マルタ Malta
南ヨーロッパの共和制国家で、イギリス連邦加盟国である。首都はバレッタ。地中海に浮かぶ島国であり、いわゆるミニ国家のひとつ。新石器時代から人間が生活していたといわれ、『カート・ラッツ(車輪の轍)』と呼ばれるレールのように平行に穿たれた二本の溝が島内各所に残る。この溝には水路説と神殿などに石を運ぶために出来た(あるいは造られた)レール説があるが、鉄道のポイントのように分岐点が所々存在する。
■ミニ国家
国際連合の1967年の年次報告では、「領土の面積、人口、人的・経済的資源において例外的に小さい実在体」と表現されている。主に領土や人口に着目した国家分類であり、経済力を指標とした下位国家については後発開発途上国(最貧国)として、概念上区別して扱われる。
■バレッタ
Vallettaは、マルタ共和国の首都。マルタ語ではIl-Belt (「都市」の意味)と呼ばれる。人口6,300人(2005年11月現在)。マルタ島東部に位置し、港を見下ろすシベラスの丘の上にある。ホスピタル騎士団(Knights Hospitaller)の時代以降の多くの建造物が残る。一部の地域では、バロック建築・マニエリスム建築・近代建築・新古典主義建築など多様な要素も見られる。
■ビルキルカラ
Birkirkaraとは、マルタ共和国にある都市で、同国最大の都市である。マルタ島の中部、マルタの首都バレッタから約4km西に位置する。人口は約21,775(2005年)。マルタを代表するサッカークラブであるビルキルカラFCの拠点であることでも有名である。
■ルア
Luqaは、マルタ南東部に位置する都市。古い街並みに高い人口密度を有す、同国の典型的な街である。人口は2005年11月時点で6028人。ルアとはアラム語で「ポプラ」を意味する。中央広場には守護聖人アンデレを祀る教会があり、7月第一日曜日に聖アンデレの伝統的な祭りが、11月30日には礼拝祭が催される。
■イムディーナ
Mdinaは、マルタの町。マルタ島中央部にあり、かつては首都でもあった。中世の狭い静かな通りを持つ城塞都市であり、『静寂の町』の異名を持つ。イムディーナでの定住の痕跡は、紀元前4000年より前に遡る。紀元前700年頃にフェニキア人によって初めて要塞化された。今日、イムディーナでの自動車乗り入れは制限されている(限られた地元住民の自家用車、救急車、結婚式の車などは許可されている)。狭い通りをそぞろ歩く静かな環境が維持されている。
■マルタ島
Maltaは、地中海の中央、マルタ共和国内の島であり、同国内で最も大きな島である。イタリア、シチリア島の南93kmほどのところにある。最高標高点は253m。世界で初めて海水から生活用水を生み出した島でもある。最も大きな都市は、首都でもあるバレッタ。島の東部にあり、市街は世界遺産となっている。海岸沿いのいりくんだ入り江は美しい港の景観を創りだし、密集した人家の風景は高台のある丘が特徴的である。
■マルタ騎士団
ロードス及びマルタにおけるエルサレムの聖ヨハネ病院独立騎士修道会、通称マルタ騎士団は、カトリックの騎士修道会である。十字軍時代のパレスチナに発祥した聖ヨハネ騎士団が現在まで存続したもので、ロードス島及びマルタ島における旧来の領土を喪失しているため国土を有さないが、国際連合にオブザーバーとして参加する主権実体(sovereign entity)でもある。第1回十字軍の後、1100年ごろ、巡礼保護を目的としてエルサレムで設立された。正式名称から明らかなように病院をもち、ことに病気になった巡礼者の保護に務めた。十字軍勢力がパレスチナから追われた後はロードス島を根拠とし、聖地巡礼をするキリスト教徒の重要な経由地の守護者、ムスリム(イスラム教徒)に対する聖戦の実行者として活躍したが、1522年、オスマン帝国のスレイマン1世によりロードス島は陥落。本拠をマルタ島に移して、マルタ騎士団と呼ばれるようになった。
外務省:マルタ共和国
在マルタ日本国大使館
■グランド・ハーバー
Grand Harbourは、マルタ島の天然港。少なくともフェニキアの時代から港として使用されている。天然港は拡張されたドックと埠頭で非常に改良され、堂々と防御工事を施されている。港の出口は北東の方角に開き、聖エルモ・ポイントが北の境界となっている。さらに隔てられた防波堤で守られ、リカソリ・ポイントが南の境界となっている。北西海岸はシベラス半島で、首都バレッタとその郊外フロリアナが占めている。
■マルタ国際空港
MALTA International Airportとは、マルタにある唯一の国際空港である。正式名称は、ルア空港(英語: Luqa Airport)である。マルタ航空の本拠地である。
■マルタ語
マルタ語(マルタ語:Malti, Lingwa Maltija)は、マルタ共和国で公用語として話される言語。欧州連合(EU)の公式言語の一つ。言語はアラビア語の口語(アーンミーヤ)の変種の一つであるが、ロマンス系語彙の借用語が多いことから(ただし、これはマグリブの口語全体にいえることである)別言語とする学者もいる。
■マルタの国旗
マルタの国旗は、赤・白の縦二色旗。1091年にシチリアを治めていたルッジェーロ1世(初代シチリア王の父)からこの二色を授かったとされるが、定かではない。1964年9月21日の独立時に制定される際、第二次世界大戦中のマルタ国民の勇敢な行動に対してイギリスより贈られたジョージ十字勲章がカントン部分に取り入れられた。
■国名
正式名称はマルタ語で Repubblika ta' Malta。通称 Malta。英語では Republic of Malta(リパブリック・オブ・モールタ)。通称 Malta。
1.面積:316平方キロメートル(淡路島の半分)
2.人口:約41万人(2009年末)
3.首都:バレッタ(人口約6,000人)
4.言語:マルタ語及び英語が公用語
5.宗教:カトリック
■主要産業:製造業(主に、半導体、繊維、造船、船舶修理)、観光
■主要貿易品目(1)輸出 半導体機器、薬品、コネクター等(2)輸入 集積回路、石油、航空機・宇宙機器等
■ユーロ
ユーロは、欧州連合における経済通貨同盟で用いられている通貨である。ユーロはヨーロッパでは23の国で使用されている。この23か国のうち17か国が欧州連合加盟国である。ユーロは準備通貨としてはアメリカ合衆国ドルの次に重要な通貨の地位を有していた。さらに、一時は第2の基軸通貨と呼ばれていた。しかし、近年のユーロ危機で、通貨連盟の矛盾が表面化しその存続を危ぶむ意見さえも出るようになってきている。
■欧州連合
欧州連合条約により設立されたヨーロッパの地域統合体。欧州連合条約第2条では欧州連合の存在価値について、以下のようにうたっている。仮訳: 連合は人間の尊厳に対する敬意、自由、民主主義、平等、法の支配、マイノリティに属する権利を含む人権の尊重という価値観に基づいて設置されている。これらの価値観は多元的共存、無差別、寛容、正義、結束、女性と男性との間での平等が普及する社会において、加盟国に共通するものである。
■経済
18世紀までは、綿花とタバコの栽培、造船業が中心で、造船業はイギリス軍にとって有用なものだった。1854年のクリミア戦争のように、戦時のたびにマルタ経済が繁栄した。1869年のスエズ運河の開通後は船舶の寄港地として賑わう事となった。しかし、19世紀末以降、大型船の就航により燃料補給のための寄港の必要性が減少し、マルタの経済は縮小し、1940年代には深刻な危機に陥った。
■木綿
木綿・木棉(もめん)は、ワタの種子から取れる繊維。コットン(英語 cotton)。ワタとはアオイ科ワタ属の多年草の総称で、木綿は種子の周りに付いている。繊維としては伸びにくく丈夫であり、吸湿性があって肌触りもよい。このため、現代では下着などによく使われるが、縮みやすいという欠点もある。主成分はセルロース。
■タバコ
煙草、Nicotiana tabacum)はナス科タバコ属の一年草の亜熱帯性植物。葉の成分として有毒で習慣性の強いニコチンを含む。タバコはナス科タバコ属 (Nicotiana) の一年草である。タバコ属には約50の種が含まれるが、大規模に栽培されるものは N. tabacum と N. rustica(en) の2種に限られる。栽培種として重要なのは強健性、葉の産出力、病気に対する抵抗性、細胞組織が持つ弾力性、香料との親和性である。このため約100の品種に分かれる。それらの品種を大別すると、火力乾燥を行い葉が黄色い状態で乾固させる黄色種、褐色になるまで空気乾燥を行うバーレー種、葉巻種およびオリエント種が主なものである。
■石灰岩
英: limestone)は、炭酸カルシウム(CaCO3、方解石または霰石)を50%以上含む堆積岩。炭酸カルシウムの比率が高い場合は白色を呈するが、不純物により着色し、灰色や茶色、黒色の石灰岩もある。肉眼では結晶化しているように見えないが、ミクロのレベルでは結晶構造が存在する。現在、地上の鉱物中に観られる炭酸カルシウムの結晶構造は、六方晶系の方解石型と、斜方晶系のアラゴナイト(霰石)型がある。
■政治
国家元首である大統領は任期5年で、立法府である代議院によって選出される(複選制)。すべての執行権は大統領によって直接的または間接的に行使されるが、基本的には儀礼的・形式的地位である。
■マルタ会談
Malta Summitは、1989年12月2日から12月3日にかけて、地中海のマルタで行われた首脳会談である。これをもって、44年間続いた東西冷戦は終結した。東欧革命やベルリンの壁崩壊を受けて、アメリカ合衆国大統領 ジョージ・H・W・ブッシュとソビエト連邦最高会議議長兼ソビエト共産党書記長 ミハイル・ゴルバチョフによる首脳会談で、第二次世界大戦末期のヤルタ会談に始まった米ソ冷戦の終結を宣言した。
■文学とマルタ
ルソーの著作『エミール』の中では、「必要とあらばアイスランドの氷の中であろうと、マルタ島の焼けただれる岩壁の上であろうと、生き抜くことを彼に教えなければならない」とマルタについての言及があり、近代初めのヨーロッパ人にとっては、この地がいかに過酷な生活環境とみなされていたかがうかがえる。
■マルチーズ
地中海に浮かぶ島国のマルタ島で生まれたことからこの名がついた。紀元前にフェニキア人の船乗りが持ち込んだ犬が元になったと言われている。 当時から愛玩犬であったと考えられており、最も古い愛玩犬である。血統的にはビション・フリーゼ、ハバニーズ、ボロニーズなどの ビション系犬種とかかわりを持つ犬種である。
■マルタの鷹
The Maltese Falcon)は、ダシール・ハメットの探偵小説。1930年発表。私立探偵サム・スペードの登場する唯一の長編。いわゆるハードボイルド派を確立した作品として名高い。3度にわたって映画化され、特に1941年のジョン・ヒューストン監督、ハンフリー・ボガート主演のものが有名。