昭和の時代 昭和の時代の前半は、6年の満州事変に始まり、日中戦争、そして第二次世界大戦と、前時代を引き継いで戦争ばかりの時代でした。「昭和」と聞いてなつかしい、良い印象を持つのは、1945年(昭和20年)の敗戦後から1980年代の約40年間くらいの時代のことではないでしょうか。しかし、戦後日本はアメリカの属国になり、今日の有様になりました。そして今また、更にあらゆる面において、強い支配下に入って行こうとしています。
戦後日本は経済だけを追及し、追いつけ追い越せで古き良きものまでをも全て破壊し尽くしてきました。土建国家となり、建築物も道路も「造るために造り」、自然を破壊し、海外から新建材が流入して木と土と紙で出来ていた日本の美しい家並みは失われました。日常品にいたるまで全て例外はなく、新素材に取って代わられました。国からの補助もなく、現在の日本の伝統工芸は後継者不足で壊滅寸前です。
丁寧に扱ってくださる限り、おもちゃは手に取ったり、遊んだりして頂けますし、絵本や本もゆっくりご覧になって頂けます。大正時代に建てられたと思われる元お茶屋の室内で、お茶とお菓子を召し上がりながらおくつろぎ下さい。コーヒーやビールなどもご用意しております。
懐かしいもの、おもしろいもの、かわいいもの、そして丁寧に作られたものをゆっくりとご覧になりながら、これからのこの国が進むべき道にも思いを馳せて頂ければ幸いです。
人や生き物を大切にするこころ
今と比べればまだまだモノも潤沢ではなく、子供たちは漫画の本一冊、コマやビー玉一個でも大切にしていました。子供たちは日暮れまで路地や原っぱで遊び回り、大人たちも元気でした。当時の絵本やおもちゃにはそんな精神が映っています。絵本をつくる出版社の熱意。おもちゃづくりの丹念さにもあらためて感心します。 時代は進み社会は物質的には随分ゆたかになりましたが、大人も子供もなぜか萎縮してしまったように見えます。しかもあろうことか日本の平和を70年も守って来た平和憲法を変えようとする動きもあって心配です。子供がのびのびと育ち、それぞれが自分の夢を持つことができた昭和の時代。物質的な貧しさを精神的なゆたかさが上回っていた時代だと思います。 「昭和の絵本とおもちゃ」をゆっくり手に取って眺めてみるとなにやら暖かいものが伝わって来ます。それは人と人のつながりの暖かさだと思います。子供に夢をあげよう、子供たちのためにという大人の愛情が絵本やおもちゃに詰まっているからだと思います。 大人が子供を、人が人を思いやる社会。どうしたらそんな社会を取り戻せるのか?そのヒントが昭和の時代にはあるような気がします。 |