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アラブ首長国連邦
UnitedArabEmirates
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■歴史
現在のアラブ首長国連邦の領域で最古の人類居住遺跡は紀元前5500年ごろのものである。やがて紀元前2500年ごろにはアブダビ周辺に国家が成立した。メソポタミアの資料でマガンと呼ばれるこの国は、メソポタミア文明とインダス文明との海上交易の中継地点として栄えたが、紀元前2100年ごろに衰退した。
■地理
アラビア半島の南東部にあり、ペルシア湾とオマーン湾に面している。国土の大部分は、平坦な砂漠地帯であり、一部に砂丘も見られる。東部に僅かに山岳地帯があり、オアシスが点在する。南部はルブアルハリ砂漠であり、砂漠北部のリワなどのオアシスはアラブ首長国連邦領として確定しているものの、それ以南の砂漠に関しては概念上の国境しか存在しない。ホルムズ海峡(海峡に臨むムサンダム半島はオマーン領)に近いということで、地政学上、原油輸送の戦略的立地にある。
■西アジア
アジア西部を指す地理区分である。今日の欧米ではほぼ中東と同じ領域を指すことが多い。一般的には、中央アジアおよび南アジアより西、地中海より東で、ヨーロッパとはボスポラス海峡、アフリカとはスエズ運河によって隔てられている地域を指す。一般に国家としては、アフガニスタン、イラン、イラク、トルコ、キプロス、シリア、レバノン、イスラエル、ヨルダン、サウジアラビア、クウェート、バーレーン、カタール、アラブ首長国連邦、オマーン、イエメン、パレスチナおよびエジプトの一部がここに属す。
■中東
Mideast)は、狭義の地域概念では、インド以西のアフガニスタンを除く西アジアとアフリカ北東部の総称。西ヨーロッパから見た文化の同一性や距離感によって、おおまかに定義される地政学あるいは国際政治学上の地理区分。
■アラビア半島
アジアとアフリカを繋ぐ場所に位置する西アジア南西の巨大な半島であり、半島としては世界最大である。紅海、アカバ湾、アラビア海、アデン湾、ペルシア湾、オマーン湾等に囲まれており、北の付け根はイラクとヨルダンにあたる。半島の南東方面にはルブアルハリ砂漠が広がっている。
■オマーン湾
オマーン湾はインド洋の一部であり、アラビア海とペルシア湾とを結ぶ海域である。アラビア海の北東にあり、沿岸国として北にイランとパキスタン、西にオマーンとアラブ首長国連邦がある。ペルシア湾とは湾の北西のホルムズ海峡を通じて結ばれており、そのため石油などを輸送するタンカーの通行も多い。
■ムサンダム半島
Musandam Peninsulaはアラビア半島の一部で、アラビア湾の入り口であるホルムズ海峡に飛び出した部分である。面積1800平方km、人口は3万人弱である。大部分がオマーンの飛び地(ムサンダム特別行政区)で、アラブ首長国連邦がオマーン本体との間に割り込む。荒涼たる岩山で構成され、リアス式の入り江に富む。これはアラビアプレートがユーラシアプレートに潜りこみ、半島が沈んでいるためと地質学的に解釈される。
■ペルシア湾
イラン、イラク、クウェート、サウジアラビア、バーレーン、カタール、アラブ首長国連邦、オマーンに囲まれた細長い形状の湾。面積はおよそ240,000平方キロメートルで、長さ約1千キロメートル。平均水深50メートル、最大90メートル。ホルムズ海峡を通じ、オマーン湾そしてアラビア海へと繋がっている。
■ルブアルハリ砂漠
the Rub' al khaliは、アラビア半島南部の3分の1を占める世界最大級の砂砂漠。サウジアラビア南部、オマーン、アラブ首長国連邦(UAE)、イエメンの4カ国に広がる。ルブアルハリは、長さ1000キロメートル(600マイル)、幅500キロメートル(300マイル)。最近まで大部分が探検されていなかった。ベドウィンでさえ、その辺縁を移動するにすぎない。にもかかわらず、この砂漠へGPSを装備したツアーを提供する旅行会社は存在する。
■シャットゥルアラブ川
Shatt al-Arab、Arvand Rū蜆は南西アジアを流れる川。チグリス川とユーフラテス川の合流によって形成され、イランとイラクの国境地帯を流れながらペルシャ湾に注ぐ。長さは200km。チグリス川(延長1,900km)とユーフラテス川(延長2,800km)はイラク南部、バスラ県のアル・クルナ(al-Qurnah)の町で合流し、バスラ県を貫いて流れる。
■ホルムズ海峡
Strait of Hormuzは、ペルシア湾とオマーン湾の間にある海峡である。北にイラン、南にオマーンの飛び地に挟まれている。最も狭いところでの幅は約33km。イラン本土近傍のゲシュム島やホルムズ島をはじめとして、複数の島が海峡内にある。 ペルシア湾沿岸諸国で産出する石油の重要な搬出路であり、毎日1700万バレルの石油をタンカーが運ぶ。日本に来るタンカーの全体の8割、年間3400隻がこの海峡を通過する。
■サディヤット島
Saadiyat Islandは、アブダビから500m沖に位置する島で、観光地・居住地として開発されている(2018年完成)。7つの地区が作られ、29のホテル、約1,000隻のボートを泊める3つのマリーナ、博物館、文化センター、2つのゴルフコース、レジャー施設、オーシャンビューの居住地などが建設される。
■アラブ人
おもにアラビア半島や西アジア、北アフリカなどのアラブ諸国に居住し、アラビア語を話し、アラブ文化を受容している人々。「アラビア人」の呼称が過去には一般的であったが、アラビア人を意味する英語のarabにさらに「人」をつけ足した「アラブ人」という言い方が、本来の意味からすればおかしいものの、オイルショックの頃から使われだし、やがて定着したもの。
■ベドウィン
砂漠の住人を指す一般名詞で、普通アラブの遊牧民族に対して使う。アラビア半島においては、南端の農耕地帯に余剰人口が生ずるにいたり、農耕民の中で進取の気性ある者が耕作不能な土地に家畜を連れて北上したのが、ベドウィンの始まりとされる。ベドウィンを意味するヘブライ語から「アラブ」という語が導かれたという説もあり、ベドウィンが古くからアラブと呼ばれていたことは多くの碑文や史料に示されている。
■メソポタミア
Mesopotamia、ギリシャ語で「複数の河の間」)は、チグリス川とユーフラテス川の間の沖積平野であり、過去のペルシアの一部、現在のイラクにあたる。メソポタミア文明 はメソポタミアに生まれた文明を総称する呼び名で、世界最古の文明であると言われていた。文明の初期の中心となったのはシュメール人であるが、シュメール人は民族系統が不明である。
■インダス文明
Indus Valley civilization) は、インド・パキスタンのインダス川及び並行して流れていたとされるガッガル・ハークラー川周辺に栄えた文明で、現在南インドを中心に暮らしているドラヴィダ人によりつくられたと推定されている。考古学上は、ハラッパー文化と呼ばれ、パキスタン、パンジャブ州のハラッパーを標式遺跡とする。
■イスラム帝国
caliphate)は、イスラム教(イスラーム)の教えに従って生まれたイスラム共同体(ウンマ)の主流派政権が形成した帝国のこと。イスラム帝国〜アッバース朝〜 東西交易、農業灌漑の発展によってアッバース朝は繁栄し、首都バグダードは当時、世界最大の都市だった。アッバース朝では、エジプト、バビロニアの伝統文化を基礎にして、インド、アラビア、ペルシア、中華、ギリシア、などの諸文明の融合がなされたことで、学問が著しい発展を遂げ、近代科学に多大な影響を与えた。8世紀半ば、ウマイヤ家よりもムハンマドの家系に近いアッバース家を指導者として行われた革命によって成立した政権。
■オスマン帝国
テュルク系(後のトルコ人)のオスマン家出身の君主(皇帝)を戴く多民族帝国で、15世紀には現在のトルコの都市イスタンブルを征服して首都とし、17世紀の最大版図は、東西はアゼルバイジャンからモロッコに至り、南北はイエメンからウクライナ、ハンガリー、チェコスロヴァキアに至る広大な領域に及んだ。
■イギリス東インド会社
English East India Company) はアジアとの貿易を目的に設立されたイギリスの特許会社である。厳密には「イギリス東インド会社」という一つの会社組織が存在した訳ではなく、ロンドン東インド会社(旧会社)、イングランド東インド会社(新会社)、合同東インド会社(合同会社)という三つの会社の総称である。
■ドバイの観光
世界有数の観光都市に成長しており、2012年にマスターカードが公表した統計によると、世界で8番目に外国人旅行者が多く訪れる都市であり、中東では随一である。現在は観光を軸とした一貫した政策のもとで、ジュメイラビーチの人工島に建設された世界最高級の高層ホテルである「ブルジュ・アル・アラブ」などの高級リゾートホテルや中東地域最大のショッピングセンターの建設、人工衛星から見える唯一の人工島群である「パーム・アイランド」や「ザ・ワールド」、「ジュメイラ・アイランズ」、「ドバイウォーターフロント」、「ジュメイラ・レイク・タワーズ」、「ドバイ・マリタイム・シティ」、「ドバイ・メディア・シティ」、「ドバイマリーナ」、砂漠の人工スキー場「スキー・ドバイ」など、各種観光資源の開発に力を注いでいる。
■パーム・アイランド
(Palm islands)は、アラブ首長国連邦の都市ドバイ沖合いに造られた人工島群。全てヤシの木(パーム・ツリー)を模しており、この名を冠している。世界で最も大きな人工島であり、この島によってドバイの海岸線は約520km長くなった。海底トンネルやジュメイラ・モノレール事業など、日本企業の進出も多数報道されている。
■The World (人工島)
ドバイの首長であるムハンマド・ビン=ラーシド・アール=マクトゥームの発案(2003年5月)。 島の面積は、14,000平方メートルから42,000平方メートルまで様々で、島と島との間は100メートルである。これらの島への交通手段はヘリコプター、水上バイク、ボートしかない。島群は地球の陸地を表し、上空から見ると世界地図を模している。これまでに、ビジェイ・シン、ミハエル・シューマッハ、パメラ・アンダーソンら多くの著名人が購入した。
■ジュメイラ・アイランズ
(Jumeirah Islands)は、アラブ首長国連邦のドバイにナキールによって建設された巨大人造湖の中の人工島群のリゾート。2006年に完成。ジュメイラ・アイランズは50の人工島(クラスター)からなり、そのうちの46島は住居用である。それぞれの島には全てプール付の16の高級ヴィラが配され、計736のヴィラが建設された。50の島は大きな湖の中に配されている。
■ブルジュ・ハリーファ
Burj Khalifaは、アラブ首長国連邦ドバイにある、世界一高い超高層ビルである。全高(尖塔高)828.0 m、軒高(ビル本体の屋根の地上高)636.0 m(比較資料:同上)。160階建て。高さなど従来はそれぞれ異なる建造物が世界一であったが、ブルジュ・ハリーファはことごとく記録を塗り替え、全てのカテゴリで世界一である。もちろん、ギネス世界記録に認定されている。
■ブルジュ・アル・アラブ
ドバイにあるホテル。ドバイ政府観光・商務局の5段階の格付けによると「5つ星」の最高級ホテルである。かつてこの地で営業していたシカゴ・ビーチ・ホテルの後継施設として、1994年に沖合の埋立工事を開始。建物の建設工事を経て1999年12月1日にオープンした。高級ホテルチェーンのジュメイラ・インターナショナルが所有・運営を行う。
■メイダン競馬場
(Meydan Racecourse)はアラブ首長国連邦(UAE)・ドバイにある競馬場である。2010年1月28日開場。2009年まで使用されていたナド・アルシバ競馬場の隣接地に立地。競馬場以外にホテル・ショッピングモール・映画館などを含む複合商業施設「Meydan City」の中核施設となる。
■スポーツ
アラブ首長国連邦で最も人気のあるスポーツはサッカーであり、国内リーグとして12チームからなるUAEリーグがある。また、サッカーアラブ首長国連邦代表は1990年にFIFAワールドカップへの出場歴があり、現在でもアジア内では強豪として知られる。また、競馬はドバイ首長家であるマクトゥーム家が特に力を入れており、ドバイのメイダン競馬場で3月下旬に開催されるドバイワールドカップは、1着賞金が世界最高金額の競馬競走として知られる。伝統的な競技として、ラクダのレースも人気がある。競技ではないが、鷹狩りも伝統的に人気のあるスポーツである。
■アブダビコンバット
ADCC世界サブミッション・レスリング選手権(Abu Dhabi Combat Club Submission Wrestling World Championship)は、アラブ首長国連邦のアブダビで開催されるサブミッションレスリング(グラップリング)の世界選手権。2003年から2年に一度、世界を巡回してトーナメントが行われる現在の形式になった。打撃技は禁止され、関節技、絞め技のサブミッションホールドが許可された試合を行う。首に対する攻撃に関しては首関節技および喉掴みが禁止、その他の絞め技は可能となっている。ポイントは寝技のポジショニングや立ち技のテイクダウンで争われる。正確には「組技」格闘技の大会であり、立ち技に対するポイントもあるが、寝技の強い選手が有利なルールとなっており、寝技世界選手権という意味合いが強い。
■国民
住民は、在来のアラブ人からなるアラブ首長国連邦の国民は全体の19%を占めるに過ぎない。その他は外国籍の住民であり、他のアラブ諸国から来た人々や、イラン人、南アジア系50%(インド人140万人、パキスタン人、バングラデシュ人、スリランカ人)、東南アジア系(フィリピン人)、欧米系、東アジア系の人々などがいる。これらの外国籍の多くは、石油収入によって豊かなアラブ首長国連邦に出稼ぎとしてやってきた人々である。しかし、単身が条件で家族を連れての居住は認められていない。長期在住者でも国籍取得は大変難しく、失業者は強制送還するなど、外国人へは厳格な管理体制がなされている。
■教育
教育制度は小学校6年、中学校3年、高校3年、大学4年の6・3・3・4制である。識字率は90%(2007年)。義務教育は小学校6年間と中学校3年間のみであるが、ほとんどの生徒は高校へと進学する。近年では大学進学率も上昇を続けている。大学は1977年に国内初の大学としてUAE大学がアル・アインに創立され、以後国立大学数校が設立された。また、私立大学も多く設立され、欧米の大学のUAE校も多数進出してきている。
■イスマイル・マタール
Ismail Matar Ibrahim Khamis Al Mukhaini Al Junaibi, 1983年4月8日 - )は、アラブ首長国連邦・アブダビ出身の同国代表のサッカー選手。ポジションはFW。UAEリーグのアル・ワハダに所属している。2001年にアル・ワハダでプロキャリアをスタートさせ様々なタイトル獲得に貢献した。2009年にカタールのアル・サッドにレンタル移籍。
■アーメド・カリル
Ahmed Khalil Sebait Mubarak Al-Junaibi 1991年6月8日 - )はアラブ首長国連邦・シャールジャ出身の同国代表のサッカー選手。ポジションはフォワードで、現在はUAEのアル・アハリ・ドバイに所属している。ニックネームは「レッドカード」。2007年、アル・アハリでプロデビュー。 2008年の10月、11月に行われたAFC U-19選手権にUAE代表として出場、決勝のウズベキスタン戦で2ゴールを挙げるなど同大会優勝の中心的な活躍を見せる。日本の永井謙佑と共に大会得点王(4ゴール)に輝き、大会のMVPにも選ばれる。
■ハリーファ・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーン
Khalifa bin Zayid bin Sultan Al Nuhayyan、1948年 - は、第2代アラブ首長国連邦大統領(在任:2004年11月3日 - )で、連邦内最大の国アブダビ首長国の首長。日本の報道や外務省ではハリファ、カリファ、カリーファなどの表記がしばしば用いられる。第二次世界大戦後、アブダビ首長国の首長の弟として地方で知事を務めていたシャイフ・ザーイドの長男として生まれた。生年は1947年とする説もある。父の第一夫人である母は父の従兄でアブダビ首長家ナヒヤーン家の重鎮であったシャイフ・ムハンマドの娘であり、父がアブダビの首長に即位すると首長位の第一継承者として遇せられた。
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アラブ首長国連邦 UnitedArabEmirates
通称UAEは、西アジア・中東の国。アラビア半島のペルシア湾(アラビア語圏ではアラビア湾と呼ぶ)に面した地域に位置する7つの首長国からなる連邦国家である。首都はアブダビ。東部ではオマーンと、南部および西部ではサウジアラビアと隣接する。カタールとは国境を接していないものの、論争がある。
■アブダビ
Abu Dhabiは、アラビア半島のペルシア湾岸に位置する、アラブ首長国連邦を構成する首長国。アラブ首長国連邦の連邦首都を兼ねる同名の都市(アブダビ市)もこの首長国内にある。アブダビ首長国はアラブ首長国連邦を構成する首長国。ペルシア湾に突き出たT字型の半島部を中心とした地形で、アラブ首長国連邦の中でも最大の面積、人口、収入を持つ。漁業や真珠の輸出を産業の主とする小さな漁村だったこの地に、アブダビの首長ナヒヤーン家と同じバニー=ヤース部族のマクトゥーム家が、1830年代にアブダビから移住。これに伴ってドバイ首長国が建国され、ここに今に至るドバイの歴史が始まりの時を迎えた。
■アブダビ国際空港
Abu Dhabi International Airportは、アラブ首長国連邦のアブダビにある国際空港。アブダビ首長国国営のエティハド航空の本拠地。1990年前半まで日本航空の南廻りヨーロッパ線の寄港地として就航していた。2008年10月には第2滑走路、2009年1月にはターミナル3が完成。これによりエアバスA380も乗り入れが可能になった。
■シャールジャ国際空港
Sharjah International Airportはアラブ首長国連邦のシャールジャにある国際空港。シャールジャの主要空港で、格安航空会社のエア・アラビアの拠点空港である。他にも近距離国際線や中東域外からのチャーター便や貨物便が多く乗り入れている。また旧型航空機のストア空港としても有名である。
■ドバイ国際空港
Dubai International Airport、はアラブ首長国連邦のドバイにある国際空港である。ドバイに本拠を置くエミレーツ航空のハブ空港である。
■アル・アイン
アラブ首長国連邦・アブダビ首長国でアブダビ市に次ぐ都市。アラインとも言う。海岸に立地するアラブ首長国連邦の他の大都市とは異なり、内陸のオマーン国境に接するオアシスに作られた都市である。人口421,948人(2005年)。近郊にアルアイン国際空港がある。アラブ首長国連邦を代表するUAE大学がある。
■アルアイン国際空港
Al Ain International Airportはアラブ首長国連邦第4の都市アル・アインにある国際空港である。
■首長国
イスラム世界の君主の称号の一つである首長(アミール、amīr)が君臨する国家のことを指し、君主制の一形態である。英語ではアミールの英語表記"Emir"から「Emirate」と表記される。かつての日本では土侯国と訳されたこともあるが、侮蔑的だとして現在は使われない。中国では「酋長国」と訳され、現在も続いている。首長が絶対的な権力を持つ絶対君主制を基本としているが、湾岸戦争後、立憲君主制を採用する国も現れ始めた。
■ドバイ
Dubaiは、アラブ首長国連邦を構成する首長国のひとつ。また、ドバイ首長国の首都としてアラビア半島のペルシア湾の沿岸に位置する都市。中東屈指の世界都市並びに金融センターである。首長はムハンマド・ビン・ラーシド・アール・マクトゥームであり、アラブ首長国連邦の副大統領と首相も兼任している。
■シャールジャ
シャールジャ首長国は、アラブ首長国連邦を構成する首長国のひとつで、ドバイの東、ペルシア湾岸にほぼ16km、内陸部に向かって80km以上にわたって広がっている。加えて、東海岸には、オマーン湾と境を接するシャールジャ首長国所属の3つの飛び地、カルバー、ホール・ファッカーン、ディッバーがある。
■シャールジャ市
アラブ首長国連邦ではドバイ、アブダビに次ぐ第3の都市。シャールジャ市はペルシャ湾に臨み、主要な行政機関や商業施設が集積している一方で、いくつかの美術館を含む文化施設の開発事業が続々と進行している。独特の歴史的建造物としてはイスラム世界の伝統的な様式を反映した2件の大きな屋根付きスーク(市場)があり、また多くの娯楽地区や、Al Jazeirah Fun Park や Al Buheirah Corniche などの公園もある。
■ウンム・アル=カイワイン
Umm al-Qaywaynは、アラブ首長国連邦を構成する首長国のひとつ。ペルシャ湾に面して、連邦の北東部に位置する。南西はシャールジャ、北東はラアス・アル=ハイマに接する。面積は750km2で、連邦の構成国中2番目に小さい国である。
■ジュベル・アリ
Jebel Ali, )はアラブ首長国連邦のドバイ首長国にある地区の一つ。また、同地区に所在する、ペルシャ湾に面した大型港湾。ドバイ市街中心部からは南西へ35キロメートルの位置にあり、アブダビ首長国との境界線にもほど近い。
■ナヒヤーン家
アラブ首長国連邦最大の国アブダビの首長家。ヌハイヤーン、ナハヤーン(ナハヤン)、ナヒヤンともいう。18世紀にペルシア湾岸の休戦海岸(現在のアラブ首長国連邦)に移住し、同世紀の後半までにアブダビで覇権を確立してアブダビのアミール(首長)となり、アブダビ首長国を興した。初代首長イーサーから息子で第2代のディヤーブ、孫で第3代のシャフブートの時代には、ドバイなど周辺の首長国と抗争したり、ペルシア湾を行き交う西欧諸国の艦船に対する攻撃を行ったりしつつ勢力を拡大した。
外務省:アラブ首長国連邦
在アラブ首長国連邦日本国大使館
■アジュマーン
アラブ首長国連邦に所属する首長国の一つ。首都の名もアジュマーンである。 面積は約260km2、人口は約23万5000人。連邦を構成する七首長国のうち、もっとも小さな首長国である。ペルシャ湾に面していて、シャールジャから10kmと近く、単なるシャールジャ郊外の町と勘違いする人も多い。
■フジャイラ
アラブ首長国連邦に属する、オマーン湾に面した首長国。数カ所の飛び地を擁する。面積は1684km2。 国土の西端は砂漠地帯で、大部分は高度300m程度の山岳地帯からなる。ワジが海岸線の手前に形成した扇状地は幅数kmの細長い平地を形成している。この地域に唯一の都市が置かれた。北部はムサンダム半島のオマーン領飛び地に接する。
■フジャイラ国際空港
Fujairah International Airportは、アラブ首長国連邦・フジャイラにある国際空港。
■シェイク・ザーイド・ロード
(Sheikh Zayed Road)は、アラブ首長国連邦の高速道路。1971年に工事が始まり1980年に開通。アラブ首長国連邦で最長の道路で、アブダビからドバイやシャールジャなどを通ってラアス・アル=ハイマまで各首長国の海岸部をペルシア湾に平行して貫く。
■ラアス・アル=ハイマ
アラブ首長国連邦を構成する首長国のひとつ。同連邦の北東端にあり、北部はオマーンの飛び地のムサンダム半島に接する。かつてはペルシャ湾の貿易に従事する海運国だった。現在では農耕を主産業とし、ナツメヤシや野菜や果物を生産する。1972年、他の連邦構成国の中で遅れて最後に連邦に加入した。
■ラアス・アル=ハイマ国際空港
Ras Al Khaimah International Airportは、アラブ首長国連邦・ラアス・アル=ハイマにある国際空港。
■アール・マクトゥーム国際空港
Al Maktoum International Airportは、アラブ首長国連邦のドバイ近郊のジュベル・アリ地区にある世界最大級の国際空港である。
■交通
ドバイやアブダビ、シャールジャなどが古くから中東における交通の要衝として発達しており、この3都市は第二次世界大戦後の航空網の発達に併せてその地位を高いものとしている。ドバイ国際空港は中東のハブ空港としての地位にある。また、近代的な高速道路がこれらの都市間を結んでいるほか、海運も盛んに行われている。ドバイでは2009年9月に日本企業による地下鉄であるドバイ・メトロが開通した。
■ドバイメトロ
Dubai Metro、アラブ首長国連邦のドバイの鉄道。ドバイ政府道路交通局が管理する。中東初の都市鉄道である。三菱商事、三菱重工業、大林組、鹿島建設、トルコのYapi Merkezi社の計5企業によるジョイントベンチャーにより受注された。
■国名
公式の英語表記は、United Arab Emirates。略称は、UAE。日本語の表記は、アラブ首長国連邦。日本語名称をアラブ首長国連合としている場合が見受けられるが、外務省ではアラブ首長国連邦としている。また、サッカーなどスポーツ競技内では英字略であるUAEを使用することが多い。
1.面積:83,600平方キロメートル
2.人口:470.7万人(2010年)(国連)
3.首都:アブダビ
4.民族:アラブ人
5.言語:アラビア語
6.宗教:イスラム教
7.略史:紀元前3000年頃にさかのぼる居住痕が存在。7世紀イスラム帝国、次いでオスマン・トルコ、ポルトガル、オランダの支配を受ける。17世紀以降、英国のインド支配との関係で、この地域の戦略的重要性が認識された。18世紀にアラビア半島南部から移住した部族が現在のUAEの基礎を作った。1853年、英は現在の北部首長国周辺の「海賊勢力」と恒久休戦協定を結び、以後当地域は休戦海岸と呼ばれた。1892年には、英の保護領となった。1968年英がスエズ以東撤退を宣言したため、独立達成の努力を続け、1971年12月、アブダビ及びドバイを中心とする6首長国(翌年2月ラアス・ル・ハイマ首長国が参加)が統合してアラブ首長国連邦を結成した。
■主要産業:石油
■主要貿易品目(1)輸出 原油、天然ガス、原油製品、再輸出品(電化製品等)
(2)輸入 自動車、機械、電化製品
■UAEディルハム
1973年から使用されているアラブ首長国連邦の通貨。ISO 4217の通貨コードはAED。1966年以前、現在のアラブ首長国連邦を構成する全ての首長国では湾岸ルピーが流通しており、1966年から1973年にかけてはアブダビをのぞく全ての首長国でカタール・ドバイ・リヤルが流通していた。
■宗教
宗教はイスラム教が国教であるが、外国人を中心にキリスト教やヒンドゥー教なども信仰されている。信教の自由は認められ、イスラム教以外の宗教を信仰することも宗教施設を建設することも可能である。一方、イスラム教の戒律に関しては、もっとも自由で開放的なドバイ首長国から、最も敬虔で厳格なシャルジャ首長国にいたるまで、各首長国によって態度に違いがある。たとえば、ドバイでは女性はアバヤーなどを着ずともよく、肌を露出させた服装を着るのも自由であり、酒類の販売も可能である。一方アブダビはやや保守的であり、シャルジャでは服装にも厳格で、酒類販売は原則的に禁止されている。
■イスラム教
正式名をイスラームという。 稀にイスラーム教とよばれることもある。イスラム教とは、唯一絶対の神(アラビア語でアッラーフ)を信仰し、神が最後の預言者たるムハンマド(預言者)を通じて人々に下したとされるクルアーン(コーラン)の教えを信じ、従う一神教である。ユダヤ教やキリスト教と同様にアブラハムの宗教の系譜に連なる唯一神教で、偶像崇拝[1]を徹底的に排除し、神への奉仕を重んじ、信徒同士の相互扶助関係や一体感を重んじる点に大きな特色があるとされる。
■メディア
ドバイにはメディアのフリーゾーンである「ドバイ・メディア・シティ」(DMC)が建設されており、衛星テレビ局アル・アラビーヤの本部やBBCやCNNの支局などが開設されて、報道の一中心となっている。また、在来のドバイテレビやアブダビテレビもある。
■ソブリン・ウエルス・ファンド
Sovereign Wealth Fund、SWFは、政府が出資する投資ファンド。正式には主権国家資産ファンドと呼ばれるが、日本では政府系ファンドなどと称されることもある。 石油や天然ガスによる収入、外貨準備高を原資とすることが多い。 近年、世界的な資源価格急騰により資源供給国の割合が増えつつある。モルガン・スタンレーの推計によると、2007年5月時点の世界のSWFの資産総額は2.5兆ドルであり、ヘッジファンドの規模を上回るとされている[2]。 大規模な投資をするため市場への影響が大きく、透明性が求められている他、政治的意図をもった投資を懸念する声もある。
■レンティア国家
直訳すると「不労所得国家」を意味している。レンティア国家仮説にて紹介される国家である。もちろん、労働が存在しない国などないからこれは比喩表現である。レンティア国家とは、レント収入(石油輸出収入)に依存する国家のことを指している。
■ジュベル・アリ・フリーゾーン
the Jebel Ali Free Zoneは、アラブ首長国連邦を構成する一国、ドバイ首長国のジュベル・アリ地区に位置する経済特区。域内の商業を活発にするために、企業に対してあらゆる優遇税制が実施されている。この経済特区を運営しているのはジュベル・アリ・フリーゾーン公社(the Jebel Ali Free Zone Authority、JAFZA)で、世界第9位のコンテナ往来量を誇るドバイ港も管轄する。
■ザーイド・ビン=スルターン・アール=ナヒヤーン
1918年 - 2004年11月2日は、アブダビ首長国の首長。アブダビを含め7つの首長国からなるアラブ首長国連邦の初代大統領を1971年の独立からその死去まで30年以上にわたって務めた。ザーイドはオイルマネーをインフラ整備など国家の基盤を整備発展させるための事業に投入し、アブダビに未曾有の繁栄をもたらす。首長自身も、石油の収入により世界有数の大富豪となった。
■ムハンマド・ビン・ラーシド・アール・マクトゥーム
Mohammed bin Rashid Al Maktoum、1949年7月22日 - は、ドバイ首長国のアミール(首長)。アラブ首長国連邦の副大統領と首相も兼任する。世界でも有数の競走馬のオーナーブリーダーでもあり、その場合は英語読みに近いシェイク・モハメッド(あるいはモハメド)の名で紹介されることが多い。日本のマスコミなどではムハンマド・ビン・ラシド・マクトムと表記される。
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