(憲法を考える)緊急事態条項、縛り緩すぎ 自民党の草案、ドイツの専門家に聞く(2017/02/28朝日新聞) ・・・ 憲法施行70年の節目に議論を深めようというシンポジウムが20日、東京都内であった。主催はインターネット大手のヤフー。憲法論議でよく焦点となる9条などではなく、内閣や国会、裁判所など「統治機構」のあり方を中心に識者らを招いて議論を重ね、ネット上で発信していく予定だ。この日は、宍戸常寿・東大大学院教授、曽我部真裕・京大大学院教授らが登壇した。宍戸氏は、1990年代以降の政治・行政改革によって統治機構が大幅に変容したことを紹介したうえで、「憲法改正なしに進められたこうした改革をどう評価するかが、今後の憲法論議で欠かせない論点だ」と指摘。曽我部氏は内閣による議会の解散権に触れ、「かなり制限されているのが最近の国際的傾向だ。日本のように『首相の専権事項』として自由に行使できることをどう正当化するのかがいま問われている」と問題提起した。 (声)共謀罪の阻止、多喜二祭で誓う(2017/02/28朝日新聞)無職 松本美紀子(北海道 61) 20日は北海道小樽市ゆかりの作家・小林多喜二の命日でした。以前から、この日に墓前で多喜二祭が開かれています。私は昨年、抗がん剤の副作用で多喜二の墓までの雪道を歩き切る自信がなくて諦めましたが、今年は参加できました。約90人が真っ赤な花を供えました。数人の大学生が献花する姿に感動。例年、年配者が多いので画期的なことでした。うれしいハプニングも。寺島しのぶさん主演で多喜二の母を描く「母」で、多喜二を演じた塩谷瞬さんが来てくれたのです。「多喜二さんの魂を演ずる役を頂きました」と話されました。多喜二と接した人々は、特高警察の拷問で命を落とすことになった彼の「魂」を受け継いでいくのです。安倍政権が進める「共謀罪」ができれば、権力側が犯罪と見なす行為を準備したというだけで逮捕されかねません。それは多喜二がなぶり殺しにされた時代の治安維持法の「復刻版」で、認めるわけにはいかないと墓前で誓い合いました。来年は多喜二没後85年。「日本を、戦前のようにしてはならない」と自分に言い聞かせています。 http://digital.asahi.com/articles/DA3S12817362.html (憲法を考える)言論は自由か 曽我部真裕さん、升田純さん(2017/02/28朝日新聞) 政治権力に都合の悪い情報も得ることができる。批判の自由がある。そんなことが「当たり前」でなかった時代を経て、日本国憲法に記された言論・表現の自由。憲法ができた時には存在しなかったインターネットなども登場し、改めていま、言論は自由なのか。 ささいなことから、自由なはずの言論や表現がどんどん息苦しいものになっていく。これを示したのが、戦前・戦中の歴史でした。言論の自由は、目の前のことだけでなく、長期的な視点に立って判断すべきことだと思います。だから、東京地裁が1月上旬、「日本会議の研究」(扶桑社)の販売を差し止める決定をしたことに、驚きました。この本の公共性などを軽んじた、視野の狭い判断だったと言わざるをえません。焦点は、日本会議とかかわりのあった元宗教団体幹部の男性についての一部の記述でした。真実でない可能性が高く、男性の名誉を傷つけたと判断しました。 ・・・「日本会議の研究」にかんする今回の決定は、北方ジャーナル事件の販売差し止めの基準を緩和したものといえます。男性が今では公人ではないことを基準緩和の理由としていますが、問題とされる表現によってどの程度の損害があった場合に差し止めが認められるかの基準も、事実上緩和されています。・・・ 表現の自由について、憲法21条には最小限のことしか書かれていません。その精神をくみ取ったうえで、解釈に委ねられている。インターネットなど新しい技術に関わる問題が起きたとしても、21条が古びるものではありません。 一方で、裁判所も世の中の意識変化を反映する存在です。既存メディアに対する社会一般の目には厳しいものがあり、言論の自由と言えばすべて尊重されるという時代ではなくなっています。このような社会意識の変化が、裁判所の判断に影響していく可能性も否定できません。「フェイクニュース」が内外で社会問題化するなか、出版社を含む報道機関が果たすべき役割の重要性は、まったく失われていません。過度に防衛的になることなく、批判に真摯(しんし)に向き合い、それを糧とした活動をすることが期待されています。 大飯原発「合格」 懸念は残されたままだ(2017/02/28京都新聞) 原子力規制委員会は、関西電力大飯原発3、4号機(福井県)が新規制基準を満たしているとする「審査書案」を了承した。事実上の審査合格で、意見公募を経て正式決定すれば、関電は今夏にも再稼働させる方針だ。だが、大飯3、4号機を巡っては元審査担当者が地震対策で過小評価の可能性を指摘。福井地裁は運転差し止めを命じて控訴審中で、住民らの不安は残されたままだ。東京電力福島第1原発事故からまもなく6年。いまだ大勢が避難し、事故の実相にも迫れないのに、規制委は老朽原発を含め次々に「合格」判を押し続けている。一般の感覚とかけ離れ、一部の専門家と事業者の「原子力ムラ」に逆戻りしていないだろうか。・・・ 大飯3、4号機では、福井地裁が地震対策の「構造的欠陥」を指摘し、高浜原発では「新基準は不十分」との司法判断も出ている。専門性が高い審査としても、破滅的な事故につながる懸念や不安に真摯(しんし)に耳を傾け、説明を尽くさねば、原発への国民の不信は消えない。関電は大飯2基の再稼働で月100億円程度の利益拡大を見込み、値下げにより電気に続く4月のガス販売自由化で優位に立つ戦略だ。運転差し止めの訴訟は係争中のため稼働は法律違反でないが、安全への拭い難い懸念が突き付けられたままで経済的利益を優先するのでは理解を得られまい。 <高野病院>震災後の前院長の献身忘れない(2017/02/28河北新報) アイルランド外相 広島訪問 平和公園「核兵器廃絶へ努力」(2017/02/28ヒロシマ平和メディアセンター) 陛下ベトナムへ 平和・友好の象徴思う(2017/02/28東京新聞) 天皇、皇后両陛下はきょうから、ベトナムとタイを訪問される。日本とベトナムの歴史は意外と深い。旧日本軍が進駐したこともある。平和の願いが伝わる旅になるに違いない。一八八〇年代にベトナムはフランスの植民地となって以来、独立は民族の悲願であった。独立運動の指導者は、明治維新から近代国家となった日本を模範にした。運動を担う人材を育成しようと、多い時期で二百人ほどが日本に留学していたといわれる。・・・両陛下はこの「ベトナム残留元日本兵」の家族と面会する予定もある。両陛下は関連する新聞記事にも目を通すなどして、入念な準備を重ねていたという。戦争によって引き裂かれた家族に心を寄せておられるのだろう。そのお気持ちがにじんでいる。パラオやフィリピンなどへの「慰霊の旅」にも通じるものがある。 ロシアの闇 重苦しい沈黙が覆う(2017/02/28東京新聞) 沈黙は重苦しさを増すばかりだ。大政翼賛のプーチン体制の下で少数意見が封じられるロシア社会。野党指導者ネムツォフ元第一副首相が暗殺されて二十七日で二年。真相は闇の底に沈んでいる。ネムツォフ氏の盟友だった反体制活動家のカラムルザ氏(35)が今月二日、突然体調を崩し入院した。原因不明の多臓器不全で一時は昏睡(こんすい)状態に陥ったが、一命をとりとめた。・・・カラムルザ氏の妻は米CNNテレビの取材に「夫への犯行を助長するような社会の風潮をつくりあげたことに責任がある」と語り、プーチン政権を非難した。腐敗告発のブロガーとしても人気のある野党指導者のナワリヌイ氏に八日、有罪判決が下ったことも、野党には衝撃だった。ナワリヌイ氏は横領事件の主犯として一三年にも有罪となったが、欧州人権裁判所が裁判の不公正を認めたのを受け、審理差し戻しになっていた。ナワリヌイ氏は来年の大統領選では、プーチン氏の有力対抗馬になると目されていた。それが法的に出馬は厳しくなった。「シロビキ」と呼ばれる軍や治安機関を主要な政権基盤とするプーチン氏は、八割を超す支持率を誇る。半面、もの言えぬ国の暗さが政権にはつきまとう。 パリ市長、トランプ氏発言批判 もはやパリでないは「愚か」(2017/02/28東京新聞) 宮城、福島で震度5弱 M5・6、津波の心配なし(2017/02/28東京新聞) 100%太陽光発電の島、3カ月たってわかったこと(2017/02/28ナショナルジオグラフィックス) 必然的に、住民は船の運行スケジュールに翻弄された。補給船は2週間に1度来ることになってはいたが、天候や機械のトラブルによる遅延はしょっちゅうであり、2週間が数カ月に延びることさえあった。食料や燃料が配給制になることも多かった。・・・ ディーゼルから太陽光に電源を切り替えても、タウ島での生活はこれまでと変わりない。人々は働き、プランテーションの手入れをし、教会に通い、休息し、それを繰り返すという日課を、3つの村の人々は混乱することなく続けている。実際、2016年11月にASPAとソーラーシティ社が公式にソーラー発電施設の「スイッチを入れた」(同時に、ディーゼル発電のスイッチが切られた)とき、島じゅうの電灯はかすかな点滅すらしなかったのだ。 「プーチンなきロシアを」大規模デモ(2017/02/27琉球新報) 「普天間は県外に」 翁長知事、外相に要請(2017/02/27琉球新報) 反トランプのイラン人受賞 米アカデミー賞ジブリ、沈黙逃す(2017/02/27琉球新報) <福島第1>廃炉工程 ようやく登山口(2017/02/27河北新報) 学長に辞任勧告 府民の信頼を揺るがす(2017/02/27京都新聞) 京都府立医科大付属病院(京都市上京区)が指定暴力団組長の収監見送りを巡って虚偽の文書を作成したとされる事件で、府立医大の教育研究評議会が、暴力団組長との交際が指摘され道義的責任は重いとして、吉川敏一学長に辞任を勧告した。府民の負託を受け、高い倫理性が求められる高等教育機関の長が、反社会団体のトップと親密な関係にあったのなら、深刻な問題だ。道義的責任は免れず、辞任は当然といえる。 米欧の溝 価値観共有で真の絆を(2017/02/27東京新聞) 米トランプ政権幹部らが米欧の結束を確認した。欧州は安堵(あんど)したが、強硬なトランプ大統領との溝は、なお深い。人権重視や国際協調などの価値観共有を訴え、真の信頼関係を築きたい。・・・マティス、ペンス両氏とも、NATOを支える国防費増額を加盟各国に求めた。メルケル独首相は要求に応じる考えを示した。しかし、これでは既定路線にすぎない。かろうじて確認されただけの絆では心もとない。不安要因も多い。トランプ氏が敵視する米CNNテレビによると、トランプ氏への影響力が強いとされるバノン首席戦略官兼上級顧問は、ペンス氏訪欧の一週間前、独外交官に、EUには欠陥があり、加盟各国との二国間の関係強化を望んでいる、と伝えたという。ペンス氏、バノン氏どちらの対応がトランプ政権の本音なのか、混乱は広がる。 保育園落ちた いつになれば解消する(2017/02/27東京新聞) 四月の保育所入所をめぐり、今年も「保育園落ちた」の悲痛な声が相次ぐ。首相は新年度末までの「待機児童ゼロ」の目標達成は困難との見方を示した。対症療法でなく抜本的に政策転換すべきだ。積年の待機児童問題はいつになったら解消するのか。・・・もっと政策の優先度を上げて予算を投じ、国の基準を満たした保育所を増やす。保育士の給与引き上げも一部でなく全体の処遇改善につながる政策が必要だ。国はいまだに正確な待機児童数を把握していない。自治体によっては認可保育所に入れずに育休を延長したり、認可外施設などに入った場合は待機児童に数えていない。こうした「隠れ待機児童」を含めて九万人規模とも。都会の問題だとみられてきた待機児童は地方にも広がっている。 予算案、今夕衆院通過 総額97兆円、過去最大(2017/02/27東京新聞) 衆院予算委員会は27日、一般会計総額が97兆4547億円と過去最大となる2017年度予算案を自民、公明両党の賛成多数で可決した。夕方の本会議でも可決され衆院を通過する見通しだ。憲法の衆院優越規定により、参院送付の日から30日以内に議決がなければ自然成立するため、年度内成立が確定する。・・・ 「安倍首相 頑張れ」 園児宣誓は不適切 衆院予算委で首相答弁(2017/02/27東京新聞) |