次の朝、少年は おじいさんが気になってベッドの方を見ました そして、上にかけておいた赤いマフラーが 消えていることに気づきました
「どうしたんだろう?」
そう思ってベットのあたりを探しましたが 見あたりません でも、おじいさんは 気持ちよさそうに眠っています
少年は、ほっとして椅子に座りなおしました そして、おかしな事に気づいたのです 部屋が温かいのです
少年は、小さな部屋を見渡しました するとどうでしょう 部屋の片隅に暖炉があるのです 赤い火が元気に燃えています。
「あ、そうか・・・」 「赤いマフラーは赤い暖炉になったんだ」
少年は嬉しくて嬉しくてたまりません
もちろん、チッチとジョンは 暖炉の前で、ながーくなって寝ています よほど気持ちがいいのでしょう 今日は大好きな遊び場へも出かけません
少年が見た暖炉の夢は現実だったのです
少年は次の日からはおじいさんのような よそから来た住む家のない人達を 家に連れて帰りました 暖炉があるので 毛布やシーツがなくても、寒くありません みんなで肩を寄せ合って、眠りました
最初はよそ者に冷たかった人達も 少年の小屋にいる人達がみんな やさしい心の持ち主だとわかって 食べ物や飲み物を届けてくれました
少年はそんな人達に 感謝の気持ちでいっぱいになりました
少年の小屋の住人達も、そんな気持ちに答えて 元気になった人は、山の実をひろったり きれいな花をつんで町の人達に届けました みんなの心は少しずつ通いはじめたのです
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