自然に
そして厳かに君は立つ
夕暮れの沖合いに
何かを射るように 探すように
君は立つ
黄金の夕陽は
君をとらえ
君は微笑みを反射する
無限のさざなみは
繰り返しあらわれ 消え
君の足元にたわむれる風が
君の髪を揺らさなければ
君もまた永遠に見える
月や太陽と同じように
太古の匂いがする
連綿と紡がれてきた
人のやさしさ きびしさを
背中に漂わせながら
君は微動だにせず
夕陽を見つめる
まるで
帰るべき場所が
黄金色の海の彼方にあるようだ
そして入り日とともに
君もまた消えていく
星を写す水面と
さざ波の音だけを残して