辺野古、移設作業再開へ 沖縄知事「阻止する」 協議物別れ(2015/09/08朝日新聞) 走る車、遠隔操作の恐怖 ハッカーが乗っ取り、米で実験(2015/09/08朝日新聞) (難民 世界と私たち)門戸開放、ドイツ堅持 ナチス時代の迫害反省・労働力に期待(2015/09/08朝日新聞) 「寒さに震えていたら、見知らぬ人がコートをくれた。初めて人間らしい扱いを受けた」と涙ぐんだ。 仕事の昼休みの合間にミュンヘン中央駅に駆けつけた会社員のベセージェ・カラファトさん(33)はトルコ系移民の3世だ。「祖父母も、今の難民と同様にドイツに受け入れてもらったから、今の自分がある。彼らがいつかドイツの力になると思う」欧州に渡る難民らにとって、ドイツは「憧れの地」だ。経済大国であることに加え、シリアなど紛争地の出身であれば正式に難民として認められる可能性が他国より高い。数カ月かかる認定審査を待つ間、人々は保護施設で無償で暮らし、1人当たり最大月143ユーロ(約2万円)の手当や、生活用品などが支給される。・・・連立与党は難民受け入れを担う州や自治体への支援として、2016年予算に30億ユーロ(約4千億円)を追加支出することで合意した。 「変化を前向きにとらえたい。我々はきっと成し遂げられると信じている」 メルケル氏は9月7日の会見で、難民問題に国を挙げて取り組む姿勢を強調する一方、欧州連合(EU)加盟国間で負担を分かち合うことが重要だと訴えた。 英仏も受け入れ方針 シリアなどから欧州に向かう難民認定希望者について、フランスと英国も7日、今後の受け入れ方針を明らかにした。オランド仏大統領は会見で、「フランスは今後2年間で2万4千人を受け入れる」との意向を示した。5日付の仏紙パリジャンの世論調査では、難民認定の要件をドイツのように緩和することに55%が反対。政治問題化するのは必至だ。英国のキャメロン首相は下院で、2020年までの今後5年間で新たに2万人のシリア難民を受け入れる方針を発表した。 (社説)辺野古協議 工事再開に反対する(2015/09/08朝日新聞) 政府に求める。 工事再開は断念し、より幅広い観点から改めて県と協議を続けるべきだ。・・・話し合うべきことは、まだたくさんあるのだ。そこに踏み込もうとせず、政府がこのまま工事を再開するなら、沖縄の声を聞く姿勢をアピールすることで、安保法案審議による内閣支持率の低下を食い止めようという意図があった、と指摘されても仕方ない。・・・双方が対抗策を繰り出す対立の果てに、司法の場でぶつかり合う。そんな不毛な道しか見いだせず、地元の反感のなかで辺野古に新基地が造られたとしても、日米安全保障の基盤は強まることはない。かえって弱まることになる。 (声)原子力空母の横須賀配備に不安(2015/09/08朝日新聞)鍼灸(しんきゅう)師 相馬正男(東京都 60) 米海軍の原子力空母ロナルド・レーガンが、10月2日に神奈川県の横須賀基地に配備される。同じ原子力空母ジョージ・ワシントンの後継だ。ジョージ・ワシントンは定期メンテナンスなどで横須賀に1年のうち半分以上、停泊していた。首都圏はこれからも長期間、「海に浮かぶ原子炉」を抱えなければいけないのだろうか。再稼働した鹿児島県の川内原発をめぐって、住民の避難計画が問題になっているが、ロナルド・レーガンの周辺人口は日本のどの原発よりも多いのではないか。しかも、熱出力を原発に換算すると、福島第一原発1号機に近い規模だ。空母が外洋に出動すると、甲板から戦闘機などが離着艦する。空母での離着艦は非常に高度な技術が必要だ。日本の原発上空は飛行が制限されており、米軍機も原子力エネルギー施設を回避することになっている。ところが、原子力空母では原子炉の上で、弾薬を積んだ米軍機が離着艦を繰り返す。万一、外洋で事故が起きた時、戻る港はどこになるのだろうか。こうしたいくつもの不安をのせて、ロナルド・レーガンは日本に来ようとしている。 (人生の贈りもの)わたしの半生 ドキュメンタリー映画監督、ジャン・ユンカーマン:6 63歳(2015/09/17朝日新聞) ――1974年の大学卒業後、みたび日本に行ったんですね。 大学時代から、東京にある「アジア太平洋資料センター」という団体が発行する英文雑誌「AMPO」を、米国で読んでいました。成田・三里塚闘争や公害問題など、さまざまな日本の動きが把握出来ました。独自に日本の研究を続けようと卒業時に連絡を取り、手伝いたいと申し入れて、日本に来たんです。・・・ ――それから沖縄とは、どう関わっておられますか。 あのころの沖縄は、ベトナムから撤収した軍用車両があふれ、まさに基地の中に沖縄があった。太平洋戦争では悲惨な地上戦に巻き込まれ、本土復帰後も米軍基地が残り、その負担と米国軍人の犯罪などにおびえる。戦争に苦しみ続ける沖縄の姿は、ずっと僕にとって大きなテーマであり続けている。こうした思いから長編ドキュメンタリー「沖縄 うりずんの雨」を制作、今年公開しました。すべての日本人と米国人が見て、沖縄のために何をすべきかを考えてほしかったんです。 (ひと)杉山千佐子さん 空襲被災者の救済を求め続け100歳になる(2015/09/17朝日新聞) 「戦争中、『お国のため』と言われ、逃げなかった私たちがばかだったんでしょうか」 全国に約800人いた仲間は次々に亡くなり、昨年から全傷連は総会も開けない。自身も市営住宅で一人、横になる日が多い。それでも、この夏は何度も集会に出かけ、マイクを握った。戦後生まれの首相が進める安保法案の行方が気になっている。「戦争は兵隊だけがするんじゃない。空襲で犠牲になるのは女と子ども、年寄りです」 難民、移民ら1万人がドイツ到着(2015/09/07東京新聞) 核燃料サイクル なぜこだわり続けるの(2015/09/07東京新聞) 社説 在日米軍の事件事故 地位協定の改定求めよ(2015/09/07ヒロシマ平和メディアセンター) 安保法案反対、新宿に集う(2015/09/07朝日新聞) 難民ら、ドイツに続々 列車到着、市民歓迎ムード(2015/09/07朝日新聞) (フォーラム)格差、学生と考えた(2015/09/07朝日新聞) (声)安保法案は国を危うくする(2015/09/07朝日新聞)無職 高柳茂(埼玉県 64) 安倍晋三首相は安全保障関連法案の国会審議で、1960年の日米安保条約改定に触れて、こう述べています。「(当時も)戦争に巻き込まれるといった批判が噴出したが、まったく的外れだったことは、すでに歴史が証明している」。しかし、それは日本が専守防衛に徹してきたからではないでしょうか。例えば、自衛隊が発足した54年に「自衛隊の海外出動を為(な)さざることに関する決議」が参院で採択されました。歴代内閣は「集団的自衛権の行使は憲法上許されない」との立場をとってきました。こうした方針が、戦争をせず、巻き込まれもせずにきた理由ではないでしょうか。加えて、日本に対する国際的信用に寄与したと考えます。安保法案が成立すれば、世界中どこにでも自衛隊が出動できるようになります。日本が攻撃されていないのに自衛隊が武力行使すれば、反撃されたり、日本がテロの標的になったりする可能性が高まります。原子力発電所が攻撃されたらどうなるでしょう。安保法案は国の存立を、逆に危うくするものではないでしょうか。 安保法案:抗議集会 早大で吉永小百合さんがメッセージ(毎日新聞 2015年09月06日) http://mainichi.jp/select/news/20150907k0000m040031000c.html ヘイトスピーチに対するメルケル首相のメッセージ(あきこ / 2015年9月6日みどりの1kWh) 「首相の表明は喜ぶべきことであり、どうしても必要なのだ。憎悪、暴力、外国人への敵意について、首相がどのようなメッセージを発するのかがまさに問われているからだ」と南ドイツ新聞は書いている。メルケル首相は今回の記者会見で、今までにはない明確な言葉で、ヘイトスピーチは許さないというメッセージを発したのである。 http://midori1kwh.de/2015/09/06/7287 ドイツ各地の市民の自発的難民救援活動(じゅん / 2015年9月6日みどりの1kWh) ・・・広い見本市会場ではシリアなど紛争地域からの難民およそ1100人が、2週間ほどまえから30人ごとのグループに分かれて暮らしている。「難民たちは、着の身着のままで、何も持っていません。10日前に他のボランティアの人2人とここに来た時には衣類がほんの少しあるだけでした。どうしたらこれだけ大勢の人たちに新しい衣服を与えることができるか考えてしまいました。ところが今では何トンもの救援物資が集まっていますし、ボランティアの数も100人ほどに増えています」こう語るのは救援活動の責任者の一人、36歳のシモーネ・ヘルマンさんだ。 彼女たちの活動はハンブルク市や救援活動が専門の団体による活動ではない。マスメデイアの報道で難民たちの窮状を知り、難民ホームに放火したり投石したりする以外のことをしようと決心し、自由意思で集まった人たちの活動だという。・・・オペラ関係の仕事をしているライナ・ブルンスさん(37歳)は、幼い3人の子供とそのお母さんを家に連れて帰り、泊まらせたが、シャワーを使い、新しい衣服に着替え、十分な朝食をとった彼らは見違えるように生き生きし、ライナさんの好意にそれぞれ感謝の意を表したという。「こんな体験は初めてで、感動した。これからも『モアビートは助ける』の活動を続け、難民たちを家に連れて来たい」と語っていた。市民たちは難民の窮状を見かねて臨機応変に彼らを助けているが、その方法を巡っては当局との意見の相違もある。例えば登録前の難民を自宅に泊めることは、厳密には許されないことのようだが、市民たちの人間的な行為には誰も反対できないのではないだろうか。・・・こうした市民の活動を伝えた「南ドイツ新聞」の記事の見出しは、「メルケルは関係ない、私は自分でそれをやる! 」となっていた。ガウク大統領は先ごろ、難民救済のため協力するよう国民に呼びかけたが、政治家たちが呼びかける以前に、多くの市民が自発的な救援活動を開始しているのが現実なのだ。 http://midori1kwh.de/2015/09/06/7281 EUを揺さぶる大きな問題、ドイツに来る難民80万人(こちゃん / 2015年9月6日みどりの1kWh) この庇護権を行使し、ドイツに保護を申請した人たちは、過去にも1992年に約43万8000人を数えたりしているが、一時は2008年の2万8000人とかなり減っていた。しかし昨年は20万人強、今年は6月末までに既に17万9000人に達している。そしてこの数が今年1年間では80万人になるかもしれないとされるのだ。ドイツでの大きな問題も、申請者のうち、本当に庇護を必要とする人の割合が非常に少ないことだ。ドイツ南部のバイエルン州に今年前半に庇護を申請した人の中で、 庇護されるべきであると認定されたのは何と僅か0.2%の人たちだけだった。67.7%の人たちの申請は却下された。残りの32.1%の人たちは、内戦地域などから来ている難民たちで、この法律が指すところの庇護される資格のある人たちではないが、保護されるべきだとしてドイツに長期滞在が許されている。 難民ら6千人がドイツ到着 特別列車で最終目的地に(2015年9月6日 東京新聞)
原子力機構 未完成施設 納税16億円(2015/09/06東京新聞) オーストリアに難民数千人入国 ハンガリーから 独も緊急許可(2015/09/06朝日新聞) (社説)原発事故と食 対韓紛争で見えること(2015/09/06朝日新聞) (声)次のデモには絶対に参加する(2015/09/06朝日新聞)看護師 外山貴久(東京都 29) 国会議事堂前などで8月30日にあった安全保障関連法案に反対するデモが非常に大規模だったと知り、私も参加をすればよかったと後悔した。憲法違反の疑いがあるのに法案を通そうとしているのは、民主主義の下で行われた選挙で選ばれた議員たちだ。そう考えると、戦後70年で最も国のあり方を変えるだろう局面をつくり出してしまった責任を、有権者の一人として感じる。今さら抵抗してももう遅い、政府の動きは止められないと私は憂えていた。しかし、まだ止めることができるかもしれないという希望を持った。デモが世界中で報道されたからだ。「大人数の日本国民が、安倍総理とは違う考えを必死に訴えている」という認識を世界の人々にさらに持ってもらうことで、世界の世論が日本の政府に疑問を呈すれば変わるのではないか。そう思った。そのためには、もっと多くの人々の力が必要だ。与党が国会で数の力を使うなら、国会の外でも数の力で民主主義を訴える。私より若い世代に負担を強いる歴史をつくらぬよう、私は次のデモに絶対に参加する。 伊方再稼働反対、表明を 脱原発首長会議アピール(2015/09/05共同通信) もんじゅ、機器の重要度分類に誤り 3千点、保全計画見直しに影響(2015/09/04福井新聞) 廃炉の道のり「まだ3里」 事故4年半で第1原発所長(2015/09/04共同通信) マイナンバー:詐欺注意 電話などで個人情報…相談相次ぐ(毎日新聞 2015年09月05日) 憂楽帳:信念の時計(毎日新聞 2015年09月05日) メディア時評:原発再稼働後 メディアの役割は=食と農のアナリスト・武本俊彦(毎日新聞 2015年09月05日 東京朝刊) 今年の夏も厳しい暑さが連日続いていた。しかし、電力不足は起きていない。「猛暑でも電力余裕」(毎日新聞8月12日)と報じられ、特に九州電力管内では、気温の高い日は日照条件も良く、電力のピーク需要に太陽光発電がうまく対応したからだ。川内原発の再稼働については、57%が反対(毎日世論調査8月8、9日)を表明している。その理由を「福島事故から5年もたたないうちの再稼働への強い違和感」と要約している(12日)が、次のような背景があったのかもしれない。東京五輪招致の際、安倍晋三首相は、福島原発事故は完全に「アンダーコントロール」だと宣言した。しかし、地下水の汚染を防ぐための「凍土壁」もなかなか凍結せず、メルトダウンした核燃料が格納容器のどこにあるのかも正確には把握できず、その処理方法も決まっていない。加えて、使用済み核燃料の最終処分場も決まっていない。安倍政権はこのような現状とその打開策について国民が知りたい情報を提供しない。こうした姿勢の積み重なりが57%の「反対」をもたらした要因だろう。しかも川内原発再稼働に際しても、原発が過酷事故を起こした場合に、政府、原子力規制委員会、電力会社のいずれに最終責任があるか不明確なままだ。福島での経験からすると、政府が原発を再稼働したいのなら最終責任は政府にあることを明示するとともに、損害への賠償は最終的に納税者が負担することを国民に説明すべきだ。また、事故が起こった場合の避難計画の実効性も確認すべきだろう。 以上を踏まえると、安易に「原発依存社会」に戻してはいけない(毎日8月12日社説)のはそのとおりだが、メディアとしての対応はどうか。再稼働した川内原発のフル運転の延期は復水器に海水が混じり込むトラブルのためと報じている(毎日8月21日夕刊)。そもそも川内原発のように4年も停止状態にあった原発が再稼働したのは世界で14基だが、機器の腐食などでそのすべてがトラブルに見舞われている(ブルームバーグ8月10日)。この事実を新聞やテレビは報じていないようだ。国民が最終的に判断する上でこうした情報が求められているのではないか。(東京本社発行紙面を基に論評) 特集ワイド:続報真相 安保法案、これだけの危険(毎日新聞 2015年09月04日 東京夕刊) 集団的自衛権の行使 揺らぐ首相の説明、リスク高まる国民 8月30日の国会前の道路は「9条壊すな」「戦争させない」というプラカードを持った人の波で埋め尽くされた。安保法案に反対する市民らの抗議集会。その数は主催者によると12万人(警察発表は3万人)。世代を超えた人々から安保法案の廃案を求める声が相次いだ。市民からこうした声が上がるのは、国会審議で新たな課題が次から次へと露呈しているからだ。・・・自衛官や国民のリスクが高まるのか、否かという問題も解決していない。政府は「リスクが高まることはない」と繰り返すが、憲法学者の水島朝穂早稲田大教授は真っ向から批判する。「集団的自衛権の本質は相手の報復を引き出してしまうこと。仮に北朝鮮が米艦船を攻撃し、日本は攻撃を受けていないのに北朝鮮を集団的自衛権の行使で攻撃したら、北朝鮮の日本への報復は倍返しになるでしょう。国民や自衛官のリスクは圧倒的に高まります」・・・安保法案の裏側には、危険な業務を自衛隊にも担わせようとする米国の思惑がある−−。共産党の小池晃政策委員長はこう分析する。イラクやアフガニスタンにおける対テロ戦争での米軍などの実態を調べると、補給業務が一番テロに狙われていたという。・・・ そもそも違憲では」との疑問 国民の理解ないまま、命懸ける自衛官。全自衛官が持っている「宣誓」にはこう記されている。<私は、我が国の平和と独立を守る自衛隊の使命を自覚し、日本国憲法及び法令を順守し(中略)事に臨んでは危険を顧みず(中略)国民の負託にこたえることを誓います>衆院安保特別委理事で、民主党の長妻昭代表代行は、防衛省から入手した「宣誓」を前にこう語る。「憲法を順守し国民の負託にこたえるとあるが、安保法案に国民の半数以上が違憲と言っており、法案に対する納得性はない。それなのに法案を成立させ、快く自衛官を現地に送り出せますか? 自衛官は命を懸けるのに、今のままでは精神的にも肉体的にも厳しい試練を強いられることになる」 汚染水70万トンに迫る 福島第一(2015/09/05朝日新聞) 東京電力福島第一原発事故から11日で4年半になるのを前に、東電は4日、廃炉作業を報道陣に公開した。タンクの汚染水の濃度を下げる処理は進んだが、総量はなお増え続けており、70万トンに迫る。建屋の山側のエリアは高さ約10メートルのタンクで埋められていた。・・・ ただ、今も建屋には毎日約300トンの地下水が流入し、高濃度汚染水が発生している。新たな対策として、建屋周辺で地下水をくみ上げて処理した後に海へ流す「サブドレン計画」の運用を3日始めた。(熊井洋美) 特別枠3兆8529億円 概算要求最大102兆4千億円 16年度予算(2015/09/05朝日新聞) (声)自民総裁選、気概どこに行った(2015/09/05朝日新聞)無職 河内清(神奈川県 88) 8日に告示される自民党総裁選に、安倍晋三首相が立候補する意向を示した。ところが対抗馬がおらず、安倍首相の無投票再選が決まったかのごとき報道が流れている。国政に携わる者はいつか首相となるべく研鑽(けんさん)を積むものだと思っていたが、自民党において、その気概は一体どこへいったのだろうか。谷垣禎一幹事長は「必ずしも無理に争いを作る必要はないのではないか」と語ったという。だが、自民党総裁になるということは、日本の首相になるということである。総裁選は、各候補者が政策を披露し、党員はもとより広く国民にもそれを知ってもらい、より多くの支持を得た者に国政を任せるという民主主義の王道だ。それに反することを、党の大番頭の幹事長が安易に認めるようでは、先が思いやられる。波風が立たなければよいのか。ぬるま湯は党を鍛えない。戦後70年をへて、現政権は不戦を誓う憲法をないがしろにしてまで、集団的自衛権の行使を可能にする国へと大転換させようとしている。疑義を呈する国会議員がほとんどいないとは、自民党も様変わりしたものである。国家のため、国民のためにどうあるべきかを第一に考える政党人を望むのは無理なのか。 (声)自衛隊に憧れた子を戦に送るな(2015/09/05朝日新聞)主婦 鈴木凪子(宮城県 68) ここ宮城県でも、4年前の東日本大震災で沿岸部は壊滅的な被害を受け、多くの命が奪われた。自衛隊員の絶望的な状況での献身的な救助活動に私たちは心から感謝した。働きを目の当たりにして「将来は自衛隊に入り、困っている人を助けたい」と目を輝かせていた子どもたちが多くいた。国会での安全保障関連法案の審議を見ていると、法案の本質は米国を中心とした他国の戦争に自衛隊が参加することにほかならないと理解するに至った。イラク戦争では非戦闘地域での人道復興支援といわれたが、実情は緊迫した現場だったことが次第に明らかになっている。「人を助けたい」と自衛隊に憧れた子どもたちが入隊後、後方支援の名の下に他国との戦争に巻き込まれる可能性があると思うと心が痛んでならない。安倍政権は弾薬を消耗品だと言う。私は、自衛隊員の命も消耗品のように扱われるのではないかと不安になる。人助けと戦争は正反対だ。米議会で安保法制を夏までに成就すると述べ、拍手を浴びた安倍晋三首相に言いたい。あなたへの賛辞は、自衛隊員の生命を危険にさらすことと引き換えであるのだと。 http://digital.asahi.com/articles/DA3S11948855.html 97歳「共育」問い続ける 教育研究者・大田堯さん、平和と命の勉強会20年(2015/09/05朝日新聞) 安全保障関連法案が突きつけられた戦後70年の夏、学びを変えることから命と平和に向き合おうと説き続ける老学者がいる。97歳の大田堯(たかし)さん。上からの「教育」から、対話による「共育」へ。自らを問い直し、20年来続けてきた中小企業家らとの「学びの空間」をたずね、考えを聞いた。・・・幼稚園などで保育指導をする白濱洋征さん(73)が切り出した。「残虐な事件の影響か、このごろ『しつけなきゃ』という風潮が強くなった気がします」大田さんは、上意下達は日本人に染み込み、「実は僕自身も教えたがり」と現実に目を向けた。学校や図書館で広がる「読み聞かせ」を例に挙げ、「せめて『読み語り』に日常生活の感性から変えましょう」と提案した。「子どもにも『来てくれてありがとう』と言える人間関係が平和の出発点になる」・・・続いて、児童書出版社の社長、田中正美さん(63)が、安保法制に反対する若い母親や若者が国会前に集まっている姿を話題にした。「これまでと違う光景。安倍政権も世論を押しとどめられないのでは」すると大田さんは「その傾向は大事だと思うんですが」と前置きして、問いかけた。何に反対するのか。平和か戦争かのレベルの議論なのか、それとも市民の「内面支配」の問題にまでさかのぼるものなのか。呉服屋の社長、田中克佳さん(57)が発言した。「戦争反対は切実な気持ちだが、『どんな、何を大事にする社会を作るのか』という議論がバブル期から20年出ていない。そこが行き詰まりの根本では」 http://digital.asahi.com/articles/DA3S11948823.html (ウォッチ安保国会)デモの意義とは 政治家から否定的発言(2015/09/05朝日新聞) 2回目の参加という東京都稲城市の高橋由衣さん(20)は30日、人の波に圧倒された。橋下氏の発言に「あれほどの数を『たったあれだけ』と感じるのか」と驚く。選挙にも行ったが、投票した人は当選しなかった。「選挙も大切だけど、そこですくい取られなかった思いをデモで表すのは自然なことだと思う」原発事故以降、デモや集会に通うようになったという神奈川県厚木市の主婦(56)は「参加するには勇気も時間も必要。私も夫に怒られて、何度もやめようと思った。参加者12万人の後ろにいる人への想像力を持ってほしい」と話した。 「議会制民主主義を補う」 |