<石川真生> |
沖縄人の抵抗を撮る 「大琉球写真絵巻」で歴史描く 石川真生さん(写真家)(2017年3月4日東京新聞) 琉球王国時代から沖縄の歴史を描く「大琉球写真絵巻」を四年前に始めた。薩摩藩の琉球侵攻、沖縄戦から、辺野古の埋め立てまであらゆる場面を創作写真で表現する。ストレートな怒りもあれば、風刺の効いたユーモアもあるのが、らしさだ。 「安倍政権になってから、いろんなことが動きだした。なぜこうなったか歴史をさかのぼろうと思った。沖縄人の私が人生体験を総動員した私の沖縄だよ。安倍政権と米軍に対する私なりの抵抗さ」・・・その石川さんの肋骨(ろっこつ)にこの二月、新たながんが見つかった。ステージ4。昨年から胸に痛みがあった。特に大きな一眼レフは負担のはずだ。だが、「カメラを構える時が一番幸せ。 この瞬間は痛みが消える」といつもの笑顔を見せるのだ。「大琉球写真絵巻」は毎年展覧会を開いてきた。「撮りながら沖縄の歴史を学んで、沖縄は小さな島だけど沖縄人はずっと抵抗し続けてきたと知った。今年も秋には展示をやる。来年も再来年も撮りたいものはたくさんある」。石川さんの写真を見れば、沖縄は今も燃えているのが分かる。信じて待ちたい。 がんに負けず沖縄撮って ネットで支援金、有志が募る(2017年8月8日 東京新聞) ・・・ 石川さんは沖縄で生まれ育ち、本土復帰直後から沖縄に暮らす人々を撮ってきた。米兵や自衛官、沖縄芝居の役者、基地移転に揺れる人たち。偏見やイデオロギーを超え、相手と一緒になって泣き笑いする。二〇〇〇年、〇一年に相次いでがんが見つかり、人工肛門を付けた時には、その姿を撮影し、公表した。カメラの前で自身の人生をさらけ出す。 沖縄の怒りを絵巻に 那覇で石川真生さん写真展(2015年8月26日沖縄タイムス) 2014年に制作・公開したパート1と、新作のパート2が県内初展示されている。パート2は1611年、薩摩の琉球侵攻にあらがって三司官の謝名親方が斬首される場面から始まり、辺野古沖の船上でカメラを構えて、新基地建設を強行する日本政府に憤る女性の写真で終わる。 石川さんは「沖縄で生まれ育った私でも、琉球の歴史を誰にも教えられず知らなかったから」と絵巻に取り組んだ経緯を話し、「私の62年の人生が詰まった写真。賛同してくれた友人知人に歴史の場面を再現してもらった。日本の支配が始まった1609年からたどれば、今起きていることがより分かる」と強調した。
沖縄のバーで働く女性たちを赤裸々にとらえた 沖縄の基地がある街のバーで働く女性たちの姿を赤裸々に撮った本作は、いまよりも日本と沖縄、米国の政治的背景が複雑であった時代に、自分の心の赴くままに純粋に青春を謳歌し、自由を愛する女性へ石川が熱き想いを込めて制作。本作の編集は石川が書き下ろしたエッセイに合わせ、ボーイフレンドについて噂をしあう女たち、バーに働きに出る姿、家でボーイフレンドとくつろぐ様子、海岸での楽しい午後、そして未来の沖縄を支える子供たちのポートレイトの5つの章で構成されている。 「沖縄人のプライド」89枚の創作写真に 石川真生さん、がん乗り越え写真展(2017年9月6日沖縄タイムス) 最悪の事態を覚悟しつつ「沖縄人のプライド」を詰め込んだ全89枚の作品だ。・・・5日、用意していた車椅子を使わず、トークに臨んだ石川さん。「日本はアメリカのポチ。単純明瞭でしょ」。言及したのは、米軍キャンプ・シュワブの砂浜でトランプ米大統領に扮(ふん)した人が安倍晋三首相役に首輪を付けて従わせる創作写真。名護市辺野古に新基地を造ろうとする日米両政府に「しにワジワジーして、沖縄人として反撃したかった。写真家だから写真でね」。1996年から辺野古に通い「基地に賛成か反対かに関係なく、住民だから」とレンズを向けた。「米兵は愛し、米軍は大嫌い」主義。「一人一人はよく見れば人間。憎むべきは時の政治だよ」と言い切る。 がん闘病中の石川真生さん「必ず駆け付ける」 9月の写真展「大琉球写真絵巻」へ意欲(2017年7月28日沖縄タイムス) 退院のめどは立っていないが「車いすででも何ででも必ず駆け付ける。それが私の役目」と力強く語った。・・・最新作「パート4」は手術前に病を押して撮りきり、病床でキャプションを書いた。展示90点は琉球王国時代からの沖縄の歩みを風刺を交え表現した創作写真が中心。米軍キャンプ・シュワブ前の砂浜でトランプ米大統領が安倍晋三首相に首輪を付けているように見える写真もある。「私には私の正義がある。写真でモノを言い続ける」と話した。 [大弦小弦]逆境にめげず、沖縄で生きる人々を撮り続ける写真家の石川真生さん(64)が…(2017年7月18日沖縄タイムス) ▼弱々しい声、やせ細った体、そして痛々しい手術痕。ここまで自分をさらけ出すのかと直視できなかった。がん手術は3度目。「今回はしんどかった」と明かす ▼「醜いだけの人も、美しいだけの人もいない」が信条だ。撮ると決めた人と全身で向き合い、信頼関係を築いてから撮影する。だから発表までに時間がかかり、いつもお金がない ▼初めて真生さんの写真を見たのは24年前、レールの音が響き渡る東京・中野駅のガード下で。心に傷を抱えて生きる戦争体験者の姿が展示されていた ▼それが今、11月にパリで開かれる世界最大の写真見本市に出展が決まるなど、海外でも注目を集める。作品の精神は何も変わっていない。周囲の評価が変わったのだ 「マオ・イシカワに注目していた」 NYの国際写真展で高い反響 ボーグ誌で特集も(2017年4月3日 沖縄タイムス) 沖縄の怒りを絵巻に 那覇で石川真生さん写真展(2015年8月26日沖縄タイムス) ・・・石川さんは「沖縄で生まれ育った私でも、琉球の歴史を誰にも教えられず知らなかったから」と絵巻に取り組んだ経緯を話し、「私の62年の人生が詰まった写真。賛同してくれた友人知人に歴史の場面を再現してもらった。日本の支配が始まった1609年からたどれば、今起きていることがより分かる」と強調した。 薩摩から米軍まで…沖縄苦難の歴史絵巻 石川真生さん、東京で写真展(2015年7月7日沖縄タイムス) 「日本、米国が沖縄にひどいことをしてきた歴史を示し、今につながる沖縄人の怒りをストレートに表現した」と企画を説明した。パート2も薩摩侵入から始まり、薩摩に抵抗して処刑される三司官、不平等条約を結ばされたペリー来航、人類館事件、沖縄戦、米軍圧政下の事件・事故などを切り取った。新作では新基地反対の民意が示された選挙、それでも続く新基地建設と抗議も加えた。 海に沈められているコンクリートブロックに下敷きになる首相など、風刺とユーモアを思いつくまま加味した。「悲惨さだけでは厳しいので、悲惨なことも楽しくという思いで撮った」と話した。鑑賞した静岡県沼津市の河野淳さん(51)は「沖縄の問題は人ごとでないと感じている。歴史を知ることで問題の全体像が分かる」と感想を語った。 [フランス]映画で沖縄紹介 長寿の危機解説(2014年3月31日沖縄タイムス) しかし、ハンバーガーを出すファストフード店も多く、若者がこれで早世しないか長寿地域の危機を伝える。一方で、写真家の石川真生氏の目を通して、金武や沖縄市の基地周辺の繁華街にくり出す米兵やその周辺で過ごす人たちを描写。嘉手納や普天間の米軍基地と平和の礎や首里城や守礼の門といった基地と平和、観光など沖縄を種々の角度から紹介した。 |