今も「生きる」キーンさん 一周忌 新著発行、各地で催し(2020/02/24東京新聞)
養子の誠己さん(69)が「黄犬(キーン)忌」と名付けた命日には、芥川賞作家の平野啓一郎さんと日本文学研究者のロバート・キャンベルさんが東京・新宿で「ドナルド・キーンとは何者であったのか」をテーマに公開対談する。チケットは早々と売り切れた。一体、キーンさんは何者だったのか。
まずは日本の恩人である。英訳された日本文学の六割はキーンさんと教え子の「キーン・ファミリー」の手による。キーンさんによって、どれだけ日本の国際理解が深まったかは計り知れない。東日本大震災後にキーンさんが日本国籍を取得したことで日本人は大いに励まされたことだろう。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/202002/CK2020022402000130.html
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沖縄県民投票1年 「辺野古」に正当性なし(2020/02/24東京新聞)
「当然の結果。沖縄を返せ!」沖縄県名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブ周辺で、新基地建設反対運動を続ける市民らが歓喜の声を上げてから一年がたちました。辺野古埋め立て「反対」72・15%−。昨年二月二十四日の県民投票が示した結果です。
しかし工事は止まらず、この一年、辺野古ブルーの海には連日褐色の土砂が投入されています。沖縄の民意は、どこまで無視されなくてはならないのでしょうか。・・・知事権限で辺野古の埋め立て承認を撤回した沖縄県は、今後も地盤改良に伴う設計変更を認めないなど国ととことん争う姿勢です。
希少サンゴがすむ海を汚し、膨大な予算と時間を費やして矛盾だらけの基地を造るのは、沖縄の負担軽減どころか国全体の公益に背くとの判断からです。県民投票は県の判断を直接民主主義により支持しました。その重みは今も決して変わりません。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2020022402000167.html
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ブライアン・メイさん、天文台を急きょ訪問 職員ら歓喜(2020/02/24朝日新聞)
英ロックバンド「クイーン」のギタリスト、ブライアン・メイさんが1月、京都市山科区の京都大花山天文台をプライベートで訪れた。天文学者でもあるメイさんの突然の訪問に、教員や職員は準備に大わらわ。メイさんからは望遠鏡の架台にサインしてもらうなど、90年超の歴史を持つ天文台にとって歴史的な一日となった。・・・同じ太陽系の研究で博士号を取得したメイさんは、天文台の設備に興味津々の様子で、望遠鏡や展示されている写真などをスマホでさかんに撮影し、柴田さんらの予想を超えた約2時間を過ごした。サインのほかにも、手形を押すなどの大サービスで、職員らは大喜び。最後は全員で記念撮影をした。
メイさんは「こんなすばらしい建物は、子どもたちのためにも残さなければならない。私はサポートする」と力を込めた。柴田さんは「感激の一言。メイさんの言葉を励みに天文台維持に向けてがんばりたい」と話した。
https://digital.asahi.com/articles/ASN2Q6SJJN1XPLZB009.html
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(ひと)柴原洋一さん 芦浜原発計画を止めた民意を伝え続ける元高校教師(2020/02/24朝日新聞)
元々英語の教師だが「授業以外で話すのは苦手だった」。芦浜の歴史を伝えるため工夫した。今も大規模工場の計画に反発する住民など県内外から講演依頼がある。志摩市出身。1983年、妻の実家がある南島町(現南伊勢町)にかかる芦浜を訪れ、美しい海に心を奪われた。小さな漁村は原発計画の賛否をめぐり分断されていた。怒りがわいた。「海を守り、穏やかな生活もままならない。なぜこんなことが許されるんや」
希望して地元の高校に赴任し、日夜、漁師たちの話を聞いた。町民ら200人とバスに分乗し、県内全域の団地などを戸別訪問して反対署名も集めた。県内有権者の半数を超える約81万筆を県に提出。4年後、知事は計画の白紙撤回を宣言した。
宣言から20年となる22日、運動の歴史をまとめた本「原発の断りかた」(月兎舎)を出した。「原発に限らず、誤った国策を正すために必要なのは、庶民が力を合わせること。今こそ経験が生きます」
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14376653.html
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週のはじめに考える 恐れのなさに恐れ入る(2020/02/23東京新聞)
吉田兼好の『徒然草』には、木登り名人が、木に登っていた弟子に、かなり下まで下りてきた時に初めて「気をつけろ」と声をかけた、という話があります。高い所では恐れを感じているが、もうほとんど下りてきたという時、恐れが慢心に変わる。そこが一番危ういのだ、といったことを名人は説きます。・・・ 翻って、最近の安倍首相の振る舞いに思うのは、まるで正反対のこと。たとえば国会で、例の「桜を見る会」に関連する野党の追及に応じる様子には、「恐れ」など微塵(みじん)も感じられません。
桜を見る会の前夜に行われた懇親会の件では、ホテルとの契約などをめぐり「問題ない」としてきた首相の主張は、ホテル側の見解によって否定され、いよいよ弁明にも窮した感がありますが、「あれは一般論」と言い募って、なおも平然としたものです。あまつさえ、行政府の長が、野党議員に「意味のない質問だ」とやじまで飛ばす始末。
さらに驚くのは、ある検察官の定年延長の件です。「検察庁法」には定年延長の例外規定がないのに、別の法律である「国家公務員法」の例外規定を当てはめる、とは、あまりにご都合主義。法治国家のリーダーにあるまじき無理無体だと野党が批判するのも当然です。・・・「恐れ」が生じるのは、多分、森さんが舞台をそう思っていたように、大事にしているものへの気持ちが強いからこそで、それが強いほど、恐れも強くなるのでしょう。だとすれば、首相にとって国民や国会はさほど大事ではない。そんな理屈になりましょうか。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2020022302000127.html
問答無用、あまりの体たらく、後は国民一人一人の民主主義への尊厳だけではないでしょうか。
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ジョニー・デップ、映画で伝える悪夢の病「苦しみ今も」(2020/02/23朝日新聞)
水俣病を世界に伝えた米国の写真家ユージン・スミス(1918〜78)を、人気俳優のジョニー・デップさんが演じる映画「Minamata」が21日(日本時間22日早朝)、世界3大映画祭の一つ、ドイツのベルリン国際映画祭で初公開された。上映後は何度も大きな拍手がわき起こり、デップさんらが舞台に立って拍手に応えた。 記者会見でデップさんは「水俣病のことを聞いたときは『悪夢』と思った。いまも続いていることにショックを受け、その悲惨な現実を生きなければならない人がいることに、信じがたい思いだった」と語った。・・・ 映画には、坂本さんら実在の患者の写真や映像も盛り込まれた。デップさんは「メディアや映画には社会問題を伝える力があり、その力を使って伝えていきたいと思った。それが自分の夢だった」と話した。チッソとの自主交渉の先頭に立ち、被害者救済に尽力した故・川本輝夫さんを思わせる「闘士」の役は、真田広之さんが演じた。
真田さんは会見で「脚本を読んでショックと感銘を受けた。いまも世界でこういったことが起きていることを知るべきで、日本人として、ぜひやりたい役だった。決して忘れてはいけないし、二度と起こしてはいけないことだ」と語った。
https://digital.asahi.com/articles/ASN2Q5VHFN2PTLVB02P.html?iref=comtop_8_07
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首相答弁 信頼性揺らぐ 事前解釈変更、証拠なし 検事長定年延長(2020/02/22東京新聞)
黒川弘務東京高検検事長の定年延長を巡り、政府が「後付け」で国家公務員法の解釈を変更した疑いが強まった。現状では閣議決定前に法解釈を変えた証拠を示せていないからだ。森雅子法相らの説明はすでに破綻状態に追い込まれ、今度は解釈変更を明らかにした安倍晋三首相の答弁の信頼性が揺らいだ。 立憲民主党の安住淳国対委員長は二十一日、政府が閣議決定前に解釈を変えたと証明する日付入りの文書を示すよう引き続き求める考えを記者団に強調。政府が応じなければ「後から取って付けた法律違反ということになる」と述べ、黒川氏の定年延長は違法と批判を強める考えを示した。
https://www.tokyo-np.co.jp/article
/politics/list/202002/CK2020022202000147.html?ref=rank
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南スーダンで移行政権発足 内戦終結も人道危機続く(2020/02/22東京新聞)
【ナイロビ共同】2013年に内戦が始まり18年に和平合意した南スーダンで、政府と反政府勢力が参加する移行政権が22日に発足する。推計約40万人が死亡した内戦は、事実上終結。だが、今も周辺国に逃げた難民や国内避難民は約370万人に上り、人道危機に終わりは見えない。
和平合意によると、3年の移行期間後に総選挙を実施し、正式政府を立ち上げる予定だ。
南スーダンは州ごとに主要民族が異なり、石油などの天然資源の埋蔵地も各地にあるため、州の区分を巡り対立。全32州の維持を主張したキール大統領が、反政府勢力が推す10州への削減案に譲歩し、移行政権発足にこぎつけた。
https://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2020022201001704.html
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放射能汚染水 不信を除くのが先だ(2020/02/22東京新聞)
福島原発事故から間もなく九年。構内にたまり続ける放射能汚染水は、海へ流されることになりそうだ。だが漁業者や沿岸住民の理解を得られぬままに放出を強行すれば、きっと未来に禍根を残す。・・・原発事故で出荷制限された福島県沖の魚介類は四十四種に上っていたが昨年末には一種になり、本格操業へ向けての機運が高まった直後のこの提言だ。憤慨する漁業者の心中は察するにあまりある。漁業者らが怒るのは、東電だけでなく、安全安心は二の次にひたすら再稼働をめざす、原子力業界、および政府に対する根強い不信感があるからだ。
おととしの夏、「浄化済み」とされた処理水から、トリチウム以外の放射性物質が見つかったのは記憶に新しい。福島の事故を経てもなお、不都合なデータの隠蔽(いんぺい)や、トラブル隠し、報告の遅れは後を絶たない。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2020022202000154.html
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<社説>閣僚の重要会議欠席 私的活動優先は見識欠く(2020/02/22琉球新報)
新型コロナウイルスの感染が拡大する中、不適切極まりない閣僚の対応だ。小泉進次郎環境相、森雅子法相、萩生田光一文部科学相が、私的な政治活動を優先し、16日に首相官邸で開かれた感染症対策本部会合を欠席していた。著しく見識を欠いた行動と断じざるを得ない。
小泉氏は地元の横須賀市で催された後援会の新年会に出席していた。酒も出た会合である。・・・このような緊張感を欠いた状態で、新型コロナウイルスの脅威に適切に対処することができるだろうか。与党からも「大失態だ」という苦言や批判の声が上がる中で、安倍首相はなぜ、地元行事への参加を優先した閣僚を叱責(しっせき)しないのか。改めて首相の指導力が問われている。
https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1078367.html
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(時時刻刻)桜「首相の私物化」露呈 「安倍事務所に言えば行ける感じ。旅行気分」(2020/02/22朝日新聞)
安倍晋三首相の推薦であれば、事実上ノーチェック ――。朝日新聞が複数の政府関係者や首相の地元である山口県下関市で取材したところ、「桜を見る会」の招待作業の実態が浮き彫りになった。参加者が大幅に増えた背景には、税金を使った会の事実上の「私物化」がある。とどまらぬ疑惑は、政権の体質も表している。・・・「私も含めて功績があって招待されたのではない」と言い切る。「安倍事務所に言えば枠があって、行きたいと言えば行ける感じだった。友達同士のグループで旅行気分やね」・・・ 桜を見る会が政治問題化した昨秋以降、安倍首相の国会答弁は次々と覆り、整合性が問われるパターンを繰り返してきた。拡大し続ける疑惑で一貫して問われているのは、5千万円を超す税金を投じた会の「私物化」であり、首相答弁の信用性、長期政権の体質の問題だ。
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14375163.html
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(360゜)洋上風力、秋田に追い風? 国内最大の発電計画進む」(2020/02/22朝日新聞)
政府が再生可能エネルギーの主力電源と期待する洋上風力発電で、国内最大規模となる計画が秋田県で進んでいる。すべてが実現すれば、最大出力は原発2基分にも相当するという。人口減少が急激に進む地域の再生に向けた起爆剤となるのだろうか。
・・・ しかし、東日本大震災後も原発再稼働に重点を置いてきた政府は風力発電をはじめ再エネ導入では世界で後れをとった。国内の風車製造の主軸だった日立製作所と日本製鋼所は自社生産から撤退。風力を導入するには海外メーカーの製品を買い、連携するにも海外メーカーの企業秘密の壁がある。さらに国内の大手企業との部品製造・メンテナンス受注競争が激しい中、地元企業は非常に不利な戦いを強いられる構造にある。
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14375091.html
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原電敦賀原発 安全軽視が目に余る(2020/02/21(東京新聞)
日本原子力発電が、原子力規制委員会の審査にかかわる敦賀原発敷地内の地質データを都合よく書き換えていた。再稼働を急ぐあまりの「禁じ手」か。審査の根幹を揺るがす背信行為と言っていい。日本原電は、日本の原子力事業草創期の担い手として、沖縄を除く九電力と政府系の電源開発(Jパワー)が出資して設立され、一九六六年、国内初の商業用原発である茨城県東海村の東海原発の操業を開始した。原発専門の電力卸売会社である。・・・ 原発に関する膨大かつ複雑なデータは、ほぼ電力事業者側の独占物だ。規制委にしろ、司法にしろ、電力会社が提出する資料を基に安全性を判断するしかない。敦賀原発の審査資料に関しては、これまでにも千カ所以上の不備が指摘されている。ずさんと言うか、審査の軽視が目に余る。電力事業者のデータを信頼できないということは、原発そのものを信頼してはいけないということで、審査を軽視するということは、安全を、ひいては人命を軽視するということだ。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2020022102000170.html
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「コピペ」生みの親死去 米科学者のテスラー氏(2020/02/21東京新聞)
ラリー・テスラー氏(「コピペ」の生みの親として知られる米コンピューター科学者)米メディアなどによると西部カリフォルニア州の自宅で死去、74歳。死因は不明。米紙ニューヨーク・タイムズ電子版は、死去は16日と伝えた。
45年、ニューヨーク生まれ。70年代にゼロックスのパロアルト研究所で勤務し「カット」「コピー」「ペースト」といった現在のコンピューターで主流となった操作方法を発明した。80年には米アップルに移り、パソコン「マッキントッシュ(マック)」の開発も行った。(ニューヨーク共同)
https://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2020022101001546.html
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無垢な少女の負けない強さ 映画「ちむぐりさ菜の花の沖縄日記」1日から桜坂劇場(2020年1月31琉球新報)
さて、みんなが大好き平良いずみさんが母となり、映画監督になりました。ご存知でしたか? 女子アナというベールを脱ぎ捨て、一人の人間として、母として、感情を丸裸にした骨太のドキュメンタリー映画がいよいよ公開です。
北国からやってきた少女、坂本菜の花ちゃんの目を通し、沖縄の現在を客観視する内容。ただそこには、可愛(かわい)くて健気(けなげ)な菜の花ちゃんに負けない強さで、監督の意志が存在する。「この島ではまだ戦争が続いている」。無垢(むく)な少女はその現状に胸を痛め、何かできることを探す。と同時に、監督が、感情を爆発させている。「ワジワジー」そんな声が聞こえてきそうな力強い映画だ。(桜坂劇場・下地久美子)
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1066495.html
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兼高かおるさん資料館が今月閉館 旅の品1700点、兵庫・淡路島(2020年2月18日琉球新報)
兵庫県の淡路島にある観光施設内のパビリオン「兼高かおる旅の資料館」が老朽化に伴い今月28日に閉館する。海外紀行番組の草分け「兼高かおる世界の旅」の案内役で昨年1月に死去した兼高さんが集めた各国の工芸品や民俗資料約1700点が所蔵され、ファンは「番組で世界の広さを知った」と別れを惜しんでいる。
資料館は神戸市出身の兼高さんが持つ品々を展示するため、1985年に淡路市の観光施設「淡路ワールドパークONOKORO」の敷地にオープン。約150カ国を回って集めたコレクションが展示されている。
https://ryukyushimpo.jp/kyodo/entry-1076258.html
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