ナウル Nauru
太平洋南西部に浮かぶ珊瑚礁のナウル島からなる共和国で、イギリス連邦加盟国である。国土面積は21km2であり、バチカン市国、モナコ公国に次いで面積が小さい。国内には都市が存在しないため、首都の概念がない。ニューギニア島から東に2000kmの位置にある周囲19kmのナウル島からなる。赤道よりわずかに40km南に位置し、ミクロネシアに属する。周囲の島からは孤立している。例えば北東のギルバート諸島からは約500km、南西のソロモン諸島からは約1000km離れている。面積は21km2。
アホウドリを始めとする海鳥の糞の堆積によってできたリン鉱石の採掘によって栄えてきたが、20世紀末に鉱石が枯渇し、深刻な経済縮小に見舞われている。かつては国民は世界で最も高い生活水準を享受し、国は国民に対し税を徴収せずに、無料の医療、教育、年金制度(老年年金ではなく全年齢層に対する給与としての支給)、手厚い社会福祉を提供していたが、今日ではそれらはすべて破綻し、基本的インフラを維持するのでさえ困難な状況にある。
■メネン地区
(Meneng District)は、ナウルの1地区。同国の南部に位置する。高級ホテルのメネン・ホテルが、アニバレ湾の近くにある。そのほかに政府印刷局やメネン・スタジアムがある。
■ヤレン地区
Yaren Districtは、ナウルの南西部に位置する行政区のひとつ。旧称は、メクワ(Mekwa)。ナウル国際空港があり、海外との窓口となっている。旅客鉄道はなく、車か徒歩で移動する。
■ブアダ地区
(Buada District)は、ナウルの1地区。唯一の内陸地区で、同国の南西部に位置する。ナウルで最も美しい場所の1つとされているブアダ・ラグーンがある。他の地区より比較的多くの植物があったが、鉱業の為に、その多くが失われる結果となった。
■アイウォ地区
Aiwo)は、ナウルの行政区のひとつ。アイウェ(Aiue)とも呼ばれる。旧称は、ヤンゴール(Yangor)。同国西部に位置し、ナウル経済の中心地である。ナウル・リン鉱石会社が運営する工場施設が集中している。リン鉱石の積荷を行う延長ブリッジ(カンティレバー)が設置されているが、全盛期に比べて稼働率が減少している。また、国内に2軒あるホテルのひとつであるオドゥン・アイウォ・ホテルがある。
■エウァ地区
Ewa Districtは、ナウルの1地区。同国の最北端に位置する。工業学校であり、ナウル唯一の高等教育施設でもあるカイザー大学(40年間ナウルに滞在していたドイツ人宣教師・アロイス・カイザーの名に由来する)や、国内における主要スーパーマーケット2店、オージーフットボール専用グラウンドがある。
■アニバレ地区
(Anibare District)は、ナウルの1地区。同国の東部に位置する。美しい浜辺と白いサンゴ礁を有するアニバレ湾があり、国内でも有数の観光スポットとなっている。地区の西部には、リン酸塩の備蓄地帯がある。
■デニゴムドゥ地区
(Denigomodu District)は、ナウルの1地区。同国西部に位置する。地区には、国営ナウル・リン鉱石会社によるリン鉱石採掘労働者たちの居留地がある。このほか、総合病院、国営ナウルリン鉱石会社の病院などがある。
ナウル/Wikipedia
外務省:ナウル共和国
■ナウル国際空港
ナウル国際空港(Nauru International Airport)は、ナウル共和国にある国際空港。ナウルのヤレン地区に所在する。フラッグ・キャリアのアワー航空のハブ空港である。現在のところ国内線は就航しておらず、国際線のみが就航する。旅客ターミナル内には軽食が取れるレストランや売店はあるが、免税店やビジネスセンター、航空会社ラウンジやボーディングブリッジなどの設備は存在しない。また貨物専用ターミナルも存在しない。
■アワー航空
(Our Airline)は、ナウルの航空会社。2006年にエア・ナウル(Air Nauru、ナウル航空とも)から改称した。前身のエアナウルは、ナウル島の中心地、ヤレン地区にあるナウル国際空港をベースに、オーストラリアやニュージーランドなどの近隣諸国や日本、グアムなどの太平洋地域を中心に就航していた。機体の整備等は外国に委託していた。しかし、2000年代に入り国家財政の破綻を受けて経営状況が逼迫し、2005年12月にオーストラリアのメルボルンで債権者によって運航機材を差し押さえられた。ナウルを国際承認している主要な援助国である中華民国政府の援助によりボーイング737-300型機を新たに購入。2006年9月より運航を再開し、同時に社名を変更した。
■リン鉱石
リン鉱石(リンこうせき、phosphate ore、phosphorite、phosphate rock、rock phosphate)は、工業原料として利用可能なリンを採取できる、リン酸塩鉱物を主成分とした鉱石である。リン鉱石資源として重要な鉱床は、成因により3種類に分類される。リンの採取自体は、鉱石以外に活性汚泥や鉄鋼スラグなど産業廃棄物からも技術的に採取が可能である。世界中に分布するリン鉱石であるが、価格が極めて安価であったことから、大規模な開発により生産コストを低減させる必要があった。このため、特定の国の巨大鉱床に依存することが多い。
■ナウル・リン鉱石会社
Nauru Phosphate Corporation, NPCは、太平洋の島国であるナウルの国営会社。リン鉱石の採掘事業を管轄している。同国西部のデニゴムドゥ地区に本社があり、会社付属の病院も運営している。ナウル国民の生活水準は、リン鉱石の大量輸出により、20世紀末までは先進国並みの水準を保っていた。だがリン鉱石がほぼ枯渇状態となり、2000年には大規模な採掘事業は行なわれなくなった。現在、ごく小規模な採掘は継続されているが、かつてのような大量の採掘は見込まれていない。また、長年の大規模採掘によりナウル島の中央部は車両通行ができないほど荒れ果てており、深刻な環境問題ともなっている。
■ナウル語
(dorerin Naoero)は、オーストロネシア語族のミクロネシア語派に属する言語のひとつ。ナウルで話されている。約7000人がこの言語を話し、それはおおむねナウルの人口の50%である。ほとんどのナウル語話者は、英語を話すバイリンガルである。
■国名
正式名称は、Republik Naoero (ナウル語)。「ナウル」とはナウル語の「Anaoero(「私は砂浜に行く」の意)」が由来とされる。
公式の英語表記は、Republic of Nauru 。通称、Nauru 。
1.面積:21.1平方キロメートル
2.人口:10,131人(2006年、太平洋共同体事務局)
3.首都:ヤレン
4.民族:ミクロネシア系(ポリネシア、メラネシアの影響あり)
5.言語:英語(公用語)の他、ナウル語を使用
6.宗教:主にキリスト教
1798年 英国の捕鯨船ナウル島発見
1920年 豪州・NZ・英国の3国を施政国とする国際連盟の委任統治領
1942年 日本軍による占領
1947年 豪州・NZ・英国の3国を施政国とする国連信託統治地域
1968年1月31日 独立
■主要産業:鉱業(燐鉱石)
■主要貿易品目(1)輸出 燐鉱石、魚介類(2)輸入 機械類、車両、建築材料、雑貨、食料品
■オーストラリア・ドル
Australian Dollar)は、オーストラリア連邦で用いられる通貨の名称である。通貨コードはAUDであり、A$、豪ドルなどと称する。なお、オーストラリア領土以外では、ポリネシアのナウル・ツバル・キリバスでも用いられている。
■政治
国会の定員は18人。国会議員は3年ごとに選出される。共和制を採り、国会議員の中から大統領を選出する。大統領が内閣を任命する。複数の政党が存在し、民主党とナウル党が主要政党である。長年デ・ロバートが大統領と評議会議長を独占してきたが、1989年に行われた選挙で、ドウィヨゴが新大統領に就任した。その後2004年にはルドウィグ・スコティ大統領が選出されたが、2007年12月に、マーカス・スティーブン前海洋資源庁担当大臣兼通信大臣兼スポーツ大臣が新大統領に選出された。
■情報・通信
放送は国営ラジオ局があるほか、産業開発省管轄の国営テレビ局の「ナウルテレビ」がある。 インターネットはCenpacNetというプロバイダが主流である。 新聞は売店などでの販売が主流。
■資金洗浄
犯罪によって得られた収益金の出所などを隠蔽して、一般市場で使っても身元がばれないようにする行為である。「マネー・ローンダリング」(money laundering)の訳語。「ロンダリング」と伸ばさずとも間違いではないが、金融庁などの公的文書では「マネー・ローンダリング」で統一されている。マイヤー・ランスキーがマネーローンダリングを初めて行ったといわれる。略称は、「マネロン」。英語の「launder」は「Coin launderette ・コイン・ランドリー」などの洗濯する事を意味する。
■海水淡水化
海水には約3.5%の塩分が含まれており、そのままでは飲用に適さない。飲用水とするためには塩分濃度を少なくとも0.05%以下にまで落す必要がある。海水淡水化プロセスの基本は海水からの脱塩処理である。海水を熱して蒸発(フラッシュ)させ、再び冷やして真水にする、つまり海水を蒸留して淡水を作り出す方式である。海水に圧力をかけて逆浸透膜(RO膜、Reverse Osmosis Membrane)と呼ばれる濾過膜の一種に通し、海水の塩分を濃縮して捨て、淡水を漉し出す方式である。
■サンゴ礁
造礁サンゴの群落によって作られた地形の一つ。熱帯の外洋に面した海岸によく発達する。造礁サンゴにはミドリイシ、ノウサンゴ、キクメイシなど数100種類もあるが、これらは直径1cm足らずのイソギンチャクに似た小さなポリプがたくさん集まって群体をなしたもので、様々な形のサンゴは、たくさんのポリプがそれぞれの種類によって独自の骨格を形成したものである。サンゴのポリプはプランクトンを捕食するが、体内に光合成を行う褐虫藻を共生させ、その栄養分をもらうこともできる。成長したポリプは分裂して増え、海水中の二酸化炭素やカルシウムを取りこみ、炭酸カルシウムを主成分とした骨格をつくる。たくさんの造礁サンゴが生命活動を行った結果、サンゴの下には厚い石灰岩の層ができ、サンゴ自身はさらに上へ、沖へと成長する。
■インフラストラクチャー
(infrastructure、略称・インフラ)とは、国民福祉の向上と国民経済の発展に必要な公共施設を指す。国民福祉の向上と国民経済の発展に必要な公共施設とは、学校、病院、道路、港湾、工業用地、公営住宅、橋梁、鉄道路線、バス路線、上水道、下水道、電気、ガス、電話などを指し、社会的経済基盤と社会的生産基盤とを形成するものの総称である。