされている人も多い。放射線による健康被害も懸念されている。・・・
「復興五輪」の本末転倒
大震災と東京電力福島第1原発事故で被災した岩手、宮城、福島3県の仮設住宅で生活している人は5万8千人に上る。高台の住宅地整備が遅れている。原発事故避難も長引いている。被災者全員が仮設住宅を退去するのは、早くとも被災10年後の2021年3月になる見通しだ。その前年には「復興五輪」と銘打った東京五輪が開催される。華やかな五輪の陰で、被災者が仮設住宅で暮らし続けるのは本末転倒だ。仮設住宅での不安定な生活を放置したまま「復興五輪」に巨費を注ぎ込むようなありさまを国民は容認しないのではないか。・・・警察庁によると、大震災の死者は1万5894人、行方不明者は2561人である。忘れてはならないのが、震災被害は今も進行中だということだ。避難生活による体調悪化で亡くなった「震災関連死」は3400人を数える。原発事故があった福島から県外に避難した住民は4万3千人にも上る。
http://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-236633.html
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福島県、避難者なお9万7333人 「震災関連死」は2031人(2016/03/11福島民友)
県が発表した東日本大震災の被害状況速報によると、10日午前8時現在、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の影響による避難者数は9万7333人で、内訳は県内避難が5万4174人、県外避難が4万3139人、避難先不明者が20人となっている。
http://www.minyu-net.com/news/news/FM20160311-056770.php
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社説 震災5年 日本のかたち 原点の誓い胸に刻もう(2016/03/11ヒロシマ平和メディアセンター)
きのう夜、再稼働から1カ月余りの原子炉が停止した。関西電力の高浜原発3号機である。大津地裁が、トラブルで停止したままの4号機とともに「発電の効率性を甚大な災禍と引き換えにはできない」として運転差し止めの仮処分を下した。再稼働の前提となった新規制基準を全否定したにも等しい。二転三転する司法判断への批判もあろうが、何事もなかったかのように原発の「安全神話」が再び横行しつつある日本という国への重い警鐘ともいえる。 東日本大震災と福島第1原発事故からきょうで5年になる。死者・行方不明者に、震災関連死を加えると2万1千人以上。全国の避難者数は17万人を上回り、5万7千人が仮設住宅で暮らす。孤独死も後を絶たない。 ・・・ 今こそ思い起こしたい。同じ悲劇を繰り返さないという原点の誓いを。多くの人が胸に刻んだ「日本はこのままでいいか」「変わらなければ」との率直な思いを。それは戦後社会の行き詰まりを直視し、人と人との絆を基盤として国のかたちを問い直す決意でもあったはずだ。きのう安倍晋三首相は記者会見で「復興は一歩一歩、確実に前進している」と胸を張った。本当にそうか。本来あるべき復興の姿と、現実がずれていくさまをどう見ているのだろう。 ・・・ 復興を前面に誘致した東京五輪が象徴的だ。宮城県の「水産特区」のように、規制緩和の実験的手法を被災地に持ち込む動きもあった。さらには防災を大義名分とした「国土強靱(きょうじん)化」路線によって、たがが外れたように公共事業の増発を当然視する空気がアベノミクスと一体になって全国に広がったことも見過ごせない。誰のための復興だったのか疑問も抱きたくなる。
http://www.hiroshimapeacemedia.jp/?p=57096
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第1回 イラストも文字もまったく意味不明、ボイニッチ手稿(2015/12/11ナショナルジオグラフィックス)
米イェール大学の図書館には、世界で最も興味深い書物の一つが収蔵されている。「ボイニッチ手稿」と呼ばれるこの古文書は20世紀の初めに、稀少本を扱う古書商によって発見された。その名称はその古書商の名にちなむ。文書には、いまだに未解読の暗号のような文字が記され、不可解な秘密めいた多数の挿絵が描かれている。でたらめな空想の産物だとする説もあれば、何か偉大な知恵が隠されているかもしれないと期待する声もある。手稿の大きさはA5サイズより少し小さく、厚さ5センチメートルほど。ベラムという上質な羊皮紙で作られ、240ページにわたって未知の言語と思われる手書きの文字でぎっしりと埋め尽くされている。大半のページには、文章の間にたくさんの奇妙な絵や図形が描かれている。放射性炭素年代測定によると、文書は1400〜1440年の間に作られたと見られる。内容は、挿絵の特徴から推測して、生物学、占星術、薬学、薬草、処方の五つの分野に区分することができる。・・・ 手稿の文章はおよそ17万字もの文字から成るとされているが、一部の文字が不鮮明なので正確な数は分からない。言語学者によると、これらは20〜30種ほどの記号、つまりアルファベットで構成された“言語”だという。この文書の解読には、二度の世界大戦時に活躍した優れた暗号解読者を含む、世界中の暗号研究者たちが挑んできたが、誰一人として成功した者はいない。
http://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/web/15/120700019/120700001/
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第2回 世界を操る影のサミット、ビルダーバーグ会議(2015/12/15ナショナルジオグラフィックス)
ビルダーバーグ会議とは1954年以来、毎年1回開催され、欧米の有力者が招待されて世界が直面している重要問題について話し合う完全非公開の会議だ。国家元首や政府首脳、財界や主要な軍需企業のトップが集まるこの会議は、その秘密主義が原因で長い間、疑いの目を向けられてきた。・・・政財界や金融などの分野から100人ほどの有力者が集まって、世界を巻き込む巨大潮流、いわゆるメガトレンドについて論議するのだという。それの何が問題なのかと思うかもしれない。だが、時が経つにつれ、招待客のそうそうたる顔ぶれと、かたくななまでの閉鎖性が相まって、閉ざされた扉の向こう側ではいったい何が話されているのかと、人々は疑うようになった。・・・ ビルダーバーグ会議の共同創設者である英国の元財務相、デニス・ヒーリーのこんな悪名高い発言がある。「世界統一政府の樹立にまい進していたというのは言い過ぎだが、あながち見当違いというわけでもない。われわれビルダーバーグ会議では、無益な戦いや殺し合いを永遠に続けて何百万もの難民を生み出すわけにはいかないと思っていた。それなら、全世界を一つのコミュニティにすればいいのではないかと考えたこともある」。007シリーズの映画に登場する、世界征服を企む犯罪組織の親玉が言いそうな台詞だ。英国の労働党議員マイケル・ミーチャーも、ビルダーバーグ会議は公衆の監視の目が届かないところで市場支配の強化と拡大を目論む「金持ちと権力者の陰謀集団」だと痛烈に批判している。発展途上国における覇権を保持するために、西欧の実力者たちが目論んでいる陰謀だという見方もある。ちなみに、日本の政財界からは誰も招待されていない。
http://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/web/15/120700019/121600002/
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(東日本大震災5年)私たちは変わったのか:3 原発と議論(2016/03/10朝日新聞)
■「思考停止」に転換の兆し 飯田哲也さん(認定NPO法人環境エネルギー政策研究所所長)
今回の大津地裁の仮処分決定は、稼働中の原発を止めるという画期的なものです。震災後に福井地裁が出した運転差し止めの判断と同様、誰が見ても当然の根拠から論理的な結論を出しました。「出来てしまったものは仕方ない」という、日本に特有の意識の壁も破った。原発をめぐる議論へのインパクトは強い。5年前、この国に住む私たちは原発やエネルギーについて、いわば強制的に、危機感を持って考えざるを得なくなった。あの時期を過ごしたことは大きい。8割近くが「原発はないほうがいい」と思うようになった。さほど意識していなかった3・11以前とは全く違う、大きな変化です。とはいえ、まだまだ守旧的な動きは強い。歴史を振り返れば、明治維新はペリー来航から15年後でした。尊皇攘夷(じょうい)で沸騰しましたが、体制側・守旧派からの強い反動が起きた。3・11後の現在になぞらえれば、現在は自民党と電力会社・経済界と経済産業省の3者による反動です。
しかし世界では、この10年で自然エネルギーの本流化が急速に進んでいます。風力発電は10年前、世界全体で5千万キロワット、原発50基分でしたが、昨年1年間だけで原発64基分が新たに生まれた。太陽光も10年前には原発3基分しかなかったのが、去年1年間で原発59基分ができた。・・・ あれだけひどい思いをした日本で、なぜ再稼働への動きが進むのか。一言で言うと思考停止です。日本の官庁や大企業は、組織も各自の仕事も細分化されている。個人にとっては、おかしいと思っていても、自分の仕事だけではどうしようもない、全体を変えられないという意識があります。・・・ 世界の状況も、日本の人たちの意識も、確実に変化が進んでいます。守旧派の揺り戻しが長く続くとは思えません。意外にあっさりと崩れるかもしれない。日本でも遅かれ早かれエネルギー変革への大きな転換があるはずです。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12249847.html?iref=comtop_fbox_d1_01
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(社説)原発事故から5年 許されぬ安全神話の復活(2016/03/10朝日新聞)
できるだけ早く原子力発電に頼らない社会を実現すべきだ。東日本大震災と福島第一原発の事故が起きてから、明日で5年になる。私たちは社説で改めて、「原発ゼロ社会」の実現を訴えていく。大津地裁はきのう、関西電力高浜3、4号機(福井県)の運転を差し止める仮処分決定を出した。稼働中の原発を司法が止めるのは初めてのことだ。安倍政権は、福島の原発事故の教訓をできる限り生かしたとは到底言えない。原発政策を震災前に押し戻し、再稼働へ突き進もうとしている。・・・安倍政権は当初は「原発依存度の低減」を掲げたが、徐々に新たな「安全神話」を思わせる言動が目立っている。
安倍首相は13年、東京五輪招致で原発の汚染水状況を「アンダーコントロール(管理下にある)」と世界にアピールした。規制委の新基準についても国会で「世界一厳しい」と持ち上げた。だが、今回の地裁決定は、その基準も再稼働の十分条件ではないとの判断を示した。・・・ 専門家をうまく使い、事故前のように仲間内で決めようとしているのか。疑念が膨らむ。原子力政策は難解だが、原発は、人びとの暮らし方、生き方の選択と直結した問題であることを事故は思い起こさせた。政権と少数の「原発ムラ」関係者たちが、いくら安全神話を復活させようとしても、事故前に戻ることはできない。原発はすでに大多数の国民の、身近で重大な関心事なのである。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12249852.html
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(声)東日本大震災5年:上 福島離れて転々、夫が無念の死(2016/03/10朝日新聞)無職 武内敏子(栃木県 85)
「原発が危ない」と思って、大震災翌日の2011年3月12日朝、福島県双葉町の自宅から夫婦で避難した。夫は85歳、私は80歳だった。県内、埼玉県、栃木県の計7カ所を、追い立てられるように転々とした。老いていく身の前途を思うと、不安ばかりが募った。思えば46年前、結婚を機に私の生まれ故郷の双葉町に一軒家を購入した。「穏やかな町で一生を終えられる」と夫婦で喜び合った。それから約40年、突然襲ってきた大地震と安全なはずだった原発の大事故。「晩年になってこんなことに……」と、夫婦で肩を落とした。何度か一時帰宅したが、我が町や自宅はどんどん廃れ、もう帰れないと思うようになった。2年前、私たち夫婦と同じように双葉町から避難してきた孫家族と、栃木県内に家を買った。ほっとできると思った矢先の昨秋、夫が肺炎で亡くなった。この5年間、我が家に戻れず、異郷で悲しい別れをした人は数知れないはずだ。それぞれ無念な思いがあったろう。一周忌法要は夫の故郷である福島県いわき市で営む。「懐かしい故郷の山河を見て欲しい」と願うばかりだ。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12249861.html?ref=pcviewpage
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(声)東日本大震災5年:上 原発事故ないと思っていたのに(2016/03/10朝日新聞)主婦 愛澤弘子(福島県 55)
大震災の翌日2011年3月12日早朝、サイレンが響き渡り、福島県浪江町の防災無線が緊急避難を呼びかけた。東京電力福島第一原発の事故だった。着の身着のまま、飼い猫さえ置き去りにして夫の家族と2台の車に飛び乗り、町内の避難区域に車を走らせた。すぐに東京に避難したが、13年にいわき市に移住した。娘が福島に帰りたいと訴え、福島で働く夫と合流したのだ。だが認知症の母は病状が悪化し、市内のグループホームに入所することになった。浪江町は全域が避難指示区域とされ、義父や3人の友人のほか、多くの親戚や知人が生まれ故郷に戻ることなく他界した。この1年で数回、自宅に一時立ち入りしたが、人のいなくなった町は雑草が生い茂り、無人の家屋は朽ち始めている。町は来春の避難指示解除に向けて急ピッチで除染作業をしている。うれしい半面、悲しくもある。町に、にぎわいは戻るまい。閑散とした町を風だけが吹き抜ける光景が目に浮かぶ。私の県の原発に限って、事故なんて絶対に起きるはずはない。私も、以前は同じように思っていたが……。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12249858.html
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「5人目のビートルズ」死去 ジョージ・マーティンさん 90歳(2016/03/10朝日新聞)
ビートルズを育てた英国の音楽プロデューサー、ジョージ・マーティンさんが8日、死去した。90歳だった。マネジメント会社が9日、発表した。ビートルズの元メンバー、ポール・マッカートニー氏(73)は同日、「私にとっては第二の父親のようだった」と追悼声明を発表。リンゴ・スター氏(75)も「寂しくなる」とツイートした。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12249989.html
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曲芸で辺野古抗議行動を盛り上げ 群馬のサーカス学校卒業生(2016/03/10琉球新報)
市民らは、移設問題をめぐる国と県の訴訟が和解したことで工事が一時中断したが、抗議行動の勢いを維持していくことをあらためて確認した。ゲート前では和やかな雰囲気で歌や三線が披露され、カチャーシーも踊った。2011年3月にあった東京電力福島第1原発事故で、約半年にわたり休校に追い込まれた群馬県の沢入国際サーカス学校の卒業生3人がゲート前を訪問した。抗議の現場を体感するとともに、笑いを誘う曲芸でゲート前を盛り上げた。
http://ryukyushimpo.jp/news/entry-236237.html
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<社説>知事の権限行使 堂々と県民の意思体現を(2016/03/10琉球新報)
当然の判断である。翁長雄志知事は今の姿勢を貫いてもらいたい。辺野古埋め立て承認取り消しをめぐる訴訟での国との和解に関連して、翁長知事は県議会で、今後予想される承認取り消し訴訟に敗訴しても、新基地反対の姿勢を堅持する考えを示した。和解の際、知事は「行政として判決に従うのは当然だ」と述べた。出直し後に敗訴すれば新基地を容認する、と誤解した向きもある。だがその際、知事は「基地を造らせないことはこれからも信念を持ってやっていく」とも述べている。だから今回の表明は、和解時の意思を再び表明したにすぎないのであろう。
http://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-236007.html
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高浜原発に停止命令 フクシマを繰り返すな(2016/03/10東京新聞)
稼働中の原発を司法が初めて止める。関西電力高浜3、4号機の安全性は不十分だからと。国民の命を守る司法からの重いメッセージと受け止めたい。3・11から五年を前に、司法の良識を見たようである。住民の安堵(あんど)の声も聞こえてくるようだ。3・11後、再稼働した原発の運転の可否をめぐる初めての司法判断は、原発は「危険」と断じただけでなく、事故時の避難計画策定も十分でないままに、原発の再稼働を「是」とした原子力規制委員会の「合理性」にも、「ノー」を突きつけた。・・・対策も不十分なままに、四十年を超える老朽原発の再稼働が認められたり、再稼働の条件であるはずの免震施設を建設する約束が反故(ほご)にされてしまったり、規制委の審査にパスした当の高浜4号機が、再稼働直前にトラブルを起こしたり…。再稼働が進むのに比例して、住民の不安は増している。規制委は、司法の重い判断を受け止めて、審査の在り方を大きく見直すべきだ。政府は福島の現状も直視して、再稼働ありきの姿勢を根本から改めるべきである。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016031002000128.html
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沖縄に是正指示 円満解決が遠のくだけ(2016/03/09京都新聞)
急転直下の和解からわずか3日後の手続き着手は性急で乱暴すぎる。しかも、文書を郵送で送り付けたという。膝をまじえた話し合いなしに難題解決はありえない。沖縄の米軍普天間飛行場(宜野湾市)の移設をめぐり、石井啓一国土交通相が翁長雄志沖縄県知事に対し、名護市の辺野古沿岸部の埋め立て承認を取り消した処分を是正するよう指示した。是正指示は代執行訴訟の和解条項に基づく手順とはいえ、和解で合意した国と県の再協議は一度も開かれていない段階での指示は高飛車とのそしりを免れない。・・・石井国交相による是正指示は、いずれ想定されたというものの、政府との対話に期待した沖縄県民を失望させたことは間違いない。翁長知事が「結論をいい方向に出そうという(協議の)入り口でこういう形でやるのは大変残念な気持ちだ」と反発するのは当然だ。
http://www.kyoto-np.co.jp/info/syasetsu/20160309_3.html
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TPP法案 拙速な審議は許されぬ(2016/03/09京都新聞)
政府は今国会での協定承認と法案成立を目指す構えだが、審議を急ぐ背景には、6月1日の会期末までに承認を終え、参院選での争点化を避けたい思惑も見え隠れする。だが、TPPは将来にわたって国民生活や産業に多大な影響を与える問題だ。そもそも協定の内容自体が国民に十分に理解されておらず、特定秘密保護法や安保関連法のように数の力で押し切ることは許されない。・・・食品の安全についても、科学的根拠があれば現行の基準が維持されると政府は説明するが、消費者には、他国が別の科学データを根拠に基準緩和の圧力を強めないかと心配する声も多い。とりわけ企業が投資先の国で不当な扱いを受けた場合に、その国の政府を訴えられる手続き(ISDS)条項は、乱用を防がないと食品安全基準や環境規制の厳しい国の主権を脅かしかねない。
http://www.kyoto-np.co.jp/info/syasetsu/20160309_4.html
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もう一度、原発事故調を 3・11から5年(3016/03/09東京新聞)
福島第一原発事故から五年。事故はいまだに解明できていない。再び、事故調査委員会をつくることを提案したい。風化、風評を防ぐことにもつながる。原発事故後、政府や国会、民間、東京電力がそれぞれ調査委員会をつくり、二〇一二年、相次いで結果を発表した。その後、原子力規制委員会が中間報告を出した。原発再稼働は、事故の教訓を踏まえて実施されるはずだが、実際には無視されている。たとえば、九州電力の川内原発。九電は再稼働から四カ月後の昨年末、事故対応施設の免震重要棟建設をやめると発表した。・・・問題は東電だけではない。政府の事故調査委員会が公表した調書で、原子力安全・保安院の室長が〇九年に津波対策の議論を進めようとした際、上司らから「保安院と原子力安全委の上層部が手を握っているから余計なことするな」「あまり関わるとクビになるよ」と言われたと証言していたことが明るみに出た。・・・国は調査、研究に消極的に見えるが、得られたデータは、日本だけでなく、世界の役に立つ。研究や調査だけでなく、新事故調も世界の研究者にオープンにしたい。それが先進国の役目であり、原発事故を起こした国の責任である。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016030902000141.html
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『言』 原発事故と科学 「安全神話」の復活を憂う(2016/03/09ヒロシマ平和メディアセンター)
◆今中哲二・京都大原子炉実験所助教
広島市出身で、原発のリスクを30年余りにわたり指摘してきた京都大原子炉実験所の今中哲二助教(65)が今月末、定年退職する。原子力政策に異を唱え、「熊取六人衆」と呼ばれたグループの最後の一人である。東京電力福島第1原発事故から5年の節目を前に再稼働を急ぐ国や電力会社への疑問、さらには科学者自身の在り方について聞いた。(聞き手は論説委員・東海右佐衛門直柄、写真・今田豊)
―原発事故から5年、現状をどう捉えていますか。
事故は収束し、被災地の復興も進んでいるように多くの国民は思っているかもしれない。現実は全く違う。私は福島県飯舘村での放射能汚染調査に関わっています。以前は「日本で最も美しい」とされた田園が、今は見る影もない。フレコンバッグと呼ばれる黒い袋が田畑を無残に埋め尽くす異様な光景です。汚染の主因であるセシウム137の半減期が約30年であることを考えるとあと50年、100年先まで対応が必要なのです。
―全く安心できる状況ではない、ということですか。
はい。まだメルトダウンして炉心から溶け落ちた燃料(燃料デブリ)がどこでどうなっているかさえ分かっていない。異常なことです。今後の工程について国や東京電力は「30〜40年後までに何とかしたい」としている。これは何を意味するのか。サイエンスの世界で「30年先」というのは見通しが立たない、と同義。自分たちの世代では打つ手がない、という告白です。この深刻さがまだ社会に伝わっていません。
―今中さんは原発に警告を発してきましたが、社会で顧みられずに事故は起きました。
私は最初、反原発派ではなかったのです。母が広島で原爆に遭い、私は2世。原子力は夢のエネルギーだと大学院生の頃まで思っていた。でも国は原発事故は起きないと言うのに、なぜ都会でなく田舎に造るのか、疑問に感じ始めました。そしてチェルノブイリ原発の事故が起きます。周辺の人々が家を奪われ、村や町ごと消滅する様子を調査し、がくぜんとしました。この問題を社会に広める責任があると研究を続けてきたけれど福島の事故を防げなかった。これが一番悔しい。
―チェルノブイリや福島などの核被害に通底するものは何だと思いますか。
科学への過信かもしれません。科学とは、自然を観察してその成り立ちを研究すること。そこで得られた知見は現実の世界のほんの一部なのです。原発が暴走した時に制御する方法も、低レベル放射線のリスクもまだ分かっていない。それなのに、いま分かっていることだけを前提に国策を進めてしまいました。日本の原子力政策は「原発事故は起きない」という誤った前提で始まっています。だから津波の危険性が指摘されても、電力会社はその情報を握りつぶしたのです。
―原発の再稼働が広がりつつあります。科学者としてどう感じますか。
福島の事故の前、国や電力会社の言うことにおもねり原発の「安全神話」を広めた科学者がいました。この点、科学界は深く反省するべきだと思います。いま心配なのは、事故を踏まえたとして新規制基準ができ、あたかも「原発は安全になった」と勘違いさせる風潮がまた起きていること。科学の力への「誤解」です。原発の技術はまだ確立されておらず、根本的なリスクがあります。原発を再稼働させることは、福島のような事故がまた起きる、ということを社会が覚悟することなのです。
―この5年で社会は変わることができたのでしょうか。
脱原発の世論は盛り上がり、私たちの研究への注目も一気に高まりました。今も市民の関心はとても高い。けれど最近、少しずつ関心が薄らいでいるように感じています。そこに危機感を覚えます。私は今月で定年ですが、パートタイムで現在の職場に残るつもりです。福島の問題はまだまだ続きます。放射線被害の実情を伝え、たくさんの人が日本という国のありようを考えるきっかけになるよう、研究を続けたい。二度と事故を起こさないためには、脱原発しかないのです。
http://www.hiroshimapeacemedia.jp/?p=56984
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社説/大震災から5年 原発事故 日本は何を学んだのか(2016/03/07毎日新聞)
あの福島第1原発の過酷事故から私たちは何を学び取ったのか。新たな社会をどう築けばいいのか。この5年を振り返ると、もどかしさが募る。対策を取っても原発事故は起きうる。地震・火山大国である日本にとってそのリスクは他国の比ではない。困難はあっても、原発に頼らない社会を築いていきたい。次々と爆発する原発の恐怖に、多くの人が決心したはずだった。それから5年、古里に帰れず避難先で生活する人々は今なお10万人に上る。放射能汚染は土地を奪い、産業を崩壊させ、家族やコミュニティーの分断を招いた。
政策決定は逆戻りした
これほどの犠牲を目の当たりにしながら、政府は原発維持政策を打ち出し、電力会社はこの1年で原発4基を再稼働させた。「もう福島のような事故は起こらない」。そんな言葉さえ聞かれるようになった。日本はこのまま原発回帰の道を歩んでいいのか。過酷事故の原点に戻り、立ち止まって考えたい。 事故直後、民主党政権は政策を転換し、「2030年代に原発ゼロ」を打ち出した。国民の意見を反映させる新方式を採用した結果だったが、自民党政権は方針を撤回、「依存度を下げる」としつつ原発維持の政策を決定した。30年時点での電源構成を決めるにあたって優先されたのは目先のコストだ。国民の意見をくみ上げる工夫もなく、政策決定の仕方は事故前に逆戻りした。・・・
脱依存社会あきらめず
先月末には事故当時の東電の幹部3人が検察審査会の議決に基づき強制起訴された。あれほどの大事故を起こしながら誰も刑事責任を問われていないことに納得のいかない人は多いはずで、その国民感情に沿ったものだろう。こうした「無責任体制」は、事故後も変わっていない。過酷事故が起きた時の責任を、誰が、どのように取るのか。はっきりさせておく仕組みが必要だ。・・・ 原発を即ゼロにしても逃れられないのが高レベル放射性廃棄物の最終処分だ。事故後、政府は処分場候補地の選定方法を変更し、今年中に「科学的有望地」を公表する方針だ。しかし、人々の合意をどう取り付けていくのか、本気の姿勢が感じられない。この問題を先送りにしたまま再稼働を進めることは、やはり、事故前への後戻りでしかない。こうしてみると「本質的なことは何も学ばなかった」と言いたくなるが、あきらめず一つずつ解決していくことが大事だ。世間の節電意識が薄れたとしても、失われたわけではない。昨夏の猛暑でも電力供給に問題が生じなかった背景には節電効果もあるはずだ。 原発依存への回帰を防ぐもう一つの望みは電力会社の地域独占を排するシステム改革かもしれない。透明性のある競争を取り入れつつ、再生可能エネルギーや省エネの最大限の導入を後押しする。日本が選択できる道はまだある。原発に依存しない社会に向けかじを切り直したい。
http://mainichi.jp/articles/20160307/ddm/005/070/002000c
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温暖化対策計画 脱炭素社会の道見えぬ(2016/03/08京都新聞)
これでは「脱炭素社会」への道のりが見えてこない。政府が先週示した新しい「地球温暖化対策計画」である。昨年の地球温暖化対策の枠組み「パリ協定」は、脱炭素の社会に向けて動きだそうとする国際社会の約束といえる。日本がリードするくらいの意気込みがほしいのだが、残念である。計画の中で、2050年までに温室効果ガスを80%削減する長期目標を明示している。しかし、目標達成に向けた道筋が描けていない。従来の取り組みの延長では実現困難との認識を示しているのは、とても重要なことだ。だからこそ、抜本的打開に向けた戦略的なビジョンが求められるのであって、技術革新の追求を挙げるだけではまったく物足りない。さらに疑問を抱くのは、計画に石炭火力発電所の新設が含まれていることだ。これでは何十年にもわたって温室ガスを排出し続けることになる。目標達成を阻害するだけではないか。欧米では脱石炭火力の動きが出ており、英国では25年には既設の撤廃を決めているという。日本では環境相が新設容認に転じるなど逆行している。政府の温室ガス削減への本気度が問われよう。・・・計画は原発再稼働を前提にしている。東京電力福島第1原発事故が引き起こした環境破壊を経験しただけに、将来に及ぶ計画にリスクを持ち込むことは許されない。
http://www.kyoto-np.co.jp/info/syasetsu/
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「工事停止に意義」議会で知事 あらゆる手法で阻止(2016/03/08琉球新報)
県の町田優知事公室長は8日、移設問題に関する国との和解に沿った訴訟で県が敗訴した場合、辺野古移設に協力していくかを問われ「あくまでその裁判の判決の効力が届く範囲で従う。あらゆる手法を用いて辺野古新基地は造らせないという方針に変わりはない」と述べ、埋め立て工事の設計変更申請への対応など、県が関与する部分で対抗していく考えを示唆した。
http://ryukyushimpo.jp/news/entry-234939.html
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グレーゾーン 低線量被曝の影響 第1部 5年後のフクシマ <6> 林業再生へ期待と不安(2016/03/08ヒロシマ平和メディアセンター)
森林が村の75%を覆う福島県飯舘村。東京電力福島第1原発事故で、全村避難を強いられた。来年春までに、帰還困難区域を除いて避難指示は解除される。住民帰還の安全対策ともなるだけに、森林除染への期待は強い。 ・・・一方で、不安もくすぶる。村内にある企業の農業研修所で管理人を務める伊藤延由さん(72)は森に通い線量測定を続ける。「ワラビ3047ベクレル、コゴミ3481ベクレル…。木の樹皮も高い」と住民の帰還にも反対している。「世代を超えて森林と共生してきた営み全体を、原発事故は奪った」 ・・・ 「徹底的な除染となれば双葉では100年たっても終わらない」。そんな本音ものぞかせながら、秋元さんは「どこまでが里山といえるのか、地元が一番知っている。国は住民と相談しながら進めてほしい」と念を押す。森林整備や除染作業に伴う被曝(ひばく)をどう抑えるのか、対策も訴える。 ・・・原発事故で森林に降った放射性物質は、地表や、木の幹の表面、葉に付着した。それが雨や落ち葉などを通して地表に移動。腐葉土や、地面から数センチの浅い地層に、主に放射性セシウムがたまっているとみられる。
http://www.hiroshimapeacemedia.jp/?p=56959
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制御棒1本が異常動作/柏崎刈羽原発5号機(2016/03/08共同通信)
東京電力は8日、定期検査中の柏崎刈羽原発5号機(新潟県)で、原子炉に挿入されている制御棒を動かすための設備を点検していたところ、制御棒自体を操作していないのに制御棒1本が動いてしまうトラブルがあったと発表した。・・・ 8日午後2時8分、5号機原子炉の制御棒を水圧で動かす設備を点検中、制御棒の位置が所定の位置にないことを示す警報が鳴った。東電が調べると、185本ある制御棒のうち1本が正常な位置よりわずかに深く原子炉内に挿入されていた。
http://this.kiji.is/79876584120549382?c=39546741839462401
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菅元首相、再生エネの拡大訴え/ローマで会見やTV出演(2016/03/08共同通信)
【ローマ共同】菅直人元首相は7日、東京電力福島第1原発事故から5年を前にローマで記者会見やテレビ出演し「事故が起き、原発に対する考え方を百八十度変えた。原発をなくすことが日本や世界にとって必要だと確信するようになった」と述べ、再生可能エネルギーの拡大を訴えた。菅氏は今も約10万人の福島県民が避難生活を送っており「事故は継続している」と強調した。日本では「政府が“原発復帰”を強く進めており、国民の望む再エネへのシフトとせめぎ合っている状況だ」と指摘、安倍政権を批判した。
http://this.kiji.is/79756629004600829?c=39546741839462401
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(東日本大震災5年)被災の子、遠い貧困解消 家計、依然厳しく(2016/03/08朝日新聞)
東日本大震災や東京電力福島第一原発事故で、自宅を失ったり、親の働く環境が整わなかったりして経済的に厳しい状況に置かれている子どもは多い。自治体やNPOなど支援の動きが広がるが、経済的な困窮から抜け出せないでいる。・・・ 福島県では放射線の影響を心配して母と子だけが避難し、仕事がある父とは別々に暮らすケースがある。二重生活で生活費が余計にかかり、教育費の工面に苦労する家庭も少なくない。福島市の女性(43)は東京電力福島第一原発事故後の2011年夏、当時12歳の次女(17)と2歳だった三女(7)を連れて、山形市のアパートに避難した。会社員の夫(49)と高校進学していた長女(20)は福島市に残った。事故前、夫の年収は300万円、女性はパートで90万円を得ていた。避難後は二重生活で一家の出費は月8万円増えた。女性は今、パートで年150万円を得るが、「生活はぎりぎり」の状態だ。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12246132.html
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(プロメテウスの罠)「明るい未来」:18 原発より看板危険?(2016/03/08朝日新聞)
「原子力 明るい未来のエネルギー」などの標語を掲げた町内の「原子力広報塔」2基は撤去する。・・・町側が当時、記者らに説明した撤去の理由――つまり、大沼が後に報道で知った理由は(1)設置から25年近く経ち、老朽化して部品が劣化。落下して人や車に当たる危険がある(2)現場周辺は帰還困難区域で放射線量が高く、補修が困難――などだ。
しかし、大沼は、これらの理由すべてに疑問をもった。
「町には公共の建造物を含め、落ちかけた陸橋、道路側に崩れた家々、ブロック塀など、もっと危険性の高いものがたくさんあるのに、なぜこの看板から撤去するのか」・・・ そう考えた大沼は「看板よりもはるかに危険なのが原発事故。後世に伝えるべき『負の遺産』として現場保存を」と訴え、撤去ではなく修繕を求める要望書をまとめた。町役場に出向き、町長の伊沢史朗(57)、町議会議長の佐々木清一(ささきせいいち)(67)に手渡すと、「相談したい」「検討したい」と応じてくれた。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12246129.html
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(声)偏見に負けず就職を目指す娘(2016/03/08朝日新聞)高校教員 佐々木俊裕(福岡県 56)
来春卒業する大学生の会社説明会が解禁され、娘も初めての就職活動を本格的に始めた。娘は先天性白皮症で、生まれつき色素が不足しているため、金色の毛髪で肌が白い。幼少時より周りの偏見の目と何げない言葉の暴力にずっと耐えてきた。昨今、多文化共生や異文化理解が叫ばれてはいるが、悲しいかな日本は「他者と違うこと」を受けいれる土壌が育っていない。娘は、髪の毛の色からくる問題に、常に向き合ってこなければならなかった。合同会社説明会で採用担当者たちから何度も「地毛のことはわかったが入社後必ず髪を染めてもらう」と多くの学生の前で声高に言われた。妻に「悔しい、でも絶対に負けない!」と泣きながら電話してきた。個性を受け入れられない度量の小さな企業はグローバル企業でも一流企業でもない。マイノリティーが肩身の狭い思いをする必要は全くないはずだ。個性を尊重し、受け入れてくれる企業と巡り合えることを切に願いつつ、娘の短くも長い戦いがまた始まった。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12246096.html
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(声)猫ブームで人との関係考えた(2016/03/08朝日新聞)パート 権田さおり(新潟県 33)
猫の飼育数が、犬にほぼ並んだそうだ。一人暮らしやシニアの人が増え、散歩の必要がない猫が人気という。最近は「ネコノミクス」という言葉も耳にする。テレビや雑誌など、いろいろな所で猫が登場する。猫と一緒に遊べる猫カフェも人気だ。猫ブームによる経済効果も、それなりにあるという。しかし、猫にとってはよいことばかりではない。多頭飼育によって飼えなくなった猫を捨てる人もいるし、ノラ猫に餌やりをする地域の人をめぐってトラブルが起きることもある。捨てられるなどした多くの猫が、殺処分されていることも大きな課題だ。猫は自由気ままで、人間に忠実ではないけれど、人間の都合で命を消してしまっていいはずがない。私たちは動物と共存する中で、幸せや救い、癒やしを見いだすこともある。「恩返し」のためにも、猫が安心して生きていけるように、しっかり保護すべきだと感じている。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12246099.html
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おとり捜査 逸脱の背景、徹底究明を(2016/03/07京都新聞)
捜査機関とは思えぬ、悪質な行為と言わざるを得ない。拳銃を所持していたとして銃刀法違反罪で服役したロシア人男性が、北海道警の違法なおとり捜査で有罪にされたとして再審請求し、札幌地裁が認めた。違法な捜査と断定し、裁判をやり直して無罪を言い渡すべきと結論づけた。おとり捜査は欧米では広く導入されているが、日本では一定の制約がかけられている。犯意のある人物に実行の機会を与えるのは認められる一方、犯意のない人物をそそのかして実行させるのは違法との基準を最高裁が示している。今回、地裁は元捜査員の新証言をもとに後者と断じた。「犯罪を抑止すべき国家が新たな犯罪をつくり出した」「捜査の名に値しない」との厳しい指摘を道警は重く受け止めるべきだ。
http://www.kyoto-np.co.jp/info/syasetsu/20160307_3.html
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介護保険カット 創設の理念が失われる(2016/03/07東京新聞)
介護保険サービスのさらなるカットに向けた議論が厚生労働省の審議会でスタートした。介護を理由とする退職者をゼロにするという政府の目標にも逆行している。受ける身になって考えるべきだ。・・・最大の焦点が、「要介護1、2」といった比較的、介護が必要な度合いが低い高齢者向けの掃除や洗濯、調理、買い物といった生活援助サービスの見直しだ。現在は訪問介護サービスとして保険の対象となっている。これを対象から外し、原則、自己負担とすることが検討される。要介護1、2の人は約二百万人。中でも要介護1の中では、生活援助サービスのみの利用者が五割を超えている。財政審は「生活援助は日常生活で通常、負担する費用」と指摘し、自己負担とすることを求めた。現在、生活援助サービス一回の利用者負担は二百五十円程度だが、それが一気に二千五百円になることになる。膨張し続ける介護費用を抑制する狙いがあるが、あまりに乱暴ではないか。生活援助サービスを受け、かろうじて自宅での生活を維持できる高齢者も多いだろう。また、定期的なホームヘルパーの見守りが、急な症状悪化の発見につながることもある。給付カットで家族の負担が重くなり、介護離職者が増えることも予想される。・・・介護保険サービスの大幅カットを柱とする見直しは二〇一五年度、施行されたばかり。改正の影響を検証せずに矢継ぎ早に給付減を打ち出せば、多くの高齢者やその家族を苦境に陥らせかねない。介護を家族だけに担わせず、社会全体で支え合う「介護の社会化」という当初の理念が失われかねない。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016030702000150.html
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『不思議の国のアリス』はこうして生まれた/出版から150年、その軌跡をたどる(2016/03/07ナショナルジオグラフィックス)
1862年7月4日、ある人物の口から、魔法にかかったかのように物語があふれだした。怖いもの知らずの少女がウサギの穴に落ち、不思議の国に迷い込むという物語だ。語るのはチャールズ・ラトウィッジ・ドジソン。内気で強いこだわりのある、英オックスフォード大学の教員だ。ドジソンは後に、即興で語ったこの物語を「ルイス・キャロル」というペンネームで出版することになる。・・・ ドジソンは一見、不思議の国など創り出しそうにない人物だった。数学の講師であり、『行列式初歩』という数学の参考書を出し、生涯結婚せず、信心深く、英国を離れたのはヨーロッパ大陸を旅行した1回だけ。いつも聖堂を眺めて時間を過ごしていた。
だが、その想像力は夢と現実の境目でたわむれていた。
不思議の国はどこで生まれたのか。それは革表紙の本が並ぶ部屋だったのかもしれない。薄暗くひんやりとした部屋が、昼近くなり、太陽の光が差し込むときだけは金色に輝く。そこはオックスフォード大学クライストチャーチ・カレッジの図書館事務室だった。図書館長補佐だったドジソンが窓の外に目をやると、カレッジの学寮長ヘンリー・リデルの幼い娘たちが庭園で遊ぶのが見えたのだ。・・・今やアリスの物語はアラビア語からズールー語まで50以上の言語に翻訳され、ダリやディズニーに描かれ、作曲や演劇、映画のモチーフとなっている。チャールズ・ラトウィッジ・ドジソンが童心を忘れることはなかった。ある意味、彼は生涯大人にはならなかった。子どもに帰るのが好きだったと言ってもいい。
http://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/15/a/070600015/
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辺野古新基地、120人が抗議 緊急事態想定「運動」議論も(2016/03/07琉球新報)
【辺野古問題取材班】米軍普天間飛行場の移設に伴う新基地建設をめぐり7日午前、名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブのゲート前では約120人が抗議した。代執行訴訟で4日に国と県が和解してから初の平日となるこの日は工事の動きはなく、ゲート前の混乱は起きていない。市民らはゲートに敷かれた山型鉄板の撤去など、工事開始以前の状況に戻すよう訴えた。ゲート前の集会では和解で工事が中断されたことで、運動の在り方も議論。今後の緊急事態などに向けて体力を温存するため、早朝行動を一時中断することなどの意見が出た。
http://ryukyushimpo.jp/news/entry-234276.html
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<社説>震災5年フォーラム 「肝苦さん」の心発揮しよう(2016/03/07琉球新報)
未曽有の犠牲者を出した東日本大震災と東京電力福島第1原発事故からもうすぐ5年を迎える。被災地の現状を共有し、沖縄から支援の在り方を探る「フォーラム3・11 今できること」が催された。大震災と原発事故を決して忘れず、人の痛みをわが事として受け止めて寄り添う沖縄の「肝苦(ちむぐり)さん」の心を発揮する必要性を再確認する場となった。エネルギーと安全保障の負担が1地域に押し付けられる点で福島と沖縄を重ね、地方から中央に異議を申し立てる重要性を説く発言も相次いだ。賛同を表したい。フォーラムは、社会基盤を破壊し尽くした大津波と、愛する故郷に住めない人を生み出した過酷な原発事故に共通する重要課題が、被災者の「心の復興」であることを照らし出した。沖縄から福島に移った精神科医の蟻塚亮二氏は地域共同体やなりわいを失った原発事故被災者の診察を踏まえ、「国や東電が原発事故の責任を認めず、喪失から再起を図る住民の心の傷が回復しない」と厳しく批判した。避難住民を「日本の難民」と位置付けた報告が痛切に響いた。被災者の心をケアする施策充実が急務である。
http://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-234046.html
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批判したら訴えられた…言論封じ「スラップ訴訟」相次ぐ(2016/03/07朝日新聞)
会社などを批判した人が訴訟を起こされ、「スラップ訴訟だ」と主張する例が相次いでいる。元々は米国で生まれた考え方で、訴訟を利用して批判的な言論や住民運動を封じようとする手法を指す。法的規制の必要性を訴える専門家もいるが、線引きは難しい。・・・12年夏に計画を知り、温度上昇や災害対策に不安を感じた周辺住民は説明会の開催を要求。土生田さんは「企業の姿勢そのものが不安」などと説明会で発言した。報道機関が取材し、地元紙が「住民が困惑」と記事にした。すると、土生田さんに会社側から訴状が届いた。「科学的な根拠を確認せず計画を批判し、会社が住民の命や生活環境に危害を加えるかのような印象を与えた」「マスコミを通じて企業イメージを失墜させた」。反対運動で計画の一部を断念させられて損害を受けた、と訴えていた。他にも反対住民はいたが、被告は土生田さん1人だった。・・・ 弁論は11回、1年8カ月に及んだ。「楽しいことをしていても常に頭の片隅にあった。精神的、肉体的にものすごい負担だった」と土生田さんは振り返る。スラップ訴訟という形態も知った。「訴えられれば対応を強いられる。こうした訴訟を許さない社会にならなければ、繰り返される」・・・スラップ訴訟の研究を進める専修大学の内藤光博教授(憲法学)は「特定の発言を封じるだけでなく、将来の他の人の発言にも萎縮効果をもたらす。言論の自由に対する大きな問題で、法的規制も検討するべきだ」と指摘する。
http://digital.asahi.com/articles/ASJ3652LRJ36UTIL00H.html?iref=comtop_6_05
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(社説)「停波」発言 放送局の姿勢を見たい(2016/03/07朝日新聞)
政治的に公平でない番組を繰り返し流した場合、時の総務大臣の判断で、放送局に電波停止を命じることもありうる――。高市早苗総務相が、こう繰り返し表明している。これまでの総務大臣も同様のことを述べてきた、とも言っている。放送関係者や法学者らによる批判声明が相次いでいるが、考えを変えるつもりはないという。高市氏は放送法の意義を理解していない。放送法の精神は、憲法が保障する表現の自由を確保することにある。・・・ 心配なのは、テレビ報道に萎縮が広がることだ。「上から無言のプレッシャーがある」「自主規制や忖度(そんたく)によって萎縮が蔓延(まんえん)している」。現場にはそんな声があるという。政権から「公平ではない」と言われるのを恐れて報道が手ぬるくなれば、民主主義社会の基本である国民の知る権利の足元が掘り崩される。・・・ 春の番組改編で、政権に厳しくものを言ってきたキャスターが次々と交代することもあり、視聴者は今後の報道姿勢を注目している。テレビ局は報道の担い手として、自分たちの考え方を、もっと積極的に直接視聴者に伝えたらどうだろうか。放送法第1条には「放送に携わる者の職責を明らかにすることによって、放送が健全な民主主義の発達に資するようにする」とある。それをどう実践しているのか、分かりやすく見せてほしい。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12244956.html
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(声)まず改憲ありきの姿勢に疑問(2016/03/07朝日新聞)非常勤地方公務員 荒川和成(千葉県 64)
安倍晋三首相は在任中の憲法改正に意欲を示す。まず緊急事態条項の新設を考えているという。大規模災害や有事(戦争)の際、政府・国会の権限などを定めるという条項だ。だがこれらの事態には災害対策基本法など既にある法律で対処できるはずだ。にもかかわらず、緊急事態条項を持ち出すのは、国民に改憲が受け入れられやすいという計算があるからだろう。最終的に目指すのは、首相が占領軍の押しつけとみる現行憲法、特に9条を変え、自民党の党是である自主憲法の制定を実現することではないのか。だが、緊急事態条項をめぐる安倍首相の姿勢には矛盾を感じる。首相は衆参同日選挙を視野に入れていると言われる。選挙期間中、国会議員は参院議員の半数しか残らない。緊急事態に対応しづらい政治情勢を生むことを知りながら、改憲を争点に同日選を実施するとすれば、理解に苦しむ。緊急事態条項は、自民党の党是を実現するための突破口にすぎないと思える。安倍首相の「まず改憲ありき」の姿勢には疑問を感じざるを得ない。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12244958.html?ref=pcviewpage
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(声)改憲は国民的な議論を踏まえて(2016/03/07朝日新聞)無職 山村哲男(神奈川県 69)
安倍晋三首相は衆院予算委員会で、自民党の憲法改正草案に示された条項のうち理解を得やすいものから改憲に着手したい考えを表明した。野党は何のための改憲か分からない「お試し改憲」ではないかと批判したが、首相は草案の意義を繰り返し強調した。だが、どれだけの国民が自民党草案を読み、内容を理解しているだろうか。まず、「なぜ改憲が必要なのか」を国民に丁寧に説明し理解を求めるのが筋だ。安倍政権が緊急事態条項の新設を目指すというなら、全国各地で、その狙いや人権に関わる問題点につき説明し、質問や議論を受ける機会を設けるべきだろう。国会論議では、自民党草案に人権軽視の条項があるとも指摘された。基本的人権の尊重や平和主義をうたう現行憲法への支持は根強い。安倍首相は夏の参院選で改憲を争点にしたい意向というが、それまでに自民党の草案への理解が浸透するかどうかは疑問だ。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12244959.html?ref=pcviewpage
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