グレナダ Grenada
カリブ海の小アンティル諸島南部に位置する英連邦王国の一国たる立憲君主制国家で、イギリス連邦加盟国である。島国であり、海を隔てて北にセントビンセントおよびグレナディーン諸島、北東にバルバドス、南にトリニダード・トバゴとベネズエラが存在する。首都はセントジョージズ。
■セントジョーンズ
St. George'sはカリブ海のグレナダの首都。人口7500人(1999年)。主な輸出品はカカオ、ナツメグである。イギリスの植民地だったので、17世紀から18世紀頃のイギリス風の町並みをしており、赤茶色の屋根、レンガ済みの建造物が特徴である。天然の良港の街であり、クルーズ船による観光客も訪れる。2004年9月に発生したハリケーン・アイバンで大きな被害を受けた。
■ポイント・サリンス国際空港
Point Salines International Airportは、グレナダの首都、セントジョージズにある国際空港である。モーリス・ビショップ国際空港。
■ヒルズボロ
Hillsboroughとはカリブ海にあるグレナダ領のグレナディーン諸島にあるカリアク島の小さな港町である。カリアク島の主都であり、姉妹島のプティトマルティニーク島と共に結成されている、カリアク島・プティトマルティニーク島領区の主都でもある。人口1000人程の小さな集落地だが、グレナディーン諸島の中では大きな港町である。病院や博物館、サトウキビの製糖工場跡地、町を見下ろす丘には大砲など歴史的建造物もある。
■英連邦王国
Commonwealth realm)とは、グレートブリテンおよび北アイルランド連合王国(英国)の王座にある者を自国の国王として戴く国家形態、また該当する国を指し、計16ケ国ある。この語の複数形は、これらの人的同君連合を指す。
外務省:グレナダ
在トリニダード・トバゴ日本国大使館兼轄
■グレナダ侵攻
Invasion of Grenadaとは、1983年にカリブ海に浮かぶ島国グレナダでクーデターが起きた際、アメリカ軍および東カリブ諸国機構参加国軍が侵攻した事件である。この侵攻はイギリスやトリニダード・トバゴ、カナダの強い批判を受け、国連総会では「国際法の破廉恥な侵害」として非難された。
■国民民主会議
National Democratic Congress、NDCは、グレナダの中道左派政党。ティルマン・トーマスが党首を、ナジム・バークが副党首を、ピーター・デイヴィッドが幹事長をそれぞれ務める。2008年から政権与党にある。かつては1990年から95年まで与党であった。グレナダ侵攻後、内輪もめを起こしていたかつての左派、新Jewel運動政権に対しジョージ・ブリザンとフランシス・アレクシスが1987年に結成した。
■新国民党
New National Party、NNPは、グレナダの保守政党。党首はキース・ミッチェルで、野党のリーダーとなっている。1984年8月にハーバート・ブライズ率いるグレナダ国民党、ジョージ・ブリザン率いる国民民主党、フランシス・アレクシス率いるグレナダ民主運動の三党が合併し誕生した。
■国名
正式名称は英語で、Grenada(グレナダ)。グレナダとは、柘榴を意味するスペイン語のGranada(グラナダ)に由来している。セントビンセント・グレナディーンのグレナディーン諸島も同語源である。
1.面積:345平方キロメートル(五島列島の福江島とほぼ同じ)
2.人口:10.4万人(2009年 ECLAC)
3.首都:セントジョージズ
4.民族:アフリカ系、インド系、ヨーロッパ系
5.言語:英語(公用語)、フランス語系パトワ語
6.宗教:キリスト教(カトリック、プロテスタント、英国国教会等)等
1498年 コロンブスにより「発見」
1783年 英領
1967年 英国自治領
1974年 独立
■主要産業:農業(カカオ、ナツメグ、バナナ、果実)、観光業
■主要貿易品目(1)輸出 バナナ、ココア、ナツメグ、果実、野菜、衣類
(2)輸入 食料品、機械・輸送機器、工業製品、化学製品
■東カリブ・ドル
カリブ海の8つの国家と地域で使われて、東カリブ諸国機構の東カリブ通貨同盟で発行される通貨。英語名が「East Caribbean dollar」なのでしばしばECドルともいう。そのうちアンティグア・バーブーダ、ドミニカ国、グレナダ、セントクリストファー・ネイビス、セントルシア、セントビンセントおよびグレナディーン諸島の6つは独立国である。残りの2つ、アンギラとモントセラトはイギリスの海外領土である。
■ヴェルサイユ条約
1783年にイギリスとスペイン・フランスとの間で結ばれた、アメリカ独立戦争の講和条約。この条約によってイギリスは、フロリダをスペイン、セネガルをフランスに返還した。フランスにとっては莫大な負債を作ってまで参戦したこの戦争で獲得したものがセネガルぐらいだったため、政府に対して反発の嵐が巻き起こり、のちのフランス革命の一因になった。
■言語
英語が公用語であり、広く使われている。フランス語が混じったパトワと呼ばれるクレオール語を話すものもわずかながら存在する。
■宗教
ローマ・カトリックが6割程度を占めている。残りは、ほとんどプロテスタントである。
■カリプソ
(calypso) は、20世紀に始まったカリブ海の音楽のスタイルのひとつである。イギリス領、フランス領のカリブの島々、特にトリニダード・トバゴのカーニバルで発達した音楽ジャンルである。リズムは4分の2拍子。カリブ圏内においてはもっとも波及した音楽の一つであり、レゲエのルーツの一つであるとも言われている。
■ハリケーン・アイバン
(Hurricane Ivan)は、2004年9月に発生した近年の観測史の中でも最大級の勢力を持ったハリケーンである。ハリケーンが直接の原因の死者は計94名。(グレナダ39名、米国26名、ジャマイカ18名、ドミニカ共和国4名、ベネズエラ3名、英領ケイマン諸島2名、トリニダード・トバゴ共和国1名、バルバドス1名)
■グレナダ沿岸警備隊
Grenadian Coast Guard)は、グレナダ政府の2つの軍事部門の1つで、捜索、救助並びに麻薬の差し押さえを任務とする。現在60名が所属し、哨戒艇4隻を保有している。プリックリー湾に司令部がある。