地方版総合戦略 人口争奪戦なら不毛だ(2015/09/30東京新聞)
国の地方創生に沿って、都道府県や市区町村が人口減に歯止めをかける「総合戦略」づくりを進めている。UIターンによる移住促進が目立つ。これでは地方同士の人口争奪合戦になってしまう。「総合戦略」づくりのきっかけは、日本創成会議が昨年に発表した消滅可能性都市のデータだ。二〇四〇年に自治体が半減する、と警鐘を鳴らした。これが契機となり、国は各地方自治体に対策を促した。
来年三月末までに、今後五年間の人口減対策を数値目標を含めて盛り込む「地方版総合戦略」の策定を要請。今年十月末までに前倒しした自治体には交付金を上乗せする。焦りすぎではないか。・・・民間のシンクタンクに策定を丸投げの自治体も多い。よく似た事業になりそうで、住民の声を反映したプランとは到底言えない。各自治体が一斉に同じような施策をやればどうなるか。日本全体が人口減の中、自治体同士が人口を奪い合うことになるだろう。悪く言えば「共食い」だ。観光都市や個性を打ち出して勝ち抜く自治体はあるが、大半は負け組になる。全く不毛な“戦い”だ。これが政策と呼べるのか。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2015093002000148.html
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改正派遣法施行 これで経済良くなるか(2015/09/30東京新聞)
三十日施行の改正労働者派遣法は、これまで限定的だった派遣労働が人を入れ替えればいくらでも使えるようになる「悪(あ)しき転換」である。働く人の不安定さは一段と増す。再改正が必要だ。改正法は残業代ゼロ法案や解雇の金銭解決など安倍政権が進めようとしている経営者寄りの政策と同根といえる。働く人を守る労働規制を緩めて、企業のコスト削減や利益増大を最優先するからだ。改正法は二度廃案、三度目の国会提出で十一日に成立したが、施行までの周知期間はほとんどない。労働者保護などを求める三十九項目もの付帯決議が付いたことからも改正法の危うさは明らかだ。・・・どれも働く人の雇用を不安定化させるものばかりだが、最大の問題は労働者派遣法の根幹が変更されることである。職業安定法が禁じていた派遣を、専門業務に限って解禁する労働者派遣法が制定されたのは一九八五年。通訳など専門業務をこなす技能は企業が外部から調達するニーズを迫られていたことと、専門業務は正社員の仕事を奪うこと(常用代替)にはならないとの原則に合致したためだ。その後、九九年の非専門業務の解禁など規制緩和は続いたが「常用代替の防止」という一線は守ってきた。改正法はこの原則を崩すものだ。企業が正社員を派遣社員に置き換え人件費を抑制することは目に見えている。企業ばかりが利益を上げても日本経済が良くならないことは現状を見れば明らかだ。不安定・低賃金の派遣労働を増やす改正法は出生率引き上げ目標にも逆行する。ただちに軌道修正すべきである。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2015093002000149.html
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社説 国連の新目標 問われる先進国の実践(2015/09/29ヒロシマ平和メディアセンター)
飢餓や貧困の撲滅へ、国際社会は結束できるだろうか。国連総会に合わせ、「持続可能な開発目標」を定めるための国連サミットが開かれた。2000年に設けた「ミレニアム開発目標」を深化させたものだ。21世紀に入り、地球規模の環境悪化や難民の増加など待ったなしの課題が増えてきた。危機感と実行力が各国首脳に今こそ求められる。新たな目標の成否は国連そのものの存在意義にも関わるだろう。第2次世界大戦の教訓から生まれた国連はことし創設70年を迎える。世界大戦こそ起きなかったが、地球上では地域紛争や内戦が今も絶えない。その調停や解決が期待されながら、大国のエゴもあって機能不全に陥っているのが現状ではないか。その中で貧困や格差への対応も不十分と言わざるを得ない。このままでは世界は瓦解(がかい)するのではないか。再び国連の旗の下で政治的対立を超え、さまざまな問題を乗り越えるときだ。
http://www.hiroshimapeacemedia.jp/?p=51703
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政権批判の催し中止は「憲法違反」 姫路市、認める(2015/09/30朝日新聞)
兵庫県姫路市が7月、安倍政権を批判するポスター掲示や発言があったことを理由に催しを中止させた問題で、市は「中止は集会、表現の自由を保障した憲法に違反していた」とし、主催した西播地域労働組合総連合(西播労連)に対し、正式に謝罪することを決めた。西播労連はこれを受け、市を相手取り約220万円の損害賠償を求めて神戸地裁姫路支部に起こした訴訟を取り下げる。
http://digital.asahi.com/articles/ASH9Y4VCLH9YPIHB01M.html?iref=comtop_list_pol_n02
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小学生暴力最多 「芽」を見逃さないよう(2015/09/28京都新聞)
全国の小学校で起きた暴力行為は4年連続で増え、過去最多の1万1468件に上ったことが文部科学省の2014年度調査で分かった。高校(7091件)が4年連続で、中学校(3万5683件)は前年度と比べ、それぞれ減っているのに対し、小学校の荒れが目立つ。京都でも公立小の暴力行為の発生は09年度から増え続けており、中学高校を含む千人当たり発生件数は全国で3番目に多かった。暴力が低年齢に広がっている実態を大人社会は深刻に受け止めねばならない。学校だけ、家庭だけで抱え込まず、地域全体で問題を共有する取り組みを強めたい。全国の小学校での暴力行為を内訳でみると、件数の6割以上を児童間の暴力が占める。次いで対教師暴力と器物損壊が約2千件ずつに上った。暴力を振るった小学生は1万808人で、特に低学年での増加が著しい。小1の加害児童数は学年別の統計を始めた06年度から、約5倍に急増している。小2、小3も4倍を超える。
http://www.kyoto-np.co.jp/info/syasetsu/20150928_3.html
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週のはじめに考える ゲバラたちがみた夢(2015/09/28東京新聞)
週明け国連総会で、各国首脳の演説が始まります。半世紀前に残る先人の名演説を再生しながら、為政者が語るべき「理想」に思いを巡らせます。諸国間の友好関係を発展させ世界平和を強化する−。国連憲章にうたう「目的」の柱であり、国連主義のいわば基本精神です。・・・
まずは一九六一年一月の対キューバ国交断絶と相前後して、米大統領に就任したジョン・F・ケネディが、その年九月の国連総会で行った演説です。「戦争に代わる唯一の方法は、国連を発展させることだ。それは大国だけの関心事ではない。なぜなら、核兵器の惨禍は風と水と恐怖によって拡散され、大国も小国も、富国も貧国も、同盟国も非同盟国も全てをのみ込んでしまうからだ。人類は戦争に終止符を打たねばならない。さもなければ戦争が人類に終止符を打つだろう」・・・
もう一人は、五九年のキューバ革命をフィデル・カストロ前国家評議会議長らと共に率いた政治家チェ・ゲバラ。六四年十二月の国連総会演説です。「私たちが確かな世界平和を望むなら、強国だけの意向に左右されず、各国相互の歴史的な関係にもよらず、全ての国によって実現されなければならない」・・・ゲバラもまた国連主義の高い理想を掲げた演説で、険しい対立相手の米国に代表される大国が、小国を支配する国際政治を公然と批判します。第三世界の国々に、小国も等しく持っている自立の権利に目覚め、大国に立ち向かえと喚起して、大喝采を浴びたのです。しかしその後、カストロ氏とたもとを分かったゲバラは、新たに求めた革命の地ボリビアで六七年、やはり銃弾に倒れます。・・・
理想主義者ゲバラの純粋さをひときわ輝かせた名言があります。キューバ危機のさなか前衛の青年たちを鼓舞した訓話の一節です。
「もしも私たちが夢想家のようだと言われるならば、救いがたい理想主義者だと言われるならば、できもしないことを考えていると言われるならば、何千回でも答えよう。それはできるのだ、と」
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2015092802000137.html
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深作健太氏ら映画監督46人、安保法成立に抗議声明(2015/09/27朝日新聞)
「自由と生命を守る映画監督の会」は26日、安全保障関連法成立に対しての抗議声明を発表した。声明は「表現者として、否、一個の人間として」安倍政権を許すことが出来ないとしたうえで、「すべての『憲法と平和』を守る人々と連帯し、全力を挙げて戦うことを宣言する」と締めくくられている。同会は恩地日出夫、平山秀幸、深作健太、杉井ギサブローの各氏ら日本映画監督協会所属の46人の監督が有志として参加している。
http://digital.asahi.com/articles/ASH9V5RC2H9VULZU005.html?iref=comtop_list_pol_n03
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(声)安保法に感じる民主主義の崩壊(2015/09/27朝日新聞)大学院生 若松郁(埼玉県 22)
深く危惧していたが、現実に安全保障関連法が成立し、ここまで母国に失望、いや絶望するとは思わなかった。戦後70年にして民主主義と平和主義の崩壊を目の当たりにしている。「抑止」というけれど、それは中国などの軍事的脅威が高まったから、日本がそれに対抗しようという、いたちごっこの構図にしか映らない。武力に武力で対抗した結果は人類の歴史がすでに証明している。質ある審議と正当な手続き、世論の反映のない安保法案を、政府がいくら「丁寧に説明」しても欠陥が次々と見えるだけ。しかも、強行採決するとは先進国のすることか。今、この国にはギリシャよりも深刻な財政赤字をはじめ、震災復興や原発、頻発する自然災害、少子高齢化など、明日の日常生活に直結する問題が山積している。その上、東京五輪・パラリンピックまで抱え込んでいる。最も問題にするべきなのはむしろ、国内に対してではないか。現政権を選択したのは我々国民だ。これから何を選択し、どう動くのか。私自身もどのように生きていくのか、深く問われている。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11985294.html
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深い思考促す現代美術 ヒロシマ・アート・ドキュメント 想像力かき立てる表現(2015/09/26ヒロシマ平和メディアセンター)
ジャン=リュック・ヴィルムート(フランス)「タイムス サイエンス」は、巨大な壁面にチョークで克明に刻まれた年輪。中央に配された三つの時計は、広島・長崎への原爆が投下された時刻と、福島第1原発事故を招いた東日本大震災の発生時刻を指す。その時刻から広がる年輪の前に立つと、歴史の連続性や出来事の関係性を思わずにはいられない。パリ在住のセシール・アートマン「堆積物と空隙(ウォール街、広島)」は一見、抽象的な文様を重ねたようだが、壁など身近な事物の一部をフォーカスしたりモノクロームを反転させたりした写真によるインスタレーション。ともにパリ在住の映像作家ジュディット・カエンと江口方康が共同制作した2点のビデオ作品は、既成概念を激しく揺さぶり、他者への共感や記憶の共有についても問い掛けてくる。
http://www.hiroshimapeacemedia.jp/?p=51606
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首相の会見 中身伴わぬ軸足シフト(2015/09/26京都新聞)
安倍晋三首相は、今後の政権運営で経済再生と社会保障の充実に全力を挙げる方針を打ち出した。強い反対世論を押し切って安全保障関連法を成立させたことから、来夏の参院選を見据えて生活重視に軸足を移し、離れた国民の支持を呼び戻す狙いなのだろう。「国内総生産(GDP)600兆円」「1億総活躍社会」といった威勢のいいスローガンを並べたが、内容には目新しさも具体性も乏しい。実現への道筋も見えず、これで国民の批判をかわすつもりなら、甘すぎるのではないか。安倍首相は、自民党総裁の再選と国会の事実上閉幕を受けた会見で「アベノミクスは第2ステージへ移る」と経済優先を強調。2020年に向けた新「三本の矢」として「強い経済」「子育て支援」「社会保障」を挙げた。掲げたGDP目標は、14年度の実績から約2割増しとなる。内閣府がはじいた名目3%の成長率が前提だが、バブル後に達したことのない高さだ。昨春の消費税増税後、戻らぬ個人消費から今年4〜6月期はマイナス成長に陥り、中国をはじめ世界的な景気減速が強まる中、現実味を欠いたアドバルーンと言わざるを得ない。・・・参院選で安倍首相は、引き続き憲法改正を公約に掲げる考えだ。経済政策で国民の関心を集めて政権を維持し、実現に向けた地ならしをしたいのだろう。だが打ち上げ花火のような経済目標も中身を伴わなければ国民の失望と不信を増す。
http://www.kyoto-np.co.jp/info/syasetsu/
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「安保国会」が閉幕 最高機関の名を汚した(2015/09/26東京新聞)
新しい安全保障法制が成立した「安保国会」が事実上閉幕した。立憲主義を蔑(ないがし)ろにし、「国権の最高機関」の名を汚(けが)した国会だった。猛省を促したい。・・・しかし、いくら議会の多数派が内閣を構成する議院内閣制とはいえ、政府が提出した法案を唯々諾々と通すだけなら、単なる「採決装置」に堕す。とても、日本国憲法に定められた「国権の最高機関」「唯一の立法機関」の名には値しない。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2015092602000179.html
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流出の除染袋36袋、回収断念 急流などで環境省(2015/09/25福島民友)
東京電力福島第1原発事故の除染で出た汚染土などを入れた袋が関東・東北豪雨の影響で飯舘村などの川に流出した問題で、環境省は24日、人が近づくのが困難な場所にある36袋の回収作業を打ち切ると発表した。36袋は、袋の調査に入った作業員5人が一時遭難した南相馬市の梵天大滝の付近など、急流の対岸や山中にあることから、同省は回収困難と判断した。同省は「下流の水を調査し、袋の影響をしっかりと把握していく」としている。
http://www.minyu-net.com/news/news/FM20150925-015332.php
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泊原発再稼働、年度内も断念 北電、再々値上げ否定的(2015/09/26北海道新聞)
北海道電力の真弓明彦社長は24日の記者会見で、全3基が停止している泊原発(後志管内泊村)の再稼働について、原子力規制委員会の審査が長期化していることを受け、「本年度末までの再稼働は厳しい」と2016年3月までの再稼働断念を正式に表明した。新たな目標時期は示さなかった。
http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/economy/economy/1-0183201.html
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防衛省の研究費、大学など9件に 軍事利用目的の開発(2015/09/26朝日新聞)
国の安全保障に役立つ技術開発を進めるため、防衛省が公募していた研究費の支給先が決まり、25日発表された。軍事利用を目的に、大学や国の研究機関に研究費を支給する初の試みで、109件の応募があり58件を大学が占めた。採択は9件で、倍率12倍の「狭き門」となった。研究費は「安全保障技術研究推進制度」。防衛省が7〜8月に公募した。超高速の航空機エンジン開発、ロボットや無人車両技術など28分野が対象で、研究成果は「国の防衛」「災害派遣」「国際平和協力活動」への活用を想定している。大学などによる軍事研究への関与に歯止めがきかなくなるとの懸念も出ていた。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11983496.html
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(難民 世界と私たち)ハンガリー、謎の移送 押し返された人々、オーストリアへ(2015/09/26朝日新聞)
紛争地から欧州を目指してオーストリアに到着する難民や移民が、この1週間で大幅に増えている。ハンガリーが力ずくで自国への流入を阻止し、多くの人が隣国クロアチアへ。押し返されてきた難民らを、今度はハンガリー自身が非公式に自国領を通しオーストリアへ移送しているからだ。ハンガリーの意図は謎に包まれている。・・・ハンガリー政府は、専用列車について一切コメントしていない。強硬策で混乱が拡大し、多くの周辺国と関係が険悪化。国内向けには強硬姿勢を強調する一方、こっそり難民らの「回廊」を設け、関係回復を図っているとの見方もある。列車が出発するハンガリー南部ベルメンドのクロアチア国境付近は厳戒態勢だ。国境検問所では軍兵士や警官が厳重に警備し、クロアチア側からバスで運ばれてきた難民らは、ハンガリー側バスに乗り換える前に検問所手前で身体検査や所持品検査を受けていた。駅構内では百数十人の警官が警備。担当者は取材に応じず、駅員は「行き先は言えない」と話した。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11983407.html
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ローマ法王、温暖化は「人間活動の影響」 米議会、与野党の反応真っ二つ(2015/09/26朝日新聞)
訪米中のローマ・カトリック教会のフランシスコ法王が、気候変動問題について対応を求める発言を繰り返している。24日にあった連邦議会の演説でも触れ、与野党で温暖化の原因や対策に対する見解が異なる会場は、反応が真っ二つに割れた。・・・法王は、温暖化などの被害について「人間活動による環境悪化の深刻な影響」と明言。対策に積極的な与党・民主党議員たちは、いっせいに立ち上がって拍手を送った。民主党下院トップのペロシ議員は声明で、「法王が地球を救うよう私たちに呼びかけている」などと述べた。一方、野党・共和党は温暖化の原因について、化石燃料の消費など人間活動によるものではないとの立場を取る議員が多い。次期米大統領選の候補者指名争いに名乗りをあげているクルーズ上院議員らは席に座ったまま、拍手も送らなかった。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11983408.html?ref=pcviewpage
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(社説)「新3本の矢」 言葉が踊るむなしさ(2015/09/26朝日新聞)
自民党総裁に再選された安倍首相が、強い経済、子育て支援、社会保障をキーワードとする「新3本の矢」政策を発表した。大胆な金融緩和、機動的な財政運営、成長戦略を柱としてきたアベノミクスが「第2ステージに入った」とし、誰もが家庭や職場、地域で輝ける「1億総活躍社会」を目指すという。・・・ しかし、言葉だけが踊る観は否めない。GDP目標にしても、政府は既に名目で年3%の経済成長を掲げてきた。実現すれば、目安の20年度にはほぼ600兆円になり、今回の目標は従来目標の言い換えにすぎない。しかも、国内経済が成熟し、中国など海外の変調の影響をもろにかぶる構造が強まる中で、3%成長は至難の業だ。実際、安倍政権は発足後の約3年間に1度も達成していない。・・・国民が聞きたいのは言葉ではない。実現可能な具体策と、財源などその裏付けである。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11983312.html
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福島菊次郎さん死去 反権力の写真家 94歳(2015/09/26朝日新聞)
原爆や公害などをテーマに戦後日本を撮り続けてきた報道写真家の福島菊次郎(ふくしま・きくじろう)さんが24日、脳梗塞(こうそく)のため死去した。94歳だった。葬儀は本人の意向で行わない。福島さんは、山口県下松市出身。被爆者の闘病や貧苦を追った写真集「ピカドン ある原爆被災者の記録」で、日本写真批評家協会賞特別賞を受賞した。代表作に「戦争がはじまる」「証言と遺言」などがある。「反権力」の立場で、太平洋戦争の戦争責任追及などを続け、82年から数年間、世相に絶望して瀬戸内海の無人島で自給自足の生活をした経験もある。今夏から体調を崩し、入院していた。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11983423.html
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国連の新目標 各国で反映させてこそ(2015/09/25京都新聞)
地域紛争やテロの背景に、貧困や失業がある。地球温暖化は大災害をもたらす大きな要因だ。国際社会が連携して取り組まなければ打開できない難題が増えている。そうした中で、国連の加盟国は2030年に向けた新しい目標で合意し、きょう開幕の国連サミットで採択する。その意義は大きい。「持続可能な開発のための2030アジェンダ」という。飢餓や極度の貧困の撲滅、低所得者層の底上げ、子どもや妊産婦の健康確保、気候変動への緊急対策など17分野、数値目標を含む169項目に及ぶ。2000年に採択、今年末で期限が切れる「国連ミレニアム開発目標」の後を継ぐ。ミレニアム目標が途上国中心だったのを、先進国に目標を広げた。先進国は責任を重く受け止めないといけない。法的な義務はないが、加盟国は政治的に約束したことになる。日本でいえば、新目標にある女性差別の撤廃、所得格差の縮小、再生可能エネルギーの普及などに、より積極的に取り組む必要がある。
http://www.kyoto-np.co.jp/info/syasetsu/20150925_3.html
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大学と軍事研究 第三者の監視が必要だ(2015/09/25京都新聞)
昆虫サイズの小型飛行体など、軍事技術への応用が可能な基礎研究に研究費を支給する防衛省の初の公募に、少なくとも国立9大学を含む16大学が応募したことが、共同通信が主要な国公私立大に実施したアンケートで分かった。大学はかつて戦争に協力したことへの反省から、軍事研究には長らく距離を置いてきた。近年、産学連携が進む中で軍事との関わりがささやかれる研究例もあったが、これまで外部に見えにくかった動きが、公募という形で堂々と表に出てきたともいえる。だが、国民的な議論と合意がなされたわけではない。既成事実が積み上がる前に、大学の軍事研究の是非やルールに関する議論を始めることが必要だ。「応募あり」と回答したのは国立では東京工業大、岡山大、静岡大、香川大、鹿児島大など。公立は大阪市立大、私立は東京理科大、愛知工業大、関西大など6大学だ。一方、旧7帝大は京都大など5大学が「応募なし」、東京大と名古屋大は回答できないとした。気になるのは回答の中に、直接的な軍事研究でなければ応募は許容される、との見解が目立つことだ。今回の公募対象は民生用にも使える基礎研究に限られているものの、それは応募者側の後ろめたさを軽くする方便に過ぎない。主な目的は軍事利用であり、それに加担することになる危険性を、大学や研究者は十分に自覚しているだろうか。・・・政府は昨年、武器輸出三原則を撤廃し、米国を中心とする最新装備の共同開発に加わる道を開いた。従来の防衛産業に加え、宇宙航空研究開発機構(JAXA)などと防衛省の技術協力も進む。安保関連法の成立で「軍学共同研究」を求める圧力は一層強まろう。第三者による多角的なチェックの仕組みが必要ではないか。
http://www.kyoto-np.co.jp/info/syasetsu/20150925_4.html
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米中首脳会談 今世紀の安定がかかる(2015/09/25東京新聞)
オバマ米大統領が、訪米した中国の習近平国家主席と会談する。安全保障などで対立を見せつつも、経済的な重要性を増す中国。両大国は世界の安定に向け、平和共存の道を採らねばならない。習主席にとっては国賓としての初の公式訪米。両首脳の会談は昨年十一月以来となる。懸案はめじろ押しだ。米国は政府機関や企業へのサイバー(電脳)攻撃を中国政府が支援していると批判。中国による南シナ海岩礁埋め立てなどに警戒感を強める。人権問題での隔たりも大きい。・・・ 一方で、経済面では中国への依存度は強まっている。米国入りした習主席はアップルなど米中企業トップらと会談。中国の航空機リース会社は米ボーイング社の航空機三百機を購入することで合意。八月の中国の人民元切り下げ、株価暴落は米国のみならず、世界経済全体に衝撃を広げた。冷戦時代のように対立を際立たせるだけでは、対中関係は築けない。中国との衝突を避け、むしろ、取り込んで共存していく方策を探っていきたい。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2015092502000152.html
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カフカス最古の文字発見、ジョージア古代神殿で(2015/09/24ナショナルジオグラフィックス)
ジョージア(グルジア)のトビリシ国立大学で考古学を学ぶソフィア・パータシュビリ氏は先月、鉄器時代のグラクリャーニ遺跡の古代神殿の発掘作業中に、変わったものに気づいた。崩れた祭壇下の石板に彫られた一連の模様だ。ほかの神殿で見つかった碑文とは違い、ここに記されているのは動物や人間でも、不規則な装飾でもなかった。トビリシ大学考古学研究所の所長で、これまで8年にわたりグラクリャーニ調査団を率いてきたバフタング・リチェリ氏によれば、これはカフカス地方で生じた最古の文字と考えられ、これまでに発見されていたこの地域独自の文字よりもゆうに1000年は古いという。・・・リチェリ氏によると、碑文は神殿が建てられた紀元前7世紀のものと考えてさしつかえなさそうだ。指標となるのは同遺跡で見つかった土器の破片。色や素材、デザインにおいて、ジョージア各地の同じような遺跡からの出土品と共通点があるので、年代についてはほぼ疑いの余地はないという。
http://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/15/091800265/
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テロ思想根絶へ「兵器より子供に本を」 マララさん語る(2015/09/25朝日新聞)
2014年のノーベル平和賞受賞者、マララ・ユスフザイさん(18)が、自身を題材としたドキュメンタリー映画の制作を機に、朝日新聞とのインタビューに応じた。「無人機ではテロの思想を殺すことはできません。そうした考えをやめさせ、子供たちに銃を取らせたくないのであれば、本を与えなければなりません」と語り、各国が軍事よりも教育や医療に予算を振り向けることこそがテロや過激思想に対抗する最善の道だと訴えた。・・・インタビューに先立つ国際メディアとの記者会見では、シリア情勢について「今や何百万人もの子供たち、人々が難民となっている。世界が目を向けなければこの戦争は続き、より多くの人たちが難民になり、より多くの子供たちが教育を奪われる」と警告した。自身の今後に関しては「殺される恐怖は、今や消えてしまった。誰も私を止めることはできないと信じているので、この活動を続ける」と表明した。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11981447.html
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「安保法廃止を」可決 岩手県議会(2015/09/25朝日新聞)
岩手県議会は24日の本会議で、安全保障関連法を廃止するよう求める首相や関係大臣、衆参両院議長あての意見書を賛成多数で可決した。意見書では「国会の審議を通じて憲法違反の法律であることが明白」「圧倒的多数の憲法学者、内閣法制局長官経験者、最高裁長官経験者が違憲と断じたことはきわめて重大」などと指摘。「憲法の根幹にかかわるこの法律が十分な審議を行うことなく成立した」として、「強行採決されたことに抗議するとともに、関連法の廃止を強く求める」としている。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11981376.html
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アベノミクス、遠い実感 成長・消費・賃金、伸び悩む 首相会見「豊かさ」強調(2015/09/25朝日新聞)
自民党総裁に再選された安倍晋三首相は、「戦後最大の経済と国民生活の豊かさ」を掲げたが、足元の消費は盛り上がらず、景気は足踏みが続く。・・・ニッセイ基礎研究所の斎藤太郎氏は「アベノミクスは企業を強くしたが、その恩恵が家計までは届かず、逆に円安による物価高が家計に負担になっている」と指摘する。昨年4月の消費増税後、家計は財布のひもをきつく締めたままだ。物価の影響を差し引いた実質賃金指数は、ここ2年以上、マイナス基調が続いてきた。7月は速報段階でプラスになったが、多くの大企業が政権の賃上げ要請に応じて2年連続でベースアップに踏み切ったわりには、賃金の指標は振るわない。大きな要因は、相対的に賃金が低い非正社員の増加に歯止めがかからないことだ。首相は会見で「アベノミクスで雇用は100万人以上増えた」と胸を張ったものの、政権発足前の12年春からの3年間で、正社員は56万人減る一方、非正社員は178万人も増えた。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11981465.html
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(声)「観客席」から立ち上がろう(2015/09/25朝日新聞)会社員 野本恵(東京都 38)
私は安全保障関連法案に反対するため、デモに参加した。学生団体「SEALDs(シールズ)」の活動に触発されたのが理由だ。数多くのスピーチの中で印象に残ったのは、18日夜、奥田愛基さんが発した「この国に観客席なんてない」という言葉だった。思えば、長年にわたる大人の政治的無関心の結果生まれたのがこの法律なのではないか。安倍政権は、憲法違反と指摘される法案を、議事録の未定稿に「議場騒然、聴取不能」などと記される異常な形で強行採決した。この法律により、近い将来、学費免除と引き換えなどという経済的理由から自衛隊に入り、海外での軍事行動に巻き込まれる若者たちが出てくるかもしれない。大人たちは、自分たちの政治的無関心のツケを若者に払わせようとしているのだ。安保法案をめぐり反対の世論が盛り上がりを見せたが、友人知人の中には事態を傍観している人が少なくなく、情けなく思った。今こそ「観客席」を離れ、自ら思考し、立憲主義を取り戻すための、若者たちを守るための行動を起こすべきだ。すべての大人たちに、強く訴えたい。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11981307.html
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(声)野党は安保法廃止で選挙協力を(2015/09/25朝日新聞)保育園経営 吉岡輝明(神奈川県 59)
来夏の参院選に向け、安全保障関連法の争点化と選挙協力に前向きな動きが野党に出ている。共産党は、選挙区によっては候補を立てないこともありうるという。大いに歓迎する。安保法案の強行採決を見せつけられて、世論の声を聞こうとしない政党が圧倒的多数をしめた時の政治の怖さを、私たち国民は思い知った。主権者である国民の声を軽んじた政党は、国民の手によって目を覚まさせる必要がある。安保法が成立後の朝日新聞社の世論調査でも51%の人が法律に反対している。賛成は30%だ。この声を確実に国政に届けたい。しかし過去の選挙では、野党が分断したために共倒れになり、多くの国民の声が国政に届かなかったことがある。来夏の参院選と次期衆院選では、そうなってはならない。法案に反対した野党各党は「安保法廃止」を訴える統一候補の擁立など、選挙協力を徹底してほしい。安保法案に反対して国会前に集まった人々、そして彼らと心を同じにした日本各地の人々の声を、国政に届ける工夫をじっくりと練り上げてほしい。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11981308.html?ref=pcviewpage
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「難民受け入れは積極的平和主義の一部」 緒方貞子氏(2015/09/24朝日新聞)
緒方貞子・元国連難民高等弁務官は朝日新聞の取材に応じ、「難民の受け入れくらいは積極性を見いださなければ、積極的平和主義というものがあるとは思えない」と話し、難民受け入れに慎重な日本政府の姿勢を改めるべきだと訴えた。日本では昨年、5千人が難民申請をしたが、昨年以前に申請されたものを含めて、昨年1年間に認定したのは11人だった。・・・シリアなどからの難民については欧州だけでなく米国なども受け入れを表明している。これまで日本で難民申請をした約60人のシリア人のうち、日本政府が難民と認定したのが3人にとどまっていることについて「シリア情勢に対する日本の無知ではないか」と批判した。「日本を目指して逃げてくる人は少ない」としながらも、日本に着いた人びとについては、難民としての保護を検討すべきだとの考えを示した。
http://digital.asahi.com/articles/ASH9P2VWLH9PUHBI00H.html?iref=comtop_pickup_01
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「駆けつけ警護」来春にも 南スーダンPKO、安保法適用(2015/09/24朝日新聞)
政府は、安全保障関連法の成立を受け、アフリカ・南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に派遣している陸上自衛隊の武器使用基準を緩和し、来年5月の部隊交代に合わせて任務に「駆けつけ警護」を追加する方針を固めた。19日に成立した安保法のうち改正PKO協力法を反映したもので、早ければ2月にも新たな任務を盛り込んだ実施計画を閣議決定する。自衛隊の活動に安保法を適用する初の事例となりそうだ。南スーダンPKOは自衛隊が現在参加している唯一の活動。国連南スーダン派遣団の司令部要員4人と、施設部隊約350人が首都ジュバで道路修繕や医療支援をしている。南スーダンは2011年にスーダンから独立したが、大統領派と前副大統領派の戦闘が激化。現在もジュバを除く全土に退避勧告が出ている。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11980048.html
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法王が米訪問、大統領と会談(2015/09/24朝日新聞)
ローマ・カトリック教会のフランシスコ法王は23日、米ホワイトハウスを訪れ、オバマ大統領と会談した。ローマ法王の訪米は2008年のベネディクト16世以来という。会談に先立って開かれた歓迎式典で、フランシスコ法王は「一人の移民の息子として、この国を訪問できて幸せだ」と述べ、個人の権利や信仰の自由が保障された寛容な社会作りで、米国と歩調を合わせていくと強調した。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11980016.html
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(難民 世界と私たち)島国根性でやっていけるのか 緒方貞子・元国連難民高等弁務官(2015/09/24朝日新聞)
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)のトップとして、世界の難民問題に取り組んだ緒方貞子氏(88)。国際社会がシリアなどの難民問題に直面するなか、難民の受け入れに消極的な日本の現状に苦言を呈し、「積極的平和主義」のあり方を問うた。・・・
――日本が難民受け入れに消極的である根本的な理由は何だと思いますか。
「長い間、島国を守っていくということだけで来たからでしょう。島国根性的なことは変わっていないと思いますよ。だけど国際化が進んで、非常に国際協力が発達したなかでは、前と同じ島国根性でやっていけるんでしょうか」
――日本の難民認定制度はどうあるべきですか。
「外国は難民条約に基づいて審査するというのはベースになっているけれど、人道的な配慮とか政治的な問題とか、非常に多様な原因に基づいてやっている。だけど日本はなかなか厳しい。私は難民高等弁務官のとき非常に苦労しました」「日本の法務官は、厳しい法律的な視点で(認定審査を)するんですね。日本の法務システムそのものが厳しい。人道的な考え方というものを、教育とかでもっと広めないとダメですよ。私の時代と変わっていないというのは情けないことだと思いますけどね」
――シリアからはこれまで約60人の難民申請があったそうですが、これまで認められたのは3人です。
「日本のシリア情勢に対する無知じゃないの。全然知らないからですよ」・・・
――どういうものが積極的平和主義と考えますか。
「例えば、難民の受け入れは積極的平和主義の一部ですよ。本当に困っている人たちに対してね。それから開発援助も底辺に届くようなものをどれだけやるのか。それが積極的ですよ。難民の受け入れに積極性を見いださなければ、積極的平和主義というものがあるとは思えないと言っていたと、書いて下さい」
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11979956.html
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(社説)核なき世界へ 日本から流れ作れ(2015/09/24朝日新聞)
この春開かれた核不拡散条約(NPT)の再検討会議は最終文書をまとめられずに終わった。核兵器を持たない国々の不満は強まり、NPT体制は危機に直面している。「核兵器のない世界」へ強い意欲を示していたオバマ米大統領の任期も、残り1年半を切った。核廃絶へ向けた歯車を再び力強く動かすために、国際社会があらゆる機会を通じて知恵を出し合う必要がある。・・・核保有国は、部会の設置が、核兵器禁止条約の制定につながることを警戒している。米国の核の傘に依存する日本も、禁止条約に消極的だ。非人道的な核兵器は法的に禁じるべきだとの国際世論が強まるなか、存在感を示せていない。そういう日本が思い切った提案に踏み切るならば、核廃絶へ向けた国際潮流を再び強めることになろう。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11979930.html
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(声)武器輸出、命より利益優先では(2015/09/24朝日新聞)大学生 高橋太郎(千葉県 20)
経団連は、武器など防衛装備品の輸出について「国家戦略として推進すべきだ」という政府への提言を正式決定した。防衛装備品の生産拡大も求めるという。安全保障関連法の成立により自衛隊の活動範囲が広がることを見込んで、政府に防衛産業の基盤強化を求めるものだ。防衛装備庁が10月に発足するのに合わせた提言のようだが、「命」よりも利益の追求を優先させるものだと思う。日本が希求する「平和」に逆行しており、首肯できない。企業が防衛装備品の輸出を進めれば、平和国家としての日本のイメージが大きく揺らぐ。海外進出している日本企業が、テロの標的になる可能性も高まるのではないかと不安になる。人道的に問題があるうえに、海外で活動する日本企業と企業人の生命まで危うくしてしまってよいのか。経団連は、日本を代表する大企業が多く加盟する経済団体だ。それなのに、金もうけ主義に走って「死の商人」となることを、恥ずかしいと思わないのか。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11979935.html?ref=pcviewpage
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(声)選挙で問われる国民の真価(2015/09/24朝日新聞)主婦 山田宏子(神奈川県 76)
各世論調査で反対や疑問の声が多いなか、安全保障関連法が成立した。政権批判も強いが、私たち国民がこの政権を誕生させたことを忘れてはならない。2012年末の衆院選で誕生した安倍政権は、憲法9条改正を念頭に憲法改正手続きを緩める96条改正を目指した。だが、国民の理解が得られないとみるや、13年夏の参院選で大勝した後、内閣法制局長官を交代させてまで憲法解釈変更に突き進んだ。そして昨夏、集団的自衛権行使容認を閣議決定した。しかし、昨年末の衆院選も、安倍政権継続という結果となった。つまり私たち国民は、3回の国政選挙を通じて安倍政権を誕生、継続させてきたのだ。選挙戦で自民党は、安全保障については控えめに、国民受けのいい経済対策を強く主張した。それでも、国民が安倍政権を信認したことに変わりはない。戦後70年続いた平和と「平和国家」ブランドの放棄につながりかねない安保政策の大転換まで許したつもりはない、という国民も多いだろう。私たちにできるのは、安保法が成立した日の思いを決して忘れないこと。今後の国政選挙で、私たち国民一人一人の真価が問われる。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11979936.html?ref=pcviewpage
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大江さん「抵抗しよう」 脱原発と安保法反対集会(2015/09/24朝日新聞)
脱原発と安全保障関連法反対を訴える集会が23日、東京都渋谷区の代々木公園であった。「『さようなら原発』1千万署名 市民の会」が安保法に反対する市民団体に連携を呼びかけて主催し、主催者発表で約2万5千人が集まった。集会の呼びかけ人の一人で、作家の大江健三郎さん(80)は「70年間、平和と民主主義の憲法の中で生きてきたが、いま日本は最も危険な転換期。抵抗して生きていこう」と訴えた。若者たちが反対の声を上げていることにも触れ、「若い人たちが今の志を失わずに持続していくことを心から願う」と激励した。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11980008.html
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沢田研二輝く、あのメロディー 全国ツアー、加瀬邦彦の作品で追悼(2015/08/24朝日新聞)
沢田研二が毎年恒例の全国ツアーを始めた。17日の東京・有楽町、東京国際フォーラムを皮切りに11月3日まで38ステージ。今回は、4月に自ら命を絶った加瀬邦彦の作品ばかりを歌う、沢田なりの追悼コンサートだ。・・・沢田のバックをつとめる鉄人バンドはギター2人、キーボード、ドラムの4人編成だ。どの曲も発表時とあまりアレンジを変えず、しかし時にヘビーメタル並みのサウンドをたたき出す。沢田も甘いハイトーンボイスから深みのあるボーカルに変わっている。
沢田は東日本大震災の翌年から、毎年3月11日にアルバムを発表し続けている。反戦・反原発のメッセージにあふれた新曲ばかりだ。ライブ会場にも脱原発の署名を呼びかけるデスクが置かれている。この夜も4曲だけ、今年出した「こっちの水苦いぞ」からの曲を歌った。鉄人バンドの4人が曲を書き、作詞は沢田自身だ。
「遠巻きに 見ているだけの/紅蓮(ぐれん)の火 音を立て燃え/海水の 焼ける鼻を射る匂い」(涙まみれFIRE FIGHTER)
すっかり白髪になってこうしたメッセージを歌う姿はロッカーそのものだ。客席からももう「ジュリー!」という叫びは聞こえない。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11930130.html?iref=reca
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川魚文化、希薄化に危機感 京都で保津川と暮らし考えるシンポ(2015/09/24京都新聞)
大西教授は、保津川には約50種類の魚がいて、地元では26種類もの漁法で魚を捕っていたと紹介。しかし農薬が使われ出した1960年代以降、人々が身近な淡水魚を食べなくなり、川の文化が忘れられつつあると危機感を示した。原田准教授は、内陸部で人々が出すレジ袋やペットボトルなどのプラスチックごみが、川を通じて海に流れ出していることを紹介した。ごみを野鳥や魚が誤飲する問題が深刻化しているとして、根本的な対策の必要性を訴えた。
http://www.kyoto-np.co.jp/sightseeing/article/20150924000052
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安保法・原発 どちらもさよなら 代々木公園で集会(2015/09/24東京新聞)
安全保障関連法や原発再稼働に反対する「さようなら原発 さようなら戦争全国集会」が23日、東京都渋谷区の代々木公園で開かれた。安保法成立後、初の大規模集会となり、主催者発表で2万5000人が「民主主義を取り戻そう」と訴えた。 主催した市民団体「『さようなら原発』一千万署名市民の会」の呼び掛け人の作家、大江健三郎さんは「最も長く続いた平和が、最も危険な転換期にある」と強調。同じく呼び掛け人で作家の沢地久枝さんは「日本の責任ある人は絶対に責任を取ろうとしない。私たちがやらないで誰が政治を変えるのか」と訴えた。脱原発関連訴訟などに取り組む河合弘之弁護士は「日本が滅びるとしたら、原発事故か戦争しかないと思う。その二つの危険をあえて冒そうとしているのが安倍政治だ」と述べた。福島の被災地や、8月に再稼働した九州電力川内(せんだい)原発の地元鹿児島県、米軍普天間(ふてんま)飛行場の移設問題を抱える沖縄からは、現状が報告された。安保法制に反対する学生グループ「SEALDs(シールズ)」メンバーの奥田愛基(あき)さんもスピーチした。集会後、参加者は渋谷や原宿をデモ行進した。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2015092402000129.html
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理不尽には声を 平和、脱原発願う全国集会(2015/09/24東京新聞)
連休最終日の東京・代々木公園に、平和や脱原発を願う大勢の人々が集まった。原発再稼働、安全保障法制、沖縄の米軍基地問題−。民意を顧みず重要な政策を押し通そうとする安倍政権に、市民の怒りはやむことはない。二十三日に開かれた「さようなら原発 さようなら戦争全国集会」の参加者は「理不尽を見過ごすことはできない。市民の力で少しずつでも変えていきたい」と声を上げた。・・・そろそろ自分の頭で何か考えて言った方がいい。最近はそう思う。戦争へ行きたくないのは利己的だと言った議員がいたけれど、そうした発想が今の自民党にはあるのではないか。憲法学者がここまで怒っているのは、法自体によほどの欠陥があるからだ。改憲の人も怒っているのを、自民党は自覚した方がいい。保守とか革新を超えている。今こそ「戦争反対」「憲法を守れ」と言わなければならない。 福島第一原発の事故は終わっていない。今も被害が広がり続けている。そんな中で(九州電力)川内(せんだい)原発が再稼働した。多くの国民の反対を押し切り、憲法違反の安保法が安倍政権の暴挙で決められたことと重なる。過酷な被曝(ひばく)労働が日本中で仕事を求める人の受け皿になっている。今度は兵役が受け皿になるのだろうか。戦争も原発事故も起きてしまったことから学ばなければ、悲劇は何度でも繰り返される。国土を失い、平和を失い、民主主義を失うのが原発と戦争だ。人権を侵害し、命を冒涜(ぼうとく)し、生きる尊厳を奪う。・・・集団的自衛権を行使した場合、敵国から川内原発や(佐賀県の)玄海原発へミサイルが飛んできたら、日本は全滅する。そのことは一切、触れられていない。皆さんと一緒に、全国の原発再稼働は絶対に許さない運動をつくっていこう。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2015092402000128.html
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