地球が太陽のまわりを
回っていると言っただけで
殺されてしまう時代があった
ただユダヤ人だと言うだけで
殺されてしまう時代もあった
真実を求めるために
ただ一冊の本を手に取っただけで
弾圧される時代もあった
人を解放すべく生まれた宗教は
弾圧と支配の道具に使われ
民衆を救うべくあらわれた英雄は
独裁者になりはてる
歓喜の声は阿鼻叫喚にかわり
燃え上がる希望は
奈落の底にたたき込まれた
悲しい歴史は決して消し去ることも
無視することも出来ずに
今もなお漂っている
決して無知が
そうさせてきたのではない
いつの時代も
真実を知る人は知っていた
そして弾圧する側も
ちゃんと真実を知っていた
無知故の暴挙も
悲しいし恐ろしいけど
知った上であえてやる行為には
絶句しかない
でも歴史を見ると
無知故の残虐より
あえて行われる残虐が多い
何故か?
そこに善悪を超えた計り知れない
宇宙の意志でもあるというのか
いや、
そんなものはあるわけもない
もしあるとしたら
いつの時代も
一人一人の意志の欠落だ
そして、心の喪失だ
人間は神や悪魔と
無関係に生きて行かねばならない
何故なら人間とは
神と人の間ではなく
ましてや悪魔と人の間でもなく
人と人の間を生きるからこそ
人間と言うのだから
human being
いつの世も
人は人であらねばならない
知性は人間の友だけれど
賢さのためだけでなく
思いやりと
やさしさのための知性こそ
人間の友と言える
それが決して過たない友だ