両陛下、激戦地慰霊へ 戦後71年、フィリピン訪問(2016/01/27朝日新聞)
天皇、皇后両陛下は26日、羽田発の政府専用機でフィリピンに入った。国交正常化60周年にあたり同国から招待があり、親善行事に臨む。日本とフィリピンの戦没者を悼む碑も訪れる。戦後70年を過ぎても、太平洋戦争の激戦地への慰霊の旅は続く。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12179368.html?ref=pcviewpage
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(時時刻刻)核のゴミ、見えぬ行き先 最終処分場、19道府県すでに拒否 朝日新聞調査(2016/01/27朝日新聞)
原子力発電所から出る高レベル放射性廃棄物をめぐり、4割の19道府県がすでに最終処分場の立地を受け入れない方針を固めていることが、朝日新聞の調査でわかった。岩手、岐阜、高知、熊本など15府県は選択肢から「受け入れない」を選び、明確に拒否した。北海道、新潟、岡山、宮崎の4道県は「その他」を選んだが、記述欄で事実上拒否する考えを示した。・・・高レベル放射性廃棄物は温度や放射能が下がるまで数万年〜10万年保管する必要があり、処分場は地盤や地下水が長期間安定していることが求められる。海底の地下を含む沿岸部は、一般に地下水の流れが緩やかとされ、廃棄物の陸上での輸送が短くてすむが、経産省の担当者は「あくまでワン・オブ・ゼムの選択肢」と強調する。・・・ 国はなぜ最終処分場を造らなければならないのかを国民に丁寧に説明していない。そこから改めるべきではないか。現状では、多くの国民が知らないまま、財政難の自治体に、国がお金と引き換えに押しつけて終わりになる恐れがある。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12179263.html
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(社説)ポーランド 守るべき民主化の精神(2016/01/27朝日新聞)
政府当局や公権力から独立した司法とジャーナリズムは、民主主義に不可欠である。その二つがあってこそ権力と市民の力のバランスが保たれ、健全な社会が築ける。政権による介入は厳に慎むべきだ。ポーランドでいま、司法と報道の操作を狙う政府の介入が目立つ。昨秋に発足した保守強硬派のシドゥウォ政権による露骨な法改正や人事である。この国が民主国家として歩み始めて四半世紀になる。社会主義時代に抑えられた人権や言論の自由を少しずつ進展させ、04年には念願の欧州連合(EU)加盟も果たした。・・・旧東欧では、ハンガリーのオルバン政権も近年、同様に権威的な政治に終始している。両国の背景に共通するのは、EUの価値観への疑問だ。社会の寛容や、人権、民主主義といった理念を実践するよりも、自国の狭い国益を追う姿勢の方が国民受けする現実がある。しかし、議論や説得を省き、効率よく統治しようとする乱暴な政治は、安定した社会をもたらさない。民主主義とは本来、面倒で煩雑なものであり、その手続きがあってこそ、政府と市民の間の信頼が生まれる。ベルリンの壁が崩れたとき、ポーランドもハンガリーも自由社会の建設を誓ったはずだ。当時を思い起こし、民主化の理念を継承するよう、望みたい。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12179208.html
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廃棄カツ流通、6万枚超 複数の卸売業者が認める(2016/01/27朝日新聞)
廃棄食品の横流し問題で、カレーの壱番屋(愛知県一宮市)が廃棄を委託した冷凍カツ6万枚超が食品として流通していことが、複数の卸売業者への取材でわかった。約1年間でビーフカツ約4万3千枚、チキンカツ約2万3千枚にのぼり、愛知、岐阜両県が流通経路を調べている。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12179356.html
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国会代表質問 首相は正面から答えよ(2016/01/27京都新聞)
安倍晋三首相の施政方針演説などに対する各党代表質問が、衆院本会議で始まった。憲法改正や沖縄県の米軍普天間飛行場の移設問題など重要な課題が山積している。ところが、安倍首相は多くの論点について、正面から答えようとせず、議論の深まりを欠いた。・・・安全保障関連法に関する質問では、首相は「憲法に合致していることは言うまでもない」と述べただけで、それ以上の説明はなかった。だが、多くの憲法学者は憲法違反の疑いを指摘し続けている。なぜ、違憲でないと言えるのか。首相自ら約束したように、国民への丁寧な説明を続けるべきだ。普天間飛行場の移設問題では、法廷闘争を含めて、なりふり構わぬ強引な対応を続けながら、「理解を得るための努力を続ける」という言葉はむなしく響く。
http://www.kyoto-np.co.jp/info/syasetsu/20160127_4.html
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国会代表質問 「建設的議論」はどこへ(2016/01/27東京新聞)
安倍晋三首相の施政方針演説に対する各党代表質問。野党側は提案を織り交ぜて見解をただしたが、首相は政権が進める政策の正当化に終始した。建設的な議論には残念ながら至らなかった。・・・岡田氏は与党が成立を強行した安全保障関連法について「集団的自衛権が行使できるとの政権の考え方は憲法違反」として、安保関連法廃止法案や、武力攻撃に至らない事態に対処する領域警備法など独自の法案を今国会に提出する考えを表明した。これに対し、首相は安保関連法が「憲法に合致することは言うまでもない」と、岡田氏の主張を一顧だにせず、「法案を提出するのなら全体像を一括して示してほしい」と、逆に注文を付けた。子どもの貧困対策や格差是正策も同様に一方通行だった。・・・甘利明経済再生担当相の金銭授受疑惑について、首相は「事実関係をしっかりと調査し、国民に説明責任を果たしてほしい」と答弁した。どこか人ごとだ。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016012702000135.html
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辺野古に全国からブロック届く 300人参加、積み上げ戦術(2016/01/27琉球新報)
【辺野古問題取材班】米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古への新基地建設に反対する市民ら約300人が27日早朝から米軍キャンプ・シュワブのゲート前で建設工事を阻止しようと座り込んでいる。午前11時現在、工事関係車両は確認されていない。
http://ryukyushimpo.jp/news/entry-211221.html
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宜野湾市長選 移設の免罪符ではない(2016/01/25京都新聞)
米軍普天間飛行場を抱える沖縄県宜野湾市の市長選は、飛行場の名護市辺野古移設計画を進める政府・与党の推す現職の佐喜真淳氏が、移設に反対する新人で元県幹部の志村恵一郎氏を破り、再選を果たした。沖縄では2014年の名護市長選、知事選、衆院選4小選挙区で辺野古反対派が全勝してきたが、飛行場のお膝元では政権側が連敗を止めた形となった。だが、今回の選挙結果で、辺野古移設の免罪符を得られたわけではない。むしろ「世界で一番危険な米軍施設」とされる普天間飛行場に苦しむ宜野湾市でさえ、これほどの反対票がある事実を重く受け止めるべきだろう。・・・だが選挙結果が示したのは、普天間飛行場の早期閉鎖と返還への宜野湾市民の切実な願いであり、辺野古移設への手放しの賛意ではない。事実、共同通信社の出口調査では辺野古移設「反対」が56%を占め、「賛成」の33・2%を上回った。
http://www.kyoto-np.co.jp/info/syasetsu/20160125_2.html
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宜野湾市長選 辺野古信任とは言えぬ(20156/01/25東京新聞)
米軍普天間飛行場がある沖縄県宜野湾市長選は、安倍政権が推す現職が再選を果たした。基地の閉鎖を願う民意の表れだが、名護市辺野古への県内「移設」が信任されたと考えるのは早計だ。・・・政権側は、佐喜真氏が翁長氏の推す候補を破ったことを受けて、辺野古移設に自信を深め、作業を加速することになるだろう。とはいえ、辺野古移設が宜野湾市民に「信任」されたと考えるのは早計だ。佐喜真陣営は選挙戦で普天間飛行場の固定化回避には言及したものの、辺野古移設推進を直接訴えたわけではないからだ。・・・安倍政権は県民の民意を尊重して、辺野古移設を強引に進めるべきではない。県内に米軍施設を新設しなければ普天間返還は進まないという、住民を分断する姿勢も改めるべきだ。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016012502000142.html
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<社説>佐喜真氏再選 新基地容認ではない 国に「5年以内」閉鎖責任(2016/01/25琉球新報)
宜野湾市長選で佐喜真淳氏が再選を果たした。佐喜真氏の1期4年の実績を市民が評価し、今後の市政運営に期待した結果である。ただし佐喜真氏再選で沖縄の民意が米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設容認に変わったわけではない。佐喜真氏は選挙戦で辺野古移設の賛否を明言せず、市民が容認したことにはならないからだ。
http://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-209783.html
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中南米、ジカ熱の感染拡大 ブラジルで50万〜150万人の勢い(2016/01/25朝日新聞)
蚊が媒介する感染症「ジカ熱」が中南米で拡大を続けている。感染者が最も多いブラジルでは先天的に頭部が小さい「小頭症」の新生児の報告件数が急増しており、妊娠中の女性がジカウイルスに感染したことが原因との見方が強まる。危機感を持つ各国は、妊娠中の女性に注意を呼びかけるとともに、予防対策に本腰を入れ始めた。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12176403.html
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ホームレスがつづる生と死 「路上文学賞」、本音を発信(2016/01/25朝日新聞)
作者はホームレス――路上生活をしている、またはその経験があることを応募資格とした文学賞がある。11月末に第4回の受賞作品が発表された「路上文学賞(路文)」。主催者は、作品を通じてホームレスと社会が触れ合うことを目指している。・・・「ああそうだったのか。ゆうべは人がかわったように楽しく酒をのんで、いつもなら自分の事はけっして言わない男が、ゆうべにかぎってふるさとの妹や姉さんのことなどよく話したなぁーあれがこの世の話し終りだったのか」今回、大賞に選ばれたペンネーム川岸生男さんの作品「ネコと一人の男と多摩川」の一節だ。東京都と神奈川県境を流れる多摩川沿いの別名「多摩川村」で、集めたアルミ缶を売りながらネコの花子と暮らす缶太郎が主人公。缶太郎は「川岸から4mぐらいの高さのちょっと川中にせり出した所」に暮らして8年になる。ここでは「一年を通していろいろな出来事が流れて行く」。自殺した友人と直前まで一緒に過ごした缶太郎の心象は、川岸さんの体験に基づく。
http://digital.asahi.com/articles/ASHD83R5GHD8UQIP009.html
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(声)右傾化の空気には流されない(2016/01/25朝日新聞)無職 忍足良夫(埼玉県 67)
「日曜に想(おも)う」(17日朝刊)を読んで考えさせられた。「9」とプリントされているシャツを着ていた音楽番組キャスターのピーター・バラカンさんが、2人の警官に呼び止められたという話だ。「どこかへ抗議に行かれる予定ですか」「抗議活動があれば事前に把握したいので」と言われ、驚いたそうだ。安倍政権になってから特定秘密保護法が制定され、昨年は安全保障法制が成立するなど、憲法とりわけ9条を巡って世論は分かれている。それなのに、安倍政権は参院選で3分の2以上の議席を取り、「緊急事態条項」を突破口に改憲の道を開き、9条改正などに進んでいこうとしている。右傾化の空気を忖度(そんたく)してか、自治体などが公的施設での市民活動を「政治的」と制限することも起きている。怖いのは国民が自ら萎縮することだ。空気を読んで何もしないことは現状肯定どころか憲法軽視で、立憲主義を危うくする。空気に流されずに、何が正しくて何が正しくないのかをしっかり判断する。そして、どこに行くかは自分で考えて決める以外にはないと想った。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12176350.html
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シリアの内戦「軍事的解決も」 バイデン米副大統領(2016/01/24朝日新聞)
トルコ訪問中のバイデン米副大統領は23日、ダウトオール首相と会談後に共同記者会見し、シリア内戦について「政治的解決が不可能なら、我々(米国とトルコ)は過激派組織『イスラム国』(IS)掃討へ軍事的解決も準備する」と述べた。米国は2014年9月以来、主導する有志連合参加国と対IS空爆を続けるが、地上部隊は派遣していない。バイデン氏の発言は、和平へ状況が改善しない場合、米国は対IS軍事関与を深める選択肢があることを示す狙いとみられる。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12175153.html
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(社説)廃棄食品問題 問われる日本の「食」(2016/01/24朝日新聞)
本来は処分されなければならない産業廃棄物が「食品」に化け、市場に出回っていた。カレーチェーンを全国展開する壱番屋の冷凍カツで発覚した、愛知県の産廃業者による廃棄食品の横流し。市場に出回るまでに冷凍が解けた形跡があり、消費者に健康被害をもたらす可能性もあった。業者は弁護士に「売るためにやった」と認めている。ルールを無視した行為に驚くばかりだ。・・・ 国内で出る食品の産廃は年間250万トンにも及ぶ。その一因とされるのが食品業界の「3分の1ルール」だ。製造から賞味期限までの3分の1を過ぎた商品は小売店へ納品できず、小売店は3分の2を経過した時点で店頭から下げる商習慣だ。まだ食べられる食品が、大量に破棄されることが織り込まれている日本の「食」――。今回の問題は、その現実を改めて白日の下にさらしたとも言える。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12175031.html
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(声)私の一票、将来と向き合う党に(2016/01/24朝日新聞)高校生 田中駿介(北海道 18)
18歳と19歳も今夏の参院選で投票できる。そんな中で飛び出してきたのが、高齢者に3万円を配る臨時給付金。65歳以上で住民税を課されていない約1100万人が対象で、国は4月から参院選前の6月にかけて配る予定だ。3624億円にもなる。我が国の財政健全化は、待ったなしの状況なのに。給付金は若者よりも、投票率の高い高齢者への「選挙対策のバラマキ」と言われても仕方がないと思う。子供や若い世代の貧困が大きな社会問題になっており、与党内からも「高齢者優遇」と批判が出た。にもかかわらず、今国会で成立してしまった。一方で、政党が主張を訴えるため、スマートフォン向けアプリを準備する動きがあるようだ。18歳選挙権の対策だろうか。政策を訴えることは重要だが、将来を見据えた議論のためではなく、若者にすり寄ることだけが目的ならば、高齢者へのバラマキと同じだ。私は、次世代への負担軽減に真摯(しんし)に向き合う政党に一票を投じたい。同世代にも、こう呼びかけたい。選挙に行こう。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12175024.html
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(声)認知症の妻、行き先あるのか(2016/01/24朝日新聞)無職 二宮剛(東京都 79)
81歳の妻が認知症病棟に入院していて、毎日のように足を運んでいます。一般病棟の患者さんとは異なり、トイレなどは全ての方に介助が必要で時間が長くかかります。面倒を見てくださるスタッフの大変さに、感謝の思いでいっぱいになります。ところが、その病院にはいつまでもいられないのです。入院時に、期間は90日という書面を渡されているからです。特別養護老人ホームへの入所は、何年も待たなければならないのが現状です。要介護5の我が妻を自宅で介護するのは到底無理ですが、さりとて民間の介護施設への入所となると、びっくりするような費用がかかります。では、これから先どうすればよいのか。これから先どうなるのか。今の日本には、私と同じ心境の方々が多くいらっしゃるのではないでしょうか。急速な高齢化と、それに伴う認知症の人の急増は、日本社会の緊急の問題です。国も政治家も、目の前の課題として真剣に取り組んでほしいと思います。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12175026.html
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最大の素数、更新 2233万桁 米大学が発見、2013年以来の記録(2016/01/24朝日新聞)
米セントラルミズーリ大は21日、1とその数自身以外では割りきれない素数を研究している同大のカーチス・クーパー教授(計算機科学)が、過去最大となる約2233万桁の素数を発見したと発表した。これまでより約500万桁大きい。素数は無限に存在することが証明されているが、どのように出現するかは現在もわかっていない。素数は電子商取引などで使われる暗号に応用されている。大きな素数の発見は、より解読が困難な暗号の作製につながり、コンピューターによる計算技術の向上にも役立つと期待される。クーパー教授は、世界中のコンピューターをつなげて素数を探すプロジェクト「GIMPS」のメンバー。「2●(●はn乗)−1(2をn乗して1を引いた数)」で表される「メルセンヌ数」から素数を見つける方法で素数探しを続けている。
これまでの最大は、2013年にクーパー教授が見つけたn=57885161(1742万5170桁)。今回はn=74207281が素数であることを約800台のコンピューターを駆使した計算で突き止めたという。3で始まり1で終わる2233万8618桁の数字だ。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12175134.html
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施政方針演説 改憲の説明が足りない(2016/01/23京都新聞)
安倍晋三首相は年頭の記者会見で、夏の参院選の争点として憲法改正を掲げると表明した。野党の一部と連携して改憲の国会発議に必要な定数の3分の2を目指す考えも示している。にもかかわらず、安倍内閣で過去最多の約1万2700字に及ぶ施政方針演説のうち、改憲に触れたのは末尾の「私たち国会議員は正々堂々と議論し、逃げることなく答えを出していく」といった100字弱にすぎず、どう改憲するかには言及しなかった。これでは国民に対して不誠実ではないか。昨年の施政方針演説でも、首相は安全保障法制について「あらゆる事態に切れ目のない対応を可能とする安保法制の整備を進めていく」と述べるにとどめ、具体論に踏み込むのを避けた。その後、歴代の政権が禁じてきた集団的自衛権の行使を可能にする安保関連法案に対し、多くの憲法学者が憲法違反の疑いがあると指摘し、世論調査で6割が反対したが、与党の数の力で半ば強引に成立させた。同じように論点を隠す手法を繰り返すつもりなのだろうか。
http://www.kyoto-np.co.jp/info/syasetsu/20160123_4.html
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週のはじめに考える なぜ賃金は上がらない(2016/01/24東京新聞)
企業はもうかっているのに賃金は増えない。なぜそのようなことになるのか。その究明抜きに政府が強引に介入しても賃上げは実現しないでしょう。株価の乱高下が影を落としています。アベノミクスの数少ない功績の「円安・株高」が揺らいでいるのですから。これまで企業をもうけさせてきたのは円安です。問題は、好業績が賃金増につながらず、だから消費や投資への波及という好循環が生まれないことです。いら立つ政府は「内部留保ばかりため込まず賃金を増やせ」と言うのですが、短兵急は現政権の悪い癖でしょう。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016012402000126.html
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<社説>施政方針演説 民意に反した施策改めよ(2016/01/23琉球新報)
自らの看板政策を前面に、生活支援の姿勢をアピールする内容だった。夏の参院選を強く意識しているからに違いない。
安倍晋三首相が国会で施政方針演説を行った。第2次安倍内閣発足後、同演説は4回目だが、新たに掲げた「1億総活躍社会」や、地方創生などの看板政策を強く主張した点が特徴だろう。・・・ 「世界で一番企業が活動しやすい国」を掲げて労働分野の規制改革を進めてきた安倍政権下で、格差はむしろ拡大していないか。非正規労働者の割合が全国で最も高い沖縄ではより深刻な問題だ。・・・首相は「沖縄の皆さんと対話を重ね、理解を得る努力を続ける」と述べた。その言葉にうそがないなら、民意に反した施策を押し付ける愚行をまず改めるべきだ。
http://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-208861.html
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難民申請、大幅増7500人 認定は27人、低水準 昨年(2016/01/23朝日新聞)
日本で昨年、難民認定を申請した外国人は7586人で、5年連続で過去最多を更新したと、法務省が23日付の速報値を発表した。一方、難民と認められた人は27人。前年より16人増えたものの、認定に消極的な姿勢は変わっていない。法務省によると、申請者数は2年連続で前年比5割増と、大幅な増加が続いている。国籍別では、ネパールが最多の1768人。続くインドネシアは、一昨年まで十数人程度だったが、2014年から日本への入国にビザ(査証)が必要となる条件が緩和されたことを受けて、969人に急増した。全体の8割はアジア地域からで、シリアは5人だった。・・・日本も加わる難民条約は、人種や宗教、政治的意見などで迫害されて母国を逃れた人を難民と定めている。日本は条約を厳格に解釈し、「武力紛争」から逃れただけでは難民と認めていない。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12173320.html
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米ステルス14機、横田基地に(2016/01/23朝日新聞)
F22は、レーダーに映りにくい世界最高水準のステルス機能を持ち、防空網をかいくぐるとされる。防衛省などによると、横田基地に着陸したF22は米アラスカ州にある米太平洋軍の空軍基地に所属。事前の連絡はなかったという。・・・ 同司令部はF22について「横田からいつどこへ向かうのかは明らかにできない」としている。(二階堂勇)
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12173372.html
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(社説)施政方針演説 「挑戦」というならば(2016/01/23朝日新聞)
甘利経済再生担当相の現金授受疑惑で与野党がざわつく中、安倍首相がきのう、施政方針演説に臨んだ。首相が演説で掲げたキーワードは「挑戦」である。その対象として、世界経済の新しい成長、地方創生、1億総活躍、外交の4分野を挙げた。・・・首相にとって憲法改正は重要な「挑戦」なのだろう。いまから問題提起をしておくことで、参院選での議論の地ならしをする狙いもありそうだ。安保法制の時のように、選挙前はあまり語らず、選挙後に数の力で押し通そうとするよりは、まだわかりやすい。半面、国民の人権や暮らしが脅かされるような不備がいまの憲法にあるのか、あるならばどう改正すべきなのか、そうした論点を首相は語っていない。緊急事態条項がそれにあたるのかどうかもはっきりしない。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12173231.html
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(声)食品の廃棄量が多すぎないか(2016/01/23朝日新聞)留学生 グエン・ティ・トゥイ(千葉県 21)
有名カレーチェーンのビーフカツが産廃処理業者によって横流しされ、店頭で売られたことが大きな問題になっている。私は日本のスーパーで数カ月間アルバイトをしているが、私の国ベトナムと比べて、毎日多くの食品が廃棄されていること自体を残念に思っている。日本の食品は、売れ残ったら廃棄されることが多い。日本の食料自給率はカロリーベースで40%ほどしかないのに、毎日多くの食料が捨てられているのは、非常にもったいないと感じる。食べ物を粗末にしているように思うのだ。食料をつくるためには、たくさんのお金がかかっている。それだけではなく、多くの人たちの工夫と労力、時間もかかっている。安易に捨ててしまうことは、つくった人たちの工夫や労力を尊重していないことになる。日本は経済大国で、食料不足を心配しなくていいかもしれない。しかし、世界では毎日たくさんの人々が飢餓が原因で亡くなっている。日本人は、たくさんの食べ物を廃棄してしまっていいのだろうか。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12173238.html?ref=pcviewpage
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基地移設、ひとごとじゃない 米軍とかかわる他県の街は 宜野湾市長選、あす投開票(2016/01/23朝日新聞)
東京都福生市は、面積の3分の1を米空軍横田基地が占める。フェンスから約100メートルの工房で人形などを作るアーティスト、後藤力さん(46)は軍用機の騒音に時折、耳をふさぐ。ここに来年、本土で初めて新型輸送機オスプレイが配備される。当初、沖縄への配備が有力視されたが、日米両政府が沖縄を刺激しないよう配慮し、横田に決まったとされる。後藤さんは「安全性に不安はあるが、沖縄の負担が軽くなるなら仕方ない」と言う。沖縄では選挙のたびに基地問題で地域が分断されてきた、と聞いた。「負担が重すぎるからだろう。ひとごとと思わず、リアリティーを持って考えないといけない」・・・相模原市内で基地の監視を続ける市民団体の代表、沢田政司さん(64)は、自民党が支援する現職が辺野古移設計画に言及していない点に注目する。「辺野古移設を明言すると反発が大きいから言えないのだろう。それが沖縄の民意。だからこそ、現職が勝っても辺野古移設推進の民意が得られたとはならないし、移設反対の新顔が勝てばなおさら計画は見直すべきだ」と語った。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12173291.html
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<社説>甘利氏疑惑 真相解明へ説明責任果たせ(2016/01/22琉球新報)
「政治とカネ」をめぐる問題がまたも浮上した。しかも安倍政権の重要閣僚に関する疑惑だ。甘利明経済再生担当相が、都市再生機構(UR)とのトラブル解決の謝礼などとして千葉県の建設会社側から現金計100万円を直接受け取っていたと、週刊文春が報じた。
文春によると、秘書を含め甘利氏側への現金や接待などは証拠が残っているものだけで1200万円に上る。甘利氏は徹底的に説明を尽くさねばならないことは言うまでもない。第2次安倍政権の発足から3年がたつが、政治とカネをめぐる問題がたびたび噴出し、閣僚らの辞任が相次いだことは記憶に新しい。今回の疑惑が事実なら、その中でもかなり重大な問題であろう。
http://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-208202.html
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太陽系に第9惑星の証拠見つかる(2016/01/21ナショナルジオグラフィックス)
太陽系外縁部の極寒の暗がりに、地球より大きい未知の惑星が潜んでいる可能性が出てきた。学術誌『アストロノミカル・ジャーナル』2016年1月20日号に発表された研究によると、カイパーベルト(海王星軌道の外側にある天体密集領域)にあるいくつかの天体の奇妙な軌道を調べると、未知の大きな惑星の重力が作用している形跡が見てとれるという。(参考記事:「カイパーベルトで新たな準惑星を発見か」、「カイパーベルトの密度の変遷」)つまり、これらの奇妙な軌道が、未知の大きな第9惑星が太陽系外縁部に潜んでいる証拠である可能性が出てきた。「太陽系にもう1つ惑星があるなら、これだと思います」と、米カリフォルニア大学サンタクルーズ校のグレッグ・ラフリン氏は言う。
http://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/16/012100021/
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高浜原発3号機、29日再稼働へ 新基準で3基目、MOX使用は初(2016/01/22福井新聞)
関西電力が29日に高浜原発3号機(福井県高浜町)の原子炉を起動し、再稼働させる方向で最終調整していることが21日、分かった。原子力規制委員会による新規制基準施行後、九州電力川内(せんだい)原発1、2号機(鹿児島県)に次いで3基目の再稼働で、プルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を使った初めてのプルサーマル発電となる。・・・東日本大震災後の関電の原発稼働は、2013年9月に大飯4号機が停止して以来で、高浜3号機は約3年11カ月ぶりの稼働となる。関電は13年7月に高浜3、4号機の再稼働に必要な審査を規制委に申請。15年2月に審査に合格したが、福井地裁が約2カ月後に再稼働を認めない仮処分を決定。同12月に決定が取り消され、再稼働が可能となった。それを受け、関電は3号機の原子炉にMOX燃料24体を含む157体の燃料集合体を装荷。
http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/npp_restart/88003.html
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震災復旧談合 被災地を裏切る行為だ(2016/01/22京都新聞)
東日本大震災で被災した高速道路の復旧工事で談合を繰り返したとして、東京地検特捜部と公正取引委員会が、独占禁止法違反(不当な取引制限)の疑いで、道路舗装会社の家宅捜索を始めた。大手を中心に10社以上が談合に加わり、落札会社を決めていた疑いが持たれている。被災地の生活を支えるための道路である。税金を無駄遣いすることは、被災者の思いを踏みにじるものだ。事件の構図を明らかにしてほしい。問題になったのは、震災から約半年後の2011年8〜9月に東日本高速道路東北支社が入札を行った東北、常磐、磐越自動車道など12件の舗装工事だ。いずれも異なる会社が落札しており、大手の営業担当者が中心になって落札会社を割り振っていた疑いがある。落札総額は約176億円で、国からの補助金160億円が交付された。工事発注者の見積額である予定価格と、入札による落札額の比率を示す平均落札率は94・77%に達し、7件で95%を超えた。・・・震災復興には、15年度までに総額約26兆円もの巨額の予算が組まれた。さらに、20年度までに6兆円が追加される予定だ。資材費や人件費の高騰で入札不調も相次ぐが、納税者である国民を裏切る行為は決して許されない。
http://www.kyoto-np.co.jp/info/syasetsu/
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廃棄カツ横流し 食の安全をどう保つか(2016/01/22京都新聞)
カレーチェーン店の廃棄冷凍カツが横流しされていた事件が、拡大する気配をみせている。横流しが冷凍食品メーカーや大手コンビニの廃棄食品にまで広がる様相を呈しており、賞味期限切れの食品が不正に流通していた恐れも出てきた。健康被害にもつながりかねない事態であり、「格安」の名の下に廃棄食品を買わされていた消費者はたまったものではないだろう。一体いつから、どんな規模で横流しが行われてきたのか。警察は食品衛生法違反容疑などでの立件を視野に本格的な捜査に乗り出したが、徹底した全容解明を求めたい。・・・みのりフーズの倉庫では、壱番屋の製品以外に、生協のマグロ切り身や長野県の会社のみそなど108品目が保管され、ほとんどが賞味期限切れだった。それらの販売元や製造元は判明しただけで24自治体に広がり、滋賀県も含まれている。さらに、冷凍食品の「ニチレイフーズ」や流通大手の「セブン&アイ・ホールディングス」などがダイコーに食品廃棄を依頼したことを明らかにし、横流しされた可能性も出ている。
http://www.kyoto-np.co.jp/info/syasetsu/20160122_2.html
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春闘経営側指針 非正規と中小に波及を(2016/01/21京都新聞)
しかし、アベノミクスの大規模な金融緩和による円安株高で、企業収益は過去最高水準にある。ため込んだ内部留保も過去最大の354兆円となっている。その上、法人税の実効税率は経済界の要望に基づき、前倒しで16年度に29・97%、18年度には29・74%へと引き下げられる見通しだ。恩恵を受けるだけで、還元を怠ることは認められない。17年4月には消費税率が10%に引き上げられる。労働者の生活を維持し、個人消費を回復させるため、業績が伸びている大企業は率先してベアを含む賃上げに取り組むべきだ。労働側の連合もベア要求を15年の「2%以上」から「2%程度を基準」に引き下げており、妥結額は前年を下回る公算が大きい。ボーナスや手当を含めた年収の上積みが労使交渉の中心となる見込みだが、業績に左右されるボーナスの引き上げだけでは消費に回る分は限定的で、政権が目指す景気回復につながるかは不透明だ。
http://www.kyoto-np.co.jp/info/syasetsu/
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甘利氏、金銭疑惑「精査し説明」 野党は早期辞任を要求(2016/01/21東京新聞)
甘利明経済再生担当相は21日の参院決算委員会で、週刊文春による金銭授受報道について「私の記憶と一部が違う。精査してから、きちんと申し上げる」と述べ、調査の上で説明責任を果たす意向を明言した。同時に「法律に違反することはしていない」と強調した。一方、野党側は早期辞任を要求した。環太平洋連携協定(TPP)交渉を主導し安倍内閣の主要閣僚である甘利氏の疑惑は、国会審議の火種となりそうだ。
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2016012101001237.html
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首相「改憲」発言 改正ありきは慎まねば(2016/01/21東京新聞)
安倍晋三首相が夏の参院選で憲法改正を争点に掲げる方針を鮮明にしたが、どの部分の改正が必要か必ずしも明確ではない。国民の命運を左右する憲法である。改正ありきの姿勢は厳に慎むべきだ。・・・憲法は主権者たる国民が権力を律するためにある。いくら非常時とはいえ国会から立法権を奪ったり、基本的人権を侵害する憲法を認めるわけにはいかない。与党内では衆参同日選の可能性も取り沙汰されるが、その間「緊急事態」が起これば、国権の最高機関たる国会が機能しなくなる恐れがある。改憲派は、だからこそ改正が必要だと言いたいのだろうが、国民のことを考えるなら、そもそも同日選は理屈に合わない。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016012102000139.html
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キャスター降板 何が起きているのか(2016/01/21東京新聞)
NHKや民放のニュース番組で著名なキャスターらが相次いで降板すると報道されている。安全保障関連法案について厳しい立場だった人もいる。放送の世界でいったい何が起きているのだろうか。テレビ朝日「報道ステーション」のメーンキャスターを務める古舘伊知郎さんが降板する。同じ三月末にはTBSの「NEWS23」のアンカー岸井成格(しげただ)さんも…。NHKの「クローズアップ現代」のキャスター国谷裕子さんの降板も検討されている。相次ぐ降板報道が、さまざまな臆測を呼んでいる。政権に批判的だったからではという風評もある。確かに古舘さんは記者会見の場でも「キャスターは反権力の側面がある」と語った。岸井さんは安全保障関連法案に対して「廃案に向けて声を上げ続けるべきだ」と発言したこともある。国谷さんは集団的自衛権の問題で、菅義偉官房長官に鋭い質問を浴びせたことがある。まさか三人の降板が権力からの圧力や自制の結果ではないことを祈る。しかし、著名なキャスターの降板は、放送界が政治報道に萎縮しているのではないかという印象を与えることは間違いなかろう。・・・もし政権の意向を忖度(そんたく)したり、報道内容を自粛したりしているならば、放送による表現の自由を定めた放送法の理念にもとる。同法一条の「不偏不党」の言葉の意味は、言い換えれば「自立」か「独立」である。それを保障するのは公権力の側である。「政治的に公平」という言葉も、自由であるからこそ、自律的に公平さを保ってほしいという倫理規定にほかならない。権力から離れ、自らの掲げた理想を目指し、自らの理性に従って権力を監視するのである。テレビが政治的に元気でないと、この国の民主主義も元気に育たない。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016012102000138.html
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ティーンズソウル/2月に全国で高校生デモ 安保廃案求め(2016/01/21毎日新聞)
安保関連法制に反対する高校生らのグループ「ティーンズソウル(T−nsSOWL)」のメンバー5人が21日、参議院議員会館で記者会見し、2月21日に全国で安保関連法制の廃止と安倍政権の退陣を求める全国一斉高校生デモを行うと発表した。・・・「ティーンズソウル」の代表的なコール(呼びかけ)は「とりま廃案(とりあえず、まあ廃案)」だが、今後は「とりま ユナイト(団結)」と呼びかける。福田さんは「国民も野党もメディアも団結を、という意味」と趣旨を説明した。【小林智香子】
http://mainichi.jp/articles/20160122/k00/00m/040/070000c
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<社説>河川に有害物質 米軍も原因特定に協力を(2016/01/20琉球新報)
環境汚染があった場合、即座に発生源を突き止めて汚染を止める必要がある。民間地域なら迅速に対応できるが、米軍基地ではそうもいかない。この状況は何としても改善しなければならない。水道水の水源でもある比謝川(嘉手納町など)などから、国内では輸入や使用が原則禁止されている有機フッ素化合物「PFOS(ピーフォス)」が検出された。ピーフォスは航空機燃料や洗浄剤などに含まれる。嘉手納基地の排水が流入した後、濃度が大きく跳ね上がっていることからすれば、嘉手納基地が汚染源である可能性は極めて高いといえよう。調査した県企業局は「発生源は嘉手納基地の可能性が高く、実態が明らかになれば使用の中止を申し入れる」としている。発生源を特定し、再発を防止するためには立ち入り調査も必要だ。・・・米軍が汚染源とは特定されていないケースでも立ち入り調査ができなければ、不十分である。今回のケースを米側が環境補足協定の対象にするかを注視し、問題点をあらためて浮き彫りにし、実効性ある改正へとつなげたい。ピーフォス濃度の国内基準を設ける必要がある。国内の自然環境下での検出値は水1リットル当たり0・07〜24ナノグラムに対し、大工廻川(沖縄市)では最大1320ナノグラムである。現に高濃度で検出されている以上、関係機関の環境保全意識を高めるためにも基準設定を急ぎたい。
http://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-206913.html
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訪日客過去最多 冷静に戦略を練りたい(2016/01/20京都新聞)
2015年の訪日外国人旅行者が政府の推計で1970万人に達した。消費額は3兆4700億円で、人数、金額とも過去最高だった14年を大きく上回った。この勢いが続けば、東京五輪が開催される20年までに2千万人という政府目標を16年にも達成するとみられている。ただ、大事なのは数字に浮かれることなく、中長期に訪日客を取り込み続けるための冷静な分析と戦略である。官民で一層の知恵を絞りたい。13年以降に訪日客が急増した最大の要因は、為替の円安傾向だ。消費税免税制度の拡充や中国人向けのビザ緩和も追い風になったが、その他の政策の効果はどれだけあったのだろうか。03年に政府が始めた「ビジット・ジャパン・キャンペーン」は日本の観光地や文化の売り込みに寄与したものの、誘客実績がゼロまたは目標の50%未満だった事業も少なくなかったことが、14年の行政評価で明らかになっている。国産品を「クール・ジャパン」と銘打って売り込む手法も、最近は自画自賛の感がしなくもない。・・・外国人訪問客が増えたとはいえ、14年の世界ランキングで日本は22位。1位は年間8400万人が訪れるフランスで、日本は同じアジアの中国、タイ、韓国に比べても少ない。大陸と島国では事情が異なるものの、国際見本市などの誘致で商用を兼ねた客を多く取り込むフランスに学べることもあろう。為替など世界経済の情勢に左右されにくい観光政策を練り上げたい。
http://www.kyoto-np.co.jp/info/syasetsu/
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(声)「微力」も積もれば「威力」となる(2016/01/20朝日新聞)主婦 中嶋由美子(東京都 63)
私はバッグなどに「脱原発」と書いたバッジや「安保法制反対」をアピールするカードを付けています。最初はやや抵抗がありましたが、無言でも意思表示できるこの方法を続けています。電車内でリュックサックに「脱原発」のカードを付けた若い母親を見つけた時は、我が意を得たり。うれしくなって「私もつけてますよ」と声をかけたところ意気投合し、「署名集め、頑張ろうね」と笑顔で別れました。日々すれ違う不特定多数の人々に、さりげなく訴えられるのがこの方法の良さ。抗議集会やデモに行けなくても、誰もが日常的に意思表示を続けられます。小さな発信をきっかけに、そこここに同志が潜在している現実に気づくことができれば、希望が感じられます。意見や情報を交換する無数の輪が生まれ、それらはやがて国民の大きな意思形成へとつながっていくかもしれません。辺野古基地建設やTPP、リニア、消費税アップなど反対したい課題は多々。全国共通版のカードがあれば手っ取り早いですが、手作りもまた良し。「微力も積もれば威力となる」と信じ、日々の意思表示を続けます。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12167517.html
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