セントクリストファーネービス Saint Christopher and Nevis
西インド諸島の小アンティル諸島内のリーワード諸島に位置するセントクリストファー島(セントキッツ島)とネイビス島の2つの島からなる英連邦王国の一国たる立憲君主制国家。島国であり、海を隔てて北西にイギリス領アンギラ、東にアンティグア・バーブーダ、南西にイギリス領モントセラトが存在する。首都はバセテール。
■バセテール
Basseterreは西インド諸島のセントクリストファー・ネイビスの首都である。人口15,500人(2005年)。セントクリストファー島の南西部沿岸に位置する。主な産業は砂糖、漁業である。町の名であるバセテールとはフランス語の「低地 (Basse terre)」に由来する。1624年にセントクリストファー島にイギリスに続いて、フランスが入植した。その後、1627年に島の中央部分がイギリス領、北部と南部がフランス領となった時に、フランスの入植者達は良質な港に適した低地だったこの地にフランス語で「低地」を意味するバス・テールと名付け町を建設した。
■交通
道路は約300kmで、セントクリストファー島の道路はほとんどが海岸線に沿って走っている。鉄道も走っており、58kmの線路が島にある。サトウキビを運ぶ為に建設されたが、現在は観光用の列車が利用している。フェリーの定期便がセントクリストファー島とネイビス島、2島を結んでいる。空港はセントクリストファー島に国際線とネイビス島に国内線がある。
■ロバート・L・ブラッドショー国際空港
Robert L. Bradshaw International Airportは、セントクリストファー・ネイビスの首都バセテールにある国際空港。この空港名は、イギリス自治領セントキッツ・ネイビス・アンギラ(現セントクリストファー・ネイビス)の商業と生産の担当大臣をしていたロバート・ブラッドショーからきている。
■セントクリストファー島
Saint Christopher、別名セントキッツ島−Saint Kitts、はカリブ海は小アンティル諸島のリーワード諸島にある島で、火山島で、深さ227mのクレーターがあるミゼリー山(1,156m)がこの島の最も高い場所である。セントクリストファー・ネイビスの中心地の島。
■ネイビス島
Nevisはカリブ海の小アンティル諸島のリーワード諸島、セントクリストファー島のすぐ隣にある島で、セントクリストファー島と共に島国、セントクリストファー・ネイビスを結成している。火山島で最高地点はネイビス山(985m)。海岸は珊瑚礁に囲まれている。 ネイビス島は18世紀に有名な温泉と鉱泉が発見され、カリブの温泉地として有名になった。
■ネイビス島の概要
アメリカ合衆国憲法の草案者アレキサンダー・ハミルトンの出身地でもある。島にあるバースという小さな村はネイビス島の有名な温泉地で、1778年に温泉源近くに建てられたバース・ホテル&スプリング・ハウスがある。18世紀以来、治療・温泉浴目当てに、西インド諸島やヨーロッパから船でやって来る観光客向けに建てられた、カリブで最も歴史あるスパリゾートホテルである。島の名である「ネイビス」とは、スペイン語の雪を意味する「ニエベ」が由来。コロンブスが発見した時、島の山(後のネイビス山)の頂上が真っ白な雲に覆われている様子を見て、山の頂上が雪に積もっていると勘違いした事から雪を意味するネイビスと名付けた。
■チャールズタウン (ネイビス島)
Charlestownとは、カリブ海に浮かぶ国、セントクリストファー・ネイビスのネイビス島にある町のこと。ネイビス島の中心地である。1660年に町の建設がはじまり、ジンジャー・ブレッド建築様式の家屋など、町並みはイギリス植民地時代の面影を残す。小さな町だが観光客も訪れる。アメリカ合衆国憲法の草案者アレキサンダー・ハミルトンの出生地でもある。彼が12歳まで暮らしていた家は、ジョージ王朝様式で1680年に造られた。1840年の地震で崩壊、その後再建されて、博物館として現在でも残っている。この他には、若き日のネルソン提督の軌跡を伝えるホレーショ・ネルソン博物館や、1778年からあった温泉の上のホテルの廃墟バス・ハウス、ネイビス博物館、フォート・チャールズ砦などがある。
外務省:セントクリストファー・ネーヴィス
在トリニダード・トバゴ日本国大使館兼轄
■温泉
ネイビス島は豊富な温泉源と鉱泉源があり、18世紀以来、カリブの温泉地として有名で、1778年に建てられたバース・ホテル&スプリング・ハウスと言うカリブで最も古い温泉のリゾートホテルがある。
■鉱泉
鉱泉(こうせん)とは、地下からの湧水(わきみず)で、医学的見地から治癒成分を含んだ水のこと。一般には、地表の気温より著しく温度の高い(日本の温泉法では25度以上)湧水を温泉、それ未満の温度の湧水を鉱泉(冷鉱泉)とよんで、常用水と区別される。しかし、環境庁が定める「鉱泉分析法指針」では以下のように定義されている。
■セントクリストファー・ネイビス国防軍
Saint Kitts and Nevis Defence Force:SKNDF)は、セントクリストファー・ネイビスの軍事組織。2009年時点の総員300人。国防軍は、国防軍本部(FHQ, SKNDF)の下でセントクリストファー・ネイビス連隊(St. Kitts Nevis Regimnt)とセントクリストファー・ネイビス沿岸警備隊(St. Kitts Nevis Coast Guard)および両組織の予備役で構成される。総司令官は国家安全保障担当大臣の命を受けて軍を指揮する。
■地域安全保障システム
Regional Security System、RSS)は、東カリブ海地域の安全保障協定である。1970年代後半から1980年代前半にかけて、地域の安定に影響を与えていた軍事的脅威への集団的対応の必要性から1982年に設立された。
■政治
セントクリストファー・ネイビスは立憲君主制(英連邦王国)、議院内閣制をとる立憲国家である。現行憲法は1983年9月19日の独立に伴い施行されたもの。国家元首は国王だが、英連邦王国のため、イギリスの国王がセントクリストファー・ネイビスの国王を兼ねる。国王の職務を代行する総督は、国王により任命される。政治の実権は行政府たる内閣にあり、その長である首相は国民議会より選出され、総督により任命される。閣僚は首相の指名に基づき、総督が任命する。総督による任命は形式的なものである。立法府は一院制で、正式名称は国民議会。定数は14議席で、総督の任命枠3議席、直接選挙枠11議席により構成される。直接選挙枠の選挙制度は小選挙区制である。任期は5年。
■議院内閣制
立法権を有する議会と行政権を有する政府(内閣)が一応分立しているものの、政府は議会(特に下院)の信任によって存立することとする制度。議院内閣制は大統領制、超然内閣制、議会統治制などと並ぶ、議会と政府との関係の点から見た政治制度の分類の一つで、議会と政府(内閣)とが分立した上で、政府は議会(特に下院)の信任によって存立する政治制度である。
■英連邦王国
Commonwealth realm)は、グレートブリテンおよび北アイルランド連合王国(英国)の王座にある者を自国の国王として戴く国家形態、また該当する国を指す。現在、計16ケ国ある。この語の複数形は、これらの人的同君連合を指す。英連邦王国はいずれも英連邦に属する。英国以外の英連邦王国は、かつて英国の植民地支配下に置かれた地域だったが、今日では英国に従属しない独立国である。19世紀までは自治領(dominion)と呼ばれていたが、1926年の帝国会議において主権的地位が英国から承認され、1931年のウェストミンスター憲章採択と英連邦成立によって実質的に独立した。
■連邦
2つ以上の国(州)が1つの主権の下に結合して形成する国家である。比較的弱小な国家や都市、自治共同体(植民地の個々を含む)が自治権もしくは独立を保つために連盟または同盟して、周辺の比較的強大な国家(宗主国は強大である)には単一の主権国家として、内部的には盟約(憲法を含む)を結んだ構成体どうしの独立関係を維持し統治する体制である。
■二大政党制
中道左派のセントキッツ・ネイビス労働党(SKNLP。セントキッツはセントクリストファーの別名。セントキッツを用いるのが正式な党名)と中道の人民行動運動(PAM)の力が強い。ネイビス島でも別の政党による二大政党制が確立しており、市民有志運動(CCM)とネイビス改革党(NRP)が力を持っている。CCMとNRPはネイビス島の地域政党ながら、中央の議会選挙にも参加している。
■経済
伝統的に砂糖を中心とした農業島国だったが、2005年7月をもって生産を停止。現在は観光が主要産業となっている。これは砂糖産業が奴隷制度の象徴であることに加え、1980年代からすでに利益が出なくなっていたためである。サトウキビの生産量は2002年時点で19万トン、砂糖の生産量は同1.9万トン。いずれも農業、工業生産物として最も生産量が多かった。電気機械の組み立てが産業として確立しているため、輸出に占める電気機械の比率は2001年時点では62.9%に達した。対して砂糖は21.0%だった。主な輸出相手国はアメリカ合衆国で、71.5%を占める。
■砂糖
砂糖の生産は、まずサトウキビを利用して始まった。サトウキビの原産地は、南太平洋の島々で、そこから東南アジアを経て、インドに伝わったとされる。紀元前2000年ごろにインドで砂糖が使われており、サトウキビから砂糖を作ったのは、インドが最古である。インドの砂糖やサトウキビは、アラビア人によってペルシャ・エジプト・中国などへと伝えられた。
■政府開発援助
Official Development Assistance, 略称:ODA)とは、発展途上国の経済発展や福祉の向上のために先進工業国の政府及び政府機関が発展途上国に対して行う援助や出資のこと。世界恐慌によって進んだブロック経済による長引く不況や、第二次世界大戦によって混乱した世界経済の安定のため、1944年にブレトン・ウッズ体制(IMF体制)が確立した。
■セントクリストファー・ネイビスの国旗
1983年9月19日に制定された。二つの星は希望と自由を象徴しているとされるが、元々セントクリストファー島とネイビス島の二つの島を示しているとも言われている[誰によって?]。緑は国土の肥沃さ、赤は植民地時代の奴隷制から独立・解放への苦闘、黒はアフリカからの伝統、黄色は日光をそれぞれ象徴している。
■国名
正式名称は Federation of Saint Christopher and Nevis(フェデレイション・オブ・セイント・クリストファー・アンド・ニィヴィス)。しかし現在では Federation of Saint Kitts and Nevis(フェデレイション・オブ・セイント・キッツ・アンド・ニィヴィス)と呼ぶことの方が多くなっている。
1.面積:262平方キロメートル(西表島とほぼ同じ)
2.人口:5.2万人(2009年 ECLAC)
3.首都:バセテール
4.民族:アフリカ系、イギリス系、ポルトガル系、レバノン系等。
5.言語:英語
6.宗教:キリスト教(英国国教会、プロテスタント、カトリック等)等
1493年 コロンブスにより「発見」
1623年 英国植民地
1958年 英領西インド諸島連邦に加盟(1962年迄)
1967年 英国自治領
1983年 独立
■主要産業:農業(特に砂糖産業)、観光業
■主要貿易品目(1)輸出 機械、食品、電気製品、飲料(2)輸入 機械類、工業製品、食料品、燃料
■東カリブ・ドル
カリブ海の8つの国家と地域で使われて、東カリブ諸国機構の東カリブ通貨同盟で発行される通貨。英語名が「East Caribbean dollar」なのでしばしばECドルともいう。そのうちアンティグア・バーブーダ、ドミニカ国、グレナダ、セントクリストファー・ネイビス、セントルシア、セントビンセントおよびグレナディーン諸島の6つは独立国である。残りの2つ、アンギラとモントセラトはイギリスの海外領土である。