月:内部温度は1300度超 地球の引力で変形し熱(毎日新聞 2014年07月29日)
月の中心部が地球の引力によって熱を持ち続けていると、中国地質大の原田雄司研究員(惑星科学)や国立天文台などの国際研究チームが、英科学誌ネイチャー・ジオサイエンス電子版で発表した。月は火山活動を終え、冷めて固まっていると考えられてきたが、内部の温度は1300〜1900度で「今も冷えきっていない生きた星」と分析している。
http://mainichi.jp/select/news/20140729k0000e040134000c.html
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集団的自衛権など若者の関心高めるには 佐久で学習会、高校生協力(2014/07/29信濃web)
集団的自衛権などについて、若者らの胸に響く伝え方を考える討論・学習会が28日、長野県佐久市の佐久教育会館で開かれた。佐久地方の市民団体や労働組合などでつくる「ピースアクション佐久」が主催し、約40人が参加。呼び掛けに応じて参加した東信地方の高校生10人が協力し、「集団的自衛権問題が友人や家族で話題になったか」といった会場からの質問に率直に答えた。
http://www.shinmai.co.jp/news/20140729/KT140728FTI090021000.php
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最多の120人抗議 キャンプ・シュワブ第1ゲート前(2014年7月28日 琉球新報)
米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に伴う浮標灯(ブイ)などの設置作業が間近に迫っていることを受け、名護市辺野古のキャンプ・シュワブの第一ゲート前では28日、これまでで最大規模の市民らが集結し、抗議行動が展開されている。同日午後12時現在、ゲート前での座り込みが始まった7月以降で、最多の約120人の市民が抗議に参加している。トラックの進入を阻止するため、初めて車道での座り込みも行っている。土砂などの資材を搬入するトラックは、約5分おきにゲートに進入している。車道に座り込む市民に対し、県警が1人に2、3人がかりで歩道へ引きずる場面もあった。
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-229209-storytopic-53.html
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原発の再稼働阻止を 原水禁世界大会、福島で始まる(2014/07/28福島民報)
核廃絶を訴える原水爆禁止世界大会が27日、福島市で始まった。全国から約1300人(主催者発表)が参加し、「原発の再稼働を阻止し、政府に脱原発への政策転換に向けてかじを切らせる。フクシマを核時代の終わりにする」とするアピールを採択した。原水爆禁止日本国民会議(原水禁)などで構成する世界大会実行委員会の主催。本県でのスタートは東京電力福島第一原発事故が起きた平成23年から4年連続となった。実行委員長の川野浩一原水禁議長はあいさつで、国内原発の再稼働を進める政府の方針について「福島で(原発事故により)古里に帰れない人の苦しみを思いやる気持ちがない」と批判。広島、長崎両県でも原爆の傷が癒えていないと訴え、「断固として脱原発、核兵器廃絶、平和憲法を守る運動を貫く」と述べた。
http://www.minpo.jp/news/detail/2014072817124
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火星のオポチュニティ、新記録樹立(National Geographic News July 29, 2014)
NASAの発表によると、NASAの火星探査車オポチュニティが7月27日、地球外での陸上走行距離の記録を41年振りに塗り変えた。オポチュニティはこの日も48メートルを走行して総移動距離が40.25キロとなり、ソ連の月探査車ルノホート2号が1973年に5カ月弱で月面を走行した39キロの記録を上回ったという。オポチュニティは2004年1月に火星のメリディアニ平原に着陸。当初90ソル(火星日=約24時間40分)の活動予定が延長に延長を重ね、3735ソル(約10年半)という時間をかけての記録達成となった。
http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=2014072902
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社説[辺野古衝突]知事の責任は免れない(2014/07/29沖縄タイムス)
米軍普天間飛行場を名護市辺野古沿岸部へ移設しようとする安倍政権の問答無用の姿勢がむき出しになっている。11月の知事選前に海上でのボーリング調査などの既成事実をつくるため、全国の海上保安本部から巡視船十数隻をかき集め、キャンプ・シュワブ沖合をはじめ、沖縄近海に展開している。海上でカヌーなどを使って反対行動をする市民らを排除するためだ。陸上ではキャンプ・シュワブのゲート前で資機材を運び込む大型トラックを阻止しようと体を張って座り込む市民と、警察官との衝突が続いている。いつ不測の事態が起きてもおかしくない。安倍政権が移設を「負担軽減」というのはまやかしである。新基地には米海兵隊の強襲揚陸艦が接岸できる軍港機能が備えられ、最新鋭のステルス戦闘機F35の運用を想定。中部訓練場上空の訓練空域を拡大する考えだ。シュワブの陸上にも多数の軍関連施設を建設する計画であることが明らかになっている。
http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=78156
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川内再稼働「反対」59% 内閣支持率最低42% 朝日新聞社世論調査(2014/07/29朝日新聞)
朝日新聞社が26、27日に実施した全国世論調査(電話)で、九州電力川内(せんだい)原発(鹿児島県)の運転再開について尋ねたところ、「賛成」は23%で、「反対」の59%が大きく上回った。安倍内閣の支持率は42%で、第2次安倍内閣発足以来、最低。不支持率は36%で、最高を更新した。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11270860.html
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(プロメテウスの罠)函館の訴え:2 砂に記し、私は叫ぶ(2014/07/29朝日新聞)
北海道函館市で食料品店を営む竹田(たけだ)とし子(65)は毎日、自宅から店に向かうため、海岸沿いを東西にのびる国道を車で走る。途中、小公園わきの駐車場に車を置くと、石段を下って砂浜に出る。津軽海峡が広がる。晴れて空気が澄んだ日なら対岸の青森・大間町が見える。大間原発の建設地に立つ白っぽい建物が分かることもある。竹田は棒きれを拾って砂浜に大きく字を書き込んでいく。
「大間原発大まちがい」
書き終えると、大きく息を吸い、今度は対岸に向かって叫ぶ。
「大間原発大まちがい」
右、後ろ、左。向きを変えて1回ずつ、計4回叫び、それから再び車に乗って店に向かう。
これを2007年2月から約3年半、日課として自分に課した。市が原発の建設差し止めを求めて国を訴えるという函館市の試みは、東日本大震災がきっかけだった。だが、北の大地には、そのずっと前から海峡の対岸の原発計画に異を唱える人たちがいた。竹田もそのひとりだ。旭川に生まれ、同志社大で学び、YWCAの活動に参加。結婚して函館で暮らすようになり、無農薬野菜の共同購入などに取り組んでいた。それが1986年のチェルノブイリ事故を機に原発問題を考えるようになる。「ちまちま農薬のことをやっていても、放射能が降ってきたらどうしようもない」
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11270862.html
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(原発利権を追う 「関電の裏面史」独白:2)三木さんは「足りない」と言った(2014/07/29朝日新聞)
盆暮れに現金を渡した総理大臣は、角さん、三木、福田、大平、鈴木、中曽根、竹さんまで。選挙のあるなしは関係なく、1回1千万円で年2回。・・・
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11270851.html
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(特派員メモ パオ村)山とともに生きる(2014/07/29朝日新聞)
なんでこんな山の中に住むんだろう――。泥でぬかるむ山道に足を取られながら、思わず独り言が出た。車を降りて歩くこと1時間。森が開け、竹とニッパヤシでできた家々が並ぶ集落が現れた。日本が支援するマラリア対策の取材で、ミャンマー中南部のバゴー山地にあるパオ村を訪ねた。少数民族カレンの約50世帯200人が住む。 「村は2年前に再興しました」。村のリーダー、ティームーさん(53)が説明してくれた。一帯はかつて共産党ゲリラの拠点だった。1970年代、国軍はゲリラとの「連携」を断とうと、山の住民をふもとに強制移住させた。ティームーさんは13歳だった。村人たちは移住後も政府の植林事業の労働者などとして山を生業(なりわい)にしてきた。「我々に平地の仕事はできない」とティームーさん。カレン語が母語で、公用語のビルマ語がうまく話せない人も多い。ゲリラ掃討後も山は国有地とされ、帰還できなかったが、3年前に軍事政権が終わると当局の姿勢が軟化した。いま、正式な再定住許可を申請中だ。生まれ故郷で暮らし続けたい、という夢の実現を願った。(ミャンマー=五十嵐誠)
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11270863.html
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(世界発2014)女性が率いる男子サッカー 仏2部リーグ監督就任(2014/07/29朝日新聞)
フランスの男子プロサッカーに、女性監督が誕生した。コリンヌ・ディアクルさん(39)。元フランス女子代表のキャプテンだ。男の世界にじわりと新しい風が吹き始めたが、先駆者としての重荷も背負う。仏中部クレルモン・フェランが本拠の「クレルモン」。W杯優勝経験があるフランスで、2部リーグの中堅だ。・・・会長は「能力と意欲があり、チャンスを待っている人を起用したい。国家や企業のトップにも女性がいるじゃないか」と語っていた。監督候補には男性からの応募が殺到したが、再び女性に声をかけ、選んだ。クラブのサッカー教室に通うクレモン・ルエダ君(11)は「テレビでは男の人しか見ないので、女性の監督はちょっと変な感じがする」と笑った。ファンからは「能力で評価したらいい」と声が上がる。選手の一人は「男でも女でも同じだ」と話した。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11270867.html?ref=pcviewpage
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(声)献金で原発やめられないのか(2014/07/29朝日新聞)主婦 山田一子(神奈川県 49)
「関電、歴代首相に年2000万円」(28日朝刊)を読んだ。関西電力で政界工作を長年担った元副社長が実名で、少なくとも1972年から18年間、歴代首相7人に「盆暮れに1千万円ずつ献金してきた」と証言したことは重い。「漢方薬のように時間をかけて効果が出ることを期待していた」という証言も、臨場感がある。政界が広くこの漢方薬を飲まされ続けてきたとすれば、安倍首相が九州電力会長らとの会食の席で、川内原発再稼働の要請を受けて「川内はなんとかしますよ」と応じたのも腑(ふ)に落ちる。これでは、原発をやめられるはずがない。不透明だと思うことは、ほかにもある。原子力規制委員会の委員に就任予定の田中知・東京大教授が原子力業界から報酬を受け取っていた件だ。民主党政権が規制委の中立性のために定めた「原発事業者から報酬を受けた人を除外する」との内容のガイドラインを安倍政権は無視した形で、説明も不十分なままだと感じる。福島事故を反省せず、教訓も忘れた関係者を懲らしめるには、私たちが信念の一票を投じるしかない。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11270835.html
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(インタビュー)遺伝子に振り回されるな ベルトラン・ジョルダンさん(2014/07/29朝日新聞)
ヒトの全遺伝情報(ゲノム)が解読され、身近になった遺伝子検査。発症しやすい病気を事前に予測するなどゲノム解析を医療に活用する動きが広がり、胎児の遺伝情報も出生前に手に入る時代になった。生命科学の技術の進歩に、私たちは追いついていけるのか。フランスの著名な分子生物学者で、遺伝子検査に頼りすぎることに警鐘を鳴らしているベルトラン・ジョルダンさんに聞いた。・・・
生命科学の到達点と限界を説明する役割が、科学者にもっと求められているのではないでしょうか。
「私が分子生物学の研究を始めた70年代、DNA解析はほとんど手作業で、連日連夜作業しても1年で読み取れるDNAの塩基配列は120個が限界でした。それが今は、32億個というヒトの全塩基配列を1日で読み取れます。解析装置を中心とした技術革新の速度がまったく驚異的だったからです」「しかしながら、その進歩によって分かったことは生体の恐ろしいほどの複雑さでした。細胞の中のDNAはあっという間に解析できても、一から細胞を作ることさえ、いまだにできていません。そして無数の要素がお互いに制御し合いながら生物のホメオスタシス(恒常性)が保たれている神秘に、私は心を打たれます。遺伝子検査や出生前診断に関する議論は、これから各国でもっと広がることは間違いない。その議論の土台として、科学者は自分たちが得た生命への畏敬(いけい)の念も社会に伝えねばならないと考えています」
Bertrand Jordan 分子生物学者 1939年生まれ。フランス国立科学研究センター名誉研究部長。邦訳著書に「自閉症遺伝子」「人種は存在しない」など。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11270822.html
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3・11後、映す芸術 「脱原発」の独で特集(2014/07/29朝日新聞)
福島第一原発の事故は、日本の現代芸術にどう影響したのか。脱原発を国策として推進するドイツで、3・11後に日本で生まれた作品を集めた芸術祭「ジャパン・シンドローム」が5月に開かれた。「検査してるんですかね」「私たち、気にしてたら生きていけないんで」。芸術祭の名称の由来となった高嶺格の展示では、放射能汚染を気にしながら福島産の農水産物を売買する芝居の映像が流された。来場した翻訳家デイビッド・セイゲイさん(60)は「日本の農家や一般人の不安がどの程度のものなのか、初めて分かった」。・・・ 会場となったベルリンの劇場「HAU」の芸術監督アネミー・ファンアカラは、「当時は私も衝撃を受けたのに、忘れつつあった」と今回企画した。10日間の来場者は3133人。ドイツでも「原発事故への関心は薄れている」と来場者は口をそろえた。(井上秀樹)
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11270819.html
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Listening:<東日本大震災>福島第1原発事故 震災扱う漫画、作者ら「自由な批判を」(2014/07/28毎日新聞)
・・・朝日新聞夕刊に「地球防衛家のヒトビト」を連載する、しりあがり寿さんは「美味しんぼ」に閣僚らから批判が出たことや、社会の反応が二分したことへの違和感を表明した。「本来(内容の真偽は)自由な表現、自由な批判を通じて淘汰(とうた)されればよい話ではないか。政治家まで動き出すのはどうかと思う。一方で議論で間違いを正すのではなく、立場の違う相手を罰しようとする意図も感じた。これが行き過ぎると多様な表現が生まれるチャンスの芽を摘む。気を使いながらものを描くのは、正直言って嫌だ」と語気を強めた。・・・
自身の体験をルポルタージュ的につづる漫画も注目されている。「いちえふ 福島第一原子力発電所労働記」(講談社)を描いた竜田一人さんは、震災後に福島第1原発(通称・いちえふ)の作業員として働いた。話の軸は、作業員の日常風景だ。福島県大熊町に住んでいて避難したベテラン作業員も登場する。「一作業員の視線」を貫き、「漫画でしか描けない形で時事的な問題を記録した」(しりあがりさん)と評価された。一方、宮城県石巻市出身で、東京教育大(現・筑波大)の大学院で原子核物理学を学んだ故・勝又進さんの短編集「深海魚」(青林工芸舎)は、事故をきっかけに過去の作品が注目されたケースだ。勝又さんは1980年代に同原発などを取材したという。「いちえふ」同様、作業員の日常を描くだけでなく、別の視点も持っている。勝又さんは生前のインタビューに「漫画を通して被ばくの怖さを描きたい」と語っていた。
http://mainichi.jp/journalism/listening/news/20140728org00m040002000c.html
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社説:第一次大戦100年 歴史の教訓に学びたい(毎日新聞 2014年07月28日)
100年前のきょう7月28日、第一次世界大戦が始まった。当時のオーストリア・ハンガリー帝国が隣国セルビアに宣戦布告したのがこの日だ。1週間後にはオーストリア、ドイツの同盟国側と、ロシア、フランス、英国の連合国側との間で全欧州を巻き込む大戦に発展した。英国の戦史家リデル・ハートは、大著「第一次世界大戦」の冒頭で「欧州を爆発寸前の状態にもってくるのには50年を要したが、いざ爆発させるには5日で十分だった」と書いている。・・・日本では遠い欧州の戦争という印象があるが、実は日本もドイツに宣戦布告し、ドイツの租借地だった膠州(こうしゅう)湾と青島を占領した。後の中国大陸侵略への一歩を踏み出した戦争だったことは銘記しておきたい。・・・2度の大戦という教訓を経てグローバル化が進む現在と、当時を安易に比較すべきではないだろう。だが「爆発」まで目覚めない「夢遊病者たち」にならないよう、歴史を振り返り、教訓に学びたい。
http://mainichi.jp/opinion/news/20140728k0000m070136000c.html
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ナイジェリア大都市の病院でエボラ死者、感染拡大を懸念(2014/07/28CNN)
(CNN) ナイジェリアの最大都市ラゴスの病院で、エボラ出血熱の感染が確認された患者が死亡したことが27日までに分かった。これまでに患者が確認されたギニア、シエラレオネ、リベリアの3カ国以外への感染拡大が懸念されている。・・・世界保健機関(WHO)が20日に発表した統計によると、西アフリカのエボラ出血熱では過去4カ月間に疑い例を含め1093人が感染、660人が死亡した。検査で感染が確認された患者は786人で、このうち442人が死亡している。
http://www.cnn.co.jp/world/35051421.html
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関電、歴代首相に年2000万円 計7人、72年から18年献金 内藤元副社長が証言(2014/07/28朝日新聞)
関西電力で政界工作を長年担った内藤千百里(ちもり)・元副社長(91)が朝日新聞の取材に応じ、少なくとも1972年から18年間、在任中の歴代首相7人に「盆暮れに1千万円ずつ献金してきた」と証言した。政界全体に配った資金は年間数億円に上ったという。原発政策の推進や電力会社の発展が目的で、「原資はすべて電気料金だった」と語った。多額の電力マネーを政権中枢に流し込んできた歴史を当事者が実名で明らかにした。・・・さらに「関電には芦原さんが直接、総理大臣や党の実力者に配る資金があった。トップシークレットだった」と証言。首相や自民党有力者らに毎年2回、盆暮れのあいさつと称して各200万〜1千万円の現金を運ぶ慣行があったと明かし、授受の様子や政治家の反応を細かく語った。
当時は政治家個人への企業献金は法律で禁止されていないが、電力各社は74年、「政治献金分まで電気料金を支払いたくない」という世論を受けて企業献金の廃止を宣言。内藤氏は当時の業界は「そんなことを出来るわけがない。政治家を敵に回したら何も動かない」という雰囲気だったとし、その後も政治献金を水面下で続けたと証言した。・・・歴史の関係者から話を聞き取る「オーラルヒストリー」第一人者の御厨貴東大客員教授の話 電力を独占供給する巨大公益企業の政界工作を中枢の元役員が明かした衝撃の告白だ。これほど痛烈な自己批判は過去にない。歴史をこの国に記録として残そうとする勇気ある行為だ。
関電は電気料金を使って政治家を値踏みし、政界のタニマチ的存在になっていた。巨額献金が独占支配を強め、自由化を嫌がる自己改革のできない組織にさせたに違いない。内藤氏は電力業界に誤りはないと信じてきたが、原発事故で過信だったと気づいた。関電にとって目指すべきモデルで超えるべき対象だった東電の事故は、裏方仕事が国家のために役立つと信じてきた彼の価値観を画期的に変えたのだろう。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11269285.html
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「敵になること拒む」 イスラエルで反戦集会(2014/07/28朝日新聞)
イスラエルのテルアビブで26日夜、イスラエル軍のパレスチナ自治区ガザへの侵攻に反対する集会が開かれた。参加した数千人は大半がユダヤ人。「我々は敵になることを拒む」「人種差別を進める政府はいらない」と声を上げた。だが、会場は軍を支持する団体に囲まれ、緊張が走った。集会は市民団体や左派系の政党が呼びかけた。各グループはプラカードやTシャツにそれぞれの主張を書き、会場の広場に設けられたステージに順番に立ち、即時停戦を訴えた。左派系政党の支援者、シャハル・ベンホリンさん(31)は「イスラエルの右派政権は(対立するイスラム組織)ハマスの映し鏡だ。相手に憎しみを生む今の安全保障政策は失敗。パレスチナ国家を認め、共存を進めるべきだ」と語った。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11269263.html
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第1次大戦100年、過ち繰り返すな 法王訴え(2014/07/28朝日新聞)
ローマ・カトリック教会のフランシスコ法王は27日、28日の第1次世界大戦開戦100年にあわせ、「過去の過ちを繰り返してはならない」「戦争は絶対にだめだ。今こそ止める時だ」と警告した。バチカン・サンピエトロ広場に集う信徒に向けたスピーチで、法王はイスラエル・パレスチナ間の戦闘やイラク、ウクライナを明示し、対話を求めた。「子どもたちが死に傷つき、親を失っている」とも訴えた。第1次大戦は1914年7月28日、オーストリア・ハンガリー帝国がセルビアに宣戦布告して始まった。(ローマ)
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11269266.html
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(社説)リニア新幹線 これが最良の選択か(2014/07/28朝日新聞)
リニア中央新幹線の品川―名古屋間の環境影響評価(アセスメント)がほぼ終わった。国土交通相はJR東海の計画を大筋で容認した。JR東海はこの秋にも着工する構えだ。ただ3年に及んだアセスで、計画への疑問はむしろ膨らんだといわざるをえない。工事で6千万立方メートルを超す残土や汚泥などが出る。沿線河川の水が減ったり、南アルプスの景観や動植物の生息に影響したりする恐れも明らかになった。こうした環境問題も心配だが、時代の移り変わりを見ると、そもそもリニアは必要なのかとの疑問も抱かせる。・・・ただ、北陸新幹線の整備が進み、東京―敦賀(福井県)間は25年度に開業する予定だ。さらに1本、しかも建設費が割高で電力消費も大きいリニアが唯一の選択なのか。JR東海が自己負担する9兆円余りは、企業努力の産物ではあるものの、公共交通であるJRに国民が払った運賃が原資となっている。地方公共交通が衰弱している現状で、何ともアンバランスな投資にも思える。着工にゴーサインを出すのは国だ。安倍政権は前のめりだが、リニア抜きの案も含めた国土利用の未来計画を示して、国民の意思を確かめてはどうか。拙速に進める必要はない。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11269178.html
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(声)武器輸出は惨劇を生みかねない(2014/07/28朝日新聞)無職 牛島芳一(神奈川県 66)
「武器輸出」はこのような結果も生みかねないという事例ではないか。ウクライナ東部でマレーシア航空機が撃墜された。多数の民間人が犠牲になった。この事件では、親ロシア派に流れたロシア製のミサイルが使われた可能性が疑われているのだ。日本では4月、武器輸出三原則に代わって「防衛装備移転三原則」が閣議決定された。輸出の相手国や武器の種類が明記されておらず、どこまで輸出を認めるかは、時の政権の判断だ。さっそく安倍内閣は、地対空ミサイルの機能として最重要視される「目標を探知するセンサー部品」を、三菱重工業が米国に輸出することを許可した。米国は、この部品を使ったミサイル「PAC2」を中東に輸出することを念頭に置いているという。「PAC2」はイスラエル、サウジアラビア、クウェートに輸出された実績があると報じられている。部品といえども、立派な武器だ。防衛省はどこに輸出するかは「関知しない」というが、際限なく拡散するだろう。今の国際情勢からすれば、日本から輸出された武器が、悲惨な犠牲とさらなる火種を生む可能性があるのではないかと思わざるをえない。武器輸出が悲惨な結果をもたらしかねないことを、安倍政権と輸出企業はどう思っているのだろうか。何か起きたら、責任をどう取るつもりなのだろう。人殺しの道具を輸出してもうけるのは恥だ。私には、決して認められない。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11269180.html
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(声)広島・長崎の平和宣言でお願い(2014/07/28朝日新聞)主婦 村松祝子(北海道 74)
8月の原爆の日の平和式典で広島、長崎の両市長が出す平和宣言と集団的自衛権の問題を論じた「社説余滴」(22日朝刊)を読みました。私は、集団的自衛権の行使に反対する意思を、平和宣言に入れてほしいと願わずにいられません。原爆使用の根源が戦争です。その戦争のにおいが今、私たちのまわりに漂っていると感じます。集団的自衛権の行使の問題を避けて、どうして平和を維持していけるのでしょうか?「憲法の平和主義の記述があればいい」というものではありません。戦争につながり、平和を脅かす集団的自衛権の行使を、安倍晋三首相の前できっぱりと否定してほしいのです。原爆で亡くなった20万人以上の犠牲者の前で、私たちは核兵器廃絶を誓いました。「過ちは繰り返しませぬから」と。犠牲者を代弁し、平和を望む市民を代表して式典に臨む両市長に、その誓いを私は託したいのです。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11269181.html
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(声)若い世代 世界中の子どもを学校に(2014/07/28朝日新聞)小学生 高梨珠実(神奈川県 10)
ナイジェリアで、イスラム過げき派組織「ボコ・ハラム」が学校をしゅうげきして、200人以上の女子生徒を誘拐しました。事件を起こしたメンバーは、貧困層の若い人が中心だったそうです。ナイジェリアは、石油産出量、天然ガス埋蔵量がアフリカ大陸で最大の国です。一方で貧富の差が広がっていて、事件を起こした人たちは、生活がよくならない不満を抱えていたそうです。また、子どもの3人に1人は小学校に通えません。学校はだれでも行けるものと思っていましたが、勉強をしたり、友だちと遊べたりするのは幸せだと思いました。貧困をなくすためには仕事が必要です。仕事をするには、やはり勉強が必要です。そのためには他国も一つになって支援することです。そうすれば誘拐もなくなります。世界中の子が学校に行けて、働く場所を見つけ、日本のように豊かな生活を送ってほしいです。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11269182.html
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(声)若い世代 ゆとりある社会を目指して(2014/07/28朝日新聞)大学生 小林ゆきの(愛知県 20)
私の考える「豊かさ」とは、人々が心にゆとりを持ち、家族と過ごしたり、趣味を楽しんで暮らしたりできることである。だが、世界の国々は経済成長ばかりに目を向け、本当の豊かさを見失っているように思う。国の経済の力の目安となるGDP(国内総生産)は、日本は世界で3位だ。だが、子どもの貧困率は16%を超え、過去最悪という。国の経済が豊かであるはずなのに、生活が苦しい人がたくさんいるのだ。原因は働く人の労働条件にあるのではないか。友人のアルバイト先では、店長だけが正規雇用で、その他の従業員は非正規だ。低賃金で長時間労働をさせられ、バイト漬けになってしまう学生はたくさんいる。経済成長だけが豊かになる方法ではない。ワークシェアリングなどの仕組みを広げ、人々がゆとりを持てる、豊かな社会システムを新しくつくっていくことができればと思う。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11269184.html
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(文化の扉)はじめての鳥獣人物戯画 動物の謎、色あせぬ漫画のルーツ(2014/07/28朝日新聞)
擬人化された動物たちは、900年近い時を経ても色あせない。「漫画のルーツ」といわれる国宝絵巻「鳥獣人物戯画(ちょうじゅうじんぶつぎが)」。この秋、4年に及ぶ修理を経て公開されるが、多くの謎を抱える。戯画は、甲・乙・丙・丁の4巻(各巻縦31センチ前後、全長10メートル前後)から成る。平安後期から鎌倉初期にかけて制作され、京都市右京区の高山寺(こうさんじ)に伝わる。相撲や追いかけっこをするウサギやカエルの姿(甲巻)は特に有名だ。獅子や麒麟(きりん)、虎、象、龍、背中に甲羅のある一角獣など、日本にいなかったり架空だったりする獣も登場。賭け事に興じる人々や、流鏑馬(やぶさめ)などの行事の様子も描かれている。「詞書(ことばがき)」(説明文)はない。・・・人々を魅了してきた傑作の目的は何か。甲巻には、袈裟(けさ)を着た僧形のサルが本尊に扮したカエルの前で読経する場面がある。擬人化されたユニークな筆さばきは、人間界・仏教界への風刺と捉えることもできる。寺で学ぶ子どもの教育用では、との見方もある。・・・
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11269190.html
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(ニュースの扉)野口健さんと清掃する富士山 俺、ゴミ拾って一生終わるんじゃない?(2014/07/28朝日新聞)
昨年6月、世界文化遺産になった富士山。登録は、保全対策を整えるという「宿題」つきだったが、改革は進まない。改善策の提出期限まであと1年半。登山家の野口健さんは「このままでは登録が取り消されてもおかしくない」と心配する。長年、ラジオ局などと一緒に行っている清掃活動に同行した。・・・富士山のゴミに関心を持ったのは1997年。エベレストで出会った外国の登山家から「あそこはひどい」と聞かされたことがきっかけだった。帰国して早速向かうと、山から「白い川」が流れているのが遠目に見えた。山小屋から垂れ流されるトイレットペーパーだった。・・・掘って拾って、掘って拾って。地道な作業が続く。「俺、富士山のゴミ拾いをして一生終わるんじゃないか」。手をとめ、野口さんは笑う。
作業を終えると「収穫」は可燃ゴミ1トン、がれきを含む不燃ゴミ5・15トンに上った。だが、これだけ拾っても、ゴミの崖の風景は拍子抜けするほど変わらない。「ボランティアの活動も大事だが、それ以上に、自治体や、官庁、政治家が動かなければ問題は解決しない」ゴミに加えて、ユネスコから指摘されたのが、宿泊施設やトイレの許容範囲をはるかに超える登山者の多さだ。5合目から上の登山客は1シーズンで30万人以上。だが、入山規制には、観光への悪影響を心配する地元の反発が強い。野口さんは、人を「分散」していくことが一つの解決法になるとみる。・・・
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11269188.html
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島ぐるみ会議2千人結集「基地支配を拒否」(2014/07/27沖縄タイムス)
オスプレイの配備撤回と普天間飛行場の閉鎖・県内移設断念を求める「沖縄建白書の実現を目指し未来を拓(ひら)く島ぐるみ会議」は27日午後、宜野湾市民会館で結成大会を開いた。名護市辺野古の海上で政府が普天間代替施設の移設作業を進めようとする中で「辺野古強行を止めさせよう―沖縄の心をひとつに―」をテーマに2075人(主催者発表)が結集した。大会では結成アピールを採択。2013年1月に県内41市町村長、議会議長、県議会議長らが署名した建白書の安倍晋三首相への直接提出を「歴史的行動」と位置付け、政府の辺野古移設推進を「民意と尊厳を踏みにじり、社会正義と民主主義の基本をも否定している」と糾弾する内容。
http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=78081
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介護で来日の外国人2千人超す EPA以外590人、支援が課題(2014/07/27共同通信)
介護施設で働くために来日する外国人は、累計で2千人を超える見通しになったことが27日、分かった。経済連携協定(EPA)による受け入れが約1540人に上る。このほかに約590人のフィリピン人女性が30都道府県の施設で採用されている。EPAに基づいて働く人には日本語や介護研修に公的支援があるが、それ以外の外国人には適用されない。渡航費などの借金返済や厳しい労働条件といった問題を抱えている場合もあり、介護サービスの質を維持するには、EPA以外の外国人への支援が課題になる。厚生労働省の推計によると、国内の介護労働者は約149万人。
http://www.47news.jp/CN/201407/CN2014072701001338.html
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原水禁大会、福島で開幕 「核時代の終わりを」(2014/07/27共同通信)
原水爆禁止日本国民会議(原水禁)などが主催する原水爆禁止世界大会が27日、福島市で始まった。約1300人(主催者発表)が参加し「原発事故の深刻な状況を直視し、フクシマを核時代の終わりにする」とのアピールを採択した。原水禁系の福島での大会は、東京電力福島第1原発事故が起きた2011年から4年連続。8月4〜6日に広島、7〜9日に長崎と続く。
http://www.47news.jp/CN/201407/CN2014072701001418.html
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ミツバチ大量死「農薬の可能性大」 農研機構、原因調査で 水田散布の複数種検出(2014/07/27北海道新聞)
独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構、茨城県つくば市)などは、道内を中心に北日本で夏季にミツバチが大量死する原因は、周辺の水田のイネに散布される農薬の可能性が高いとの調査結果をまとめた。この結果を受け、農研機構は今後、農薬散布時期にミツバチを水田に近寄らせないようにする技術の研究を進める。2012年7月下旬から1カ月間、北日本のある地域で、水田から2キロ以内の8カ所に養蜂家が置いた計415個の巣箱を連日調べた。巣箱の近くで千匹以上のミツバチが死んでいた事例が5カ所で計24回あり、死骸を分析したところ、すべてから同時期に水田に散布された農薬の成分が検出された。寄生ダニによる病気など、これまで可能性が指摘されたほかの原因は見つからなかった。・・・ただ、農薬は、養蜂家らが関連性を指摘してきたネオニコチノイド系農薬を含む複数の種類が検出され、ネオニコチノイド系農薬だけが原因かどうかは特定できなかった。同農薬はイネのカメムシ防除用で、ミツバチの大量死が発生し始めた10年ほど前から普及し始めた。欧州連合(EU)が13年から使用方法を制限しているが、日本は規制していない。
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/topic/553538.html
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猛暑日、7月最多231地点 熱中症死11人(2014/07/27朝日新聞)
日本列島は26日も太平洋高気圧に覆われ、猛烈な暑さとなった。気象庁の全国927観測地点中、最高気温が35度以上の猛暑日は25%の231地点、30度以上の真夏日は76%の702地点に上った。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11267644.html
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辺野古を争点に保守対決の構図 沖縄知事選、仲井真氏出馬へ(2014/07/27朝日新聞)
沖縄県の仲井真弘多(ひろかず)知事(74)は26日、11月の県知事選に3選をめざして立候補する意向を表明した。米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設を積極的に進める考えも明言。辺野古移設反対を訴える翁長雄志(たけし)那覇市長(63)が対立候補になる公算が大きく、移設問題を最大争点とする自民党系候補同士の保守分裂選挙になる見通しだ。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11267646.html
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(女が生きる 男が生きる)そこにある貧困:下 「女性は家庭」仕向ける社会(2014/07/27朝日新聞)
日本は、女性が経済的に自立することがむずかしい。国税庁の2012年調査では、女性の平均給与は268万円で、男性の502万円の約半分。年間200万円以下の人は、女性だと4割に上るのに対し、男性は1割にとどまる。・・・一方、20〜64歳の単身女性の間では、所得が年125万円未満の人の割合である「貧困率」は31・6%(2009年)。4人に1人が貧困層である単身男性以上に厳しい状態だ。貧困率は、65歳以上の単身女性だと、46・6%と半数近くにはね上がる。(岡林佐和)・・・大沢真理(まり)・東京大教授の話 日本は、雇用の男女格差による経済力の差も大きいが、貧富の差を小さくする役割をもつはずの社会保障制度の機能が非常に低い。国の税・社会保障制度による再分配で、どの程度貧困を減らせているかを世帯のかたち別にみると、夫が稼ぎ妻が専業主婦の世帯では少し貧困が減る。しかし、夫婦共働きや母子家庭、1人ぐらしの世帯では、より貧困を深めている。こんな国は、OECD諸国で日本だけだ。政府は再分配について、根本的に見直すべきだ。(聞き手・岡林佐和)
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11267571.html
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(日曜に想う)外交敗北の果ての「予期せぬ死」 特別編集委員・冨永格(2014/07/27朝日新聞)
・・・大戦の死者1千万人すべてに、同じことがいえる。強いられた死への、ささやかな抵抗もあった。最前線の独断によるクリスマス休戦だ。仏英独合作の映画「戦場のアリア」(05年)が、史実の一端を描いている。北仏でドイツ軍とにらみ合うフランス・スコットランド連合軍。敵陣から流れる「きよしこの夜」にバグパイプが合流し、荒野での頂上協議となる。戻った仏将校はシャンパンの提供を命じ、奇跡の夜が始まった。兵士らは塹壕(ざんごう)を出て、サッカーやカードに興じ、杯を交わす。戦場をうろつく野良猫は、双方から別の名を授かっていた。どちらが本名かを真顔で言い争う男たちはおかしく、悲しい。
軍紀に背いた部隊はそれぞれの本国から処罰された。一夜の休戦は公文書ではなく、戦地から届いた無数の手紙で語り継がれた。「この話が広く知られていたら、戦争は少し減ったかもしれません」。主演女優ダイアン・クルーガーさんの言葉が耳に残る。
およそ戦争というもの、国家に名を借りた浅慮と打算で始まり、兵士の肉体が担い、家族の涙で終わる。戦場で例外なく起きるのは、奇跡ではなく、非戦闘員を含む不本意な死だ。・・・良い戦争というものはない。そしてひとたび始まれば、それは「限定的」ではありえず、憎悪は末代に及ぶ。〈平和とは、二つの戦争に挟まれたごく短い期間をいう〉。この珍定義がジョークにならない現実。戦争をしない、させない技術が外交だとすれば、外交敗北の時代といえる。予期せざる死の連鎖は、戦場の外で断つしかない。戦争の世紀に学ばず外交が負け続ければ、人類は滅びよう。文明の、予期された死である。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11267570.html
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ガザの死者、1000人超す 米主導の停戦、成立せず(2014/07/27朝日新聞)
パレスチナ自治区ガザでのイスラエル軍とイスラム組織ハマスの戦闘は26日、19日目を迎えた。両者は同日午前8時から12時間の「一時休戦」に応じたが、停戦を巡っては依然として深い溝がある。休戦中に新たな遺体の発見が進み、ガザのパレスチナ人の死者は1011人になった。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11267559.html
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(社説)再エネと地域 「主権」育てる好機に(2014/07/27朝日新聞)
朝日新聞と一橋大学が共同で実施したアンケートで、回答した全国の自治体の8割が再生可能エネルギーの推進に意欲的で、地域振興に役立てようとしていることがわかった。福島第一原発の事故から3年以上。発電の方法を見直す動きから、地域を自分たちの手で再構築する試みへと深化しつつある様子がうかがえる。例えば、電力会社に電気を売って得た収益を福祉施設の運営に回したり、発電設備を維持し保守する会社をつくって雇用創出につなげたり。地域で資金を募って設立する市民共同型の発電所も増え、500を超える勢いだ。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11267512.html
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(声)頭から離れない理玖君のこと(2014/07/27朝日新聞)会社員 望月貴広(静岡県 42)
真っ黒に日焼けした幼稚園児の我が子が、太陽の下で汗だくになって遊んでいます。楽しそうな姿を見つめながら、考えてしまいます。神奈川県厚木市の斎藤理(り)玖(く)君のことを。真っ暗な部屋にひとりぼっちで閉じ込められ、力尽き、何年間も誰にも気づいてもらえなかった5歳の理玖君のことを。同じ国に生まれた同じ命なのに、なぜこんなにも違うのか。理玖君もきっと友達と遊び、プールや夏祭りに行きたかったでしょう。日々刻々と変わる世の中で、大きなニュースでも記憶はすぐに薄れていきます。しかし、あの事件だけは忘れることができません。我が子の幸せそうな顔を見ていると「理玖君は心から笑えるようなうれしいことが一度でもあったのかな」と思ってしまいます。守れなくて申し訳ない、と心の中で手を合わせます。子育て支援、少子化対策をいうのなら、小さな命を守る方策も考えるべきです。親と一緒でなくても、不遇の子どもたちが家族のように暮らせる施設を充実させてください。その財源確保のための増税なら、喜んで協力します。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11267517.html
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(声)同調圧力に屈しない力を養おう(2014/07/27朝日新聞)会社員 小林大介(神奈川県 44)
昨年施行の「いじめ防止対策推進法」で道徳教育の充実が掲げられている。それは間違いではないと思うが、違う視点を提示したい。いじめる側の理由に「やらなければ自分がやられてしまう」というものがあると思う。そこには「やりたくはないが」「不本意だけど」という気持ちが含まれている。つまり「いじめはいけない」という道徳心は既に育っている。だから、いま推進すべきことは、人と異なる意見を言う力、同調圧力に屈しない力を養う教育ではないだろうか。いけないことを「いけない」と言えるようになる力を培うことだ。それが、いじめ防止の最大の力になる。道徳心を高めると同時に、異なる立場や意見への対応能力も育ててほしい。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11267528.html
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追跡2014:事故から3年余り 東電福島第1、第2原発を歩く 終わり見えない汚染水処理/愛知(毎日新聞 2014年07月27日 地方版)
東京電力福島第1、第2原発を6月18日に取材した。第1原発では、汚染水をため込んだタンクの列、水素爆発で上部が吹き飛んだ原子炉建屋を見た。2011年3月の事故から3年余り。厳重に防護服に身を包んだ作業員らが、終わりの見えない処理作業に追われていた。【岡大介】・・・小野明所長が取材に応じた。作業員は現在は6000人に増えており、転んで手の骨を折るなどのけがが続いていると明かした。「土木・建築現場の経験は豊富だが原発の勤務経験は乏しいという人にけがが多い。緊張感を持って取り組みたい」と話した。・・・取材時、4号機の原子炉建屋の周囲では、凍結管を埋設するための掘削工事が始まっていた。東電職員によると、凍土壁の全長は約1・5キロに及ぶ。「世界的にも例がほとんど無く、成功するか未知数の部分もある」と打ち明けた。
http://mainichi.jp/area/aichi/news/20140727ddlk23040147000c.html
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(悩みのるつぼ)学生がひどく講義できません(2014/07/26朝日新聞)
相談者:大学講師 30代
30代後半の女性です。大学で講師を始めて5年ほど経ちました。自分の専門分野について学生に講義をするのは楽しく、やりがいも感じています。最近は授業の評価も上がり、学生からわかりやすく面白いというコメントも出るようになりました。しかし意欲・興味をもっている受講生はよくて半分で、1割程度のことも。多くの学生は私語やスマホ、内職ばかりで、注意しても改善されません。そこで私は、聴くつもりがないなら出席しなくてよい、出席はとらない、試験の結果が基準に達していれば単位は与える、講義に関係ない行為は周囲の迷惑になると説明し、問題があるときは退室を求めることにしました。ある時、何度注意しても私語がやまない学生に退室を求めると、ふてくされて舌打ちをしながら「聴きます」と逆切れされました。その後ずっと私のことをにらみつけてきました。大学は基本的に自由な場で、講義を聴きたくないならサボればいいし、もっと楽な、興味のある他の講義をとればいいという私の考えは通じないようです。・・・
回答者:評論家 岡田斗司夫
私も大学の教員です。学生に聞くと、授業中にスマホや私語するのは「当然の権利」だそうです。先生の講義を「やめろ」と言わない。だから先生が自分たちに「スマホや私語をやめろ」とは言うのは「不公平」。これが彼らの理路です。「やる気がないヤツは、講義に来るな」もダメ。教室に行くか決める権利は、授業料を支払った彼ら側にあります。入試をパスして授業料を払ったからには、大学側には学生を選ぶ「権利」はありません。教室に来た学生が講義を聴くも私語やスマホをするも、それは彼らの「行動選択の自由」なのです。いまやほとんどの大学は大衆化しファミレスと同じになりました。ファミレスで料理に手を付けずしゃべってもスマホをしても、叱られません。ファミレスとは「そういう場所」だからです。高級寿司(すし)屋や天ぷら屋では、食べずにしゃべる客はマナー違反で追い出されます。同様に大衆化しなかった高級大学では、そういうマナーを守る文化も学生も、まだ存在しています。
あなたが現状に不満なら、高級大学に転職するしかありません。学生が「教室内の行動は自由」という権利を行使するのと同じく、あなたに選べる権利行使は「マシな職場への転職」だからです。でも、私は転職しません。あなたにも転職して欲しくはないです。大学教育は、いまや総崩れの撤退戦。私たち教員は毎日の敗北から、やりがいや成果を掴むしかありません。大衆大学にも「ちゃんとした教育」を渇望している学生がいます。彼らが渋々、教室に毎朝来るのは「権利行使を要求する自分」とは違う自分自身や世界と出会いたいから、と私は信じています。私たち大学教員は、「名誉ある撤退戦」の真っ最中です。大学が大衆化し、学生が一人残らず「お客様」になっても、それは「教育の敗北」ではありません。「お客様」な若者を一人でも多く「学生」に育てる。これをあきらめるのが「教育の敗北」です。私たちは「自分の戦い」に負けることになるんです。学生の半分以下、1割程度しか講義を聴いてくれない? あなたは「お客様」の1割以上を学生に育てることに成功したんですよ。すごい!その実績を誇ってください。果てしない撤退戦の中、私たち教員だけのエールを送ります。
http://digital.asahi.com/articles/ASG7H4CT5G7HUCFI001.html
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「潮流」 フランスとドイツに学ぶ(2014/07/24ヒロシマ平和メディアセンター編集部長・宮崎智三)
「戦争を終わらせるための戦争」。そう呼ぶ人もいた第1次世界大戦は、100年前の今月28日に始まった。残念ながら、戦火はその後もやむことはなかった。大戦が終わって20年もすると、欧州は再び戦場となった。・・・人類は、どれほど進歩してきたのだろうか。国の内外で、軍事力に頼る動きが目立つようになってきた今、そう問い掛けてみたくなる。1万6千発を超す核兵器に脅かされたまま、広島は来年、被爆70年を迎える。武力で植民地や資源を奪い合う野蛮な時代は幕を引きつつあるとの見方もあろう。事実、第2次世界大戦後、西ヨーロッパは落ち着いている。歴史認識や領土問題をきっかけに国家間の緊張が高まっている東アジアが、学ぶことは多そうだ。例えば欧州連合(EU)や、旧ソ連諸国を含む欧州安保協力機構(OSCE)など、地域を安定させる仕組みをどうつくってきたのか―。 ・・・フランスとドイツが積み重ねてきた努力も大きい。国境に近いアルザス・ロレーヌ地方などをめぐって何度も戦火を交えてきた両国。対立を解消したのは、武力ではなく、対話を通して互いの信頼関係を築いてきたからだ。 戦争の一因ともなった資源を共同管理しようとの発想が発展して、後のEUにつながった。対話を重ねて信頼を築くことこそ、武力に頼らない世界への一歩となる。 ・・・
http://www.hiroshimapeacemedia.jp/?p=33725
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