記憶のために/LIST 日々のニュースは数えきれないほどあります。その1つ1つが今の社会の要素であり現実です。ここに拾い上げたニュースはごくごく一部でしかありませんが、忘れてはいけない出来事も多くあります。未来のその時を考えるための「記憶のために」少しでも記録したいと思います。 |
(報われぬ国 負担増の先に)認知症 1年半、8カ所転々(2014/12/29朝日新聞)
主な設置主体/施設数/利用者数(人) * 特別養護老人ホーム(特養) 常に介護が必要で、家庭での生活が困難な高齢者らが入所する 社会福祉法人など/7865/51万6800 介護老人保健施設(老健) 介護が必要な高齢者らが、リハビリなどをして、自宅への復帰を目指す 医療法人など/3994/34万9900 グループホーム 認知症の人が、介護を受けながら少人数で共同生活をする 限定なし(企業中心)/1万2124/17万6900 有料老人ホーム 食事や生活支援つきの高齢者住宅。約4割の施設は介護サービスがつく 限定なし(企業中心)/8499/34万9975 精神科病院 認知症の人は興奮や幻覚の症状が強いときなどに入院し、薬の調整などをする 医療法人など/1066/22万6885 (施設数や利用者数は昨年7〜10月時点。利用者数は認知症以外の人も含む総数で、精神科病院は昨年の1日平均の入院者数。厚生労働省の調査から) 宮崎、再び鳥インフル 高病原性、4万羽殺処分へ(2014/12/29朝日新聞) 宮崎市高岡町の養鶏場で28日、鳥インフルエンザに感染した疑いのある鶏が見つかり、宮崎県の遺伝子検査で高病原性のウイルス(H5亜型)と確認された。県は29日未明、養鶏場で飼育する約4万2千羽の殺処分に入る。半径10キロ圏内の養鶏場にも鶏や卵などの搬出制限の措置を取る。 「ヘイトスピーチ、国は対策を」地方議会が意見書続々 国連委勧告・最高裁決定で勢い(2014/12/29朝日新聞) 各地の地方議会が、ヘイトスピーチ(差別的憎悪表現)対策を国に求める意見書を相次いでまとめている。今月だけで計12の議会が可決。日本政府に法整備を促した8月の国連人種差別撤廃委員会の勧告や、ヘイトスピーチは「人種差別」と認定した今月9日の最高裁の決定が、流れを後押しする。 http://digital.asahi.com/articles/DA3S11528351.html ビートルズ16作品が紙ジャケで 日本限定CD発売(2014/12/27朝日新聞) 年のおわりに考える 見ず、聞かずの原発被害(2014/12/29東京新聞) ドイツの二酸化炭素排出量削減、高い目標値を再確認(こちゃん / 2014年12月28日みどりの1Kwh) 【福島第1原発の現状】(2014年12月22日)1〜3号機はより困難 線量高く、遠隔操作に(2014/12/22共同通信) 第1原発の作業、年内は区切り 福島、新年は1月5日から(2014/12/28共同通信) 年のおわりに考える 棄権は意思表示なのか(2014/12/28東京新聞) 国民審査に思う(2014/12/28東京新聞) 香港デモ収束 民主化の火は消せない(2014/12/28東京新聞) 東京・渋谷区:宮下公園など3日まで閉鎖 ホームレス締め出し(2014年12月27日) 東京都渋谷区が、宮下公園(渋谷区神宮前)など渋谷駅周辺の区立公園3カ所を26日から来年の1月3日まで終日閉鎖している。ホームレスやその支援団体が公園内での炊き出しや宿泊などで使用しないよう区側が先手を打った格好だが、支援団体側は強く反発している。・・・ホームレスなど社会的弱者への支援を手がける認定NPO法人もやい(東京都)の大西連理事長は「本来は公的機関が提供すべきセーフティーネットを民間が担っている側面もある。公共空間での煮炊きは法令上『グレーゾーン』とも言えるが、一般市民の立ち入りも禁じた渋谷区の強硬な対応には突出感を禁じ得ない」と苦言を呈す。都市公園などを所管する国土交通省公園緑地・景観課は「そうした例は聞いたことがないが、各自治体の判断に国として言うことはない」としている。宮下公園などでホームレスを支援してきた団体のメンバーは「貧困で行くところがない人々を追い出すのは人権無視」と区を批判、支援活動が円滑にできるよう公園の開放を求めている。【太田圭介】 マレーシアなどで記録的な洪水 13万人超が避難(2014/12/28CNN) (声)国民に真実の報道を続けて(2014/12/28朝日新聞)無職 大口彰子(大阪府 70) 朝日新聞の慰安婦報道を検証する第三者委員会の報告書を受け、27日の新聞に渡辺雅隆社長の見解と改革の取り組みが載りました。慰安婦問題について多角的に報道を続けていくとあり、期待します。朝日の報道に対する批判が高まった時、配達の方に「申し訳ありません」と謝られましたが、私は違和感がありました。確かに故吉田清治氏の証言を記事にしたのは不適切でしたが、慰安婦問題があることは変わりありません。私は慰安婦だったフィリピン人女性が主人公の舞台に2008年に参加し、その縁で平和イベントなどで被害者の方に会いました。韓国、北朝鮮、中国、フィリピンや東ティモールの方です。高齢となった彼女らは「人間としての尊厳を生きているうちに回復して欲しい」と求めておられました。事実は事実として認め、きちんと反省してこそ国際的に評価されるのです。そのためにもメディアは真実の報道を続けて下さい。特定秘密保護法が施行されましたが、国民に真実を隠したり政権のお先棒を担いだりするのはやめて下さい。 被爆樹の輪広げる活動が「未来遺産」 広島「グリーン・レガシー」(2014/12/26ヒロシマ平和メディアセンター) インド洋大津波から10年 復興後も心に残る傷跡(2014/12/27CNN) 経済観測:格差社会と戦後70年=ベトナム簿記普及推進協議会理事長・大武健一郎(毎日新聞 2014年12月27日 東京朝刊) 来年、太平洋戦争が終わって70年の節目を迎える。中国と1000年以上にわたり戦い続けてきたベトナムの要人は「中国から独立した後も、70年から100年に1度の割合で中国は攻め込んできた。その原因は二つある」と語った。一つは、70年たつと実際に戦争を戦った人がほとんど亡くなること。戦争の悲惨さを知らない世代が戦いを美化し、戦争への歯止めが失われてしまう。もう一つは、戦争を終え、安定した時代になると、権力者の子が優秀でなくても地位や富を独占するようになること。70年で3世代が交代し、階級が固定化。格差の拡大が、優秀だが貧しい青年の不満を高める。要人は「不満解消のため、戦争の悲惨さを忘れた中国が、攻めてきた。このことは知っておいた方がいい」と話す。格差は今も世界的問題だ。 中国は今も権力者の子が枢要な地位につく格差社会から抜け出せていない。中国の経済学者と話すと必ず「どうしたら格差を解消できるか」という話題になる。機会の平等の国と言われる米国だって、オバマ政権誕生の際の大統領選の前、貧しい白人たちがニューヨーク証券取引所前に座り込んで「我々には機会の平等すらない」と叫んだ。しかも、今の米国は当時よりさらに富の偏在が進んでいる。過激派勢力「イスラム国」台頭の背景にも、アラブ諸国の激しい格差がある。アラブの春で独裁政権を倒したエジプトやチュニジアでも格差は解消していない。韓国では大韓航空のオーナー一族の前副社長の言動が、固定化した階級間の格差への不満を噴出させている。日本のアベノミクスも、経済成長と格差是正を両立させる取り組みを求められている最中だ。世界が格差拡大に直面する中、ベトナム要人の言う70年が来年やってくる。 |
特定秘密、指定を開始 10機関が約370件 保護法施行受け(2014/12/27朝日新聞) http://digital.asahi.com/articles/DA3S11526989.html 沖縄予算、削減を検討 政権、知事の「辺野古反対」牽制(2014/12/27朝日新聞) 安倍政権は、2015年度予算の概算要求で3794億円を計上していた沖縄振興予算を減額する検討を始めた。政府が進める米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設の阻止を掲げる沖縄県の翁長雄志(おながたけし)知事が就任したことを踏まえ、予算減額をちらつかせて県内移設反対の動きを牽制(けんせい)する狙いがありそうだ。 http://digital.asahi.com/articles/DA3S11526885.html 非正社員、48万人増 2千万人超 目立つ女性・高齢者(2014/12/27朝日新聞) 総務省の労働力調査で、アルバイトやパート、派遣社員などの非正社員の数が、初めて2千万人を超えた。子育てを終えた女性や退職後に再び働く高齢者が、非正社員の仕事に就くことが多いためだ。・・・ 総務省が26日発表した11月の労働力調査によると、非正社員の数は1年前よりも48万人増え、2012万人。さかのぼれる1984年以降で初めて2千万人を超えた。一方、正社員数は29万人減った結果、役員をのぞく雇用者5294万人に占める非正社員の割合は、前月を0・5ポイント上回り、38%に達した。 戦火の中でも学ぶ喜び 中央アフリカ(2014/12/27朝日新聞) 内戦が続く中央アフリカでは、推定約1万人の子どもが武装勢力の戦闘員などとして使われ、約250万人の子どもが戦闘の恐怖にさらされている。国連児童基金(ユニセフ)のモハメド・フォール中央アフリカ代表が朝日新聞の取材に明らかにした。ユニセフがこの1年間、武装勢力との交渉の末に解放した子どもは19日現在で2143人。うち約4分の1は女子で、使用人とされたり戦闘員の妻にさせられたりしていたという。・・・ 国際社会の支援もなかなか届かないが、首都バンギ郊外の村ではようやくテント式の教室が設けられ、児童156人が勉強を始めた。ピアマ・ベルグ校長は「戦闘で家族を亡くした児童は多く、心のケアが問題だが、今は多くの子どもが学校に通える喜びをかみしめている」と話した。 (ザ・コラム)原発優先 新手の空押さえを見過ごすな 上田俊英(2014/12/27朝日新聞) これは、新手の「空押さえ」だろう。再生可能エネルギーの受け入れ可能量などを検証する経済産業省の作業部会。16日の議論を聞いて、そう思った。北海道、東北、北陸、中国、四国、九州、沖縄の7電力はこの日、受け入れ可能量を発表した。太陽光発電は、中国電力を除く6社が国の固定価格買い取り制度(FIT)で認定ずみの量を下回った。その中身をよく読むと、いろいろな「仕掛け」が見えてくる。受け入れ可能量は電力需要を原子力、火力、水力、揚水など「古手」の発電所と、太陽光、風力といった比較的「新顔」の再生可能エネルギーに割り振って算出する。古手への割り振りが増えれば、その分、新顔の受け入れ可能量が減る。仕掛けの一例は大間原発だ。電源開発が青森県大間町に建設中のこの原発は東日本大震災で工事が止まったが、一昨年10月に再開。くしくも作業部会の日、同社は原子力規制委員会に新規制基準に基づく審査を申請し、本格建設へ向けて動き始めた。・・・ それでも国や電力会社は原発の枠を決めてから再生可能エネルギーの受け入れ可能量を算定する。原発の枠を確保することこそが、なにより重要なのだろう。福島県は先月、空押さえの解消などを求めた緊急提言をまとめ、国や東北電力などに早急な対応を求めた。しかし、改善に向かう気配はない。「空押さえはルールを決め、電力会社がきちんと対応さえすれば解消できる。しかし電力会社は実態を教えない。だから再生可能エネルギー事業を始めるには、連日、電力会社の窓口に行き、申込書を出し続けるしかない」。福島県の佐々木秀三・エネルギー課長は現状をこう説明する。空押さえは、再生可能エネルギーの導入拡大を阻む盾になっている。原発を優先させる手管を、見過ごしてはならない。 東京・上野で「芸大メサイア」(2014/12/27朝日新聞) 「芸大メサイア」の愛称で親しまれる「メサイア・チャリティーコンサート」(朝日新聞厚生文化事業団、朝日新聞社主催、東京芸術大学協力、JR東日本特別協賛)が26日夜、東京・上野の東京文化会館大ホールで開かれた。作曲者ヘンデルが社会福祉目的以外での演奏を認めなかった曲とされ、収益は社会福祉事業に充てられる。1951年以来、今年で64回目。高関健さんの指揮で、東京芸大音楽学部教員と学生ら約200人が「メサイア」全曲を演奏。約2300人が聴き入った。 社説:介護報酬改定 地域福祉をつぶすな(毎日新聞 2014年12月26日) 原子力政策 曖昧な議論で進めるな(2014/12/26京都新聞) http://www.kyoto-np.co.jp/info/syasetsu/ 維新の党 政権の補完勢力いらぬ(2014/12/26京都新聞) 自民、小選挙区制で単色になっちゃった 不破哲三・共産党元議長に聞く(2014/12/26朝日新聞) ――長きにわたって自民党と対決してきた共産党の幹部の目に、いまの自民党はどのように映りますか。 「自民党は以前は保守総連合という性格があった。例えば佐藤内閣(1964〜72年)の時代、次の内閣を背負う『三角大福中』(三木武夫、田中角栄、大平正芳、福田赳夫、中曽根康弘の各氏)という5人の親分衆がいて、それぞれ個性を持っていた」「小選挙区制になって、いわばモノカラー(単一色)になっちゃった。それを率いるのが、安倍晋三さんでしょ。彼の戦争観は、米国や欧州では歴史修正主義として定着している。自民党はそのカラーで統一された。僕は『乗っ取られた』と言うけど、今まで保守総連合でいた野中広務(元官房長官)さんや古賀誠(元幹事長)さんは『今の自民党は何だ』となる」・・・ 「小選挙区制は非常に人工的な制度なのね。どこの国の選挙制度にも歴史があって、米国は二大政党制の典型だけれども、奴隷解放戦争で奴隷制の『廃止派』と『維持派』から二大政党になっていった。日本は上から選挙制度を変え、(政党助成金という)金の分配で新しい政党を作った。それが二大政党なんて絵に描いた餅でね。野党にとっても自民党にとっても害悪だった」・・・「安倍政権の間違った政治に正面から反対し、対案を出すのは共産党だけ。共産党は一致できる政策では共闘しようと言っている。沖縄では基地反対の共闘が始まった時、まさか選挙でも共闘するとは誰も考えなかった。しかし、衆院選で1区は共産、2区は社民、3区は生活、4区は元自民党。ちゃんと団結して全員当選を勝ち取ったでしょ。他党を無視するのではなく、共同の努力も進めている」 http://digital.asahi.com/articles/DA3S11525195.html ダイエー、きょう上場廃止 消えゆく看板、残る遺伝子(2014/12/26朝日新聞) http://digital.asahi.com/articles/DA3S11525205.html 東南アジア、賃上げ続々 企業戦略、見直し迫られる(2014/12/26朝日新聞) (社説)関電再値上げ いつまで原発頼みか(2014/12/26朝日新聞) (寄稿)日本の歴史と衆院選 作家・冲方丁(2014/12/26朝日新聞) 古来、政治の命題は数多く存在するが、中でも重要な問いが二つある。 一つは、「人は意思を統一できるのか?」というものだ。またもう一つは、「人は富を分配できるのか?」というものだ。これらの問いに答えるべく、様々な国、様々な時代で、思考と実践が重ねられてきた。その中で特定の思想が受け継がれた結果、誰が作ったともいえない、その国独特の空気が形成される。人々の生活に影響を与えるのは、過去の思想そのものではない。思想によって形成された空気であり、それがときに政治的命題さえ左右するのである。・・・だが日本人は、「天下」という言葉に、万国・万人というニュアンスを感じるように、多少の文化的差異があれども、それらを超越する共通の何かが存在するとしてきた。それが日本人独特の融和や緩衝のあり方を形成してきたのである。 では、その意思統一の具体的な方法は何であったか。多くの国々と同じように、もっぱら支配者層による、「黙れ」という命令であった。そして日本の特徴は、民衆が率先して、その命令を自発的行為として受け入れてきたということだ。地域全体はもちろん、企業内でも家庭内でも、黙々たる忍従を、美徳としてきたのである。ではこの命令を誰が発してきたか? 日本の歴史を俯瞰(ふかん)したとき、はっきりわかるのは、日本は応仁の乱以降のほとんどの時代で、軍事政権しか経験していないということだ。軍事政権というと、ぴんと来ない方もおられるだろうか。つまりは戦闘を担う武家層による政治である。その伝統は現代にも連綿と続き、政治形態のみならず様々な面で軍事的な発想が見られる。たとえば子供に着せる学生服からしてもとは軍服である。号令による一斉行動を幼少から叩(たた)き込む。論を戦わせていては一斉行動に支障が出ると考える。 日本人はそうした沈黙と忍従を、最も効率的な意思統一の方法であるとし、純朴に守ってきた。それが現代の妄信的ムード主義とでもいうべき生き方の根本であろう。「空気を読む」「以心伝心」「あうんの呼吸」など、無言のうちに意図を察し、異論を挟まないことは今でも良いこととされる。それはもはや思想として語られるものではない。無意識のうちに刷り込まれた、この国に住まう人々に特有の生活態度である。・・・ では、なぜそうした意思統一の方法が成り立ったのか? 黙従の美徳の大前提は、人間が自由に住み処(か)を変えないということである。いわゆる「一所懸命」だ。一つの場所に命を懸けねばならず、流浪は哀れなことであり、生涯の居場所がないことを嘆かわしく思う。個人の都合で移住しようとする人々は、下手をすれば懲罰の対象になるか、社会保障を受けられなくなるのが、この国の長年の常識だった。 だが現代に至り、その長い歴史に反する事態が起こった。人々の激しい流出入である。 現代では条件が整いさえすれば住む場所や勤め先どころか、国籍さえ自由に変えられる。それが、この国の伝統的な意思統一のあり方を困難にしてしまった最大の要因だ。のみならず、第二の命題である「富の分配」を根本から成り立たなくさせているのである。日本は「富の分配」についても「できる」と答える国だ。社会維持のため、富の集中を緩和し、全体に行き届かせることが社会維持に有効だとしてきた。そのためには逆説的に、富を生み出すための中心地ないし中心人物が必要となる。富裕層がいてくれなければ、そもそも分配すべき富は生まれない。貧者救済のため、ときに富裕層を優遇し、地域に雇用を生み出すよう仕向ける。そうすることで社会維持をはかる。 そうした富の分配を支えてきたのが、これまた黙従と一所懸命の態度である。富の中心を設けてのちは、それが政府と対立する勢力とはならず、移動もしないものとして考える。あるいは黙従して不動のものほど政治的に優遇する。だが国際化が進むことで、そうした大前提が崩れてしまった。今回の選挙でまったくといっていいほど話題にならなかったのが、富の移動だ。たとえば、富裕層が続々と日本から出て行き、資産を外国に預けてしまう傾向にどう歯止めをかけるのか? また、外国の労働者をいかにして受け入れていくか? これら二点がまったく議論されないのである。 富が出ていき、労働力が確保できないというのは、地方が過疎化する大きな要因だ。それが今、国全体で起ころうとしているのである。だが取りざたされるのは、景気、課税、生活保障に関することばかりだ。「日本の過疎化」などあり得ないとしてしまっている。 それはなぜか? 日本の意思統一と富の分配は、先に述べたように住民の大半が不動であることを前提にしている。そしてさらにその前提にあるのが「海外」という発想だ。海の外は自分たちと関係がない、現実感が持ちにくい、という長年の心のありようだ。 そもそも外国を「海の外」と呼ぶのは、地政学的にごく限られた国だけである。中でも日本はきわめて特異な位置にある。大陸の最果てにあり、東は太平洋が広がるばかりで移動はほぼ不可能だった。つまり歯止めをかけずとも富が移動しなかったのである。それどころか、勝手に富がやってくるのが当たり前だった。最先端の文化や経済が、大陸の端にある日本へ流れ込み続けてきたのである。海の向こうから漂着したものを享受し、加工することに長(た)けてきたが、輸出入という発想を獲得できたのは、限られた人々だけだった。輸出入の大前提となる外国との融和においても、日本人的な感性で対処すればよく、強固な政治的原則や法の制定が必要となる事態など、あまりなかった。・・・だが今やそうした大前提はことごとく崩れ去った。テクノロジーが、人、資源、情報、富、労働力を目まぐるしく移動させることを可能にしたからである。どの国も、より複雑な外交問題、より異なる文化との接触、より莫大(ばくだい)な富の集中に直面するようになった。様々な国が、そうした新たな社会問題に取り組み、新時代に適応する道を模索している。・・・さらにまた、この問題を議論しにくくしている要因がある。安倍政権および自民党が復権的であるということだ。いったん権力の座から追い落とされた人々が、復権する過程で味方につけるのが、社会に不満を抱きながら、その社会と自分とを一体化せざるを得ない人々である。そうした人々の特徴は、経済力など様々な事情によって自由に移動できず、容易に職業を変えられないということにある。 地域社会と自分を一体化させ、そのことで苦しみ、またそのことを誇りとする。団結を是とし、異論を嫌い、黙従を美徳として称(たた)える。言うまでもなくナショナリズムとの親和性も高い。だがあくまで一地域の盛衰や文化維持を問題とする人々であって、政府が持つべき大局観と相反する場合が多い。一地域の問題が大前提なのだから、世界情勢など二の次となる。しかし復権者による政府は様々な局面で、こうした人々を重要な支持層として政策を推進せざるを得ない。結果、政府が大局観と相反するものを抱え、むしろ政府が民衆から黙従を強いられるような、官・民の態度逆転、自縄自縛、あるいは衝突が起こる。 http://digital.asahi.com/articles/DA3S11525148.html 動物ファンが集うカフェ 天王寺動物園と市民の懸け橋(2014/12/25朝日新聞) 難民申請急増、遅れる審査 今年、初めて4千人超す(2014/12/25朝日新聞) |
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