ちょっと古きものたち
ものあまりの時代。不要品の紙が貼られた家具や電化製品にはどう見てもまだまだ使えるものが多々あります。可愛いぬいぐるみなどがゴミとして捨てられているのを見るとちょっとつらい気持ちにもなります。次から次へと新しい物がふえて、スペースの問題などやむえない状況はよく分かるのですが、古い道具や物への愛着心がうすれている現状は確かにあります。
利便性、経済性・・・町から川が消え道路になって、海からは豪華客船は増えているけれど小さな客船やフェリーは消えつつあります。建築的価値の高い古いビルや家屋も時代の流れであっけなく取り壊されます。補修して再生するより壊して新しくしてしまうのは経済的理由が大きいのでしょうが、建物が持つ歴史と存在感、それがあるだけでほっとするような「味」「情緒」はとうてい再現出来ないことです。
町を歩いていても旅行していても、「あっ!去年はここにあったのに」と残念な気持ちにさせるもの、古いお店、商店街、街並・・・看板や装飾物にもユニークで個性的なものがいくつかあったのに・・・もうあんなものは2度と見れないな、とため息がでます。
大きなものはともかく、せめて、身近にあるちいさな古きものぐらいは、出来る限り残したり、記録したり、役立てようと思ったのがこのサイトづくりの動機です。
「小さなネット博物館として」
ちょっと古きものたち。かっては多くの家庭に飾られたり転がっていたりしたものたちです。大量生産、大量消費の世の中になって、ものが大事にされなくなったことと、空き地や路地が消え失せ、コマ回しやビー玉遊びをする場所さえなくなりました。使われなくなったものたちは置き場に困り、一つまた一つと捨て去られていきました。
昭和の香りがするおもちゃや絵本。ここに紹介するものたちはかろうじて我が家に生き残ったものたちです。今でもどこかの家庭の押し入れや物置に仲間たちは残っていることだろうと思います。単なるおもちゃや絵本だけれど、その時代の精神が積み木一つとっても感じられます。子供を思う心。玩具メーカーや職人さんたちの心。出版社や絵本作家の人たちの情熱。そして遊ぶ子供たちの心。
便利でゆたかになったかも知れないけれど今の時代に希薄となった「情緒」があるような気がします。まだ紹介できるのは一部ですが、「ちょっと古きものたちの小さなネット展示室」となるように少しずつ画像を増やしていこうと思っています。もし懐かしい時代の記憶がよみがえるものに出会えたなら幸いです。