右派とリベラルが僅差 オーストリア大統領選(2016年5月23日琉球新報)
【ウィーン共同】オーストリア大統領選の決選投票は22日、郵送票を除いて開票が終了、内務省が結果を発表した。難民の受け入れ厳格化を訴える右派、自由党のホーファー国民議会(下院)第3議長(45)が51・9%を得票、難民らの受け入れに寛容なリベラル政党「緑の党」前党首のファン・デア・ベレン氏(72)は48・1%を得た。
http://ryukyushimpo.jp/kyodo/entry-284106.html
人類を豊かにする科学。人類を滅ぼすかもしれない科学。原子力の災厄を考えるまでもなく科学には2面性があります。弓や鉄砲ではこの地球は滅びないけれど原子力はその使い方を誤ればこの地球でさえ危ういのは周知の事実です。科学力が人類の制御能力を超えた時には、一度それを封印して危険性の少ない科学力をメインに文明を組み立てる。不可能かも知れないけどそれぐらいの自主規制をしないと科学による全世界的な災厄がいつ起こるとも限りません。50年前の科学力と現在の科学力。比較にならない力の差です。では50年前の人間の精神性と今の人間の精神性。果たして向上どころか劣化している部分もあるような気がします。そのアンバランスを考える時、不安や危惧は誰しも持つでしょう。
(日曜に想う)「E=MC2」刻むパンドラの箱 編集委員・福島申(2016/05/22朝日新聞)
初夏の一日に訪ねた広島の平和記念公園は、柔らかな風と緑の中にあった。そのはずれに立つ、不思議な慰霊碑を初めて見たのは、十数年前のことだ。花崗岩(かこうがん)に3人の女生徒の姿が彫られ、中央の少女が抱える手箱には「E=MC2」と刻まれている。アインシュタイン博士が導いた名高い等式である。Eすなわちエネルギーは、質量(m)×光速(c)の2乗に等しい。簡潔にして美しいその式は、一方で核爆弾の原拠でもあった。「とても小さな質量が、とても大きな量のエネルギーに変換されるかもしれないことを示しています」とは博士の言葉だ。天才の理論は米国によって実践され、広島と長崎は壊滅する。・・・爆心から500メートル前後。いま中空(なかぞら)で炸裂(さくれつ)すれば、火の玉は瞬時に私を焼くだろう。あの朝、市立高女の1、2年生約540人は建物疎開の動員でこの付近にいた。だれ一人助かることはなかった。
12歳から14歳ほどの少女たちだ。髪も焼け、口は裂け、目の飛び出た死骸となって折り重なっていた――翌日に付近を探し歩いた家族の証言が残る。材木町と呼ばれたその辺りには他校の生徒も多数動員されていた。「あたかも煮干魚(いりこ)を乾かしたように、誰とも分からない無数の死体が散乱していた」との目撃談がある。直截(ちょくせつ)な表現に、悲しみと非人道への怒りが、きりきりと湧く。そこは今、平和記念公園になり、原爆資料館が立つ。27日には原爆を落とした国の現職大統領が、71年をへて初めてやって来る。思惑含みの政治ショーではなく、無差別に消された幾多の命に「核廃絶」で報いる道程の、揺るがぬ足がかりとする決意は日米の政府にあるか――。・・・そしてそのことは、先の戦争での責任に日本が真摯(しんし)に向き合うことと一対である。被爆した詩人、故・栗原貞子さんの一節を思い出す。「〈ヒロシマ〉というとき/〈ああヒロシマ〉と/やさしくこたえてくれるだろうか/〈ヒロシマ〉といえば〈パール・ハーバー〉/〈ヒロシマ〉といえば〈南京虐殺〉……」
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両手を合わせて女生徒の碑に向き合うと、等式が刻まれた手箱は、かのパンドラの箱にも思えてくる。アインシュタインはのちに、原爆製造を当時のルーズベルト米大統領に促す手紙に署名したことを「人生で大きな間違いを犯した」と悔いた。人間があけてしまった箱は人間が封じるほかはない。歴史的訪問を歓迎し、核廃絶へ、山を動かす意志を新たにしたい5月である。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12370130.html
自然エネルギーの恵まれた環境。地熱、風力、太陽光、水力、潮力など地形、立地に恵まれた日本が原発から再生可能エネルギーに舵を切ることには大きな問題はないと思われます。むしろ国がその流れに水を差しているように思えます。リスクの大き過ぎる原発政策を何故に守ろうとするのか。それは決してエネルギー問題ではなく原子力とお金を巡るよこしまな圧力としか思えません。いつどこで破壊的な大地震が起こるかも知れないこの国で、即時原発を廃止することに何をためらうのでしょうか。
「原発延長で変革遅れる」 ドイツ環境相、日本に助言(2016/05/21朝日新聞)
来日中のヘンドリクス独環境相が20日、東京都内の日本記者クラブで会見した。福島第一原発事故を受け、ドイツは2022年までに全ての原発を停止すると決めている。事故後も原発稼働を続ける日本に対し、「電力供給制度の改革はいずれ必要になる。原発の稼働延長は変革の遅れにつながる」と助言した。ドイツではかつて20以上の原子炉が稼働していたが、いまは八つだ。ヘンドリクス氏は「それでも余剰電力がある」とし、脱原発の達成は可能だとした。前日に福島第一原発を視察したといい、「原子力とは、いかに甚大なリスクを伴うか、改めて認識した」と述べた。「力を入れるべきは再生可能エネルギー。風力や地熱などを活用する条件は、日本はドイツよりよほどいい」と指摘した。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12368289.html
(声)原爆投下は人道に対する罪(2016/05/21朝日新聞)大学名誉教授 森下忠(神奈川県 92)
米国では国民の約6割が「原爆投下は戦争を早期に終結させ、多数の戦死者が出るのを防ぐための正当な行為であった」と考えているそうである。しかしこれは、当時の戦局を理解せず、原爆が多数の民間人に対して広範囲な悲劇的惨禍をもたらした事実を正確に認識しない者の見解である。日本の敗戦は、1945年6月、沖縄戦が終了した段階ですでに明らかだった。多くの都市は空襲で壊滅的状況に陥り、国民は食べる物にも事欠いていた。米軍が空爆を続ければ、本土決戦をするまでもなく、敗戦は近かった。原爆を投下する必要性は存在しなかった。それなのに原爆という大量殺戮(さつりく)兵器を投下するということは、国際法のルールによって許される限界を超える非人道的な戦闘行為であった。広島平和記念資料館(原爆資料館)を訪れた人は、胸をえぐられる衝撃を受けるであろう。だが、資料館で知ることができるのは現実に生起した惨禍の一部にすぎない。原爆は直接の被害者のみならず、救援に赴いて放射能を浴びた者、体内被曝(ひばく)した者などにも、悲劇的な症状を長く生じさせるに至った。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12368177.html?ref=pcviewpage
(憲法を考える)自民改憲草案・自由:中 「ほどほど」では、自由でない(2016/05/20朝日新聞)
「ほどほどの自由」
自民党の憲法改正草案の「自由」に対するスタンスを追うと、そんな印象を持つ。「この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果」だと明記した現行憲法97条は、削除。表現の自由を定めた21条には「公益」や「公の秩序」を害することを目的にしてはならないとの文言が追加され、「自由」は念入りに制限を掛けられる。だが、「ほどほどの自由」しか許されない社会とは、どんなものなのだろう?・・・憲法学者の山元一・慶大教授は言う。「公の秩序と個人の自由を対立させ、『公』に『自由』を服属させた途端、権利としての自由の価値は根幹から破壊される。もはやそれは、自由とは言えません」
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12366312.html
オバマ氏広島訪問で隠されるもの(2016/05/18東京新聞)
米国のオバマ大統領が27日、安倍首相の同行のもと、被爆地・広島を訪れる。歴史的な訪問だが「謝罪抜き」という。同じ論理が、日本とアジア諸国の歴史問題に重ねられないか。同大統領は「核なき世界」を訴えつつ、現実には核保有国としての優位性を優先してきた。安倍政権も核兵器保有は合憲とする。謝罪抜き訪問は、そうした核を巡る「二重基準」を肯定する危険性を伴っている。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2016051802000137.html
エネルギー先進国ドイツでの電力会社の数は1千にものぼるらしいけど、日本では10の大手電力会社と318の小売電気事業者(ウィキペディア)とあります。日本でも電力の小売り自由化が始まったけれど、自由化の意図や消費者の理解はまだまだ浸透しているとは思えません。政府や大手電力会社の圧力もあって、メディアも積極的に電力の自由化を後押ししていません。国民1人1人がエネルギーの実態、発電の実態に対して少しずつ知識を得るしかありません。
再生エネ、選ばれて伸びる 電力自由化、先行のドイツ(2016/05/18朝日新聞)
電気を買う会社を選べる電力小売りの全面自由化が始まったが、まだ様子見の家庭が多い。急に増えた料金やサービス内容を比べにくいこともあるが、好みの電源を選ぶことが難しいという事情もある。自由化で先行するドイツでは、そんな利用者の「需要」にどう応えているのか。・・・ドイツ第2の都市・ハンブルクでコーヒー店「スパイヒャーシュタッド・カフェ」を営むティモ・ドリフスさん(52)は昨年、店の電気の契約先を「リヒトブリック(LB)」に変えた。LBは再生可能エネルギーだけで作った電気を専門に売る会社。ドリフスさんはオーガニックの豆を自ら調達するなど環境にもこだわっており、「エネルギーも持続可能なものじゃないとね」と話す。
LBはドイツで電力自由化が始まった1998年に創業。自前の発電所は持たず、国内約20カ所の水力発電所と提携して電気を調達する。これらの電気は送電網で石炭火力や原発の電気と混ざるが、「再生エネの電気にお金を払って応援する」という考え方だ。当初8件だった契約者は、今では全国65万件に膨らんだ。・・・ドイツには1千もの電力会社があり、大手を含めて多くが「再生エネ」の料金プランを作っている。さらに、電力会社に頼らず、エネルギーの「自給自足」を選択した人たちもいる。・・・ 4月以降、ソフトバンクや生協が再生エネの固定価格買い取り制度(FIT)を活用したプランをつくり、再生エネを選ぶ選択肢はできた。ただ、電気の供給力に占める再生エネの割合は60%ほど。実際には、どの発電所からつくられた電気なのかを明らかにしない事業者が多く、契約先選びは「安さ」が基準になりがちだ。大手電力から乗り換えた契約者は5月6日時点で84万5千件。全体の1%強にとどまる。
ドイツのシンクタンク、アゴラ・エネルギーベンデのディミトリ・ペシア氏は「再生エネは導入費はかさむが、燃料を使わないので発電するほど競争力が高まる。ドイツでできるのだから日本も伸ばせるはずだ」と話す。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12362369.html
70年目の憲法 第5部 私のメッセージ <5> 広島大教授・横藤田誠さん譲れない「個人の尊重」(2016/05/17ヒロシマ平和メディアセンター)
私は生後7カ月でポリオ(小児まひ)に感染し、両足に障害があります。中学まで養護学校(現特別支援学校)で学び、高校は普通学校へ行きました。級友が健常者の環境は初めて。いじめられはしませんでしたが「みんなと違う自分」を意識し、劣等感を抱いていました。そんな時、授業で憲法の13条を読み、衝撃を受けました。13条は「すべて国民は、個人として尊重される」とし、生命や自由、幸福追求の権利についても最大限の尊重を約束している。 ・・・憲法は国民ではなく、権力者を縛るもの。こうして人権を守っていくのが立憲主義です。権力側が改憲を主張する際、主権者である国民は「人権保障はどうなるか」と警戒する必要があります。しかし、講義を受けるまで、多くの学生は立憲主義の意味を知らない。だから私は一番初めに教えます。人権が侵されていたとしても、国家に対峙(たいじ)できる強い個人ばかりではありません。私には、幼少期を共にした重度障害のある仲間がいます。そういう人たちの苦悩や希望に思いをはせ、憲法が保障する人権の意味を研究し、社会に発信していきます。(久保友美恵)
http://www.hiroshimapeacemedia.jp/?p=59294
動物の殺処分に関する実態は知れば知るほど情けない日本の実情です。年間28万頭以上もの犬や猫が殺されている事実。先進国としてはとても恥ずかしいことです。近年になって殺処分ゼロを目指す自治体なども出て来て命への意識は少しずつ向上していますが、ペットの飼育を放棄する人も後を絶たず、根本的なモラルを改善しなければこの悲しい現実は続くのだと思います。
日本のイヌネコ殺処分の現状 いのちの学校いぬねこ係
http://inuneco-partner.com/index.html
長野の山中で保護、猫20匹余 市民ら全て引き取る(2016/05/14信濃毎日)
長野市保健所が同市信州新町地区の山中に捨てられた疑いのある猫20匹余を保護した問題で、13日までに全ての猫が市民らに引き取られた。殺処分はしない方針の市保健所が、希望者の審査などを経て、飼育できる人に譲渡した。引き取りの申し出があったことに感謝しつつ、「遺棄は犯罪。今後も同様の事案に対しては警察と連携し、厳正に対応する」としている。市保健所によると、猫は4月28日、5月2日にも保護し、計23匹。推定年齢は4カ月から3歳。保護を公表してから、「引き取りたい」といった問い合わせが相次ぎ、多くの希望者が訪れた。書類申請を経て審査し、後日引き取りに来てもらった。
飼い主探しを支援したいという人もいた。妊娠出産の適齢期を迎えている雌は、不妊手術も市内の動物病院の協力で進めた。市保健所担当者は「命をつなぐことができて良かった」。市が費用を助成する不妊手術や、育てられない場合に市ホームページへの飼い主を求める告知の掲載などを呼び掛けており、「捨てれば保健所がもらい手を見つけてくれると思われてはいけない。困ったらまず保健所に相談し、飼い主の責任で新たな飼い主を探してほしい」としている。猫が山中に捨てられた疑いのあることについては、長野中央署が動物愛護法違反の疑いで捜査している。
http://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20160514/KT160513FTI090002000.php
同じ日本なのに
自分が住んでいたらどうだろう?沖縄の記事を読むたび、ニュースに接するたびに同じ日本なのにあんまりだと思う。大阪の町の上空を時折飛ぶ民間のヘリコプターの音でさえうるさいと思うのに、低空を飛ぶ軍用機の音はどれだけ凄まじいかは想像するだけでも分ります。自分たちが生まれ育った故郷を蹂躙され生活を翻弄される沖縄の歴史。県民の必死の抵抗が実を結ぶ時が少しでも早く訪れるよう願うばかりです。
ここは日本ですか? 米軍ヘリ11機、沖縄で…(2016/05/12琉球新報)
【中部】米軍普天間飛行場所属のAH1W、UH1ヘリコプター11機が10日午後1時50分ごろ、うるま市や沖縄市、宜野湾市上空を編隊飛行する様子が確認された。・・・沖縄市安慶田を車で走行中に目撃した眞榮城健二さん(35)=沖縄市=は「11機が1列になり、低空で飛んでいた。爆音も振動を伴い、身の危険を感じた。落ちてくるのではないかと思った。寝ていた息子も飛び起き、泣いていた。地元住民に連絡もなく、沖縄の空を自由に飛ぶ米軍に憤りを覚える」と話した。防衛省が学校の空調補助を廃止する方針を示していることに対し「騒音は全く軽減されていない。爆音の下でどうやって学べばいいのか。沖縄の子どもたちの将来を考えているとは思えない」と批判した。
http://ryukyushimpo.jp/photo/entry-277428.html
(声)安倍政権は税金の使い道改めよ(2016/05/12朝日新聞)高校非常勤講師 阿久澤眞一(群馬県 62)
政府と日銀による金融緩和政策で、輸出企業は大きな収益をあげた。利益を得る株主も多く出た。一方で、輸入品は値上がりし、食品を中心にした物価上昇は、庶民の暮らしに打撃を与えた。庶民は、大企業や株主がもうければ経済の好循環が生じて、いずれお裾分けがあると耐えてきた。だが、トリクルダウンの滴はいまだに落ちてこない。経済で結果を出すと言った安倍政権は、一体いつ「結果」を出すのか。庶民の暮らしは、5%から8%への消費税増税や社会保障の個人負担の増加などで厳しくなるばかりだ。
少しの賃金上昇では追いつかない。一方で、法人は復興税の廃止で約1兆円、その他の減税で約1兆円の負担が軽減されているというのに。消費税は社会保障費や財政健全化に使われるからと、国民は負担増を我慢してきた。しかし、政府の税金の使い道はどうか。今年度の当初予算で、防衛費は5兆円を超えた。その一方で、待機児童対策など、国民に身近な予算はなかなか増えないでいる。国民生活重視とは言いがたい。安倍政権は、経済政策も税金の使い道も根本的に改めてほしい。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12351872.html?ref=pcviewpage
(声)子ども産む以前の問題で悩む(2016/05/10朝日新聞)会社員 野島聡子(大阪府 28)
「保育園落ちた日本死ね!!!」のブログで待機児童問題は一気に注目を集めた。保育士の待遇改善も含め、有効な政策につながってほしいと思う。しかし、私の周りの同世代は、待機児童問題にたどりつき、悩む以前の苦難がある。経済力がないと子どもを扶養できないことだ。若者の失業率は他の年齢層より高く、仕事があったとしても非正規雇用のことも多い。ブラック企業もある。賃金が安かったり、劣悪な労働環境だったりでは、腰を落ち着かせて働けない。私は現在、正社員で未婚。子どもはいない。しかし働けなくなったら、いつ貧困に陥るかわからないと感じる。親が私にさせてくれたような生活を、私は子どもにさせてあげられそうにない。結婚や子どもを持つことを容易には考えられない。友人には、結婚したいが仕事がみつからないので、できないという人もいる。そんな私たちは、子どもを産む、産まないという話にまでもたどり着けない。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12348077.html
難民問題の新たな局面(こちゃん / 2016年5月8日みどりの1kWh)
昨年は110万人に達したドイツに来る難民の数が、劇的に減っている。理由は、ギリシャから地続きのバルカン半島のマケドニアやクロアチア、スロヴェニアを通ってオーストリアに来ていた難民のルートが封鎖されたからだ。3月には欧州連合(EU)・トルコ間に協定が結ばれ、トルコからギリシャに不法到着した難民はトルコに送り返されることになった。今年になってドイツに来た難民は1月が9万人、2月が6万人、3月は2万人だった。多くはシリア、イラク、アフガニスタン、パキスタン、エリトリア、モロッコなどから来ていた。しかし4月にEUに来た難民は僅か約6000人だったという。・・・
難民が今までのようにヨーロッパに押し寄せて来ないためには、シリアの内戦が収まることが第一だ。しかしそれがそう簡単には望めない以上、難民がシリアの隣国に留まるのがその次に良い方策ではないかとメルケル首相は考えた。そしてシリアの隣国であり既に200〜300万人のシリア人難民が滞在しているトルコと話し合いを始めた。もちろん事前にEU加盟国の首脳や欧州委員会と相談していたと思われる。同氏がその目的のために初めてトルコを訪問したのは昨年10月だ。トルコに来た難民がギリシャの島々に渡らないように引き止めてくれれば、EUはトルコ政府に難民滞在対策のために10億ユーロ提供するとメルケル首相は提案した。これに対しトルコ側は30億ユーロを要求した。トルコはその他、トルコのEU加盟交渉を進めることと、トルコ人がビザ無しでEU圏内に入れることを条件にあげた。・・・
http://midori1kwh.de/2016/05/08/8092
カープ新井 反骨の2000安打 麦の心 ゲンの姿に心打たれる(2016/05/02ヒロシマ平和メディアセンター)
プロ野球、広島東洋カープの新井貴浩(39)が史上47人目の通算2千安打を達成した。ドラフト6位以下で入団した大学出身選手では初めての到達。下位入団からはい上がり、4番失格の挫折を乗り越え、涙の移籍と覚悟の復帰を経ての大記録だ。反骨心で突き進んできた新井の野球人生を追った。神戸市にある新井の自宅には、1枚の色紙が飾ってある。「麦のように生きろ」。踏まれても、踏まれても、強く真っすぐ伸びる麦のように―。被爆者で漫画家の故中沢啓治さんが、新井に送ったメッセージだ。 新井は漫画「はだしのゲン」の大ファン。8歳の時に夢中となり、原爆投下後の広島でたくましく生きる少年の姿に心打たれた。プロ野球選手となった今も、時に読み返す。「野球ができる。当たり前の日常は本当に幸せなこと」
http://www.hiroshimapeacemedia.jp/?p=58920
どう考えても理不尽
モノがあふれ、高価な高層マンションの建築も後を絶たず、GDPの水準も高いこの日本で何故貧困や格差の問題が深刻化するのか。まず思うのは政治の劣化と政治家の無能ぶりだと思います。でもそれを選んでいるのは国民ですからどうしようもないのですが、無知や無意識という流れをあえて国ぐるみで作っている感はあります。やはり1人1人の自覚しかないのでしょうか。
(社説)子どもの貧困 学び支え、連鎖断ち切ろう(2016/065/05朝日新聞)
最も貧しい家庭の子どもが、他の多くの先進国と比べて、厳しい状況に置かれている――。4月に公表された国連児童基金(ユニセフ)の報告書は、そんな日本の現状を浮かび上がらせた。最貧困層と標準的な層との格差を国ごとに分析しており、日本の格差は41カ国の中で8番目に大きいという。所得が真ん中の人の半分に満たない人の割合を示す「相対的貧困率」でも、日本の子どもは6人に1人が貧困層にあたり、先進国の中で悪い方だ。貧しさの広がりに加え、ユニセフの調査でその度合いも深刻であることを指摘されたと言える。・・・
「子どもの将来が生まれ育った環境によって左右されることのないよう、必要な環境整備と教育の機会均等を図る」。2014年に施行された子どもの貧困対策法を受け、政府が閣議決定した大綱がうたう理念だ。言葉だけで終わらせてはならない。社会保障と教育を両輪に、対策を充実させたい。とりわけ教育分野では、経済規模と比べた公的支出が先進諸国の中で最低水準にとどまる。予算を思い切って増やすべきだ。「義務教育は国がしっかりやるが、高校や大学は自立してがんばってもらわないと」。自民党の国会議員が奨学金制度の拡充をめぐって最近、こんな趣旨の発言をした。今も根強い主張だが、そうした単純な「自己責任論」から卒業する時だ。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12342521.html
(憲法を考える)1947年の祈り 国際基督教大学学務副学長・森本あんりさん(2016/065/05朝日新聞)
――先生の専門は神学ですね。キリスト者、神学者として憲法を巡る現状をどう考えていますか。
「憲法が制定された当時、1947年の日本では、キリスト教徒も仏教徒も無神論者も、みんなが祈っていました。何百万もの人が死んだのです。屍(しかばね)を前にして、できたのは、祈ることくらいだったろうと思います。広島、長崎に行って慰霊碑の前に立てば、信仰や宗派にかかわらず、だれもが頭(こうべ)を垂れる。それと同じ気持ちが、この憲法に込められていると思います」「元最高裁判事の那須弘平氏は、日本国憲法を『祈りの書』と呼びました。『懺悔(ざんげ)と謝罪の書』とも言っています。憲法を読むと、『決意し』『念願し』『信ずる』『誓う』と、ふつうの法律文書にはない言葉が出てきます。『永久』『恒久』という言葉もありますが、それは明らかにこの世の政府や法律が保障できる範囲を越えています。言葉づかいからして『祈りの書』なのです」
・・・ ――日本で、憲法を変えようという声が、いまこの時代に大きくなったのはなぜでしょう。
「終戦直後に人々の目前にあった屍のリアリティーがなくなったからじゃないでしょうか。改憲を唱える安倍晋三首相は戦後生まれです。何百万人という犠牲を前にして世界に誓ったリアリティーを感じられなくなった世代が、政治の中枢にいるという状況です」・・・ 「憲法を巡っては、これまでも9条の問題などいろいろありましたが、憲法が大切だという認識そのものはだれも疑ってこなかった。いまも権威はありますが、改憲の動きが強まり、『これがやっぱり正統なんだ』と、一生懸命に言わなきゃいけなくなっています」
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12342541.html
(核といのちを考える)「核なき世界」カナダから 原爆詩、吉永さん朗読・坂本さん伴奏(2016/065/05朝日新聞)
優の吉永小百合さんがカナダのバンクーバーで3日(日本時間4日)、原爆の詩や原発事故に見舞われた福島の人々の詩を朗読した。音楽家の坂本龍一さんがピアノで伴奏した。核兵器と原発による核の被害を受けた日本が世界に伝えるべきものは何か。吉永さんは詩の言葉を通し、「核なき世界」への願いを次世代に伝えた。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12342649.html
「小さな人間」が世界を動かす… 高橋氏、言葉の力強調(2016年5月4日琉球新報)
高橋源一郎氏は「民主主義未完のプロジェクト」と題して講演した。高橋氏は沖縄と本土では憲法への視点は異なると指摘した上で「本土の人には見えないものが、沖縄の人には見えている。沖縄の人は(自分の足元を大切にする)『小さな人間』だ。だが『小さな人間』の集まりが世界を動かす。その視点を大事にしてほしいし、していきたい」と語った。
高橋氏は一般論ではなく、自分自身が見たり感じたりしたことで考え、語る人を「小さな人間」と表現。既存宗教から批判を浴びながらも一般民衆の救いを追究した浄土真宗の宗祖・親鸞(しんらん)などを例に出して、「小さな人間」の発する言葉の力を強調した。子どもたちが社会生活を学ぶ場として、全校生徒と教員らが投票で規則などを決める仕組みを設ける自身の息子が通う学校について触れ、「民主主義は教育のツールになるとの考え方もできる」と語った。
http://ryukyushimpo.jp/news/entry-272443.html
憲法記念日に 国民は改憲を求めているか(2016/05/03京都新聞)
日本国憲法は今年、公布から70年の節目を迎える。国民主権、基本的人権の尊重、平和主義という憲法の三原則は戦後、日本人の血となり、肉となり、国際的な信頼を得てきた。ところが、昨年、安倍政権は、歴代の内閣が禁じてきた集団的自衛権の行使を可能にする安全保障関連法を成立させ、平和主義は大きく揺さぶられた。安保法は、多くの憲法学者が「違憲」の疑いがあると厳しく批判したにもかかわらず、今年3月に施行された。憲政史に汚点を残したと言わざるを得ない。・・・
立憲主義軽視を危惧
「一切の表現の自由は保障する」としているものの、公益や公の秩序を害することを目的とした活動、結社を認めないとの規定を新設し、戦前の思想取り締まりの復活も懸念される。近代憲法の要とされる立憲主義が軽視されているのではないかと考えざるをえない。権力は常に乱用される恐れがある。国民の権利を守るため、憲法が権力を縛る必要がある。それが歴史の反省を踏まえた立憲主義であり、権力を持つ側にも共通の認識だったはずだ。草案が目指すのは立憲主義を軽視し、日本国憲法の三原則を無効化することではないのか。強い危惧を感じる。
http://www.kyoto-np.co.jp/info/syasetsu/
原爆碑86基 「無言の証人」描く アマ画家藤登さんが水彩画集 ヒロシマの記憶 伝えたい(2016/05/02ヒロシマ平和メディアセンター)
アマチュア画家の藤登弘郎さん(80)=広島市安芸区=が、原爆死没者の慰霊碑などを描いた水彩画集を自費出版した。学校、企業、官公庁関係など86基を紹介している。(増田咲子) ・・・ 被爆70年を前にした2014年12月に制作を始めた。碑を訪れ、手を合わせてからデッサン。犠牲になった一人一人を思うと、筆が動かなくなることもあったという。藤登さんは当時、呉市安浦町の国民学校4年生で、学校にいて被爆はしていない。
それでも「ほぼ同世代だった少年少女が多く亡くなっている。無念だったと思う。胸が痛む」と話す。 ・・・水彩画は、勤務先の銀行退職後の60歳ごろに始めた。10年に被爆建物、14年には被爆樹木を画集にまとめた。「犠牲者や家族の悲しみや苦しみを記憶している慰霊碑は無言の証人。若い人が碑を訪れ、戦争のない世界や命の大切さに思いを巡らせてほしい」と願っている。
http://www.hiroshimapeacemedia.jp/?p=58947
地球環境を守れ
地球環境を守るために。温暖化による気候変動はこの日本でも顕著に感じるほど切迫した状態です。パリ協定に批准することは当然ですが、原発による環境破壊を身をもって体験した日本は温暖化対策のためにも再生可能エネルギーへの転換を世界の先陣を切って欲しいものです。この現実をふまえてまだ原発をベースロード電源などと言っているのは思考停止か狂気だと思うしかありません。
<社説>パリ協定 再生可能な電力こそ主軸に(2016年5月1日琉球新報)
地球温暖化対策の新枠組み「パリ協定」に日本など175の国・地域が署名した。国際協定の署名初日に調印する国としては、これまで最多だった国連海洋法条約の119を大幅に更新した。一刻も早く協定を発効させ、対策を強化しなければ、取り返しのつかないことになるとの各国の危機感を反映した結果と言える。・・・しかし政府は原発を「ベースロード電源」と位置付けており、原発を高い割合で再稼働させることを前提にしている。
一方、欧州や米国の一部の州では価格が低下している再生可能エネルギーを積極的に導入している。日本とは対照的だ。福島第1原発の事故を経験している日本こそ、原発が放射能汚染という環境破壊をもたらすことを身をもって体験している。そうであるならば、自然を汚さない再生可能エネルギーを「ベースロード電源」に位置付けて、温室効果ガスの削減に取り組むべきだ。
http://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-270549.html
(社説)NHKの使命 政府の広報ではない(2016/05/02朝日新聞)
NHKは、政府の広報機関ではない。当局の発表をただ伝えるだけでは、報道機関の使命は果たせない。それは放送人としての「イロハのイ」だ。しかし、籾井勝人会長は就任から2年3カ月になるが、今もその使命を理解していないとしか思えない。籾井氏は、先月の熊本地震に関する局内会議で、原発に関する報道は「公式発表をベースに」と発言した。「当局の発表の公式見解を伝えるべきだ。いろいろある専門家の見解を伝えても、いたずらに不安をかき立てる」などとも指示した。・・・
しかし籾井氏の指示は「公式発表」のみを事実として扱うことを求めているように受け取れる。ものごとを様々な角度から見つめ、事実を多面的に伝えるという報道の基本を放棄せよと言っているに等しい。・・・籾井氏は一昨年の就任会見で「政府が右ということを左というわけにはいかない」と発言。昨年は戦後70年で「慰安婦問題」を扱うか問われ、「政府の方針がポイント」と語った。政府に寄り添うような発言はその都度批判されてきたが、一向に改まらない。このままでは、NHKの報道全体への信頼が下がりかねない。
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