岩手いじめ自殺 子の痛みにさとくあれ(2015/07/29東京新聞)
学校は子どもの痛みに鈍感になっていないか。岩手県矢巾(やはば)町の中学二年村松亮君(13)の自殺はいじめが一因とした学校の調査結果はそんな不安を募らせる。いじめ克服を掲げても機能しないでは。村松君が列車に飛び込み、自ら命を絶ってから二十日余り。自殺といじめの関わりを調べた学校の報告書では、現場の危機意識の欠如があらわになっている。「づっと暴力、づっとずっとずっと悪口」「ボクはついにげんかいになりました」「もう市(死)ぬ場所はきまってるんですけどね」・・・先生たちが忙しすぎ、子どもとの関係がなおざりになっていないか。評価を気にし、いじめから目を背ける風土はないか。町教育委員会が置く第三者委員会は現場の意識や体質にまで立ち入って調べ、教訓をしっかりと引き出してほしい。いじめはこの学校だけの問題ではない。どこでも起こる。子どものSOSに即応できるか。全ての学校で再点検せねばならない。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2015072902000127.html
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高齢者の移住 まず介護体制の充実だ(2015/07/29東京新聞)
第二の人生を地方で暮らすというのも一つの選択肢だろう。しかし、これまで住んできた地域に医療、介護サービスの受け皿がないため、移住を余儀なくされるというのはどうだろう。住み慣れた地域を離れるのは、そう簡単なことではない。仕事が確保できるかという問題もある。家族や、これまで培った人間関係から切り離される場合もあるだろう。高齢化は深刻な問題だ。現状でもホームヘルパーなど介護職の人手不足は慢性化しており、特別養護老人ホームの入居を待つ高齢者は東京圏だけで十万人を超えるとみられる。まずは、高齢者が地域で住み続けられるようにするべきではないか。賃金が低い介護職の処遇改善をし、人材を確保するべきだ。にもかかわらず、政府は介護報酬を引き下げており、これでは人手不足に拍車をかけかねない。介護施設についても、空き家を活用する、まだ、比較的土地が安い東京圏の郊外に整備するなど、あらゆる手だてを講じるべきだ。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2015072902000126.html
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野党追及、首相釈明 首相補佐官「法的安定性」発言 参院安保審議(2015/07/29朝日新聞)
安全保障関連法案を審議する参院の特別委員会は28日、安倍晋三首相が出席し質疑が始まった。野党は、礒崎陽輔首相補佐官の「法的安定性は関係ない」との発言を批判。・・・民主党の福山哲郎氏は集団的自衛権の行使容認について、過去の内閣法制局長官が憲法上認められないと答弁してきたこととの整合性をただし、「法的安定性を損なう」と指摘した。横畠裕介・内閣法制局長官は、武力行使の新3要件に基づき、集団的自衛権の行使を「限定的」に容認するとして、「歴代政府、内閣法制局も含めて、限定的な集団的自衛権という観念は持ち合わせていなかった」と説明した。また首相が民放番組で、集団的自衛権について火事に例えたことに関し、民主の小川敏夫氏は「消防士を鉄砲で殺そうとする敵はいない。消防士も誰かを殺さない。武力行使ではない例を挙げて説明するのはおかしい」と批判した。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11886609.html
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米の原発廃炉、三菱重を提訴 運営企業、賠償9300億円要求(2015/07/29朝日新聞)
2012年に三菱重工業が納めた蒸気発生器が壊れたことで米国の原子力発電所が廃炉になった問題で、この原発を運営する南カリフォルニア・エジソン社が三菱重工に、約75・7億ドル(約9300億円)の損害賠償を求めていることがわかった。27日に国際商業会議所(パリ)の国際仲裁裁判所に申し立てた。三菱重工は「要求は不当だ」として争う構えだ。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11886482.html
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(特派員メモ レソト)電気のない村で(2015/07/29朝日新聞)
国連が貧困撲滅などの達成目標を定めた「ミレニアム開発目標」。その現実を知りたくて、アフリカ南部の小国レソトを訪ねた。電気や水道のない村で、村人がトウモロコシを作って暮らしていた。実はこの村、私が拠点を置く南アフリカで一緒に働く取材助手の故郷でもある。村人の約8割がエイズ患者。子どもの半分が5歳まで育たない。「でも決して不幸ではないんだ」と助手は言った。突然の帰郷に、村人たちは助手に抱きついて歓迎した。取材の目的を伝えると、他言しにくいエイズや死産の話を聞かせてくれた。電気はない、と言うので、私が「日没後は何をするのか」と尋ねると、大人たちは口をそろえた。「子どもたちに村の物語を語って聞かせます」
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11886458.html
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(社説)参院選挙改革 大きな汚点を残した(2015/07/29朝日新聞)
鳥取と島根、徳島と高知をそれぞれ「合区」するなどして、参院の定数を「10増10減」する改正公職選挙法が成立した。都道府県単位の選挙区が統合されるのは、参院選が始まって以来初めてのことだ。最高裁に「違憲状態」だと指摘されたまま、来年夏の参院選に突入する愚だけはかろうじて避けられた。しかし、参院本会議での採決は、賛成131、反対103という小差。合区対象となる4県選出の自民党議員6人は退席した。2年近くかけて議論してきたにもかかわらず、である。・・・それでも一票の最大格差は、2・97倍もある。憲法が求める「投票価値の平等」にこたえ得るか、深刻な疑問符がつく。一方、民主、公明両党などが共同提出した「10合区」案は、最大格差が1・95倍。一票の不平等を正すという点では自民党案よりはましである。少なくとも来年の参院選はこちらで行うべきだったが、国会ではほとんど議論されなかった。主権者である国民は考える機会も材料も与えられないまま、結論だけが押しつけられた形だ。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11886432.html
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(社説)「違憲」法案 軽視された法的安定性(2015/07/29朝日新聞)
安全保障関連法案をめぐり、安倍首相の側近で法案作成にあたった礒崎陽輔首相補佐官の発言が、波紋を広げている。「考えないといけないのは、我が国を守るために必要な措置かどうかで、法的安定性は関係ない」と講演で語ったのだ。法的安定性とは何だろう。憲法や法律、その解釈はみだりに変更されないことで社会が安定する。国家権力はその範囲内で行動しなければならない。民主国家として、法治国家として当たり前のことだ。・・・つまり、法案が「合憲か、違憲か」を左右するキーワードである法的安定性について、解釈変更を引っ張ってきた礒崎氏が「関係ない」と切り捨てたことになる。礒崎氏はきのう「おわび」をし、首相も「誤解を与えるような発言は慎むべきだ」と語ったが、法案が違憲であるとの疑いがますます濃くなったと言わざるを得ない。法的安定性を重んじる社会であればこそ、国民は、権力は憲法の下で動くという安心感、信頼感のなかで生活できる。権力が法的安定性を軽視することは法の支配に反し、憲法が権力を縛る立憲主義に反する。・・・ 代表質問で民主党の北沢俊美元防衛相はこう訴えた。「日本の強さは、精強な自衛隊員の努力やたゆまぬ外交によってのみ、実現するのではありません。国家統治の柱である憲法の下、立憲主義と平和主義がしっかり機能してこそ、国民は団結し、諸外国も日本に信頼を寄せるのです」傾聴すべき意見である。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11886433.html
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(声)補佐官発言、憲法を頭から否定(2015/07/29朝日新聞)非常勤地方公務員 荒川和成(千葉県 63)
礒崎陽輔首相補佐官が講演で、安全保障関連法案について「考えないといけないのは、我が国を守るために必要な措置かどうかで、法的安定性は関係ない」と語った。「政府の憲法解釈だから、時代が変われば必要に応じて変わる」とも述べたという。礒崎氏の発言は、憲法を頭から否定するものである。憲法擁護義務がある首相補佐官のこのような発言を、絶対に認めるわけにはいかない。この発言について菅義偉官房長官は「法的安定性を否定したものではない。誤解されるような発言は慎まなければならない」と述べ、解任の必要はないと擁護した。礒崎発言の重さを全く理解していないと言わざるを得ない。安全保障関連法案は、衆院憲法審査会で3人の憲法学者から「憲法違反」と指摘されるなど、きわめて問題の多い法案だ。国民の理解も深まっておらず、世論調査では多くの国民が反対している。そんな中で飛び出した礒崎氏の発言である。憲法で権力を縛る立憲主義を否定するもので大いに問題だが、礒崎氏を擁護した菅官房長官の発言も政権の体質を表しているようで看過できない。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11886435.html
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安保の審議入り 今こそ世論に向き合え(2015/07/28京都新聞)
高まる国民の疑念や不安を受け止めるつもりはないのだろうか。きのう安全保障関連法案が参院で審議入りしたが、安倍晋三首相は相変わらず正面から質問に答えることなく、「雄弁」に一方通行の主張を繰り返した。衆院で採決を強行し、国民の間には「アベ政治を許さない」という怒りさえも沸き上がっている。政府は危機感を持ち、立ち止まって世論に向き合うべきだ。米議会での「公約」を優先するかのように首相は今国会中の成立を狙うが、認められる法案ではない。・・・選挙を気にする参院を見越し、安倍政権は9月中旬以降に適用できる衆院再議決(60日ルール)を視野に入れる。実施すれば民主主義を損ない、自らの首を絞める暴挙となる。首相に求められるのは「出直し」の勇断だろう。
http://www.kyoto-np.co.jp/info/syasetsu/20150728_5.html
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住宅に墜落、3人死亡 小型機、離陸の直後 5人けが10棟焼ける 東京・調布(2015/07/27朝日新聞)
26日午前11時ごろ、東京都調布市富士見町1丁目の民家に離陸直後の小型飛行機が墜落し、この民家が全焼、周辺の9棟も一部が焼けた。全焼した民家の2階にいた女性と、飛行機に乗っていた機長ら男性2人の計3人が死亡。民家の1階にいた女性と隣接する住宅の女性、飛行機の後部座席に乗っていた30〜50代の男性3人も重軽傷を負った。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11883078.html
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「安保法案反対」私も デモ広がる(2015/07/27朝日新聞)
27日に参院本会議で審議入りする安全保障関連法案に反対するデモが広がっている。ツイッターなどのソーシャルメディアで若い世代がつながり、子育て中の母親たちへ、地方へと波及した。26日には母親ら2千人(主催者発表)が東京・渋谷に集まり、「子どもは殺したり、殺されたりするために生まれてきたのではありません」と声をあげながら練り歩いた。福岡や京都などでもデモがあった。東京・永田町では別の団体が2万5千人(同)を集め、国会を取り囲んだ。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11883081.html
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(社説)核燃料サイクル 計画は白紙に戻すべきだ(2015/07/27朝日新聞)
8キロで原爆が作れるとされるプルトニウムは、国際社会がいま、最も神経をとがらせる物質の一つだ。それを日本は47・8トン(昨年末時点)保有している。前年より0・7トン増えて、原爆5975発分である。利用計画のないプルトニウムを取り出すことは、核不拡散の原則に反する。日本のプルトニウムは、政府が計画する「核燃料サイクル事業」で燃料として使うことになっている。これを保有する理由にしている。ところが、核燃サイクルは、技術的に困難だったり、採算が合わなかったりと、政府の思惑通りに計画が実現できる見通しはない。計画の破綻(はたん)は内外に明らかだと言って良い。・・・ まず「もんじゅ」である。
燃料として燃やした以上のプルトニウムが得られる「夢の原子炉」をめざした。しかし、20年前のナトリウム漏れ火災以後ほとんど止まったまま。大量の点検漏れも発覚し、運転再開はまったく見通せない。・・・しかし、これまで20回以上、完成時期が延び、建設開始からも22年がたった。建設費は当初計画の7600億円から2兆2千億円に膨らんだ。 来年3月の稼働をめざして原子力規制委員会の審査を受けている。稼働後40年間で、約3万トンの使用済み燃料の再処理に12兆6千億円かかると試算されているが、さらに膨らみそうだ。・・・唯一、実用化していたプルサーマルも先行きが見通せない。
再処理費用をかけた分、MOX燃料はウラン燃料に比べ割高になる。これまで海外に加工を依頼して輸入したMOX燃料の価格は、通常のウラン燃料の7〜9倍とも推計される。費用がかかりすぎ、使用済み核燃料などのゴミを減らす効果もほとんど期待できない。・・・燃料増殖の見果てぬ夢は捨てて、核燃サイクルは凍結する。それこそが合理的で、核の不拡散と廃絶をめざす日本にふさわしい道ではないか。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11882970.html
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(フォーカス オン)『戦後70年特別番組 いしぶみ』 一人一人の被爆を「読む」日テレ系 8月1日午後1時30分(2015/07/27朝日新聞)
62年開局の同局は、原爆の惨禍や被爆者の怒りを国内外に訴えたいと、65年から原爆ドキュメンタリーを作り続けている。「碑」はその6作目。建物疎開に動員されて爆心地近くで被爆し、「全員死亡」と言われた、県立広島二中(旧制)1年生の321人を追った作品だ。構成を手がけたのはやはり映画監督の松山善三。遺族226人から手記を集め、杉村春子がその手記をスタジオで読むという斬新な方法を用い、国内外で高い評価を受けた。今回の「いしぶみ」でも、同じ表現方法が使われる。「今の僕らがもう一度、あの手法で語りかけることが視聴者に大きな意味があるだろうし、作り手にとっても大きな意味があるのではないか」と是枝監督。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11883130.html
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(ウォッチ安保国会)「反対」つぶやき、勇気出た 若者からママへ、1万7千人賛同(2015/07/27朝日新聞)
若者から若者へ。若者に触発されたママへ。安保法案反対デモを広げるツールはツイッターやフェイスブックといったソーシャルメディアだ。商業施設が立ち並び、若者であふれる日曜の渋谷。母親たちがベビーカーを押したり子供の手を引いたりしながら、ゆっくり歩いていく。26日、「安保関連法案に反対するママの会」が企画したデモだ。・・・1歳の息子をベビーカーに乗せて来た神奈川県川崎市の斎藤善香さん(31)は、フェイスブックで反対の声を上げている人を検索していて「ママの会」にたどり着いた。「一人で参加する度胸はないけれど、ネットで同じ不安を感じるお母さんとつながれたので、勇気が出た」という。・・・試験勉強中だった先輩女性は、「忙しさに追われて動かないと後悔する」と、知人を通じてLINEで呼びかけた3人と17日のデモに参加してくれた。自らも24日、2度目の参加をした。今後も足を運ぶつもりだ。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11883035.html
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どう見る安保関連法案 作家・和田竜さん 戦争体験 思いはせよう 被爆者人形 強烈な印象(ヒロシマ平和メディアセンター)
歴史をひもとくと、戦争は何となく機運が盛り上がって、どうしようもなく起こる。政治家であれ、戦国武将であれ、誰も戦争や合戦をしたいわけではない。いや応ない状況の中で、起こらざるを得ない形になる。だから、戦争へのハードルというべきものは高い方がいい。 ・・・今回の安保関連法案の議論を通じて、驚いたことがある。意外と思われるようなベテラン政治家が反対の声を上げている。みんな戦争を体験している。よほどその体験が嫌だったのだと思う。物語を書く時、登場人物の置かれた状況や気持ちをグーッと想像する。その人に成り切るぐらい。意外な人が反対の声を上げる理由を、僕も含めてもっと想像すべきではないでしょうか。抑止力が必要か、不要かを熱く議論するよりも、虚心になって、戦争体験者の感覚に少しでも近づくことの方が大事な気がする。
http://www.hiroshimapeacemedia.jp/?p=47927
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南部さんを悼む 知の探求を続けたい(2015/07/27東京新聞)
ノーベル賞受賞者の南部陽一郎さんの死を惜しむ声が続く。新しいアイデアで物理学の進むべき道を示してきた。実利に関心が向かいがちな今、「知」を考えろと言われているようだ。南部さんは今月、九十四歳で亡くなった。東京都出身で、少年時代を福井県で過ごした。大阪市立大教授から渡米し、長くシカゴ大教授を務めた。二〇〇八年に「自発的対称性の破れ」という理論でノーベル物理学賞を受賞した。ノーベル賞を二度、受賞した人はいるが、南部さんはノーベル賞級の研究業績がほかに二つある。物理学で対称性というのは、ある操作を行っても物理法則は変わらないことである。南部さんが語った、たとえ話を紹介する。「広くて開放的な場所に集まった人たちは、勝手気ままにあちこちを見ている。こういう状態を対称性という。一人がある方向を見ると、みんなが同じ方向を見ることがある。これが自発的対称性の破れだ」・・・日本は理論物理学を得意分野とし、多くの人材を輩出してきた。よき伝統には、人と人とのつながりも含まれる。知の探求を続けた偉人に「理科好きの子供たちを育てます。研究に専念できる環境を整備します」と誓いたい。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2015072702000131.html
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重機操縦の男逮捕 南相馬・除染の廃棄物埋めた疑い(2015/07/27福島民友)
南相馬市小高区の国直轄除染で出た廃棄物の不法投棄事件で、南相馬署は26日午後0時50分、放射性物質汚染対処特措法違反の疑いで宮城県、建設会社役員酒井陽次容疑者(66)を逮捕した。酒井容疑者は「現場責任者から指示を受けた」と容疑を認めているという。逮捕容疑は今年1月下旬ごろ、南相馬市小高区の山林に重機で穴を掘り、近くの除染作業で出た木の枝などの廃棄物約3.4トンを埋めた疑い。酒井容疑者は、環境省から除染を受注した共同企業体(JV)から事業を受託した南相馬市の建設会社の下請けとして除染を行った福島市の建設会社が担当した現場で、重機オペレーターを務めた。
http://www.minyu-net.com/news/news/0727/news2.html
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3号機プールの最大がれき撤去へ 全作業中断し厳戒態勢(2015/07/25共同通信)
東京電力は、福島第1原発3号機の使用済み核燃料プールで重さ約20トンもある最大のがれきを月内にも撤去する。クレーンでの引き上げ作業中にトラブルがあればプールの水位低下や燃料破損につながる恐れもあるため、構内の全作業を中断する厳戒態勢で臨む方針だ。このがれきは、燃料を原子炉に出し入れする「燃料取扱機」。プールをまたぐように設置されていたが、2011年3月の原発事故の際、水素爆発で壊れ、ひしゃげた形でプールに落下した。
http://www.47news.jp/CN/201507/CN2015072501001485.html
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政権と決め方―基盤崩す「結論ありき」(2015/07/26朝日新聞)
仏つくって魂入れず。安倍政権下での物事の決まり方を見ていると、見てくれは立派だが魂の入っていないうつろな仏が、ごろごろと転がっているような印象を受ける。決定の正当性や公正性を確保するためには、各界各層の幅広い意見を聴き、それを十分に考慮したというプロセスこそが重要だ。そのための仕組みは、現にさまざま用意されている。・・・ 圧倒的な議席を有するがゆえか、安倍政権下、結論は最初から決まっているのだから、定められた手順を踏み、一定の時間を費やして外見を整えればそれでいい――そう言わんばかりの態度が目につく。
http://digital.asahi.com/articles/ASH7T3CLTH7TUSPT001.html?ref=cmail_select
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(科学の扉)宇宙線でピラミッドの謎に迫る 構造解明へ、壊さず透視(2015/07/26朝日新聞)
世界七不思議の一つとされるピラミッド。透過力の強い宇宙線「ミュー粒子」を使った透視技術で、内部構造の謎に迫る試みを名古屋大や東京大の研究者らが計画している。どうつくったのかを解き明かす証拠が見つかるかもしれない。ピラミッドは紀元前2600年代ごろからエジプト、スーダン、メキシコなどでつくられた。小さい物も含めると100基以上あるとされるが、有名なのはカイロ近郊のギザにあるクフ王、カフラー王、メンカウラー王の3大ピラミッドだ。その実態は謎だらけだ。最大のクフ王ピラミッドは、平均2・5トンの重さの石を200万個以上使っていると推定されている。だが、石がぎっしり詰まっているのか、すかすかなのかはわからず、おおよその数や全体の重さも不明だ。
外側は石灰岩、内部の部屋の天井などには花崗岩(かこうがん)が使われている。だが、その中間にどのような材料が使われているかは知りようがない。隠し部屋や秘密の通路などの俗説も確かめる手段がなかった。大城道則・駒澤大教授は「古代のエジプト人は、ミイラの作り方など重要なことは記録に残さないので設計図などの資料がない」という。どうやって巨大な石を積み上げたのか、建設法も諸説あるが根拠がない。昔から定番なのは、土砂やれんが、石などでゆるやかな坂をつくり、運んだという「傾斜路」説だ。だが、この説には欠点がある。坂の体積はピラミッドと同じぐらいになる。そんな大量の土砂を捨てた痕跡は見つかっていない。また、20年ぐらいで建設されたとされるが、そんなに早くつくるのは難しい。・・・
<宇宙に飛ぶ放射線> 宇宙線は、宇宙空間を飛び交っている放射線で、様々な種類がある。寿命が来た恒星の最期の大爆発などで生じると考えられ、陽電子、ミュー粒子、パイ中間子の発見など素粒子研究にも役立ってきた。現在は様々な粒子を巨大加速器でつくれるが、人工ではつくれない高エネルギーの宇宙線もある。ミュー粒子は陽子などの宇宙線が大気に衝突することで生じ、手のひらぐらいの面積で1秒あたり1個ほどが地上に降り注いでいる。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11881273.html
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エネルギー転換の他に道なし(こちゃん / 2015年7月26日みどりの1kWh)
「エネルギー転換を、遂行するかしないかは問題外」、「エネルギー転換以外にオルタナティヴはない」というドイツ電力大手4社のうちの2番目、RWE社のペーター・テリウム社長の言葉を読んでびっくりした。原発を運営し、褐炭火力発電所もドイツ一多く所有している同社は、ドイツ政府の脱原発決定、長期的な二酸化炭素削減推進で最も大きな打撃を受けている。その同社の社長が書いている文章だ。他の電力会社も以前の方針から方向転換している。この国のエネルギー政策は、もう逆戻りすることはないだろうという印象が強まる。
テリウム氏は、ドイツ政府の与党であるキリスト教民主同盟(CDU)の経済協議会が主催した「経済の日」のための全国紙「フランクルフター・アルゲマイネ」の特集ページへの寄稿文で、「 電力会社は当分の間、構造変化と構造危機の難しい道を歩まなくてはならないが、長期的には環境保護、再生可能エネルギー、エネルギー効率の向上を推し進める以外に道はない」と書いている。昨年12月に原発や火力発電部門を切り離して別会社に移し、「事業の中心を再生可能エネルギーや顧客対応の送・配電網などに絞る」と大々的に発表した電力大手1番目のE.ON社とは異なり、方針が今まで良く見えなかったRWEだが、同社は「エネルギー転換を包括的に進める」とテリウム氏は続ける。具体的には、電力の生産、取引、販売、配電網が事業内容の4本の柱となるそうだ。・・・電力大手4番目のENBW社も風力発電に力を入れようとしているし、フランスのエネルギー大手トタル社からドイツ国内の企業相手の販売事業をこのほど請け負うことになった。発電だけでなく、サービス部門への進展だ。ドイツで人口が一番多いノルトライン・ウェストファーレン州の28の地域発電会社が作るトゥリアネル連合でも、共同で風力や太陽光発電装置の建設が進んでいると報道されている。ドイツで、エネルギー転換の方針が後戻りすることはあり得ないようになってきた。
http://midori1kwh.de/2015/07/26/7115
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子どもの貧困 食を支える制度を急げ(2015/07/26京都新聞)
「子どもの貧困」が深刻な社会問題になっている。とりわけ懸念されているのが食への影響だ。非正規雇用の増加などで親の生活が困窮し、十分な食事をとれない子どもが増えており、経済格差が健康格差につながりかねないとの指摘も出ている。そんな中、厚生労働省が子どもの食事、栄養状態と、保護者の収入や家庭環境との関連性について初の全国調査を9月に実施することになった。来年3月までに結果を公表する予定だ。発達・発育段階にある子どもにとって、食事は体と心を育むための基本であり、学びを支えるものだ。不十分な食生活を送っている子どもたちの家庭の社会的、経済的傾向をしっかり分析し、支援策づくりに役立ててもらいたい。厚労省によると、平均的な所得の半分を下回る世帯で暮らす18歳未満の子どもの割合を示す「子どもの貧困率」は、2012年に16・3%と過去最悪を更新し、6人に1人が貧困状態にある。ひとり親世帯は特に深刻で54・6%、2人に1人だ。理由の一つは雇用の不安定化で世帯収入が下がったことだ。全世帯の平均所得は11年比2%減の537万2千円だが、子どものいる世帯は3・4%減。パートなどで働く母親が多い母子世帯が、10年比で約11万増えたことも影響した。母子世帯の平均年収は約180万円だ。・・・ 子どもの支援活動を続けるNPO法人によると、親の生活苦から1日1食しかとれていない子どももいるという。そんな状況を改善し、全ての子どもが安心して食べ、学べる環境を築かねばならない。苦しむ親子への支援は国や地域の未来への投資である。継続的に調査し、食を支える制度づくりを急ぎたい。
http://www.kyoto-np.co.jp/info/syasetsu/
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週のはじめに考える 耳傾けぬ政治家よ(2015/07/26東京新聞)
最近、政治家が聞く耳をもたなくなった、とよく聞きます。つまり昔は聞いていたようだ。聞く耳なくしては、国民の声が政治に届くはずもありません。政治家が聞く耳をもたなくなった、と話した一人は先輩の元政治部記者でした。
「では、聞く耳をもった政治家はいたのでしょうか」・・・
「首相でいうと、大平正芳、宮沢喜一さんはよく聞いた方だったね。橋龍(橋本龍太郎)さんなんかは何度も沖縄を訪ねて話を聞いていたし、首相じゃないが梶山静六さんもそうだった。聞かなかったのは佐藤栄作さん、かな」名前のあがらなかった政治家にももちろん聞く耳をもつ人はいたでしょうが、どうも少なかったようです。つまり聞く耳をもつことは易しくはないのです。もう少し詳しく、新聞などマスコミとの関係でいえば、聞く耳をもつ政治家とは、マスコミの仕事とは国民に代わって権力を監視することだと承知している政治家であり、聞く耳をもたない政治家とはそうでない人たちだということです(宇治敏彦「政(まつりごと)の言葉から読み解く戦後70年」新評論)。権力監視とは文字通り権力が悪事を働かないよう、国民を裏切ることのないよう、国民に知らせるべき情報を隠さないよう、税金の使途が適切か否かなどをチェックすること。民主政治のまさに基盤的部分でもあります。・・・
翻って今の安倍政権はどうか。
国会の前に人々が集まるのは、危機感を募らせるからですが、政治が国民の声に耳を傾けないことの証明でもあるでしょう。ただの反対ではありません。憲法学者がマイクを握り老いも若きも声をあげています。そこへ行けばわかりますが、いわゆる組織の動員デモとは違う。声なき声が声をあげているのです。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2015072602000163.html
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(社説)鶴見さん逝く 個々の行動に宿る理念(2015/0724朝日新聞)
安倍政権が安全保障関連法案を強行に推し進め、戦後日本が歩んできた道筋を大きく変えようとしている夏に、鶴見俊輔さんが世を去った。93歳だった。リベラルな立場からの発言・執筆で、戦後の思想や文化に大きな影響を与えた哲学者で評論家。反戦平和のために行動する姿勢を貫いた知識人だった。雑誌「思想の科学」、60年安保の反対運動から生まれた市民たちの「声なき声の会」、「ベトナムに平和を!市民連合(ベ平連)」、憲法を守る「九条の会」、3・11後の脱原発の動き。鶴見さんは様々な活動で、中心的な役割を担ってきた。・・・戦後の憲法に寄りかかって、民主主義が成立したと考えるのは「はりぼての護憲」だと断じ、民主主義とは「目標としてあるもの」で、そこに向かう運動を担うのは私的な信念であると説いた。一部の者が「絶対的な正しさ」で大衆を引っ張ることを警戒し、「烏合(うごう)の衆」に期待をした。違う考えを持つ、バラバラな人々が、そのことを自覚することで、思想的な強さになるのだと。「鉄の団結」は考える力を弱めてゆくとも語っていた。・・・安保法案に対して、全国で多くの人びとが街頭で抗議行動を繰り広げている。ネットを介して広がる市民のうねりは、かつての安保闘争などと違い、党派性や組織性からは縁遠い。一人ひとりが自分の思いで動き、民主主義を渇望する行動の中に、鶴見さんの思想が息づいている。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11879093.html
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古代ペルー 深紅の王墓(2015/ナショナルジオグラフィックス)
墓泥棒に荒らされてきたペルーのエル・カスティージョ遺跡で、奇跡的に発見された未盗掘の墓。古代ワリ帝国の謎の解明につながると、期待がかかる。・・・ペルーの海岸近くにある遺跡「エル・カスティージョ・デ・ワルメイ」は、ここ100年ほどの間に盗掘者たちに荒らされ、広大な丘全体が穴だらけになっていた。盗掘者の目当ては、埋葬された遺骸が身に着けた黄金の装飾品や上質な織物だ。・・・2012年秋に、驚くべきものが発見された。未盗掘の王族の墓だ。ワリ帝国の王妃あるいは王女の遺体が計4体、貴族の遺体が少なくとも54体、そして大きな金の耳飾り、銀製の器、銅合金の斧など、一流の細工が施された遺物1000点以上が埋葬されていた。
「ここ数年間で最も重要な発見です」と、リマ美術館の学芸員セシリア・パルド・グラウは語る。出土品は、ワリ帝国とその裕福な支配階級の謎を解明する新たな鍵となる。・・・ワリ帝国が広大な領土をどのように手に入れ、抵抗勢力を統治したのかは長年の謎だった。文字をもたなかったワリには歴史の記録が残っていない。だが都から約850キロ離れた、ここエル・カスティージョで発見された豊富な出土品によって、徐々にその空白は埋まりつつある。
http://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/20140521/398339/
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原発の不都合な真実(共同通信)
「地球温暖化防止に役立つエネルギー」「安定供給が可能で、発電コストも安い!」−。安全、安定、安価に加え、クリーンだとされてきた原発。しかし、実際はどうなのでしょう。日本と世界の環境問題やエネルギー問題を第一線で取材してきた共同通信の記者が、コラムやインタビューなどで解説するシリーズです。
第1回 「原発は温暖化対策に役立たない」
【原発の不都合な真実】原発は温暖化対策に役立たない−この世界には、はるかに有効な二酸化炭素の排出削減政策がたくさんある
http://www.47news.jp/47topics/e/218274.php
第2回 「原子力ルネッサンスの幻」(その1)
【原発の不都合な真実】原子力ルネッサンスの幻(その1)−温室効果ガスの削減策として原子力を再評価しようとの動きが喧伝される中、原発の退潮が始まっていた
http://www.47news.jp/47topics/e/220023.php
第3回 「原子力ルネッサンスの幻」(その2)
【原発の不都合な真実】原子力ルネッサンスの幻(その2)−東電事故が世界に与えた衝撃は大きく、原発の退潮に拍車が掛かるのは間違いない。それが否定できない現実だ
http://www.47news.jp/47topics/e/220183.php
第4回 「インタビュー アースポリシー研究所代表のレスター・ブラウン博士」
【原発の不都合な真実】インタビュー企画 「地震国、火山国の日本で最も潜在能力の高いものが地熱発電。太陽光や風力発電のため風況や天候を予測する技術も進む。今こそ政治的に不安定な中東に依存する化石燃料のリスクを見直せ」−レスター・ブラウン氏
http://www.47news.jp/47topics/e/220699.php
第5回 「インタビュー 緑の党所属のシルビア・コッティングウール連邦議会議員」
【原発の不都合な真実】インタビュー企画 「法律で再生可能エネルギー電力の全量買い取りと送電優先化を義務付け、投資家も安心できる環境をつくる。それは子どもたちや次世代に対する貴重な投資でもある」−シルビア・コッティングウールさん
http://www.47news.jp/47topics/e/220827.php
第6回 「インタビュー 自然エネルギー財団の理事長に就任したトーマス・コーバリエル氏」
【原発の不都合な真実】インタビュー企画 「既得権益を排して民主的なエネルギー政策を実現するのか、過去の誤りを繰り返すのか、日本は今、岐路に立っている」−トーマス・コーバリエル氏
http://www.47news.jp/47topics/e/221077.php
第7回 「インタビュー 環境エネルギー政策研究所の松原弘直主席研究員」
【原発の不都合な真実】インタビュー企画 「固定価格買い取り制度は国内のビジネスへの投資が拡大するし、雇用を生む。負担ばかりを強調せずに、制度のメリットをもっと評価するべきだ」−松原弘直氏
http://www.47news.jp/47topics/e/221085.php
第8回 「インタビュー 橘川武郎・一橋大教授」
【原発の不都合な真実】インタビュー企画 「次世代に負担を負わせるエネルギーは過渡的な『必要悪』。これまで一定の貢献をしてきたことは評価できるが、2050年ごろには役割を終えるだろう」−橘川武郎氏
http://www.47news.jp/47topics/e/222512.php
第9回 「原発は安価か? 建設コストは増加の一途 「リスク大きい」と格付け会社」
【原発の不都合な真実】原発は安価か? 建設コストは増加の一途 「リスク大きい」と格付け会社
http://www.47news.jp/47topics/e/222896.php
第10回 「「原発の負の学習曲線」と太陽光発電の「正の学習曲線」−両者の帰趨は既に決している」
【原発の不都合な真実】「原発の負の学習曲線」と太陽光発電の「正の学習曲線」−両者の帰趨は既に決している
http://www.47news.jp/47topics/e/222965.php
第11回 「インタビュー ロッキー・マウンテン研究所のエイモリー・ロビンス理事長」
【原発の不都合な真実】インタビュー 「日本人が省エネと再生可能エネルギーに多大な投資をし、得られたものを周辺の国と共有できれば、日本は世界に大きな貢献ができる」−エイモリー・ロビンス氏
http://www.47news.jp/47topics/e/223620.php
第12回 「インタビュー 熊崎実・筑波大名誉教授」
【原発の不都合な真実】インタビュー 「バイオマスが総エネルギー消費に占める比率は0・3%でしかないが欧州並みの利用をすれば、短期間でこれを少なくとも2%には高められる」−熊崎実・筑波大名誉教授
http://www.47news.jp/47topics/e/225144.php
第13回 「料金制度が支えた原発建設 原発を造れば造るほど、電力会社は儲かるというからくり」
【原発の不都合な真実】料金制度が支えた原発建設−原発を造れば造るほど、電力会社は儲かるというからくり
http://www.47news.jp/47topics/e/225763.php
第14回 「料金制度が支えた原発建設 東電の利益に占める大口電力の割合は1割にも満たない」
【原発の不都合な真実】東京電力の販売電力量は工場など大口市場が6割強、一般家庭など小口市場が4割弱なのに利益に占める大口電力の割合は1割にも満たない
http://www.47news.jp/47topics/e/225843.php
第15回 「番外編 3・11に思う」
【原発の不都合な真実−番外編】3・11に思う−われわれ科学記者と呼ばれる集団は、市民科学者の声にどれだけ真剣に耳を傾け、どれだけそれを社会に発信してきただろうか
http://www.47news.jp/47topics/e/226577.php
第16回 「番外編 Power To The People」
【原発の不都合な真実−番外編】 Power To The People−再生可能エネルギー開発プロジェクトのキャッチフレーズは「人々に力を、人々に電力を」
http://www.47news.jp/47topics/e/226987.php
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