クロアチアにも難民1万1000人、制御不能で検問所閉鎖(2015/09/18CNN)
ハンガリー・セルビア国境(CNN) 中東やアフリカからの難民が欧州に殺到している問題で、東欧のクロアチアは17日、セルビアとの国境にある7カ所の検問所を閉鎖した。クロアチアは難民のために国境を開放したばかりで、この2日間で1万1000人以上が入国した。同国内務省はウェブサイトで、今後は「さらなる発表があるまで」7カ所の国境検問所につながる道路の通行を禁止するとした。クロアチアの国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によれば、同国政府は1日に500人程度の流入に対応する用意しかできていなかったという。
http://www.cnn.co.jp/world/35070783.html
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社説 安保法案参院委可決 民意無視の横暴に憤る(2015/09/18ヒロシマ平和メディアセンター)
何が起きているか分からないほど議場が大混乱する中の採決強行である。きのう参院の特別委員会で安全保障関連法案が可決され、最終局面の本会議に舞台を移した。このありさまで、「良識の府」といえるのか。普通の法案ではない。憲法9条で禁じられてきた集団的自衛権の行使を限定的とはいえ容認し、平和国家の流れを変える。日米同盟の拡大と専守防衛を是としてきた自衛隊の変容にもつながる。まさに日本の将来を左右するものと言っていい。審議が大詰めを迎えても国民の懸念が払拭(ふっしょく)されるどころか、今国会成立は見送るべきだという声が強まっていた。なのに会期末が迫る中、自民党と公明党が一部野党と組んで数の力で反対意見を押し切った。多くの民意を無視した巨大与党の横暴であり、憤りを禁じ得ない。
http://www.hiroshimapeacemedia.jp/?p=51408
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チリ地震、被災地に非常事態宣言 死者12人、行方不明5人に(2015/09/18東京新聞)
【リオデジャネイロ共同】チリ中部沖で16日夜に発生した地震で、チリ政府は17日、震源地に近く最も被害の大きいコキンボ州に非常事態を宣言した。地元メディアによると、政府は同日、死者が12人になり、5人が行方不明と発表した。防災当局によると、地震により、全国で179の家屋が全壊、ほかに463軒が損壊した。17日夕の段階で約8万8千人が停電の影響を受け、9千人が飲料水の供給を受けられない状態という。
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2015091801001360.html
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難民の心のケア訴え ドイツ心理療法士会(2015/09/18東京新聞)
【ベルリン共同】ドイツの連邦心理療法士会は、シリアなどから押し寄せる難民や移民の中には、内戦や家を追われた体験から心的外傷後ストレス障害(PTSD)に苦しむ人が多いとして、早急な対策を訴えている。ドイツはことし中に入国する難民らを最大で約80万人と予測。政府は難民の雇用を人手不足の解消につなげたい考えだが、まずは心のケアが必要となりそうだ。
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2015091801000914.html
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アマゾンの巨大ダムが7割の動物を絶滅させる恐れ(2015/07/10ナショナルジオグラフィックス)
私たちのまさに目の前で、動物が次々に絶滅しているのです」。論文を共同執筆したカルロス・ペレス氏はブラジル出身で、同大学環境科学部の教授だ。「現地では、非常に高い確率で局所絶滅が起きていることが明らかになりました」と語る。しかもそれは、禁猟区や生物保護区域でも起きているという。2年に及ぶ調査をまとめた論文が発表された前日、ブラジルは米国との共同声明を出し、イングランドの面積にほぼ匹敵する1200万ヘクタールの森林を2030年までに回復させると誓約した。また、太陽光、風力、地熱発電の利用を大幅に拡大することも約束した。すでに、ブラジル北西部の熱帯雨林を流れるウアトゥマ川のバルビナダムにも、水上に浮かべるフロート式の太陽光パネルを設置する計画がある。・・・カメン氏は、巨大水力発電計画が次々に出てくる背景について、「国際的な投資を呼び寄せることに関心が集まってしまっているためです」と説明した。発展途上国は、規模の大きなプロジェクトの方が、小規模なものよりも投資を集めやすいと考えているのだという。ペレス氏も同意見だ。大規模ダムは「地域社会ではなく、大手エンジニアリング会社のためにあるようなものです」。こうしたメガダムはしばしば、遠くへ電力を送る送電線が必要となるが、これも非効率的であると指摘する。
http://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/15/070900178/
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安保法案 山本太郎氏が1人牛歩と焼香のパフォーマンス「本日は自民党の告別式」(産経新聞 9月18日(金)15時39分配信)
生活の党と山本太郎となかまたちの山本太郎共同代表は18日の参院本会議で、安倍晋三首相の問責決議案の記名投票に際し、議場をゆっくり歩く「牛歩」戦術で議事進行を遅らせた。投票直前には焼香のしぐさを見せるパフォーマンスを行った。山本氏の遅延行為を見かねた山崎正昭議長が早く投票するよう注意。さらに同党の主浜了氏からたしなめられても牛歩を続けた。壇上では議席を振り向き、焼香するふりを数回繰り返した。議場は山本氏の一連の行動を批判する激しいヤジに包まれた。山本氏は採決後、記者団に「昨日は『自民党が死んだ日』と掲げたので、本日は告別式の流れになる」と持論を語った。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150918-00000562-san-pol
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「私は細菌部隊にいました」(2015/09/18高知新聞)安保法案反対へ沈黙破る。元中村市教育長の谷崎等さん(92)「今、語り継がねば」
「私は『関東軍防疫給水部』という細菌部隊にいました」―。旧中村市(現高知県四万十市)の元教育長、谷崎等さん(92)=四万十市佐岡=が、安全保障関連法案に反対する集会でこう切り出した。自身の戦争体験を公の場で語るのは初めてという。安全保障関連法案への疑問が膨らみ、多くの反対の声を押し切って進む国会審議。「戦争体験者の端くれになりましたが、やっぱり、今語り継がないかんと思って」。緊迫を増す動きが92歳を公の場へ突き動かした。・・・谷崎さんは1944(昭和19)年4月、旧満州(現中国東北部)にあった関東軍防疫給水部のハイラル支部に赴任した。本部は黒竜江省ハルビン市で細菌兵器による人体実験を行っていた通称「731部隊」。谷崎さんのハイラル支部は「543部隊」と呼ばれていた。赴任から半年間は、細菌関連の教育。その後、敗戦までハイラル支部の衛生兵として医務室勤務や文書の整理などを任されたという。
「コレラ菌、チフス菌、赤痢菌をシャーレに入れて培養するんです。最初はね、何をするか分からなかった。やりよるうちに『細菌戦』じゃいう言葉が出てきて。国際法違反って分かって、えらい部隊に来たなって」自身は人体実験に関わらなかった。それでも、安達(アンダー)という実験所で731部隊が人体実験を繰り返していることは聞こえてきた。「捕虜や抗日運動の首謀者を実験所の十字架に掛けて、上空から飛行機で細菌弾を落とす。菌が降りかかった捕虜は悲鳴を上げる。その発病状態を研究するため捕虜をどこかに連れて行く、という話やった。これは、ざまな(大変な)罪悪や、と」・・・なぜ、黙っていたのか。「やはり、特殊な部隊でしょ。あまり話したくなかった」今回は知人から「語っちょかないかん」と推された。毎日テレビで国会審議を見て、言っておかなければ、という気持ちも起きた。「今の時代だからすぐに戦争に結び付くとは思わんけど、戦争はちょっとしたことで起こりうる。集団的自衛権を持ち出すこと自体が心配なんです。戦争だけは絶対、避けないけません」教え子は千人を優に超えるという。「教え子に銃を取らすな。この合言葉で教育をしてきましたから。この思いは変わりません」
http://www.kochinews.co.jp/15anpo/150917anpo-k02.html
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安保参院委可決 次代へ「負の遺産」になる(2015/09/18京都新聞)
「他国で戦争をしない国」から「戦争ができる国」に変える−。日本の未来に向け、これが賢明な選択なのか。
安全保障関連法案を審議していた参院の特別委員会が採決を強行した。学者や著名人に加え、子を抱えた母親や会社員、高齢者、学生らがさまざまな手段で痛切な思いを訴えている。そんな不安や怒りの声に耳をふさいだ。民主政治を損なう暴挙と言うほかない。・・・
「憲法違反」の土台
まず、海外での武力行使を禁じた憲法9条に反する「違憲立法」ではないかという根本的な欠陥だ。与党は集団的自衛権の根拠に半世紀以上前の「砂川判決」を持ち出したが、自ら国会の参考人に推薦した憲法学者をはじめ、大多数の専門家から否定された。土台に大きな「穴」を抱えたまま構築された安保法制であれば、政府はまともに説明できるはずもないし、ましてや国民が理解できるはずもない。政権と世論との溝が生まれるのは必然だろう。二つ目が、この法案には実質的に武力行使の歯止めがないということである。「存立危機事態」「重要影響事態」「国際平和共同対処事態」といった、どうにでも解釈できる新たな概念を作り出した上で、「明白な危険」「他に適当な手段がない」「必要最小限」などの抽象的な言葉で「限定」したと主張する。曖昧を塗り重ねた果てに生まれるのは、時の政権の一存で、いつでもどこへでも自衛隊を海外に派遣できる「フリーハンド」体制にほかならない。
危険増す米と一体化
三つ目は憲法論だけでなく、国際政治や安全保障の観点からも今回の法案は、日本を自縄自縛に陥れて国民の安全を脅かすリスクが大きい点だろう。・・・世界の多極化や経済のグローバル化で相対的に力が低下し、過重な軍事予算の削減が避けられない米国には、日本の自衛隊で穴埋めをしたいとの思惑が透ける。それに追従し、米軍と自衛隊が一体化すれば「米国の敵は日本の敵」となり、他国からは「米国が敵なら日本も敵」とみられかねない。「米国一辺倒」への傾斜は、政権が言う「抑止力の強化」をはるかに上回る危険を、日本に呼び込む恐れが強い。・・・
法成立は断念せよ
「戦争に巻き込まれることは絶対にない」「専守防衛にはいささかの変更もない」「徴兵制が敷かれることは断じてない」と国会で繰り返した安倍首相は、しかし、永遠に首相ではない。後に残るのは根拠のない口約束と、ずさんな法律だけだ。・・・今回の安保法制が、子や孫の世代にも胸を張って継承できるものなのか。民主主義と立憲主義を深く傷つけ、日本に発火装置を埋め込むに等しい中身を直視してほしい。間違いなく、次代への「負の遺産」になる。
http://www.kyoto-np.co.jp/info/syasetsu/
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「違憲」安保法制 憲法を再び国民の手に(2015/09/18東京新聞)
政府が憲法解釈を勝手に変えてしまえば、国民が憲法によって権力を律する「立憲主義」は根底から覆る。憲法を再び国民の手に取り戻さねばならない。安全保障法制をめぐる安倍政権の強硬姿勢は最後まで変わらなかった。国会周辺や全国各地で響きわたる「九条壊すな」の叫びに、耳を貸さなかったようだ。他国同士の戦争に参戦する「集団的自衛権の行使」を法的に可能にするのが安倍政権が進める安保法制の柱である。多くの憲法学者らがどんなに「憲法違反」と指摘しても、安倍内閣と与党側は「合憲」と強弁し続ける傲慢(ごうまん)さだ。・・・ 集団的自衛権を行使しなければ国民の生命や財産、暮らしが守れないというのなら、その賛否は別にして、衆参両院でそれぞれ三分の二以上の賛成を得て改憲を発議し、国民投票に付すのが憲法に定められた手続きだ。その労を惜しみ、憲法そのものではなく、閣議決定による解釈変更で、それまで「できない」と言い続けていたことを一転、「できる」ようにするのは、やはり「禁じ手」だ。憲法軽視がすぎる。・・・私たちは違憲と指摘された安保関連法案の廃案を求めてきた。衆院に続いて参院でも採決強行を阻止できなかった自らの非力さには忸怩(じくじ)たるものがある。しかし、今こそ、英国の政治家で小説家であるディズレーリが残した「絶望とは愚か者の結論である」との言葉を心に刻みたい。憲法を私し、立憲主義を蔑(ないがし)ろにするような政治を許すわけにはいかない。ここで政権追及の手を緩めれば権力側の思うつぼだ。憲法を再び国民の手に取り戻すまで、「言わねばならないこと」を言い続ける責任を自らに課したい。それは私たちの新聞にとって「権利の行使」ではなく「義務の履行」だからである。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2015091802000133.html
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(声)デモに行けなくても思いはある(2015/09/18朝日新聞)地方公務員 荒井きよみ(千葉県 43)
見えているものだけが、すべてではありません。連日の国会前のデモ。私も参加したいと、じりじりする。でも、行きたいと思っていても行けない人もいるんです。そこに集まった人の数だけが、意見を持った人の数ではないことを知ってください。子どもたちの将来のために絶対に安全保障関連法案を成立させたくなくても、その大事な子どもの学校は続いていて、日常は続いているのです。国会議員の人たちはどこを向いているのかなと思ってしまいます。世の中には上司のご機嫌うかがいばかりしている人がいるけど、今の国会はそんな感じ。お盆に親戚が集まったときに「この孫たちを戦争に行かせるようなことがあってはならない」と言う人がいて、ほっとした。でも、孫のいない人で「どうせ私たちが死んだ後のことだから、どうでもいいや」と言う人もいてビックリした。もしかして、議員の人たちもそんな風に思っているのかしら。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11970312.html
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海自の選別説明 文民統制の逸脱明らか(2015/09/17京都新聞)
「信頼できそうにない大臣、短命そうな大臣には言わない。人を見てからだ」。なんと正直な証言なのだろう。防衛省海上幕僚監部が、歴代の防衛長官や防衛相の一部に対し自衛隊が持つ最高機密を相手を選別して説明していたことが分かった。選挙で選ばれた国民の代表である政治家が自衛隊を統率する文民統制(シビリアンコントロール)という民主主義の原則を明らかに逸脱している。自衛隊制服組の独断と独走は看過できない。折から集団的自衛権の行使を容認し、自衛隊の活動範囲を地球規模に広げる安全保障関連法案の参院の審議が最終盤を迎えている。内閣、さらに国会を軽視した海自最高幹部の行為は許されない。参院特別委での真相解明こそ優先すべきだ。
http://www.kyoto-np.co.jp/info/syasetsu/
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「安保法案 平和破壊する」 中国地方 各地でデモ相次ぐ 「戦争NO」廃案訴え(2015/09/17ヒロシマ平和メディアセンター)
安全保障関連法案の国会審議が大詰めを迎えた16日、中国地方の各地で法案に反対する街頭活動やデモが相次いだ。広島市中区の本通り商店街周辺には会社員や主婦たち約100人が集まり「数の力で採決に持ち込もうとする暴挙は認められない」「戦後の平和と民主主義を破壊する法案。被爆地から反対の声を上げよう」などと訴えた。広島県9条の会ネットワークなどでつくる実行委員会が主催した。同市佐伯区の会社員山本博之さん(33)は「強行採決されるのが許せない。反対の声を上げ続ける」と語気を強めた。
http://www.hiroshimapeacemedia.jp/?p=51320
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安保法案が参院特別委で可決 野党、内閣不信任案提出へ(2015/09/17東京新聞)
歴代政権が禁じてきた集団的自衛権の行使を解禁する安全保障関連法案は17日の参院平和安全法制特別委員会で、与党などの賛成多数により可決した。与党は参院本会議での成立を急ぐ。廃案を目指す野党は審議打ち切りに反発し、内閣不信任決議案などで抵抗する構えだ。安保国会は重大局面に突入した。法案は自衛隊法や武力攻撃事態法など10本の改正案を一括した「平和安全法制整備法案」と、他国軍の後方支援を随時可能にする新法「国際平和支援法案」の2本。
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2015091701001327.html
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第一原発でせきの雨水漏えい(2015/09/16福島民報)
東京電力福島第一原発構内の「H4北」タンク群の周辺を囲むせきから12日に漏れた雨水に、東電の排出基準値を超える放射性物質が含まれていた。同社が15日発表した。漏えいしたせき近くで測定したところ、セシウム134と同137、トリチウム、放射性ストロンチウムの濃度合計値は1リットル当たり25ベクレルで、排出基準値の同0・22ベクレルを大きく上回った。
http://www.minpo.jp/news/detail/2015091625354
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安保、採決巡り緊迫 参院委、総括質疑に野党抵抗 未明まで折り合わず(2015/09/17朝日新聞)
安全保障関連法案を審議する参院特別委員会は16日、これまでの審議を締めくくる首相出席の総括質疑を開くかどうかで与野党の対立が激化し、17日未明まで攻防が続いた。自民、公明両党は質疑後、特別委で採決し、同日中に参院本会議での成立をめざすが、法案に対する根強い世論の反対を背景に、野党は徹底抗戦する構えだ。一方、国会議事堂の前では市民や団体による反対のデモが続いた。・・・自民、公明両党は委員会採決後、17日の本会議で法案の可決、成立をめざす。自民は衆参の党所属議員に対し、18日までは国会近くに待機するよう求める「禁足令」を出した。これに対し、民主党、維新の党、共産党、社民党、生活の党と山本太郎となかまたちの野党5党の党首が16日、会談し、与党が特別委での採決を強行した場合、内閣不信任決議案、問責決議案の提出を含め、あらゆる手段で法案成立を阻止することを確認した。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11968519.html
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叫び続けるNo 学者もママも学生も 安保法案(2015/09/17朝日新聞)
安全保障関連法案の閣議決定から4カ月。防衛政策を大きく転換する法案に対して、世代や立場を超え、多くの人々が反対・抗議の声をあげた。16日午後6時過ぎ、東京・永田町の参院議員会館前。「立憲デモクラシーの会」の共同代表、樋口陽一・東大名誉教授(憲法)はマイクを握り、国会議員にメッセージを投げかけた。「議員一人ひとりが歴史に対する責任を持っている。良心に照らして投票して欲しい」。同会は昨年4月、憲法9条をめぐる政府解釈の変更を進める安倍政権に危機感を抱いた法学者や政治学者らで結成した。研究者の抗議の動きは広がり、6月には「安全保障関連法案に反対する学者の会」が結成された。発起人はノーベル物理学賞の益川敏英・京大名誉教授ら。今月16日までに約1万4千人の学者が加わり、一般市民も約3万人が賛同した。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11968396.html
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日本国債、1段格下げ 「アベノミクス、信用力好転に至らず」 S&P(2015/09/17朝日新聞)
米格付け会社のスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は16日、日本の国債格付けについて、「AAマイナス」から「Aプラス」へと1段階引き下げたと発表した。「デフレ脱却や経済成長をめざした政府の経済政策が、国債の信用力の低下傾向を今後2〜3年で好転させる可能性は低い」として、安倍政権の経済政策「アベノミクス」の効果が見込めないことを理由に挙げた。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11968380.html
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沸く都心、地方と差拡大 基準地価(2015/09/17朝日新聞)
オフィス不足や訪日客の増加で値上がりする大都市圏と、人口減で下落が続く地方。国土交通省が16日に公表した全国の基準地価からは、景気回復の動きが地方にも広がっているという様子はうかがえない。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11968406.html
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(難民 世界と私たち)荒れる海、人の波 ギリシャ・レスボス島(2015/09/17朝日新聞)
秋が来て風が強まり、エーゲ海が荒れ始めた。欧州への玄関口であるギリシャのレスボス島には、紛争下のシリアなどを逃れ、難民登録を求める人々が押し寄せている。ギリシャ警察によると、今年、この島に着いたのは計約14万人。9月上旬だけで約2万6千人にのぼる。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11968373.html
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(社説)「違憲立法」採決へ 憲法を憲法でなくするのか(2015/09/17朝日新聞)
強まる国民の反対の中、安全保障関連法案をめぐる与野党の攻防は最終局面を迎えた。与党はあくまでも週内に成立させる構えだ。歴代内閣が「憲法を改正しなければできない」と明言してきた憲法解釈を覆し、安倍内閣が集団的自衛権の行使を認める閣議決定をしたのは昨年7月。以来、憲法学者や元内閣法制局長官らの専門家が、そのおかしさを繰り返し指摘してきた。・・・それでも政権は法成立へとひた走った。これは、安倍内閣が憲法を尊重し擁護する義務を守らず、自民党や公明党などがそれを追認することを意味する。法治国家の土台を揺るがす行為だと言わざるを得ない。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11968336.html
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(声)財政面からも安保法案は疑問(2015/09/17朝日新聞)大学名誉教授 西成田豊(東京都 66)
国民の生命、安全、幸福を追求する権利を守ることは、政治の基本である。その基本は社会保障、安全保障、そして私の造語であるが、防災・減災保障の三つの柱から成り立っていると考える。これらの三つの柱は、それぞれ財政的裏付けがあって初めて現実的なものとなる。参院での審議が大詰めを迎えた安全保障関連法案は、国民の生命、安全、権利を守るために、集団的自衛権の行使によって安全保障を拡大・強化しようとするものだと言われている。もし、この法案が成立すれば、専守防衛を前提として組まれてきた予算が増加することは間違いない。借金が1千兆円を超えるわが国で、それは可能なのだろうか。国民の生命、安全、幸福追求権が脅かされる脅威は、他国の軍事行動を後方支援しないことによって発生するというよりも、社会保障費の削減や東日本大震災以降、頻発している地震、火山の噴火、異常気象による自然災害によってもたらされていると考える方がリアリティーがある。社会保障、防災・減災保障の充実が急を要する課題だと考えれば、わが国は財政面からも「戦争ができる国」になってはならないと思う。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11968339.html?ref=pcviewpage
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(声)政府は辺野古移設問題を白紙に(2015/09/17朝日新聞)会社役員 清水敬治(東京都 67)
案の定と言うべきか。沖縄県の米軍普天間飛行場の辺野古移設を巡る政府と沖縄県の1カ月におよぶ集中協議は、実のある成果を何一つもたらさなかった。翁長雄志知事は辺野古の埋め立て承認を取り消す手続きに入り、政府は今秋中にも埋め立て作業に着手する構えだ。結局、集中協議は、違憲の疑いが濃厚な安全保障関連法案への批判をかわすための、安倍政権のポーズに過ぎなかったのではないか。各種世論調査で日米安全保障条約の支持の割合は高率というが、そもそも全国の面積のわずか0・6%しかない沖縄県に、米軍が日本に持つ専用施設の74%が集中している事態が異常なのだ。国民が日米安保条約が本当に必要だと思うなら、その負担は国土全体、国民全体で分かち合うべきだ。沖縄戦で県民の4人に1人が命を落としたとされる悲劇が起き、本土復帰後も米軍基地が沖縄に押しつけられてきた。私には危険な原発を地方に押しつけながら、その必要性を説くのと同じ身勝手な論理が沖縄の問題でも展開されているように思えてならない。辺野古移設問題は、白紙にもどすべきだ。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11968342.html?ref=pcviewpage
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(にっぽんの現在地)戦争するということ この夏、「野火」を公開した映画監督・塚本晋也さん(2015/09/17朝日新聞)
――安倍内閣は、安全保障関連法案を「平和安全法制」と名付けました。戦争のイメージをできるだけ遠ざけたいという意図を感じます。
「戦争とは結局、殺すか、殺されるか。極めて肉体的なものですが、安保関連法案の国会審議を聞いていても、戦争の現場で痛い目にあった人たちの存在は忘れさられているとしか思えません。その痛みの実感をどうにかして取り戻さないと、『戦争は平和である』的な政府の論法にズルズル引きずられてしまいます」「ものすごいスピードで物事が進められているのは、深く考えてもらったら困るからでしょうか。徴兵制はあり得ないとか、戦闘には参加しないという政府の言葉はどうやって信用したらいいのでしょうか。自民党の憲法改正草案には、国家のためには個人の人権は軽く扱わせて頂きますよということが、ちょっと難しい言葉で書いてある。テクノロジーの発達で戦争の方式は変わっても、そこに根付く精神が戦前と変わらなければ、同じようなことが起こり得ます。『戦争は絶対悪だ』という線を手放してしまえば、限定的だとか後方支援だなんていう境目は、いずれ押し流されてしまうのではないでしょうか」
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11968347.html
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(ウォッチ安保国会)声、今こそ聞いて 国会前で「廃案」コール(2015/09/17朝日新聞)
採決に向けた大詰めの委員会質疑が迫る国会前に、深夜まで多くの市民が集まり、抗議の声をあげた。閣議決定から4カ月。この間、違憲性が問われ続けた安全保障関連法案をめぐり、与野党の溝は埋まらぬまま。議論は尽くされたのか。市民は口々に訴えた。法案の採決に反対する人たちは16日夜も東京・永田町の国会前に集まった。主催者発表で参加者は約3万5千人。歩道は身動きできないほどに混雑。土砂降りの雨の中、ずぶぬれになった市民たちが声を上げた。その一部は午前1時を過ぎても「廃案、廃案」「強行やめろ」とコールを続けた。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11968482.html
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公聴会「アリバイ作りだ」 安保法案(2015/09/17朝日新聞)
安保関連法案に関する地方公聴会が16日、横浜市のホテルで開かれた。関心の高い重要案件の審議の際、国会法では衆参の委員会が公聴会を開き、学識経験者らに意見を聴くことができる。ただ、過去には開催日に採決されたこともあり、出席した委員らから「アリバイ作りではないか」との批判が相次いだ。「横浜地方公聴会は慎重で十分な審議のための会ですか。採決のための単なるセレモニーですか」公述人の水上貴央弁護士が意見陳述の冒頭、鴻池祥肇委員長に迫った。質問する側の野党委員も「地方の声を審議に生かすべきだ」「もっと前に開くべきだ」と代わる代わる訴えた。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11968484.html?ref=pcviewpage
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86歳つぶやく「開戦前の気配」 ツイッターで反戦訴え(2015/09/16朝日新聞)
太平洋戦争の時代に育った86歳の女性が、パソコンでツイッターを駆使して「反戦」を訴えている。終戦から70年たったいま、戦争を美化していた時代に似てきていないか――。おばあちゃんの心配がネット上で反響を呼んでいる。埼玉県坂戸市の長谷川昌子さん(86)は、1日3時間ほど、自室でパソコンに向かう。8月末にはこう書き込んだ。昨今開戦前の気配が感じられ、今戦争に巻き込まれたら日本全滅と恐怖の思いの日々。どうか歯止めをかけてください。思いを込めた短文。「戦争になれば、孫やひまごが巻き込まれてしまう。不安で仕方ありません」と話す。長谷川さんは1929年、新潟県柏崎市で生まれた。青春を謳歌(おうか)するはずの女学校時代は戦争末期と重なり、学徒動員で戦闘機のスプリングを削り続けた。空襲で親戚が家を失い、幼なじみは出征したまま帰らなかった。好きな歌も敵性語だと禁じられ、食べ物にも事欠いた。・・・ 発信を続けるうちフォロワーが増え、若い世代からも反応が寄せられるようになった。「戦前の日本の『雰囲気』を戦後生まれの世代はもっと知るべき。これからもつぶやいてください」「戦争についてあなたの言葉から学ばせていただきたい」長谷川さんは言う。「思いを自由に発信できるのも、86歳まで生きてこられたのも、平和だからこそ。戦争の悲惨さを次世代にきちんと伝えたい」(岩波精)
http://digital.asahi.com/articles/ASH9G4Q1DH9GTIPE035.html?iref=comtop_6_01
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安保法案、こう思う 赤川次郎さんら著名人、意見発信(2015/09/16朝日新聞)
赤川さんは法案について「成立すれば自衛隊がアメリカの『下請け』になる」と批判。「抑止力になる」として採決を目指す安倍晋三首相の姿勢については「戦争することで平和になります、と国民を言いくるめている」と指摘した。安倍首相が「日米同盟の強化につながる」と主張する法案の一つに、周辺事態法を改正する重要影響事態法案がある。地理的な制約をなくし、戦闘中の米軍などを後方支援する内容で、野党は「米国の戦争に巻き込まれる」と懸念を示している。
安倍首相が「私は総理大臣なんですから」と国会で答弁する姿などが、赤川さんには「自分が決めたことなんだからこれでいい」と思っているように見えるという。「絶対君主制の皇帝のような気持ちでいるように映ります」・・・赤川さんはもともと「作家は言いたいことを物語に込め、政治的な発言はしない」と考えていた。だが99年、日の丸・君が代を国旗・国歌とする国旗・国歌法が成立したことに疑問を感じたときから、徐々に発言するようになったという。今回のインタビューには「作家としてではなく一人の国民としての発言」として応じた。(柴田菜々子)
http://digital.asahi.com/articles/ASH9J2PHRH9JUTIL002.html?iref=comtop_pickup_01
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戦争・環境破壊…人類の「愚行」を考える 東京・千代田区で展示(2015/09/16朝日新聞)
20世紀から現在まで、戦争や環境破壊などを引き起こした人類の営みについて考える「百年の愚行展」が、東京都千代田区のアートセンター「アーツ千代田3331」で開かれている(27日まで、無料)。・・・11日には作家・池澤夏樹さんが登場し、「愚行を一つでも阻止できるか。妙案はないが考え続けることはできる」と語った。18日はファッションデザイナー・津村耕佑さんと現代美術家・松蔭浩之さん、25日は政治活動家・鈴木邦男さんが語る予定。いずれも午後7時から。一般2000円、事前申込制(www.thinktheearth.net/jp/idiocy)。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11968117.html
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(ウォッチ安保国会)演劇人、無言のNO 全国20カ所の駅頭で訴え(2015/09/16朝日新聞)
安全保障関連法案が参議院で審議される中、法案や進め方に反対する演劇人ら250人以上が16日午前、東京や大阪、京都など全国約20カ所の駅頭で、無言でプラカードを持って抗議する「サイレントスタンディング」を行った。演出家西川信廣さん(65)らで作る「安保法制と安倍政権の暴走を許さない演劇人・舞台表現者の会」が呼びかけた。同日午前8時半から約1時間、各劇団や個人がプラカードを手にして集まった。東京都新宿区のJR信濃町駅前では「文学座」などの有志約30人が「安倍政権の暴走許さない」「安保法制の強行採決 絶対反対」「戦争NO!」「9条壊すな!」などと記したプラカードを掲げ、無言で通勤客に訴えた。・・・「戦争に向かう時代には、表現の自由が制限されがちで、これは世界的な問題。上演作品にも影響が出かねない。僕たちの日本の文化が壊されようとしているという危機感で立った」と、劇場代表の福島明夫さん(61)。「『がんばって』と声をかけてくれる人もいた」と手応えもあったという。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11968084.html
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「憲法の危機」思いは一つ 学生メンバーと元最高裁判事(2015/09/16朝日新聞)
与党が安全保障関連法案の採決を今週中にも目指す中で、15日の参院特別委の中央公聴会では学生団体の中心メンバーと元最高裁判事という異色の顔ぶれが「勇気を出して来た」と口をそろえた。元裁判官75人も法案の慎重審議を求める意見書を提出した。・・・SEALDsは「危機に瀕(ひん)した憲法を守る」と抗議を続ける。奥田さんは前日も国会前で「僕はみんなの代表ではない。みんなが個人として来ている。それを伝えに国会に行く」と宣言していた。各地のうねりを国会で伝えたかった。「私たちが世論を作り出したのではない。この状況をつくったのは紛れもなく与党の皆さんです。国会答弁や理解しがたい例え話を見て、不安に感じた人が声を上げ始めた」。議員の顔を見渡しながら、淡々と話した。与党が週内の法案採決を目指す中、奥田さんは議員に訴えかけた。「政治のことをまともに考えることが馬鹿らしいことだと思わせないでください。自分の信じる正しさに向かい、勇気を出して、孤独に思考し、判断し、行動して下さい」「勇気を振り絞って、ここに来た」という奥田さんと同じように、公聴会には「あまりにもひどい状況で黙っていられない」と沈黙を破って来た人もいた。
弁護士出身で元最高裁判事の浜田邦夫さん(79)だ。2001〜06年に最高裁判事を務めた。「現役の裁判官たちに影響を及ぼすことはOBとしてやるべきではない」と思い、これまでは安保法制についての発言は慎んでいた。だが、「これでは日本の社会全体がダメになってしまう」と思い、公述人を受けた。・・・浜田さんは飄々(ひょうひょう)として辛辣(しんらつ)。内閣法制局を「今は亡き」と形容して皮肉った。法案成立後に「訴訟が起きても、最高裁は違憲判決を下さない」と述べた与党推薦の公述人に対しては「大変楽観的な見通し。司法をなめたらいかんぜよ」と大見えを切ると、委員会室は拍手に包まれ、与党議員も苦笑いを浮かべた。
抗議に立ち上がった若者たちについて聞かれた時は「大変うれしく思う」と相好を崩した。「私は60年安保で樺(かんば)美智子さんが亡くなった現場から50メートル離れた場所でデモに参加していた」と打ち明けた。「過激な学生、一般学生、労働組合……」と振り返り、「今回は全然違う」と付け加えた。「SEALDsのみなさんが、全国のいろいろな人が、学者が芸能人が、立ち上がっている。事実を認めようとしない政府の態度は、日本の政治、社会に禍根を残します」(伊木緑、後藤遼太)・・・裁判官は退官後も政治的な発言はしないのが通例だが、北澤貞男さん(75)は「異常事態に黙っているわけにはいかない」。田村洋三さん(72)は「裁判官は憲法を守ることが職務。立場上表明できないが、裁判所におられる人も同じ気持ちだろう」と語った。喜多村治雄さん(77)は「法案成立は終わりの始まり。安保法制で日本が何をしようとしているのか見守っていく」と話した。(市川美亜子)
http://digital.asahi.com/articles/ASH9H5Q6ZH9HUTIL04M.html?iref=comtop_pickup_01
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安保法案大詰め 国民不在の採決に反対する(2015/09/16京都新聞)
与党は安全保障関連法案をきょうにも参院平和安全法制特別委員会で採決し、週内に参院本会議で成立させる構えだ。歴代内閣が否定してきた集団的自衛権の行使を容認し、自衛隊の海外派遣を飛躍的に拡大する法案である。多くの憲法学者や元内閣法制局長官らが「違憲」と指摘し、共同通信の世論調査では6割が法案に反対し、3割の賛成を大きく上回る。国民に広がっているのは、専守防衛に徹してきた戦後の平和主義が変質し、日本が「戦争をする国」になるのではないかという不安だ。衆参両院で200時間に及ぶ審議を経ても、政府は不安を解消する十分な説明をできていない。むしろ疑念は深まっている。そんな生煮えの状態で法案を認めるわけにはいかない。政府・与党は今国会での成立を断念すべきだ。
揺らぐ合憲性の論拠
ブレーキ役となるべき国会のチェックにも懸念が残る。存立危機事態の判断は、国会が事前か事後に承認する。だが、国家安全保障会議(NSC)や特定秘密保護法と一体で運用されるため、重要な情報が特定秘密に指定されて開示されない可能性がある。そうなれば、国会の承認自体が形骸化しかねない。集団的自衛権の行使を違憲とする指摘に対し、安倍晋三首相は「違憲立法かどうか、最終的な判断は最高裁が行う」と反論した。1959年の砂川事件最高裁判決を合憲性の根拠にしたことを踏まえた発言だ。だが、その最高裁の長官を2002年まで務めた山口繁氏は、共同通信のインタビューで「集団的自衛権の行使を認める立法は憲法違反と言わざるをえない」と明言した。合憲性の論拠は揺らいでいる。
「存立危機」の曖昧さ
自国が直接攻撃を受けていなくても他国防衛のために行動する集団的自衛権について、歴代内閣は憲法の制約から行使できないとしてきた。だが安倍政権は安全保障環境の変化を理由に、必要な憲法改正手続きを経ずに閣議決定で憲法解釈を変え、行使を容認した。
法案は「国の存立が脅かされ、国民の権利が根底から覆される明白な危険がある」(存立危機事態)など新3要件に該当する場合に行使を限定している。しかし、具体的に、それがどのようなケースなのかが依然はっきりしない。これまで政府はわずかに朝鮮半島有事での米艦防護、中東・ホルムズ海峡での機雷掃海を事例として挙げたが、行使の必要性について答弁が定まらない上、存立危機事態の認定については「総合的に判断する」と繰り返すばかりだ。法解釈が曖昧では政府の裁量が拡大し、海外での武力行使に突き進む恐れが出てくる。・・・
法治国家への背信
集団的自衛権行使など法案の内容の多くは、米国のアーミテージ元国務副長官ら有識者が12年に発表した日米同盟に関する提言に盛り込まれている。政府は関連を否定するが、影響を与えていることは疑いようがない。米国から与えられた課題に応えるために違憲の疑いのある法案成立を急ぐのだとすれば、法治国家への背信と言わざるを得ない。国民不在の性急な採決強行に反対する。
http://www.kyoto-np.co.jp/info/syasetsu/
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安保法案参院審議 「民の声」に耳を傾けよ(2015/09/16東京新聞)
安全保障関連法案に反対する国民の声に、政府・与党はなぜ耳を傾けようとしないのか。憲法違反と指摘される法案だ。このまま成立させてはならない。安保法案を審議する参院特別委員会。きのう国会で中央公聴会が開かれた。きょう横浜市で地方公聴会が開かれる。与党側は一連の公聴会終了後、委員会で採決に踏み切り、秋の大型連休前の十八日までに参院本会議で可決・成立させる方針だ。「違憲立法」が強行され、戦後日本が歩んできた「平和国家」が一転、「戦争できる国家」に変質するか否かの分水嶺(ぶんすいれい)である。・・・法案反対デモは収束するどころか各地に広がり、規模も大きくなるばかりだ。法案成立に国民の合意が形成されたとはとても言えない状況で、政府・与党が数の力で法案成立を強行すれば、国民と政治との分断は決定的になる。・・・ 戦後日本は、専守防衛に徹する平和国家の道を歩み、経済的繁栄を成し遂げた。非軍事の国際貢献に徹し、国際社会の尊敬を得てきた。その「国のかたち」を根本から変えてしまいかねない法案である。採決を強行せず、廃案にすべきではないか。国会議員一人ひとりの良識が問われている。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2015091602000140.html
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安保法案「国民を危険に」 山口大教授ら 廃案求め集会(2015/09/16ヒロシマ平和メディアセンター)
山口大の教授や名誉教授たち約40人が15日、安全保障関連法案の廃案を求める緊急集会を山口市吉田の同大で開いた。「法案は安倍内閣の主張とは逆に、国民と自衛隊員の命を危険に追いやる」などとして、参院での採決強行に反対する声明をまとめた。経済学部の立山紘毅教授(憲法学)は「自衛隊が実力行使するとき、『どこかに法的根拠があればいい』という理屈だが、それがどんなときなのかは詳細に詰めても分からない」と法案の問題点を指摘。昨年末の衆院選で主な争点にならなかったことを挙げ、法案の扱い方や国会審議の進め方に問題があると述べた。15日までに、現職の教職員を含む山口大関係者392人が法案撤回を求める署名に応じたことも報告された。(門戸隆彦)
http://www.hiroshimapeacemedia.jp/?p=51290
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(時時刻刻)最終盤「違憲」次々 「裁判所では通らぬ」 安保法案公聴会(2015/09/16朝日新聞)
安全保障関連法案の参院での採決へ自民、公明両党が歩を進める中、法案を審議する15日の特別委員会は採決の前提とされる中央公聴会を開いた。国会の最終盤にきて、なお、法案の合憲性や必要性など根幹部分に疑問が突きつけられているが、自公は採決に突き進もうとしている。・・・ 「違憲だ」「正当性はない」「詭弁(きべん)だ」。野党が推薦した浜田邦夫・元最高裁判事は、安倍内閣が「合憲」とする集団的自衛権の行使容認について、野党議員の質問に答える形で、法案の違憲性や政府の論理の矛盾を次々と突きつけた。安倍内閣はこれまで、法案が合憲かどうかは最高裁が判断すると再三主張してきた。だが、最高裁判事を5年務めた浜田氏は、政権が「砂川事件」の最高裁判決を「合憲」の根拠としていることについて、判決は日本の自衛権が争われたわけではなかったとして「間違っている」と断言した。歴代政権が集団的自衛権を行使できない根拠にしてきた1972年政府見解の憲法解釈にも言及。内閣が見解の「基本的論理は全く変わっていない」とする一方で「限定的な集団的自衛権は認められる」とした点について、「法律専門家の検証にたえられない。裁判所では通らない」と指摘した。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11966487.html
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辺野古取り消し「支持」 沖縄選出野党議員(2015/09/16朝日新聞)
米軍普天間飛行場の移設計画をめぐり、沖縄県の翁長雄志知事が移設予定地の埋め立て承認取り消しを表明したことを受け、共産党の赤嶺政賢氏ら県選出の野党国会議員5人は15日、「知事の英断を全面的に支持し、辺野古新基地建設阻止のため、持てる力で闘う」とする声明を発表した。政府は移設作業を1カ月間中断して県と集中協議を行ったが、折り合わず今月12日に工事を再開した。声明は「(集中協議は)『民意を聞いた』というアリバイ作り。県民をもてあそんだ」と批判している。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11966511.html
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(社説)安保公聴会 国会は国民の声を聴け(2015/09/16朝日新聞)
新たな安全保障関連法案を審議している参院特別委員会が中央公聴会を開いた。ふだんの公聴会でも多い大学教授にまじって、異色ともいえる2人の公述人が野党推薦で発言した。1人は、「憲法の番人」とも呼ばれる最高裁の元判事、浜田邦夫さん。もう1人は、国会周辺で反対デモを続ける学生団体「SEALDs(シールズ)」メンバーの奥田愛基(あき)さん。浜田さんは法案を「違憲」と指摘。「非常に危機感がある。本来は憲法9条の改正手続きをへるべきものを内閣の閣議決定で急に変えるのは、法解釈の安定性で問題がある」。奥田さんは「憲法とは国民の権利。それを無視することは国民を無視するのと同義」と語った。・・・浜田さん、奥田さんの発言の背後には、政府の説明に不信と不安をもつ幅広い民意があるとみるべきだ。ところが自民、公明両党はきょうの地方公聴会が終われば、直ちに採決する構えだ。国民の代表である公述人の意見を、審議に生かすつもりは最初からなかったと言わざるを得ない。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11966342.html
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(声)政府が立憲主義踏みにじる恐怖(2015/09/16朝日新聞)無職 野津豪人(東京都 63)
安全保障関連法案は、多くの憲法学者が違憲と指摘している。これに対して政府は、砂川事件の最高裁の判決を根拠に合憲であると主張する。だが、政府のこの主張にも、多くの憲法学者が疑問の声をあげている。私自身、この法案について理解できるような政府の説明を聞いたことがない。政府は、最近の中国などの脅威を念頭に、集団的自衛権の行使容認が抑止力になると説明する。抑止力と聞いて思うのは、太平洋戦争開戦の直前1940年に結ばれた日独伊三国同盟である。時の松岡洋右外相が、米国に対して抑止力を高めることが対米開戦を避けることになると考えての締結だった。だが、結果的には対米開戦へと追い込まれたのが、歴史上の事実である。安保法案が戦争法案と言えるかどうかは、私には分からない。しかし、政府が言うように国民の生命、自由及び幸福追求の権利を守ると単純に信じるナイーブさも、私は持たない。むしろ逆に、政府が立憲主義を踏みにじる恐怖を感じている。法治国家に生まれた私だが、政府による公然たる憲法違反を目撃することになるのだろうか。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11966344.html
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(声)「抑止力」は軍拡競争を招く(2015/09/16朝日新聞)無職 天野喜弘(静岡県 71)
確かに、武力を背景とした中国の海洋進出や北朝鮮のミサイルの脅威は、無視できない。だが、冷静に考えれば、現憲法の範囲内にある個別的自衛権、さらに日米安保条約の二つで十分に対応は可能なはずだ。他国同士の争いに武力でもって加わる集団的自衛権の行使は、そもそも必要ない。近隣国家が軍事的脅威になっているならば、個別的自衛権の精度を高め、更に充実させて対応していけばいい。戦争にならないように、外交に力を尽くすのも当然のことだ。そして、国際貢献は武力ではない支援を行う。血を流すことなく、堂々と国際紛争を調停していくことに、臆することはない。これが、人類が二つの世界大戦を経験し、反省して得た大きな流れに沿う考え方だと思う。イスラム国(IS)などの国際テロ組織への対応も、武力のみで解決しようとすれば日本や世界各国でのテロを誘発しかねない。「武力による抑止力で平和を守る」という理屈は、軍拡競争を招きやすい。もし日本が軍事力優先となれば国民生活に悪影響を及ぼし、引き返せない道をたどるだけではないか。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11966346.html
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温暖化回避、パリから再出発 朝日地球環境フォーラム2015(2015/09/16朝日新聞)
国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP21)は11月末からパリで開かれ、新たな温暖化対策の国際的な枠組みを決める。京都議定書の発効から10年。「パリ合意」で、脱炭素社会への道筋は描けるのか。・・・国際社会が地球温暖化への危機感を共有したのは「国連気候変動枠組み条約」が採択された、1992年だった。この条約のもとで97年に京都議定書を定め、二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスの削減を初めて義務づけた。ただ、議定書で削減義務を負ったのは、先進国のみ。CO2を排出して先に発展し、より重い責任があるとの考えからだった。・・・COP21では、途上国も含めて、すべての国が参加する実効的な枠組みをめざす。国別の削減目標は、各国が目標を定めて持ち寄る方式になる。これまでに、約60カ国が目標を提出した。
しかし、目標は言い値ベースで、削減は義務にならない可能性もある。NGOや研究機関は「目標は不十分で『2度』の達成は難しい」とみる。目標を定期的に点検し、引き上げるしくみをつくれるのか。その際、先進国と途上国の取り組みに、どの程度の差をつけるのかは、重要な論点だ。欧州連合(EU)などは、2050年や今世紀末など長期的にめざすべき共通目標を盛り込み、長く続けられるしくみにしようと訴える。また、水害や干ばつなど、温暖化による被害を受けやすい途上国側には、対策のための資金や技術の支援を求める声が強い。議長国フランスのオランド大統領は「資金の約束がなければ、パリ合意はできないだろう」と指摘する。潘基文(パンギムン)・国連事務総長は「失敗すれば、子や孫に温暖化のカオスをもたらすことになる」と話す。人類の「賢さ」が問われる。・・・だが、悲観することばかりではないだろう。京都議定書が採択された97年、800万キロワット以下だった世界の風力発電は、14年に3億7千万キロワットになり、原発と肩を並べた。ほぼゼロだった太陽光発電も1億8千万キロワットになった。自然エネルギーは、世界で新たにつくられる電源の6割以上になっている。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11966323.html
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現実に起きた醜い戦争 作家、ミハイル・シーシキンさん(2015/09/16朝日新聞)
「クリミアの併合を境に、ロシアの社会は人と人とが常に対立する冷戦のような状態になっている」とシーシキンさんは言う。ウクライナ東部は内戦状態に陥り、国境を接するロシアも紛争に介入、多くの犠牲者が出た。「ロシアの人々は国の動きをどう考えるかによって二つに分かれ、互いに耳を貸そうとしない。いずれ人の血が流れるような事態に発展するのではないかと懸念しています」シーシキンさんはモスクワ生まれ。だがここ数年はスイスに暮らす。「今のロシアは、すべての国民を人質にとっているようなものです。声をあげるには覚悟がいる。人質に取られた状態で生きるのがいやなら、国を出るしかない」・・・ 「どんな戦争も醜いものだけれど、特に醜い戦争というものがある。近しい人々が対立させられる戦争です。『手紙』は戦争の醜さを書こうとした小説ですが、そのあとに本当に醜い戦争が起きてしまった」
シーシキンさんは、自身が亡命作家とみなされることを好まないようだ。「21世紀の今、人はどこにでも住めるのだから、亡命という概念は存在しないとずっと思ってきた。私がロシアから亡命したのではなく、ロシアが21世紀から強制収容所のような中世に亡命したのです」「世の中には、死ぬまで政治に興味を持たずに生きられる国もある。私だって、文学のことだけを考えて暮らしたかった」とシーシキンさん。祖国を離れてなお発言を続ける作家は、淡々と語る口調に、時に怒りを、時に覚悟をにじませた。「自由は天からは降ってこない。勝ち取らなければいけないのです」
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11966312.html
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