(9・11から20年)WTC標的、2つの兆候 ビンラディンにつながる事件、90年代相次ぐ(2021年9月11日朝日新聞) 米公共ラジオ局WNYCのジム・オグレイディー記者は「当時、事件は謎に包まれ、理解されなかった。NY市警も誤って、『精神的に不安定な単独犯による事件』と位置づけた。しかし、9・11につながる最初の攻撃となった」と話す。 美術館の地下が生んだ世界の前衛 大阪の美術研究所が休止、縮小へ(2021年9月09日朝日新聞) 一方、研究生の中からは改修中の別の場所での活動継続や、カリキュラムの維持を求める動きも出ている。入所12年目の山本君枝さん(74)は「素晴らしい作家たちを輩出してきた歴史への畏怖(いふ)と誇りを感じながら、先生方や他の研究生と語り合い、刺激し合って向上できる場所。過去から脈々と受け継がれてきたそうした文化が途切れてしまう」。美術館も代替場所を模索したが、休館中は展覧会収入がなくなることもあり、めどは立っていない。・・・講師の一人は「戦後の焼け野原で、美研は美術を始めたい人の唯一の希望だった」と振り返る。公立美術館が運営する美術教育の場は全国でも他に類を見ない。美術教育や文化行政のありようが変遷するなか、学びやの伝統も変化の時を迎えている。 |
テロと文学(2021/09/12 朝日新聞) (社説)在沖米軍基地 不信深める汚染水放出(2021/09/12 朝日新聞) 米軍は焼却処分すると費用がかさむとして放出を打診。日米両政府で協議をしているさなかに、一方的に作業を進めた。到底許されるものではない。・・・日米地位協定により、基地の管理権が米軍にあるためだ。15年に環境に関する補足協定が発効したが、日本側の権限はあいまいなままだ。実際、翌16年以降、嘉手納基地周辺で高濃度のPFOSが検出されたとして、国や県は立ち入り調査を求めたが、米軍に退けられた。 (声)カエルの歌が聞こえてこない(2021/09/12 朝日新聞) これは私の住む地域だけの問題なのか。環境の汚染や変化によるものなのか。わからないことが多く、思い悩んで、「いや、わが田んぼではたくさん鳴いている」という声を求めて投書した。カエルの歌が聞こえてこない、「沈黙の田んぼ」はご免被りたい。 (Showtime 大谷翔平2021)103年ぶり偉業、お預け 野球・大リーグ 10日(2021/09/12 朝日新聞) 新型コロナ「ミュー株」、抗体の効き目7分の1以下に 東大など研究(2021/09/12 朝日新聞) あの夏、ベルモンドに受けた衝撃 私は「勝手にしやがれ」と名付けた(2021年9月10日朝日新聞) 「勝手にしやがれ」の主人公のミシェル・ポワカール、いや演じたべルモンドの存在そのものが、重苦しい社会の空気を横からぶっ飛ばす力を秘めていた。映写の間に、私の夢想は果てしなく広がっていった。・・・11月初め、フィルムを日本へ出荷。同時に完成試写が行われる。すでに前評判が立ち始め、試写のあと、ゴダールは大勢の人に囲まれている。私はシャンゼリゼを下りながら、初めて怖くなる。作品は想像以上の出来。それだけに手強(てごわ)い。東京からは電話で「ベルモンドは売れない」と。「彼の新しさを評価出来なければ、この作品は死んでしまう」と言い返す。 「安全な食」追った記録映画(2021年9月9日朝日新聞) 父・ジョージ・ハリソンが言った「エルビスはかわいそう」の意味(2021年9月1日朝日新聞) ビートルズ時代、ジョージの曲はアルバムに2曲程度しか採用されなかった。「オール・シングス・マスト・パス」は、そのうっぷんを晴らすかのような3枚組みというボリュームと、完成度の高さで話題を呼んだ。曲が没になることが多い状況に「フラストレーションはあったと思う。そのエネルギーが全部一挙に出た作品」。多くを語らぬ「静かなビートル」は、自宅でも寡黙だった。「なんでビートルズのこと、教えてくれないの?」。ダニーは自宅でジョージにそう詰め寄ったことがあるという。「父は聞いても一切ビートルズについて語らなかった。そしてその答えを自分で探させた。何かを定義づけられることについても嫌がっていた」と振り返る。 そんなジョージだが、「エルビス(・プレスリー)はかわいそう。彼はひとりだから」と何度か口にしていたという。 |
(9・11から20年)「爆発が…」105階から非常階段へ(2021/09/05朝日新聞) 《911》 米同時多発テロから、まもなく20年になる。「あの出来事は影のようなもので、どこにいってもついて回る」。忘れられないし、忘れてはいけないと思う。・・・午前8時46分、部屋の電気が2、3回、点滅した。隣接する北棟の93〜99階部分に、1機目の旅客機が突っ込んだ時間だ。だが、部屋に窓はない。「何も見えず、何も聞こえなかった」 このとき、両棟合わせて計1万7400人が建物内にいたと推計されている。緊急時の先導役という男性が会議室に入ってきた。「北棟で爆発があった。避難しないといけない」。ただ、誰も信じなかった。「勘弁してくれよ。ここはニューヨークだぞ。常に何かが起こるし、常に緊急事態じゃないか」そんな声があがった。国際テロ組織アルカイダによって旅客機がハイジャックされたことなど、想像すらできなかった。 大谷翔平、43号本塁打となる3ラン放つ 117球投げた翌日に一発(2021/09/05朝日新聞) 投打「二刀流」を続ける大谷は前日、大リーグ4年目で最多の117球を投げ、9勝目を挙げたばかり。マドン監督は試合前「今日は、疲れがあると思う」と心配している様子だったが、無用だった。 さじを投げる(09/04 北海道新聞) (評・映画)「ミス・マルクス」 政治語る人々、楽しい訳は(2021/09/03朝日新聞) 映画では貫禄十分のロモーラ・ガライが演じていて、しっかり者として、まだ同志もごく僅(わず)かしかいない政治党派を支え、人間関係にもよく気をくばって、仲間の結束を支えてゆく人柄の良さを巧みに演じている。まだ政党としてはごく小さい存在だったいわば家族のような党派であるが、そんな政党が大きく育った過程を想像してみると楽しい。同じようなグループが集ってはげまし合う場面が何度も出てくるが、これはもっと楽しい。 この映画は、そうしたヨーロッパの政治好きの一般市民たちの日常的なつきあいも楽しそうに描いているが、マルクス主義などという思想もヨーロッパではこうして広がったものなのだろうか。まあ、この映画で見るとそういう感じにもなって楽しい。 |
(書評)『行く、行った、行ってしまった』 ジェニー・エルペンベック〈著〉(2021年9月4日朝日新聞) 「我々は目に見える存在になる」 祖国を追われ命からがらベルリンに辿(たど)り着いた難民たちの境遇や、彼らの一人ひとりが生きざるを得ない現実の過酷さは、リヒャルトの「頭のなか」に収まる膨大な知識を次々と無効化する。流れ着いた者らとの交流は、1990年に「突然――一晩のうちに――別の国の市民になった」リヒャルト自身の記憶をも静かに揺さぶる。あの年、リヒャルトの頭上で地図は描き替えられた。リヒャルトとその妻は一夜にして「ドイツ民主共和国」の市民から「ドイツ連邦共和国市民」になった。 ヨーロッパ人が引く国境線と無縁だったアフリカの若者に、東ドイツ出身の老人は教える。壁があった頃は西側に行こうとして射殺された人もいたんだよ。難民たちを阻む新たな「壁」の前で老教授は思索する。 「境界とは(……)敵を作り出すものだということを、ほかでもないここベルリンで、皆がもう忘れてしまったのだろうか?」 大谷翔平9勝目 ベーブ・ルース以来の「2桁勝利&2桁HR」に王手(2021年9月4日朝日新聞) この試合、最後のピンチでさらにギアを上げた。「代えられてもおかしくないけど、任せてくれた。期待に応えたかった」と大谷。相手打者に対し、初球のスライダーの後は99マイル(約159キロ)の速球を3連発。一ゴロに抑え、三つ目のアウトを奪い取った。・・・7回2失点で9勝目を挙げ、大リーグ往年の名選手、ベーブ・ルースが1918年に記録した「1シーズンでの2桁勝利と2桁本塁打」に王手をかけた。当時とは時代が異なるとはいえ、ルース以後、100年以上もの間、誕生していない事実が、大谷のすごみを物語る。 「父さん飲もうか」 気付けなかった高2の息子のSOS(2021年9月1日朝日新聞) 困ったら相談しなさいって言うけれど 相談できないからしんどいんだ! 一人で悩まないでって言うけれど じゃあ誰と悩めばよかったんだ! 困った時、しんどい時 肝心な時、みんないなかったじゃないか! 先生も、友達も、母さんも、そして父さんだって 肝心な時、いなかったじゃないか! 人のせいにしちゃだめだ 強くならなきゃ 前向きに生きなきゃ そんなこと何度も思ったよ でもどうすりゃ強くなれるんだよ どうすりゃ前向きになれるんだよ ねぇ、教えてよ、とうさん 僕はどうすればよかったんだよ! |
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