でも、こまったことがありました
少年の小屋はぎゅうぎゅう詰めで もう人が入れなくなってしまったのです 少年は明日また誰か 家のない人に出会ったらどうしよう そんな不安な思いで眠りにつきました
そして、次の朝
まだみんなぐーぐーいびきをかいています 少年はふと 不思議な暖炉の方を見ました
思わず「あっと」声をあげました」
あの燃え続ける暖炉がないのです 暖炉が無ければ みんなが寒い夜を 毛布もなしで過ごすことは出来ません 少年は心配になって 小さな窓から外の寒そうな景色を見ました
「あれ、様子がおかしいぞ」
妙に外が明るいのです いつもどんよりと 灰色がかって見える景色が、違うのです 空気が輝いて透き通った感じがします 少年は思わず外に飛び出しました
そして分かりました
そこには昨日までの 冷たく青い太陽ではなくて 明るく輝く暖かい太陽がありました やさしい木漏れ日が地面を照らしています
「そうか」 「赤い暖炉は赤い太陽に変わったんだ」
少年は叫びました
「今日からは、のびのびと星の下で眠れるんだ」 「もう寒くない」
少年は、木立の間を跳ね回る チッチとジョンの嬉しそうな姿を追いながら ジーンと胸にこみ上げてくるものを感じました
少年の目は太陽のように きらきらと明るく輝いていました
Copyright (C) 2002 Masaki Matsuura. All rights reserved. |
今や自然エネルギーを有効に使えるだけの科学力があります。原発を完全に無くし、
化石燃料をなるだけ減らして行くことが未来に対する人類共通の責任です。