トンガ Tonga
南太平洋に浮かぶ約170の島群からなる国家で、イギリス連邦加盟国である。オセアニアのうちポリネシアに属し、サモアの南、フィジーの東に位置する。首都は、ヌクアロファで、最大の島トンガタプ島にある。トンガは4つの群島、172の島からなり、うち45島が有人である。島々は南北600km、東西200kmの幅に広がる。東西の幅が狭いのは、すぐ東にトンガ海溝が南北に伸びているためである。トンガ海溝はインドプレートに南太平洋プレートが東側から潜り込むために形成されている。
■ヌクアロファ
ヌクアロファ(Nuku'alofa)は、人口約21,000人のトンガタプ島に位置するトンガ王国の首都である。コプラ、バナナ、バニラ、民芸品などを輸出する。ヌクアロファでは、英語が通じる。また、ヌクアロファには、トンガの国民の約30%が住んでおり、王宮や教会が集中している。なお、標準時はUTC+13:00である。近郊にファアモツ国際空港があり、トンガの玄関口となっている。
■ラピタ人
ラピタ人(英: Lapita)は、人類史上初めて遠洋航海を実践し、太平洋の島々に住み着いたと思われる民族。1952年、ニューカレドニアで発見された土器が「ラピタ土器」と命名されたことから、この文化がラピタ文化と呼ばれるようになった。ラピタ土器の破片。ソロモン諸島のネヌンボ遺跡 (Nenumbo site) でオークランド大学のロジャー・グリーン (Roger C. Green) らによって1970年代に発掘されたもの。破片幅は約8cmで、紀元前1000年ごろのものと見られている[4]。 ラピタ文化は今からおよそ3600年前にメラネシアで発生、高度な土器文化を持ちラピタ土器を残した。
外務省:トンガ王国
在トンガ日本国大使館
■トンガの交通
トンガの交通網は道路・海路・空路の3つから成る。幹線道路の総延長は680kmで舗装路は184kmである。ほかにも多くの空港や港湾が整備されている。主要な港湾は3つで、ネイアフ(Neiafu)、ヌクアロファ、パンガイ(Pangai)が挙げられる。1,000英トンを超す商船は7隻登録されている。1999年の推計によれば、トンガ国内には6つの空港がある。そのうち、舗装された滑走路を持つ空港はトンガタプ島のファアモツ国際空港とヴァヴァウ島(Vava‘u)のヴァヴァウ国際空港の2港である。
■ファアモツ国際空港
Fua Motu International Airportとは、トンガ王国にある国際空港。トンガ王国最大の島、トンガタプ島の南部にあり、首都ヌクアロファから35kmの位置にある。ファアモツ空港はもともと1940年頃に作られた軍事用飛行場で、1970年代にジェット機の離着陸を可能にするため滑走路の拡張が行われた。
■ヴァヴァウ国際空港
Vava'u International Airportは、トンガ王国ヴァヴァウ諸島にある国際空港。
■エウア空港
‘Eua Airport、(IATA: EUA, ICAO: NFTE)[3])は、トンガのエウア島にある空港。トンガではカウファナ空港(Kaufana Airport)と呼ばれている。エウア島の主都・オホヌア村('Ohonua)の南東約3kmに位置する。
■ニウアトプタプ空港
Niuatoputapu Airport(IATA: NTT, ICAO: NFTP))は、トンガのニウアトプタプ島にある空港。別名、クイニ・ラビニア空港(Kuini Lavinia Airport)。
■政治
元首は国王。立憲君主制で一院制の立法議会(国王が任命する職権議員14名、貴族議員9名、平民議員9名により構成)があるが、国王に多くの権限がある。国民は王族、貴族、平民の3つの身分に分けられている。身分の変更は基本的に認められない。1980年にオナライバハママオ王子が平民の娘と結婚したために王族の称号を剥奪され、平民になった事例以外、公式な記録がない。身分制度が存在するが、全ての法律は全ての身分に平等に適用されることが憲法に明記されている。憲法が制定されたのは1875年で、日本の大日本帝国憲法(1889年)よりも早い。現在の憲法もこの当時の改訂憲法である。
■経済
トンガの産業は農業、漁業と観光、出稼ぎ送金に頼っている。主要作物はコプラとバナナ。国内市場が狭く、貿易に適さない位置にあるため、経済が発達せず、慢性的な失業に悩む。輸出額700万ドルに対し、輸入額は7300万ドルにも達し、貿易赤字も大きい(以下、2001年時点)。主な輸出品目はカボチャ、魚介類、根菜植物。主な輸入品目は食料品、石油製品、金属製品である。日本に対しては大幅な貿易黒字 (2003年時点で年間900万ドル)となっている。輸出品はカボチャ(93%)、香辛料、マグロ、輸入品は、トラック、乗用車、内燃機関である。
■国名
正式名称は、Pule'anga Fakatu'i 'o Tonga(トンガ語)。公式の英語表記は、Kingdom of Tonga。通称、Tonga。国名は、トンガ語で南の意味。
1.面積:720平方キロメートル(対馬とほぼ同じ)
2.人口:103,967人(2009年、世界銀行)
3.首都:ヌクアロファ
4.民族:ポリネシア系(若干ミクロネシア系が混合)
5.言語:英語(公用語)の他、トンガ語を使用
6.宗教:キリスト教
1616年 オランダ人、北方の二島発見
1845年 キリスト教徒のトゥポウ一世がトンガを統一
1900年 英国の保護領となる
1970年6月4日 英国より独立
■主要産業:農業(コプラ、やし油、かぼちゃ)、漁業
■主要貿易品目(1)輸出 かぼちゃ、魚類、バニラ、カヴァ(2)輸入 食料、飲料、家畜、機械・機器、燃料、石油製品
■パ・アンガ
(pa‘anga)は、トンガの通貨。 補助通貨単位はセニティで、1パアンガ=100セニティである。トンガではトンガ・ドルとも呼ばれる。首都・ヌクアロファにあるトンガ国立準備銀行によって発行され、オーストラリア・ドル、ニュージーランド・ドル、アメリカ・ドル、日本円の通貨バスケットにペッグされている。
■経済
トンガの産業は農業、漁業と観光、出稼ぎ送金に頼っている。主要作物はコプラとバナナ。国内市場が狭く、貿易に適さない位置にあるため、経済が発達せず、慢性的な失業に悩む。主な輸出品目はカボチャ、魚介類、根菜植物。主な輸入品目は食料品、石油製品、金属製品である。
■コプラ
copra)は、ココヤシの果実の胚乳を乾燥したもの。灰白色で約40~65パーセントの良質脂肪分を含む。主に東南アジア諸国や太平洋諸島で生産され、住民の貴重な現金収入源となっている。圧搾したコプラ油(椰子油)は、生のココナッツミルクなどに比べて酸敗の恐れが少ないことから、マーガリンなどの加工食品の原料油脂になるほか、生体への攻撃性の少なさから石鹸、蝋燭など日用的な工業製品の原料となる。
■バナナ
Musa spp. )はバショウ科バショウ属のうち、果実を食用とする品種群の総称。また、その果実のこと。いくつかの原種から育種された多年草。種によっては熟すまで毒を持つものもある。果皮の色は品種によって異なり、一般的に知られるものは緑色から黄色であるが、桃色から紫まで多様である。収穫後時間が経過するにつれて皮の表面に浮かぶ黒い斑点状のものを「スウィートスポット (Sweet spot)」または「シュガースポット (Sugar spot)」と呼び、簡単な熟成のバロメータとなる。
■カボチャ
カボチャ(南瓜)は、ウリ科カボチャ属(学名 Cucurbita)の総称である。特にその果実をいう。原産は南北アメリカ大陸。主要生産地は中国、インド、ウクライナ、アフリカ。果実を食用とし、カロテン、ビタミン類を多く含む緑黄色野菜。
■モノカルチャー
Mono culture)とは、直訳するとmono(単一)のculture(栽培/文化)であり、多くの場合、単一の農作物を生産する農業形態を指す。植民地化された土地で、支配国で需要の高い農作物を集中的に生産させた事が始まりである。例えば、オランダ領東インド(現在のインドネシア)における商品作物の強制栽培制度があげられる。これにより、支配国は効率よく農作物を得ることができた。
■トンガ国立準備銀行
National Reserve Bank of Tonga、NRBTはトンガの中央銀行。国内外の通貨の供給量を調整することにより、同国の金融安定と経済発展を促進することに責任を持つ。トンガ財務省に対して銀行および金融問題の助言を行い、トンガ政府の主要な銀行および財務代理人として活動し、金融機関の認可・監督責任をも負う。
■住民
長身でがっしりした体格のポリネシア人が98%であり、また少数のミクロネシア人もいる。
■ポリネシア人
ポリネシア人(Polynesian)は、太平洋のポリネシアに住む人々の総称。オーストロネシア語族に属しており、メラネシア人やミクロネシア人と密接な親縁関係を持つ。身体的特徴、文化的特徴、言語的特徴に関してメラネシア人のような多様な地域差は無く、同質的である。ポリネシア人の話すハワイ語、タヒチ語、ラパヌイ語、マオリ語、サモア語、トンガ語などはたがいによく似ており、オーストロネシア語族の中の枝先にあたる一分派を構成している。トール・ヘイエルダールが唱えた南米からの植民説、ベン・フィニーらが唱えたアジアからの植民説があるが、1975年にハワイで建造された双胴の航海カヌー、ホクレアによる数々の実験航海や、言語学的・人類学的な各種の検証により、現在では東南アジア説が定説となっている。
ニュージーランドの先住民マオリもポリネシア人の一派であり、ラグビー・フットボールのアオテアロア(ニュージーランド)代表チーム「オールブラックス」が試合前に披露するハカは、ポリネシア系言語のマオリ語である。ガリヴァー旅行記の大人国の人々のモデルと言われる(特にトンガの人についてそのように言われる)。ポリネシア人は体重に対する筋量と骨量の比率が他のあらゆる人種を大きく上回る。こうしたことから、『地球最強の民』(最も強い身体を持つ人々)などと称されることがある。
■言語
トンガ語と英語が公用語である。日常生活ではトンガ語が使われるが、英語も広く通用する。
■オーストロネシア語族
オーストロネシア語族は台湾から東南アジア島嶼部、太平洋の島々、マダガスカルに広がる語族である。日本語では南島語族とも訳される。かつてはマレー・ポリネシア語族と呼ばれていたが、台湾原住民諸語との類縁性が証明された。
■宗教
キリスト教がほとんどである。
■キリスト教
Christianity)とは、ナザレのイエスをキリスト(救い主)として信じる宗教。イエス・キリストが、神の国の福音を説き、罪ある人間を救済するために自ら十字架にかけられ、復活したものと信じる。世界における信者数は20億人を超えており、すべての宗教の中で最も多い。
■文化
トンガは、ラグビーが盛んなことで有名。また、日本の角界にも、トンガ出身の力士(南乃島など)がいる。トンガの人々は全体的に大柄で、ツポウ4世は、1976年のギネスブックで、「世界で最も大きな国王(209.5kg)」として登録されていた。トンガの女性の平均身長は170cmで、婦人靴の最小サイズは26cm。男性の平均身長は177cmで、足のサイズが30cm以上ある人も少なくない。
■ブロブディンナグ/南太平洋のトンガをモデルとする説がある
ブロブディンナグ(Brobdingnag)は、イギリスの風刺作家ジョナサン・スウィフトの小説「ガリヴァー旅行記」に登場する架空の国家。ブロブディンナグは、あらゆる物が12倍の大きさではあるがそれ以外は普通の人間の世界と変わらない王国である。位置的には、北アメリカ西部に突き出ている半島(アイスランド位の大きさ)にある。半島の周りは先の尖った岩ばかりの荒れた海で、船での出入りもできず魚も外の世界と変わらない大きさであることから関心を示さない。大陸との境には多くの火山を持った5000m近い山脈があり、ここも越える事は不可能である。このためブロブディンナグの人々はここが全世界だと思っている。