KIJI LISTpoint NEWS LIST

20182019


<POINT NEWS117>2015/09/05・・・(ヒューマニズムの視点で捉えよう、判断しよう)

sankaku117sankaku
2015/09/05sankaku09/08


辺野古、移設作業再開へ 沖縄知事「阻止する」 協議物別れ(2015/09/08朝日新聞)
政府と沖縄県は7日、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題などを話し合う最後の集中協議を首相官邸で開いた。協議は平行線に終わり、政府は移設先の名護市辺野古での作業を再開する方針を伝えた。翁長雄志(おながたけし)知事は「あらゆる手段で阻止する」と述べ、前知事による辺野古沿岸部の埋め立て承認の取り消しも視野に徹底抗戦する意向を表明した。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11953321.html

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走る車、遠隔操作の恐怖 ハッカーが乗っ取り、米で実験(2015/09/08朝日新聞)
「いったい、どうなっているんだ」――。米国の高速道路を走る車で、運転手が何もしないのに突然ラジオが大音量で流れ、ワイパーが作動した。エアコンの電源も入り、エンジンが切られて車は急に減速。運転手はハッキングの実験だとわかりつつも、パニックに陥った。ITなどの米専門誌ワイアードが、情報セキュリティーの専門家である米国の著名ハッカー2人に頼んだ実験が7月、ネット上で公開されて話題を呼んだ。車から数キロ離れた場所にいたハッカーは、手元のノートパソコンから車の制御システムに入り、遠隔操作した。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11953211.html

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(難民 世界と私たち)門戸開放、ドイツ堅持 ナチス時代の迫害反省・労働力に期待(2015/09/08朝日新聞)
欧州に向かう難民や移民の流れが止まらないなか、ドイツのメルケル首相は7日、国を挙げて受け入れに取り組む姿勢を示した。大きな負担となるにもかかわらず、前向きな姿勢を示す背景には、「迫害された人たちを保護すべきだ」という世論の後押しがある。・・・アフガニスタン出身で「着の身着のままで祖国を出た」というアメハド・ブルーチさん(17)は、薄手のシャツ姿だった。

 「寒さに震えていたら、見知らぬ人がコートをくれた。初めて人間らしい扱いを受けた」と涙ぐんだ。

 仕事の昼休みの合間にミュンヘン中央駅に駆けつけた会社員のベセージェ・カラファトさん(33)はトルコ系移民の3世だ。「祖父母も、今の難民と同様にドイツに受け入れてもらったから、今の自分がある。彼らがいつかドイツの力になると思う」欧州に渡る難民らにとって、ドイツは「憧れの地」だ。経済大国であることに加え、シリアなど紛争地の出身であれば正式に難民として認められる可能性が他国より高い。数カ月かかる認定審査を待つ間、人々は保護施設で無償で暮らし、1人当たり最大月143ユーロ(約2万円)の手当や、生活用品などが支給される。・・・連立与党は難民受け入れを担う州や自治体への支援として、2016年予算に30億ユーロ(約4千億円)を追加支出することで合意した。

 「変化を前向きにとらえたい。我々はきっと成し遂げられると信じている」

 メルケル氏は9月7日の会見で、難民問題に国を挙げて取り組む姿勢を強調する一方、欧州連合(EU)加盟国間で負担を分かち合うことが重要だと訴えた。

英仏も受け入れ方針

 シリアなどから欧州に向かう難民認定希望者について、フランスと英国も7日、今後の受け入れ方針を明らかにした。オランド仏大統領は会見で、「フランスは今後2年間で2万4千人を受け入れる」との意向を示した。5日付の仏紙パリジャンの世論調査では、難民認定の要件をドイツのように緩和することに55%が反対。政治問題化するのは必至だ。英国のキャメロン首相は下院で、2020年までの今後5年間で新たに2万人のシリア難民を受け入れる方針を発表した。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11953247.html

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(社説)辺野古協議 工事再開に反対する(2015/09/08朝日新聞)
政府と沖縄県が1カ月にわたって続けてきた米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設をめぐる集中協議は、物別れに終わった。これを受け、政府は近く、中断していたボーリング調査を再開する方針だ。しかし、政府が一方的に工事を再開すれば、政府と県の間にようやく開いた「対話の窓」が再び閉ざされ、政府と県の亀裂はいっそう深まりかねない。

 政府に求める。

 工事再開は断念し、より幅広い観点から改めて県と協議を続けるべきだ。・・・話し合うべきことは、まだたくさんあるのだ。そこに踏み込もうとせず、政府がこのまま工事を再開するなら、沖縄の声を聞く姿勢をアピールすることで、安保法案審議による内閣支持率の低下を食い止めようという意図があった、と指摘されても仕方ない。・・・双方が対抗策を繰り出す対立の果てに、司法の場でぶつかり合う。そんな不毛な道しか見いだせず、地元の反感のなかで辺野古に新基地が造られたとしても、日米安全保障の基盤は強まることはない。かえって弱まることになる。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11953202.html?ref=pcviewpage

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(声)原子力空母の横須賀配備に不安(2015/09/08朝日新聞)鍼灸(しんきゅう)師 相馬正男(東京都 60)

 米海軍の原子力空母ロナルド・レーガンが、10月2日に神奈川県の横須賀基地に配備される。同じ原子力空母ジョージ・ワシントンの後継だ。ジョージ・ワシントンは定期メンテナンスなどで横須賀に1年のうち半分以上、停泊していた。首都圏はこれからも長期間、「海に浮かぶ原子炉」を抱えなければいけないのだろうか。再稼働した鹿児島県の川内原発をめぐって、住民の避難計画が問題になっているが、ロナルド・レーガンの周辺人口は日本のどの原発よりも多いのではないか。しかも、熱出力を原発に換算すると、福島第一原発1号機に近い規模だ。空母が外洋に出動すると、甲板から戦闘機などが離着艦する。空母での離着艦は非常に高度な技術が必要だ。日本の原発上空は飛行が制限されており、米軍機も原子力エネルギー施設を回避することになっている。ところが、原子力空母では原子炉の上で、弾薬を積んだ米軍機が離着艦を繰り返す。万一、外洋で事故が起きた時、戻る港はどこになるのだろうか。こうしたいくつもの不安をのせて、ロナルド・レーガンは日本に来ようとしている。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11953193.html?ref=pcviewpage

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(人生の贈りもの)わたしの半生 ドキュメンタリー映画監督、ジャン・ユンカーマン:6 63歳(2015/09/17朝日新聞)
■苦しみ続ける沖縄、ずっとテーマに

 ――1974年の大学卒業後、みたび日本に行ったんですね。

 大学時代から、東京にある「アジア太平洋資料センター」という団体が発行する英文雑誌「AMPO」を、米国で読んでいました。成田・三里塚闘争や公害問題など、さまざまな日本の動きが把握出来ました。独自に日本の研究を続けようと卒業時に連絡を取り、手伝いたいと申し入れて、日本に来たんです。・・・ 

――それから沖縄とは、どう関わっておられますか。

 あのころの沖縄は、ベトナムから撤収した軍用車両があふれ、まさに基地の中に沖縄があった。太平洋戦争では悲惨な地上戦に巻き込まれ、本土復帰後も米軍基地が残り、その負担と米国軍人の犯罪などにおびえる。戦争に苦しみ続ける沖縄の姿は、ずっと僕にとって大きなテーマであり続けている。こうした思いから長編ドキュメンタリー「沖縄 うりずんの雨」を制作、今年公開しました。すべての日本人と米国人が見て、沖縄のために何をすべきかを考えてほしかったんです。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11953124.html?ref=cmail_select

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(ひと)杉山千佐子さん 空襲被災者の救済を求め続け100歳になる(2015/09/17朝日新聞)
この夏、あの戦争の空襲の映像が何度もテレビで流れた。そこで傷ついた民間人は何の支援も受けられず、放置されている。「あんまりです」。1972年、全国戦災傷害者連絡会(全傷連)を結成、国による救済を求めた。だが、かなわぬまま、18日に100歳になる。・・・国は旧軍人軍属や遺族には恩給や弔慰金を50兆円払ったが、民間人には「雇用関係がない」と応じない。曲がりなりにも治療費などを払った戦中の日本、同じ敗戦国のドイツに比べ、冷たい。

 「戦争中、『お国のため』と言われ、逃げなかった私たちがばかだったんでしょうか」

 全国に約800人いた仲間は次々に亡くなり、昨年から全傷連は総会も開けない。自身も市営住宅で一人、横になる日が多い。それでも、この夏は何度も集会に出かけ、マイクを握った。戦後生まれの首相が進める安保法案の行方が気になっている。「戦争は兵隊だけがするんじゃない。空襲で犠牲になるのは女と子ども、年寄りです」
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11952019.html?ref=cmail_select

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難民、移民ら1万人がドイツ到着(2015/09/07東京新聞)
【ミュンヘン=共同】内戦が続くシリアなどから欧州に流入した難民や移民らを乗せたオーストリア発の特別列車が、五日から六日にかけドイツ南部ミュンヘンの中央駅に次々と入った。警察当局は六日、到着した難民が一万人を超えたと明らかにした。ドイツは多くの難民らにとって念願の地だが、難民らが同国で自立できるまでには時間がかかりそうだ。報道によると今年前半は難民と正式認定されるまで平均で五カ月以上を要した。五日、到着した難民らは中央駅前に設置されたテントで健康診断を受け、衣類などを渡された。その後、バスで市内に臨時に設けられた宿泊施設に入った。ドイツに入国する難民は昨年の約二十万人から約八十万人に急増すると予想され、申請を処理する当局の人員不足が課題となっている。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2015090702000123.html

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核燃料サイクル なぜこだわり続けるの(2015/09/07東京新聞)
核燃料サイクルは、経済的にも技術的にも、とうに破綻しているのではないか。なのに、今さら国が関与を強め、電力会社に維持させたいのはなぜか。再処理にこだわり続けるのは、なぜなのか。使用済みの核燃料、つまり核のごみに再処理を施して、原爆の材料にもなり得るプルトニウムとウランを取り出し、もう一度燃料として利用する−。それが核燃料サイクルだ。このリサイクルの輪が閉じてこそ、核の平和利用という国策は完成される。ところがその国策は、入り口でもうつまずいた。肝心の再処理工場(青森県六ケ所村)完成のめどが立たない。当初は一九九七年の完成予定が、今は来年の三月と、二十二回も先送りされている。七千六百億円と見込まれた建設費用は、二兆二千億円にも膨らんだ。・・・日本は核兵器保有国以外で唯一、米国から再処理を許されている。政府はその権利を手放したくないために、てこ入れをしようというのだろうか。核燃料サイクルの新たな担い手として、政府が直接所管する「認可法人」を電力会社につくらせて、そこから日本原燃へ再処理事業を委託するかたちをとる。日本銀行や日本赤十字社と同じ認可法人は、国の許可なくつぶせない。膨大な費用がかかっても、核燃料サイクル事業を維持したいという、政府としての明確な意思表示と言えるだろう。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2015090702000132.html

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社説 在日米軍の事件事故 地位協定の改定求めよ(2015/09/07ヒロシマ平和メディアセンター)
 在日米軍基地のもたらす負の側面を直視せねばなるまい。沖縄県で少女が米兵3人に暴行された事件から、きのうで20年になった。その後も米兵の犯罪は後を絶たず、基地に絡む事故が相次ぐ。周辺住民たちが巻き込まれる現状は変わっていない。先月には、うるま市沖で訓練中の米陸軍ヘリコプターが米艦船上に墜落した。米軍機の墜落は、本土に復帰してから46件目という。相模原市の補給廠(しょう)では倉庫が燃え、保管していた酸素ボンベなどが爆発する事故があった。基地周辺の暮らしは常に危険と隣り合わせだと、あらためて思い知らされた。
http://www.hiroshimapeacemedia.jp/?p=50774

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安保法案反対、新宿に集う(2015/09/07朝日新聞)
買い物客でにぎわう東京・新宿で6日、安全保障関連法案に反対する抗議行動があった。時折強く降る雨の中、伊勢丹新宿店などの商業施設が立ち並ぶ歩行者天国の約150メートルを参加者が埋め尽くし、かけ声に合わせて「集団的自衛権は要らない」と声をあげた。主催者によると、参加者は約1万2千人。買い物客もスピーチに耳を傾けたり、携帯電話のカメラを向けたりしていた。学生団体「SEALDs(シールズ)」と「安全保障関連法案に反対する学者の会」が共催。蓮舫氏や志位和夫氏ら野党幹部もスピーチした。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11952062.html

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難民ら、ドイツに続々 列車到着、市民歓迎ムード(2015/09/07朝日新聞)
ハンガリーに流入した中東などの難民らを乗せた列車が6日までに、多くが定住を望むドイツに続々到着した。ハンガリー政府の強硬姿勢で足止めされていた人々を、市民は歓呼で迎えた。今後は保護施設で難民審査の結果を待つ。ただ、到着する難民の激増で受け入れ側の負担も増すばかり。分担をめぐる欧州の議論は困難を極めている。・・・同駅では5日も深夜まで、オーストリア発の列車が次々到着。大勢の市民らが歓呼の声で人々を迎えた。ホームには「ミュンヘンにようこそ」と書かれた手書きの看板もあった。・・・5日にパリで難民らに連帯を表明する数千人のデモが起きるなど支援ムードは周辺国に広がった。ただ、今年過去最多の80万件の難民申請が予想されるドイツでは各地の保護施設はすでに満杯。政府は施設確保に追われる。独メディアは州政府や地方自治体の難民対策費用が80億〜100億ユーロ(1兆〜1兆3千億円)に上る可能性があると報じた。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11951999.html

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(フォーラム)格差、学生と考えた(2015/09/07朝日新聞)
3年生の原口優子さん(20)は、朝日新聞の3月20日付「教えて」シリーズを読み、格差を表す代表的な指標で、「0」に近いほど平等であることを表すジニ係数では、日本の格差が先進国の中で大きく、貧困率も高いことを知りました。原口さんは「所得がない高齢者や子供を含めて比較をするのは意味がない」と考えましたが、18〜64歳で比較したジニ係数でも日本の格差が大きいことを確認しました。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11951925.html

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(声)安保法案は国を危うくする(2015/09/07朝日新聞)無職 高柳茂(埼玉県 64)

 安倍晋三首相は安全保障関連法案の国会審議で、1960年の日米安保条約改定に触れて、こう述べています。「(当時も)戦争に巻き込まれるといった批判が噴出したが、まったく的外れだったことは、すでに歴史が証明している」。しかし、それは日本が専守防衛に徹してきたからではないでしょうか。例えば、自衛隊が発足した54年に「自衛隊の海外出動を為(な)さざることに関する決議」が参院で採択されました。歴代内閣は「集団的自衛権の行使は憲法上許されない」との立場をとってきました。こうした方針が、戦争をせず、巻き込まれもせずにきた理由ではないでしょうか。加えて、日本に対する国際的信用に寄与したと考えます。安保法案が成立すれば、世界中どこにでも自衛隊が出動できるようになります。日本が攻撃されていないのに自衛隊が武力行使すれば、反撃されたり、日本がテロの標的になったりする可能性が高まります。原子力発電所が攻撃されたらどうなるでしょう。安保法案は国の存立を、逆に危うくするものではないでしょうか。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11951907.html

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安保法案:抗議集会 早大で吉永小百合さんがメッセージ(毎日新聞 2015年09月06日)
参院で審議中の安全保障関連法案に反対する抗議集会が6日、東京都内であった。早稲田大学(新宿区)では法案の廃案を求める教職員や学生ら有志約500人(主催者発表)が学内で「全学集会」を開き、卒業生の吉永小百合さんらがメッセージを寄せた。・・・「集会の開催は素晴らしいことであり、大切なことと思っております。どうか継続して運動を続けていただきとう存じます」との吉永さんからのメッセージが読み上げられると、会場から拍手がわき起こった。また、研究者で作る「安全保障関連法案に反対する学者の会」と学生団体「SEALDs(シールズ)」の共同の抗議集会が同区の東京メトロ新宿三丁目駅近くの歩行者天国であり、断続的に雨が降る中、約1万2000人(主催者発表)が「憲法守れ」などと声を合わせた。

http://mainichi.jp/select/news/20150907k0000m040031000c.html

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ヘイトスピーチに対するメルケル首相のメッセージ(あきこ / 2015年9月6日みどりの1kWh)
ギリシャ債務危機の問題が一段落して以来、ドイツでは難民のニュースが出ない日はないほどだ。8月31日、メルケル首相の恒例の記者会見が行われた。この会見で、同首相は初めて大きな社会問題になりつつある難民の受入れについて、明確な発言をした。・・・メルケル首相は、ドイツが難民を受け入れる根拠は連邦基本法に規定された人間の尊厳と庇護権であると述べ、難民へのヘイトスピーチや排斥デモを行う人たちを激しく非難した。「どのような理由であれ、このようなデモへの参加を呼びかける人たちには従わないように。彼らの心は偏見に満ち、冷たさと憎しみがあるからだ。近づかないように!」と強い口調で訴えた。さらに、難民の受入れはドイツにとって大きな挑戦であることを認めた上で、「ドイツは財政危機を乗り越えた、脱原発も短期間の間に実行に移した、自然災害も克服してきた、さらに25年前には東西ドイツ統一も果たした」と述べ、難民受け入れは国民的な課題であり、「我々は必ず成し遂げる」と述べた。・・・私は外国記者協会の会員として、初めてメルケル首相の記者会見に参加したのだが、いくつか驚いたことがあった。一つは、記者会見の最初に首相が連邦記者協会からの招待に謝辞を述べたことであった。これについては、「外国記者協会に登録」でも書いたが、ドイツでは政府が記者会見を開くのではなく、連邦記者会が主催し、首相を招待するのである。日本で首相が記者クラブに招待を感謝することなど、見たことも聞いたこともない私には実に新鮮な驚きだった。二つ目は、メルケル首相が1時間半近くの記者会見中、冒頭のステートメントでは少しメモに目をやったものの、それ以後のすべての質問に自分の言葉で答えたことだった。質問の中には、首相への厳しい批判を含んだものもあったが、常に冷静で声を荒げることもなく、時にはユーモアを交えた受け答えは、日本の首相の受け答えに慣れてしまった私には特に印象的だった。・・・私は初めて参加したので、ドイツの諸新聞が書いているような今までの記者会見との違いを実感できない。それでも、難民への嫌がらせやヘイトスピーチに対して断固と立ち向かう首相の決意の強さは伝わってきた。難民排斥が激しかったハイデナウで、首相に対して激しいブーイングや“裏切り者!”といったプラカードが掲げられたことについてどう思うかという記者の質問に、メルケル首相は、「罵倒されることも政治家の仕事。気になるのは、私が罵倒されることではなく、このような憎悪や雰囲気がドイツにあることだ」と答えた。そして、外国人への罵詈雑言、暴力を正当化するものは何もないことを強調した。

「首相の表明は喜ぶべきことであり、どうしても必要なのだ。憎悪、暴力、外国人への敵意について、首相がどのようなメッセージを発するのかがまさに問われているからだ」と南ドイツ新聞は書いている。メルケル首相は今回の記者会見で、今までにはない明確な言葉で、ヘイトスピーチは許さないというメッセージを発したのである。

http://midori1kwh.de/2015/09/06/7287

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ドイツ各地の市民の自発的難民救援活動(じゅん / 2015年9月6日みどりの1kWh)
連日ヨーロッパに押し寄せる難民の問題がトップニュースになるなか、ドイツ各地では、膨大な数の市民が自発的に難民の救援活動に携わっている。難民収容施設と決められた建物への放火事件や難民排斥デモなどはニュースとして取り上げられやすいが、地道な市民の活動は外国にはなかなか伝わらない。そこで今回は、ドイツで積極的に行われているさまざまな市民の活動に焦点をあててみた。

・・・広い見本市会場ではシリアなど紛争地域からの難民およそ1100人が、2週間ほどまえから30人ごとのグループに分かれて暮らしている。「難民たちは、着の身着のままで、何も持っていません。10日前に他のボランティアの人2人とここに来た時には衣類がほんの少しあるだけでした。どうしたらこれだけ大勢の人たちに新しい衣服を与えることができるか考えてしまいました。ところが今では何トンもの救援物資が集まっていますし、ボランティアの数も100人ほどに増えています」こう語るのは救援活動の責任者の一人、36歳のシモーネ・ヘルマンさんだ。

彼女たちの活動はハンブルク市や救援活動が専門の団体による活動ではない。マスメデイアの報道で難民たちの窮状を知り、難民ホームに放火したり投石したりする以外のことをしようと決心し、自由意思で集まった人たちの活動だという。・・・オペラ関係の仕事をしているライナ・ブルンスさん(37歳)は、幼い3人の子供とそのお母さんを家に連れて帰り、泊まらせたが、シャワーを使い、新しい衣服に着替え、十分な朝食をとった彼らは見違えるように生き生きし、ライナさんの好意にそれぞれ感謝の意を表したという。「こんな体験は初めてで、感動した。これからも『モアビートは助ける』の活動を続け、難民たちを家に連れて来たい」と語っていた。市民たちは難民の窮状を見かねて臨機応変に彼らを助けているが、その方法を巡っては当局との意見の相違もある。例えば登録前の難民を自宅に泊めることは、厳密には許されないことのようだが、市民たちの人間的な行為には誰も反対できないのではないだろうか。・・・こうした市民の活動を伝えた「南ドイツ新聞」の記事の見出しは、「メルケルは関係ない、私は自分でそれをやる! 」となっていた。ガウク大統領は先ごろ、難民救済のため協力するよう国民に呼びかけたが、政治家たちが呼びかける以前に、多くの市民が自発的な救援活動を開始しているのが現実なのだ。

http://midori1kwh.de/2015/09/06/7281

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EUを揺さぶる大きな問題、ドイツに来る難民80万人(こちゃん / 2015年9月6日みどりの1kWh)
ヨーロッパが今、極めて深刻な問題に直面している。シリアなどの内戦地域からの難民やアフリカなどの独裁国からの亡命者、より良い生活を求めてバルカン半島などから脱出して来る人たちが、 欧州連合(EU)に押し寄せて来ているからだ。その数は膨大で、しかも彼らが望む目的地は西ヨーロッパ。中でもドイツに来たいという人たちは最も多く、ドイツ連邦内務省は、約80万人が今年中にドイツに到着するだろうと見込んでいる。・・・ドイツの場合、政治的亡命者のために用意されている庇護権というのは、基本法第16a条に以下のように簡潔に記されている:「 政治的な迫害を受ける者は擁護権を享受する(Politisch Verfolgte geniessen Asylrecht)」。ナチス政府が、政権批判者や反対者を政治犯などとして投獄したり死刑に処したりしたこと、また、ユダヤ人をユダヤ人であるがためのみに絶滅しようとしたことへの反省と、逃亡を試みたそういう人たちを受け入れて彼らの命を救ってくれた国々への感謝の気持ちを反映してできた条項だ。

この庇護権を行使し、ドイツに保護を申請した人たちは、過去にも1992年に約43万8000人を数えたりしているが、一時は2008年の2万8000人とかなり減っていた。しかし昨年は20万人強、今年は6月末までに既に17万9000人に達している。そしてこの数が今年1年間では80万人になるかもしれないとされるのだ。ドイツでの大きな問題も、申請者のうち、本当に庇護を必要とする人の割合が非常に少ないことだ。ドイツ南部のバイエルン州に今年前半に庇護を申請した人の中で、 庇護されるべきであると認定されたのは何と僅か0.2%の人たちだけだった。67.7%の人たちの申請は却下された。残りの32.1%の人たちは、内戦地域などから来ている難民たちで、この法律が指すところの庇護される資格のある人たちではないが、保護されるべきだとしてドイツに長期滞在が許されている。
http://midori1kwh.de/2015/09/06/7292

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難民ら6千人がドイツ到着 特別列車で最終目的地に(2015年9月6日 東京新聞)
 【ミュンヘン共同】内戦が続くシリアなどを逃れ、東欧ハンガリーに流入した難民や移民らを乗せオーストリアを出発した特別列車が5日、ドイツ南部ミュンヘンの中央駅に次々と入った。地元当局によると午後8時(日本時間6日午前3時)ごろまでに約6千人が到着した。ミュンヘン到着後は中央駅前に設置されたテントで簡単な健康診断を受け、必要な衣類などの物資を手渡された。その後、バスで市内のメッセ会場などに設置された臨時の宿泊施設に入った。今後、各地の難民居住施設を割り当てられる予定。
 難民らの一部は、ミュンヘンからフランクフルトやドルトムントなど国内の別の都市に向かった。
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2015090601000966.html

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原子力機構 未完成施設 納税16億円(2015/09/06東京新聞)
 日本原子力研究開発機構(原子力機構)が、未完成のまま休眠状態にある高速増殖原型炉もんじゅの関連施設(茨城県東海村)をめぐり、本来なら完成後に支払う固定資産税など総額約十六億円をこの十五年間に茨城県と東海村に支払ってきたことが明らかになった。機構の運営資金は国民の税金でほぼ賄っているが、実質的な「地元対策費」として立地自治体に流れていたことになる。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2015090602000131.html

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オーストリアに難民数千人入国 ハンガリーから 独も緊急許可(2015/09/06朝日新聞)
 オーストリアのファイマン首相は5日未明、同国とドイツが、ハンガリーからの難民らの入国を緊急措置として認めると表明した。ハンガリー政府が、首都ブダペストに足止めしていた中東、アジアからの難民や移民を4日深夜からバスで国境に送り始めたことに対応した。ロイター通信によると、オーストリア警察は5日午前中だけで約4千人が同国内に入ったとみている。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11950832.html

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(社説)原発事故と食 対韓紛争で見えること(2015/09/06朝日新聞)
東京電力福島第一原発の事故後、韓国が実施した日本産水産物の輸入規制の是非が、世界貿易機関(WTO)の場で争われる見通しになった。韓国は原発事故後、青森―千葉の太平洋岸など8県で水揚げされた水産物の一部の輸入を禁止し、2013年秋からは同地域の全ての水産物に対象を広げるなど、規制を強化した。・・・韓国政府が行った規制強化は、福島第一原発からの汚染水漏れを受けてのことだった。国民の放射能汚染への懸念が強く、消費者の混乱などを防ぐ狙いがあったという。規制の範囲や手段に問題があるとしても、食品については「安全」が必ずしも「安心」につながらない悩ましさは、日韓両国で変わらない。福島第一原発では汚染水漏れがたびたび生じ、漁業者が抗議する事態が繰り返されている。そのたびに消費者の信頼が遠のいていることを、忘れてはなるまい。汚染水を漏らさない。二度と原発事故を起こさない。そうして安全・安心の原点に返るしかないことを、韓国との紛争を機に改めて肝に銘じたい。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11950669.html

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(声)次のデモには絶対に参加する(2015/09/06朝日新聞)看護師 外山貴久(東京都 29)

 国会議事堂前などで8月30日にあった安全保障関連法案に反対するデモが非常に大規模だったと知り、私も参加をすればよかったと後悔した。憲法違反の疑いがあるのに法案を通そうとしているのは、民主主義の下で行われた選挙で選ばれた議員たちだ。そう考えると、戦後70年で最も国のあり方を変えるだろう局面をつくり出してしまった責任を、有権者の一人として感じる。今さら抵抗してももう遅い、政府の動きは止められないと私は憂えていた。しかし、まだ止めることができるかもしれないという希望を持った。デモが世界中で報道されたからだ。「大人数の日本国民が、安倍総理とは違う考えを必死に訴えている」という認識を世界の人々にさらに持ってもらうことで、世界の世論が日本の政府に疑問を呈すれば変わるのではないか。そう思った。そのためには、もっと多くの人々の力が必要だ。与党が国会で数の力を使うなら、国会の外でも数の力で民主主義を訴える。私より若い世代に負担を強いる歴史をつくらぬよう、私は次のデモに絶対に参加する。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11950672.html

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伊方再稼働反対、表明を 脱原発首長会議アピール(2015/09/05共同通信)
「脱原発をめざす首長会議」のメンバーで、高知県内の首長経験者らが高知市で5日記者会見し、四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)の再稼働に反対するアピールを発表した。・・・同会議の世話人で茨城県東海村村長だった村上達也氏は会見で「全国的に見せ掛けだけの避難計画を作ろうとしている」などと批判。高知県は檮原町と四万十市のそれぞれ一部が伊方原発から半径50キロ圏内に位置する。
http://www.47news.jp/CN/201509/CN2015090501001191.html

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もんじゅ、機器の重要度分類に誤り 3千点、保全計画見直しに影響(2015/09/04福井新聞)
大量の機器の点検漏れから運転再開準備の禁止命令を受けている日本原子力研究開発機構の高速増殖炉もんじゅ(福井県敦賀市)で、点検内容や頻度を決める前提となる安全重要度分類が、約3千点の機器で間違っていたことが3日分かった。機構は分類を確認し、点検計画や保全計画を再度、見直す作業を進めている。・・・機構は昨年12月、保全計画を全面的に見直し体制を再構築したと規制委に報告したが、その後も保守管理体制の不備が相次いでいる。今回、機構は5月からの自主確認で分類誤りを把握していたにもかかわらず、6月の保安検査では規制庁に報告せず、8月の面談で初めて明らかにしていた。
http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/nuclearpowermonjuresume/78919.html

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廃炉の道のり「まだ3里」 事故4年半で第1原発所長(2015/09/04共同通信)
東京電力は4日、福島第1原発事故から11日で4年半となるのを前に、汚染水低減策の作業が進む原発構内を報道陣に公開した。小野明所長は完了まで30〜40年とされる廃炉を見据え「ゴールが100里としたら、現状は3里ぐらいだと思う」と述べ、1〜3号機で溶け落ちた核燃料の取り出しなど重い課題が山積しているとの認識を示した。
http://www.47news.jp/CN/201509/CN2015090401001926.html

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マイナンバー:詐欺注意 電話などで個人情報…相談相次ぐ(毎日新聞 2015年09月05日)
10月から番号が通知されるマイナンバー制度をかたり、預金口座番号など個人情報を聞きだそうとする不審な電話や訪問があったとの相談が各地で寄せられている。制度スタートに便乗した新たな詐欺の被害が広がる恐れがあり、国や自治体は注意を呼び掛けている。
http://mainichi.jp/select/news/20150905k0000e040199000c.html

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憂楽帳:信念の時計(毎日新聞 2015年09月05日)
テムズ川を見下ろす丘に建つグリニッジ王立天文台は、英国の歴史の奥行きを感じさせる場所だ。船乗りのため19世紀に始まった時報の合図は、今も続く。敷地を通る「経度ゼロ」の子午線は、七つの海を股にかけた大英帝国の栄光の証しである。見どころぞろいの中で、案内してくれた元天文台職員、フラナリー美紀恵さんが「見逃さないで」と念を押す展示がある。18世紀の時計職人ジョン・ハリソンが製作した四つの時計だ。工業史に残る発明をいくつも組み込んだ時計は船上でも狂わず、航海術を飛躍的に向上させた。庶民階級の彼を当時の科学者は認めようとしなかったが、40年以上も諦めず改良と実験を重ね、80歳で国王から開発者の栄誉を与えられた。「信念の大切さも、教えてくれる時計です」。フラナリーさんは語る。四つの時計は来年、オーストラリアと米国に貸し出される予定だ。今なお正確な時を刻む時計からは、科学の発展に挑んだ職人の心意気が伝わってくる。【坂井隆之】
http://mainichi.jp/opinion/news/20150905k0000e070207000c.html

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メディア時評:原発再稼働後 メディアの役割は=食と農のアナリスト・武本俊彦(毎日新聞 2015年09月05日 東京朝刊)

今年の夏も厳しい暑さが連日続いていた。しかし、電力不足は起きていない。「猛暑でも電力余裕」(毎日新聞8月12日)と報じられ、特に九州電力管内では、気温の高い日は日照条件も良く、電力のピーク需要に太陽光発電がうまく対応したからだ。川内原発の再稼働については、57%が反対(毎日世論調査8月8、9日)を表明している。その理由を「福島事故から5年もたたないうちの再稼働への強い違和感」と要約している(12日)が、次のような背景があったのかもしれない。東京五輪招致の際、安倍晋三首相は、福島原発事故は完全に「アンダーコントロール」だと宣言した。しかし、地下水の汚染を防ぐための「凍土壁」もなかなか凍結せず、メルトダウンした核燃料が格納容器のどこにあるのかも正確には把握できず、その処理方法も決まっていない。加えて、使用済み核燃料の最終処分場も決まっていない。安倍政権はこのような現状とその打開策について国民が知りたい情報を提供しない。こうした姿勢の積み重なりが57%の「反対」をもたらした要因だろう。しかも川内原発再稼働に際しても、原発が過酷事故を起こした場合に、政府、原子力規制委員会、電力会社のいずれに最終責任があるか不明確なままだ。福島での経験からすると、政府が原発を再稼働したいのなら最終責任は政府にあることを明示するとともに、損害への賠償は最終的に納税者が負担することを国民に説明すべきだ。また、事故が起こった場合の避難計画の実効性も確認すべきだろう。

以上を踏まえると、安易に「原発依存社会」に戻してはいけない(毎日8月12日社説)のはそのとおりだが、メディアとしての対応はどうか。再稼働した川内原発のフル運転の延期は復水器に海水が混じり込むトラブルのためと報じている(毎日8月21日夕刊)。そもそも川内原発のように4年も停止状態にあった原発が再稼働したのは世界で14基だが、機器の腐食などでそのすべてがトラブルに見舞われている(ブルームバーグ8月10日)。この事実を新聞やテレビは報じていないようだ。国民が最終的に判断する上でこうした情報が求められているのではないか。(東京本社発行紙面を基に論評)
http://mainichi.jp/shimen/news/20150905ddm005070009000c.html

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特集ワイド:続報真相 安保法案、これだけの危険(毎日新聞 2015年09月04日 東京夕刊)
安全保障関連法案に対する国民の反対の声が強まっていることに対し、菅義偉官房長官は「一部の野党、マスコミから『戦争法案』などと宣伝され、誤解が生じている」と反論する。だが、国民は法案の危険性を理解したから反対しているようにしか見えない。誤解しているのは、政府の方ではないのか。

集団的自衛権の行使 揺らぐ首相の説明、リスク高まる国民

 8月30日の国会前の道路は「9条壊すな」「戦争させない」というプラカードを持った人の波で埋め尽くされた。安保法案に反対する市民らの抗議集会。その数は主催者によると12万人(警察発表は3万人)。世代を超えた人々から安保法案の廃案を求める声が相次いだ。市民からこうした声が上がるのは、国会審議で新たな課題が次から次へと露呈しているからだ。・・・自衛官や国民のリスクが高まるのか、否かという問題も解決していない。政府は「リスクが高まることはない」と繰り返すが、憲法学者の水島朝穂早稲田大教授は真っ向から批判する。「集団的自衛権の本質は相手の報復を引き出してしまうこと。仮に北朝鮮が米艦船を攻撃し、日本は攻撃を受けていないのに北朝鮮を集団的自衛権の行使で攻撃したら、北朝鮮の日本への報復は倍返しになるでしょう。国民や自衛官のリスクは圧倒的に高まります」・・・安保法案の裏側には、危険な業務を自衛隊にも担わせようとする米国の思惑がある−−。共産党の小池晃政策委員長はこう分析する。イラクやアフガニスタンにおける対テロ戦争での米軍などの実態を調べると、補給業務が一番テロに狙われていたという。・・・

そもそも違憲では」との疑問 国民の理解ないまま、命懸ける自衛官。全自衛官が持っている「宣誓」にはこう記されている。<私は、我が国の平和と独立を守る自衛隊の使命を自覚し、日本国憲法及び法令を順守し(中略)事に臨んでは危険を顧みず(中略)国民の負託にこたえることを誓います>衆院安保特別委理事で、民主党の長妻昭代表代行は、防衛省から入手した「宣誓」を前にこう語る。「憲法を順守し国民の負託にこたえるとあるが、安保法案に国民の半数以上が違憲と言っており、法案に対する納得性はない。それなのに法案を成立させ、快く自衛官を現地に送り出せますか? 自衛官は命を懸けるのに、今のままでは精神的にも肉体的にも厳しい試練を強いられることになる」
http://mainichi.jp/shimen/news/20150904dde012010003000c.html

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汚染水70万トンに迫る 福島第一(2015/09/05朝日新聞)

 東京電力福島第一原発事故から11日で4年半になるのを前に、東電は4日、廃炉作業を報道陣に公開した。タンクの汚染水の濃度を下げる処理は進んだが、総量はなお増え続けており、70万トンに迫る。建屋の山側のエリアは高さ約10メートルのタンクで埋められていた。・・・ ただ、今も建屋には毎日約300トンの地下水が流入し、高濃度汚染水が発生している。新たな対策として、建屋周辺で地下水をくみ上げて処理した後に海へ流す「サブドレン計画」の運用を3日始めた。(熊井洋美)
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11948986.html

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特別枠3兆8529億円 概算要求最大102兆4千億円 16年度予算(2015/09/05朝日新聞)
国の2016年度予算(一般会計)で、各省庁の概算要求総額が過去最大の102兆4099億円となり、2年連続で100兆円の大台を超えた。安倍政権が掲げる成長戦略や地方創生の施策として優先される「特別枠」は、要求できる上限近くの3兆8529億円まで積み上がった。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11948982.html

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(声)自民総裁選、気概どこに行った(2015/09/05朝日新聞)無職 河内清(神奈川県 88)

 8日に告示される自民党総裁選に、安倍晋三首相が立候補する意向を示した。ところが対抗馬がおらず、安倍首相の無投票再選が決まったかのごとき報道が流れている。国政に携わる者はいつか首相となるべく研鑽(けんさん)を積むものだと思っていたが、自民党において、その気概は一体どこへいったのだろうか。谷垣禎一幹事長は「必ずしも無理に争いを作る必要はないのではないか」と語ったという。だが、自民党総裁になるということは、日本の首相になるということである。総裁選は、各候補者が政策を披露し、党員はもとより広く国民にもそれを知ってもらい、より多くの支持を得た者に国政を任せるという民主主義の王道だ。それに反することを、党の大番頭の幹事長が安易に認めるようでは、先が思いやられる。波風が立たなければよいのか。ぬるま湯は党を鍛えない。戦後70年をへて、現政権は不戦を誓う憲法をないがしろにしてまで、集団的自衛権の行使を可能にする国へと大転換させようとしている。疑義を呈する国会議員がほとんどいないとは、自民党も様変わりしたものである。国家のため、国民のためにどうあるべきかを第一に考える政党人を望むのは無理なのか。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11948853.html

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(声)自衛隊に憧れた子を戦に送るな(2015/09/05朝日新聞)主婦 鈴木凪子(宮城県 68)

 ここ宮城県でも、4年前の東日本大震災で沿岸部は壊滅的な被害を受け、多くの命が奪われた。自衛隊員の絶望的な状況での献身的な救助活動に私たちは心から感謝した。働きを目の当たりにして「将来は自衛隊に入り、困っている人を助けたい」と目を輝かせていた子どもたちが多くいた。国会での安全保障関連法案の審議を見ていると、法案の本質は米国を中心とした他国の戦争に自衛隊が参加することにほかならないと理解するに至った。イラク戦争では非戦闘地域での人道復興支援といわれたが、実情は緊迫した現場だったことが次第に明らかになっている。「人を助けたい」と自衛隊に憧れた子どもたちが入隊後、後方支援の名の下に他国との戦争に巻き込まれる可能性があると思うと心が痛んでならない。安倍政権は弾薬を消耗品だと言う。私は、自衛隊員の命も消耗品のように扱われるのではないかと不安になる。人助けと戦争は正反対だ。米議会で安保法制を夏までに成就すると述べ、拍手を浴びた安倍晋三首相に言いたい。あなたへの賛辞は、自衛隊員の生命を危険にさらすことと引き換えであるのだと。

http://digital.asahi.com/articles/DA3S11948855.html

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97歳「共育」問い続ける 教育研究者・大田堯さん、平和と命の勉強会20年(2015/09/05朝日新聞)

安全保障関連法案が突きつけられた戦後70年の夏、学びを変えることから命と平和に向き合おうと説き続ける老学者がいる。97歳の大田堯(たかし)さん。上からの「教育」から、対話による「共育」へ。自らを問い直し、20年来続けてきた中小企業家らとの「学びの空間」をたずね、考えを聞いた。・・・幼稚園などで保育指導をする白濱洋征さん(73)が切り出した。「残虐な事件の影響か、このごろ『しつけなきゃ』という風潮が強くなった気がします」大田さんは、上意下達は日本人に染み込み、「実は僕自身も教えたがり」と現実に目を向けた。学校や図書館で広がる「読み聞かせ」を例に挙げ、「せめて『読み語り』に日常生活の感性から変えましょう」と提案した。「子どもにも『来てくれてありがとう』と言える人間関係が平和の出発点になる」・・・続いて、児童書出版社の社長、田中正美さん(63)が、安保法制に反対する若い母親や若者が国会前に集まっている姿を話題にした。「これまでと違う光景。安倍政権も世論を押しとどめられないのでは」すると大田さんは「その傾向は大事だと思うんですが」と前置きして、問いかけた。何に反対するのか。平和か戦争かのレベルの議論なのか、それとも市民の「内面支配」の問題にまでさかのぼるものなのか。呉服屋の社長、田中克佳さん(57)が発言した。「戦争反対は切実な気持ちだが、『どんな、何を大事にする社会を作るのか』という議論がバブル期から20年出ていない。そこが行き詰まりの根本では」

http://digital.asahi.com/articles/DA3S11948823.html

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(ウォッチ安保国会)デモの意義とは 政治家から否定的発言(2015/09/05朝日新聞)
参院で審議中の安全保障関連法案に反対して8月30日に国会議事堂前で行われた大規模デモをめぐり、橋下徹大阪市長が「サザンのコンサートで意思決定する方がよほど民主主義だ」とツイッターでつぶやくなど、政治家の発言が相次いでいる。4日、再び国会前に集まった人たちは、どうとらえたのか。・・・「日本の有権者数は1億人。国会前のデモはそのうちの何パーセントなんだ?」。橋下氏はデモの翌日の8月31日、ツイッターでつぶやいた。・・・国会前では4日夜、8月30日以来初めての大規模な抗議活動が行われた。学生団体「SEALDs(シールズ)」が毎週行っている「金曜デモ」だ。30日にも同じ場所で声を上げたという参加者は、橋下氏らの発言を、どうとらえたのだろうか。

 2回目の参加という東京都稲城市の高橋由衣さん(20)は30日、人の波に圧倒された。橋下氏の発言に「あれほどの数を『たったあれだけ』と感じるのか」と驚く。選挙にも行ったが、投票した人は当選しなかった。「選挙も大切だけど、そこですくい取られなかった思いをデモで表すのは自然なことだと思う」原発事故以降、デモや集会に通うようになったという神奈川県厚木市の主婦(56)は「参加するには勇気も時間も必要。私も夫に怒られて、何度もやめようと思った。参加者12万人の後ろにいる人への想像力を持ってほしい」と話した。

「議会制民主主義を補う」
30日の国会前デモに参加したという哲学者の柄谷行人(こうじん)さんの話 国民の意思を選挙だけで表明するには限界がある。選挙が行われた時期の状況で国民は投票するが、状況が変わると国民の意思も変化する。政府は選挙のときには言わなかった重大なことを実行することもある。国民がデモという直接行動をして、国家がそれをみて軌道修正をする。デモは議会制民主主義の否定ではなく、補うために不可欠なものだ。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11948906.html

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