(ヒューマニズムの視点で捉えよう、判断しよう) |
孤高の秀才、卒論で狂った歯車 Hagexさん殺すまで(2019/11/20朝日新聞) 11月11日、福岡地裁の法廷に、男は現れた。青いネクタイを締め、濃い紺色のスーツ姿。起訴状の朗読が終わると、男は淡々とした口調で話した。「間違いありません」・・・被告は3人きょうだいの長男で、熊本県で育った。親からは「手のかからない素直な子」、周りからは「ひょうひょうとした孤高の秀才」と見られていた。同県天草市の高校を卒業後、九州大文学部に進学。順調な人生と思われた。 だが、歯車が狂い出す。きっかけは大学の卒業論文だった。参考文献の英文が難解で、読み込みが一向に進まない。被告は「ハードルが高かった」と振り返る。卒業できず、大学を除籍処分となった。福岡県内の製麺工場で8年間アルバイトを続け、上司に誘われ正社員になったが、上司からの評価が原因で、30代半ばで退職した。その後3年は貯金を切り崩す生活。インターネットオークションでゲームソフトやCDを売り、生活費を工面した。売る物がなくなると、両親からの仕送りに頼り始めた。 ・・・15日の公判では、遺族の意見陳述として出廷した岡本さんの妻と妹が訴えた。「人生が壊れてしまった。事件が出口のない地獄の始まりだった」「兄が亡くなった41歳を自分が超す日がくると思うと、すごく辛くなります」 ノートにメモをとりながら聞いていた被告は、その後の最終陳述でこう述べた。「初めて遺族の方の声を聞きました。大変深く共感します。自分のやったことには責任をとるつもりです。極刑にされても控訴しないことをお約束します」 (多事奏論)政治と想像力 「当事者」に頼るだけですか? 高橋純子(2019/11/20朝日新聞) 考えられない? そんなの民主国家じゃない? ですよね。しかしこの国には、それを余儀なくされている人たちがいる。郵便投票が認められるほど重い障害ではないが、投票用紙に自分で字を書き込むことが難しい人は、投票所に行き、投票事務従事者(係員)に投票先を告げて代筆してもらうか、嫌なら棄権するしかない。2013年に公職選挙法が改正されるまでは、親や友人など自分が選んだ人に代筆してもらえたのに――。代筆者を投票所の係員に限定しているのは、憲法が保障する「投票の秘密」の侵害にあたるなどとして、大阪府豊中市の中田泰博さん(47)は17年、国を相手取り裁判を起こした。・・・ ――政治に関心をもったきっかけは? 「幼少期に毎日のようにニュースやドキュメンタリーを見て、生活は政治だ、でも、政治は障害者のことを無視していると気づいたからです」 ――「秘密投票」の意義とは? 「投票の内容を、言いたくない人に言わずに投票できることだと思います」 ――今の心境は? 中田さんは左手で頭をかき、「いろんなことがぐちゃぐちゃになって整理がついていなくて……」と少し言いよどんだ後、言葉を継いだ。「投票は民主主義の根幹。納得できないし、悔しいし、情けない」・・・多様性の尊重は民主主義の基盤だ。様々な背景をもつ人が国政を担えば、議論の幅が広がり、似た境遇の人たちへの前向きなメッセージにもなる。素晴らしいことだ。ただ、それとは別の次元の話として、国会議員の「当事者」性が過度に強調されることには、私はかすかなる危うさを感じる。 国会議員は「全国民の代表」だ。れいわの議員の登場は、これまでの代表がいかに代表たりえていなかったかを突き付けているのであり、「当事者」の頑張りに寄りかかっているだけでは問題は解決しない。当事者であってもなくても、政治家に必要なのは他者に対する想像力。 子ども食堂は素敵な試みだけど、経済大国を誇るこの国で一体何が起っているのか、明らかに政治が間違っているのではないかと誰もが疑問視しなければなりません。 (現場へ!)子ども食堂、ブームを超えて:3 「貧困対策は未来への投資」(2019/11/20朝日新聞) 香港理工大で400人拘束 長官会見、区議選延期に含み(2019/11/19東京新聞) 「死の商人 日本にいらない」 幕張で武器見本市 市民ら抗議の声(2019/11/19東京新聞) 見本市の会場入り口ではこの日、約四百十人の市民らが集まり「武器はいらない」と訴えた。・・・ 海浜幕張駅を通りかかった船橋市の会社員三橋和夫さん(63)も「武器見本市が最近になり、なぜ何度も開かれるのか。日本の防衛装備庁も出展しているというが、もっと暮らしに寄り添った税金の使い方をしてほしい」と疑問を投げ掛ける。 https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201911/CK2019111902000148.html?ref=rank 「桜を見る会」首相を告発へ 市民団体(2019/11/19東京新聞) 「桜を見る会」を巡る問題を受け、団体は今月結成された。貧困問題を考える市民団体「いのちを守る会」代表の田中正道さん(62)らが共同代表を務め、ジャーナリストの斎藤貴男さんら五十人が名を連ねる。 <社説>桜を見る会巡る疑惑 根拠示し説明責任果たせ(2019/11/19琉球新報) 首相の後援会関係者が多数招待されていたことが明るみに出たため政府は来年の開催中止を発表した。中止して済む話ではない。安倍首相は説明責任を果たすべきだが、記者会見さえ開いていない。疑念は膨らむ一方だ。・・・ 首相は「国会対応は自民党に全て任せている」と語ったが、本当に説明する気があるのなら、野党の要求に応じるよう自民党に指示すれば済む。逃げ口上にしか映らない。 大気中からもマイクロプラスチック 福岡市内で確認(2019/11/19朝日新聞) ・・・ 永淵さんはこれまで、水銀や鉛などが雨や雪とともに大陸から日本へ運ばれてくる「越境大気汚染」などについて研究してきた。九州の山で採取した樹氷の分析結果からも、マイクロプラスチックとみられる物質が見つかっているという。 トリチウム処分量、東電が試算 年最大106兆ベクレル(2019/11/19朝日新聞) 汚染水の保管を続けた場合の影響を具体化するのが狙い。タンクの汚染水に含まれるトリチウムの総量を2020年1月時点で860兆ベクレルとし、処分開始日は@20年A25年B30年 C35年の年始を想定。終了日は、「30〜40年で廃炉完了」とする国と東電の工程表をもとに、41年末と51年末の2通りだけを想定した。時間とともに自然に減衰する量を考慮しても、開始が遅くなるほど平均の年間処分量は多くなった。 https://www.asahi.com/articles/ASMCF7GF8MCFULBJ00Z.html 政治追った2作、映画祭熱く 「東京国際」独自性への一歩(2019/11/19朝日新聞) ・・・オープニング上映された「男はつらいよ お帰り 寅さん」の山田洋次監督は「映画祭のフィロソフィー(哲学)を見つけてほしい」と述べ、コンペの審査委員長を務めた中国の女優チャン・ツィイーさんは、クロージングセレモニーで「世界の映画祭にはそれぞれ特徴がある。『東京』も独自の地位を得られればいいですね」と講評した。 「れいわ―」の島野千尋プロデューサーは出品の理由をこう話す。「東京国際映画祭には批判が多い。日本の著名な監督のワールドプレミア(世界初披露)が少ないのもその一つ。批判するだけではなく、自分たち映画人に何が出来るかを考えて出品を決めました」 「赤狩り」で失った映画出演 102歳元俳優が憂える今(2019/11/19朝日新聞) サハラ砂漠描く表現に感動、母が開く亡き娘の写真展(2019/11/19朝日新聞) |
香港デモ「自由のため闘う」 早朝に警官突入、緊迫(2019/11/18東京新聞) 頭に包帯を巻き荷台に乗せられた男性は、十七日午前から続く警官隊との衝突で警官にこん棒で頭を殴られたという。構内の一角には、百人ほどの学生が集合。男性(16)は「血や涙を流して(抗議活動の拠点の)学校を守ってきたけど、この時がついに来てしまった。香港の自由のために闘いたい」と顔をこわばらせて話した。 米、思いやり予算「4倍要求」 米誌報道 大統領選へアピールか(2019/11/18東京新聞) 同誌が現職、元職の複数の米政府関係者の話として伝えた。ボルトン大統領補佐官(国家安全保障問題担当、当時)らが七月に来日した際、日本側に伝達したとしている。現在の思いやり予算の約四倍となる年八十億ドル(約八千七百億円)を求めているという。・・・思いやり予算は、日米安保条約上の義務を超え、日本側が在日米軍のために負担している経費。基地従業員の給与や社会保険料、光熱費、施設整備費など総額年約二千億円に上る。このほか沖縄県名護市辺野古の新基地建設費をはじめとした米軍再編経費などを含めると、在日米軍関係経費として既に合わせて年六千億円近くを支出している。 ローマ法王、訪日前にメッセージ 核廃絶祈る(2019/11/18東京新聞) 訪日の目的は「全ての命を守るため」だとし、現在の世界では平和的な共存が武力衝突などによって脅かされていると指摘。「平和は全力で守るものだ」と強調した。 (社説)皇室制度の今後 政治の怠慢に終止符打つ時(2019/11/18朝日新聞) しかしそうやって歳月を無為に過ごすうちに、皇室の危機はいっそう深まった。この不作為の責任をどう考えるのか。 https://www.asahi.com/articles/DA3S14260076.html |
人を隔てる見えない「壁」 熱狂から30年、欧州の現実(2019/11/17朝日新聞) 旧東独にある人口約9万人のツウィッカウ。近郊の工場で、自動車大手フォルクスワーゲン(VW)が電気自動車(EV)の新モデルの生産を始めた。今月4日、視察に訪れたメルケル首相は充電拠点の拡充など「連邦政府として多くの努力をしたい」と語った。・・・それでもなお、見えない「格差」は残る。9月末、ドイツ政府が公表した調査は、複雑な思いで受け止められた。旧東独地域の人たちの57%が自らを「2級市民」とみなし、「東西統一は成功した」と答えた人は38%にとどまっていた。・・・ ハッテンハウアーさんは「自由の意味をはき違えた人が多かったのではないか」と答えた。独裁政権が終わって個人の行動が監視されることもなくなり、西側の商品を買い、外国を旅することができるようになった。一方で「自分が得た自由は他人の自由より価値がある、という考えが広がったのではないか」という思いが消えない。 週のはじめに考える 長きを以て貴しとせず(2019/11/17東京新聞) 香港デモ隊、弓矢や投石機で対抗 繁華街近く、警察と激しく衝突(2019/11/17東京新聞) (時時刻刻)桜を見る会、収拾図る首相 異例の取材対応、招待者の増加「反省」(2019/11/16朝日新聞) 首相の説明を野党も批判する。共産党の小池晃書記局長は、朝日新聞の取材に「慌てて火消しに走ったが誰が納得するのか。逆に火に油を注ぐ結果となった」との見方を示した。「証拠を示さずまた人のせいにする。官僚の次はホテルか」とも語り、森友・加計学園問題をめぐる政権の対応との類似性も指摘した。 https://digital.asahi.com/articles/DA3S14258694.html?_ (声)語りつぐ戦争 90歳、体験を語る場が欲しい無職 中林重祐(愛媛県 90)(2019/11/16朝日新聞) 戦後74年。現在80歳の人たちは終戦時に5〜6歳、当時の記憶が鮮明な方も多いだろう。今の80代が小中学生だった頃は、「15年戦争」の時代だった。私が小学生の頃は友人と遊ぶにも幼い弟妹をおんぶしたり、一緒に連れて出かけたりしたものだ。この世代は、戦争体験や当時の生活を語れる最後の世代である。 最近、70代の知人から「先輩世代からの歴史をどう引き継げばよいか迷う」という便りを受けた。私も教師時代の教え子たちとの交流はあるが、40代以下の若い世代と全くつながりのないことに気付かされた。定年後の様々な市民運動の中で、若い世代にどれだけ語り掛けてきただろうか。彼ら、彼女らは何を思い、悩み、願っているのだろう。戦争体験をどう伝えればよいだろうか。私たちの世代は、若い人たちを知り、理解することが大切だ。 (売れてる本)『時間は存在しない』 カルロ・ロヴェッリ〈著〉(2019/11/16朝日新聞) いちど紅茶に混ぜたミルクを取り出したり、灰を薪に戻したりできないように、宇宙のあらゆるものは少しずつ輪郭を失い、混ざり合ってゆく。時間の向きとは、この熱力学の法則によってのみ基礎づけられるものだという。月のクレーターから新聞の文字まで、すべて運動が熱に変換されたことによって生まれた痕跡であり、この痕跡だけが、ある特定の過去があったことを教える。しかしそれも毎瞬間、茹(ゆ)で過ぎたじゃが芋のように輪郭を失いつつある。 本書の白眉(はくび)は、時間の速さが場所によって異なるように、この絶対的なものとしか思えない時間の向きでさえ相対的であることを暴くことにある。 https://digital.asahi.com/articles/DA3S14258539.html 地上絵発見、AIも活躍 ナスカで143点(2019/11/16朝日新聞) |
デモ荒れる世界 市民の怒り受け止めよ(2019/11/16東京新聞) ほかにもエジプト、イラク、スーダンなどで抗議行動が起き、犠牲者が出ている国もある。 香港の邦人留学生、大半が帰国 催涙弾飛び交い「まるで戦場」(2019/11/16東京新聞) 女子留学生によると、混乱を受け大学側は14日、寮を出るよう指示。大急ぎで荷物をまとめ、日本人の友人らと学外に避難した。中文大に通う日本人留学生は約50人といい、女子留学生は1カ月の留学期間を残して17日に帰国すると決めた。 <社説>大嘗祭への国費支出 政教分離に違反しないか(2019/11/16琉球新報) 儀式は紛れもない「神事」であり、国費の充当は憲法が定める「政教分離」に抵触する疑いがある。だが政府は昨年、十分な議論もなしに前例を踏襲することを決定した。憲法を軽視する姿勢と言わざるを得ない。・・・ 政府は「重要な伝統的皇位継承儀式」として、今回も公的な皇室行事と位置付けた。これに対し、皇室の私的行事として行うべきだという主張もあった。 ヒトラー時代想起させる「憎しみの文化」警告、ローマ法王(2019/11/16CNN) 議事堂が史上初の浸水被害、気候変動対策否決の直後に ベネチア(2019/11/15CNN) フェッロ・フィニ宮殿内にある議事堂は、現地時間の12日午後10時ごろから浸水が始まった。州議会で2020年度予算案の審議が行われているさ中だった。環境委員会の副委員長を務める野党民主党の議員はフェイスブックへの投稿で、「皮肉なことに、気候変動対策を求める我々の修正案を与党連合が否決した2分後に、議事堂が洪水に見舞われた」と伝えている。 |
今や自然エネルギーを有効に使えるだけの科学力があります。原発を完全に無くし、化石燃料をなるだけ減らして行くことが未来に対する人類共通の責任です。 |