セントビンセント Saint Vincent and the
Grenadines
カリブ海の小アンティル諸島に位置する火山島のセントビンセント島と珊瑚礁のグレナディーン諸島から成る、イギリス連邦に加盟する英連邦王国の一国たる立憲君主制国家。島国であり、北にセントルシア、東にバルバドス、南西にグレナダが存在する。首都はキングスタウン。
■キングスタウン
(Kingstown)は人口15,900人(1999年現在)のセントビンセント・グレナディーンの首都及びセントジョージ行政教区の区都であり、主要な港がある。主な産業は観光と農業である。
■セントビンセント島
(Saint Vincent)は、カリブ海のウィンドワード諸島にある肥沃な火山島。面積は344km2、人口約11万人。最高峰は標高1234mのスフリエール山(La Soufriè臆臆臆臆鱚進厩傾年4月に最後の噴火を記録)。セントビンセント島の海岸は黒色の浜辺がほとんどで、良質の海綿の産地である。1498年にコロンブスが望見、1667年以来、イギリスがしばしば領有し、1763年のパリ条約でイギリスの植民地として確定した。1979年にグレナディーン諸島と共にセントビンセント・グレナディーンとして、イギリスから独立。首都キングスタウンがある。
■E.T.ジョシュア国際空港
E.T. Joshua Airport)は、セントビンセント・グレナディーンの首都キングスタウンにある国際空港。 空港名は初代首相のE.T.ジョシュアから名付けられた。
外務省:セントビンセント及びグレナディーン諸島
在トリニダード・トバゴ日本国大使館兼轄
■グレナディーン諸島
Grenadinesはカリブ海のウィンドワード諸島を構成する諸島。平坦な島々で、大部分がサンゴ礁から成っている。グレナディーン諸島の一部からは独立を求める声がある。観光産業が盛んで、マスティク島やユニオン島などは国際的なジェット族の遊興地として知られているが、特にマスティク島は、ミック・ジャガーやイギリスのマーガレット王女など著名人が建てた別荘があり、よく訪れるという。
■ベキア島
Bequiaは、西インド諸島のグレナディーン諸島にあるセントビンセント・グレナディーン領の島。面積約18km2でグレナディーン諸島の島々では最大の島である。観光が盛んで、観光客増加を狙って空港が建設された。人口は約5,000人、中心地はポートエリザベス
■セントジョージ
セントビンセント・グレナディーンの本島、セントビンセント島の南部にある行政教区の一つ。 同国の首都でもあるキングスタウンはこの行政教区の中心都市である。
■政治
イギリス連邦内の一国であり、国家元首はイギリス国王(女王)である。イギリス国王の代理として総督が置かれているが、象徴的な役割に留まっている。行政権は首相及び内閣の元にある。議会は一院制。選出議員15名、選任議員6名。計21名。
米州ボリバル同盟 (ALBA) に加盟している。
■米州ボリバル同盟
反米・左派的な中南米(ラテンアメリカ・カリブ)諸国8カ国が加盟している政治・経済協力の国際組織である。結成時の名称は米州ボリバル代替統合構想。本同盟は、2004年末にキューバとベネズエラ(チャベス大統領)が米国主導の競争原理に基づく市場優先の新自由主義的な地域統合構想(米州自由貿易地域)に対抗して、中南米・カリブ海諸国の相互支援と協力、連帯、社会開発の共同などを協定したのが始まりである。
■東カリブ諸国機構
Organisation of Eastern Caribbean States, OECS)は、1981年に設立された、東カリブ海諸国の経済統合などを目的とした政府間組織である。1983年には米国と共にグレナダに侵攻した。また、ハリケーンなどの天災が発生した場合には、救援を行うことがある。東カリブ・ドルを発行している。OECSの事務局はセントルシアのカストリーズに設置されている。
■地域安全保障システム (東カリブ)
Regional Security System、RSS)は、東カリブ海地域の安全保障協定である。1970年代後半から1980年代前半にかけて、地域の安定に影響を与えていた軍事的脅威への集団的対応の必要性から1982年に設立された。
■英連邦王国
Commonwealth realm)は、グレートブリテンおよび北アイルランド連合王国(英国)の王座にある者を自国の国王として戴く国家形態、また該当する国を指す。現在、計16ケ国ある。この語の複数形は、これらの人的同君連合を指す。英連邦王国はいずれも英連邦に属する。英国以外の英連邦王国は、かつて英国の植民地支配下に置かれた地域だったが、今日では英国に従属しない独立国である。
■イギリス連邦
Commonwealth of Nations、旧名 British Commonwealth)は、かつてのイギリス帝国(大英帝国)がその前身となって発足し、イギリスとその植民地であった独立の主権国家から成る、緩やかな国家連合(集合体)である。英連邦(えいれんぽう)、コモンウェルス(the Commonwealth)ともいう。
■国民
住民は、アフリカ系が66.5%、混血が19.0%、印僑が5.5%、ヨーロッパ系3.5%、その他5.5%。言語は、公用語は英語だが、グレナディーン諸島の一部では、フランス語が混じったパトワと呼ばれるクレオール語が話されている。
■ネグロイド
(Negroid)は、人種のひとつ。黒人、黒色人種、ブラック(Black)などとも言われる。ラテン語のniger(ニゲル、黒)に由来するが、英語風にニグロイドとも言う。DNA分析の成果によれば、現生人類発祥の地はアフリカにあるとされ、ネグロイドはその直系の子孫とされる。また、人種間の遺伝的距離を計ると、人類集団はアフリカ人(ネグロイド)と西ユーラシア人(コーカソイド)のグループ、およびサフール人(オーストラロイド)と旧来モンゴロイドとされた東ユーラシア人(東南・東アジア人)とインディアン、エスキモー(南北アメリカ大陸)のグループの2つのグループに大別することができるとされる。
■混血
Mixed breed)とは、人間の場合は人種または民族の異なる父母の間に生まれた子を指してこのように呼ぶ。人種や民族といった形質や文化を、血液(遺伝子)に象徴させた語で、「血と血が混ざり合う」というイメージで捉えられることが多い。違う人種や民族の父母の間から生まれた子供を混血児という。動物の場合も同様である。
■インド系移民と在外インド人
Non-Resident Indians, NRI, 総称してNRI/PIOとも)は、インド国外に居住するインド系の人々。在外インド人 (NRI) はインド国籍を保持・取得している国外居住者を意味し、インド系移民 (PIO) は非インド国籍になった者とその子孫を意味する。
■コーカソイド
(Caucasoid)は、自然人類学における人種分類の概念の一つ。欧州人を指すために使われてきたため白色人種、白人とも訳されるが、日照量の多い中東やインド亜大陸に居住したコーカソイドは肌が浅黒い者も多い。コーカソイド (Caucasoid) とは、カスピ海と黒海に挟まれた所に実在するカフカース地方にある「コーカサス」(コーカサス山脈)に「…のような」を意味する接尾語のoidをつけた造語で、「コーカサス系の人種」という意味であり、インドから北西アジア(中近東)へ拡散し東ヨーロッパまで広範囲に拡散した。
■セントビンセント・グレナディーンの国旗
セントビンセント・グレナディーンの国旗は、1985年10月21日に制定された。青は空と海を象徴し、黄色は日光と温暖な気候、国民の明るい気質とグレナディーン諸島の黄色の砂を象徴している。緑はセントビンセント島の豊かな植生と国民の忍耐強さを象徴している。
■国名
正式名称は、英語: Saint Vincent and the Grenadines(セイント・ヴィンセント・アンド・ザ・グレナディーンズ)。日本語の表記は、セントビンセントおよびグレナディーン諸島、またはセントビンセント・グレナディーン、またはSVG。
1.面積:389平方キロメートル(五島列島の福江島とほぼ同じ)
2.人口:10.9万人(2009年 ECLAC)
3.首都:キングスタウン
4.民族:アフリカ系、東インド系、混血、カリブ族
5.言語:英語(公用語)、フランス語系パトワ語
6.宗教:キリスト教(英国国教会、プロテスタント、カトリック等)等
1498年 コロンブスにより「発見」
1783年 英国植民地
1958年 英領西インド諸島連邦に加盟(1962年迄)
1969年 英国自治領
1979年 独立
■主要産業:観光業、農業(バナナ産業)
■主要貿易品目(1)輸出 農産品(バナナ、タロイモ)、くず粉、テニスラケット
(2)輸入 食料品、一般機械、化学製品、鉱物・燃料
■東カリブ・ドル
カリブ海の8つの国家と地域で使われて、東カリブ諸国機構の東カリブ通貨同盟で発行される通貨。英語名が「East Caribbean dollar」なのでしばしばECドルともいう。そのうちアンティグア・バーブーダ、ドミニカ国、グレナダ、セントクリストファー・ネイビス、セントルシア、セントビンセントおよびグレナディーン諸島の6つは独立国である。残りの2つ、アンギラとモントセラトはイギリスの海外領土である。
■経済
観光業とバナナ生産が経済の中心。また、セントビンセント島はクズ粉の世界最大の生産国でもある。漁業も盛んで、グレナディーン諸島では原住民捕鯨の名目で少数の島民が鯨の捕獲をしているが、商業捕鯨は議論中の問題である。
■バナナ
(甘蕉、実芭蕉、学名 Musa spp. )はバショウ科バショウ属のうち、果実を食用とする品種群の総称。また、その果実のこと。いくつかの原種から育種された多年草。種によっては熟すまで毒を持つものもある。原産地は熱帯アジア、マレーシアなど。バナナの栽培の歴史はパプアニューギニアから始まったと考えられている。
■ココナッツ
coconut)はヤシ科の単子葉植物、ココヤシの果実である。ココナツあるいは、単に椰子の実ともいう。果実は繊維質の厚い殻に包まれ、その中に固い殻に包まれた大きな種子がある。種子の内部は大きな胚乳に占められ、周縁部の固形胚乳と中心部の液状胚乳に分かれる。
■葛粉
葛粉(くずこ、くず粉)は、マメ科のつる性多年草、秋の七草の一つクズの根から得られるデンプンを精製して作られる食用の粉で、デンプン類の中では、最高級とされている。クズの根を繊維状に粉砕し、真水で洗い、その絞り汁をためてデンプンを沈殿させ、上水を取り、真水を入れて攪拌し、浮かし取りをして、不純物を取り除き、良質な部分だけを取り出す。
■貿易
輸出に占める食料品の比率は7割を超える。次いで1/4を占める工業製品だ。品目別では、バナナ (33.1%)、穀物 (20.7%) が主力。主な輸出相手国は上位から順にイギリス (29.4%)、アメリカ合衆国、バルバドス、トリニダード・トバゴ、セントルシアである。輸入に占める工業製品の割合は65%を超える。次いで食料品である。品目別では、電気機械 (14.1%)、石油製品 (8.7%) が多い。
■交通
国内に鉄道はなく、島内の交通は自家用車、バン (Van) と呼ばれるワゴン車を改造した乗り合いバス、またはタクシーのみとなる。バンはごく一部の地域を除く本島の隅々まで走っていて、国民の重要な足となっている。山がちな地形と十分な道幅がないことから、徒歩や自転車での移動は危険である。離島への移動は、首都の港から出ているフェリーか、空港から出ている小型機を利用する。
■バン
本島のバンは、すべての路線がリトルトーキョー魚市場脇にあるバスターミナルから出ている。特に時刻表はなく、行き先によってはかなり待つこともあるが、大体の地域へは頻繁にバンが来る。
■タクシー
空港、港、首都でつかまえることができる。決まったデザインの車体はなく、"TAXI" の表示以外は自家用車と違いがなく見分けにくい。
■フェリー
首都の港から各離島へ国内線のフェリーが出ている。隣のベクエ島へは毎日運航されているベクエ・エクスプレスがある。
■飛行機
国内には大小6つの空港があり、本島にあるE.T.ジョシュア国際空港が最大で、リアット、カリビアン・スター/サンなどの航空会社が、ハブ空港のあるバルバドスやトリニダード・トバゴ、プエルトリコなどへ国際便を出している。
■アドナル・フォイル
(Adonal David Foyle, 1975年3月9日 - )はセントビンセント・グレナディーンカヌアン島出身の元バスケットボール選手。NBAで13シーズンプレーした。ポジションはセンター。身長208cm、体重122.5kg。ニューヨーク州に所在するコルゲート大学では歴史を専攻。優秀な成績を修めたことで知られる。3年生の時にはNCAAのシーズンブロック数の第1位を記録した。
■フレデリック・バランタイン
Sir Frederick Nathaniel Ballantyne、1936年7月5日 - は、セントビンセント・グレナディーンの現総督。聖マイケル・聖ジョージ勲章受章。2002年9月2日に総督に任ぜられ、同年11月に爵位が与えられた。前任者はチャールズ・アントロバスで、彼の死を受けモニカ・デイコンが代行を務めていた。
■ウィリアム・ブライ
William Bligh、1754年9月9日 − 1817年12月7日はイギリス海軍の士官。海軍中将、王立協会会員、植民地管理者。有名な「バウンティ号の反乱(1789年)の際の艦長として知られている。1787年に、ブライは王立芸術協会の特別な要請により武装船「バウンティ」を指揮することになった。彼はまずタヒチ島に赴いて「パンノキ」を採取し、その後カリブ海に向かうことになっていた。そこでは、「パンノキ」が奴隷のための食用果実として適しているかどうかを実験することになっていた。しかしタヒチを出発した直後に起きた反乱のため、「バウンティ」がカリブ海に到着することはなかった。