トリニダード・トバゴ Trinidad and Tobago
カリブ海の小アンティル諸島南部に位置するトリニダード島とトバゴ島の二島と属領からなる共和制国家で、イギリス連邦加盟国である。島国であり、海を隔てて北にグレナダ、北東にバルバドス、南にベネズエラが存在する。首都はポートオブスペイン。
■ポートオブスペイン
Port of Spainは、トリニダード島北部に位置する都市でトリニダード・トバゴの首都であると同時に、国内最小の面積を持つ都市である。島の西岸に面し、パリア湾に面している。
■交通
道路網はよく発達している。島内の移動には個人タクシーか小型バスが使われる。このバスは「マクシ・バス」と呼ばれ、どこでも止める事が出来る。空港はトリニダード島にピアルコ国際空港があり、トバゴ島にはクラウン・ポイント空港がある。
■クラウン・ポイント空港
Crown Point Airportは、トリニダード・トバゴのトバゴ島にある空港である。トバゴ島の南西端に位置し、首都ポートオブスペインから11Km程である。
外務省:トリニダード・トバゴ共和国
在トリニダード・トバゴ日本国大使館
■スカボロー
Scarboroughとはカリブ海のトリニダード・トバゴ共和国のトバゴ島にある大西洋に面した町で、トバゴ島の首都(中心となっている自治体)である。人口は約17,000(2006年)。村に近いとても小さな町である。町外れの小高い丘に、1818年に建造されたキング・ジョージ砦(Fort King George)という砦があり、当時の大砲も何台か残っている。
■サンフェルナンド
(San Fernando)とは、トリニダード・トバゴにあるトリニダード島の南西部の都市である。パリア湾に面し、首都のポートオブスペインの42km南に離れた位置にある。産業が発達しており、人口は55,669人(2000年)と、同国最大の都市となっている。
1.面積:5,128平方キロメートル(千葉県よりやや大きい)
2.人口:133.9万人(2009年 ECLAC)
3.首都:ポート・オブ・スペイン
4.民族:インド系(40.0%)、アフリカ系(37.5%)、混血(20.5%)、その他(2.0%)
5.言語:英語(公用語)、ヒンディー語、フランス語、スペイン語
6.宗教:キリスト教(カトリック、英国国教会等)、ヒンドゥー教、イスラム教等
1498年 コロンブスによるトリニダード島「発見」
1596年 英国人によるトバゴ島発見
1889年 英国植民地(トリニダード島、トバゴ島合併)
1956年 英国自治領
1962年 独立
1976年 共和制に移行
1986年 総選挙、国家再建連合党(NAR)政権誕生
(人民国家運動党(PNM)の独立以来の長期政権終了)
1991年 PNM政権復活
1995年 統一国民会議(UNC)とNARの連立政権誕生
2001年 UNCとPNMが同議席獲得により、野党PNM党首を首相任命
2002年 総選挙によりPNM勝利
2007年 総選挙によりPNM勝利
2010年 総選挙により野党連合「人民のパートナーシップ」勝利、新政権誕生
■主要産業:エネルギー産業(石油・石油製品、天然ガス、メタノール、アンモニア、尿素)、鉄鋼製品、食料品、セメント
■主要貿易品目(1)輸出 鉱物・燃料、化学製品、工業製品、食品(2)輸入 鉱物・燃料、工業製品、輸送機器、食品
■トリニダード・トバゴ・ドル
(Trinidad and Tobago dollar) は、トリニダード・トバゴの通貨。通貨の補助単位はセント。トリニダード・トバゴを含む東カリブ地域の英領は、スペイン・ドル(後にメキシコ・ドル)が流通しており、銀本位制の地域となっていた。1964年、トリニダード・トバゴ中央銀行によって、1、5、10、20、50ドル紙幣が発行された。そのうち50ドル紙幣はその後発行されなかったが、1977年には100ドル紙幣が新たに発行されるようになった。2003年には紙幣のデザインが変更された。
■政治
トリニダード・トバゴは、共和制、議院内閣制を採る立憲国家である。現行憲法は1976年8月1日に制定された。国家元首は大統領であり、大統領は間接選挙(上下両院議員による投票)で選出される。任期は5年で、3選は禁止。その権限は、元首としての儀礼的・形式的なものに限られる。トリニダード・トバゴは複数政党制が機能している。主要政党は中道左派の人民国家運動 (PNM) 、左派の統一民族会議 (UNC) であり、二大政党制が機能している。
■経済
西インド諸島で唯一、豊かな石油と天然ガスの資源があり、石油と天然ガスが国の経済の中心になっている。GDPの40%、輸出の80%を占めるが、雇用は5%しかない。液化天然ガス(LNG)、石油化学、鉄鋼への投資が近年拡大している。石油から天然ガスへのシフトが見られ、米国のLNG輸入先の70%に達する。トリニダード島のピッチ湖には世界最大規模のアスファルトの天然鉱脈がある。
■文学
1869年にジョン・ジェイコブ・トマスは『クレオール文法の理論と実際』を著し、クレオール語が独自の体系を持った言語であることを実証した。20世紀になると、ハイチ革命を描いた『ブラック・ジャコバン』(1938年)を著したC・L・R・ジェームズや、カリブ海地域の黒人による初の歴史書となった『資本主義と奴隷制』(1944年)、『コロンブスからカストロまで』等を著したエリック・ウィリアムズによって、イギリス資本主義の形成におけるカリブ海の奴隷の役割が明らかにされた。
■音楽
1920年代にカリプソが音楽ジャンルとして成立した。1930年代に石油を貯蔵するためのドラム缶から生まれた楽器・スティールパン(スティールドラム)は「20世紀最大のアコースティック楽器発明」と呼ばれており、1992年の独立記念日には正式に「国民楽器」として認められた。スティールパンは、先進国への移民によって世界の音楽に影響を与えており、日本においても、多くのアーティストによって取り組まれている。
■ソカ
ソカ (soca) はトリニダード・トバゴ発祥のポピュラー音楽。名称は、ソウル (Soul) とカリプソ (Calypso) を合わせたもの。カリプソのメロディと、チャットニーやタッサなどのインド系カリブ人の音楽の要素であるパーカッションを用いたリズムとの融合から始まり、更にそこにソウルやファンクなどのアメリカのディスコ音楽の要素が加わり発展したものである。
■アッティラ・ザ・フン
ttila the Hun、本名レイモンド・ケベドRaymond Quevedo、1892年3月24日 - 1962年2月22日)は、トリニダード・トバゴ生まれのカリプソニアン。1911年から歌いはじめる。カリプソを世界に知らしめたパイオニアの一人。1934年に、ロアリング・ライオン(Roaring Lion)らとともにアメリカ合衆国へ出向き、カリプソを当地にもたらす。
■エドムンド・ロス
エドムンド・ロス(Edmundo Ros、1910年12月7日 - 2011年10月21日)は、トリニダード・トバゴのミュージシャン。トリニダード・トバゴのポート・オブ・スペイン出身。イギリスで結成したラテン音楽のバンドは1960年代を中心に活躍した。2001年には大英帝国勲章を受章した。
■エリック・ウィリアムズ
エリック・ユースタス・ウィリアムズ(Eric Eustace Williams, 1911年9月25日 - 1981年3月29日)は、カリブ海にある島国トリニダード・トバゴ共和国の政治家・初代首相。国家への多大な貢献から「トリニダードの父」と呼ばれている。歴史学者としても著名。1911年9月25日、イギリス自治領だったトリニダード島の首都ポートオブスペインで郵便局員の息子として生まれた。母方はフレンチ・クレオールのエリートであった。トリニダード島のクィーンズ・ロイヤル・カレッジに入学し、圧倒的に優秀な成績で卒業をしているが、特にラテン語の才能は抜群だった。トリニダード政府の奨学金を得て、1932年イギリスのオックスフォード大学に入学し、1935年卒業。歴史学を専攻。
■C・L・R・ジェームズ
(Cyril Lionel Robert James, 1901年1月4日 - 1989年5月19日)はアフリカ系トリニダード人のジャーナリスト、教師、社会主義理論家、作家。ジェームズはイギリス植民地時代のトリニダードで生まれ、ポートオブスペインのクイーンズ・ロイヤル・カレッジで学んだ。それからクリケット記者兼フィクション作家になった。後に母校で英語教師を務め、教え子にはエリック・ウィリアムズもいる。ラルフ・デ・ボワシエール、アルバート・ゴメス、アルフレッド・メンデスらと反植民地主義の文芸誌『ザ・ビーコン』の同人となった。
■V・S・ナイポール
(Vidiadhar Surajprasad Naipaul、1932年8月17日 - )は、イギリスの作家。旧イギリス領西インド諸島トリニダード島のインド人の家系に生まれる。祖父はヒンドゥー教徒の農園労働者。父はジャーナリスト。1950年より奨学生としてイギリスのオックスフォード大学で4年間学んだ後、BBCの仕事をした後、作家として出発し、以来創作に専念した。トリニダードのインド人社会を舞台にした小説を数多く書き、コミカルな作風で高く評価され、1971年に『In a Free State』にてブッカー賞を受賞、2001年にノーベル文学賞を受賞した。