記者の目:嘉田・滋賀県知事の引退=加藤明子(大津支局)(毎日新聞 2014年06月05日 東京朝刊)
滋賀県の嘉田由紀子知事(64)が先月、次の知事選(6月26日告示、7月13日投開票)に出馬せず、2期8年で引退すると表明した。「もったいない」「卒原発」のキャッチフレーズで頻繁にマスコミに登場。全国的には「活躍していたのに、なぜ」と感じる人もいるだろう。だが、足元では初当選時の「公約」が揺らぎ、満身創痍(そうい)だった。引退の要因の一つは風船のように膨らんだ当初のイメージとのギャップ。知事自身、「脱原発」や「反大型公共事業」の象徴のような扱いに苦しんでいたと思う。・・・嘉田氏の引退を惜しむ声はいまだ根強い。特に環境問題に熱心な主婦らは、安倍晋三政権の原子力政策に抵抗する脱原発の旗手としての活躍を期待している。嘉田氏は知事として原子力政策に関わることの限界を強調しつつ、「国の制度を変えなければならない」と海外の原発事情の研究に意欲的だ。今後を問うと「一気に老けるかも」とかわすのみだが、「五黄(ごおう)の寅(とら)」(1950年生まれ)は負けず嫌いだという。すぐに持ち前の行動力を発揮するだろう。そうでなければ「もったいない」のではないだろうか。
http://mainichi.jp/shimen/news/20140605ddm005070009000c.html
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さようなら原発inとっとり集会:原発事故の罪深さ共有 汚染地や避難者、現状報告−−鳥取/鳥取(毎日新聞 2014年06月04日 地方版)
鳥取市でこのほど「さようなら原発inとっとり集会」が開かれた。原水爆禁止鳥取県民会議と憲法擁護・平和人権・フォーラム鳥取県の共催で市民ら約60人が参加。原発の危険性を長年指摘し続けてきた土井淑平さんが東京電力福島第1原発事故の汚染地の状況を交えて講演した他、県内で避難生活を送る人たちを支援する女性と避難女性本人が現在の問題や思いを語り、原発事故の罪深さへの認識を改めて共有した。・・・避難者が直面する問題として▽夫婦のいずれかが東日本に残って意思疎通が取れなくなり離婚するなど家族の分断▽3年以上経つのに明日が見えない不安と風化への危惧▽避難を「逃げた」と思われたり、被ばくへの不安を口に出せない雰囲気などを列挙。福島では補償格差で地域が分断され、家族に内緒で匿名で相談に訪れる人もいるなど、「何を信じていいか分からず、人と人が分断されている」と指摘した。
http://mainichi.jp/area/tottori/news/20140604ddlk31040393000c.html
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ドイツ住民の5人に1人が移民系(2014/06/04ドイツニュースダイジェスト)
(ベルリン6月3日付 時事)連邦統計局は3日、2011年5月時点の移民系住民は約1530万人で、全人口に占める割合は19.2%だったと発表した。 1955年以降に流入した外国人とその子孫を移民系住民と定義している。移民系のうち、60.2%はドイツ国籍を取得しており、39.8%は外国籍を保持。外国からの流入者は63.0%で、ドイツ生まれの37.0%を大きく上回った。・・・
http://www.newsdigest.de/newsde/news/news/6037-2014-06-04.html
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ビキニ・ベルリンの再生!ベルリン発掘の散歩術、中村真人(ドイツニュースダイジェスト)
「ビキニ・ハウス」。ツォー駅からほど近い場所に位置し、風変わりな名前を持つこの商業ビルは、隣の映画館ツォー・パラストと並んで、戦後の西ベルリンに建てられた代表的な建築の1つだ。建物の真ん中の階にあるアーケード(渡り廊下)を境に構造が2つに分かれ、その様子が水着の「ビキニ」を想起させることから、こう名付けられたのだそうだ(もっとも、このアーケードは1978年に閉じられたとのことだが)。・・・2010年に改修工事が始まると、建物は一時期骨組みだけをさらして立っていた。「日本だったら、確実にスクラップ&ビルドするところだろうに……」と思いながらも、私はその様子を眺めていた。・・・眼下には動物園の広い森が広がり、チンパンジーやフラミンゴたちが日を浴びている。ビキニがドイツ最古の動物園に直接面していることは知っていても、ショッピングの場に緑と動物を溶け込ませる空間の使い方には唸らされるものがあった。・・・
http://www.newsdigest.de/newsde/regions/berlin.html
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作業員174人の累積被ばく線量、100ミリシーベルト超す(2014/06/05福島民友)
東京電力は4日、福島第1原発事故後、3月までに現場で作業した社員と協力企業の作業員3万3260人のうち、累積被ばく線量が100ミリシーベルトを超えたのは174人だったことを明らかにした。最大値は、東電社員で678ミリシーベルトに上り、協力企業の作業員で238ミリシーベルトだった。福島市で4日開かれた県廃炉安全監視協議会の部会で東電が説明した。100ミリシーベルト以下は99.5%の3万3086人。50ミリシーベルト以下は94.5%の3万1424人だった。東電は「現在は原発構内の環境改善が進み、全ての作業員が線量限度内に管理されている状況」としている。
http://www.minyu-net.com/news/news/0605/news3.html
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堰の弁開いていた 第1原発・雨水貯蔵タンクの漏えい(2014/06/05福島民友)
東京電力福島第1原発で構内に降った雨水をためる一時貯蔵タンク2基から水の漏えいが2日に発覚した問題で、東電は4日、漏えいタンクを囲む堰(せき)に設置している排水弁が開いていたと発表した。漏えいした水の放射性物質濃度は東電が定めた堰外排水基準を上回っているが、弁を通じて堰外に流出した可能性がある。
http://www.minyu-net.com/news/news/0605/news9.html
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第1原発雨水保管タンクで漏えい 2日に判明、4日に発表(2014/06/04共同通信)
東京電力は4日、福島第1原発の汚染水タンクを囲むせきにたまった雨水を保管するタンクから水が漏れ、敷地内に水が流れた可能性があると発表した。雨水保管タンクからの漏えいは2日に判明していたが、4日になって「雨水保管タンクを囲むせきの弁が開いていた」と発表した。東電は雨水保管タンクから漏れた量や流出した範囲を調べる。タンクには、昨年8月に高濃度汚染水の漏えいが発覚した「H4」と呼ばれるタンク群のせきにたまった雨水が保管されていた。雨水保管タンクの水にはベータ線を出す放射性物質が1リットル当たり7万2千ベクレル含まれていた。
http://www.47news.jp/CN/201406/CN2014060401002046.html
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ドイツのメディア、「原発再稼働禁止」の判決を速報(2014/05/25みどりの1kw)
「大飯原発再稼働認めず」「福井地裁判決、原発より人命」、5月22日の日本の各新聞の一面は福井地方裁判所が関西電力大飯原発3、4号機の運転差し止めを命じた判決に関する記事で埋まっているが、ドイツのマスメディアも早速この判決を報じた。判決直後にドイツの通信社dpa通信などが福井発の詳しいニュースを伝えたが、最初に私が目にした記事はドイツの代表的な週刊誌「シュピーゲル」のオンライン版で、判決が出た5月21日の15時台(日本時間では22時台)に発信されている。タイトルは「福島事故後3年、日本の裁判所、原発再稼働を禁止」。ドイツの大方の読者には大飯原発という名前も福井という地方の県もなじみがないため、タイトルはこのようなおおざっぱなものにならざるを得ない。・・・
http://midori1kwh.de/2014/05/25/5508
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池沢夏樹「フランスの5年間」(2014/05/15フランスニュースダイジェスト)
近代思想史において確立された人権という概念のうちで(とずいぶん大げさなことを言うけれど)、ぼくにとっていちばん大事なのは住む場所を選ぶ権利だ。農奴のように土地に縛られることなく、引っ越したいと思った時にはどこにでも行ける。若い時からこの権利を大いに利用して、乱用して、生きてきた。20代まではそれでも外部の事情に押されて動くことが多かったが、30になった時から、正確に言うと30歳の誕生日からはひたすら我が儘に居所を選んできた。まさにその日から2年半、ぼくはギリシャで暮らしたのだ。やがて東京に戻ったが、1994年には沖縄に移住、ここに都合10年住んだ。その終わりの頃、そろそろ別の場所に移りたいと思っている時に、フランスを訪れる機会が何度かあった。・・・じゃあ、フランス行こうか。 いや、さすがそんなに簡単なことではなかった。早い話がぼくには幼い娘が2人いた。この子たちの教育をどうするのか?この歳で日本語から引き離してしまっていいものか?だけど、実際の話、ぼくが子供たちを連れてでも 日本を出た方がいいと判断した理由は学校だったのだ。保育園の間はよかったけれど、上の子が小学校に入ると、日本社会の異物排除・同調圧力はいささか耐え難いものになった。日本国内どこに行ってもこうなのかと悲観的に考え、いっそ外へ連れ出そうと決めた。・・・生活を始めていちばん感激したのは歩いて5分のところで週に3回開かれるマルシェだった。
ぼくは至って無趣味な男で仕事以外はほとんど何もしないのだが、料理は好き。気が向いた時だけ凝ったものを作るような趣味的なのではなく、日々食べるものを手早く用意する。つまり純正な主夫のキュイジーヌだ。買い物から始めて皿に盛って供するまでを毎日でもこなす。だから知らない食材が山ほどあるマルシェは天国のようなところだった。売り手たちと顔なじみになって、料理法も聞いて、少しはフランス語も話すようになった。春のアスパラガス、秋のセップやモリーユ、多種多様なフロマージュ、酢漬けにするとおいしい小さな鯖、牡蠣とムール、シャルキュートリーの豊饒。ビオの美味な野菜。思い出し始めたらきりがない。・・・観光客はよいところしか見ない。暮らせばさまざまな面が見える。ぼくは5年間の間にフランス社会を結構しっかり見たと思っている。
子供の学校を通じてたくさんの親たちや先生と親しくなったし、家のご近所ともずいぶん行き来があった。町に出ればマニフ(デモ)に出会い、パリに行ったらグレーヴ(スト)で帰れなくなった。車は縦列駐車が上手になり、子供の自転車を盗まれて憤慨した。景観は公共財であるというフランス人の考えかた、つまりは個人の自由と社会の間のどこに境界線を引くかの応用問題に感心した。高い出生率を支えるシステムもよくわかった。
総じてフランス人は自分たちは普遍であると思っており、日本人は自分たちは特殊だと思っている。これが外交の違いなどに現れる。住んでみて初めて納得したことだった。今もってぼくはフランスを標準として日本の社会を見ているようで、これが5年暮らしたことのいちばん大きな成果だと思っている。
http://www.newsdigest.fr/newsfr/features/6438-natsuki-ikezawa-essay.html
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雨水タンク7万2000ベクレル 福島第1水漏れ(2014/06/04河北新報)
東京電力は3日、福島第1原発の直接排水基準値超の雨水を保管する仮設タンク群から水が漏れたトラブルで、ストロンチウム90などベータ線を出す放射性物質(全ベータ)が基準の7200倍に当たる1リットル当たり7万2000ベクレル含まれていたと発表した。
東電が2日、水漏れがあったタンクの水を分析した。国の基準値はストロンチウム90が10ベクレル未満。タンク周囲のせき内の水は全ベータで9800ベクレルだった。雨水と混ざり、薄まったとみられる。東電は同日夜、漏えいした2基のタンク内の水を別の雨水タンクに移送し、漏えいを止めた。せき内の水も回収する。
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201406/20140604_63024.html
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引き抜かれたGMトウモロコシ(2014/05/15フランスニュースダイジェスト)
2日付ルモンド紙によると、同日、フランス南部トゥールーズから約15キロメートル離れたオート・ガロンヌの農場で、環境保護団体グリンピースが畑から遺伝子組み換えトウモロコシの苗を引き抜き、代わりに有機栽培の苗を植える抗議運動を行ったという。アメリカの大手バイオ化学メーカー、モンサントが製造した「MON810」については、今年3月15日にフランス農業省により、生産を禁じる政令が公布されていたが、11ヘクタールあるこの農場では、政令の直前に急いで苗を植えたといい、同団体は、「この畑は氷山の一角に過ぎない」と主張している。フランスでは、4月に国内で遺伝子組み換えによるトウモロコシの生産を禁止するという法律を下院が可決しており、5月5日には同法案を賛成172、反対147で、上院も可決している。
http://www.newsdigest.fr/newsfr/actualites/tabloid-news.html
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天安門事件から25年(National Geographic News June 3, 2014)
1989年6月4日に発生した中国の天安門事件では、民主化を求める学生らの抗議行動を政府が武力弾圧、多数の死傷者が出た。25年の節目を迎える今年、ジャーナリストのルイザ・リム(Louisa Lim)氏が、中国現代史における1つの転換点になったと言われる天安門事件に新たな視点で取り組んだ著書『The People's Republic of Amnesia』を上梓する。最近までアメリカのラジオネットワーク、ナショナル・パブリック・ラジオ(NPR)の北京支局員だったリム氏は執筆にあたって、事件を取り巻くさまざまな人々にインタビューを行った。当時若き兵士として鎮圧部隊に加わり、現在はアーティストとして活動している男性や、軍に息子の命を奪われた後に中国政府に対してその責任を認めその経緯を説明するよう求めている女性。また、学生に対する武力行使を拒否したために、自宅に軟禁され続けている政府高官など、いずれも強烈な印象を残す人物ばかりだ。 ・・・
http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=20140603006
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噴煙を上げる桜島、EO-1から撮影(National Geographic News June 3, 2014)
NASAの地球観測衛星EO-1(Earth Observing-1)が5月23日に撮影した、噴煙を上げる桜島。噴煙が鹿児島湾上、南に伸びているのが見える。画像右側が大隅半島、桜島の左側対岸は鹿児島市の市街中心部。
http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=2014060302
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被爆者の援護―国は争いに終止符を(2014/06/03朝日新聞)
広島、長崎への原爆投下からまもなく69年。被害者と国との争いを一刻も早く終わらせたい。動くべきは国である。国の被爆者健康手帳を持つ人が今年、20万人を割り込む見通しだ。最近は年8千人超のペースで減り、ピークだった80年代のほぼ半分になった。注意したいのは、手帳を持つ人が原爆被害者のすべてではないということだ。家族への偏見を恐れて手帳を取らない人や、被爆体験を裏付ける証人が見つからずに手帳を取れない人も少なくない。・・・被爆者は、戦争を起こした日本政府が原爆被害の実態を正しく認め、被害者に償うことが、悲劇を繰り返さないための第一歩になる、と訴えてきた。だが厚労省は、救済対象を放射線による健康被害にほぼ限定した。浴びた線量が低いとみられる人たちが病気になっても、原爆症となかなか認めない。こうした線引きが被爆者援護法の趣旨に反するという司法判断が続いても、姿勢を改めようとしない。「死に絶えるのを待っているのか」という被爆者らの憤りの声に安倍政権は向き合ってほしい。国の責任を認め、争いに幕を引くべきだ。まずは認定基準の抜本改定である。
http://www.asahi.com/paper/editorial2.html
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(論壇時評)僕らの民主主義 少数派からの「ありがとう」 作家・高橋源一郎(2014/05/31朝日新聞)
・・・民主主義は「民意」によって、なにかを決定するシステムだ。だが、「民意」をどうやってはかればいいのか。結局のところ、「多数派」がすべてを決定し、「少数派」は従うしかないのだろうか。学生たちがわたしたちに教えてくれたのは、「民主主義とは、意見が通らなかった少数派が、それでも、『ありがとう』ということのできるシステム」だという考え方だった。彼らが見せてくれた光景は、彼らが勝ち取った政治的成果よりも、重要だったように、わたしには思えた。それは、わずか数百の参加者で、たまたま「直接民主主義」が実現されていた場所だから可能だったのだろうか。・・・フィンランドの、原発からの廃棄物処理施設を描き、大きな話題をよんだ映画「100000年後の安全」に、忘れられないシーンがある。その地下施設の中心部で、急進的な反原発派でもある監督が、インタビュアーとして、施設の責任者たちに直接、質問をぶつける。厳しい質問に、時に、彼らは絶句し、苦悩し、それでも逃げることなく答え続けようとしていた。この映画が可能になったのは、「すべて」を見せることを、フィンランド政府がためらわなかったからだろう。わたしが、原発に反対するフィンランド国民だったとしても「あなたたちの考え方には反対だけれど、情報の公開をためらわず、誠実に対応してくれてありがとう」といったと思う。そこに存在していたものが民主主義だとするなら、わたしたちの国には、まだ民主主義は存在していないのである。・・・
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11161033.html
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(政治断簡)「加害の記憶」めぐる対立 編集委員・松下秀雄(2014/06/02朝日新聞)
戦争の記憶の伝わり方にはくせがあるのだな。99歳のジャーナリスト、むのたけじさんに話をうかがって、そう感じたことがある。戦時中に、従軍取材をしたむのさんは数年前、女性たちの勉強会で「戦場で何があったんでしょう。父は教えてくれないんです」と問われた。殺される恐怖の中、殺し、奪い、犯す。見聞きしたことを伝えると、女性たちは「もうやめて」と耳をふさいだ。空襲被害は多くの人が体験したが、加害の現場は主に海外の戦地だし、妻や子に言いにくい。加害の記憶を受け継ぐのは、被害以上に難しい。・・・加害展示への風当たりは強く、守勢に立たされたピースおおさかは論争を招く展示変更を避けてきた。だが展示の傷みも進む。そこで、大阪空襲に焦点を絞ることにした。展示変更の監修委員を務める歴史学者、小田康徳・前大阪電気通信大教授は話す。「いまの展示にも良くない点はあります。日本がひどいことをしたのはわかるが、その背景が見えてこない。見る人が、日本人は残虐な民族だという結論に達してもおかしくない。それは絶対に違う」「加害をすべて展示するのは無理です。でも、日本が先に重慶を爆撃し、米国がまねた。そんな経緯にも目を向ける必要があります」
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11166969.html
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(被爆国から2014)対話 決してあきらめない(2014/06/03朝日新聞)元陸上選手・為末大さん(36)
69年前、祖母が広島で被爆しました。当時のことをいろいろ話してくれましたが、僕の心のどこかに反発心があったのでしょうか。小学生の時、作文に「おばあちゃんの時代に起きたことを、なぜ僕らの世代が怒ったり申し訳ないと思ったりしなきゃいけないんだ」と書き、先生に「戦争は絶対にだめなんだ」と怒られました。
「平和とは何か」を考えるようになったのは、自分の内なる敵を見つけて問題を乗り越えなければならなかった競技人生が大きい。アウシュビッツ強制収容所での体験を記録した本「夜と霧」、フィリピンの島に戦後29年間潜伏した小野田寛郎・元陸軍少尉の「たった一人の30年戦争」……。極限状態の人の心理を知りたくて読みあさりました。そして、強く感じたことがあります。「対話」の大切さです。人の話に聞く耳を持たなくなった時、テロが起きると思います。面倒臭くても「根気よく、分かり合おうよ」と努力するのが人間ではないでしょうか。・・・
http://digital.asahi.com/articles/ASG5R5VF3G5RPTIL02S.html?iref=com_fbox_d1_01
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(被爆国から2014)原発 安全に「絶対」はない(2014/06/02朝日新聞)俳優・歌手 倍賞千恵子さん(72)
終戦は茨城に疎開していた4歳の時。でも、戦争や平和について真剣に考えるようになったのは芸能界に入ってからでした。原爆白内障の女性を演じたNHKのドラマ「夏の光に…」(1980年)。撮影前に被爆者の男性に体験を聞き、広島平和記念資料館を見学しました。一瞬で街が破壊されることに、がくぜんとしました。原爆症で亡くなった佐々木禎子さんを描いた「千羽づる」(89年)では、禎子さんの母親役。広島を訪れた小学6年生の女の子が平和の大切さを学ぶ短編アニメ「つるにのって ―とも子の冒険―」(93年)で、主題歌を歌いました。いつも戦争と平和、核の問題を感じて仕事をしていましたが、大上段に構えて意見を言うことはなかった。そんな私を変えるきっかけになったのが、福島の原発事故でした。下着やおむつを持ち、避難所へ。でも、自分にできることは歌ったりお話ししたりすること。コンサートを開いたり、「男はつらいよ」の上映会に参加したりし、先月は福島の南相馬に桜を贈るプロジェクトで、埼玉で朗読もしました。原発事故から3年。福島の人は身も心も癒やされていない。それなのに再稼働したり、輸出しようとしたりしている。核の被害は何十年、何百年と続きます。原発も絶対に安全とは言えない。「絶対」は、ない。私は山田洋次監督から人間の内面の見方を学びました。だからこそ、人を大切にしたい。誰もが「自分は幸せになりたい」という思いを侵害されるべきではないんです。数十年前、「死んだ男の残したものは」という歌に出会いました。戦争では何も残せず、みんな死んだという曲です。人が人を殺すとはどういうことかを考えながら歌い続けています。(聞き手・中崎太郎)
http://digital.asahi.com/articles/ASG5R5V8SG5RPTIL02Q.html
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(WEBRONZAから)原発事故、海の観測強化を(2014/06/03朝日新聞)
福島第一原発事故から3年余。環境への影響は気がかりだが、スウェーデン国立スペース物理研究所研究員の山内正敏氏は「地球科学としての放射能汚染問題 3年目の進展と今後の課題」(5月29日)で、科学的アプローチの大切さを論じた。欧州地球科学連合総会の福島原発事故による放射能汚染問題の特別分科会で得られた新しい知見を踏まえ、この問題でも「他の地球科学の問題と同じく、長期的モニターやサンプリングが決定的に重要だ。放射能汚染問題は『データ』が全ての地球科学の問題」と解説。・・・
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11169661.html
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(プロメテウスの罠)帰還の現実:10 線量計つきの暮らし(2014/06/03朝日新聞)
個人線量計で被曝(ひばく)線量を測って暮らす。そんな試みが田村市都路地区で始まったのは昨年8月だった。住民の帰還に向け、原発20キロ圏で長期宿泊ができるようになった時期だ。坪井幸一(65)親子と同じ集落で農業を営む坪井久夫(つぼいひさお)(63)は福祉の森公園仮設住宅から自宅へ戻り、稲作をしながら線量を測り始めた。国から貸与された新型の白い線量計は消しゴムより少し大きめ。1時間ごとの被曝線量が記録され、計測を始めてからの積算線量もわかる。・・・ 放射性物質は1キロあたり9ベクレル未満。食品の規制値100ベクレルを大幅にクリアした。首都圏の顧客にこれらの数値を伝え、買ってもらえた。線量計を身につける生活なんてやっかいだ、と久夫も思う。でもここで農業を続ける限り、自ら測るしかないと覚悟した。「お客さんとの信頼関係が何より大切だから」だが地域では「まるで人体実験」と計測を拒む住民が少なくない。被曝線量は、個人線量計のほうが従来の空間線量による推計値より低く出る傾向にある。国が長期目標とする「年1ミリシーベルト」の達成をたやすくするための策ではないか。そんな不信感も根強い。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11169676.html
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迷走する原発賠償 覆された指針 東電、独断で打ち切り(2014/06/02朝日新聞)
東京電力福島第一原発事故の損害賠償が迷走している。国が指針で示している賠償額が国の別の機関によって覆されたり、東電が勝手に賠償の打ち切りを発表したりするケースが相次ぐ。あいまいな賠償のルールが、元凶となっている。「10万円」か、「15万円」か――。避難指示区域の元住民の精神的な苦痛に対する慰謝料の月額を巡り、混乱が広がっている。・・・混乱の元凶は、損害賠償のルールがもともとあいまいな点にある。原子力損害賠償法などによると、多くの被災者に共通する損害内容や被害の期間、損害額といった大枠の賠償指針を決めるのは、原賠審だ。民法学者や放射線の専門家ら約10人の委員が指針を決めている。一方、家族の分断や長期失業といった被災者ごとに異なる個別の損害では東電と争いになった場合、原発ADRに仲裁を申し立てる。仲介委員(弁護士)が、申立人と東電の双方に和解案を示す仕組みだ。大枠の指針と個別紛争という線引きはしているものの、今回のように1万人を超す申立人への和解案は、実質的に指針と同じ重みをもつことになる。・・・
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2号機の危機、吉田氏から電話 細野氏証言、調書と符合(2014/06/01朝日新聞)
福島第一原発の最前線で事故対応を指揮した吉田昌郎所長との連絡役を務めた細野豪志氏。その証言は「吉田調書」に残る吉田氏の言葉と重なり合う。
携帯へ2度の電話
細野氏が吉田氏と携帯で連絡をとり始めたのは2011年3月12日に第一原発1号機が爆発してからだ。細野証言によると、第一原発からの撤退問題が浮上する14日夜、細野氏は吉田氏から2本の電話を受けた。午後7〜8時ごろとみられる。「吉田1F所長」。細野氏の携帯に表示が出た。吉田氏からかかってきたのは初めてで、「ことの重さを感じた」という。官邸5階の首相応接室を外して電話に出た。「吉田です」。その声は深刻そうな響きを伴っていたが、ゆっくりと落ち着いていた。電話の向こうはざわざわしていた。「2号機に水が入りません。原因が分かりません」その切羽詰まった言葉に細野氏は「自分たちは頑張ってきたけど、ダメかもしれないというニュアンスと受け止めた」という。この場面は吉田調書にもある。吉田氏が細野氏に「炉心が溶けてチャイナシンドロームになる」「水が入るか入らないか賭けるしかないですけども、やります。ただ、関係ない人は退避させる必要があると私は考えています」「1号、3号と水がなくなる。同じようなプラントが三つでき、すさまじい惨事ですよ」と伝えたという記録だ。
細野氏の証言が一段落した時点で、取材班は吉田調書の該当部分を示し、自身の記憶と合致するかどうかを尋ねた。言葉遣いは多少違うが、細野氏は「違和感はない」と述べた。細野氏は吉田氏からの電話を切り、首相執務室にいた菅直人首相に対し、2号機に水が入らずに厳しい状況にあると伝えた。菅氏は長く沈黙していたという。10分ほどたって細野氏の携帯が再び鳴った。吉田氏からだった。ここは吉田調書にない場面だ。吉田氏は「何とか水が入った。頑張れます」と言った。細野氏はその言葉を菅首相や枝野幸男官房長官に伝えた。だが、2号機原子炉の圧力は高いままで、翌日の朝を迎えた。・・・吉田氏は「自分たちは当事者だからちゃんとやり切る。ただ、次の世代がどうなるかが大きな問題だ」と話し、30〜40年かかる廃炉に向き合う人材確保を憂え、国に十分な対応を求めた。細野氏は退院後にゆっくり話し合うつもりだったが、吉田氏は13年7月に亡くなり実現しなかった。事故数日後、細野氏は最前線で事故収束作業にあたる人々を、船をチャーターして海上で休息させる案を伝えたところ、吉田氏は「そういう状況にない。我々の待遇を考えるなら被災者の方のことを考えてくれ」と答えたという。細野氏はインタビューの最後に「私は東電本店や官邸にいて現場を想像していたが、調書を読んで改めて本当にシビアだったと思う。吉田所長が伝えようとしたことを自分が全部受け止められたのかと考えてしまう」と語った。(堀内京子)
http://digital.asahi.com/articles/ASG5Z4VLKG5ZUUPI001.html
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紛争地における教育:未来への平和の種をまくためには何よりも教育が必要との訴え(2014年6月3日朝日新聞) (PR TIMES) - リリース発行企業:公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン
コンゴ民主共和国とエチオピアで紛争地における教育の調査結果
武力紛争の影響を受けた地域のコミュニティリーダーや親たちは、紛争が解決して平和な状態になった後は、教育が最優先されるべきであると考えていることが、セーブ・ザ・チルドレンとノルウェー難民評議会による共同調査で明らかになりました。(調査報告書「HEAR IT FROM THE CHILDREN: why education in emergency is critical」)世界では、武力紛争の影響によって何百万人もの子どもたちが学校へ通う機会を奪われています。武力紛争下では、子どもたちは他に選択肢がないために自ら武装グループに入ったり、児童婚などの性的搾取や性的暴行を含むあらゆる形態の暴力被害に繰り返しさらされたり、非人道的な環境の中で生き延びるために大人の役割を担わされることにより子ども時代を奪われるなど、深刻な権利侵害を経験します。
今回の調査では、激しい紛争に見舞われたコンゴ民主共和国東部のマシシとエチオピアのドロアド難民キャンプで、子ども、親、教師、コミュニティリーダー250人を対象に聞き取りを実施。その結果、教育が最優先事項であるとの明確なメッセージが伝わってきました。調査参加者の30%が、健康、食糧、水、シェルターなどの基本的な支援よりも教育が最も重要であると答えただけでなく、紛争で教育が途絶える傾向にあるコンゴ民主共和国の親のほぼ全員(98%)が、教育を最優先事項にあげました。
http://www.asahi.com/and_M/information/pressrelease/CPRT201413342.html
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(声)被爆のジオラマ廃止に疑問(2014/06/03朝日新聞)小学校教員 鯛天晶子(大阪府 62)
広島平和記念資料館の展示見直しが発表されたという記事を先日読んだ。原爆投下直後の被爆者の様子を人形で再現したジオラマの撤去が決まった、とあった。「なぜ」という疑問で心がいっぱいになった。ジオラマを撤去したあと、廃虚となった市街地の写真の前に資料写真を並べ、遺品も増やすという。またコンピューター・グラフィックス(CG)で被爆前後の広島を立体的に再現するという。だがそれで若い世代に被爆体験は伝わるだろうか。初めて資料館を訪れたのは30年ほど前。ジオラマの前で足が止まった。がれきの中をさまよう母子らしい3体の人形を一目見ただけで、悲惨さがリアルに伝わってきた。しばらく離れることもできなかった。もちろん「真っ黒なお弁当箱」などの遺品も印象に残った。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11169644.html
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東電、凍土壁の設置工事開始 福島第1、掘削に着手(2014/06/02共同通信)
東京電力は2日、福島第1原発の汚染水対策「凍土遮水壁」の設置工事を同日夕に始めたと発表した。1〜4号機建屋の周囲約1・5キロの土壌を凍らせ、汚染水増加の原因となっている建屋への地下水流入を防ぐ。この日は、1号機の北西側で凍結管設置のための掘削作業に着手した。政府は汚染水対策の「切り札」としており、菅義偉官房長官は2日午後の記者会見で「予定通りに完成することを期待したい」と述べた。地下約30メートルまで掘削後、1550本程度の凍結管を順次埋め込み、それらの上部と冷却材を循環させる配管をつなぐ。来年3月末に設置工事を完了する予定。
http://www.47news.jp/CN/201406/CN2014060201002424.html
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くみ上げ井戸で基準超1700ベクレル 地下水バイパス(2014/06/01福島民友)
東京電力福島第1原発の汚染水対策「地下水バイパス計画」で、東電は31日、専用井戸12本のうち南端の1本でくみ上げた地下水から放射性物質のトリチウム(三重水素)を1リットル当たり1700ベクレル検出したと発表した。水は5月29日に採取し、前回26日採取分に続き東電の排水基準値(1リットル当たり1500ベクレル)を上回った。この井戸の地下水くみ上げは、前回測定値が基準値を超えたことを受けて27日から停止している。東電は「水の濃度測定の強化を継続し、傾向を監視する」としている。
http://www.minyu-net.com/news/news/0601/news7.html
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川内原発の再稼働阻止訴え 国会前で抗議行動(2014/06/01共同通信)
原子力規制委員会が優先的に審査する九州電力川内原発(鹿児島県)の再稼働反対を訴える抗議行動が1日、国会議事堂前であった。全国で最も早く再稼働する可能性があり、阻止を訴える市民らがシュプレヒコールを繰り返した。
http://www.47news.jp/CN/201406/CN2014060101001536.html
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メルケル首相が米国を公式訪問(2014/06/02ドイツニュースダイジェスト)
オバマ大統領と会談、NSA問題で合意ならず
メルケル首相(キリスト教民主同盟=CDU)が2日、米国を公式訪問し、首都ワシントンのホワイトハウスで同国のオバマ大統領と会談した。ヴェルト紙が伝えた。メルケル首相とオバマ大統領は、ウクライナ危機に伴い、ロシアへの制裁を続けていくことで合意。メルケル首相は「制裁措置は排除できない」としつつ、「制裁自体が目的ではない」とも強調。米国と歩調を合わせ、外交的手段での交渉を続けていくとした。
http://www.newsdigest.de/newsde/news/top-nachrichten.html
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社説:視点・集団的自衛権 欧州に学ぶ=大木俊治(毎日新聞 2014年06月02日)
◇衝突防ぐ仕掛けを
なぜ今、集団的自衛権か。安倍晋三首相は紛争の抑止が狙いという。しかし、抑止の議論ばかり先走って緊張が高まっては本末転倒だ。衝突の危機を減らす話し合いの枠組みがアジアにはない。中国を含めてアジア全体を巻き込む信頼醸成メカニズム作りこそ今、地域の安全保障のため優先的に議論すべき課題ではないだろうか。
http://mainichi.jp/opinion/news/20140602k0000m070109000c.html
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メディア時評:大飯差し止め判決こそ骨太の論理=九州大大学院教授(科学技術史)・吉岡斉(毎日新聞 2014年05月31日 東京朝刊)
福井地裁が21日、関西電力に対して大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の運転差し止めを命じる判決を言い渡した。福島のような深刻な原発事故が再び起これば、周辺住民の人格権が極めて広く侵害されるので、具体的危険性が万が一にも存在する場合には差し止めだ、というのが判決の基本姿勢である。・・・だが福島の事故により、深刻な事故の具体的危険性を完璧に否定できなければ、原子力発電関係者は民事訴訟や行政訴訟で苦しい立場に置かれることとなった。この判決は骨太の論理で組み立てられ、電気代の高い低いなど枝葉末節の論点を大胆に切り捨てている。本質的な意味で極めて常識的な判決であり、原発訴訟判決のスタンダードとなる可能性もある。
http://mainichi.jp/shimen/news/20140531ddm005070013000c.html
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透視できた!? ミュオンで元素分析(2014/06/02ナショナルジオグラフィック)
物質を透視して観測する方法として素粒子ミュオン(ミュー粒子)が各分野で注目されている。ミュオンビームで、数ミリメートルの厚さがある隕石模擬物質の軽元素(C、B、N、O)の非破壊深度分析、有機物を含む炭素質コンドライト隕石の深度70マイクロメートル、1ミリメートルにおける非破壊元素分析に、大阪大学理学研究科の寺田健太郎教授らの研究チームが初めて成功した。茨城県東海村にある大強度陽子加速器施設J-PARCミュオン施設の世界最高強度のパルスミュオンビームを使って実証した。ミュオンは高い物質透過力を持ち、電子より試料の奥深くまで侵入できる。人類がミュオンで物質を透視する新しい“眼”を得たといえる。日本原子力研究開発機構、北海道大学、高エネルギー加速器研究機構、国際基督教大学、京都大学、首都大学東京、宇宙航空研究開発機構との共同研究で、5月27日に英オンライン科学誌「Scientific Reports」に発表した。
http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=00020140602005
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火星の火山に生命に適した湖の形跡(Michael D. Lemonick for National Geographic News June 2, 2014)
火星探査車キュリオシティとオポチュニティがこの1年でもたらした一連の発見を受け、惑星科学者たちは30億年以上前に大量の水が火星表面に存在したとの確信をかつてないほど強めている。そして水があった場所には、生命が存在したかもしれないと。・・・火星探査車が調査対象とする時期は、火星全体が現在よりもはるかに気温、湿度ともに高かった。その時期に生命が誕生し、惑星が干上がり始めた30億年前頃に微生物が地表の下に逃れた可能性がある。また、その微生物が氷河内の湖にコロニーを形成したとも考えられるのだ。・・・しかし、水だけでそのような現象は起こらない。モンタナ州立大学の宇宙生物学者ジョン・プリスク(John Priscu)氏は、「代謝には炭素やエネルギーも必要だが、どこから得られるだろうか?」と問う。とはいえ、火星がほぼ乾ききった何十億年も後に液体の水があったという発見には、数十年前は誰も想像しなかったような場所に生命維持物質が存在する可能性を再認識させられる。地球外生命の探索が続く中、今回の研究成果が良い知らせであることは間違いない。
http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=20140602004
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