川内原発の再稼働「よかった」30%、「よくなかった」49% 朝日新聞社世論調査(2015/08/25朝日新聞)
朝日新聞社の全国世論調査(電話)で、九州電力川内(せんだい)原発(鹿児島県薩摩川内市)の運転再開について尋ねると、「よかった」は30%で、「よくなかった」の49%が上回った。安倍政権が今国会で成立を目指す安全保障関連法案も「賛成」30%(7月18、19日の緊急調査は29%)、「反対」51%(同57%)。政権が進めるこうした政策に、世論は厳しいままだ。・・・また、安全保障関連法案を今国会で成立させる「必要がある」は20%(同20%)、「必要はない」は65%(同69%)だった。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11930290.html
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パルミラ「最悪の事態」 世界遺産の神殿爆破 IS制圧宣言3カ月(2015/08/25朝日新聞)
過激派組織「イスラム国」(IS)が、シリア中部パルミラで、世界遺産に登録された古代都市遺跡にあるバール・シャミン神殿を爆破した。英国を拠点とするシリア反体制派NGO「シリア人権監視団」などが23日、伝えた。爆破があったのは約1カ月前としている。ISは5月にパルミラ制圧を宣言。遺跡群の破壊が懸念されていた。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11930267.html
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自民党総裁選 無投票を避け、論争こそ(2015/08/25京都新聞)
9月中にも行われる自民党総裁選で安倍晋三首相が無投票で再選され、引き続き3年間、政権を担当する方向が固まりつつある。・・・かつて自民党は、党内に多様な意見を抱えながら、ひとたび決定すれば、党全体が一致して政策実現に進む政党を自負した。・・・ところが、昨年末の第3次安倍内閣の発足後は図式が一変した。高い内閣支持率の下で、安倍首相の「1強」状態が強まり、党内から反対勢力が消えたかのようだ。重要なのは、総裁選が次の国のリーダーを決める機会ということだ。国民に投票権はないが、指導者の候補が国民に持論を示し、姿を見せることに意味がある。・・・最新の全国電話世論調査で、総裁選について「安倍首相の無投票再選がよい」は22・3%にとどまり、「別の候補が出て選挙戦になるのがよい」は72・6%に上る。国民の政治不信を加速しないためにも、複数の候補による開かれた総裁選を行うことは政権党の責任である。
http://www.kyoto-np.co.jp/info/syasetsu/20150825_5.html
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安保反対 ママの会結成 だれの子どももころさせない 広島 デモや勉強会検討(2015/08/25ヒロシマ平和メディアセンター)
広島県内に住む子育て世代の母親たち10人が中心になって「安保関連法案に反対するママの会・広島」を結成し、メンバー2人が24日、県庁で記者会見した。会社員や主婦が「子どもの未来を守りたい」との思いで一致。デモ行進をしたりインターネットの交流サイトで情報発信したりして、法案反対を訴える。
http://www.hiroshimapeacemedia.jp/?p=50246
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被爆70年…平和祈る音色発信 広響とアルゲリッチ協演 広島・東京 ベートーベンで「愛や喜び」(2015/08/25ヒロシマ平和メディアセンター)
被爆70年の夏、広島交響楽団と世界的ピアニストのマルタ・アルゲリッチが、広島と東京から、平和を力強く発信した。最高峰の音楽家は被爆地のオーケストラと音楽で心を通わせ、楽団員らは大きな刺激を受けた。両会場とも約1900人の聴衆が詰め掛け、楽団にとって得がたい経験となった。(余村泰樹) ・・・広島市中区の広島文化学園HBGホールで5日にあった「平和の夕べ」コンサート。原爆とホロコースト(ユダヤ人大虐殺)の詩の朗読の合間に演奏し、充実感をにじませた。「特別な気持ち。演奏者も聴衆も全ての人が違う世界に誘われたよう」。翌日は平和記念式典に出席し「広島の悲劇についていろいろと考えた」と振り返る。次女アニー・デュトワの呼び掛けで7日に中区であった平和イベントにも来場。終了後、会場にあった被爆ピアノについて熱心に尋ね、時折、天を仰ぐようにしながら、慈しむように鍵盤をタッチした。アルゲリッチと同じくジュネーブ国際音楽コンクールピアノ部門で優勝した安佐南区出身の萩原麻未はその様子を間近にし「何にも替えられない思い出」と喜んだ。
http://www.hiroshimapeacemedia.jp/?p=50159
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(声)平和の尊さ語り継ぐ責任大きい(2015/08/25朝日新聞)主婦 池田理恵(東京都 32)
戦争世代の祖父が今月、亡くなった。葬儀に参列してからずっと、「戦後70年」の重みが頭から離れない。戦争体験を持つ身内を失ったいま、母親として次の世代に戦争を伝える責任を感じている。平和な時代に生まれた子どもたちが、戦争を身近に感じることは難しい。終戦の日を知らない子どもたちも増えているという。私も祖父が兄弟を硫黄島で亡くした事実を理解したのは、日本史を学んだ高校生の頃だった。一方で、小学校のころに読んだ物語「ちいちゃんのかげおくり」や「一つの花」で、戦争の悲しみや恐怖は、おぼろげに理解していた気がする。地味ではあるが、絵本でも物語でも、小さい子どもはひざにのせて語り、小学生には文字で、年齢に合わせた戦争の意味と平和の尊さを伝える取り組みが必要だと思う。今後、より多くの学校で、若い世代が戦争や平和について考える機会が設けられることを願う。戦争を体験した世代は高齢となり、平和というバトンを握る私たちの責任は重い。数え切れない悲しみを越えて現在の日本の姿があることを、次の世代に伝えていきたい。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11930210.html
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安保法案反対、全国で「若者一斉行動」 京都では内田樹氏も参加(2015/08/24京都新聞)
安全保障関連法案に反対する大学生らのグループ「SEALDs(シールズ)」が呼び掛けた「全国若者一斉行動」が23日、各地で行われた。シールズは北海道や愛知県、大阪府、福岡県など60カ所以上でデモや集会があったとしており、若い世代の反対運動の広がりが浮き彫りになった。参加者らは「法案は戦争への道を開く」「私たちの行動は政権にも影響を与えるはずだ」と訴えた。・・・思想家の神戸女学院大名誉教授、内田樹さんも集会に参加した。法案の衆院通過を「憲法が定めた平和主義と立憲デモクラシーが根本からくつがえされ、瓦解(がかい)している」と批判、シールズの活動を「日本国憲法の精神と理念が根を張って花が咲いた。決定的な転換点で、必ず生まれ変わる」と評価し、メンバーと一緒に法案反対の声を上げた。
http://www.kyoto-np.co.jp/top/article/20150823000087
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爆弾「タイで前例ない型」 バンコクテロ1週間、見えぬ背景(2015/08/24朝日新聞)
20人が犠牲になったバンコクの爆破テロから24日で1週間。タイ警察はテロ翌日の18日に近くの川であった爆発事件も関連があるとみて、防犯カメラに映った男たちの行方を追っている。爆弾が国内では使われたことのない種類であることもわかった。だが、容疑者の国籍や人名は特定できず、事件の背景もわからないままだ。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11928918.html
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(社説)戦争を描く 想像の力でつなぐ記憶(2015/08/24朝日新聞)
戦後70年のこの夏、数多くの出版物やテレビ番組などで戦争が語られた。「悲惨さを伝えたい」「言い残さねば」「70年たったからこそ話せる」。様々な思いのこもる戦争体験者の言葉は、強く胸に迫る。既に人口の大半が戦後生まれ。敗戦時、10歳以上だった人は8%に満たない。体験を語る声を聞ける時間は限られる。地域や学校、メディアでも、生の証言に触れ、記録する機会をできるだけ作りたい。戦争を考えることを、8月だけの行事にしてしまわないことが大切だ。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11928849.html
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(声)70年間積み重ねた平和を世界に(2015/08/24朝日新聞)主婦 西之原あゆみ(千葉県 53)
過激派組織「イスラム国」(IS)に捕らわれ亡くなったジャーナリスト後藤健二さん製作のDVDに「ようこそボクらの学校へ」がある。登場するのは紛争や貧困の中で懸命に生きる子どもたちだ。西アフリカ・シエラレオネの元少年兵は大統領になって良い国を作りたいと夢を語る。行ってみたい国はという後藤さんの質問に、「きみの国のような所。戦いのない国へ。ここではいつも戦って殺し合っている。それは良くないことなんだ」と答える。私がもしこの少年に会えるならこう語りかけたい。「日本は戦争で国中が焼け野原になり、原子爆弾を二つも落とされました。多くの人が亡くなりましたが、他の国の人たちもたくさん殺してしまいました。そして二度と過ちは繰り返すまいと誓い、今まで70年間、戦争をせずにきました。あなたの国でもきっとできるはず」と。日本だからできる国際貢献とは何か。誠意と説得力を持って相手に伝えられることは何か。この70年間、先人たちが積み重ねてきたものを継承し育んでいきたい。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11928843.html
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(ウォッチ安保国会)若者発デモ、悩んで学んで(2015/08/24朝日新聞)
国会で安全保障関連法案の審議が続いたこの夏、法案に反対する都内の若者たちが立ち上げたデモは、全国各地の大学生やママ世代などを巻き込んで広がった。60カ所以上で繰り広げられた23日のデモには、悩み、考え、一回り大きくなった若者の姿があった。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11928863.html
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石炭火力発電 CO2削減へ歯止め要る(2015/08/24京都新聞)
石炭火力は発電コストが安いとされる半面、二酸化炭素(CO2)排出量が天然ガス火力の約2倍と多い。福島第1原発事故後、新設計画が相次ぐのに対し、環境省は排出削減策が不十分と警告した形だ。石炭火力の拡大に歯止めが必要で、電力業界は温暖化対策の本気度を問われる。・・・世界では、温暖化対策の優先課題として「脱石炭」への規制強化が進む。新増設を続ける日本は環境団体などから名指しで批判されており、孤立化する恐れもある。排出削減に向け、電力業界の自主目標だけでなく強制力ある制度や、欧州で見られる排出量に応じた課税などで転換を促す仕組みも検討課題だろう。再生可能エネルギー導入の大幅上積みが温暖化対策の本道なのは言うまでもない。
http://www.kyoto-np.co.jp/info/syasetsu/20150824_2.html
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首相「支持受けた」というが… 安保法案は公約271番目(2015/08/24東京新聞)
安全保障関連法案をめぐり、安倍晋三首相が「法整備を選挙で明確に公約として掲げ、国民から支持を頂いた」と繰り返している。法案内容に国民の反対が根強いことへの反論の一環だ。しかし、昨年衆院選の自民党公約では、安保法案の説明はごくわずかしかない。解散時は経済政策を前面に押し出し、安保法案は公約の全二百九十六項目の中で、二百七十一番目の一項目にすぎない。・・・北海道大の吉田徹准教授(政治学)の話 前回の衆院選はデフレ脱却という、誰もが賛同する「合意的争点」が前面に出された。世論調査の結果を見れば、安保法制という個別の政策が信任されていないのは明らかだ。憲法という国の土台に関わるものなのだから、衆参で3分の2を集めて(発議し)国民投票で信を問うのが望ましい。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2015082402000127.html
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「安保法案反対の会」90大学に 教員・学生ら活動拡大(2015/08/23東京新聞)
全国の九十大学で、安全保障関連法案に反対する教員や学生らによる有志の会が発足したことが二十二日、ノーベル賞受賞者の益川敏英氏らがつくる「安全保障関連法案に反対する学者の会」のまとめで分かった。九十大学のほか、東日本大震災で被災した岩手、宮城、福島の三県では大学有志が共同で会をつくり、愛媛、高知両県など県単位で設立するケースも。大学関係者の間で法案反対の動きが広がりをみせている。・・・慶応大有志は声明で「安全保障政策についての現実的な議論は重要だが、法の支配を捨て、憲法の空文化をもたらすなら事実上の独裁と呼ばざるをえない。法案が間違いなくもたらす立憲主義と学問の自由の危機を憂慮する」と批判。早稲田大有志は「安倍政権による憲法無視・国民無視の暴走に抗議する」とした。九州大有志は、「法案は民主主義、人権尊重、平和主義に戦後最大の『変更』を迫ろうとしている」と危機感を表明している。「学者の会」は八月二十六日、各大学の有志を集めて東京都内で記者会見し、あらためて廃案を訴える予定。同会に寄せられた研究者の賛同署名は、二十一日現在で一万三千人を超えている。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2015082302000113.html
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“美しかった国・日本” − ヴィム・ヴェンダースが写した福島(2015/08/23みどりの1kWh)
・・・「パリ、テキサス」、「ベルリン・天使の詩」や「Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち」で、日本でも多くのファンを持つ映画監督ヴィム・ヴェンダースの生誕70周年を記念して、彼が生まれた町デュッセルドルフにある「クンストパラスト」美術館で彼の写真展が開催されていることを聞き、デュッセルドルフに滞在した折に訪ねた。・・・2011年秋、私は福島に旅した。東京の郊外でガイガーカウンターが示した毎時0.1マイクロシーベルトという数値は、大都市では正常な値である。福島市の人影のない駅では、数値は毎時0.4マイクロシーベルトに上がった。夜に「PINA」のチャリティ上映会と討論会が行われる映画館での数値は毎時0.6マイクロシーベルトだった。事故を起こした原子力発電所周辺の立入り禁止区域近くに車で行き、飯館村まで行った。そこでは数値は毎時0.8〜2.2マイクロシーベルトになってしまった。若い農婦が、無人となった農場に案内してくれた。そこではガイガーカウンターは毎時8.19マイクロシーベルトという恐ろしい数値を出した。美しく穏やかな秋の夕べで、太陽は沈んでいた。鳥たちがさえずり、遠くで家鴨の鳴く声がしていた。目にも耳にも平和な風景だった。しかし、もはや目も耳も信じることはできなくなっているのだ。この一帯は今後数百年、人は住めない。被害がこんなにも目に見えないものだということは、ここの人々にとっても理解不能だ。ここで再び何かを築き上げることはない。夜、映画館では多くの人々が、世界中から置き去りにされたと感じていると涙ながらに語った。数週間後にようやく写真を現像に回した。福島のネガは腐食したかのようにダメージを受け、すべてが同じ正弦曲線を示していた。目に見えない放射線だが、ネガフィルムでは見えるにようになっていたのだ。
原発が一たび事故を起こせば、放射能が空気中に放出されることを私たちは知っているのに、まさに目に見えないがゆえに、放射能をなかったことにしてしまう罠に陥りやすい。しかし、ヴェンダース監督のアナログカメラは放射能を捕えたのだ。8月11日に川内原発が再稼働されてしまった日本。2030年の電源構成における原子力の割合を20~22%と計画している日本。もしこの計画が実現されるようなことがあれば、ヴェンダース監督が2005年に撮った尾道が「美しかった国・日本」の象徴になってしまうことを恐れるのは、私だけではないはずだ。・・・
http://midori1kwh.de/2015/08/23/7194
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消費増税、病院経営を圧迫 「8%」ショック(2015/08/24朝日新聞)
2014年度決算は7億円の赤字だった。04年度に国立大学法人になって初の赤字。消費税率8%への増税が病院経営を直撃した。
公的保険の医療サービスは消費税が非課税だが、病院が仕入れる物品には消費税がかかる。今回の増税で千葉大病院は消費税の支払いが5億円増えた。診療報酬による穴埋めを差し引いても2億円の負担増だ。・・・山本修一院長は「大学病院は最先端の医療に携われるから人材が集まる。しかし、最先端の医療機器を導入すればするほど消費税の負担が増える。必要な投資なのに後ろから撃たれているような感じだ」と窮状を訴える。・・・亀田隆明理事長は「国は診療報酬に消費税分が含まれるというが、消費税を正しく反映することは不可能だ。大きな設備投資や医療材料を多く使う基幹病院ほど負担が重い」と話す。・・・東京都世田谷区の特別養護老人ホーム「博水(はくすい)の郷(さと)」では、8%への増税で年間の消費税支払いが約600万円増えた。光熱費やリネン、おむつなど仕入れる物品のほぼすべてに消費税がかかる。送迎車の運転も業務委託なので、委託費に消費税が乗ってくる。
輸出には消費税を還付
大手自動車メーカー5社が受け取った還付金を元静岡大教授の湖東京至(ことうきょうじ)税理士が14年度決算などを基に推計したところ、計6千億円だった。前年度より2707億円多い。税率が10%になればさらに膨らむ。・・・各社は受け取った還付金額を開示していない。トヨタ自動車は「輸出取引は消費税を受け取ることができないため還付を受ける。法に基づき適正に処理している」(広報部)と説明する。
http://digital.asahi.com/articles/ASH8K62Z4H8KULFA026.html?ref=nmail
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安保法案、一斉「NO」 各地でデモ(2015/08/24朝日新聞)
参院で審議中の安保関連法案に反対するデモが23日、北海道から沖縄まで全国一斉に行われた。学生団体「SEALDs(シールズ)」などが主催した。東京では高校生や高齢者も含めて約6500人(主催者発表)が参加。青山から渋谷まで約3.5キロを1時間半かけて歩きながら、音楽に乗せて「集団的自衛権は要らない」などと訴えた。・・・
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11928986.html?ref=nmail_20150824mo
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(天声人語)止まらない首相のヤジ(2015/08/23朝日新聞)
一国の総理が不規則発言を重ねるのには驚く。5月に「早く質問しろよ」と言い放って陳謝した安倍首相が一昨日、また失態を演じた▼テレビの映像を見ると、首相は「まあいいじゃない、それくらい」と言っている。・・・首相は2月にも日教組をめぐるヤジを飛ばし、謝罪に追い込まれた。二度あることは三度ある、を地で行っている。「憲法違反」の安保関連法案に対する反対はますます強まるのではないか。その声は心ないヤジなどでは決してかき消されまい。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11927536.html
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「沖縄を支持」海外著名人74人が声明 O・ストーン氏ら(2015/08/23共同通信)
平安名純代・米国特約記者】オリバー・ストーン氏(米映画監督)やノーム・チョムスキー氏(米マサチューセッツ工科大学言語学名誉教授)、モートン・ハルペリン氏(元米政府高官)ら海外の著名人や文化人、運動家ら74人は22日、名護市辺野古の新基地建設計画をめぐる声明を発表した。同計画を阻止する鍵を握るのは、翁長雄志知事による埋め立て承認の取り消し・撤回だと主張し、「知事が無条件で妥協や取引を全く伴わない埋め立て承認の取り消しを行うことを求め、期待する沖縄の人々を支持する」と表明している。
http://www.47news.jp/news/2015/08/74.html
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若者が一斉に「安保法案反対」 全国64カ所、シールズ主導(2015/08/23東京新聞)
安全保障関連法案に反対する大学生らのグループ「SEALDs(シールズ)」が呼び掛けた「全国若者一斉行動」が23日、各地で行われた。シールズによると、北海道から沖縄までの64カ所でデモや集会が実施され、若い世代の反対運動が広がりを見せた。参加者らは「法案は戦争への道を開く」「私たちの行動は政権にも影響を与えるはずだ」と訴えた。東京都港区の青山公園で開かれたシールズの集会には、若者や家族連れが続々と集結。約6500人が渋谷方面に向け、ラップ調の「憲法守れ」「戦争反対」とのコールを上げながらデモ行進をした。
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2015082301001485.html
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『記者縦横』 70年前に重なる「色彩」(2015/08/21ヒロシマ平和メディアセンター)
戦前や戦中の日常を記録したカラー映像を見ると、はっとする。色彩に満ちた映像で伝わるのは、人々の息遣いや生活感だ。「私たちと変わらないような先人の暮らしはどうして、重苦しいものに変質していったのか」。終戦の日を前に連載した「民の70年・秘密と戦争」の出発点になったのは、こんな疑問だった。「王道楽土」とうたわれた満州(現中国東北部)に渡った10代の少年たち。戦後70年を経て老境に達した彼らを各地に訪ねた。手記集を読み、対話を重ねて知ったのは、一般的に語られる、国策にだまされた被害者としての姿だけでなく、ムードに流され、知らず知らずに互いを導き合った、もろい個人の姿だった。かいらい国家だった満州国の実態は収奪と圧政だった。誰もが頼りにした軍隊が住民を見捨てて真っ先に逃走した。そんな後付けの知識で当時の人々を「愚かだった」と切り捨てるのは簡単だ。しかし、自分が当時を生きる立場なら、実態を見抜いて抵抗できたのかと考えると、自信はない。振り返って現代を見る。安全保障関連法案に反対する市民の主張を与党議員が「極端に利己的な考え」と非難する。「政治的中立性」を理由に、催事や芸術作品の内容にまで政治家や行政が口を出す…。暗黒時代は突然、姿を現すものではない。色鮮やかで平和に見える私たちの日常が、徐々に変色していないだろうか。社会の劣化に気付く材料は、わずか70年前の歴史にある。
http://www.hiroshimapeacemedia.jp/?p=50081
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川内、冷却系に海水混入 原発出力75%のまま点検(2015/08/22朝日新聞)
九州電力は21日、再稼働した川内原発1号機(鹿児島県薩摩川内市、89万キロワット)でトラブルがあり、この日予定していた出力を上げる作業を延期したと発表した。発電に使った蒸気を冷やして水に戻す装置に海水が混入したとみられる。25日に予定していたフル稼働も遅れる。・・・海水を取り込んで流すチタン製の細管に小さな穴が開いて、海水が漏れた可能性が高いという。混入した塩分は脱塩装置で除去できているため、「運転継続に支障はない」として、原子炉の運転や発電・送電は続けている。放射能漏れはないと説明している。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11926110.html
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今こそ「芸人9条の会」 安保法案「黙ってられぬ」(2015/08/22東京新聞)
他国を武力で守る集団的自衛権を柱とする安全保障関連法案が参院で審議される中、落語家やコメディアンら笑いのプロが、憲法九条を守ろうと「芸人9条の会」を立ち上げた。政治的発言がタブー視されがちな芸能界だが、安保法案審議に「黙っていられない」と感じる芸人も少なくなく、落語家の古今亭菊千代さん(59)の呼びかけに約二十人が賛同した。九月五日には東京・浅草で旗揚げ公演を開く。 (神野栄子)
女性真打ち第一号の菊千代さんは、約十年前から「9」と刺しゅうを入れた着物で高座に上がるほど、九条への思い入れが強い。映画監督らでつくる「映画人九条の会」などができたのを知り、「芸人の世界にないのはおかしい」と発奮。自身のフェイスブックなどで「芸人9条の会」の結成を呼びかけた。第一次安倍政権で改憲への動きが強まったのに危機感を抱き、二〇〇六年、「九条落語」を発表。古典落語の中でも、安倍政治をチクリと一刺しするなど、笑いの中に平和のアピールも潜り込ませている。「黙っていたら何も言えなくなる」と危ぶむ。
芸人9条の会メンバー
オオタスセリ(お笑いタレント)、岡大介(たいすけ)(三味線・演歌師)、おしどりマコ&ケン(お笑いコンビ)、恩田えり(寄席囃子(はやし))、桂文福(落語家)、古今亭菊千代(落語家)、趙博(ミュージシャン)、露の新治(落語家)、林家彦いち(落語家)、松元ヒロ(コメディアン)、中山千夏(タレント)、河内亭九里丸(漫談)、亀田雪人(サーカス芸)、神田香織(講談師)、ジョニーH(歌手)、マジカル・パワー・マコ(音楽家)、幸野&鬼嫁(三線フォークデュオ) (敬称略、21日現在)
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2015082290070035.html
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川内原発1号機、出力上昇を中断 再稼働後初のトラブル(2015/08/21共同通信)
九州電力は21日、今月11日に再稼働させた川内原発1号機(鹿児島県薩摩川内市)の出力上昇を中断すると発表した。タービンを回した後の蒸気を水に戻す復水器内の配管から微量の海水が混入したとみられる。25日に予定していたフル運転も延期する。
http://www.47news.jp/CN/201508/CN2015082101001037.html
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JR試験除染を開始 常磐線・夜ノ森−双葉駅間(2015/08/21福島民報)
JR常磐線の全線運行再開に向け、JR東日本は20日、夜ノ森(富岡町)−双葉(双葉町)駅間で試験除染を始めた。東京電力福島第一原発事故に伴い高線量地区の線路を本格的に除染するのは初めて。初日は試験除染を行う大熊町の6カ所のうち2カ所で作業が行われた。防護服を着た東京都の建設会社作業員約30人が2班に分かれ、線路周辺の草を刈り取った。JR東日本が試験除染を始めたのは運行再開のめどが立っていない富岡(富岡町)−浪江(浪江町)駅間の中でも特に線量が高い区間。
http://www.minpo.jp/news/detail/2015082124817
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(声)若い世代 戦争の恐ろしさを感じる詩(2015/08/21朝日新聞)中学生 和田安唯織(福岡県 15)
その顔の中に明日の表情をさがすとき/私はりつぜんとするのだ
「挨拶(あいさつ)―原爆の写真によせて」という詩の一節だ。もしかしたら、明日、原爆が使われるかもしれない。その時、明日の私たちの表情は一変するだろう。そう考えさせられる詩だ。70年前、日本は戦争のため世界で唯一の被爆国になった。だが、私たちは平和な環境で育ち平和ボケしていないだろうか。今、一部の大人たちは憲法を改正し、日本をまた戦争のできる国にしようとしている。もし戦争が起き、原爆が使われたなら、今ある私たちの幸せが一切、消える。恋も友情も。そう考えると、戦争の結果に「りつぜん」としてしまう。この詩は、私たちに、もう一度、戦争について考える機会を与えてくれているのだと思う。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11924491.html
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(声)若い世代 「語りつぐ」と決めた祖母の話(2015/08/21朝日新聞)中学生 阿部俊介(神奈川県 15)
今年は戦後70年。家族で唯一、戦争を知る祖母に話を聞きました。
祖母は5人家族で、戦時中は祖母の姉と妹は疎開し、両親と3人で東京の家に残りました。幼かった祖母は家の前の大きな桜の木に登り、敵機が来ないか眺めていました。空襲警報が鳴り、真っ黒な飛行機がたくさん向かってきて、東京の空を包みました。細長くて黒い棒のようなものが次から次へ落ち、祖母の目の前で爆発して火の海となりました。人々の泣き叫ぶ声が響き渡ったそうです。「地獄のようだった」と話しました。僕は今、何の不自由もなく、幸せに暮らしています。祖母の話を聞き、平和な国であり続けるために、僕たちは何をすべきか真剣に考えるべき時です。戦争の話を語りついでいこうと思います。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11924490.html
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(声)戦争を知る権利を奪わないで(2015/08/21朝日新聞)幼稚園教諭 永井めぐみ(埼玉県 52)
戦争体験者に語り部になってもらおうという学校からの依頼が減っているようです。保護者の「子どもが怖がる」という声や、語り部の話に政治的な要素が含まれることを学校側が恐れて自己規制することなどが原因のようです。確かに、リアルな話は子どもの心に衝撃を与えます。しかし、戦争体験者はまさに幼い頃、恐怖を体験したのです。聞くだけ、写真を見るだけの経験とは大違いです。多少怖くても、多くの友と一緒に聞き、家庭やクラスで「こわかった」と話す。そんな子どもの気持ちに寄り添いながら、今平和でいられることを一緒に考えるのが大人の役目だと思います。子どものとき、衝撃を受けたことはその後の人生の糧や生き方の指針にもなります。怖がることに重きを置きすぎて、事実を見せないようにすることの方が子どもから様々なチャンスを奪います。戦争を知る人たちの高齢化が進む今、語りつぐことをやめたら、いつか人間の弱い心がまた悲劇を繰り返すことになるかもしれません。未来を担う子どもをもつお父さん、お母さん、教育や報道に携わる人たち。子どもたちの知る権利を奪わないようにしましょう。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11924485.html
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(私の視点)安保関連法案 よぎる72年前、成立に不安 広瀬彰(2015/08/21朝日新聞)
あの日は、夜来の雨が降りやまなかった。私たちは大学の制服制帽にゲートル姿で、銃剣をかついで東京の明治神宮外苑競技場を行進した。スタンドには見送りにきた親、兄弟、後輩、女子学生たち。いつまでも忘れられない、昭和18年10月21日に開催された出陣学徒壮行会である。その1カ月前、東条英機内閣は、大学・高等専門学校生らの徴兵猶予を停止すると閣議で決定した。ちょうどその頃、やっとの思いで大学に合格した私は、奈落の底に突き落とされた気持ちであった。・・・戦後70年の今、安全保障関連法案が参院で審議されている。法案が通れば自衛隊はいつでも他国軍の後方支援をできるようになり、自衛隊の派遣範囲が広がることは明らかだ。当然、死者も出るであろう。これに対する政府見解は通り一遍である。「安全が確保できないような場所で後方支援を行うことはない」「戦闘が起こった時には直ちに一時中止をする、あるいは退避をする」・・・ 自衛隊員の命は、本人の将来はもちろん、父母や妻子のことを考えれば極めて重い。一方で、政府は事を軽く扱い、法案成立を急ぐ。雨中の行進をした出陣学徒の生き残りとして、強い不安を覚える。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11924464.html
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京都のクマゼミ、今夏は激減 市街の緑地減少原因か(2015/08/21京都新聞)
夏の風物詩、朝から大合唱するクマゼミが、今年は京都市内で激減したことが、京都産業大付属高の生物部(下京区)の調査で分かった。同部は「緑が減っていることが原因ではないか」とみている。・・・初回調査から指導をする米澤信道顧問によると、市街地と山間部両方に見られるアブラゼミに対し、クマゼミは市街地や人里のみに生息する。米澤さんは「マンションや駐車場が増えたり、街路樹が伐採されたりするなど、京都市内の緑地環境の変化が影響しているとみられる」と指摘する。
http://www.kyoto-np.co.jp/top/article/20150821000032
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武藤議員の離党 まず説明責任を果たせ(2015/08/21京都新聞)
離党すれば済む問題ではない。まずは自ら事実関係を明らかにする責任がある。自民党の武藤貴也衆院議員(滋賀4区)が金銭トラブルをめぐる週刊誌報道を受けて離党した。離党理由は「プライベートな件で党にこれ以上迷惑をかけられない」だが、これでは納得できない。「週刊文春」によると、武藤氏は昨年、ソフトウエア会社の未公開株を「国会議員枠で買える」と知人に持ち掛け、23人が計約4千万円を武藤氏の政策秘書の口座に振り込んだ。ところが株は購入されず、出資金の一部が返済されていない、という。・・・武藤氏は先月、ツイッターで騒動を起こしたばかりだ。安全保障関連法案に反対する学生らの主張に対して「戦争に行きたくないという考えは極端な利己的考え」と書き込み、与野党を問わず非難を浴びた。戦争への恐れは誰もが抱く自然な思いであり、それを「利己的」と決め付けるのは無神経で看過できない。政権与党のおごりを反映した暴言であり、政治家としての資質に疑問符が付く。
http://www.kyoto-np.co.jp/info/syasetsu/20150821_3.html
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自衛隊資料作成 文民統制、忘れてないか(2015/08/21京都新聞)
極端な秘密主義に傾くあまり、軍部が独善的態度に陥り、ついに暴走する。70年前まで日本の針路を誤らせた旧日本軍の教訓が忘れ去られたように思えてならない。安全保障関連法案を審議する参院平和安全法制特別委員会で、自衛隊の制服組が部隊の運用計画を検討した内部資料を作成していたことが明らかになった。さらに、中谷元・防衛相は国会で追及されるまで約3カ月間も内容を把握していなかったことも判明した。・・・内部の検討とはいえ、法案成立を前提に日米防衛協力指針(ガイドライン)にない南シナ海での情報収集活動を「検討する」とまで言及している。しかも、資料作成時には通常国会の会期延長が決まっていないにもかかわらず、法成立時期を「8月」と明記している。これでは、国会軽視と言われても仕方ない。最も問題なのは、一連の資料作成の内容に中谷防衛相をはじめとする防衛省の背広組(文官)が関与していないことだ。戦後の平和国家を守ってきたシビリアンコントロール(文民統制)を骨抜きにしたのに等しい。トップの中谷氏が自衛隊に指示を出しただけで途中の議論に関与せず、野党の追及で初めて中身を知ったことに驚く。
http://www.kyoto-np.co.jp/info/syasetsu/20150821_4.html
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安保法案考える集い 23・24日三次(2015/08/20ヒロシマ平和メディアセンター)
広島県三次市内で23、24の両日、安全保障関連法案について考える集いが開かれる。十日市南の十日市きんさいセンターでは23日午後2時から、三次、庄原両市の退職教職員たちでつくる実行委員会が、安保法案に反対する集会を開く。戦争体験者や、原発事故を受けて県北に移住した女性たちが思いを語った後、参加者で市街地をデモ行進する。
http://www.hiroshimapeacemedia.jp/?p=50056
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(現場から考える 安全保障法制)イラク派遣 「非戦闘地域」すら危険(2015/08/20朝日新聞)
当時の小泉政権は、イラク復興支援特措法で、派遣期間を通じて戦闘が起こる可能性がない「非戦闘地域」という概念を作った。政府は「非戦闘地域の中で安全な場所に派遣する」と説明していた。しかし、陸自は自らの安全確保のため、強力な武器を携行し高度な射撃術を身につけて、最悪の事態に備えていた。・・・行動史では当時の指揮官がイラク派遣を「本当の軍事作戦」と総括している。行動史や取材からは「非戦闘地域」が実態とかけ離れた虚構だったことがうかがえる。・・・ 今回の安保法案では、自衛隊が後方支援や平和維持活動ができる地域がイラクに比べ格段に広がる。非戦闘地域という考え方をなくし、法律上「現に戦闘行為が行われている現場」以外ならば活動できるからだ。ただ、活動範囲を非戦闘地域に限ったイラクでさえ、一見安全な場所が突然、惨事の現場に変わりかけた。
さらに他国軍への弾薬の提供が可能になり、海外での武器の使用基準も拡大する。例えば、現在自衛隊がPKOで派遣されている南スーダンでは、幹線道路の整備や大学の敷地造成など土木工事を担っている。安保法案が成立すれば、他国の部隊や民間の非政府組織(NGO)が危険にさらされたとき、武器を持って助けに行く「駆けつけ警護」や、武器を持ってのパトロールや検問も可能になる。「自己保存」のためだけに武器を使ったイラクの場合と比べ、武器を使うおそれは高まる。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11922881.html
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(社説)自衛隊の資料 国民に伏せられた事実(2015/08/20朝日新聞)
自衛隊と米軍が日常的に緊密な連携をとり、日米共同計画を策定し、共同訓練を重ねることで、抑止力を高める――。そんな将来像が浮かぶ。だが、そこで日本のシビリアンコントロール(文民統制)は確保されるのか。不測の事態の際、米軍の現場レベルの軍事的な判断に引っ張られないか。次々と疑問がわいてくる。政府が国会であいまいな答弁をしてきた南シナ海での対米協力についても「検討する」と明記しているが、日本がどこまで踏み込むのかは難しい問題だ。日本海や東シナ海の警戒が手薄にならないか。防衛費が拡大することはないか。安倍首相は今春の米議会演説で、法案を「この夏までに成就させる」と公約した。水面下では、国会で説明できない対米支援の方向性まで約束していたということなのか。国連平和維持活動(PKO)をめぐっても、派遣中の南スーダンでの活動拡大が検討スケジュールに盛り込まれていた。離れた場所で襲撃された他国部隊などを武器を使って助ける「駆けつけ警護」の任務への追加を想定しており、まさに法案成立を先取りした計画だ。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11922805.html
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(声)「謝罪」重ねて信頼を得たドイツ(2015/08/20朝日新聞)大学名誉教授 西谷頼子(千葉県 68)
安倍晋三首相の戦後70年談話は、村山・小泉談話の形式的な継続で、真意が読みとれず、何のために出したのかと疑問の声もあがった。しかし、この継続的な談話が出されなかったら、諸外国から日本国民はどのように見られるであろうか。私が談話で納得できないのは次世代に「謝罪を続ける宿命を背負わせてはなりません」という一節である。日本の植民地支配や侵略を語ることは「反省」と「おわび」も含め一セットなのだ。この原点から平和への思いが高まり、行動が重ねられて次世代が受け継ぐのである。ドイツ社会は、これを世界に示し、隣国との和解を成し遂げ信頼関係を築いた。17年前、「アウシュビッツ」を繰り返し語ることは次世代にとって負担が重すぎると、作家マルティン・ヴァルザーが述べ、これに当時のユダヤ人中央評議会会長が反論し、賛否両論の激しい論争がドイツ社会を巻き込んだ。しかし結局、ドイツ社会は、過去への反省と謝罪を永久に語り継ぐことを選んだ。現在でも機会あるごとに反省とおわびの実践行動として、大統領は、フランスやポーランドへ出かけて献花し、陳謝している。この姿勢が国際社会の信頼を得るドイツの原動力なのである。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11922808.html
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(記者有論)諫早湾干拓 税金の「出血」を止めよ 菅原普(2015/08/20朝日新聞)
国が長崎県の諫早湾で実施している干拓事業をめぐり、開門を命じた司法判断に従わない国が漁業者らに支払う強制金が増え続けている。7月に2億円を突破し、8月には約2億4500万円になった。強制金の出どころは国民の税金である。国は、そのことを自覚し、事態打開に向けた行動に踏み出すべきだ。国は1997年、「ギロチン」と呼ばれる鋼板で湾を閉め切った。2008年からは、干拓地で野菜などの営農が始まった。一方で、有明海の水質の変化が指摘され、00年にはノリの大凶作があった。・・・最高裁の判断は、開門の是非には直接、触れていない。国が期待する統一的判断が示される見通しは薄く、いつになるかもわからない。開門賛成、反対両派の板挟みという苦しい立場だと訴えるが、そもそも干拓事業を始めたのは国だ。両派が受け入れられる打開策を責任を持ってとりまとめられるのは国しかない。
開門しても農業被害が広がらないような対策工事を講じたり、開門に反対している長崎県と賛成している佐賀県を利害関係人に加えて裁判所で協議の場を設けたりするなど、やれることはあるはずだ。億単位に膨らんだ税金のさらなる出血を止めるために、国は政治的解決に向けて知恵を絞らなければいけない。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11922821.html
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