東電、市町村の除染費用支払わず 国が立て替え(2015/03/30共同通信)
福島第1原発事故後、市町村が実施した除染費用として国が2月末までに東京電力に請求した761億円のうち、東電側が約2%しか支払いに応じず、事実上拒否していることが29日、環境省への取材で分かった。一方、国直轄除染分は基本的に応じており、対応が大きく分かれていることが浮き彫りとなった。除染関連費用は国がいったん立て替え払いした後、東電に請求する仕組み。東電の支払いが遅れれば、利息分は税金で賄われるため国民負担の増加につながる。
http://www.47news.jp/CN/201503/CN2015032901001725.html
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津波防御壁は必要かードイツメディアの指摘(じゅん / 2015年3月29日みどりの1kWh)
東日本大震災4周年にあたってドイツのメディアの多くは、福島原発事故現場のその後の様子や「原発難民」の生活に焦点を当てた報道をした。そんななか、津波で大きな被害を受けた三陸海岸のルポルタージュ記事で、復興事業として建設が進められている各地の津波防御壁(注:巨大な防潮堤のこと)の問題点を指摘したのは、南ドイツ新聞(Suddeutsche Zeitung)のクリストフ・ナイトハート記者だ。
同記者はまず宮城県、気仙沼市の仮設住宅を訪れ、住民たちとのインタビューを通じて「復興計画が遅れているため、多くの人にとって仮設住宅での仮の生活が、永久のものとなった」と書き、「仮設住宅で暮らす『津波難民』は今なお、約10万人にのぼるといわれ、家を流された人たちのなかには仕事を失った人も多く、生活の基盤の全てを失い、仮設住宅から出る見通しのない人たちの間では、体調を崩したり、鬱になって自殺したりする人が増えている」と被災者の実態を伝えた。・・・ 東北大学の環境学の鈴木孝男教授は「こうした巨大な防潮堤を造ることは、小泉村の沿岸漁業を破壊する」と警鐘を鳴らす。小泉村の沿岸はアワビなどの貝類の漁場として有名だが、「こうした貝類の生殖には陸地までなだらかに続く穏やかな海が必要で、巨大な防潮堤は漁業環境に悪影響を及ぼす」と鈴木教授は見る。その上、同教授によると、この海岸一帯の浅瀬は「渡り鳥の国際的な中継地」だという。
同大学の津波工学研究室の今村文彦教授もコンピュータのシミュレーションで、2011年3月の津波では、9メートルの防潮堤を乗り越えた津波の第1波に第2波、第3波、第4波が続き、いわゆるランアップ効果によって波は最終的に39メートルの高さに達したことを示して、警告する。
しかし、「防潮堤の建設は、利益より害の方が大きいという専門家たちの批判や教師たちの反対の声も、高齢者の多い住民集会の投票には全く反映されないのが現実だ」という指摘で、ナイトハート記者の三陸沖のルポは終わる。政府の東北復興計画である公共事業に対する批判はテレビなどでは伝えられず、高い防潮堤ができれば、津波が防げると信じる人や公共事業で地元に多額のお金が落ちることを歓迎する人も高齢者には多いという。同記者は、こうした公共事業を担当する建設会社と自民党との関係も示唆している。
http://midori1kwh.de/2015/03/29/6743#more-6743
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「原発ある状態、未来ない」 大江健三郎さんが講演会で(2015/03/28共同通信)
東京電力福島第1原発事故から4年が過ぎたが、風化はさせない―。脱原発を訴える市民団体が28日、東京都新宿区で講演会を開き、呼び掛け人のノーベル賞作家大江健三郎さんが「原発がある状態では人間の未来はない、という態度を継いでいかないといけない」と語った。
http://www.47news.jp/CN/201503/CN2015032801001715.html
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(社説)不平等な一票 正統性が問われている(2015/03/28朝日新聞)
いまの国会に、戦後の平和主義を転換したり、憲法を変える論議を提起したりする正統性があるといえるのか。新たな是正策を検討しているとはいえ、国会の動きはあまりに鈍い。法の下の平等という原則を尊重する意思があるのか。それすら疑わざるを得ない。昨年12月の衆院選の一票の格差をめぐる判決が、各地の高裁・支部で続いている。17件のうち14件で判決が出て、「違憲」が1、その手前の「違憲状態」が9。「合憲」は4だった。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11674299.html
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衝突続く辺野古 移設反対派・海保、両者の主張は(2015/03/28朝日新聞)
沖縄・辺野古の海で、米軍基地の移設に反対する人たちと海上保安庁との衝突が続いている。何が対立点なのか。反対派と海保をそれぞれ担当する記者2人が普段の取材で聞いている主張を踏まえ、衝突の相手側にインタビューした。きれいな海、破壊は許せない 相馬由里・抗議船船長。「神奈川県出身で、ダイビングが好きで沖縄に来て16年。辺野古での闘いには10年以上前から参加している。今はカヌーを支える小型船の船長として海に出ている。基地のためにきれいな海を壊すのは許せない」・・・「1月19日、海上保安官にカメラを奪われ、ストラップを引きちぎられた。けがについては何一つ聞かれなかった。右手の痛みが続き、打撲で全治1週間と診断され、告訴した。海保は診断をうそだというのか。骨折させられた人もいる」
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11674467.html
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沖縄戦70年 再び捨て石にはできぬ(2015/03/28東京新聞)
沖縄の反基地闘争が知事を先頭に空前の高まりを見せている。本土の捨て石になった沖縄戦から七十年。再び犠牲を強いてはならない。名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブゲート前。新基地の建設に反対して座り込む人々の中に八十五歳の島袋文子さんがいる。
地元の集落に一人で暮らす島袋さんは昨年夏から、雨の日も風の日も休まずに朝から座り込みに加わる。島袋さんにとって辺野古は、日本を再び「戦争のできる国」にしない闘いの最前線という。・・・野中広務元官房長官はたびたび沖縄を訪れ「沖縄を忘れることは、第二次大戦を忘れること。戦争の恐ろしさを忘れないためにも沖縄を絶対に忘れてはいけない」と語り、遺骨の一部を慰霊塔に納めてほしいと望んだ。そんな自民の心はどこにいったか。集団的自衛権の閣議決定と安保法制の整備によって、安倍政権は戦争のできる国に進んでいるようにみえる。辺野古に何がなんでも新基地を造る姿勢だ。那覇市在住の作家大城立裕さんは語る。「日本政府は沖縄の歴史に対する反省もなく、沖縄を軍事植民地のように扱い続ける。社会的差別は薄らいでも、政治に差別が残っている。辺野古の新基地は、明治以来の琉球処分の総仕上げだ」。百五十年続く差別と犠牲の歴史。基地の県外、国外移転が真剣に考えられてもいいのではないか。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2015032802000138.html
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社説:イエメン情勢 軍事介入で解決するか(毎日新聞 2015年03月28日)
アラビア半島南端にあるイエメンは、アジアと欧州の交易の中継地として栄え、古代ギリシャやローマの時代は「幸福のアラビア」と呼ばれた。旧約聖書に登場するシバの女王の王国も、イエメンかエチオピアの周辺だったとされる。決して豊かではないが、イエメンは「アラブの源流」とも言われてきた国である。・・・米国の態度も理解に苦しむ。米国は00年、イエメン寄港中の米艦が国際テロ組織アルカイダに攻撃され、同国でテロ掃討作戦を続けた経緯がある。オバマ政権は米大使館員や兵員を撤収させ、サウジなどに後方支援を表明するだけで、事実上、何もしないのか。スエズ運河に通じるイエメン海域は日本にも重要だ。イエメン情勢はシリア情勢やイスラム過激派組織「イスラム国」(IS)との戦い、イランとの核協議にも影響する。この複合的な問題では米国の指導力や仲介能力こそ問われるはずだ。
http://mainichi.jp/opinion/news/20150328k0000m070174000c.html
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戦争と原発問題 福島通じ考える(2015/03/27東京新聞)
日本の原子力政策に翻弄(ほんろう)された福島県の人々を通じて日本の歩みと原発問題を取り上げた映画「あいときぼうのまち」が二十九日、本庄市千代田四の喫茶店「cafe NINOKURA」で、県内で初めて公開される。この映画は福島県出身の脚本家菅乃(かんの)広氏が初めて監督を務め、脚本家井上淳一氏が脚本を担当した。四世代一家族の人間ドラマを軸に、敗戦間近の一九四五年、東京五輪後の六六年、震災前の二〇一一年、震災後の一一年の福島の様子が交差しながら描かれている。夏樹陽子さん、勝野洋さん、千葉美紅(みく)さんなどが出演。戦時中、原爆の材料にするウラン採掘が同県石川町で進められていた事実にも触れている。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/saitama/20150327/CK2015032702000159.html
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(社説)「我が軍」発言 憲法軽視が目にあまる(2015/03/27朝日新聞)
自衛隊と他国軍との共同訓練について問われ、「『我が軍』の透明性を上げていくことにおいては、大きな成果を上げている」と答えた。これが批判されると、菅官房長官は記者会見で「自衛隊は我が国の防衛を主たる任務としている。このような組織を軍隊と呼ぶのであれば、自衛隊も軍隊の一つということだ」と述べ、首相発言を追認した。だが歴代政府は「自衛隊は、通常の観念で考えられる軍隊とは異なる」としてきており、憲法上、自衛隊は軍隊ではない。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11672139.html
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(声)防衛大での首相発言はおかしい(2015/03/27朝日新聞)主婦 上村禎子(東京都 74)
安倍晋三首相は22日、防衛大学校の卒業式に出席して「行動を起こせば批判にさらされる。過去も『日本が戦争に巻き込まれる』といった、ただ不安をあおろうとする無責任な言説が繰り返されてきた。批判が荒唐無稽であったことは、この70年の歴史が証明している」と語ったそうだ。この発言はおかしい。日本が戦争に巻き込まれずに来られたのは、憲法9条を持つ日本は「戦争をしない国」であると国際社会が認めてきた結果である。自衛隊を海外に派遣しようという動きがあった時に、多くの国民が阻止しようと声をあげ、良識ある為政者が耳を傾けて、正しい判断をしてきたからだ。防衛大での首相発言に納得した人がいるなら、首相ともども歴史を学び直してほしい。安倍首相は、不戦のために行動するのだと言う。米軍の支援のために自衛隊が武器を使用すれば、相手はもっと強力な武器で攻撃してくるだろう。それがまさしく戦争である。集団的自衛権の行使は、戦争につながる危険なものなのだ。時間をかけて国民的議論をしたうえで、政府は姿勢を決めるべきだ。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11672138.html
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性的少数者 身近な場から考えたい(2015/03/27東京新聞)
性的少数者に対する国や自治体の取り組みが始まっている。学校現場でその特性に配慮した支援を行うことや、同性カップルに結婚に相当する証明書を発行する動きなどだ。身近な場から考えたい。性的少数者を語る「LGBT」は、女性同性愛者「レズビアン」、男性同性愛者「ゲイ」、両性愛者「バイセクシュアル」、心と体の性が一致しない「トランスジェンダー」のそれぞれ頭文字をとっている。・・・ 欧州などでは同性パートナーを法的に認める国が増えているが、日本は性的少数者について正面から向き合ってこなかった。桑原敏武区長は「未来に対し設計の持てる人生をすべての人に実現する。温かい手を差しのべることは本来は国がやるべきこと」と語る。少数派への差別や排除をなくし、その権利をどう守っていくのか、議論を深めたい。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2015032702000153.html
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社説:「わが軍」発言 おざなりな認識は困る(毎日新聞 2015年03月27日)
言葉じりをあげつらうわけではない。だが、国のトップがデリケートな問題に無頓着であっては困る。安倍晋三首相が、参院予算委員会の答弁で自衛隊を指して「わが軍」と表現した一件である。自衛隊と他国軍の共同訓練に関する質問に、首相は「わが軍の透明性を上げていくことにおいて大きな成果を上げている」と述べた。直後に「自衛隊は」と言い換えたものの、自衛隊と軍隊とを同一視しているかのような印象を与えた。しかも、菅義偉官房長官は首相の発言について、自衛隊が国際法の上で軍隊扱いされているとして「まったく問題はない」と全面的に擁護した。この論法はいただけない。
http://mainichi.jp/opinion/news/20150327k0000m070158000c.html
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論点:深刻化する児童虐待(毎日新聞 2015年03月27日 東京朝刊)
全国の児童相談所(児相)が対応する虐待相談は、年間7万件を超える。現場の対応力の限界を超える件数だと言われる。児童虐待防止法成立から15年。今、何が求められているのか。【聞き手・野倉恵】・・・児童虐待が年間7万件を超えた。近年は心理的虐待への対応が増加しており、2013年度は全体の4割と、従来最多だった身体的虐待を初めて上回った。これは虐待を目撃した被害児のきょうだいも心理的虐待を受けたとみなすよう国が13年に指針を見直した影響が大きい。警察が同年に児童相談所に通報した虐待でも、子の眼前で親が配偶者に暴力を振るう「面前DV」のような心理的虐待が6割を占めている。
http://mainichi.jp/shimen/news/20150327ddm004070019000c.html
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福島原発事故後4年のドイツメディアの報道(2015/03/22みどりの1lWh)
福島原発事故4周年の3月11日の朝、ミュンヘンで発行されている全国新聞、南ドイツ新聞(Su¨ddeutsche Zeitung)を開いたところ、「福島4年、チェルノブイリ29年、原子力ビジネスは永遠に続くのか?」という大きな字が目に飛び込んできた。文字はもちろんドイツ語だが、よく見ると、核戦争防止国際医師会議(IPPNW)ドイツ支部の全面意見広告だった。この日の本紙の記事のなかにも、メルトダウンを起こした福島第一原発の事故現場の様子を伝えたものや津波の被災地のルポなど、大きな記事が二つも載っていた。
核戦争防止国際医師会議の意見広告の真ん中には「廃炉のプロセスや放射性廃棄物の処理を巡ってさえ、莫大な利益をあげようとする原子力業界に抗議し、原子力に関するすべての決定は、住民の健康を脅かさないことを最大の目標にしなければならない」という主張と、現在稼働している原発の即時停止など、4つの要求を掲げた声明が大きく掲載され、その周りにはこの声明に署名した2.205人の医師とその支持者の名前が小さなポイントでびっしり印刷されていた。・・・4年前、福島第一原発の3基の原子炉で実際に何が起こったか具体的には未だに誰も知らない。原子炉の炉心がどのようにして溶けたか、溶融した物質がどこに溜まっているのか、想像に任せるしかないのが実情だ。メルトダウンを起こした原子炉は4年経っても高温で放射線の線量も高いため、中に入って測定したり写真を撮ったりすることはできない。そうした状況のなか、現場で事故処理に当たる数千人の作業員たちは、手探りで何十年にもわたる大きな課題と取り組み、毎日毎日改善の小さな一歩を進めるため努力している。グリンピースが原発事故4周年に当たって発表した最新の報告書にも「現場の作業員たちは、政府や東京電力(の首脳部)とは違って、原子炉の廃墟がもたらすリスクをできるだけ少なくしようと全力を尽くしている」と記されている。・・・各地の復興計画が遅々として進まないため、安倍首相は東日本大震災の4周年にあたって警告を発し、「政府は復興作業を推進させるため全力を尽くす」と約束した。しかし、安倍首相は2年前、首相に返り咲いた時も同様の約束をしている。東北の復興予算は、196億ユーロ(約25兆4800億円)が計上されたが、その半額以上は支出されていず、予定されている東北地方の建設補助金の40.5%がまだ使われていない。復興計画が遅れている理由はいろいろある。復興作業を実施する建設会社が労働者を集められないことや資材や労働者の賃金の劇的な高騰なども理由の一つだが、復興がどうあるべきかという明確な計画案が欠けていることも、しばしばある。・・・日本では現在48の商業原発が操業停止しているが、安倍政権は安全性が確認されたものから再稼働させる方針を決めており、まず九州の川内原発が再稼働する予定で、さらに20基が再稼働の許可を申請している。
政府の公式発表では原発事故による死者は一人もいないとされているが、原発事故の関連で死亡したり自殺したりした人の数は、去年18%増えて1232人に達したと東京新聞は伝えている。
http://midori1kwh.de/2015/03/22/6731
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エボラ特集4:「エボラ孤児」1万人の行方(2015/03/24ナショナルジオグラフィックス)
昨年9月、エボラ出血熱に倒れみるみる弱っていく母親を、17歳のハリス・ウレーと9歳のマーシー・ケネディの兄妹は、たった2人で2週間看病した。母親のマリー・ウレーさんは夫に先立たれ、近所の市場で物を売って生計を立てていたが、やはりエボラウイルスに感染した女性の世話をして、自らも感染してしまったのだ。2人の子どもたちは、母親と一緒にリベリアの首都モンロビアにあるコンクリートブロックの粗末な自宅に隔離され、近所の人たちが外に置いていった食べ物を母親に食べさせたり、体を拭いたりして懸命に世話をした。マリーさんは状態が悪くなる中、息子を枕元に呼び、将来はコンピューターのプログラマーを目指し、妹にも必ず教育を受けさせるようにと約束させた。
http://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/20150223/436734/
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