特集ワイド:この国はどこへ行こうとしているのか 「平和」の名の下に ノンフィクション作家・保阪正康さん(毎日新聞 2015年09月30日 東京夕刊) 東京都内の喫茶ルームで、あいさつもそこそこに質問した私に、保阪さんの答えは明快だった。「安保関連法案を黙って見過ごしたら、僕はこれまで何のために昭和史を検証してきたのか、と思いましてね」静かな語り口とは裏腹に、黒縁の眼鏡の奥で両眼が鋭く光る。「安倍政権は歴史をねじ曲げ、時の内閣の一存で憲法を骨抜きにし、戦後70年かけて先達が築き上げてきたものをむちゃくちゃにしようとしている。これだけは許してはいけない」保阪さんは2006年、安倍氏が首相に就任する前に記した「美しい国へ」を読み、「美しい」という形容詞にぞっとしたという。「形容詞を使う政治家に強い嫌悪と恐怖を感じるんです。形容詞は人を動かし、ある種の暴力へと人を追い立てるから。形容詞や美辞麗句を多用するのは、ヒトラーらが用いたファシストの手法です」。安倍首相もそうなのではと、思わずにいられなかった。 安保関連法を巡る国会論戦が、保阪さんの予感を確信に変えた。「安倍首相が、野党議員に向かって『早く質問しろよ!』とヤジを飛ばしたのを見て、1938年の国家総動員法の審議中、陸軍幕僚が議員の抗議を『黙れ!』と一喝したのを思い出しました。安倍内閣は、元最高裁長官が法案の違憲性を指摘しても歯牙にもかけない。安倍首相は内閣、つまり行政に、司法や立法を従属させようとしている。これをファシズムと言わずして、何と言うのですか」太平洋戦争を戦った将兵たちを含む延べ4000人を取材してきた現代史研究の第一人者の目には「安倍首相が軍服を着ている」ように映るのだ。歴史修正主義の台頭も見逃せない。「彼らは初めから旗を立てる。『日本は侵略などしていない』『太平洋戦争は聖戦だった』というように。そして都合の良い史料だけを引っ張ってきて『史実』だと言い、学者やジャーナリストが史料を基に論争を重ね作り上げてきた歴史認識を『自虐史観』と切り捨てる」 保阪さんは語気を強めた。「歴史修正主義は世界中に見られるが、それが権力と一体化したのは日本だけ。歴史修正主義は今や安倍首相や閣僚の中にまで深く入り込んでいる。実に怖いことです」・・・「家族や共同生活者を持つこと。組織に属すること。愛着を感じる共同体を持つこと。つまり孤立するな、ということです。孤立すると人は自分を安易に国家と結びつけ、国がちょっと批判されるだけで自分が攻撃されたかのようにムキになる。孤立すると人は世界が見えなくなる。歴史修正主義の台頭の背景には人々の孤立があるのではないか」・・・2年前、保阪さんは最愛の妻を病で亡くした。「でも僕には娘がいて、昭和史の勉強会の仲間ら共同体がある。そこで主観と客観を照らし合わすことができ、考えに安定感が生まれる。しかし非正規雇用の増加を背景に孤立する人が増えれば、時代は危うくなっていくだろう」 処方箋はもう一つある。それは「ニヒリズムに陥らないこと」。永井荷風の「断腸亭日乗」を例に挙げ、「理知派、理性派といわれた永井は太平洋戦争が始まった朝にも、好きにやれ、俺は知らん、という姿勢で日記をつづった。最初読んだ時は『インテリの姿だな』と受け止めたのだけど……」。しかし、安保関連法の議論の中で「断腸亭日乗」を読み直すと、違う見え方がしたという。「結局、永井はニヒリズムに陥っていたのではないか。国が戦争に向かおうと俺の知ったことじゃない、と。昭和史に学ぶことのできる私たちは気づくべきです。もうニヒリズムが許される時代ではない。僕らはニヒリズムに陥ってはいけない。それが最低限の志です」孤立するな、ニヒリズムに陥るな−−。昭和史の教訓を知る歴史家からの、安保関連法時代を生きる者へのメッセージだ。 (声)「読み書き」奪った日本に絶句(2015/10/04朝日新聞)主婦 田上優子(山口県 52) 20年前、高速バスで、お年寄りの女性と乗り合わせ、いつの間にか世間話をしていた。彼女は「私ね、在日韓国人でね、日本語は話せるけど、字は読めんの。戦中に働くために連れてこられて、読み書きの勉強をすることなく今になってしもうてね」と話した。私は絶句した。かける言葉も見つからなかった。手はしみとしわだらけ。生きていくのに精いっぱいだったのだろう。本当はその頃の話を聞いてみたかったが、勇気がなかった。戦後70年。戦争体験を新聞などで見聞きしたが、被害者側の話として語られていて、加害者としてあまり語られていない気がする。安倍晋三首相は、「私たちの子や孫、そしてその先の世代の子どもたちに、謝罪を続ける宿命を背負わせてはなりません」と言ったが、本当にそれでいいのだろうか。戦争は二度と繰り返してはいけない。だからこそ、私たちが犯した過ちも語りついでいくべきだ。 (声)所得税に手をつけるのが筋だ(2015/10/04朝日新聞)無職 池田陽三(神奈川県 63) 消費税増税に伴う還付案をめぐり様々な意見が出ているが、根本的な議論が抜けてしまっていると思う。低所得者層への消費増税対策が必要ならば、消費税ではなく所得税に手をつけるのが筋ではないか。所得税ならば所得水準で税率を考慮すればよく、軽減税率や還付などという面倒な手続きなしで低所得者対策ができる。国の膨大な借金を考えると、所得税とあわせて、富裕層への資産課税も強化すべきだろう。資産の透明化のためにこそ、マイナンバーを活用してほしい。貧困層の増加を考えると、国は富の再分配に力を入れる必要がある。税制と福祉の全体ビジョンを改めて描いて、提示すべきである。その上での増税ならば、国民は納得しやすいと思う。 (社説)公共空間 自由な広場でなくては(2015/10/04朝日新聞)
食品機能表示 安全確保へ監視強化を(2015/10/04京都新聞) ドイツ統一25年、まだ終わっていない統一(こちゃん / 2015年10月4日みどりの1kWh) 福島第一 止まらぬ汚染水流出 溝上流でもくみ上げ(2015/10/03東京新聞) 反戦 願い集めて 絵本「戦争のつくりかた」短編アニメに(2015/10/03東京新聞) <ノディン(NOddIN)> 福島第一原発事故などで、政府の原発や安全保障政策に疑問を抱くようになった映像作家らのグループ。「日本(Nippon)をひっくり返して見る」という思いをグループ名に込め、2012年末に発足。展示会を毎年開いて、社会へのメッセージを込めた作品を発信してきた。東京都内で活動するアーティストを中心に約30人が所属している。 福島県警、東電役員らを書類送検 汚染水流出で32人(2015/10/02共同通信) 戦後70年 志の軌跡 第4部 小島清文 <1> 地域紙の理想(2015/10/02ヒロシマ平和メディアセンター) 70年前、国内外で膨大な犠牲を出した末に、無残な敗戦を招いた日本。その無残さは、軍部主導の政府が言論の自由を圧迫し、戦況などの正確な情報を国民から遠ざけたことで拡大した。報道機関の加担の下に、国民の多くは軍や政府の発表をうのみにした。国策を疑う者は「非国民」と非難された。フィリピン戦線に従軍した後、ハワイの捕虜収容所で終戦を迎えた25歳の小島清文は、そんな祖国への怒りと悔いを胸に、戦後日本の土を踏む。 まぶたに鮮烈な、あれほどの犠牲を強いた国家とは何だったのか。二度と繰り返さないために、人々に何が必要なのか―。怒りと悔いは、1947年7月、地方の民主化を掲げて浜田市で週刊新聞「石見タイムズ」を創刊する原動力となった。 ・・・「個人の自由を重んじ、弱者や少数者の意見に目配りする。そんな民主主義を唱え、紙面作りで実践している」と越水。主筆として社説を主に書き、編集長でもあった小島の思想そのものだろう。 ・・・2002年、82歳で亡くなった「不戦の語り部」小島の生涯をたどると、地域紙に理想を注いだ若き日や、原点となった特異な戦争体験が浮かぶ。小島が戦場でつかみ、戦後に問い続けたものは何だったのかを追う。 防衛装備庁発足 厳正監視、国会にも役割(2015/10/03京都新聞) 福島の牛が語る「命」と「罪」 ルポの真並恭介さん講演(2015/10/03京都新聞) 震災後、同原発半径20キロ圏の警戒区域(当時)で飼われていた牛約3500頭について国は「所有者の同意を得て殺処分」と決定。餌がなく餓死した牛を含め、多くの牛が悲惨な最期を迎えた。震災後の取材でこうした状況を目にした真並さんは「この事実を伝えることが僕の使命」と、自宅がある大阪から毎月福島へ通い続けた。 http://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20151003000071 川内2号機、15日再稼働へ 九電、新基準で2番目(2015/10/03朝日新聞) http://digital.asahi.com/articles/DA3S11996584.html (社説)マイナンバー 懸念の払拭に努めよ(2015/10/03朝日新聞) (声)安保法廃止のため野党は共闘を(2015/10/03朝日新聞)翻訳業 星野弥生(東京都 67) 多くの憲法学者らが違憲と断じ、多くの国民が反対したにもかかわらず、安全保障関連法が成立してしまった。民意を無視した成立は許し難い。だが、日本を戦争のできる国にしてはいけないという必死な思いが、あれだけ多くの人を動かした。崩れかけている民主主義の新たな可能性を見た。安保法を廃止するまで、私たちはあきらめてはならない。まずは来年の参院選で野党が自公を破り、次の衆院選につなげることだ。そのためには、野党勢力の結集しかない。安保法を廃止したいと言う市民の願いで、水と油ほども違う野党各党の手を奇跡のようにつながせたい。参院選では、何としても野党連合で与党に挑んでほしいからだ。選挙になれば、どの政党も自党の票を増やそうとする。だが強行採決で立憲主義と民主主義が蹂躙(じゅうりん)された現在、政党のエゴは捨ててほしい。安保法を廃止するために、小異を捨てて大同につき、統一戦線を構築しての戦いを真剣に考えてほしい。連日のように国会前に集った多くの市民に、野党の心ある国会議員たちは、声をしっかり受け止めると誓ったはずだ。私たちの代弁者として、政権を代えてほしい。私たちは見ている。 (声)国勢調査、無報酬の働きを無視(2015/10/03朝日新聞)NGO代表 山岡万里子(東京都 49) 国勢調査の調査票に回答しながら、空しくなった。就業形態を問う質問で、しっくりくる選択肢がなかったからだ。私はボランティアでNGOの代表をしている。無報酬だ。しかし、フルタイムで働く人たちと同じぐらい毎日忙しい。だが、収入を伴わなければ、国勢調査では「仕事」とはみなされない。統計上は「少しも仕事をしなかった人」になるのだ。私のように収入が伴わない「働き方」をしている人も、けっこういるはずだ。教育や福祉など様々な分野のボランティアやPTAなど、社会はこういう人たち抜きでは成り立たない。せめて「ボランティア」という項目があってもいいのではないだろうか。また、「育児」「介護」という項目がなく、「家事」とひとくくりにするのも、あまりに雑だと思う。育児や介護という項目があれば、国民生活の実態がより正確に見えてくるのに。国勢調査は、勤め先の事業内容などは細かく尋ねているが、収入が伴わない仕事については切り捨て、無視している。経済至上主義の国の姿勢を反映しているようで、ため息が出る。 http://digital.asahi.com/articles/DA3S11996411.html?ref=pcviewpage (インタビュー)試練のEU 欧州大学院大学学長、ジョゼフ・H・H・ワイラーさん(2015/10/03朝日新聞) (インタビュー)レンズ越しに見た沖縄 写真家・嬉野京子さん(2015/10/03朝日新聞) 《1965年4月20日。米国の爆撃機がベトナムに向けて飛び立つ沖縄本島で、6歳の少女が米軍のトラックにはねられた。撮影したのは嬉野京子さん。25歳だった。》祖国復帰を訴える行進団に参加していました。南部の摩文仁を出発し、20日間かけて北部の辺戸岬まで歩くものでした。あの日は歩き始めて10日目。私たちは宜野座村の移転前の漢那小学校で休憩していました。外が突然騒がしくなったので走っていくと、米軍のトラックが止まっていて、手前に小さな女の子が倒れていました。米軍による事件や事故は日常茶飯事で、被害者は泣き寝入りするばかりだと聞いていました。行進団の責任者たちに「撮らせて!」と頼みました。命が危ないと断られましたが、それでも食い下がりました。沖縄で起きていることを知らせなくてはいけない、と思ったからです。どこからか「撮れ」と叫ばれている気もしました。相談の結果、絶対に見つからないように撮ることになりました。フィルムを預けるようにとも言われました。写真を撮る者として失格ですが、条件をのみました。1人の男性が「自分の肩ごしに撮りなさい」と言ってくれて、その人の後ろから35ミリレンズでシャッターを切りました。 《フィルムはひそかに東京に運ばれた。行進団にいた政党関係者を経由したようで、写真は4月29日の「アカハタ」に載った。》 亡くなった少女は、お姉ちゃんの通う小学校に毎日のように来て、校庭で遊んでいたそうです。お昼を食べに自宅へ帰ろうとして、事故にあってしまいました。米兵は少女に駆け寄りもせず、突っ立っていた。しばらくして日本人の警察官が来たのですが、米軍のために交通整理を始めた。占領されているというのは、こういうことなのか。ものすごい憤りとやるせなさが、わいてきました。・・・《嬉野さんは68年、写真集「沖縄100万の叫び」を出版した。お手本にしたのは、写真家を目指すきっかけとなり、目をかけてくれた土門拳の「筑豊のこどもたち」。グラフ誌が70円の時代に100円で売り出され、炭鉱の実態を世に知らしめた写真集だ。1ドルにあたる360円でと考えたが380円に。評論家の中野好夫が序文を寄せ、少女の写真も収められた。》 理不尽さを伝えたい気持ちがあふれる一方で、苦しみを強調する写真は撮りたくありませんでした。気に入っているのは、アイロンをかける米兵の太いズボンを、両手を広げて持っている女性の写真です。それから学校で使わなくなった机を自宅へ持ち帰ろうとしている姉妹の写真。二人のはしゃいだ声を今でも覚えています。・・・ 沖縄はずっと戦争と隣り合わせで、本当の意味で戦後は訪れていないと思います。私が戦争にこだわるのは、広島の原爆で死んでいたかもしれなかったからです。当時4歳。東京へ向かう列車が空襲警報で佐賀駅を出るのが遅れ、広島に着くのが遅れた。定刻だったら死んでいた。母が死ぬ間際にそう教えてくれました。 http://digital.asahi.com/articles/DA3S11992182.html?iref=inteview_kiji_backnum ツタンカーメンの墓に謎の部屋? 解明へレーダー探査(2015/10/02東京新聞) (社説)防衛装備庁 なし崩し許さぬ監視を(2015/10/02朝日新聞) 東大、アジア首位陥落 英誌、世界大学ランキング(2015/10/02朝日新聞) <福島第1>がれきなど不適切管理(2015/10/01河北新報) 米大学で銃乱射、10人死亡 「信じる宗教言わせ銃撃」(2015年10月2日朝日新聞) ノーベル平和賞にメルケル氏浮上 オスロの研究所長予想(2015年10月1日東京新聞) トモダチ作戦、称賛の陰で 元空母乗組員ら健康被害訴え(2015/10/01/朝日新聞) シモンズさんは帰国後、体調が悪化。様々な症状に苦しんでいる。 「11年末、車を運転中に突然気を失いました。高熱が続き、リンパ節がはれ、足の筋力が衰えました。髪の毛が抜け、体重も十数キロ激減。トモダチ作戦前は登山をするなど健康体でしたから、症状が現れたときには打ちのめされました」「筋肉を切り裂くような痛みは腕や胸に広がり、全身のはれや嚢胞(のうほう)、発汗、膀胱(ぼうこう)不全などを発症。通院するソルトレークシティーの退役軍人病院の医師は『放射能の影響だろう』としています」・・・「作戦に従事した元乗組員2人が亡くなり、ほかの仲間も深刻な健康被害を抱えています。一方で(係争中の訴訟は)米国内で理解されていません。私自身は海軍に16年以上勤めたので医療費を受けられますが、20代の若い仲間は健康問題が生じると何の保障もなく海軍を追い出されている。見捨てられません」 安保法公布 今年度中に施行(2015/10/01/朝日新聞) 安倍政権は9月30日、集団的自衛権を使えるようにし、自衛隊の海外での後方支援活動を拡大させる安全保障関連法を公布した。公布は安保法を官報で国民に周知するもの。同法は施行されることで効力を持つ。同法の規定により、施行は公布から半年以内、3月末までに行われることになる。防衛省は施行までに、自衛隊の任務拡大に対応するため、武器を使う際の基準などを定めた部隊行動基準見直しなどを進める方針。 武器輸出、窓口にも 防衛装備庁、きょう発足(2015/10/01/朝日新聞) 防衛省の外局となる防衛装備庁が1日、約1800人で発足する。自衛隊が持つ武器の開発から購入、民間企業による武器輸出の窓口役までを一元的に担い、約2兆円の予算を握る巨大官庁だ。安倍政権は安全保障関連法の成立で、自衛隊の海外での活動を大きく広げるとともに、武器の分野でも海外との結びつきを強めることをめざす。同庁はその中心となる。安倍政権は昨年4月、武器の輸出を原則禁じてきた武器輸出三原則を撤廃。新たに「防衛装備移転三原則」を作った。一定の基準を満たせば、武器の輸出や国際的な共同開発・生産を解禁するものだ。防衛装備庁は、その実務を担う。・・・経済界は防衛装備庁の設置をビジネスの好機と見て注目している。同庁は、自衛隊の武器の研究開発のほか、これまで陸海空自衛隊が個別に行ってきた装備品の購入を一手に担うことになるからだ。同庁の直接契約額は約1兆5千億円。陸海空の自衛隊が地方で調達している分も含めると約2兆円に達する。経団連は9月15日、武器など防衛装備品の輸出を「国家戦略として推進すべきだ」とする提言を正式決定。同庁に対し、「適正な予算確保」や人員充実のほか、装備品の調達や生産、輸出の促進を求めた。 菅氏「産んで国家貢献」、野党が批判 「戦前と同じ感覚」「個人の喜びなのに強制力」(2015/10/01/朝日新聞) 歌手で俳優の福山雅治さんと俳優の吹石一恵さんの結婚公表を受け、菅義偉官房長官が女性の出産を促すような発言をしたことに対し、野党各党の幹部からは30日、批判や違和感を示す声が相次いで上がった。菅氏は9月29日のフジテレビの番組に出演し、話題を集めた結婚について「この結婚を機に、ママさんたちが一緒に子供を産みたいとか、そういう形で国家に貢献してくれたらいいなと思っています。たくさん産んで下さい」と述べた。この発言について、民主党の細野豪志政調会長は30日、記者団に「子供を産むか産まないかについて、国家が何か強制することはあってはならない。それぞれの選択がやりやすいようにサポートするのが政治の役割だ」と批判。・・・菅氏の言葉は、安倍晋三首相が9月24日の会見で掲げた「1億総活躍社会」「希望出生率1・8の実現」の目標と結びつく、との指摘も出た。共産党の志位和夫委員長はツイッターで「『1億総活躍社会』(首相)、『たくさん産んで国家に貢献して』(官房長官)」と2人の発言を列挙。「この人たちの感覚は戦前と同じだ。こんな勢力は一刻も早く退場を!」と書き込んだ。 (特派員メモ ジャカルタ)歌い継がれる「心の友」(2015/10/01/朝日新聞) 「心の友」という日本の歌が、インドネシアでは非常に有名だ。「恋人よ」を大ヒットさせた五輪真弓さんの、1982年発売のアルバムに収録された1曲である。歌詞は日本語だが、ラジオで流されたのを機に85年に大流行。公演で86年にジャカルタへ来た五輪さんに、空港の税関職員が「ココロノトモ」とつぶやき、旅券も見ずに通したという逸話もある。・・・日本文化イベントでのライブ。そう歌う五輪さんの声が聞こえないほど、約3千人の聴衆が日本語で大合唱した。「恋人よ」と異なり、明るいメロディーと癒やし系の歌詞。「隠れた名曲」を歌い継いできたインドネシア人に感謝したいと思った。 (声)1億総活躍、本当にできるのか(2015/10/01/朝日新聞)無職 田村秀隆(神奈川県 78) 国内総生産(GDP)を600兆円にして、1億総活躍社会をつくるそうだ。安全保障関連法を成立させた後の安倍晋三首相の記者会見を聞きながら、気がめいってしまった。現実を踏まえれば、「そんなのウソでしょ」と言いたくなる。1億総活躍と言いながら、例えば今や非正規雇用が雇用の40%を占めるような状況を改善する努力も十分にしていないではないか。改善しようという意思があるのかすら疑われる。そのような政府が、どうやれば1億総活躍の社会を作れるというのだろう。アベノミクスは第2ステージに入るという。多くの国民は景気回復を実感できていないといわれるのに、第1ステージは終わったことにしてしまうのか。安保法案の審議で安倍首相が批判されたのは、違憲の疑いが強いとされた法案の中身だけではない。野党の質問に対して正面から答えず、はぐらかしてばかりだった点にも不信が強まった。経済政策においても、具体的論拠を示さずにキャッチフレーズを繰り返すだけで国民の理解が得られると考えているとしたら、国民を甘く見すぎていないか。 (声)「戦争NO」共に歌える歌ほしい(2015/10/01/朝日新聞)無職 川村征治(東京都 71) 安保関連法案を審議している国会前に、いたたまれぬ思いで足を運んだ。以前うつ病になったことがあり、人混みは大の苦手なのだが。若者から高齢者まで、いろいろな階層の人々が「戦争できる国になることにNO」の声をあげていた。このときふと、「歌がほしい」と思った。みんなの気持ちをひとつにし、お互いを勇気づけられる歌が。かつて、韓国の民主化運動の中で歌われた「朝露」のような。国会を包囲した数万もの人々が一斉に歌えば、政権を揺るがすかもしれないとも思った。法律の廃止に向けて新たな動きが始まった。私たちには、まだまだ一緒にやれることがあると思う。音楽家のみなさん、だれもが歌える歌を作ってください。平和と自由と幸せを願い、勇気づけられる歌を。 http://digital.asahi.com/articles/DA3S11992199.html 歯科界、政治とカネ再燃 首相と会食、人脈作り傾注 高木容疑者(2015/10/01/朝日新聞) 高木容疑者は、岐阜県美濃加茂市で個人医院を経営。同県歯科医師連盟の会長を務めた。地元では道場で師範として空手も教える。「声が大きくてよく食べる。快活な印象」。日歯連の元幹部はそんな印象を抱く。2009年から理事長として日歯連の運営に関わり始め、11年から約4年にわたって会長を務めた。昨年10月には、当時の歯科医師会長らと共に、安倍晋三首相との会食の約束をとりつけた。関係者によると、会食の際、高木容疑者は高齢社会で歯科医療が果たす役割を力説したという。 http://digital.asahi.com/articles/DA3S11992284.html マイナンバー制度 見切り発車の危うさ(2015/10/01/東京新聞) 国民一人一人に番号を割り当てるマイナンバー制度は、十月から個人番号の通知が始まる。仕組み自体に危うさはないのか、あらためて問い直したい。十二桁の数字が並んだ個人番号の「通知カード」が十月以降、各家庭に簡易書留で届くだろう。税と社会保障、災害対策関連の個人情報をこの番号で結びつけるのが、マイナンバー制度だ。法人にも番号が付けられる。実際の制度運用は来年一月以降だ。行政事務の効率化が、この制度の最大の目的だが、国民にとっても社会保障給付の申請手続きで各種の証明書が不要になるなどのメリットが語られる。・・・国民管理の道具になる今回の国会で成立した改正法では、任意ではあるが、預金口座にも個人番号が付けられることになった。将来は義務化も検討していると聞く。個人の預金をチェックする狙いがあるのだろう。だが、日本には人口の十倍もの預金口座が存在するといわれる。そのすべてに真正な個人番号を付けることは可能なのだろうか。仮に税務当局が一つ一つの入金・送金記録を確認したとしても、その性質が必要経費なのか、個人消費なのか、貸し付けなのか、判断できはしない。一件一件、聞き取り調査が必要になる。この作業を公平・平等に行うことは至難の業に近かろう。・・・元をたどれば一九六〇年代から検討された「国民総背番号制」だ。国民のためというより、国家が国民監視を強める作用の方が大きい仕組みといえる。国民管理の道具であることは間違いない。・・・しかし、さまざまな個人情報を集積させることは、情報流出のリスクと背中合わせだ。日本年金機構から大量の個人情報が流出したように、情報管理が完璧でない限り、事故はいつでも起こりうる。・・・初期投資だけで約三千億円も投じた国家プロジェクトである。ランニングコストは20%というから、数百億円も毎年かかる。それだけの費用対効果は見込まれるのか。見切り発車は危険だ。 『論』 写らなかった戦後 私たちが読み取る番だ(2015/10/01ヒロシマ平和メディアセンター) 半世紀で25万枚撮ってきたが、カメラの露出時間にすれば合計1200秒、20分ほどにすぎないという。そういう意味で「写らなかった戦後」があるんだ―。取材の折は分かった気がしていた。 ・・・福島はシリーズを死ぬまでに6冊出すと決めていた。だが「ヒロシマの嘘」「菊次郎の海」に続く3冊目の「殺すな、殺されるな」(2010年)が本人の記していた通り、遺言集になった。憲法改正が政治日程に上ったとき、9条と自衛隊の「同居」について主権者たる国民はどう判断するのか―。根源的な問いがそこにはある。多くの憲法学者が違憲と指摘した安全保障関連法が成立した今、破天荒な人のつぶやきだと読み飛ばすことはできまい。 「瀬戸内離島物語」をあらためて開く。戦後の周防灘や安芸灘の島々にはカンコロを腹の足しにする幼子がいて、「遺族の家」の門札を掲げて耐え忍ぶ妻や母がいる。沈んだ戦艦陸奥(むつ)の兵隊の遺骨は拾われずにいた。やがて高度成長の波は漁村を衰退させ、水銀汚染などの公害をもたらし、原発誘致話も舞い込んでくる―。福島は戦後日本の過ちを問い続けた。「写らなかった戦後」といったが、残された写真には大いに手掛かりがある。今度は私たちが読み取らなければならない。(文中敬称略) 首相の国連演説 「難民鎖国」でよいのか(2015/10/01京都新聞) もんじゅ機器分類誤りで報告命令 原子力規制委「異様、奇っ怪」(2015/010/01福井新聞) 原発事故、ストレス減少限界か 福島の親子調査(2015/09/30共同通信) 「高濃度汚染水」漏れる 第1原発、セシウム吸着装置から(2015/09/30福島民友) すこし違ったトイレの話(やま / 2015年9月27日みどりの1kWh) |