記憶のために/LIST 日々のニュースは数えきれないほどあります。その1つ1つが今の社会の要素であり現実です。ここに拾い上げたニュースはごくごく一部でしかありませんが、忘れてはいけない出来事も多くあります。未来のその時を考えるための「記憶のために」少しでも記録したいと思います。 |
北朝鮮、サイバー攻撃で共同調査を提案 米は中国に協力依(2014/12/21CNN) オバマ氏、北朝鮮に警告「対抗措置とる」 サイバー被害(2014/12/21朝日新聞) (日曜に想う)いつまでも帰りたい国であって 特別編集委員・冨永格(2014/12/21朝日新聞) 低投票率には、構造的な理由が二つあるように思う。まずプレーヤー、政党と政治家だ。政策や路線でまとまっていないから、下野でタガが外れると離合集散の繰り返し。愛想も尽きる。僭越(せんえつ)ながら公明、共産以外も主張ごとに固まってほしいし、環境政党があってもいい。野党は1年半後の参院選までに整理整頓しないと勝ち目がない。自民のリベラル勢が主張の近い野党に合流すれば、なおすっきりする。投票の足が鈍る原因はルール、選挙制度にもある。政界を二大政党に再編すべく導入された小選挙区制だが、死票の山の上で第1党が太るだけでは投票のかいがない。今回の自民は議席の61%を占めた。安倍晋三首相は「国民の意思だ」と胸を張るけれど、全有権者に対する絶対得票率は小選挙区で24%、比例区では17%ほどだ。 (社説)核の非人道性 被爆者の訴えを外交に(2014/12/21朝日新聞) (声)すべてを白紙委任していない(2014/12/21朝日新聞)無職 柏谷義信(北海道 72) 衆院選は自民・公明の大勝で終わった。低投票率であっても、民主的な選挙で3分の2を超える議席を両党が得たのは事実だ。国政を任さざるを得ない。ただ、言っておきたいことがある。国民はすべてを白紙委任したわけではない。自民は「アベノミクスの成果」をうたって「株価が上がった」「雇用が増えた」などと主張した。公明は「消費税を10%に上げる際、軽減税率を実施する」と強調した。経済中心に語る両党の姿勢に、私は危惧を抱いた。自民の公約集にある「憲法改正」「集団的自衛権を含む安全保障法制の整備」「原発再稼働」や公明の公約集にある「加憲」こそが、重要な争点と考えていたからだ。選挙後、安倍晋三首相は「政権公約でお示しした我々が政権をとった以上、その中身について進めていく責任がある」と述べた。当然の主張かもしれないが、私には「そうではないだろう」という思いがある。私の一票は結果的に死票となったが、子どもや孫の将来に関わる重要な問題ではものを言い、行動もするつもりだ。泣き寝入りはしないと心に誓っている。 (声)やはり心配でならない徴兵制(2014/12/21朝日新聞)主婦 山田一子(神奈川県 49) 衆院選の結果が出た。特定秘密保護法や集団的自衛権の行使容認の問題があっても、景気や雇用を重視する国民がアベノミクスに期待したいということなのかと感じた。安倍政権が続くにあたり、3人の子をもつ私が最も心配なのは徴兵制の導入だ。中東での自衛隊による停戦前の機雷除去が、集団的自衛権の行使容認で可能になるのかどうか。安倍晋三首相は「あてはまる可能性はあると思う」と述べている。こんな危険な任務を、自衛官とその家族は想定しているのだろうか。自衛官の応募者数は、将来、減るかもしれない。激減したら、政府は徴兵制の導入を言い出さないだろうか。徴兵制については、憲法第18条「意に反する苦役に服させられない」という条文との関係から、安倍首相は国会答弁で導入を否定した。だが、自民党の石破茂氏はかつて、苦役ではないとの考えを示している。何十年も積み重ねた平和憲法の根幹にかかわる解釈でさえ、ある日突然に変更する政権だから心配でたまらない。 http://digital.asahi.com/articles/DA3S11518350.html?ref=pcviewpage (書評)『最貧困女子』 鈴木大介〈著〉(2014/12/21朝日新聞) 今年は報道番組や評論などで女性の貧困問題が注目を浴びた。「プア充」と呼ばれる、低収入でも楽しく暮らす若者も耳目を引いている。だが本書は、これら貧困論からも零(こぼ)れ落ちる最下層の女性たちの生活実態に迫る力作である。風俗業の面接も容姿で落とされ、フリーの売春で二児を養うシングルマザー。知的障害を抱えながら路上売春で食べている女性、実母に売春を勧められた経験をもち17歳で子どもを産んだ風俗嬢……。皮肉にも、身体を売ることができるという事実が、彼女たちの貧困を不可視化している。彼女たちは、低所得に加え「家族の無縁・地域の無縁・制度の無縁」、さらに「精神障害・発達障害・知的障害」により、貧困層からも排斥される。自己責任論が前提とする「自己」がすでに壊されている、との言葉はあまりにも重い。それゆえ、就業でも恋愛でもつまずきやすい。実態にあわせ、福祉制度の網の目を、細かく柔軟に再編すべきだ。一刻も早く。 水無田気流(詩人・社会学者) |
週のはじめに考える 発明は困難との対話から(2014/12/21東京新聞) 18歳から選挙権 民主主義の作法学ぼう(2014/12/21京都新聞) 社説:集団的自衛権 議論深める工夫ほしい(毎日新聞 2014年12月21日) 時代の風:父親不在の日本社会=京都大学長・山極寿一(毎日新聞 2014年12月21日 東京朝刊) しかし、昨今の日本社会を見ると、父親が実際に余分なものになりつつあるようだ。イクメン、イクジイという言葉がはやるように、育児をする男は増えた。だが、家族同士の付き合いは薄れ、地域で共同の子育てをすることが減った。母親と子供だけに認知されたゴリラのような父親が増えているのではないだろうか。経済的に自立できず、結婚できない男性や、結婚せずに、一人で子供を産んで育てる女性が増えていると聞く。これでは、せっかく人間が作り上げた虚構性、すなわち誰もが親になれる社会の許容力と柔軟性が崩れてしまう。人間がゴリラと違うのは、自分が属する集団に強いアイデンティティーを持ち続け、その集団のために尽くしたいと思う心である。これは子供時代に、すべてをなげうって育ててくれた親や隣人たちの温かい記憶によって支えられている。そして、人間が他者に示す高い共感能力も、家族を超えた子供との触れ合いによって鍛えられる。そのアイデンティティーと共感力が失われたとき、人間は自分と近親者の利益しか考えない極めて利己的な社会を作り始めるだろう。父親を失いつつある日本社会は、その道をひた走ってはいないだろうか。=毎週日曜日に掲載 楽帳:「この道」のゆくえ(毎日新聞 2014年12月20日 大阪夕刊) 神戸市兵庫区の妙法華院で、8日の太平洋戦争開戦日に合わせて「兵庫の『語りつごう戦争』展」が開かれていた。市民が提供した召集令状や戦死通知といった展示物を見ていると、国家への献身を強いられた時代の怖さが伝わってきた。特に印象に残ったのは、教育勅語だ。「父母ニ孝ニ 兄弟ニ友ニ 夫婦相和シ」と説き始め、「一旦緩急アレハ義勇公ニ奉シ以テ天壤無窮ノ皇運ヲ扶翼スヘシ」と道を示している。これが敗戦までの道徳教育の中心をなすものだった。この寺の住職だった新間智照さんを取材したことがある。旧神戸一中3年の時に海軍航空隊に志願した元軍国少年は「国にだまされた」と教育の恐ろしさを語ってくれた。来年は戦後70年。新間さんはじめ多くの戦争経験者が世を去った。「この道しかない」と訴えて選挙に勝った安倍首相は道徳教育の強化に力を注ぎ、憲法改正に意欲を見せる。その自民党憲法改正草案は、憲法の性格が、権力を縛るものから国民を縛るものに変質していると学者らから批判されている。「この道」が「いつか来た道」とならぬよう、注視し続けたい。【湯谷茂樹】 重油3000リットル川がに流出 滋賀・東近江「漁できず」(2014/12/20京都新聞) STAP問題 論文の経緯、徹底解明を(2014/12/20京都新聞) 不可解なのは、自ら作れないSTAP細胞がなぜ論文になり、権威ある英科学誌ネイチャーに掲載されたのかという点だ。論文に使われた図表や写真、細胞やキメラマウスの正体は何だったのか。一流の研究者が関与しながら、不正がなぜ見逃されたのかなど疑問は尽きない。論文については、遺伝情報の解析などから、万能細胞であるES細胞(胚性幹細胞)の混入疑惑なども指摘されている。理研は外部有識者による調査委員会で実験試料などを調べているが、論文作成過程を詳細に調査して明らかにするとともに、不正再発防止への教訓をくみとらなければならない。 独エネルギー革命でエーオン、原子力・火力発電「撤退」(2014/12/19ドイツニュースダイジェスト) 人々を驚かせたのは、今回発表された機構改革が極めて大規模で、エーオンという巨大企業を根本から塗り替えることだ。同社は基本的に2つに分割される。エーオンの社員数は現在6万人。そのうち4万人は本社に残って、再生可能エネルギー、新時代の送電網ビジネスである通称「スマートグリッド」、そして分散型の発電に関する顧客サービスを担当する。 残りの2万人は新会社に移り、原子力発電と褐炭・石炭、天然ガスによる火力発電、水力発電事業を担当する。新会社の株式の大半は、現在のエーオンの株主が所有するが、一部は株式市場で販売する。大企業が不採算部門を切り離すときなどに使う「スピン・オフ」という手法だ。つまりエーオン本社は、伝統的な発電事業から事実上「撤退」し、21世紀の新しいビジネスへ向けて新たな航海に出るわけだ。・・・エーオンは、2011年にメルケル政権によって2基の原子炉(イザー1号機とウンターヴェーザー)を停止させられたことや、核燃料税の負担のために創業以来初の赤字に転落。さらに同社に致命的な打撃を与えたのが、再生可能エネルギーによるエコ電力の急増だ。再生可能エネルギーの本格的な助成は、2000年にシュレーダー政権が開始。2003年には再生可能エネルギーの発電比率(水力も含む)は7.5%だったが、2013年には3.2倍に増えて24%になった。 ・・・ヨハネス・タイセン社長は、12月2日の記者会見で「現在の企業構造では、急激に変化する市場に対応できない。これまで通りのやり方を続けていくわけにはいかない」と断言した。同時に、「再生可能エネルギーのうち、風力や太陽光はまだ初期段階にあるが、火力発電などの伝統的な発電事業に比べて、今後急速に伸びると確信している」と述べ、同社の未来は新エネルギーにあるという見方を明らかにした。 http://www.newsdigest.de/newsde/column/dokudan.html 京町家:四条通、築104年がピンチ 維持費難、解体も(毎日新聞 2014年12月20日) 小泉さんは市中心部での移築を望んでいるが、移築には再建費用など約1億3000万円が必要とされ、支援者を探している。集まらなければ、来年3月末までに取り壊され、更地にして売却される。小泉さんは「一度壊したら元には戻せない。解体以外の道も探したい」と話す。問い合わせは小泉さん(090・4300・0228)。【花澤茂人】 危機の真相:「くだりと のぼりと さかのぼり」 トリクルはいずこに?=浜矩子 中村さんは、経済協力開発機構(OECD)が発表した「所得格差と経済成長」に関する報告書に着目している。この報告書の中で、弱者救済のための財源を金持ち増税に求めている点を高く評価されて中村さんいわく、「確かに成長の果実はいずれ金持ち層にも及び、持ち出す一方ではない。課税強化も成長の妨げにはならないのだ。貧しい層への配慮が富裕層にも見返りとなってもたらされる『逆トリクルダウン』効果である」。 全くご指摘の通りだ。実によく分かる。異論はない。だが、この同じ感覚を筆者は逆の観点から抱いていた。エコノミストにあるまじき寡聞にして、筆者は上記のOECD報告を見逃していた。これから読む。筆者が「トリクルアップの経済学」を思いついたのは、貧乏人をないがしろにしていると、やがてそのツケが金持ちにも回っていくぞ、という感覚からだった。・・・ここで、またまた、聖書の一節が頭に浮かぶ。ある金持ちと貧乏人の物語(ルカによる福音書16・19〜31)だ。貧乏人の名はラザロ。金持ちの門前で野たれ死にする。そして彼は天国へ。金持ちは、地上でぜいたくざんまいの暮らしを謳歌(おうか)する。そして彼は地獄行き。 貧乏人のラザロは、天国でユダヤ人の始祖、アブラハムの懐に抱かれている。至福の時だ。その姿を、地獄からみた金持ちが叫ぶ。「父アブラハムよ、どうか、ラザロをつかわして、その指先を水に浸し、私の舌を冷やさせてください。私は炎の中でもだえ苦しんでおります」。だが、時既に遅し。彼我の間には越え難きふちがある。 このシンプルな例え話の中に、何がどうトリクルするかしないかについて、実に多くのことが語られている。まず、トリクルダウンはまやかしだということが分かる。金持ちは、いくらより金持ちになっても、門前の哀れなラザロに見向きもしない。体中、でき物だらけになって死んでゆく彼を見殺しにする。 メディア時評:自公「圧勝」でも自民は「微減」=十文字学園女子大准教授(メディア文化論)・田中東子(毎日新聞 2014年12月20日 東京朝刊) 12月14日に行われた第47回衆院選を受け、翌日の全国紙は紙面の多くを結果の報道と分析にあてた。特に、1面トップの見出しは、ネットでも話題になり、15日にテレビ朝日「ここがポイント!! 池上彰解説塾」でも取り上げられていた。 見出しに「圧勝」と入れていたのが産経と読売。朝日は「大勝」、日経は「勝利」だった。ただし見出しの主語にあたる部分には、「自民」ではなく「自公」と入っている。そのカラクリを指摘する見出しをつけていたのが、毎日の「自民微減」(最終版は「自民横ばい」)。圧勝しているように見えるが、実際には自民単独では議席が増えていないことをちくりと指摘している。最も「公平中立」な見出しをつけたのは東京「自公3分の2維持」だろう。淡々と事実のみを掲げ、解釈は読者にゆだねた。・・・また、低い投票率、棄権票の多さ、無党派層の投票先の分散などのデータ分析から、今回の与党「圧勝」を小選挙区制度という制度上の勝利に過ぎず有権者は冷めていた、とする論調が産経以外の各紙では多少なりとも共有されていた。朝日と日経は、「熱狂なき圧勝」と的確にこの空気を述べた小泉進次郎氏の発言を紹介した。とはいえ、この冷ややかさの正体−−長く問題視されている「政治不信」「低投票率」の分析は少々ありきたりで、もっと有権者の本音に迫るものを読みたかったように思う。(東京本社発行紙面を基に論評) (ひと)笑福亭鶴笑さん 世界の紛争地に笑いを届ける落語家(2014/12/20朝日新聞) 次世代、保守票取り込めず 衆院選、ネット右派頼みに限界 公認48人、当選2人(2014/12/20朝日新聞) http://digital.asahi.com/articles/DA3S11516335.html EU、46兆円投資計画で合意(2014/12/20朝日新聞) (声)言葉の暴力、許さぬ社会に(2014/12/20朝日新聞)無職 三浦直丈(岐阜県 59) 「在日特権を許さない市民の会」(在特会)の会員らによるヘイトスピーチ(差別的憎悪表現)は人種差別であると最高裁で確定した。在特会は「表現の自由にあたる」として争っていたが、最高裁はそれを認めなかった。この決定が、在日コリアンの人たちに平穏な生活を取り戻してもらうことにつながればと願う。平和に日本で暮らす外国人に対して、なぜ言葉の暴力を浴びせかけなければいけないのか。ヘイトスピーチは、身体的に弱い人や発言力が弱い人に、不満をぶつけて留飲を下げる、いじめと同じ構図だと思う。不平や不満があるのなら、話し合いで解決の道を探ればいい。人が人を差別し侮蔑することに何の意味があるのか。在日コリアンの人たちは、3世や4世ら世代を超えて日本で暮らしている。日本を支える大切な仲間と言える。日本が人種差別撤廃条約を順守する国であることを、国際社会に発信できるような取り組みを続けていかなければいけない。そのためにも、ヘイトスピーチを規制する立法など、政治が積極的にマイノリティー差別に取り組む姿勢を見せるべきではないのか。 (社説)ルーブル急落 強硬策が経済を壊す(2014/12/20朝日新聞) 北星学園大問題 暴力に屈せぬは当然だ(2014/12/19東京新聞) 社説:米・キューバ接近 意義深い発想の転換だ(毎日新聞 2014年12月19日) http://mainichi.jp/opinion/news/20141219k0000m070131000c.html 原因は手順書誤り 福島第一の汚染水漏れ(2014/12/19朝日新聞) http://digital.asahi.com/articles/DA3S11514447.html (社説)高浜原発 集中立地を直視せよ(2014/12/19朝日新聞) http://digital.asahi.com/articles/DA3S11514412.html (声)「戦争花嫁」の蔑視された痛み(2014/12/19朝日新聞)無職 コリンズ咲子(東京都 73) 米国の小さな町に住んでいた15年前、米軍人と結婚して渡米した「戦争花嫁」といわれる日本人女性と友達になった。夫を早く亡くしたが3人の子どもを育て上げ、申し分のない生活にみえた彼女には、心に大きな傷があった。彼女が住み始めた65年前の米国では、日本人に「ジャップ」という蔑称が普通に投げつけられていた。夫の両親にも受け入れてもらえず、頼りの夫も40代の若さで亡くなった。人からさげすまれるたびにどんなに心細く、悲しく、絶望的になったことだろう。その町では、自分以外のただ一人の日本人だった私に、何度もその頃の話をして泣いた。子どもたちも、小学校に行った初日に必ず「ジャップの子」と言われ、泣きながら帰って来たという。日本で「ヘイトスピーチ」をしている人たちに言いたい。在日コリアンの人たちを貶(おとし)めるおぞましい言葉や恐ろしい言葉が、逆の立場で自分や家族に投げつけられたらどんな気がしますか。どんな国にも人種などで差別をする人はいる。それに泣く人も。日本政府は、国連人権委員会のヘイトスピーチ禁止勧告を受け止め、毅然(きぜん)と対処して欲しい。 http://digital.asahi.com/articles/DA3S11514417.html (声)なぜ選挙に行かないのですか(2014/12/19朝日新聞)中学生 山下凜太朗(埼玉県 14) 衆院選の前回投票率の低さにも驚かされたが、今回の投票率のあまりの低さを知り、有権者に対して失望に近いものを覚えた。香港で学生たちが民主的な選挙を求めて必死になっている姿が、日本の大人たちの目には入らないのだろうか。選挙に行けるのは当たり前で、特に大切なことではないのだろうか。選挙の日に「どうしても」という特別な用事が突然できてしまったのならまだしも、特段の理由もなしに棄権するというのが、僕にはどうしても理解できない。この目も当てられない惨状から脱出するには、小中学校のころから、しっかりとした選挙に関する教育を行うべきではないのか。「小学生には理解できない」などと言っている場合ではないはずだ。僕自身も、小学校時代にまともな選挙教育を受けた記憶はない。小学校低学年からの英語教育の是非が話題になっているが、それよりも若い人たちの選挙に対する関心の異常な薄さに、大人たちは危機感を抱かないのだろうか。改めて日本の有権者に、とても強く問いたい。「なぜ選挙に行かないのですか」と。 <衆院選を終えて>「カネ優先」見直す時 思想家・内田 樹氏(2014/12/18東京新聞) ならば結論は簡単で、国を株式会社みたいに管理運営すればカネがもうかるようになりますよ−となる。国を株式会社化するのに民主主義は邪魔です。独断で早く決めて、早く結果が出るのが好ましい。株式会社のサラリーマンのそんなマインドが国民に共有されてきている。それがトップダウン好きの安倍さんとマッチして急速に強権的な政治が定着してきています。いわばワンマン社長のような安倍さんですが、その政権は戦後最も危険だと思います。自民党の改憲草案では、首相が緊急事態を宣言すれば、憲法を停止する形で事実上の独裁が可能になる。集団的自衛権も米国が要請すればですが、中東で米軍の戦闘行為の下請けのようなことをやる。人を殺したり殺されたりして、結果的に国内外でテロの標的になって民間人が殺傷されるということは起こりえます。日本の戦後七十年の民主主義の政体を根本から変える問題です。安倍さんはそれを語らず争点隠しをした。逆から言えば、何をしようとしているか分かった段階で国民の支持が失われるのを彼らは知っている。最後までウソをつき、だましながら、ひそかに実現できるのか。 安倍政権が抱える最大のジレンマです。私たちにできるのは、カネ以外のことを考えてみることです。カネもうけを考えると、原発を動かすとか、武器輸出しようとか、戦争やろうとか、カジノ呼ぼうという話になる。かつて皇軍無敵と言い続けたように経済成長を追い求めるプランもあるけれど、経済成長なしでも生きていけるプランBも用意しないと。日本国は倒産しましたのであとは勝手に生きてください、とはいきません。「grow(グロウ) or(オア) die(ダイ)(成長か死か)」じゃ駄目なんです。経済成長なき世界での「how(ハウ) to (トゥ) live(リブ)(どう生きるか)」を問うべきときではないでしょうか。(聞き手・辻渕智之) |
|バースデザイン|ビアンス|アンディムジーク|プロニティ|ヘキサグラム|アロット|ユニバーソーリド|メモランダム|ラナコル|ラブソング|グランブルーな人々へ|
|デザイン寺子屋|リンク・県別|リンク・世界の国|リンク・世界のインテリジェンス|リンク・ニュース|リンク・サイト|リンク・ヒューマニスト|
|サイトポリシー|サイトマップ|リンクについて|著作権|お問い合わせ|