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<POINT NEWS164>2016/06/03・・・(ヒューマニズムの視点で捉えよう、判断しよう)

sankaku164sankaku
2016/06/03sankaku06/09


 

(声)「言いくるめる力は要りません」(2016/06/09朝日新聞)障害者施設運営 三輪正子(埼玉県 54)

 「要らないものは、言いくるめる力です」。障害福祉サービスの管理者資格取得のために受けた講習会で、印象に残った言葉だ。管理者として必要なものは何か、グループディスカッションする中で聞いた。やさしさとか、情熱とか、その人の生きてきた背景を見ることとか、私も一生懸命考えた。しかし、リーダー役の講師の方の一言はガツンと胸に響いた。何度も口の中で繰り返し、手帳に書き込んだ。現場では、いろいろな壁が立ちはだかる。そんな時に、苦しくなってつい本筋とは違うことを言い始める。目の前の障害児・者のことではなく、こちらの都合を優先してしまうのだ。こちらの支援を必要としている弱い立場の人が、何だかそれなりに言いくるめられ、一見解決したようになる。でも、それは本当の解決ではないのだ。物事の本質に立ち向かうのはエネルギーがいる。勇気もいる。簡単ではない。簡単ではないからこそ、あの言葉を心に刻み、何度も手帳を見返して、繰り返し、繰り返し、日々自分に言い聞かせている。

http://digital.asahi.com/articles/DA3S12400200.html

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(ザ・コラム)民の営みと国策 間尺に合わぬのはどっち 上田俊英(2016/06/09朝日新聞)

「歴史の転換点にいるのかもしれない」。最近、そう思うようになった。人類とエネルギーのかかわりについてである。太陽光発電でつくった電気を固定価格買い取り制度(FIT)で売っている国内の設備の容量(最大出力)は、経済産業省資源エネルギー庁によると、昨年末に計3千万キロワットを超えた。その大半は東日本大震災と東京電力福島第一原発事故のあとに発電を始めた。発電量は時間帯や天候に左右されるが、設備容量でみれば原発30基分だ。電力会社が再生可能エネルギーの受け入れ枠に事実上の上限を設けるなど多くの障壁が取り巻くなか、ここまで増えたのは正直、驚きだ。しかも、役に立っている。朝日新聞の電力9社への取材によると、昨夏の電力需要のピーク時に、太陽光発電は電気の1割ほどをまかなった。九州電力の管内では、その割合は25%近くに達した。

 世界は、もっと動きが急だ。

 再生可能エネルギーの国際機関「REN21」は今月1日、世界の情勢をまとめた「白書」を発表した。それによると、たとえば風力発電の設備容量は昨年、全世界で4億3千万キロワットを超えた。原発の設備容量は、国際原子力機関によると、いま全世界で約3億8600万キロワットだから、設備容量とはいえ「風車」は原発を上回った。太陽光発電も2億2700万キロワットで、原発の6割に迫る。・・・「核を使うエネルギーは、人間の間尺に合わない。いったん暴走すると、人の営みを回復不能なまでに痛めつけてしまう」
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12400190.html

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(私の視点)紛争下の支援 人道法守る仕組み強化を リン・シュレーダー(2016/06/09朝日新聞)

紛争や災害の影響を受ける人々の苦しみに終止符を打つため、5月23、24日の2日間、初の世界人道サミットがトルコで開催された。国連の呼びかけに応じ、各国政府や支援団体の代表、市民団体や企業のリーダーら9千人余が一堂に会した。世界ではいまこの時も、何百万もの老若男女が解決策の見えない戦闘によって人生を狂わされている。シリアやアフガニスタン、ウクライナや南スーダンでは、破壊された街に山積する瓦礫(がれき)同様、犠牲者の数も日に日に増している。難民の数は、第2次世界大戦以降最多となった。人口過密地への無差別攻撃、戦闘の混乱に乗じた性暴力、不法な拘束、強制的な徴兵など、本来国際法で守られるべき人々の苦しみが続いている。・・・戦時下の人道支援は、苦しみを軽減するための手段であって、紛争そのものの解決にはつながらない。平和への努力が失敗に終わった場合、出口の見えない紛争から無辜(むこ)の市民を守る責任は国家にある。赤十字は、ジュネーブ諸条約加入国を年に1度招集し、「戦時の決まりごと」である国際人道法の順守を強化するメカニズムの構築を提案している。紛争には直接関係のない日本も、私たちと共に、国際人道法の順守に向けた国際的な議論を主導する役割を担ってもらいたい。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12400166.html

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安保法は「違憲」、関西住民も提訴 713人「生存権侵害」(2016/06/09朝日新聞)
 集団的自衛権の行使を認めた安全保障関連法は違憲で、「平和的生存権」が侵害され精神的な苦痛を受けたとして、主に関西に住む市民が8日、自衛隊出動の差し止めと1人1万円の国家賠償を求める訴訟を大阪地裁に起こした。訴えたのは「『戦争法』違憲訴訟の会」(大阪市)の呼びかけに応じた戦争体験者やその家族、医師ら713人。訴状では、安保法は「憲法9条に違反する」と指摘。戦争ができる状態になり、「不安と苦痛にさらされる生活を余儀なくされた」と訴えている。

http://digital.asahi.com/articles/DA3S12400270.html

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特集ワイド/ビートルズ来日50年 思い出抱きしめたい(毎日新聞2016年6月8日 東京夕刊)
扉が“あの時”開かれた。ザ・ビートルズ来日から、もうすぐ50年。かつてのビートルマニアが全国各地でまた、うごめいている。彼らの来日は日本をどう変えたのか。なぜ今でもあの熱狂が残っているのか−−。・・・ビートルズの4人が羽田空港に降り立ったのは1966年6月29日未明。翌30日から7月2日までの3日間に11曲30分程度の公演を5回行ったにすぎない。それでも忘れられない名演奏だったのだろうか。


 「彼らが舞台で何か言うたびに『ギャー』って歓声が響いて、すごいな、と。聞こえてくるの全部知っている曲ばかりだしね」。こう振り返るのは、前座を務めたザ・ドリフターズの仲本工事さん(74)。最初は出演時間40分を提示され、リーダーのいかりや長介さんを中心に音楽とコントを組み立てた。「ところが1週間後には20分と言われ、最後は『40秒で』だって」・・・ビートルズの4人が羽田空港に降り立ったのは1966年6月29日未明。翌30日から7月2日までの3日間に11曲30分程度の公演を5回行ったにすぎない。それでも忘れられない名演奏だったのだろうか。「彼らが舞台で何か言うたびに『ギャー』って歓声が響いて、すごいな、と。聞こえてくるの全部知っている曲ばかりだしね」。こう振り返るのは、前座を務めたザ・ドリフターズの仲本工事さん(74)。最初は出演時間40分を提示され、リーダーのいかりや長介さんを中心に音楽とコントを組み立てた。「ところが1週間後には20分と言われ、最後は『40秒で』だって」・・・

公演数週間前のサンデー毎日6月12日号をひもとくと、武道館会長を務める読売新聞社主の正力松太郎氏が取材に「ペートルなんとかちゅうのは、ありゃなんだね」「武道館の精神に反するようなものは困るんだ」と反対論をぶちあげ、他会場での開催案が浮上したと報じられている。同じ誌面には、TBS「時事放談」で、政治評論家の細川隆元氏らも「エレキギターだのモンキーダンスだのという騒々しいものは人類進歩の邪魔」「ビートルズごときくだらんものを呼ぶとは何事か」と繰り返し批判したとある。・・・ 来日反対運動などもあってか協賛をためらう企業が出る中、国民的な関心に期待してテレビ放映スポンサーになり、印象づけたのがライオン(東京都墨田区)だった。社史資料室の松村伸彦室長(61)によると、「放映権は4000万円で、視聴者4000万人とすれば1人1円と判断した、という記録が残っています」と話す。実際の視聴率は56・5%。当時は1%で70万人とされ、読みは的中した。・・・

もうひとつ、松村さんが鮮明に覚えているのが、来日当日の記者会見だ。「名声も富も得て、次に何を望みますか」と聞かれたジョン・レノンは「平和」と答えた。「それに対して、会場から笑いが起きたんですよ。冗談と受け取ったんだろうけど、ジョンは本気だったと思う。その後に彼がしたことを見れば」。会見録によると、続けてポールが「原爆の禁止」と答え、ジョンが「原爆禁止。そうだね」と発言した。翌日の毎日新聞朝刊は「ボクたちも平和がほしい」という見出しで短く報じた。

http://mainichi.jp/articles/20160608/dde/012/200/016000c

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(声)消費増税より格差是正が先だ(2016/06/08朝日新聞)フリーター 吉原貴也(新潟県 21)

 「消費増税の再延期にあきれる」(2日)は、国債残高の大きさを指摘し、再延期を許す国民も自己中心的で無責任だと批判している。投稿されたのは私と同世代の東京の大学生だが、地方に住み、立場も違う若者の一人として、ひとこと言いたい。率直に言う。今の消費税は単なる弱い者いじめだ。どんな人も等しく負担させられる消費税は、富裕層と貧困層の格差を無視している。個人の収入が増えず、人口流出で衰退する地方のことも考えていない。確かに、財政再建のために増税はやむを得ないのかもしれない。だが、景気がよくない中での消費増税は、さらに消費を冷え込ませかねない。再延期は当然だ。私も日本の将来には不安を感じている。しかし、働いても楽にならない暮らしの中で、消費税のさらなる引き上げは厳しすぎる。富裕層と貧困層、都会と地方の格差を是正するのが先だ。そうでなければ格差拡大という負の連鎖は断ち切れない。日本の将来も見えない。こういう主張は自己中心的なのだろうか。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12398304.html

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(社説)甘利氏の復帰 見過ごせぬ国会軽視(2016/06/08朝日新聞)
先週、甘利氏らが千葉県の建設会社から600万円を受け取っていた問題が不起訴処分になった。翌日、国会が閉じた。その5日後の復帰宣言である。忘れてもらっては困る。甘利氏はまだ説明責任を果たしていない。疑惑があれば、捜査当局の解明を待つまでもなく、みずから国民に説明する。それが、国民の代表である国会議員の務めのはずだ。甘利氏自身、大臣辞任の記者会見で「弁護士による調査を続け、しかるべきタイミングで公表する」と約束していた。あのときは、政治家としての「美学」「生き様」「矜持(きょうじ)」といった言葉も連ねていた。それなのに、会期中は国会審議を休んで野党の追及をかわし、会期が終わればすぐに政務に復帰する――。これではあまりに国会軽視が過ぎる。

http://digital.asahi.com/articles/DA3S12398302.html?ref=pcviewpage

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安保法廃止、脱原発依存、改憲阻止 4野党の共通政策に(2016/06/08東京新聞)
民進、共産、社民、生活の野党四党の代表者は七日、七月の参院選に向け、市民団体「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」との間で、安全保障関連法廃止や改憲阻止を柱とした政策協定を締結した。野党四党の共通政策となる。経済や税制に関しても安倍政権と対照的な方針を列挙。野党四党の統一候補が自民党候補と争う三十二の一人区の争点が明確になった。・・・民進党の岡田克也代表は協定署名後の共同記者会見で、参院選での獲得議席目標について「改憲勢力に三分の二(百六十二議席)の獲得を許してはいけない。最低限の数字だ」と指摘。共産党の志位和夫委員長は「与党と補完勢力を少数に追い込む大きな目標に挑戦したい」と述べた。社民党の又市征治幹事長は、改選百二十一議席の過半数(六十一議席)を野党四党で目指す考えを表明。生活の党の小沢一郎共同代表も賛同した。岡田氏ら四氏は国会内で開いた市民連合との調印式で政策協定に署名した。市民連合は昨年末、五つの市民団体を母体に発足。五団体は「立憲デモクラシーの会」「安全保障関連法に反対する学者の会」「安保関連法に反対するママの会」「SEALDs(自由と民主主義のための学生緊急行動、シールズ)」「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201606/CK2016060802000120.html

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『潮流』 もう一つのスピーチ(2016/06/07ヒロシマ平和メディアセンター)岩国総局長・小笠喜徳

 先月27日の米オバマ大統領の「歴史的」な広島訪問。原爆慰霊碑に花を手向け、うつむいて目を閉じた。スピーチでは厳しい表情のまま、絶対的な戦争の否定と核のない世界をうたった。被爆者とも会話を交わし、抱擁もした。そのわずか2時間ほど前、広島への経由地として大統領が降り立った米海兵隊岩国基地でのスピーチは、広島でのそれとはまったく雰囲気を異にしたものだった。「まるで祭りです」。基地内に取材で入った記者からはそんな報告が入った。会場の格納庫には大音量で明るい音楽が流れ、ひな壇の背後のスタンドには、米兵と海上自衛隊員が鮮やかなストライプを描くように交互に並んだ。歓声に迎えられ、上着を脱ぎ軽やかなステップで階段を駆け上がった大統領は、隊員や家族へ呼び掛けて場を盛り上げた。米国兵士を温かく迎えているとして岩国市民への感謝を述べ、兵士たちを「皆さんは平和と安全保障を世界中で確保するために任務についている」とたたえた。

 拍手の中で、その声は力強さを増す。「この地域は、われわれの安全保障、繁栄に重要だ」「岩国基地は両国の信頼と協力、友情の力強い例である」などと、岩国を日米同盟の強固さの好例と位置付けた。米兵たちは大いに高揚したに違いない。直線距離でわずか40キロほどの岩国基地と平和公園。同じ日に、あまりにも対照的な場所で語られた二つの大統領スピーチ。「平和のため」という共通項はあったが、印象は大きく違った。祖父母らを原爆で失った身からすれば、率直に「よく広島に来てくれた」と思う。その半面、岩国に住む者としては、基地という抑止力がなければ平和はもたらされないのかという違和感も残った。心のどこかに小骨が刺さったような、そんな感覚が治まらない。
http://www.hiroshimapeacemedia.jp/?p=60406

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西田幾多郎の旧居解体 一部、京大などで保管(2016/06/08毎日新聞)
日本を代表する哲学者、西田幾多郎(1870〜1945年)が約10年間暮らした京都市左京区の民家の解体工事が8日、始まった。マンション建設のためで、西田が原稿を書いた書斎や、考えがまとまらなかった時に何度も往復した廊下は、京都大総合博物館(同区)などで保管される。一般公開も検討する。・・・取り壊されるのは、西田が12年から22年まで妻子と暮らした木造2階建ての借家。京大の北西約500メートルにあり、今年1月まで借家として使われていた。

http://mainichi.jp/articles/20160608/k00/00e/040/242000c

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<社説>食物アレルギー きめ細かな対応が必要だ(2016/06/08琉球新報)
沖縄観光中に「ジーマーミ豆腐」を食べた食物アレルギーの子どもが、呼吸困難などを伴う急性アレルギー反応「アナフィラキシーショック」を起こす事例が出ている。「ジーマーミー」を落花生(ピーナツ)と知らずに食べる例がほとんどで、県立北部病院の医師によると低年齢の子どもが多く、中には意識のない状態で搬送された事例もあった。アレルギーを引き起こす食物の上位10品目に鶏卵や乳製品、甲殻類とともに、落花生も入る。日本学校保健会によると、児童生徒のアレルギー原因食物はこの10品目で88・8%を占める。
http://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-293995.html

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<社説>飲酒米兵国道逆走 これが「喪に服す」の実態だ(2016/06/07琉球新報)
嘉手納基地所属の米海軍兵が酒に酔った状態で嘉手納町水釜の国道58号を逆走し、2台の軽自動車と次々に衝突し、男女2人に重軽傷を負わせた。「綱紀粛正」の掛け声に何ら実効性がないことをあらためて証明した格好だ。一方でこれは、沖縄では何度も繰り返されてきた、いわば日常の光景でもある。精神論を語るだけでは時間の無駄だ。戦後70年が過ぎた。もう、本当に効果のある対策を講じるべきときだ。・・・3月の女性暴行、4月の覚せい剤取締法違反、5月の遺棄、今回と続いてきた。だが復帰後、米軍絡みの事件は昨年末までで5896件もある。今回の事件も、いわば約6千分の1にすぎないのだ。1県だけにこれほど被害を集中させるのは、あまりに理不尽と言うほかない。政府が真剣に向き合うべきなのは、その差別性だ。
http://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-293316.html

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(社説)自治会に公金 地域を壊す禁じ手だ(2016/06/07朝日新聞)
米軍基地の再編にかかわる交付金をめぐって、政府が法改正に乗り出す。基地負担の受け入れに応じて金を渡す対象を、これまでの市町村(自治体)だけでなく、任意団体である自治会にも広げるところがミソだ。政府は昨年度、沖縄県の普天間飛行場の移設に絡み、ある策を講じた。移設を拒んでいる名護市を通さず、移設予定地に近い同市辺野古周辺の三つの自治会に直接、計3900万円を配ったのだ。今年度は7800万円に増やす。・・・

この改正に反対する。理由は四つある。

第1に、交付金を受け取る自治会と受け取らない自治会の間に溝ができ、同じ自治体の住民どうしが対立する構図を招きかねない。連帯感や共助の精神で成り立つ地域社会を、政府が税金を投じて壊してゆくことになれば、あまりに理不尽だ。

第2は、税金の使い方として疑問がぬぐえないことだ。三つの自治会は投票で選ばれた区長と住民代表らが相談し、防災備蓄倉庫などに充てるという。だが、支出の妥当性を判断する基準はあいまいだし、その是非を判断する議会もない。

第3に、政府が市町村の頭越しに公金を出せば、統治のあり方を根幹からゆがめかねないことだ。そもそも地域の要望を束ね、採否を決めて実行するのは市町村の仕事だ。首長と議会で優先順位をつけ、その責任をとる。監査委員もいる。こうした地方政府としての自治体の機能は、分権改革で強まり、国と地方は「上下・主従」の関係から「対等・協力」の関係になったはずだ。自治体を無視するかのような政府の姿勢は、市町村を国の下部組織とみなしているとしか思えない。

第4は、自治体を通さない補助金支給は事実上、辺野古という極めて限られた地域への適用を念頭に置いていることだ。そうした法律を、国全体の法秩序を守る立場の政府がつくるのが適当だとは思えない。確かに、この法律の対象は沖縄だけではない。だが、現時点で辺野古以外の自治会に交付金を出す予定はあるのか。あるなら示してほしい。

こんなやり方を認めてしまえば、基地問題だけでなく、例えば放射性廃棄物の最終処分場建設など、引き受ける自治体が見つかっていない問題でも、同じ手法が使われる恐れはないか。そう懸念せざるを得ない。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12396627.html

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福島、甲状腺がん131人に(2016/06/07朝日新聞)
 福島県は6日、東京電力福島第一原発事故当時18歳以下の約38万人を対象にした甲状腺検査で、1月から3月の間に新たに15人ががんと診断され、計131人になったと発表した。うち1人は事故当時5歳だった。県の検討委員会は「これまでのところ被曝(ひばく)の影響は考えにくい」としている。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12396537.html

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核ごみ処分の全国シンポ終了/自然災害への懸念根強く(2016/06/04共同通信)
 経済産業省は4日、原発の高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分方針を説明する一般向けのシンポジウムを大阪市で開き、昨年から3巡目となる9都市での全日程を終えた。熊本地震を受け、各会場で「自然災害が多い日本で安全に地下処分ができるのか」との質問が繰り返され、国民の根強い懸念が浮き彫りとなった。過去2回のシンポでは、政府の原発再稼働方針に反発する意見が目立ったが、今回は処分地決定の手順や技術的な課題に関する質疑も活発だった。5月28日に大分市で開かれた回では「熊本地震で前震と本震を間違えたことで、科学への信頼が薄れた」との発言も出た。
http://this.kiji.is/111767199556765174?c=39546741839462401

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東海第2原発で放射性廃液漏れ(2016/06/02共同通信)
 2日午後2時55分ごろ、茨城県東海村の日本原子力発電東海第2原発で、廃棄物処理棟の室内に液体がたまっているのを作業員が確認した。原電によると、確認された液体の量は約750リットルで、1リットル当たり37万ベクレルの放射性物質が検出された。作業員の被ばくや、建屋の外への放射性物質の漏えいはないという。
http://this.kiji.is/111069056498402810?c=39546741839462401

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2016参院選/3 安全保障法制(その1) 自衛隊、準備なき大転換 人を撃てるのか(毎日新聞2016年6月7日 東京朝刊)
取材に応じた現役自衛官は狙撃訓練を積んできた。「表情までくっきりと分かるんですよ」。スコープ越しに見る「相手」は、いつ見てもびっくりするほどクリアだという。東日本の陸上自衛隊駐屯地に勤務する。「その時」が来たら職務で引き金を引くしかないと思っている。だが……。「命中した瞬間、血がバーッとなっちゃいますよね。その映像が頭に残る」安全保障関連法が3月29日に施行され、日本は憲法9条の理念に基づいて構築してきた安全保障政策を大転換させた。集団的自衛権(同盟国などを攻める敵国と交戦する権利)の行使を一定の制約のもとに認め、離れた場所の他国軍や民間人などを武器を使って助ける「駆け付け警護」もできるようになった。自衛隊員が人を撃つことが、現実味を帯びている。自衛隊は創設以来、一発の銃弾も撃っていない。本当に人を撃てるのか。
http://mainichi.jp/senkyo/articles/20160607/ddm/001/010/146000c

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社説/沖縄県議選 翁長県政が強化された(毎日新聞2016年6月7日 東京朝刊)
米軍属による死体遺棄容疑事件を受け、反基地感情が高まるなか、沖縄県議選が行われた。翁長雄志(おながたけし)知事を支える共産、社民などの県政与党が引き続き過半数を維持したうえで、改選前から4議席を上積みし27議席を確保した。・・・ 今回の結果は、辺野古反対の民意が変わっていないことを示している。翁長氏は「26議席以上は大勝利。新辺野古基地は絶対造らせないということは、今のままの形で取り組んでいきたい」と語った。これで翁長氏の基盤は強化されるだろう。安倍政権は、移設問題での硬直的な姿勢を改めるべきだ。
http://mainichi.jp/articles/20160607/ddm/005/070/037000c

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自殺対策白書 若い命をみんなで守る(2016/06/07東京新聞)
政府の自殺対策白書によると、二〇一五年の自殺者数は二万四千人余と六年連続で減少した。とはいえ、自殺死亡率は欧米主要国と比べ、依然として高い水準だ。自殺予防対策をさらに進めたい。日本の自殺者数は、一九九〇年代後半から十数年連続で三万人を超える緊急事態が続いていたが、一五年はピーク時よりも一万人以上少なくなっている。経済状況がやや持ち直したことに加え、貸金業法改正により多重債務問題が改善されたことも減少に寄与したとみられる。とはいうものの、交通事故死者数の約六倍、一日平均六十六人が自殺で亡くなっている計算だ。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016060702000123.html

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英国最古の書字板発掘、二千年前の「日常」伝える(2016/06/06ナショナルジオグラフィックス)
「私、ウェネストゥスの解放奴隷ティブルスは、スプリウスの解放奴隷グラトゥスに対し、配達された商品の代金として105デナリウスの支払い義務を負っています…」借用書はラテン語の筆記体で、書字板と呼ばれる木の板に刻まれていた。そこに記された日付は、紀元57年1月8日と読みとれる。これまでに見つかった、古代ローマの属州ブリタンニアの文書では最も古い日付だ。現在は英国ロンドンの金融街がある地区で、商業活動が行われていたことを示す最古の記録ということにもなる。・・・ 古代ローマ時代の書字板は、この借用書を含めて405点も見つかった。驚くべき発見の現場は、ロンドンの金融街の一角で、経済・金融情報の配信会社ブルームバーグが欧州本部の新社屋を建設中の土地だった。1.2ヘクタールの建設現場は、たちまちロンドンの歴史上で最大の発掘現場となり、紀元1世紀の古代ローマ時代に生きた人々の暮らしぶりを伝える遺物が大量に発掘された。見つかった品々のなかには、革のブーツや装身具から、手紙、借用書、売買の証書や裁判関連の文書まであり、保存状態は極めて良好だった。
http://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/16/060300200/

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翁長知事与党が勝利 辺野古阻止訴え 沖縄県議選過半数(2016/06/06朝日新聞)
 沖縄県議選(定数48)が5日投開票され、翁長雄志(おながたけし)知事を支える与党勢力が半数を超え、議席を伸ばした。翁長氏は、安倍政権が進める米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設阻止を訴えており、県議選に勝利したことで、引き続き安倍政権との対決姿勢を強めていく方針。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12395386.html

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ヘイトデモ阻止の人波 川崎(2016/06/06朝日新聞)
川崎市中原区で5日、排外主義的な団体が計画したデモが、出発直後に中止された。デモ隊十数人が日の丸やプラカードを持って10メートルほど進んだが、反対する市民ら数百人が取り囲み、阻止した。主催者が神奈川県警の説得に応じ中止を決めた。ヘイトスピーチ対策法が施行され、2日には横浜地裁川崎支部が、同じ主催者に対する市内の別の場所でのデモを禁じる仮処分決定を出したばかりで、注目されていた。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12395387.html

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(コラムニストの眼)アラブの春 夢の挫折と「イスラム国」 ロジャー・コーエン(2016/06/06朝日新聞)
5年ほど前、私は仕事仲間のロバート・ワース氏とともに、カイロのアパートからタハリール広場を眺めていた。エジプトの民衆が、ムバラク独裁政権を倒し、市民権や人としての尊厳、法の支配を求めるために立ち上がる姿を見つめていたのである。この活動にエジプト軍は冷静さを保ち、(イスラム組織の)ムスリム同胞団の動きも抑制的で、ツイッターを駆使する若者たちの勢いが勝った。「独裁者」対「イスラム主義者」というアラブの対立構図が、より包括的な社会へと変容していくかのように見えた。アラブの人口の4分の1を抱えるエジプトで、意味のある市民権が生まれたならば、人々は尊厳を取り戻していったことだろう。しかし、それはかなわなかった。ワース氏が近著で書いているように、かつてのタハリール広場の市民の熱気と、現在の過激派組織「イスラム国」(IS)による残忍な神権政治との隔たりは、この「失敗」の大きさを物語っている。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12395372.html

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(声)あきらめず駅頭で戦争反対訴え(2016/06/06朝日新聞)無職 林多恵子(神奈川県 66)

 私はしばしば駅頭に立ち、戦争反対を訴え、安全保障関連法廃止を求める署名を集める。仲間の一人がぽつりとつぶやいた。「こんなことしていて何になるんだろう」この法ができた時、安倍晋三首相は国民に丁寧に説明していくと言った。だが、「通ってしまえばこっちのもの」とばかり、今は知らん顔を決め込んでいる。九州で大地震があっても、鹿児島県の川内原発を止めようとしない政府、原子力規制委員会、電力会社。福島の原発事故を経験した私たちは不安で仕方がないのに。消費増税には反対だが、延期を単純には歓迎できない。金持ち優遇の経済政策は破綻(はたん)しており、延期は選挙目当てとしか思えない。こんなことが続くから仲間は無力感を口にしたのだ。インド独立の父ガンジーの言葉を思う。「あなたがすることのほとんどは無意味だが、それでもしなくてはならない」「世界によって自分が変えられないようにするために」私も無力だと感じることがあるが、駅に立ち続ける。自分が変わらずにいれば、通り過ぎる幾人かに元気をあげられるかもしれない。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12395268.html

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安保法反対、市民のうねり 全国50カ所超、国会前は4万人 参院選(2016/06/06朝日新聞)
安全保障関連法の廃止を訴える市民団体が5日、全国各地で抗議行動をした。主催者によると、50カ所以上で開かれ、東京の国会周辺には約4万人が集まった。22日公示の参院選に向け、安保法に反対する野党への支持を呼びかけた。学生団体のSEALDs(シールズ)メンバーや学者らでつくる団体「市民連合」と、「戦争させない・9条壊すな! 総がかり行動実行委員会」の主催。各地の団体にも開催を呼びかけた。

http://digital.asahi.com/articles/DA3S12395329.html

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骨太方針  財源の裏付け明示せよ(2016/06/06京都新聞)

 骨太どころか、先進国で最悪水準にある日本の財政の再建が「骨抜き」になってしまうのではないか。政府が決定した今後の経済財政運営の指針「骨太方針」にそんな印象が拭えない。骨太方針は、同時に示した「1億総活躍プラン」や新たな成長戦略の内容を盛り込み、国内総生産(GDP)600兆円の実現とともに子育て、介護支援など暮らし関連の政策拡充を並べた。だが、政府が消費税増税の再延期を打ち出したことで、財源の裏付けは大きく揺らいでいる。安倍晋三首相が言明した「財政健全化目標の堅持」を掲げているが、いずれも増税に代わる具体策を示しておらず、参院選向けの「空手形」に終わる懸念は消えない。
http://www.kyoto-np.co.jp/info/syasetsu/

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ムハマド・アリさん死去 反骨の元ヘビー級王者(2016/06/04東京新聞)
【ニューヨーク=北島忠輔】プロボクシングの元ヘビー級世界王者、ムハマド・アリ氏が三日、米西部アリゾナ州フェニックスの病院で死去した。七十四歳だった。不屈の戦いぶりで一時代を築き、人種差別撤廃や反戦活動にも力を注いだ生涯だった。・・・六七年には、イスラム信仰とベトナム戦争への反対を理由に徴兵を拒否。タイトルを剥奪されたが、七四年、無敗の世界王者だったジョージ・フォアマンに勝ちタイトルを奪回。通算十九度の防衛に成功した。・・・ローマ五輪で金メダルを獲得後、米国のレストランで黒人という理由で入店を拒否されたことに反発して、メダルを川に投げ捨てた逸話は有名。黒人の権利保護や米軍兵士の慰問などの活動を続け、二〇〇五年には米政府から最高の栄誉とされる「自由勲章」を贈られた。戦績は61戦56勝(37KO)5敗。二日から呼吸器系の病気で入院していた。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/201606/CK2016060502000128.html

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社説/もんじゅ 廃炉の決断こそ必要だ(毎日新聞2016年6月5日 東京朝刊)
 エネルギー政策上の位置づけは妥当か。運転には今後、どれだけ費用がかかるのか。こうした本質的な問いに関する議論を欠いたまま、政府がいたずらに、もんじゅの存続を図ることがあってはならない。・・・ 政府は、原発の使用済み核燃料からプルトニウムを取り出し、燃料として燃やす核燃料サイクル政策の推進を掲げる。プルトニウムを燃やす高速増殖炉はその要の施設だ。しかし、もんじゅは試運転中の1995年にナトリウム漏れ事故を起こして以来、ほとんど稼働していない。1兆円超の国費が投入され、今も維持管理などで毎年約200億円が費やされている。技術面やコスト面の課題で、多くの先進国は高速増殖炉開発から撤退した。核燃料サイクル政策は事実上破綻している。
http://mainichi.jp/articles/20160605/ddm/005/070/002000c

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<社説>米軍犯罪対策 的外れの政府に失望した(2016/06/04琉球新報)
 期待はしていなかったが、あまりにも的が外れた米軍犯罪抑止対策には失望するしかない。県民の生命・財産を守るのに、政府は全く当てにならないことが分かった。政府の対策は主に4点だ。(1)非常勤職員による100台規模の車両でのパトロール(2)警察官100人とパトカー20台の増強(3)一括交付金などによる防犯灯や防犯カメラ設置(4)国、県、自治体などによる協議機関設置−が柱となっている。政府は警察力と監視によって米軍関係者の犯罪を抑止できると考えているようだが、県民の感覚とは埋め難いほどの距離がある。県民が求めているのは、国内法の適用除外など米軍関係者を特権的に扱う日米地位協定の改定であり、沖縄からの全基地撤去、あるいは基地の整理・縮小だ。こうした抜本的対策こそが県民の願いである。それは本紙と沖縄テレビ放送が5月30日〜6月1日に実施した世論調査で明確に示されている。・・・ 国は常々、外交と安全保障は国の専管事項と言う。しかし米軍属女性遺棄事件後、政府が地位協定改定、基地撤退・縮小などを米側に求めたことはない。政府は外交の当事者としての資格すらない。そもそも米軍関係者の犯罪は、基地がなければ起こり得ない。小手先の対策を机上で練るよりも、政府は地位協定改定といった抜本的な解決策に踏み込むべきだ。できないのであれば「沖縄に寄り添う」などと二度と言うべきでない。


http://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-292344.html

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高齢者の貧困  拡大防ぐ手立てが急務(2016/06/04京都新聞)
高齢者の貧困化が深刻だ。生活保護の受給世帯のうち、65歳以上の高齢者を中心とする世帯が3月時点で過去最多の82万6656世帯となり、初めて半数を超えたことが厚生労働省の調査で分かった。この10年で1・7倍に増えた計算だ。困窮する高齢者の実態を直視し、貧困拡大を防ぐ手だてを早急に講じる必要がある。厚労省によると、全体の受給世帯数は前月より2447世帯増加して163万5393世帯で、過去最多を3カ月ぶりに更新した。・・・国立社会保障・人口問題研究所の推計では、2010年に23%だった日本の高齢者人口の割合は、60年にほぼ40%に達するという。老後の貧困を拡大させないためには、年金、医療、介護、雇用などの各制度を見直し、税制を含めて所得保障の在り方を総合的に点検する必要がある。政治の責任は重い。
http://www.kyoto-np.co.jp/info/syasetsu/20160604_3.html

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「非を認めぬ首相」も争点だ=与良正男(毎日新聞2016年6月1日 東京夕刊)
 安倍晋三首相は何があっても自らの非を認めようとしない人だと改めて思う。異論を排する姿勢と根っこは同じなのだろう。それが強いリーダーシップを示すことだと首相は考えているのかもしれない。・・・首相は一昨年、1年半の増税延期を表明した際「再び延期することはない。はっきり断言する」と言い切り、今後もアベノミクスを進めて増税できる経済状況を作ると約束した。リーマン・ショックや東日本大震災のような重大事がない限り再延期はしないとも繰り返してきた。そこまで言った手前、どうやって再延期するか。そこで主要7カ国首脳会議(伊勢志摩サミット)を利用して突如持ち出したのが、リーマン・ショック当時と似た経済指標を並べ立てる手法だ。アベノミクスは順調だが、世界経済は危機に直面している。だから増税は延期−−。これには私も驚いた。首相の認識をサミット参加国すべてが共有しなかったのはご承知の通り。これでは強い指導力どころか、首相の保身策である。まず最初に「アベノミクスは思い通りに進んでいない」と素直に認めた方がよほど国民は納得する。
http://mainichi.jp/articles/20160601/dde/012/070/004000c

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(声)「新しい判断」? 言葉軽すぎる(2016/06/03朝日新聞)主婦 清水芳枝(神奈川県 65)

 安倍晋三首相は、消費増税の再延期を発表しました。延期の是非は別として、「新しい判断」を理由に以前の約束をほごにすることなど、子どもでもしないでしょう。一国の首相の言葉がこんなに軽くていいのでしょうか。ここ数年、安倍首相の言葉を聞くたびに不信感が募ります。例えば、2013年の五輪招致のプレゼンテーションでは、福島第一原発の汚染水について「アンダー・コントロール」と言い切りました。しかし、コントロールにはほど遠い現状です。14年11月には、消費増税について「再び延期することはないと断言する。確実に引き上げていく」と述べていました。一方、安倍首相は昨年の国会で、テロ対策に関連して「国民の命、安全を守ることは政府の責任であり、その最高責任者は私だ」と語りました。私は自分の命と安全を預けることはできません。間もなく参院選。私たちは、政治家の言葉に、より一層、耳を傾けます。首相の言葉の空しさを反面教師として、真実が語られているのか、ごまかされていないか、国民のための言葉なのかを聞き分けていきたいと思います。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12390189.html

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(社説)参院選 論戦スタートへ 語られざる「改憲」を問う(2016/06/03朝日新聞)
 消費増税と衆参同日選の行方が注目された会期末の喧噪(けんそう)が去り、政界は7月10日投票の参院選に向け一斉に走り出した。この選挙で、安倍首相はじめ政治家たちは何を語るのか。首相は「アベノミクス」を最大の争点とし、消費増税先送りの判断について国民の信を問いたいという。投票にあたってそれを考慮に入れるにしても、政権の一方的な争点設定に縛られる必要はない。むしろ政治家があまり語ろうとしないことにこそ、細心の注意を払うべき論点がある。

 憲法改正である。・・・ 

■安保法を問い直す

 「良識の府」とも呼ばれる参議院。そこで8カ月前に起きたことを振り返ってみる。安全保障関連法案を審議した昨年9月17日の特別委員会でのことだ。議員たちが突然、委員長席に駆け寄り、怒号の中でもみ合いが続く。合図を受けた与党議員が時折、両手を上げて立ちあがる。何が起こったのか、国民にはわからない。これが9条の実質的な改正に等しい安保法案の採決だった。・・・ 安倍政権は、過去2回の国政選では国民生活に密接にかかわる経済を前面に掲げた。今回も同様だ。だが、これまでは選挙が終わると、安倍政権は顔を一変させてきた。特定秘密保護法に安保法。国民の知る権利や平和主義という憲法の根幹にかかわる法の制定に、一気に進んできたことを忘れてはならない。


改憲の狙いはどこに
・・・一方で、いま自民党内で語られている憲法改正論は、私たちが戦後、その恩恵を受けてきた平和や自由といった価値を変質させる可能性をはらむ。自民党の憲法改正草案を貫いているのは、国民一人ひとりの自由より、国家を優先させる考え方だ。その根っこには、現憲法の人権や個人主義に対する、敵意に近い感情がうかがえる。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12390186.html

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<社説>首相の約束 信用できるはずがない(2016/06/03琉球新報)
安倍晋三首相が消費税率10%への引き上げを2年半延期することを正式に表明し、7月の参院選で国民に信を問う考えを示した。会見での首相発言を要約すれば「アベノミクスは順調である。だが、新興国や途上国の経済がリスクとなっている中、内需を腰折れさせかねない消費税率引き上げは延期すべきである。これは『新しい判断』であり、公約違反ではない」となる。こんなごまかしが通るとでも考えているのだろうか。首相は3年半のアベノミクスの成果として、順調な雇用指標などを挙げる一方で、都合の悪い経済成長率などには触れなかった。まやかし以外の何物でもない。・・・首相は「子育て世帯を支援していく決意は揺らがない」と述べた。保育の受け皿50万人分確保、介護離職ゼロに向けた介護サービスの受け皿50万人分の整備も、予定通り確実に進めると約束した。だが、公約を「新しい判断」の一言でほごにする首相である。今後も「新しい判断」を繰り出し、約束を実行しないことも十分あり得る。首相は参院選に関し「民主主義とは何か。それは選挙を通じて国民の声を聞くことである」と述べた。その通りである。だが、言葉とやることがこれほど乖離(かいり)している人もそうはいないだろう。選挙を通じて示された沖縄の民意を踏みにじり続けているのは誰か。首相の言葉を信用できるはずがない。
http://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-290975.html

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<社説>再編交付金拡大 地方自治への介入やめよ(2016/06/03琉球新報)
現在の日本政府に立憲主義や民主主義を理解する者はいないのだろうか。政府方針を実現するためなら「ばらまき」も辞さずという姿勢には不信感ばかりが募る。在日米軍再編に伴い、基地負担が増す市町村に交付される再編交付金について、政府は自治会や都道府県への拡大を検討している。・・・名護市では辺野古新基地建設に反対する稲嶺進市長が当選後、再編交付金が支給されていない。一方で国は移設予定地周辺の辺野古、豊原、久志(久辺3区)に直接補助金を支給する制度を創設した。住民の生活環境向上であれば、基地再編に関係なく行うべきであり、名護市を通すのが筋だ。・・・反対なら凍結というアメとムチを使い分け、住民間に対立をもたらした。地方自治を保障した憲法92条に反するだけでなく、国が地域での対立をあおった側面もある。
http://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-290976.html

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銀河系の質量は太陽7000億個分、暗黒物質が約9割(2016/06/03ナショナルジオグラフィックス)
の研究成果は5月31日、同国ウィニペグで開催中のカナダ天文学会(Canadian Astronomical Society)で報告された。それによると、銀河系の質量は太陽の7000億倍で、これまで出されてきた説の中では軽い方になるという。同時に、銀河系に含まれるダークマター(暗黒物質)は、従来の算出よりもやや多いとの結果が出た。目に見えず、まだ謎の多いダークマターは、銀河系を取り囲む雲のように存在していると考えられている。・・・ 他の物体に重力を及ぼすということしか分かっていないダークマターは、とりわけ測定が難しい。イーディー氏は、球状星団という老いた星の集団について大学院で研究を始めて以来、この問題に取り組んできた。最終的に、氏は銀河系のダークマターを測定する方法を考案した。銀河の周囲に存在する球状星団89個の、すでに分かっている動きと速度を利用するというものだった。
http://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/16/060200199/

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「1億総活躍」の息苦しさ(2016/06/03東京新聞)
六月五日、スイスで世界初となる重大決定が国民投票にかけられると伝えられる。最低生活保障(ベーシック・インカム)制度の導入の是非という実に壮大な問いである。政府が全国民に対し、最低限の暮らしに必要なお金を毎月、無条件で生涯を通じて支給する仕組み。大人には二千五百スイスフラン(約二十八万円)、子供には六百二十五スイスフラン(約七万円)を配る案が出ているという。難問は財源の確保。勤労意欲がなえるとか移民が押し寄せるという反対論も根強い。対して、年金や失業手当といった社会保障給付の廃止や増税策で実現可能と賛成派。物価高に見合う支給額への引き上げ要求もある。食べるのに困らなければ、人生の選択肢は豊富になる。趣味や娯楽に興じるのも、学問や社会貢献に精を出すのも、さらなるお金儲(もう)けに走るのも自由。貧困格差は解消し、子育てや家族の世話も容易にでき、人工知能が跋扈(ばっこ)しても心配はない。夢物語だろうか。国民投票の意義は、労働から解放された人間らしさを見つめ直すことにあると思う。人間の存在価値を生産性のみで測る市場経済はもはや弊害。そんな問題意識を共有したい。翻って日本の「一億総活躍プラン」。少子高齢化に立ち向かうとして、国民を労働に駆り出す発想である。成長なくして分配なしとさえ言い切るブラン。人間の価値は稼ぐ力が全てと響くこちらは悪夢の物語。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2016060102000133.html

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消費増税再延期 社会保障と税の再考を(2016/06/03東京新聞)
 安倍晋三首相が「公約」を覆し、再び消費税増税の先送りを表明した。限界が明白となったアベノミクスはやめ、税と社会保障の改革をやり直すべきだ。・・・

アベノミクスは限界
 経済停滞の最大の理由は消費の伸び悩みだが、首相周辺は二年前の消費税8%への増税が引き起こしたと言い張った。しかし、これほどまでに長引くのは、他に原因があるからだろう。非正規雇用の拡大に伴い賃金全体が伸びていないこと、若年層の将来不安など格差拡大が背景にある。年収四百万〜七百万円の「中間層」は細り、その下方の階層が厚みを増した。所得だけではない。貯蓄も三千万円以上の比率が上昇しており、アベノミクスが所得と資産の二極分化を生んできたことを統計は物語る。富が滴り落ちる「トリクルダウン」は虚妄でしかなかった。・・・

崩壊した一体改革
 すなわち消費税の増税を財源に子育てや介護などの社会保障を充実する枠組みである。しかし、安倍政権が二度にわたって延期したことで、もはや理念も枠組みも崩壊したといってもいい。そもそも私たちは、今の消費税増税自体に反対してきた。それは前提となる社会保障の抜本改革が進まず増税だけが進むことを恐れるからだ。少子高齢化の進展で社会保障費は毎年一兆円ずつ増え続ける。給付を抑えないかぎり、いくら増税しても際限がないということになりかねない。国民に負担を強いる以上、国会議員も身を切る改革を行い、天下りなど利権に群がっていたシロアリ官僚も退治すると言明したが、その約束も果たされてはいない。・・・ 「富裕層は、負担を増やし給付は抑える」のが基本だろう。たとえば、富裕層は株の配当や譲渡益などの金融所得が大半だが、その税率は20%の分離課税で勤労所得にかかる所得税に比べ低すぎる。富める者がますます富む資本主義では、税の強力な再分配なしには格差は広がるばかりだ。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016060302000132.html

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